JP3633590B2 - タイヤ空気圧センサの位置識別方法、タイヤ空気圧センサのid登録方法、タイヤ空気圧センサの位置識別システム、タイヤ空気圧センサのid登録システム及びタイヤ空気圧監視システム - Google Patents
タイヤ空気圧センサの位置識別方法、タイヤ空気圧センサのid登録方法、タイヤ空気圧センサの位置識別システム、タイヤ空気圧センサのid登録システム及びタイヤ空気圧監視システム Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、タイヤ空気圧センサの位置識別方法、タイヤ空気圧センサのID登録方法、タイヤ空気圧センサの位置識別システム、タイヤ空気圧センサのID登録システム及びタイヤ空気圧監視システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、タイヤ空気圧監視システムとして、特許第3212311号が知られている。
【0003】
この種の従来のタイヤ空気圧監視システムでは、各タイヤに送信機付きのタイヤ空気圧センサを装着しておき、このタイヤ空気圧センサから各センサのIDと共に空気圧検出信号を送信し、車両本体側に備えられているタイヤ空気圧監視装置で受信し、少なくとも空気圧の異常なタイヤがあるときはインジケータに表示して警告する様に構成されている。
【0004】
ここで、各センサのIDは、タイヤ空気圧監視装置にも登録されており、このIDをチェックすることにより、自車両のタイヤのタイヤ空気圧センサからの信号であるのか否かを判断できる様になっている。
【0005】
このセンサIDは、従来のシステムにおいては、センサメーカーからセンサが出荷される段階で各センサに付与されており、これを自動車メーカーで車両を組み立てる際に、車両本体のタイヤ空気圧監視装置をID登録モードにして、各センサから送信されてくるIDを受信してタイヤ空気圧監視装置に登録する様に構成されている。
【0006】
より具体的には、図6のブロック図に示す様に、従来のタイヤ空気圧監視システムは、各タイヤに装着されるタイヤ空気圧センサ110,120,130,140と、車両本体に備えられるタイヤ空気圧監視装置150とから構成されている。タイヤ空気圧センサ110には、タイヤ内の空気圧を検出するための圧力センサ111と、予めセンサIDを記憶してあるIDメモリ112と、送信回路113と、電源電池114と、制御装置115と、送信用のアンテナ116とが備えられている。他のタイヤ空気圧センサ120,130,140も同様の構造となっている。一方、タイヤ空気圧監視装置150は、受信回路151と、受信用のアンテナ152と、電源回路153と、制御装置154と、メモリ155と、インジケータやLED等の表示器160へ表示データを送信するための通信回路156とが備えられている。また、このタイヤ空気圧監視装置150への電源は、車載バッテリ170から供給される様になっており、各種スイッチ類として、特に、制御装置154に対して通常の動作モードとID登録モードとで切り替えるためのモード切替スイッチ180が接続されている。
【0007】
車両製造ライン等においてID登録を行う場合には、図7のフローチャートに示す様な手順で処理が実行される。まず最初に、タイヤ空気圧監視装置150をID登録モードに切り替える(S5110)。続いて、各タイヤ空気圧センサ110等を作動させてIDメモリ112等に記憶されている各タイヤ空気圧センサ110等のセンサIDとを送信させる(S5120)。すると、タイヤ空気圧監視装置150は、受信用アンテナ152を介して電波を受信する(S5130)。そして、タイヤ空気圧監視装置150の制御装置154は、受信した信号レベルが判定レベル以上か否かを判定し(S5140)、信号レベルが判定レベル以上の場合には(S5140:YES)、受信した信号中に含まれているセンサIDをタイヤ空気圧監視装置150内のメモリ155に登録する(S5150)。そして、制御装置154は、4つのセンサ110,120,130,140のIDを全て登録したか否かを判定し(S5160)、4つのセンサ110,120,130,140のID登録が完了している場合には(S5160:YES)、モード切替スイッチ180を動作モードに切り替えて本処理を終了する(S5170)。
【0008】
この様にして、従来のシステムでは、車両の各タイヤに実際に装着されているタイヤ空気圧センサのIDを監視装置側に登録し、動作モードにおいて受信アンテナ152を介して受信する信号中に含まれているIDがメモリ155に登録してあるIDと一致するか否かを判別し、一致する場合には、このIDと共に受信した圧力信号に基づいてタイヤの空気圧の状態を判定し、判定結果に基づいて表示器160への表示を実行する様になっているのである。そして、IDを登録しておくことで、近くを走行する車両のタイヤのタイヤ空気圧センサからの信号に基づいた誤った表示を行わない様になっているのである。
【0009】
従って、このID登録方法では、タイヤ空気圧センサを交換したり、あるいはタイヤを交換したときは、再び、作業者がID登録モードにして上述したような処理を実行する必要がある。これに対し、作業者を介入させることなくタイヤ空気圧センサのIDを学習する方法が提案されている(特開平9−210827号)。
【0010】
この特開平9−210827号によるID学習方法は、監視装置に登録されているIDに対応する信号を所定回数以上受信できなかったときに当該IDを削除し、未登録のIDを受信し、このIDと共に受信した空気圧が警報を発すべき低圧力になっていないときは、当該IDを登録するというものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、タイヤ空気圧監視システムにおいては、タイヤの位置、特に、前輪か後輪かの別を識別できる様にすることは重要である。これは、前輪側がパンクしたのか後輪側がパンクしたのかにより、車両の操舵性能や走行性能に対する影響が異なるからである。そして、タイヤ空気圧監視システムでは、単に、いずれかのタイヤの空気圧が低下していることを警報するだけでなく、前輪側のタイヤの空気圧が低下したのか後輪側のタイヤの空気圧が低下したのかという情報をドライバーに与えることで、より安全性を高めることが望ましい。2輪車の場合は、特に、前輪側の空気圧低下による操舵性能の低下は著しく、この情報をより早く、即ち、ドライバーが操舵性能の低下に気付くよりも早く、ドライバーに伝達することで、より一層の安全性向上が期待できる。
【0012】
しかし、この特開平9−210827号のID登録方法では、どのIDがどの位置に装着されたタイヤの空気圧センサのIDであるかを自動的に登録することはできない。
【0013】
従来の技術を用いてタイヤの装着位置とIDを登録するには、監視装置をID登録モードにした状態で、タイヤ空気圧センサを決められた順番に従って一つずつ作動させ、一つずつID登録を行い、ID登録を行った順番によってタイヤの装着位置を識別できる様にする必要がある。従って、タイヤ位置を識別できる様にIDを登録するには、多くの工数を要するという問題がある。
【0014】
なお、車両に装着されたタイヤが夏タイヤであるか冬タイヤであるかを識別し、この識別結果をタイヤ空気圧監視システムに反映させる技術の提案はある(特開平12−79812号)。しかし、この方法は、各タイヤの回転数に関する情報から判定値を演算し、この判定値と旋回半径の逆数との関係から、夏タイヤが装着されているのか冬タイヤが装着されているのかを識別するというものであり、タイヤの位置を識別することはできない。
【0015】
そこで、本発明は、タイヤ空気圧監視システムにおいて、少なくとも前輪か後輪かの別を識別できる様に空気圧センサのID登録を行うに当たり、その登録のための工数を削減し、可能な限り自動化することを第1の目的とする。
【0016】
そして、かかる第1の目的を達成するために、自動的に空気圧センサの位置を識別可能な様にID登録を行う方法を提供することを第2の目的とする。また、この様なID登録方法を実施するためのID登録システムを提供することを第3の目的とする。
【0017】
さらに、これら第1〜第3の目的を達成するために、自動的に空気圧センサの位置を識別する方法を提供することを第4の目的とする。そして、この様なID登録方法を実施するためのID登録システムを提供することを第5の目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記第1の目的を達成するためになされた本発明のタイヤ空気圧監視システムは、タイヤ空気圧センサが送信する空気圧検出データに基づいて、監視装置が自車両のタイヤの空気圧を監視する様にしたタイヤ空気圧監視システムにおいて、
(1) 前輪と後輪とを圧力値から識別するための条件を与えるタイヤ位置識別条件供給手段と、前記受信した空気圧検出データと前記タイヤ位置識別条件供給手段から与えられた条件との関係に基づき、当該空気圧検出データが前輪のタイヤ空気圧センサのものであるか後輪のタイヤ空気圧センサのものであるかを識別するセンサ位置識別手段とを備えるシステムとして構成し、
(2) 特に、前輪と後輪とで正常時の設定圧力を異ならせておくと共に、前記タイヤ位置識別条件供給手段を、当該正常時の設定圧力の相違に基づいて前後輪を識別するための条件を与える手段として構成し、
(3) 前記タイヤ空気圧センサを、自己のIDを送信するID送信機能を有するものとして構成すると共に、前記監視装置を、ID照合によって自車両のタイヤの空気圧検出データを特定するID照合機能を有するものとして構成すると共に、該ID照合機能を実現する上で必要なID情報を登録するメモリを備えると共に、前記センサ位置識別手段による識別結果に基づき、前記メモリに対して、少なくとも前輪と後輪とを区別できる様に前記ID情報を登録するID登録手段をも備え、
(4) 前記受信機が受信したIDが未登録のIDであるか否かを判定する未登録判定手段を備えると共に、前記ID登録手段を、前記未登録判定手段によって未登録のIDであると判定されたときに、作動するシステムとして構成することによって容易に達成することができる。
【0019】
このタイヤ空気圧監視システムは、正常時のタイヤの空気圧が前輪と後輪で異なっていることを前提とするものである。この様な空気圧の設定になっている車両は実際に存在する。例えば、2輪車においては、前輪と後輪でタイヤ径が異なる場合があり、この場合、前後輪で空気圧の設定値が異なる。競走用の4輪車では、前輪と後輪で極端にタイヤ径の異なるものが装着される。この様な場合、後輪の空気圧が前輪の空気圧よりも高い設定となっているであろう。また、産業用の車両においても、後輪の空気圧が前輪の空気圧よりも高く設定されるものがあり得る。例えば、重量物を運搬する車両では、後輪の空気圧を高くしておくことが望ましいといえる。また、レジャー用ビークルにおいても、あるいは、一般の4輪車においても、前輪と後輪で正常時のタイヤの空気圧設定値を異ならせることは可能である。FR車を例にとれば、前輪は操舵性能に関係し、後輪は駆動力の伝達に関係する。従って、前輪は操舵性能を最適に引き出すことのできる空気圧の設定となることが考えられる。これに対し、後輪は、駆動力の伝達に最適な空気圧の設定となることが考えられる。従って、車両の運動性能、走行性能を追求することにより、前輪と後輪のタイヤの空気圧の設定値が異なる車両が今後増加することが考えられる。
【0020】
上述した構成を有するタイヤ空気圧監視システムにあっては、受信機が受信したIDが未登録のIDであると判定されたときに、ID登録手段が作動してメモリへのID登録を行う。この際、ID登録手段は、センサ位置識別手段による識別結果に基づき、少なくとも前輪と後輪とを区別できる様にID情報をメモリに登録する。センサ位置識別手段は、空気圧検出データとタイヤ位置識別条件供給手段から与えられた条件との関係に基づき、当該空気圧検出データが前輪のタイヤ空気圧センサのものであるか後輪のタイヤ空気圧センサのものであるかを識別する。このタイヤ位置識別条件供給手段は、正常時の設定圧力の相違に基づいて前後輪を識別するための条件を与える。この条件の与え方は、前輪の設定圧力そのものや後輪の設定圧力そのものであってもよいし、前輪と後輪でどちらの設定圧力が高くなっているかという情報を与えるものであってもよい。この情報は、センサ位置識別手段が、ソフトウェアで構成されるものであれば、当該ソフトウェアの中に、判定条件として組み込んでおくことができる。センサ位置識別手段により、空気圧検出データが前輪からのものであるか後輪からのものであるかの別が識別できれば、当該空気圧検出データと共に受信したIDを前輪又は後輪と関連付けたID情報として登録することができる。そして、前輪か後輪かがIDから識別可能になることにより、監視装置による空気圧の監視結果は、前輪と後輪とを区別できる様に表示することができる。この結果、ドライバーは、車両のタイヤに空気圧の低下が生じたとき、それが前輪のタイヤか後輪のタイヤかを容易に知ることができる。この情報を得ることにより、ドライバーは、この後、操舵性能の悪化を生じる可能性があるとか、あるいはパワー不足を感じる様な走りになるであろうということを察知し、これらの事態に対処した運転を心がけることができる。また、圧力低下を来したタイヤを交換しようとするときも、少なくとも前後輪の別が分かっているので、交換作業を迅速に実施することができる。そして、かかる種々の有用な効果は、面倒なID登録作業を必要とせず、「未登録判定手段」、「タイヤ位置識別条件供給手段」、「センサ位置識別手段」、「ID登録手段」が関連して実行する作用により、自動的に実行されるID登録の結果得られる。従って、タイヤ空気圧監視システムにおいて、少なくとも前輪か後輪かの別を識別できる様に空気圧センサのID登録を行うに当たり、その登録を自動的に実施可能にするという本発明の第1の目的が達成される。
【0021】
なお、本発明の第1の目的は、タイヤ位置識別条件供給手段を、前輪と後輪とを圧力値から識別するための条件を与える手段として構成することにより十分に達成される。あるいは、タイヤ位置識別条件供給手段を、車両に対するタイヤの装着位置を圧力値から識別するための条件を与える手段として構成することでも達成される。これらの場合、空気圧とタイヤの位置関係とは、ID登録作業をできるだけ人手を介することなく実行することを達成できればよく、正常時の空気圧としてではなく、車両組立工場や修理工場における作業マニュアルの中に組み込んだ条件としておくことで、作業者は、タイヤの空気圧を作業マニュアルに従って調整し、そのままエンジンを駆動して一定時間に渡ってタイヤ空気圧監視システムを作動させれば、ID登録モード下で一つずつセンサを作動させるといった面倒な作業を強いられることがなくなる。タイヤ位置を識別し得るID登録を自動的に行った後は、各タイヤの空気圧を正常圧力に調整すればよい。修理工場等において、ユーザーに車両を引き渡す際には、タイヤの空気圧のチェック等の作業は元々付帯しているから、この様な作業の増加は問題ではない。タイヤ空気圧センサを一つだけ作動させ、他のセンサは作動しない様にする作業に比べたら十分に工数削減の効果があるといえる。
【0022】
第1の目的を達成する最もシンプルな構成のタイヤ空気圧監視システムにおいては、上述した「未登録判定手段」がなくても構わない。「未登録判定手段」があることにより、ID登録のための処理が無駄なく実行できるのであるが、かかる効果が発揮されないとしても、ID登録のための工数削減効果は十分に達成できるからである。
【0023】
上記第2の目的を達成するためになされた本発明のタイヤ空気圧センサのID登録方法は、車両に装着される全てのタイヤの空気圧を、正常時の空気圧設定値P NORMAL から圧力判定基準値△Pを減じた空気圧低下状態であることを判定する圧力値よりも低く、かつ、車両に対する装着位置によって異なる値となる様に調整した後、各タイヤ空気圧センサから送信される空気圧検出データ及びIDを受信し、該受信した信号の出力レベルが判定レベル以上か否かを判定し、該判定の結果、前記受信した信号レベルが判定レベル以上の場合に、前記受信した空気圧検出データと、前記装着位置によって相違させた空気圧との関係から、当該空気圧検出データと共に受信したIDが車両のどの位置に装着されたタイヤ空気圧センサのIDであるかを識別し、該識別結果に基づいて、前記各タイヤ空気圧センサのIDを、車両のどの位置に装着されたタイヤ空気圧センサのIDであるかを識別可能な様に登録することを特徴とする。特に、前輪と後輪とで正常時のタイヤの空気圧設定値を異ならせておいて上述の様な手順でID登録を行うこととすれば、ID登録のためだけの空気圧調整が要らなくなり、より一層の工数削減が可能である。
【0024】
また、上記第3の目的を達成するためになされた本発明のタイヤ空気圧センサのID登録システムは、タイヤ空気圧センサと受信機との間で空気圧検出データ及びIDを送受信し、タイヤ位置識別条件供給手段によって、車両に対するタイヤの装着位置を圧力値から識別するための条件を与え、受信機で受信した空気圧検出データとタイヤ位置識別条件供給手段から与えられた条件との関係に基づき、当該空気圧検出データと共に受信したIDが車両のどの位置に装着されたタイヤのものであるかを識別し、該識別結果に基づいて、タイヤの位置を識別可能な様に前記各タイヤ空気圧センサのIDを登録するID登録手段を備えるものである。このタイヤ識別条件供給手段としては、車両に装着される全てのタイヤの空気圧を、正常時の空気圧設定値P NORMAL から圧力判定基準値△Pを減じた空気圧低下状態であることを判定する圧力値よりも低く、かつ、車両に対する装着位置によって異なる値となる様に調整することにより、前記受信機で受信した空気圧検出データから車両に対するタイヤの装着位置を識別するための条件を与える手段として構成するとよい。
【0025】
ここで、タイヤ位置識別条件供給手段を、前輪と後輪とを圧力値から識別するための条件を与える手段として構成することができる。特に、前輪と後輪とで正常時の空気圧設定値が異なっているタイヤを装着した車両に対しては、前輪と後輪の正常時の空気圧設定値の相違に基づいて前後輪を識別するための条件を与える前後輪識別条件供給手段として構成するとよい。これらの構成とした場合、ID登録手段は、受信機が受信した空気圧検出データとタイヤ位置識別条件供給手段から与えられた条件との関係に基づき、当該空気圧検出データと共に受信したIDが前輪のものであるか後輪のものであるかを識別し、該識別結果に基づいて、タイヤの前後位置を識別可能な様に各タイヤ空気圧センサのIDを登録する手段として構成されることになる。
【0026】
また、本発明のタイヤ空気圧センサのID登録システムにおいて、前記受信機が受信したIDが未登録のIDであるか否かを判定する未登録判定手段を備え、前記ID登録手段を、前記未登録判定手段によって未登録のIDであると判定されたときに、作動する様に構成しておけば、無断処理をすることなく、自動的にID登録を実行するというより一層優れた効果を実現することができる。
【0027】
さらに、上記第4の目的を達成しようとしてなされた本発明のタイヤ空気圧センサの位置識別方法は、それぞれがタイヤ空気圧センサを備えたタイヤを装着した車両において、車両に装着される全てのタイヤの空気圧を、正常時の空気圧設定値P NORMAL から圧力判定基準値△Pを減じた空気圧低下状態であることを判定する圧力値よりも低く、かつ、車両に対する装着位置によって異なる値となる様に調整した後、前記各タイヤ空気圧センサから空気圧検出データ及びIDを送信し、該送信された空気圧検出データ及びIDを受信し、該受信した信号の出力レベルが判定レベル以上か否かを判定し、該判定の結果、前記受信した信号レベルが判定レベル以上の場合に、前記受信した空気圧検出データと、前記装着位置によって相違させた空気圧との関係から、当該空気圧検出データと共に受信したIDが車両のどの位置に装着されたタイヤ空気圧センサのIDであるかを識別する様にしたことを特徴とする。
【0028】
このタイヤ空気圧センサの位置識別方法は、次の様にして実施することができる。例えば、4輪車において、
(1)4輪のそれぞれのタイヤの空気圧(PFL,PRL,PRR,PFR)を、タイヤ空気圧センサによって明確な差異が検出できる様に異ならせておき(例えば、PFL<PRL<PRR<PFR<P NORMAL −△P)、
(2)各車輪のタイヤ空気圧センサから空気圧検出データ及びIDを送信し、
(3)この空気圧検出データを受信し、圧力値の大小関係から、各空気圧検出データと共に受信したIDが車両のどの位置に装着されたタイヤ空気圧センサのIDであるかを識別する
という方法として具体的に実施することができる。
このとき、(1)の手順においては、全てのタイヤの空気圧を、正常時の空気圧設定値P NORMAL から圧力判定基準値△Pを減じた空気圧低下状態であることを判定する圧力値よりも低くする。こうすることにより、ID登録が完了すると、警告状態が表示される。従って、作業者は、表示が警告状態となったことを確認することで、ID登録完了を知ることができる。
【0029】
また、同じく第4の目的を達成することのできる本発明のもう一つのタイヤ空気圧センサの位置識別方法は、それぞれがタイヤ空気圧センサを備えると共に、前輪と後輪とで正常時の空気圧設定値が異なっているタイヤを装着した車両において、前記各タイヤ空気圧センサから空気圧検出データ及びIDを送信し、該送信された空気圧検出データ及びIDを受信し、該受信した信号の出力レベルが判定レベル以上か否かを判定し、該判定の結果、前記受信した信号レベルが判定レベル以上の場合に、前記受信した空気圧検出データと、前記正常時の前輪と後輪の空気圧設定値の相違との関係から、当該空気圧検出データと共に受信したIDが前輪のタイヤ空気圧センサのIDであるか後輪のタイヤ空気圧センサのIDであるかを識別する様にしたことを特徴とする。
【0030】
さらに、上記第5の目的を達成するためになされた本発明のタイヤ空気圧センサの位置識別システムは、車両の各タイヤに備えられ、空気圧検出データを送信するタイヤ空気圧センサと、車両本体に備えられ、前記タイヤ空気圧センサが送信する空気圧検出データを受信することのできる受信機と、車両に装着される全てのタイヤの空気圧を、正常時の空気圧設定値P NORMAL から圧力判定基準値△Pを減じた空気圧低下状態であることを判定する圧力値よりも低く、かつ、車両に対する装着位置によって異なる値となる様に調整することにより、前記受信機で受信した空気圧検出データから車両に対するタイヤの装着位置を識別するための条件を与えるタイヤ位置識別条件供給手段と、該受信した信号の出力レベルが判定レベル以上か否かを判定し、前記受信した信号レベルが判定レベル以上の場合に、前記受信した空気圧検出データと前記タイヤ位置識別条件供給手段から与えられた条件との関係に基づき、当該空気圧検出データが車両のどの位置に装着されたタイヤ空気圧センサものであるかを識別するセンサ位置識別手段とを備えたものとして構成することができる。
【0031】
また、上記第5の目的を達成するためになされた本発明のタイヤ空気圧センサの位置識別システムは、タイヤ位置識別条件供給手段に代えて、前輪と後輪の正常時の空気圧設定値の相違に基づいて前後輪を識別するための条件を与える前後輪識別条件供給手段を備え、センサ位置識別手段を、空気圧検出データと前後輪識別条件供給手段から与えられた条件との関係に基づき、当該空気圧検出データが前輪のタイヤ空気圧センサのものであるか後輪のタイヤ空気圧センサのものであるかを識別する手段として構成することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面と共に説明する。図1は、本実施の形態の概略構成を表すブロック図である。この実施の形態は、2輪車用のタイヤ空気圧監視システムであって、前輪のタイヤに装着される空気圧センサ(送信機)10と、後輪のタイヤに装着される空気圧センサ(送信機)20と、車両本体に備えられるタイヤ空気圧監視装置(受信機)50とから構成されている。空気圧センサ10,20には、それぞれタイヤ内の空気圧を検出するための圧力センサ11,21と、予めセンサIDを記憶してあるIDメモリ12,22と、送信回路13,23と、電源電池14,24と、制御装置15,25と、送信用のアンテナ16,26とが備えられている。
【0033】
一方、タイヤ空気圧監視装置50は、受信回路51と、受信用のアンテナ52と、電源回路53と、制御装置54と、メモリ55と、インジケータやLED等の表示器81へ表示データを送信するための通信回路56とが備えられている。この通信回路56は、表示器81から、その表示状態等を示す信号を受信することもできる様に構成されている。また、このタイヤ空気圧監視装置50への電源は、車載バッテリ82から供給される様になっている。
【0033】
各空気圧センサ10,20のIDメモリ12,22には、それぞれのID(123456,234567)が記憶されている。本実施の形態のタイヤ空気圧監視システムでは、この各空気圧センサのIDをタイヤ空気圧監視装置50のメモリ55に登録される。なお、このIDの登録はタイヤ空気圧監視制御の中で、自動的に実施される。また、本実施の形態の2輪車は、前輪と後輪でタイヤの空気圧設定値が異なる値に設定されたものである。具体的には、前輪側のタイヤの空気圧設定値(PF)と、後輪側のタイヤの空気圧設定値(PR)とは、PF<PRの関係になっている。
【0034】
次に、本実施の形態において実施されるタイヤ空気圧監視制御の内容を、図2のフローチャートに基づいて説明する。この制御処理は、エンジン停止中においても所定のインターバルで間欠的に処理が行われる様になっている。本処理では、まず最初に、イグニッションスイッチがONの状態か否か、即ち、エンジン駆動中か否かを判定する(S10)。エンジン駆動中である場合は(S10:YES)、次に、空気圧センサ10,20のIDが登録済みか否かを判定する(S20)。
【0035】
この判定は、タイヤ空気圧監視装置50のメモリ55に2つの送信機IDとして、二つのIDが登録されているか否かにより行われる、二つのIDが登録されているときにID登録済みと判定される。送信機IDが全く登録されていないか、あるいは一つだけしか登録されていないときは、ID未登録と判定され(S20:NO)、受信した信号の出力レベルが判定レベル以上か否かを判定する(S30)。受信した信号の出力レベルが判定レベル以上の場合には(S30:YES)、受信した信号中に含まれている送信機IDを空気圧検出データとペアにして、メモリ55に登録する(S40)。
【0036】
続いて、メモリ55に登録済みの送信機IDが二つ存在するか否かを判定する(S50)。登録済みのIDが二つ存在すると判定されたときは(S50:YES)、登録済みの各送信機IDとペアになっている空気圧検出データ同士を比較して、圧力の高い方の送信機IDを、リヤとして登録する(S60)。なお、S50においてNOの場合、即ち、未だ一つしか送信機IDを登録していない場合は、このS60のステップはパスされる。
【0037】
一方、エンジン駆動中であって、ID登録済みであると判定されたときは(S10:YES、S20:YES)、前回処理結果を表示器81に表示する処理(「前回処理結果出力」)が実行される(S70)。
【0038】
この「前回処理結果出力」の処理は、前回の処理タイミングにおけるS100のステップでの受信処理の結果として作成された表示情報(タイヤ空気圧監視結果)を、表示器81に表示するための信号出力を行うのである。
【0039】
こうして、前回処理結果を表示器81に表示したら、受信した信号の出力レベルが判定レベル以上か否かを判定する(S80)。受信した信号の出力レベルが判定レベル以上の場合には(S80:YES)、受信した信号中に含まれている送信機IDを、メモリ55に登録されている送信機IDと照合し、一致しているか否かを判定する(S90)。送信機IDが登録済みのIDと一致しているときは(S90:YES)、受信処理が実行される(S100)。
【0040】
この「受信処理」では、まず、IDと共に受信した空気圧検出データを、異常低圧判定値と比較する。そして、タイヤの圧力が設定圧力よりも所定以上低下しているか否かを判定する。この判定結果において所定以上圧力が低下していると判定されたときは、表示器81に対して圧力低下が発生していることを表示するための「圧力低下表示情報」を作成する。この「圧力低下表示情報」は、圧力低下と判定された空気圧検出データと共に受信した送信機IDと、メモリ55へのID登録情報とを比較し、「リヤ」として登録されているもののときは、リヤタイヤの表示を警告状態として目立たせる様に作成される。一方、送信機IDとメモリ55へのID登録情報とを比較し、圧力低下と判定された空気圧検出データと共に受信した送信機IDが「リヤ」として登録されているものでないときは、フロントタイヤの表示を警告状態として目立たせる様に作成される。なお、いずれのIDについても圧力低下がないと判定された場合は、表示器81に正常状態の表示を行うための「正常状態表示情報」を作成する。S70では、このS100で作成された表示情報に基づく表示が実行される。
【0041】
一方、イグニッションONでないと判定されたとき、即ち、エンジン停止中は(S10:NO)、間欠動作のタイミングになったか否かを判断する間欠動作処理が実行される(S110)。間欠動作のタイミングとしては、所定の比較的長いインターバルが設定されている。間欠動作のタイミングになるとこのルーチンを抜け、S80の処理に移行する。なお、エンジン停止中であるので、S70の前回処理結果出力は実行されない。エンジン停止中も間欠動作を実行することにより、本実施の形態によれば、駐車中にいたずら等によるタイヤ空気圧の低下が生じた様な場合に、エンジン始動時にこの状態を表示器81に表示して、空気圧低下が発生していることをドライバーに伝えることができるという効果がある。
【0042】
以上説明した本実施の形態によれば、前後輪のタイヤ空気圧の設定値が異なる様に設計された2輪車において、空気圧センサ10,20の送信機IDを、自動的に、しかも、前後輪を識別することができる様にタイヤ空気圧監視装置50のメモリ55に登録することができる。従って、ID登録のための工数を削減することができるという効果が発揮される。
【0043】
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態は、4輪車用のタイヤ空気圧監視システムに関するものである。この第2の実施の形態のシステム構成を図3に示す。本実施の形態では、4輪それぞれのタイヤに装着される空気圧センサ10,20,30,40と、タイヤ空気圧監視装置50とから構成されている。空気圧センサ10,20,30,40はいずれも第1の実施の形態と同じく、圧力センサ11,21,31,41と、IDメモリ12,22,32,42と、送信回路13,23,33,43と、電源電池14,24,34,44と、制御装置15,25,35,45と、送信用のアンテナ16,26,36,46とを備えている。タイヤ空気圧監視装置50も第1の実施の形態と同様の構成である。
【0044】
各空気圧センサ10,20.30,40のIDメモリ12,22,32,42には、それぞれのID(123456,234567,345678,456789)が記憶されている。これらのIDは、タイヤ空気圧監視装置50のメモリ55に登録される。そのID登録は、以下の手順で実施される。
【0045】
図4のフローチャートに示す様に、ID登録に当たっては、左前輪のタイヤの空気圧(PFL)、左後輪のタイヤの空気圧(PRL)、右後輪のタイヤの空気圧(PRR)、右前輪のタイヤの空気圧(PFR)を下記式の関係となる様に調整する(S210)。
【0046】
【数1】
PFL < PRL < PRR < PFR < (PNORMAL−△P)
【0048】
ここで、
PNORMALは、正常時の空気圧設定値(4輪とも同じ圧力)
△Pは、空気圧低下状態と判定する圧力低下判定基準値
である。
【0049】
次に、エンジンを始動して(S220)、タイヤ空気圧監視装置50にID自動登録処理を実行させる(S230)。このID自動登録処理によってID登録が完了したら(S240:YES)、エンジンを停止し(S250)、各タイヤの空気圧を正常な圧力に戻して(S260)、このID登録手順を終了する。
【0050】
タイヤ空気圧監視装置50の制御装置54は、図5にフローチャートで示す様なプログラムに従って、ID自動登録を実行する。
【0051】
概ねは、第1の実施の形態と同様であり、イグニッションスイッチがONで(S310:YES)、空気圧センサ10,20,30,40のIDが未登録であると判定されると(S320)、受信した信号の出力レベルが判定レベル以上か否かを判定する(S330)。受信した信号の出力レベルが判定レベル以上の場合には(S330:YES)、受信した信号中に含まれている送信機IDを空気圧検出データとペアにして、メモリ55に登録する(S340)。
【0052】
続いて、メモリ55に登録済みの送信機IDが4個存在するか否かを判定する(S350)。登録済みのIDが4個存在すると判定されると(S350:YES)、登録済みの各送信機IDとペアになっている空気圧検出データ同士を比較して、圧力値が低い順番に、送信機IDに対して、左前(FL)、左後(RL)、右後(RR)、右前(FR)を意味するタイヤ位置識別情報を対応付けて登録する(S360)。なお、S350においてNOの場合、即ち、未だ一つしか送信機IDを登録していない場合は、このS360のステップはパスされる。
【0053】
こうして、4個の空気圧センサの送信機IDが、タイヤ位置識別情報と対応付けて登録されると、S320の判定がYESとなり、S362へ進む。S362では、IDリセット指示があったか否かを判定する。IDリセット指示とは、タイヤ空気圧監視装置50に対して所定の操作をすることで、メモリ55内のID登録情報をリセットさせるためのものである。IDリセット指示があったときは(S362:YES)、ID登録情報をリセットして未登録状態にする(S364)。一方、IDリセット指示がなかった場合は(S362:NO)、第1の実施の形態のS70と同様の前回処理結果出力が実行される(S370)。以下、第1の実施の形態と同様に、所定レベル以上の信号を受信したら(S380:YES)、受信した信号中に含まれている送信機IDを、メモリ55に登録されている送信機IDと照合し、一致しているときは(S390:YES)、当該送信機IDと共に受信した空気圧検出データから演算されるタイヤの空気圧が、正常時の設定圧力値PNORMALに対して圧力低下判定基準値△P以上に低い値になっていないかを判定し、判定結果に基づいて、「圧力低下表示情報」又は「正常状態表示情報」を作成する受信処理が実行される(S400)。
【0054】
この受信処理では、送信機IDとメモリ55へのID登録情報とから判明するタイヤ位置に対応する表示となる様に「圧力低下表示情報」又は「正常状態表示情報」が作成される。そして、こうして作成された表示情報は、S370の前回処理結果出力において、表示器81に表示される。ID登録時には、数1に示す様に、いずれのタイヤについても圧力低下状態と判定される空気圧にしてあるので、ID登録が完了すると、表示器81には、警告状態が表示される。従って、作業者は、この表示器81の表示が警告状態となったことを確認することで、ID登録完了を知ることができる。なお、エンジン停止中は(S310:NO)、第1の実施の形態と同様に間欠動作を実行する(S410)。
【0055】
この第2の実施の形態によれば、自動車組立工場では、出荷前の検査工程において、4輪の空気圧を、マニュアルに指定されている状態となる様に調整してエンジンを始動するだけで、4輪のどの位置かを識別することができる様に、送信機IDの登録を完了することができる。従って、作業者が、タイヤ空気圧監視装置50をID登録モードに切り替え、空気圧センサ10,20,30,40を操作して一つずつIDを送信させるという従来の手間のかかる作業を行うことなく、送信機IDをタイヤ位置を識別できる様にメモり55に登録することができ、ID登録に要する工数の削減が可能になる。
【0056】
なお、ID登録が済んでいる状態において、タイヤ空気圧監視装置50に対して所定のリセット指示を入力することで、ID未登録状態に戻すことができる。従って、修理工場等においてタイヤのローテーションや交換を実行するときは、リセット指示を入力してから、図4に示した手順を実行することで、ローテンション後又はタイヤ交換後の送信機IDを、自動的に、しかも、タイヤ位置と関連づけて登録することができる。
【0057】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこの実施の形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内においてさらに種々の形態を採用することができることはもちろんである。
【0058】
例えば、第1の実施の形態では、前輪か後輪かの識別を、IDと共に受信した空気圧検出データの大小を比較することで実施しているが、IDと共に受信した空気圧検出データと空気圧設定値とを比較することによって、前輪か後輪かを識別する様にしてもよい。
【0059】
また、第2の実施の形態では、4輪車について前後位置だけでなく左右位置も識別できる様にID登録を行う方法を説明したが、4輪車においても2輪車と同様に、前輪側か後輪側かを識別可能にしただけのID登録にしても構わない。ドライバーに対しては、前輪側に空気圧低下が発生しているか後輪側に空気圧低下が発生しているかという情報を与えることが、操舵性能との関係等からいって重要だからである。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態としての2輪車用のタイヤ空気圧監視システムの構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施の形態においてタイヤ空気圧監視装置が実行するID自動登録を含む制御処理の内容を示すフローチャートである。
【図3】第2の実施の形態としての4輪車用のタイヤ空気圧監視システムの構成を示すブロック図である。
【図4】第2の実施の形態におけるID登録方法の手順を示すフローチャートである。
【図5】第2の実施の形態においてタイヤ空気圧監視装置が実行するID自動登録を含む制御処理の内容を示すフローチャートである。
【図6】従来のタイヤ空気圧監視システムの構成を示すブロック図である。
【図7】従来のシステムにおけるID登録手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10,20,30,40・・・空気圧センサ
11,21,31,41・・・圧力センサ
12,22,32,42・・・IDメモリ
13,23,33,43・・・送信回路
14,24,34,44・・・電源電池
15,25,35,45・・・制御装置
16,26,36,46・・・アンテナ
50・・・タイヤ空気圧監視装置
51・・・受信回路
52・・・アンテナ
53・・・電源回路
54・・・制御装置
55・・・メモリ
56・・・通信回路
81・・・表示器
82・・・車載バッテリ
Claims (13)
- それぞれがタイヤ空気圧センサを備えたタイヤを装着した車両において、
前記車両に装着される全てのタイヤの空気圧を、正常時の空気圧設定値P NORMAL から圧力判定基準値△Pを減じた空気圧低下状態であることを判定する圧力値よりも低く、かつ、車両に対する装着位置によって異なる値となる様に調整した後、
前記各タイヤ空気圧センサから空気圧検出データ及びIDを送信し、
該送信された空気圧検出データ及びIDを受信し、
該受信した信号の出力レベルが判定レベル以上か否かを判定し、
該判定の結果、前記受信した信号レベルが判定レベル以上の場合に、前記受信した空気圧検出データと、前記装着位置によって相違させた空気圧との関係から、当該空気圧検出データと共に受信したIDが車両のどの位置に装着されたタイヤ空気圧センサのIDであるかを識別する様にしたこと
を特徴とするタイヤ空気圧センサの位置識別方法。 - それぞれがタイヤ空気圧センサを備えると共に、前輪と後輪とで正常時の空気圧設定値が異なっているタイヤを装着した車両において、
前記各タイヤ空気圧センサから空気圧検出データ及びIDを送信し、
該送信された空気圧検出データ及びIDを受信し、
該受信した信号の出力レベルが判定レベル以上か否かを判定し、
該判定の結果、前記受信した信号レベルが判定レベル以上の場合に、前記受信した空気圧検出データと、前記正常時の前輪と後輪の空気圧設定値の相違との関係から、当該空気圧検出データと共に受信したIDが前輪のタイヤ空気圧センサのIDであるか後輪のタイヤ空気圧センサのIDであるかを識別する様にしたこと
を特徴とするタイヤ空気圧センサの位置識別方法。 - それぞれがタイヤ空気圧センサを備えたタイヤを装着した車両において、
前記車両に装着される全てのタイヤの空気圧を、正常時の空気圧設定値P NORMAL から圧力判定基準値△Pを減じた空気圧低下状態であることを判定する圧力値よりも低く、かつ、車両に対する装着位置によって異なる値となる様に調整した後、
前記各タイヤ空気圧センサから空気圧検出データ及びIDを送信し、
該送信された空気圧検出データ及びIDを受信し、
該受信した信号の出力レベルが判定レベル以上か否かを判定し、
該判定の結果、前記受信した信号レベルが判定レベル以上の場合に、前記受信した空気圧検出データと、前記装着位置によって相違させた空気圧との関係から、当該空気圧検出データと共に受信したIDが車両のどの位置に装着されたタイヤ空気圧センサのIDであるかを識別し、
該識別結果に基づいて、前記各タイヤ空気圧センサのIDを、車両のどの位置に装着されたタイヤ空気圧センサのIDであるかを識別可能な様に登録すること
を特徴とするタイヤ空気圧センサのID登録方法。 - それぞれがタイヤ空気圧センサを備えると共に、前輪と後輪とで正常時の空気圧設定値が異なっているタイヤを装着した車両において、
前記各タイヤ空気圧センサから空気圧検出データ及びIDを送信し、
該送信された空気圧検出データ及びIDを受信し、
該受信した信号の出力レベルが判定レベル以上か否かを判定し、
該判定の結果、前記受信した信号レベルが判定レベル以上の場合に、前記受信した空気圧検出データと、前記正常時の前輪と後輪の空気圧設定値の相違との関係から、当該空気圧検出データと共に受信したIDが前輪のタイヤ空気圧センサのIDであるか後輪のタイヤ空気圧センサのIDであるかを識別し、
該識別結果に基づいて、前記各タイヤ空気圧センサのIDを、前輪のタイヤ空気圧センサのIDであるか後輪のタイヤ空気圧センサのIDであるかを識別可能な様に登録すること
を特徴とするタイヤ空気圧センサのID登録方法。 - 車両の各タイヤに備えられ、空気圧検出データを送信するタイヤ空気圧センサと、
車両本体に備えられ、前記タイヤ空気圧センサが送信する空気圧検出データを受信することのできる受信機と、
車両に装着される全てのタイヤの空気圧を、正常時の空気圧設定値P NORMAL から圧力判定基準値△Pを減じた空気圧低下状態であることを判定する圧力値よりも低く、かつ、車両に対する装着位置によって異なる値となる様に調整することにより、前記受信機で受信した空気圧検出データから車両に対するタイヤの装着位置を識別するための条件を与えるタイヤ位置識別条件供給手段と、
該受信した信号の出力レベルが判定レベル以上か否かを判定し、前記受信した信号レベルが判定レベル以上の場合に、前記受信した空気圧検出データと前記タイヤ位置識別条件供給手段から与えられた条件との関係に基づき、当該空気圧検出データが車両のどの位置に装着されたタイヤ空気圧センサものであるかを識別するセンサ位置識別手段と
を備えているタイヤ空気圧センサの位置識別システム。 - 前輪と後輪とで正常時の空気圧設定値が異なっているタイヤを装着した車両に対するタイヤ空気圧センサの位置識別システムであって、
車両の各タイヤに備えられ、空気圧検出データを送信するタイヤ空気圧センサと、
車両本体に備えられ、前記タイヤ空気圧センサが送信する空気圧検出データを受信することのできる受信機と、
前記前輪と後輪の正常時の空気圧設定値の相違に基づいて前後輪を識別するための条件を与える前後輪識別条件供給手段と、
該受信した信号の出力レベルが判定レベル以上か否かを判定し、前記受信した信号レベルが判定レベル以上の場合に、前記受信した空気圧検出データと前記前後輪識別条件供給手段から与えられた条件との関係に基づき、当該空気圧検出データが前輪のタイヤ空気圧センサのものであるか後輪のタイヤ空気圧センサのものであるかを識別するセンサ位置識別手段と
を備えているタイヤ空気圧センサの位置識別システム。 - 車両の各タイヤに備えられ、空気圧検出データ及びIDを送信するタイヤ空気圧センサと、
車両本体に備えられ、前記タイヤ空気圧センサが送信する空気圧検出データ及びIDを受信することのできる受信機と、
車両に装着される全てのタイヤの空気圧を、正常時の空気圧設定値P NORMAL から圧力判定基準値△Pを減じた空気圧低下状態であることを判定する圧力値よりも低く、かつ、車両に対する装着位置によって異なる値となる様に調整することにより、前記受信機で受信した空気圧検出データから車両に対するタイヤの装着位置を識別するための条件を与えるタイヤ位置識別条件供給手段と、
該受信した信号の出力レベルが判定レベル以上か否かを判定し、前記受信した信号レベルが判定レベル以上の場合に、前記受信した空気圧検出データと前記タイヤ位置識別条件供給手段から与えられた条件との関係に基づき、当該空気圧検出データと共に受信したIDが車両のどの位置に装着されたタイヤのものであるかを識別し、該識別結果に基づいて、タイヤの位置を識別可能な様に前記各タイヤ空気圧センサのIDを登録するID登録手段と
を備えているタイヤ空気圧センサのID登録システム。 - 前輪と後輪とで正常時の空気圧設定値が異なっているタイヤを装着した車両に対するタイヤ空気圧センサのID登録システムであって、
車両の各タイヤに備えられ、空気圧検出データ及びIDを送信するタイヤ空気圧センサと、
車両本体に備えられ、前記タイヤ空気圧センサが送信する空気圧検出データ及びIDを受信することのできる受信機と、
前記前輪と後輪の正常時の空気圧設定値の相違に基づいて前後輪を識別するための条件を与える前後輪識別条件供給手段と、
該受信した信号の出力レベルが判定レベル以上か否かを判定し、前記受信した信号レベルが判定レベル以上の場合に、前記受信した空気圧検出データと前記前後輪識別条件供給手段から与えられた条件との関係に基づき、当該空気圧検出データと共に受信したIDが前輪のものであるか後輪のものであるかを識別し、該識別結果に基づいて、タイヤの前後位置を識別可能な様に前記各タイヤ空気圧センサのIDを登録するID登録手段と
を備えているタイヤ空気圧センサのID登録システム。 - 請求項8記載のタイヤ空気圧センサのID登録システムにおいて、
前記受信機が受信したIDが未登録のIDであるか否かを判定する未登録判定手段を備え、
前記ID登録手段は、前記未登録判定手段によって未登録のIDであると判定されたときに、作動する様に構成されていること
を特徴とするタイヤ空気圧センサのID登録システム。 - 車両の各タイヤに備えられ、空気圧検出データを送信するタイヤ空気圧センサと、
車両本体に備えられ、前記タイヤ空気圧センサが送信する空気圧検出データを受信し、該受信した空気圧検出データに基づいて自車両のタイヤの空気圧を監視する監視装置と
を備えているタイヤ空気圧監視システムにおいて、
車両に装着される全てのタイヤの空気圧を、正常時の空気圧設定値P NORMAL から圧力判定基準値△Pを減じた空気圧低下状態であることを判定する圧力値よりも低く、かつ、車両に対する装着位置によって異なる値となる様に調整することにより、前記受信機で受信した空気圧検出データから車両に対するタイヤの装着位置を識別するための条件を与えるタイヤ位置識別条件供給手段と、
該受信した信号の出力レベルが判定レベル以上か否かを判定し、前記受信した信号レベルが判定レベル以上の場合に、前記受信した空気圧検出データと前記タイヤ位置識別条件供給手段から与えられた条件との関係に基づき、当該空気圧検出データが車両のどの位置に装着されたタイヤ空気圧センサのものであるかを識別するセンサ位置識別手段と
を備えたことを特徴とするタイヤ空気圧監視システム。 - 前輪と後輪とで正常時の空気圧設定値が異なっているタイヤを装着した車両に対して搭載され、
車両の各タイヤに備えられ、空気圧検出データを送信するタイヤ空気圧センサと、
車両本体に備えられ、前記タイヤ空気圧センサが送信する空気圧検出データを受信し、該受信した空気圧検出データに基づいて自車両のタイヤの空気圧を監視する監視装置と
を備えているタイヤ空気圧監視システムにおいて、
前記前輪と後輪の正常時の空気圧設定値の相違に基づいて前後輪を識別するための条件を与える前後輪識別条件供給手段と、
該受信した信号の出力レベルが判定レベル以上か否かを判定し、前記受信した信号レベルが判定レベル以上の場合に、前記受信した空気圧検出データと前記前後輪識別条件供給手段から与えられた条件との関係に基づき、当該空気圧検出データが前輪のタイヤ空気圧センサのものであるか後輪のタイヤ空気圧センサのものであるかを識別するセンサ位置識別手段と
を備えたことを特徴とするタイヤ空気圧監視システム。 - 請求項10又は請求項11記載のタイヤ空気圧監視システムにおいて、
前記タイヤ空気圧センサを、自己のIDを送信するID送信機能を有するものとして構成し、
前記監視装置を、ID照合によって自車両のタイヤの空気圧検出データを特定するID照合機能を有するものとして構成し、
該ID照合機能を実現する上で必要なID情報を登録するメモリを備えると共に、
前記センサ位置識別手段による識別結果に基づき、前記メモリに対して、少なくとも前輪と後輪とを区別できる様に前記ID情報を登録するID登録手段をも備えていること
を特徴とするタイヤ空気圧監視システム。 - 請求項12記載のタイヤ空気圧監視システムにおいて、
前記受信機が受信したIDが未登録のIDであるか否かを判定する未登録判定手段を備え、
前記ID登録手段は、前記未登録判定手段によって未登録のIDであると判定されたときに、作動する様に構成されていること
を特徴とするタイヤ空気圧監視システム。
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