JP3633575B2 - 電気湯沸かし器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、家庭毎の使用パターンを学習し、この使用パターンで動作する電気湯沸かし器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の電気湯沸かし器は、タイマー機能を用いて深夜等使用状況が低い時には、使用者がタイマーを設定することにより、一定時間だけ低い保温温度設定に切り換え消費電力の低減を図っていた。
【0003】
また、例えば特開平7−213427号公報に記載のもののように、複数の時刻を設定する時刻設定手段と、複数の湯温を設定する湯温設定手段を設け、使用者が予め使用パターンを設定することで、複数の時間毎に保温温度設定を切り換え消費電力の低減を図っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の電気湯沸かし器では、使用者が設定した時間に加熱させるタイマーなので、他の電器機器例えば電器炊飯器を動作させるかどうかは使用者が分っていた。ところが、家庭毎の使用パターンを学習し、この学習パターンにより自動的に加熱させるものではいつ加熱するかが分らないのでブレーカが落ちるという問題を有していた。
【0005】
また、使用時間帯に沸騰させず高温保温に素早く到達しなければならないという問題を有していた。
【0006】
本発明は前記従来の課題を解決するもので、家庭毎の使用パターンを学習し、この基本使用パターンに基づいて自動的に使用・不使用時で保温温度設定を切り換え消費電力の低減を図り、更に、自動的に低温保温から高温保温へ切り換わる場合にブレーカが落ちることがなく、素早く保温温度に到達することができる使い勝手の良い電気湯沸かし器を実現することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記従来の課題を解決するために、本発明の電気湯沸かし器は、液体を収容する容器と、前記容器内の液体を加熱または保温する加熱手段と、所定期間の使用状態を学習し、この学習結果に基づいて使用時間帯を高温保温、不使用時間帯を低温保温に切り換える学習手段と、予め外部設定手段で補正値を設定して低温保温から高温保温へ切り換わる時に高温保温の到達温度を補正する温度補正手段とを備え、前記学習手段により低温保温から高温保温へ切り換わる時に前記加熱手段を断続通電制御して電力をコントロールする電力制御手段を有するようにしたものである。
【0008】
この構成により、家庭毎の使用パターンを学習し、この基本使用パターンに基づいて自動的に使用・不使用時で保温温度設定を切り換え消費電力の低減を図り、更に、機種ごとに高温保温の到達温度を設定することができ、自動的に低温保温から高温保温へ切り換わる場合に素早く保温温度に到達し、電力を適切にコントロールしてブレーカが落ちることがなく使用することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載した発明は、液体を収容する容器と、前記容器内の液体を加熱または保温する加熱手段と、所定期間の使用状態を学習し、この学習結果に基づいて使用時間帯を高温保温、不使用時間帯を低温保温に切り換える学習手段と、予め外部設定手段で補正値を設定して低温保温から高温保温へ切り換わる時に高温保温の到達温度を補正する温度補正手段とを備え、前記学習手段により低温保温から高温保温へ切り換わる時に前記加熱手段を断続通電制御して電力をコントロールする電力制御手段を有するようにしたものである。
【0010】
この構成により、家庭毎の使用パターンを学習し、この基本使用パターンに基づいて自動的に使用・不使用時で保温温度設定を切り換え消費電力の低減を図り、更に、機種ごとに高温保温の到達温度を設定することができ、自動的に低温保温から高温保温へ切り換わる場合に素早く保温温度に到達し、電力を適切にコントロールしてブレーカが落ちることがなく使用することができる。
【0011】
【実施例】
(実施例1)
以下、本発明の実施例1について図面を用いて説明する。図1は本発明の実施例における電気湯沸かし器のブロック図である。図1において、1は液体を収容する容器、2は容器1に当接し、容器内の液体を加熱する第1の加熱手段と同様に容器内の液体を加熱・保温する第1の加熱手段よりも電力出力の小さな第2の加熱手段を示している。
【0012】
3は容器1に当接され、容器1内の液体の温度を検知する温度検知手段、5は沸騰検知手段で、前記温度検知手段3から得られる温度上昇勾配が所定の温度上昇勾配(本実施例では30秒/0.5℃とする)よりも勾配が緩やかになったことで容器1内の液体の沸騰検知をする。
【0013】
6は制御手段であり、前記温度検知手段3が沸騰境界温度(本実施例では約90℃とする)未満を検知すると前記加熱手段2を駆動し、その後、沸騰検知手段5によって沸騰を検知し、前記加熱手段2を停止させるように構成されている。
【0014】
8は保温中の液体を強制的に再加熱させる再加熱手段であり、前記制御手段6は前記加熱手段2を駆動し、その後、沸騰検知手段5によって沸騰を検知し、前記加熱手段2を停止させるように構成されている。
【0015】
10は出湯手段で、出湯スイッチ10bと容器1の底部から外部まで液体を送り出す導水路10hとこの導水路中に構成され液体を外部まで送り出すポンプ10iから構成されている。
【0016】
7は学習手段で、所定期間(本実施例では14日間とする)の出湯動作、湯沸し動作、水が給水された場合等の使用状態を記憶し、この結果に基づいて1日分の基本使用パターンを設定する。
【0017】
前記制御手段6は前記学習手段7で学習した基本使用パターンに従って前記加熱手段2を自動制御する。
【0018】
9は電力制御手段で、前記学習手段7により低温保温から高温保温へ切り換わる時に前記加熱手段2の電力をコントロールする。
【0019】
14は報知手段であり、湯沸し中や保温中等の動作を表示、報知するものである。
【0020】
15は学習モード設定手段で、前記使用パターンに基づく保温温度の自動制御を行う学習モードと、一定の保温温度制御を行う非学習モードとを切り換える。これらの制御内容は前記報知手段14に表示する。
【0021】
16は効果表示設定手段で、前記学習手段7による自動制御を行った時の消費電力、休止時間等の効果を前記報知手段14に表示させる。
【0022】
図2は本発明の実施例における電気湯沸かし器の回路図である。図2において、11は交流電源、12は直流電源である。前記第1の加熱手段および第2の加熱手段を構成する加熱手段2は、容器内の液体を加熱する第1の発熱体2aと、第1の発熱体2aよりも加熱電力が小さく容器内の液体を加熱する第2の発熱体2bと、これに交流電源11と直列に接続されたリレー接点2c,2dと、このリレー接点2c,2dの制御を行うリレーコイル2e,2fで構成され、このリレーコイルに電流を流し、前記リレー接点を閉じるようになっている。
【0023】
前記温度検知手段3は、温度を抵抗値に変換する感温素子3aと、この感温素子3aと抵抗3bとで分圧電圧値をつくり、これを2進符号に変換するAD変換器3cに入力される。AD変換器3cは約30〜120℃の範囲を単位温度幅(本実施例では約0.5℃とする)の温度刻みにし、この単位温度上昇するごとの信号を出力している。
【0024】
前記再加熱手段8は、保温中の液体を強制的に再加熱するための入力でスイッチ8a,抵抗8b,8cで構成される。
【0025】
前記学習モード設定手段15は、通常の湯沸しモードと学習モードとを切り換えるための入力でスイッチ15a,抵抗15b,15cで構成される。
【0026】
前記効果表示設定手段16は、休止時間を表示するための入力でスイッチ16a,抵抗16b,16cで構成される。
【0027】
前記報知手段14は、ブザー14aによって沸騰終了などを報知し、LED14bは湯沸し中に表示し、14cは保温中に表示し、14dは学習モード中に表示し、14eは学習効果である休止時間を表示する。
【0028】
前記出湯手段10は、容器内の液体を外部に送り出す電動ポンプ10iを駆動させるモータ10aとこのモータ10aと直列に接続された出湯スイッチ10b、トランジスタ10cおよびこのトランジスタ10cをオン状態にする信号を出力するロック解除スイッチ10eから構成されている。
【0029】
出湯はロック解除スイッチ10eをオンでトランジスタ10cをオンとなるロック解除状態で、出湯スイッチ10bがオンの時に出湯できるようになっている。従って、ロック解除スイッチ10eをオフでトランジスタ10cがオフしたロック状態では出湯スイッチ10bをオンにしても出湯できないようになっている。更に、出湯終了から一定時間(本実施例では10秒とする)次の出湯が行われなければ前記トランジスタ10cは再びオフ状態となり出湯スイッチ10bをオンするだけでは出湯できないようになっている。
【0030】
13はマイクロコンピュータ(以後マイコンと略する)でプログラムを実行することで前記学習手段7、前記沸騰検知手段5、前記制御手段6および前記電力量制御手段9の動作を実現している。
【0031】
図3は、本発明の実施例におけるマイコン13に記憶されたプログラムの前記学習手段7の動作を示したものである。以下、この動作を説明する。
【0032】
図3aにおいて、学習手段7で、出湯動作、湯沸し動作、水が給水された場合等の使用状態を1日単位時間毎(本実施例では10分間とする)に使用時間帯を1、不使用時間帯を0として所定期間(本実施例では14日間とする)積算して記憶する。
【0033】
この使用状態の入力は以下のようになされる。
【0034】
出湯動作の場合は出湯スイッチ10bが押されるので、出湯スイッチ10bがオンの状態は「使用時間帯として1」、出湯スイッチ10bが押されていないオフの状態は「不使用時間帯として0」を記憶する。
【0035】
湯沸し動作の場合は再加熱スイッチ8aが押されるので、再加熱スイッチ8aがオンの状態は「使用時間帯として1」、再加熱スイッチ8aが押されていないオフの状態は「不使用時間帯として0」を記憶する。
【0036】
水が給水された場合は容器1内の液体の温度が低下するので、前記温度検出手段3が温度低下を検知すると「使用時間帯として1」、それ以外は「不使用時間帯として0」を記憶する。
【0037】
次に、所定期間が終了するとそれぞれの時間帯毎に積算された14日間のデータを所定時間毎に使用・不使用判定を行う。この場合、積算値が所定日数(本実施例では2日とする)以上使用があった時間帯を「使用時間帯として1」、それ以外を「不使用時間帯として0」となるように基本使用パターン(本実施例では1日分で144データからなる)をつくる。
【0038】
そして、図3bのように前記制御手段6は基本使用パターンに従って、1の使用時間帯では高温保温(本実施例では95℃とする)、0の不使用時間帯では低温保温(本実施例では60℃とする)となるように前記加熱手段2を自動制御する。
【0039】
図4は、本発明の実施例1におけるマイコン13に記憶されたプログラム動作をフローチャートに示したものである。以下、この動作を説明する。
【0040】
まず、100で前記学習モード設定手段15の設定により学習モードなら102へ、それ以外なら101の通常の湯沸しを第1の発熱体2aを用いて実行する。
【0041】
次に、102で不使用時間帯から使用時間帯に変化した場合、103でブレーカが落ちることがなく高温保温に到達させるために第1の発熱体2aより加熱電力が少ない第2の発熱体2bを用いて加熱を行い、104の高温保温状態とする。102で使用時間帯に変化しない場合は105の低温保温状態とする。
【0042】
ここで、103で上記以外ブレーカが落ちないように高温保温へ到達させるための電力をコントロールするには、第1の発熱体2aを断続通電(本実施例では10オン、10オフとする)することで加熱電力を制御しても良い。
【0043】
また、スイッチング素子を用いた半導体回路等により前記加熱手段2の出力を制御しても良い。
【0044】
なお、本実施例では、通常の湯沸しを第1の発熱体2aのみで行うように制御しているが第2の発熱体2bも併用して湯沸しさせる構成も可能である。
【0045】
なお、不使用時間帯での低温保温を60℃としたが時間毎に変更し、夜間であまりお湯を使用しない場合は60℃、昼間で良くお湯を使用する場合は85℃に保温温度設定とすることも可能である。これにより、お湯が使用される可能性が高い時に保温温度設定が低温でも、所望のお湯を提供することができる。
【0046】
なお、本実施例では図で示してはいないが、学習中に停電が起こった場合にはバックアップ電源により内部タイマーを動作させて学習を継続させる構成となっている。
【0047】
なお、本実施例では、出湯動作は出湯スイッチ10bの状態がオンであるときに記憶するようにしているが、ロック解除スイッチ10eの状態がオンであるときに記憶することやモータ10aの動作状態を記憶することも可能である。
【0048】
以上のように本実施例において、家庭毎の使用パターンを学習し、この基本使用パターンに基づいて自動的に使用・不使用時で保温温度設定を切り換え消費電力の低減を図り、更に、自動的に低温保温から高温保温へ切り換わる場合にブレーカが落ちることがなく使用することができる。
(実施例2)
以下、本発明の実施例2について説明する。図5は本発明の実施例2における電器湯沸し器のブロック図である。なお、本実施例と実施例1との基本構成はほぼ同じなので説明は省略し、異なる点を中心に説明する。また、実施例1と同じ構成要素には、同じ符号を付しその説明は省略する。
【0049】
図5において、20は外部設定手段で、外部から機種ごとに到達温度の補正値を設定する。21は温度補正手段で、前記学習手段7によって低温保温から高温保温へ切り換わる時に、高温保温の到達温度を前記外部設定手段20から得られた到達温度の補正値を用いる。
【0050】
図6は本発明の実施例2における電器湯沸し器の回路図である。図6において、20は外部設定手段で、抵抗20aと抵抗20bとで分圧電圧値をつくり、これを2進符号に変換するAD変換器20cに入力される。AD変換器20cは約0〜5 ℃の範囲を単位温度幅(本実施例では約0.5℃とする)の温度刻みにし、補正値の温度信号を出力している。
【0051】
前記報知手段14で、14fのLEDは前記学習手段7によって低温保温から高温保温へ切り換わる動作モードで表示する動作中表示手段である。
【0052】
図7は、本発明の実施例2におけるマイコン13に記憶されたプログラムの前記温度補正手段21の動作を示したものである。以下、この動作を説明する。
【0053】
始めに、学習モードで不使用時間帯から使用時間帯に変化した場合、前記動作中表示手段14fのLEDを点灯せ、加熱手段2の断続通電(本実施例では10オン、10オフとする)を行う。
【0054】
次に、前記温度補正手段21は前記外部設定手段20から得られた到達温度の補正値(本実施例では約2℃とする)を高温保温設定値(本実施例では約95℃とする)に加えた温度を到達温度とし、この到達温度になると加熱手段2の断続通電を停止する。それから前記動作中表示手段14fのLEDを消灯させて補正値を加える前の高温保温設定にし、高温保温状態にする。
【0055】
なお、前記温度補正手段21は、水量によって補正値を変えてもよい。
【0056】
以上のように本実施例において、家庭毎の使用パターンを学習し、自動的に低温保温から高温保温へ切り換わる場合にブレーカが落ちることがなく、素早く保温温度に到達することができる。
【0057】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、家庭毎の使用パターンを学習し、この基本使用パターンに基づいて自動的に使用・不使用時で保温温度設定を切り換え消費電力の低減を図り、更に、機種ごとに高温保温の到達温度を設定することができ、自動的に低温保温から高温保温へ切り換わる場合に電力を適切にコントロールしてブレーカが落ちることがなく、素早く保温温度に到達することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における電気湯沸かし器のブロック図
【図2】同、電気湯沸かし器の回路図
【図3】同、電気湯沸かし器の基本使用パターンの動作を示す図
【図4】同、電気湯沸かし器の動作を示すフローチャート
【図5】本発明の実施例2における電気湯沸かし器のブロック図
【図6】同、電気湯沸かし器の回路図
【図7】同、電気湯沸かし器の基本使用パターンの動作を示す図
【符号の説明】
1 容器
2 加熱手段
6 制御手段
7 学習手段
9 電力制御手段
14 報知手段
20 外部設定手段
21 温度補正手段
Claims (1)
- 液体を収容する容器と、前記容器内の液体を加熱または保温する加熱手段と、所定期間の使用状態を学習し、この学習結果に基づいて使用時間帯を高温保温、不使用時間帯を低温保温に切り換える学習手段と、予め外部設定手段で補正値を設定して低温保温から高温保温へ切り換わる時に高温保温の到達温度を補正する温度補正手段とを備え、前記学習手段により低温保温から高温保温へ切り換わる時に前記加熱手段を断続通電制御して電力をコントロールする電力制御手段を有する電気湯沸かし器。
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