JP5380848B2 - タイヤ空気圧監視装置 - Google Patents
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Description
図1は実施例1のタイヤ空気圧監視装置が適用された車両を示す全体斜視図、図2は実施例1のタイヤ空気圧監視装置を示す制御ブロック図である。
実施例1のタイヤ空気圧監視装置は、図1および図2に示すように、第1センサユニット1と、第2センサユニット2と、第3センサユニット3と、第4センサユニット4と、前右輪速センサ(車輪速検出手段)5と、前左輪速センサ(車輪速検出手段)6と、後右輪速センサ(車輪速検出手段)7と、後左輪速センサ(車輪速検出手段)8と、受信機9と、制御ECU(圧力センサ故障判定手段、タイヤ空気圧監視手段)10と、表示器11と、ワーニングランプ12と、ヨーレートセンサ17と、を備えている。
この各センサユニット1,2,3,4は、タイヤ空気圧を検出する圧力センサと、電源としてのバッテリと、データ送信のトリガ信号を出す遠心スイッチと、コイルアンテナを備えた送信機と、タイヤ温度を検出する温度センサと、各情報を処理するセンサコントローラ(ASIC)と、を有する。
なお、バッテリは、寿命が有限であることで、受信機をレシーバからトランシーバに換えて測定結果の送受信ができるようにし、圧力センサおよび温度センサ側の結果を送信するトランスミッタをトランスポンダとすることにより、トランシーバから送信されてきた信号のエネルギーそのものにより返信することができるバッテリレスによるセンサユニットを用いてもよい。
図3は、制御ECU10に組み込んだ圧力センサ故障判定制御プログラムの処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。なお、制御ECU10は、この制御処理を所定の演算周期で繰り返す。
ステップS1の直線路走行の判定方法について説明する。
まず、車速(車体速)を積分して走行距離を算出する。車速の算出方法としては、例えば、前輪駆動車の場合、従動輪である左右後輪の車輪速の平均値や各車輪速の最高値を車速とする周知の方法を用いることができる。
例えば、100ms毎に車速VSPを更新する場合、
TRAVEL10=TRAVEL10+0.1×VSP
とする。
ここで、
TRAVEL10:走行距離10m値
である。
YAW_ANG_EST10_Z0=YAW_ANG_EST10_Z0+0.1×YAW_0
YAW_ANG_EST10=YAW_ANG_EST10_Z0
とする。
ここで、
YAW_ANG_EST10_Z0:ヨーレート積分値
YAW_ANG_EST10:走行距離10mあたりのヨーレート積分値
である。
なお、TRAVEL10>10mとなったら、YAW_ANG_EST10=0とする。
YAW_ANG_EST30=YAW_ANG_EST10_2+YAW_ANG_EST10_1+YAW_ANG_EST10
ここで、
YAW_ANG_EST30:走行距離30mあたりのヨーレート積分値
である。
YAW_ANG_EST30≦STRAIGHT_VALUE のとき
fSTRAIGHT=1(1:直線路走行,0:直線路走行ではない)
ここで、
STRAIGHT_VALUE:直線判定ヨーレート閾値
fSTRAIGHT:直線路走行判定フラグ
である。
ステップS2では、過去、どこかの輪のパンクを検出したか否かを、過去のパンク検出が記録されているか否かにより判定する。
タイヤ空気圧が所定値以下となった場合、パンクしたと判定し、当該車輪をタイヤがパンクした車輪として記憶しておく。
(P_FR)≦FLAT_VALUE のとき
fFLAT_FR=1 (1:パンク,0:正常圧)
ここで、
P_FR:前右輪タイヤ圧力値
fFLAT_FR:前右輪タイヤパンク判定フラグ
FLAT_VALUE:パンク判定圧力値
である。
(P_FL)≦FLAT_VALUE のとき
fFLAT_FL=1 (1:パンク,0:正常圧)
ここで、
P_FL:前左輪タイヤ圧力値
fFLAT_FL:前左輪タイヤパンク判定フラグ
である。
(P_RR)≦FLAT_VALUE のとき
fFLAT_RR=1 (1:パンク,0:正常圧)
ここで
P_RR:後右輪タイヤ圧力値
fFLAT_RR:後右輪タイヤパンク判定フラグ
である。
(P_RL)≦FLAT_VALUE のとき
fFLAT_RL=1 (1:パンク,0:正常圧)
ここで
P_RL:後左輪タイヤ圧力値
fFLAT_RL:後左輪タイヤパンク判定フラグ
である。
圧力センサの故障判定方法について説明する。
まず、各車輪の圧力差を算出する。
(a) (前右-前左)の圧力差:ΔP_FR_FL=P_FR-P_FL
(b) (前右-後右)の圧力差:ΔP_FR_RR=P_FR-P_RR
(c) (前右-後左)の圧力差:ΔP_FR_RL=P_FR-P_RL
ここで、
P_FR:前右輪圧力値
である。
(a) (前左-前右)の圧力差:ΔP_FL_FR=P_FL-P_FR
(b) (前左-後右)の圧力差:ΔP_FL_RR=P_FL-P_RR
(c) (前左-後左)の圧力差:ΔP_FL_RL=P_FL-P_RL
ここで、
P_FL:前左輪圧力値
である。
(a) (後右-前右)の圧力差:ΔP_RR_FR=P_RR-P_FR
(b) (後右-前左)の圧力差:ΔP_RR_FL=P_RR-P_FL
(c) (後右-後左)の圧力差:ΔP_RR_RL=P_RR-P_RL
ここで、
P_RR:後右輪圧力値
である。
(a) (後左-前右)の圧力差:ΔP_RL_FR=P_RL-P_FR
(b) (後左-前左)の圧力差:ΔP_RL_FL=P_RL-P_FL
(c) (後左-後右)の圧力差:ΔP_RL_RR=P_RL-P_RR
ここで、
P_RL:後左輪圧力値
である。
(前右輪を基準したときの速度差)
(a) (前右-前左)の速度差:ΔVW_FR_FL=V_FR-V_FL
(b) (前右-後右)の速度差:ΔVW_FR_RR=V_FR-V_RR
(c) (前右-後左)の速度差:ΔVW_FR_RL=V_FR-V_RL
ここで、
V_FR:前右輪圧力値
である。
(a) (前左-前右)の速度差:ΔVW_FL_FR=V_FL-V_FR
(b) (前左-後右)の速度差:ΔVW_FL_RR=V_FL-V_RR
(c) (前左-後左)の速度差:ΔVW_FL_RL=V_FL-V_RL
ここで、
V_FL:前左輪圧力値
である。
(a) (後右-前右)の速度差:ΔVW_RR_FR=V_RR-V_FR
(b) (後右-前左)の速度差:ΔVW_RR_FL=V_RR-V_FL
(c) (後右-後左)の速度差:ΔVW_RR_RL=V_RR-V_RL
ここで、
V_RR:後右輪圧力値
である。
(a) (後左-前右)の速度差:ΔVW_RL_FR=V_RL-V_FR
(b) (後左-前左)の速度差:ΔVW_RL_FL=V_RL-V_FL
(c) (後左-後右)の速度差:ΔVW_RL_RR=V_RL-V_RR
ここで、
V_RL:後左輪圧力値
である。
センサ故障判定は、図4に示すように、車輪の圧力差と速度差に基づくセンサ異常判定マップに基づいて判定する。このマップは、横軸に速度差ΔVW、縦軸に圧力差ΔPを取り、2つの正常判定閾値A1,A2で囲まれた範囲内をセンサ正常領域A、範囲外をセンサ異常領域に設定している。正常判定閾値A1,A2は、速度差ΔVWのとき取り得る圧力差ΔPの最小値と最大値であり、速度差ΔVWが大きくなるほどセンサ正常領域Aが広くなるように設定している。
f_SEN_IJO=map_VW_P(ΔP,ΔVW)
ここで、
f_SEN_IJO:センサ異常フラグ(0:正常,1:異常)
である。
前右輪を基準したとき
(1) (前右-前左)の圧力差ΔP_FR_FLと(前右-前左)の速度差VW_FR_FLとで決まる点
(2) (前右-後右)の圧力差ΔP_FR_RRと(前右-後右)の速度差ΔVW_FR_RRとで決まる点
(3) (前右-後左)の圧力差ΔP_FR_RLと(前右-後左)の速度差ΔVW_FR_RLとで決まる点
(4) (前左-前右)の圧力差ΔP_FL_FRと(前左-前右)の速度差ΔVW_FL_FRとで決まる点
(5) (前左-後右)の圧力差ΔP_FL_RRと(前左-後右)の速度差ΔVW_FL_RRとで決まる点
(6) (前左-後左)の圧力差ΔP_FL_RLと(前左-後左)の速度差ΔVW_FL_RLとで決まる点
(7) (後右-前右)の圧力差:ΔP_RR_FRと(後右-前右)の速度差ΔVW_RR_FRとで決まる点
(8) (後右-前左)の圧力差ΔP_RR_FLと(後右-前左)の速度差ΔVW_RR_FLとで決まる点
(9) (後右-後左)の圧力差ΔP_RR_RLと(後右-後左)の速度差ΔVW_RR_RLとで決まる点
(10) (後左-前右)の圧力差ΔP_RL_FRと(後左-前右)の速度差ΔVW_RL_FRとで決まる点
(11) (後左-前左)の圧力差ΔP_RL_FLと(後左-前左)の速度差ΔVW_RL_FLとで決まる点
(12) (後左-後右)の圧力差ΔP_RL_RRと(後左-後右)の速度差ΔVW_RL_RRとで決まる点
ステップS5の故障したセンサの判定方法について説明する。
ステップS5では、各車輪の基準車輪に対する異常判定マップ上の点map_VW_P(ΔP,ΔVW)の1つがセンサ正常領域(AまたはB)から外れる場合、当該他の車輪の圧力センサの故障と判定し、各車輪の基準車輪に対する異常判定マップ上の点map_VW_P(ΔP,ΔVW)の全てがセンサ正常領域(AまたはB)から外れる場合、基準車輪の圧力センサの故障と判定する。
(a) (前右-前左)の圧力差ΔP_FR_FLと(前右-前左)の速度差ΔVW_FR_FLとで決まる点map_VW_P(ΔP,ΔVW)
(b) (前右-後右)の圧力差ΔP_FR_RRと(前右-前右)の速度差ΔVW_FR_RRとで決まる点map_VW_P(ΔP,ΔVW)
(c) (前右-後左)の圧力差ΔP_FR_RLと(前右-前左)の速度差ΔVW_FR_RLとで決まる点map_VW_P(ΔP,ΔVW)
前右輪が故障 ← (a),(b),(c)いずれもfSEN_IJO=1(センサ異常フラグ=1)
前左輪が故障 ← (a)のみfSEN_IJO=1(センサ異常フラグ=1)
後右輪が故障 ← (b)のみfSEN_IJO=1(センサ異常フラグ=1)
後左輪が故障 ← (C)のみfSEN_IJO=1(センサ異常フラグ=1)
[パンク修理等に伴う圧力センサの故障について]
タイヤ空気圧監視装置としては、圧力センサを用いてタイヤの空気圧を直接検出するタイプ(直接式)と、車輪速センサを用いて動半径差またはタイヤ共振周波数を演算し、空気圧の低下を判定するタイプ(間接式)とが知られている。
現在、間接式のタイヤ空気圧監視装置では、4輪の同時減圧などが検出できない等の課題もあるため、空気圧センサを用いる直接式が主流になりつつある。
一方、最近の車両では、燃費向上のための軽量化やラゲッジスペース確保の観点から、車両にテンパタイヤを積載せず、パンク修理剤を搭載することが多い。
これに対し、実施例1のタイヤ空気圧監視装置では、各車輪間の速度差ΔVWに対する圧力差ΔPのうち、少なくとも1つが所定範囲から外れる場合、圧力センサの故障と判定する。すなわち、図3のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS7、またはステップS1→ステップS2→ステップS4→ステップS5→ステップS7へと進む流れとなり、ステップS3またはステップS4において、各車輪間の速度差ΔVWと圧力差ΔPで決まるマップ上の点map_VW_P(ΔP,ΔVW)のうち、少なくとも1つがセンサ正常領域(AまたはB)から外れる場合、ステップS7へと進み、圧力センサの故障と判定する。
ステップS1では、直線路走行中であるか否かを判定し、直線路を走行中である場合には限り、ステップS1→ステップS2→ステップS3またはステップS4へと進んで圧力センサの故障判定を実行し、直線路を走行中でない場合には、ステップS1→リターンへと進んで圧力センサの故障判定を実行しない。
ステップS2では、過去のパンクの有無を検出し、パンクしたタイヤで走行している場合、ステップS3へと進んで圧力センサの故障判定を実行している。パンク修理後の車輪は、パンク修理剤の使用により、パンク修理を行っていない車輪と比べて圧力センサが故障している可能性が高い。そこで、実施例1では、パンク修理後に故障判定を行うことで、圧力センサの故障をより確実に検出することができる。
ステップS2で、過去のパンクが検出されない場合、ステップS4へと進み、センサ正常領域Bとして故障判定を行う。ステップS3の故障判定はパンク修理後に行うものであるため、圧力センサが故障している可能性は高く、センサ正常領域Aを比較的狭く設定しても問題ない。ところが、ステップS4の故障判定はパンクしたタイヤが存在しない場合に常時行うものであるため、センサ正常領域Bをセンサ正常領域Aと同等に狭く設定した場合、センサノイズ等の影響により故障との誤判定が頻発するおそれがある。
実施例1のタイヤ空気圧監視装置にあっては、以下に列挙する効果を奏する。
以上、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1に基づいて説明したが、本発明の具体的な構成は、実施例1に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も許容される。
また、実施例1では、直線路走行をヨーレートセンサの検出値を用いて判定したが、操舵角センサや横加速度センサの検出値を用いて直線走行路を判定してもよい。
2 第2センサユニット
3 第3センサユニット
4 第4センサユニット
5 前右輪速センサ(車輪速検出手段)
6 前左輪速センサ(車輪速検出手段)
7 後右輪速センサ(車輪速検出手段)
8 後左輪速センサ(車輪速検出手段)
9 受信機
10 制御ECU(圧力センサ故障判定手段、タイヤ空気圧監視手段)
11 表示器
12 ワーニングランプ
13,14,15,16 タイヤ
17 ヨーレートセンサ
Claims (7)
- 車両の各タイヤに設けられ、圧力センサと送信機とを有するセンサユニットと、このセンサユニットから送信された電波を受信する受信機と、各タイヤの空気圧を監視するタイヤ空気圧監視手段と、を備えたタイヤ空気圧監視装置において、
各車輪の車輪速を検出する車輪速検出手段と、
各車輪間の速度差に対する圧力差のうち、少なくとも1つが所定範囲から外れる場合、圧力センサの故障と判定する圧力センサ故障判定手段と、
を備え、
前記圧力センサ故障判定手段は、過去にタイヤがパンクした車輪が存在しない場合、過去にタイヤがパンクした車輪が存在する場合よりも前記所定範囲を拡大して圧力センサの故障判定を実行することを特徴とするタイヤ空気圧監視装置。 - 請求項1に記載のタイヤ空気圧監視装置において、
前記圧力センサ故障判定手段は、1つの車輪を基準車輪として設定し、他の車輪の前記基準車輪に対する速度差および圧力差に基づいて圧力センサの故障を判定することを特徴とするタイヤ空気圧監視装置。 - 請求項2に記載のタイヤ空気圧監視装置において、
前記圧力センサ故障判定手段は、各車輪と前記基準車輪との速度差に対する圧力差のうちの1つが前記所定範囲から外れる場合、当該車輪の圧力センサの故障と判定し、各車輪と前記基準車輪との速度差に対する圧力差の全てが前記所定範囲から外れる場合、前記基準車輪の圧力センサの故障と判定することを特徴とするタイヤ空気圧監視装置。 - 請求項2または請求項3に記載のタイヤ空気圧監視装置において、
前記圧力センサ故障判定手段は、過去にタイヤがパンクした車輪を前記基準車輪に設定し、他の車輪のうちの1つと前記基準車輪との速度差に対する圧力差が前記所定範囲から外れる場合、前記基準車輪の圧力センサの故障と判定することを特徴とするタイヤ空気圧監視装置。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のタイヤ空気圧監視装置において、
前記圧力センサ故障判定手段は、過去にタイヤがパンクした車輪が存在する場合、圧力センサの故障判定を実行することを特徴とするタイヤ空気圧監視装置。 - 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のタイヤ空気圧監視装置において、
車両の直線路走行を検出する直線路走行検出手段を備え、
前記圧力センサ故障判定手段は、車両が直線路走行をしている場合、圧力センサの故障判定を実行することを特徴とするタイヤ空気圧監視装置。 - 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のタイヤ空気圧監視装置において、
前記圧力センサ故障判定手段は、前記速度差が所定値よりも大きい場合、圧力センサの故障判定を実行することを特徴とするタイヤ空気圧監視装置。
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