JP3633562B2 - 給湯機の異常検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、給湯機の異常検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
給湯機には、図6に示すように、貯湯タンク70を有するタンクユニット71と、冷媒回路72を有する熱源ユニット73とを備えたヒートポンプ式給湯機がある。この場合、冷媒回路72は、圧縮機74と水熱交換器75と膨張弁77と蒸発器78とを順に接続して構成される。そして、タンクユニット71は、上記貯湯タンク70と循環路79とを備え、この循環路79には、水循環用ポンプ80と熱交換路81とが介設されている。この場合、熱交換路81は水熱交換器75にて構成される。
【0003】
上記装置においては、圧縮機74を駆動させると共に、ポンプ80を駆動(作動)させると、貯湯タンク70の底部に設けた取水口から貯溜水(温湯)が循環路79に流出し、これが熱交換路81を流通する。そのときこの温湯は水熱交換器75によって加熱され(沸上げられ)、湯入口から貯湯タンク70の上部に返流される。これによって、貯湯タンク70に高温の温湯を貯めるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種の給湯機には、空焚き等の異常状態が発生する場合がある。ここで、空焚きとは、貯湯タンク内に温水がなく、ポンプ80が駆動しても循環路内に温水が循環しない状態や、ポンプにごみ等が溜まってポンプが駆動しないいわゆるポンプロック状態のときをいう。従って、空焚き等の異常状態が発生すれば、循環路79等において沸騰したり、冷媒回路において異常高圧になったりする場合がある。しかしながら、この種の給湯機には一般に保護制御手段があり、この保護制御の働きにより、循環路79等においても沸騰が生じず、また冷媒回路においても異常高圧にならない場合がある。このような場合には、給湯機は異常であるのもかかわらず、何の表示もないまま空焚き運転が継続され、貯湯タンク70に湯を貯めることができない状態が継続した。そのため、ユーザにとっては、湯を使いたいときに使用できなかった。
【0005】
また、運転には、運転効率(COP)を向上させるために、圧縮機74の吐出管温度を制御する運転がある。このため、圧縮機74の吐出管の温度を吐出管温度検出手段(例えば、温度サーミスタ)にて検出していた。しかしながら、この吐出管温度検出手段が不良である場合には、吐出管温度検出手段が正しい吐出管の温度よりも低い温度を示す場合がある。このように、吐出管温度が低く検出されれば、非常に高い吐出ガス温度で圧縮機を運転することになる。このため、圧縮機の信頼性、COPの低下を招くことになっていた。
【0006】
さらに、循環路79は、図6に示すように貯湯タンク70の低温水を熱交換路81へ供給するための入水配管82と、この熱交換路81からの温湯を貯湯タンク70へ供給するための出湯配管83とを備える。そして、入水配管82は、例えば、タンクユニット71側の第1配管82aと、熱源ユニット73側の第2配管82bと、この第1・第2配管を接続する接続配管82cとを備える。また、出湯配管83は、例えば、タンクユニット71側の第1配管83aと、熱源ユニット73側の第2配管83bと、この第1・第2配管を接続する接続配管83cとを備える。そして、この種のヒートポンプ式給湯機では、通常、熱源側ユニット73の冷媒が、図6の矢印A方向に流れ、タンクユニット71側の循環路79の温水が、この矢印A方向と逆の矢印B方向に流れるように設定している。これによって、熱交換路81に進入した低温水と、高温の冷媒とで熱交換が行われ、低温水が矢印B方向へ流れるに従って効率よく温度が上昇するように設定されている。また、第2配管82bには、熱交換路81に流れ込む低温水の温度を検出する入水サーミスタ85は配置され、第2配管83bには、熱交換路81にて加熱された温湯の温度を検出する出湯サーミスタ86が配置されている。
【0007】
ところで、この種の給湯機を設置する場合、設置現場において、タンクユニット71側の第1配管82a、83aと、熱源ユニット73側の第2配管82b、83bとを、それぞれ接続配管82c、83cを介して接続していた。この場合、接続配管82c、83cは同一の配管を使用する場合が多いので、例えば、接続配管82cにて、第1配管82aと第2配管83bとを接続すると共に、接続配管83cにて、第1配管83aと第2配管82bとを接続したりする誤接続(誤配管)を行う場合があった。
【0008】
このように誤接続(誤配管)を行った場合には、貯湯タンク70の下部の低温水が、正規の場合と逆方向から熱交換路81に入ることになる。従って、上記入水サーミスタ85の温度は上昇するが、上記出湯サーミスタ86の温度は上昇しない。このため、ポンプ80の能力を絞っていくことになると共に、熱交換路81を通過する温水は矢印Bと反対の矢印A方向に流れることになって、非常に効率の悪い運転を行うことになる。
【0009】
この発明は、上記従来の欠点を解決するためになされたものであって、その第1の目的は、空焚き等の異常を確実に検知して、ユーザに異常であることをできるだけ早く知らせることができる給湯機の異常検出装置を提供することにあり、第2の目的は、信頼性及びCOPの低下を防止して、給湯機が安定して運転することが可能とする給湯機の異常検出装置を提供することにあり、第3の目的は、施工時の誤配管を検出して、給湯機の効率の悪い運転の継続を抑制できる給湯機の異常検出装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そこで請求項1の給湯機の異常検出装置は、貯湯タンク3と、この貯湯タンク3に連結される循環路12と、この循環路12に介設される熱交換路14とを備え、この熱交換路14をヒートポンプ加熱源にて加熱して、上記貯湯タンク3から循環路12に流出した低温水を沸き上げてこの貯湯タンク3に返流する運転が可能な給湯機の異常状態を検出する検出装置であって、上記ヒートポンプ加熱源にて沸き上げられる温湯の温度を検出する出湯温度検出手段21を備え、上記出湯温度検出手段21にて検出された運転開始時の出湯温度と、運転開始から所定時間経過後の出湯温度とを比較して、所定時間経過後の出湯温度が運転開始時の出湯温度よりも出湯基準温度以上高くないときに、空焚き等の異常であると判定することを特徴としている。
【0011】
請求項1の給湯機の異常検出装置では、貯湯タンク3内に温水が入っていると共に、循環路12内の温水を循環させるためのポンプが正常に駆動すれば、運転開始から所定時間経過後には、上記出湯温度検出手段21にて検出される出湯温度が所定温度以上に上昇するが、貯湯タンク3内に温水が入っていない場合等においては、運転開始から所定時間経過後にも出湯温度が上昇しないことを利用して、正常状態と異常状態とを判定している。すなわち、運転開始時の出湯温度と、運転開始から所定時間経過後の出湯温度とを比較して、所定時間経過後の出湯温度が運転開始時の出湯温度よりも出湯基準温度以上高くないときに、空焚き等の異常であると判定している。これにより、運転開始から所定時間経過後に空焚き等の異常を検出することができる。
【0012】
請求項2の給湯機の異常検出装置は、貯湯タンク3と、この貯湯タンク3に連結される循環路12と、この循環路12に介設される熱交換路14とを備え、この熱交換路14をヒートポンプ加熱源にて加熱して、上記貯湯タンク3から循環路12に流出した低温水を沸き上げてこの貯湯タンク3に返流する運転が可能な給湯機の異常状態を検出する検出装置であって、上記低温水の温度を検出する入水温度検出手段20と、上記貯湯タンク3の温度を検出するタンク温度検出手段23とを備え、上記入水温度検出手段20にて検出された入水温度と、上記タンク温度検出手段23にて検出されたタンク温度とを比較して、入水温度がタンク温度よりも入水基準温度以上高いときに、空焚き等の異常であると判定することを特徴としている。
【0013】
上記請求項2の給湯機の異常検出装置では、貯湯タンク3内に温水が少ない場合には、貯湯タンク3から循環路12に流出した温水が熱交換路14にて沸き上げられて貯湯タンク3内に返流するが、この高温の温湯が循環路12に流出して、入水温度が上昇し、逆に、貯湯タンク3には高温の温湯が貯まらないので、タンク温度は上昇しないことを利用している。このため、入水温度検出手段20にて検出された入水温度と、上記タンク温度検出手段23にて検出されたタンク温度とを比較して、入水温度がタンク温度よりも入水基準温度以上高いときには、空焚き等の異常であると判定することができる。
【0014】
請求項3の給湯機の異常検出装置は、貯湯タンク3と、この貯湯タンク3に連結される循環路12と、この循環路12に介設される熱交換路14とを備え、この熱交換路14をヒートポンプ加熱源にて加熱して、上記貯湯タンク3から循環路12に流出した低温水を沸き上げてこの貯湯タンク3に返流する運転が可能な給湯機の異常状態を検出する検出装置であって、上記低温水の温度を検出する入水温度検出手段20と、上記ヒートポンプ加熱源にて沸き上げられる温湯の温度を検出する出湯温度検出手段21と、上記貯湯タンク3の温度を検出するタンク温度検出手段23とを備え、上記出湯温度検出手段21にて検出された運転開始時の出湯温度と、運転開始から所定時間経過後の出湯温度とを比較して、正常・異常を判定すると共に、この判定において、所定時間経過後の出湯温度が運転開始時の出湯温度より出湯基準温度以上上昇して正常と判定したときには、さらに上記入水温度検出手段20にて検出された入水温度と、上記タンク温度検出手段23にて検出された温度とを比較して、入水温度がタンク温度よりも入水基準温度以上高いときに、空焚き等の異常であると判定することを特徴としている。
【0015】
上記請求項3の給湯機の異常検出装置では、運転開始時の出湯温度と、運転開始から所定時間経過後の出湯温度とを比較して、正常・異常を判定することができ、これによって、空焚き等の異常を検出することができる。しかしながら、この判定において正常であると判定した場合にも、実際には、空焚き等の異常が発生している場合がある。このため、上記判定において正常であると判定した場合に、さらに、入水温度検出手段20にて検出された入水温度と、上記タンク温度検出手段23にて検出された温度とを比較して、正常・異常を判定することができる。すなわち、出湯温度による判定で正常であっても、入水温度がタンク温度よりも入水基準温度以上高いときに、空焚き等の異常であると判定する。これにより、正常・異常の判定を確実に行うことができる。
【0016】
請求項4の給湯機の異常検出装置は、貯湯タンク3と、この貯湯タンク3に連結される循環路12と、この循環路に介設される熱交換路14とを備え、この熱交換路14をヒートポンプ加熱源にて加熱して、上記貯湯タンク3から循環路14に流出した低温水を沸き上げてこの貯湯タンク3に返流する運転が可能な給湯機の異常状態を検出する検出装置であって、上記ヒートポンプ加熱源にて沸き上げられる温湯の温度を検出する出湯温度検出手段21と、このヒートポンプ加熱源の圧縮機25の吐出管温度を検出する吐出管温度検出手段22とを備え、運転開始から所定時間経過後に、上記吐出管温度検出手段にて検出された吐出管温度と、上記出湯温度検出手段にて検出された出湯温度とを比較して、吐出管温度が出湯温度よりも所定基準温度以上高くないときに、上記吐出管温度検出手段22が不良等の異常であると判定することを特徴としている。
【0017】
上記請求項4の給湯機の異常検出装置では、吐出管温度検出手段22が正常であれば、運転開始後には吐出管温度が上昇して、出湯温度検出手段21にて検出した出湯温度(ヒートポンプ加熱源にて沸き上げられる温湯の温度)が吐出管温度よりも低温であることを利用している。そのため、吐出管温度が出湯温度よりも所定基準温度以上高くないときに、上記吐出管温度検出手段22が不良等の異常であると判定することになり、この出湯温度検出手段21の正常・異常の判定を確実に行うことができる。
【0018】
請求項5の給湯機の異常検出装置は、貯湯タンク3と、この貯湯タンク3に連結される循環路12と、この循環路12に介設される熱交換路14とを備え、この熱交換路14をヒートポンプ加熱源にて加熱して、上記貯湯タンク3から循環路12に流出した低温水を沸き上げてこの貯湯タンク3に返流する運転が可能な給湯機の異常状態を検出する検出装置であって、上記給湯機の循環路12が、上記低温水を上記熱交換路14へ供給するための入水配管15と、この熱交換路14からの温湯を貯湯タンク3へ供給するための出湯配管16とを備え、上記入水配管の温度が上記出湯配管の温度よりも高いときに、この入水配管15及び出湯配管16が誤接続であるとして、異常状態と判定することを特徴としている。
【0019】
上記請求項5の給湯機の異常検出装置では、給湯機の運転を開始すれば、出湯配管15の温度(熱交換路14にて沸き上げられた温湯の温度であって、出湯温度)が上昇するが、入水配管15の温度(熱交換路への入水温度)は上昇しないことを利用している。すなわち、入水配管15及び出湯配管16が誤接続であるときには、上記入水温度が上昇し、逆に出湯温度は上昇しない。このため、入水配管15の温度が上記出湯配管16の温度よりも高いときには、誤配管(誤接続)であり、これを判定基準に使用することによって、誤配管と判定している。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の給湯機の異常検出装置の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1はこの異常検出装置を具備した給湯機(ヒートポンプ式給湯機)の簡略図を示し、この給湯機は、貯湯タンク3と、この貯湯タンク3に連結される循環路12と、この循環路12に介設される熱交換路14とを備え、この熱交換路14をヒートポンプ加熱源にて加熱して、上記貯湯タンク3から循環路12に流出した低温水を沸き上げてこの貯湯タンク3に返流する運転が可能である。そして、この貯湯タンク3に貯湯された温湯が図示省略の浴槽等に供給される。
【0021】
この場合、貯湯タンク3には、その底壁に給水口5が設けられると共に、その上壁に出湯口6が設けられている。そして、給水口5から貯湯タンク3に水道水が供給され、出湯口6から高温の温湯が出湯される。また、貯湯タンク3には、その底壁に取水口10が開設されると共に、側壁(周壁)の上部に湯入口11が開設され、取水口10と湯入口11とが上記循環路12にて連結されている。そして、この循環路12に水循環用ポンプ13と熱交換路14とが介設されている。なお、給水口5には給水用流路8が接続されている。
【0022】
ところで、貯湯タンク3には、上下方向に所定ピッチで4個の残湯量検出器18a、18b、18c、18dと、給水温度検出手段19を構成する温度検出器19aとが設けられている。上記各残湯量検出器18a・・及び温度検出器19aは、例えば、それぞれサーミスタからなる。また、上記循環路12には、熱交換路14の上流側に入水サーミスタ20aが設けられると共に、熱交換路14の下流側に出湯サーミスタ21aが設けられている。
【0023】
循環路12は、入水配管15と出湯配管16とを備え、入水配管15は上記ポンプ13が介設された貯湯タンク3側の第1配管15aと、入水サーミスタ20aが介設された熱源側の第2配管15bと、この第1・第2配管15a、15bを連結(接続)する接続配管15cとからなり、出湯配管16は貯湯タンク3側の第1配管16aと、出湯サーミスタ21aが介設された熱源側の第2配管16bと、この第1・第2配管16a、16bを連結(接続)する接続配管16cとからなる。この場合、後述するように、接続配管15c、16cは現場で接続される。
【0024】
そして、ヒートポンプ加熱源は冷媒回路を備え、この冷媒回路は、圧縮機25と、熱交換路14を構成する水熱交換器26と、電動膨張弁(減圧機構)27と、空気熱交換器(蒸発器)28とを順に接続して構成される。すなわち、圧縮機25の吐出管29を水熱交換器26に接続し、水熱交換器26と電動膨張弁27とを冷媒通路30にて接続し、電動膨張弁27と蒸発器28とを冷媒通路31にて接続し、蒸発器28と圧縮機25とをアキュームレータ32が介設された冷媒通路33にて接続している。これにより、圧縮機25が駆動すると、水熱交換器26において熱交換路14を流れる水が加熱されることになる。また、蒸発器28にはこの蒸発器28の能力を調整するファン34が付設されている。
【0025】
ところで、この給湯機の制御部は、図2に示すように、入水温度検出手段20と、出水温度検出手段21と、吐出管温度検出手段22と、タンク温度検出手段23と、目標吐出管温度等の各種のデータが設定される設定手段24と、タイマ手段35と、上記各検出手段20、21、22、23、35等からのデータ(数値)が入力される制御手段36とを備える。この場合、図1に示すように、入水温度検出手段20は入水サーミスタ20aにて構成することができ、出水温度検出手段21は出湯サーミスタ21aにて構成することができ、タンク温度検出手段23は、貯湯タンク3に付設された残湯量検出器18a、18b、18c、18d及び温度検出器19aにて構成することができる。また、吐出管温度検出手段22も温度検出サーミスタ22aから構成することができ、この温度検出サーミスタ22aは圧縮機25の吐出管29に装着され、この吐出管29の温度を検出する。なお、この温度検出サーミスタ22aは、吐出管29に着脱自在に嵌合する嵌合部を有する装着具等に保持され、吐出管29に装着される。また、上記制御手段36は例えばマイクロコンピュータを用いて構成することができる。
【0026】
上記のように構成された給湯機によれば、圧縮機25を駆動させると共に、水循環用ポンプ13を駆動(作動)させると、貯湯タンク3の底部に設けた取水口10から貯溜水(低温水)が流出し、これが循環路12の熱交換路14を流通する。そのときこの温湯は水熱交換器26によって加熱され(沸き上げられ)、湯入口11から貯湯タンク3の上部に返流される。このような動作を継続して行うことによって、貯湯タンク3に高温の温湯を貯湯することができる。また、運転の際には、電動膨張弁27の開度等を調整して、圧縮機25の吐出管温度を上記目標吐出管温度に合わせる吐出管制御を行う。この場合、現状の電力料金制度は深夜の電力料金単価が昼間に比べて安価に設定されているので、この運転は、低額である深夜時間帯(例えば、23時から7時までの時間帯)に行うものである。
【0027】
すなわち、深夜時間(23時から次の日の午前7時)帯のある時刻(例えば、深夜時間開始後の24時等)から所定時間の間運転して、所定時刻(深夜時間終了時刻、つまり午前7時)で所定容量(例えば、貯湯タンク3の容量)の湯を沸き上げる沸き上げ運転を行う。また、一日の必要湯量がこの貯湯タンク3の容量を越える場合には、深夜時間の運転を行った後、さらに深夜時間外の昼間において追加運転を行って、その一日の必要湯量を確保する。この場合、貯湯タンク3の容量を満たす量の湯が沸き上げられている場合に、所定量(例えば、50リットル)の湯を使用して、その貯湯量が減少すれば、その減少した所定量の湯を沸き上げる追加運転を行うものであり、この追加運転を少なくとも1回以上行うことによって、その一日の必要湯量を確保する。これらの沸き上げ運転に際しては、上記残湯量検出器18a、18b、18c、18dや入水サーミスタ20a等の検出値等の基づいて、運転開始や運転停止が決定される。
【0028】
(第1実施形態)
ところで、上記給湯機において、運転する場合、貯湯タンク3内に温水が貯湯されていなければ、いわゆる空焚きの状態となる。すなわち、貯湯タンク3内に温水がなければ、ポンプ13が駆動しても循環路12に温水が循環せず、貯湯タンク3内に温湯を貯えることができない。そして、貯湯タンク3内に温湯がなければ、ユーザは温湯を使用することができず、快適生活を営むことができない。そのため、この空焚きの状態を検出する必要があり、この給湯機の異常検出装置では、出湯温度等を監視することによって、この空焚きの異常を検出するものである。この場合、異常検出装置は、上記入水温度検出手段20と、出湯温度検出手段21と、タンク温度検出手段23と、設定手段24と、タイマ手段35と、制御手段36等で構成することができる。
【0029】
すなわち、出湯温度検出手段21にて検出された運転開始時の出湯温度と、運転開始から所定時間経過後の出湯温度とを比較して、所定時間経過後の出湯温度が運転開始時の出湯温度よりも出湯基準温度以上高くないときに、空焚き等の異常と判断する。これは、貯湯タンク3に温水が貯められ、しかも、ポンプ13が正常に駆動すれば、循環路12内を温水が循環して、運転開始後に出湯温度が上昇するものであり、貯湯タンク3に温水が貯められていなかったり、ポンプ13が正常に駆動しなかったりした場合には、出湯温度が正常状態に比べて上昇しないことを利用している。
【0030】
また、上記のように、空焚き運転が行われれば、沸き上げられた温湯が貯湯タンク3に貯まらず、この貯湯タンク3に設けられた残湯量検出器18a、18b、18c、18d及び温度検出器19aの温度が上昇しない。さらに、貯湯タンク3に温水がなければ、循環路12内の温水が沸き上げられて貯湯タンク3に供給されても、この沸き上げられた温湯が循環路12へ流出することになる。このような場合には、入水温度が上昇するのに対し、タンク温度検出手段23の温度が上昇しない。このため、入水温度検出手段20にて検出された入水温度と、タンク温度検出手段23にて検出されたタンク温度とを比較して、入水温度がタンク温度よりも入水基準温度以上高いときに、空焚き等の異常であると判定することができる。
【0031】
次に、図3に示すフローチャート図に従って空焚き等の異常状態であるかの判定する方法を説明する。まず、ステップS0のように、圧縮機25の運転を開始して、ステップS1で運転開始から所定時間経過したか否かを判定する。ここで、所定時間とは、上記タイマ手段35の判定開始タイマ(TWSDIF)のカウント時間であり、例えば、5秒である。そして、所定時間経過していなければ経過するまで待ち、経過していればステップS2へ移行する。すなわち、タイマ手段35の判定開始タイマ(TWSDIF)及び後述する不良検出タイマ(TWS1)をカウントし続け、この所定時間経過すればステップS2へ移行する。このステップS2では、出湯温度が検出され、このTWSDIFのカウント時での温度を運転開始時の出湯温度とする。なお、異常状態であるかの判定には、後述するように、吐出管温度検出手段不良や誤配管等があるので、空焚き以外の他の異常発生時処理を行っている場合があり、このような場合には、ステップS4に示すように、割り込み処理を行う必要があり、この際、ステップS5のように、圧縮機25を停止すると共に、上記TWSDIFのカウント、TWS1のカウント及び後述するTWS2のカウントをリセットして、ステップS0へ移行する必要がある。
【0032】
そして、このステップS3で、運転開始から所定時間経過したか否かを判定する。ここで、所定時間とは、上記タイマ手段35の不良検出タイマ(TWS1)のカウント時間(例えば、245秒)であり、運転開始からこの所定時間時間が経過すれば、正常運転である場合には、所定温度以上に上昇している。このため、所定時間経過すれば、ステップS6へ移行し、経過していなければ、不良検出タイマ(TWS1)をカウントし続け、この所定時間経過するまで待つ。このステップS6では、運転開始時(具体的には、圧縮機25が駆動して5秒程度経過した時)と上記不良検出タイマ(TWS1)の時間経過後における出湯温度の差を(DB−DB1)とした場合に、所定温度≧(DB−DB1)が成り立つか否かの判定を行う。ここで、所定温度は、出湯基準温度であり、例えば、5〜10℃程度であり、この場合7℃としている。そして、この関係が成り立てば、この段階で正常と判定してステップS8へ移行し、この関係が成り立たなければ、ステップS7へ移行する。
【0033】
ステップS6で正常であると判定した場合であっても、ポンプロック状態の場合、外気条件(外気温度)によっては、出湯温度のみでは誤判定する場合があるので、ステップS8での正常・異常の判定を行う。ステップS8では、入水温度がタンク温度に所定温度(入水基準温度)(例えば、10℃)加えた温度よりも低いか判定を行う。この場合、入水温度と比較するタンク温度は、上記検出器18a、18b、18c、18d及び検出器19aの温度の内、一番高温のものとする。そして、入水温度が低ければ、ステップS9へ移行して、不良確定タイマ(TWS2)をリセットし、入水温度が高ければ、TWS2のカウントを開始する。ここで、不良確定タイマ(TWS2)のカウント時間は、例えば、20分とする。このため、ステップS11でこの入水温度が高い状態がこのTWS2間継続しているか否かの判定を行う。継続していなければ、ステップS12へ移行し、継続していれば、ステップS7へ移行する。
【0034】
ステップS7でカウントを1増加して、その後、ステップS13へ移行する。そして、このステップS13でこの不良判定回数(NWS)が規定回数(例えば、4回)か否かを判定する。このステップS13で規定回数未満であれば、ステップS5へ戻って、圧縮機25を停止すると共に、TWSDIF、TWS1、及びTWS2をリセットして、圧縮機25を再起動(ステップS0の圧縮機運転開始)することになる。また、ステップS13で規定回数(この場合、4回)に達すれば、ステップS14へ移行して圧縮機25を停止し、さらに、循環水系統不良(空焚き等の異常状態)として、システムダウン(圧縮機25の運転を禁止)とする。
【0035】
また、上記ステップS12では湯が沸き上がったかの判定を行い、沸き上がりであれば、ステップS15へ移行して、圧縮機25を停止すると共に、TWSDIF、TWS1、およびTWS2のタイマをリセットして沸き上げ運転を終了する。また、ステップS12で沸き上がりでなければ、ステップS8へ戻る。なお、この図3に示す判定を行う場合には、入水サーミスタ20aや出湯サーミスタ21aが不良でなく、ヒートポンプ加熱源は冷媒回路のデフロスト回路を有する場合には、デフロスト運転(除霜運転)を行っていないことが前提である。
【0036】
このように、貯湯タンク3に沸き上げるための温水(低温水)が貯えられていないか、またはポンプ13にごみ等が付着していわゆるポンプロック状態となって、空焚き運転が行われる場合、上記図3のフローチャート図のような判定を行えば、運転開始から短時間でこの空焚き異常を検出(検知)することができ、ユーザは短時間に故障(異常)を知ることができる。これによって、この空焚きとなる原因を直ちに解明して、これを改善することによって、空焚きを回避することができ、正常運転を行って貯湯タンク3に高温の温湯を貯めることができる。これに対して、空焚きが行われていることが分らない場合、深夜時間帯に貯湯タンク3内に高温の温湯が貯えられていると確信しているユーザとっては、湯を使用することができず、快適生活を営むことができない。
【0037】
(第2実施形態)
また、吐出管温度を制御することによって運転を行う場合、この吐出管温度を検出している吐出管温度検出手段22が不良であれば、正確な吐出管温度を検出することができない。例えば、吐出管温度検出手段22を構成する温度検出サーミスタ22aは、上記のように、吐出管29に着脱自在に取付けられる装着具を介して吐出管29に接触状態で装着されるものであるので、吐出管29に対して確実に接触していないいわゆる半接触状態や吐出管29から外れた脱落状態となるおそれがあり、このような場合には、運転開始されても、このサーミスタ22aの温度は上昇しない。吐出管温度検出手段22にて検出された吐出管温度が上昇しない場合に運転を継続すれば、非常に高い吐出ガス温度で圧縮機25を運転することになるので、圧縮機25の信頼性及びCOPの低下を招くことになる。このため、この吐出管温度検出手段22が不良を検出する必要がある。
【0038】
従って、この異常検出装置では、この吐出管温度検出手段22の検出した温度を監視することによって、吐出管温度検出手段22の正常・異常の判定を行うことができる。すなわち、運転開始から所定時間経過後に、吐出管温度検出手段22にて検出された吐出管温度と、出湯温度検出手段21にて検出された出湯温度とを比較して、吐出管温度が出湯温度よりも所定基準温度以上高くないときに、上記吐出管温度検出手段22が不良等の異常であると判定している。これは、運転が開始されれば、圧縮機25からは高温高圧の冷媒が流出され、この冷媒が水熱交換器26を通過し、また、貯湯タンク3の低温の温水は循環路12へ流出して熱交換路14を通過して、この熱交換路14から出湯配管へ高温の温湯が流出されるが、この出湯配管の温度、つまり出湯温度は上記吐出管温度よりも低いことを利用している。
【0039】
次に、図4のフローチャート図を使用して、吐出管温度検出手段22が不良等の異常であるかの判定を行う方法を説明する。まず、ステップS16のように、圧縮機25の運転を開始して、ステップS17で運転開始から所定時間経過したか否かを判定する。ここで、所定時間とは、上記タイマ手段35の不良判定タイマ(TCG)のカウント時間であり、例えば、10分である。そして、この所定時間経過していなければ、不良判定タイマ(TCG)をカウントし続け、この所定時間経過するまで待ち、経過していればステップS18へ移行する。これは、運転開始からこのTCGの時間が経過すれば、正常運転である場合には、吐出管温度が例えば、110℃から120℃位に上昇しているからである。
【0040】
このステップS18では、吐出管温度が出湯温度よりも高いかを判定する。すなわち、吐出管温度と出湯温度との差(DO−DB)とした場合に、所定値(設定値)(例えば、30℃)≦(DO−DB)が成り立つか否かを判定する。ここで、この関係が成り立てば、ステップS19へ移行し、この関係が成り立たなければ、ステップS20へ移行する。これは、吐出管温度検出手段22にて検出された温度が出湯温度よりも所定基準温度以上高ければ、この吐出管温度検出手段22が正常に機能しており、脱落等が生じていないことを示しているからである。これに対して、吐出管温度が出湯温度よりも所定基準温度以上高くないときには、例えば、出湯温度が吐出管温度よりも高い場合、実際の温度においてこの状態となることはなく、吐出管温度検出手段22が吐出管温度を検出していないことであり、また、吐出管温度は出湯温度よりも高い場合であっても、その差が少なければ、温度検出サーミスタ22aが吐出管29に対して正常な接触状態を維持していないおそれがあるので、このような場合には、ステップS20へ移行している。なお、ステップS18の判定において、出湯サーミスタ21aが不良でないことが前提である。
【0041】
また、上記のように、他の異常発生時処理を行っている場合があり、このような場合には、ステップS21に示すように、割り込み処理を行う必要があり、この際、ステップS22のように、圧縮機25を停止すると共に、上記TCG3のカウントをリセットして、ステップS16へ移行する必要がある。
【0042】
ステップS20でカウントを1増加して、その後、ステップS23へ移行する。そして、このステップS23でこの不良判定回数(NDO)が規定回数(例えば、6回)か否かを判定する。このステップS23で規定回数未満であれば、ステップS22へ戻って、圧縮機25を停止すると共に、TCG3をリセットして、圧縮機25を再起動(ステップS16の圧縮機運転開始)することになる。また、ステップS23で規定回数(この場合、6回)に達すれば、ステップS24へ移行して圧縮機25を停止し、さらに、吐出管温度検出手段不良として、システムダウン(圧縮機25の運転を禁止)とする。
【0043】
また、上記ステップS19では湯が沸き上がったかの判定を行い、沸き上がりであれば、ステップS25へ移行して、圧縮機25を停止すると共に、TCG3のカウントをリセットして沸き上げ運転を終了する。また、ステップS19で沸き上がりでなければ沸き上がりまで待つ。
【0044】
このように、上記図4に示す判定を行えば、吐出管温度検出手段22の不良を検知することができる。これにより、不良となる原因を直ちに解明して、これを改善することによって、高い吐出ガス温度での圧縮機25の運転を回避することができ、圧縮機25の信頼性を確保することができると共に、COPの向上を達成できる。
【0045】
(第3実施形態)
ところで、図1に示す給湯機では、接続配管15c、16cの接続作業は現場にて行うものである。そして、正規に接続させた場合には、第1配管15aと接続配管15cと第2配管15bとで、入水配管15を構成し、第1配管16aと接続配管16cと第2配管16bとで、出湯配管16を構成するものであり、貯湯タンク3の下部の取水口10から流出した低温の温水は、入水配管15を流れた熱交換路14を通過し、この熱交換路14から流出した高温の温湯は出湯配管16を流れて湯入口11から貯湯タンク3へ返流させる。このため、入水温度検出手段20を構成する入水サーミスタ20aは低温の入水温度を検出し、出湯温度検出手段21を構成する出湯サーミスタ21aは高温の出湯温度を検出する。
【0046】
しかしながら、上記のように、接続配管15c、16cの接続は現場にて行うので、接続配管15cにて第1配管15aと第2配管16bとを接続すると共に、接続配管16cにて第1配管16aと第2配管15bとを接続する場合がある。このような場合、貯湯タンク3の下部の取水口10から流出した低温の温水は、第1配管15aから接続配管15cを介して第2配管16bに流れて熱交換路14に流れ込む。また、熱交換路14からは、第2配管15bへ温湯が高温の温湯が流出し、この第2配管15bから接続管16cを介して第1配管16aに流入し、この第1配管16aから貯湯タンク3へ返流させることになる。
【0047】
このため、このような誤接続(誤配管)が行われれば、入手サーミスタ20aの検出温度(入水温度)が出湯サーミスタ21aの検出温度(出湯温度)よりも高くなる。これは正常に接続されていれば、ありえないことであり、この入水温度と出湯温度とを比較することによって、この誤配管を検知(検出)することができる。
【0048】
次に、図5のフローチャート図を使用して、誤配管であるかの判断を行う方法を説明する。まず、ステップS26で運転を開始して、ステップS27で運転開始から所定時間経過したか否かを判定する。ここで、所定時間とは、上記タイマ手段35の誤配管検出タイマ(TMP)のカウント時間(例えば、200〜300秒)である。そして、所定時間経過していなければ経過するまで待ち、経過していればステップS28へ移行する。すなわち、誤配管検出タイマ(TMP)をカウントし続け、所定時間経過するまで待つ。これは、運転開始からこの所定時間時間が経過すれば、入水温度と出湯温度に所定量以上の差が生じるからである。この場合も、他の異常発生時処理を行っていれば、ステップS29に示すように、割り込み処理を行う必要があり、この際、ステップS30のように、圧縮機25を停止すると共に、上記TMPのカウンタをリセットして、ステップS26へ移行する必要がある。
【0049】
そして、ステップS28で入水温度(DTO)>出湯温度(DB)であるか否かを判定する。このステップS28で入水温度が出湯温度よりも高温であれば、上記のように誤配管であると予想され、ステップS31へ移行し、入水温度が低温であれば、正常であると判定して、ステップS32へ移行する。
【0050】
ステップS31でカウントを1増加して、その後、ステップS33へ移行する。そして、このステップS33でこの不良判定回数(NMP)が規定回数(例えば、4回)か否かを判定する。このステップS33で規定回数未満であれば、ステップS30へ戻って、圧縮機25を停止すると共に、TMPをリセットして、圧縮機25を再起動(ステップS26の圧縮機運転開始)することになる。また、ステップS33で規定回数(この場合、4回)に達すれば、ステップS34へ移行して圧縮機25を停止し、さらに、誤配管として、システムダウン(圧縮機25の運転を禁止)とする。
【0051】
また、上記ステップS32では湯が沸き上がったかの判定を行い、沸き上がりであれば、ステップS35へ移行して、圧縮機25を停止すると共に、TMPのカウンタをリセットして沸き上げ運転を終了する。また、ステップS32で沸き上がりでなければ沸き上がりまで待つ。なお、図5に示す判定では、入水サーミスタ20a及び出湯サーミスタ21aが不良でなく、しかも、ヒートポンプ加熱源は冷媒回路のデフロスト回路を有する場合には、圧縮機起動後に一度もデフロスト運転(除霜運転)を行っていないことが前提である。
【0052】
このように、上記図5にような判定を行えば、施工時の誤配管を施工後の試運転時等に簡単に検知(検出)することができ、効率の悪い運転を回避(抑止)することができる。すなわち、冷媒回路の冷媒は、図1の矢印A方向に流れ、循環路12の温水は、この矢印A方向と逆の矢印B方向に流れるようにしている。これによって、熱交換路14に進入した低温水と、高温の冷媒とで熱交換が行われ、低温水が矢印B方向へ流れるに従って温度が上昇し、熱交換効率のよい運転を行うことができる。これに対して、誤配管が行われれば、熱交換路14を通過する温水は矢印Bと反対の矢印A方向に流れることになる。すなわち、熱交換路14を通過する温水は冷媒回路の冷媒と同一方向に流れることなり、非常に効率の悪い運転を行うことになる。
【0053】
以上にこの発明の具体的な実施の形態について説明したが、この発明は上記形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。例えば、図3の運転開始後の所定時間や図4の運転開始後の所定時間や図5の運転開始後の所定時間等は、異常状態における出湯温度や吐出管温度等が正常状態に比べて、確実に相違するようになる時間であれば、任意に設定することができる。また、異常を判定する場合の出湯温度等の検出値とそれに対応する正常状態の値との差も、大きすぎて正常であるにもかかわらず異常と判定したり、逆に小さすぎて異常であるにもかかわらず正常と判定したりしない範囲で自由に設定することができる。なお、異常と判定した場合には、警報音を発生させてユーザ等に知らせたりするようにしてもよい。また、上記実施の形態では、空焚き異常の判定、吐出管温度検出手段不良の判定、及び誤配管の判定を行えるものとであるが、もちろん、このうちの少なくとも1種類の判断を行えるものであればよく、2種類の判定を行う場合、任意に組み合わせることができる。さらに、図3〜図5のフローチャート図では、異常を確定する場合、各判定を複数回行うようにしているが、もちろん1回で異常であると判定してもよく、検知(判定)回数としても任意に変更することができる。複数回行う場合、あまり多すぎれば、確実に異常状態であるにもかかわらず、異常検知を行うことになって、無駄となるので、上記実施の形態のように4〜6回程度とするのが好ましい。さらに、図3において、ステップS6で終了するようにしてもよい。すなわち、運転開始時の出湯温度と、運転開始から所定時間経過後の出湯温度とを比較する異常検知のみで終了するようにしてもよい。なお、この異常検出装置を使用する給湯機の冷媒としては、炭酸ガスを用いるのが好ましいが、その他、ジクロロジフルオロメタン(R−12)やクロロジフルオロメタン(R−22)のような冷媒であっても、オゾン層の破壊、環境汚染等の問題から、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(R−134a)のような代替冷媒であってもよい。
【0054】
【発明の効果】
請求項1又は請求項2の給湯機の異常検出装置によれば、運転開始から所定時間経過後に空焚き等の異常を検出することができる。これにより、ユーザは異常状態であることをいち早く知ることができ、湯を使用するときになって初めて湯が沸き上がっていないことが分って、湯が使えないという状態となることを回避することができる。また、請求項1の給湯機の異常検出装置では、出湯温度に基づいて判定を行い、請求項2の給湯機の異常検出装置では、入水温度とタンク温度に基づいて判定を行うものであるので、どちらの場合でも、この種の給湯機に設けられる温度検出手段をそのまま使用して、異常検出装置を構成することができる。このため、製造コストの低減を達成できる。
【0055】
請求項3の給湯機の異常検出装置によれば、空焚き等の異常であるとの判定を確実に行うことができる。すなわち、判定の信頼性が向上して、空焚き等の異常が生じて湯が沸き上がっていなくて湯が使えない時間を、無くしたり、きわめて短時間としたりすることができ、給湯機の有効利用を図ることができる。
【0056】
請求項4の給湯機の異常検出装置によれば、吐出管温度検出手段の異常の判定を確実に行うことができる。これにより、吐出管温度検出手段の異常状態において生じる高い吐出ガス温度での圧縮機の運転を回避することができ、給湯機として、圧縮機の信頼性を維持して、高COPでの運転が可能となる。
【0057】
請求項5の給湯機の異常検出装置によれば、入水配管の温度が上記出湯配管の温度よりも高いときには、誤配管(誤接続)であり、これを判定基準に使用することによって、確実に誤配管を判定することがきる。これにより、給湯機は熱交換効率のよい運転を行うことができ、給湯機のランニングコストの低減を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の異常検出装置を具備した給湯機の簡略図である。
【図2】上記給湯機の異常検出装置の制御部の簡略ブロック図である。
【図3】上記給湯機の異常検出装置の空焚き等の異常を検知する方法を示すフローチャート図である。
【図4】上記給湯機の異常検出装置の吐出管温度検出手段の異常を検知する方法を示すフローチャート図である。
【図5】上記給湯機の異常検出装置の誤配管を検知する方法を示すフローチャート図である。
【図6】従来の給湯機の異常検出装置の簡略図である。
【符号の説明】
3 貯湯タンク
12 循環路
14 熱交換路
15 入水配管
16 出湯配管
20 入水温度検出手段
21 出湯温度検出手段
22 吐出管温度検出手段
23 タンク温度検出手段
25 圧縮機
Claims (5)
- 貯湯タンク(3)と、この貯湯タンク(3)に連結される循環路(12)と、この循環路(12)に介設される熱交換路(14)とを備え、この熱交換路(14)をヒートポンプ加熱源にて加熱して、上記貯湯タンク(3)から循環路(12)に流出した低温水を沸き上げてこの貯湯タンク(3)に返流する運転が可能な給湯機の異常状態を検出する検出装置であって、上記ヒートポンプ加熱源にて沸き上げられる温湯の温度を検出する出湯温度検出手段(21)を備え、上記出湯温度検出手段(21)にて検出された運転開始時の出湯温度と、運転開始から所定時間経過後の出湯温度とを比較して、所定時間経過後の出湯温度が運転開始時の出湯温度よりも出湯基準温度以上高くないときに、空焚き等の異常であると判定することを特徴とする給湯機の異常検出装置。
- 貯湯タンク(3)と、この貯湯タンク(3)に連結される循環路(12)と、この循環路(12)に介設される熱交換路(14)とを備え、この熱交換路(14)をヒートポンプ加熱源にて加熱して、上記貯湯タンク(3)から循環路(12)に流出した低温水を沸き上げてこの貯湯タンク(3)に返流する運転が可能な給湯機の異常状態を検出する検出装置であって、上記低温水の温度を検出する入水温度検出手段(20)と、上記貯湯タンク(3)の温度を検出するタンク温度検出手段(23)とを備え、上記入水温度検出手段(20)にて検出された入水温度と、上記タンク温度検出手段(23)にて検出されたタンク温度とを比較して、入水温度がタンク温度よりも入水基準温度以上高いときに、空焚き等の異常であると判定することを特徴とする給湯機の異常検出装置。
- 貯湯タンク(3)と、この貯湯タンク(3)に連結される循環路(12)と、この循環路(12)に介設される熱交換路(14)とを備え、この熱交換路(14)をヒートポンプ加熱源にて加熱して、上記貯湯タンク(3)から循環路(12)に流出した低温水を沸き上げてこの貯湯タンク(3)に返流する運転が可能な給湯機の異常状態を検出する検出装置であって、上記低温水の温度を検出する入水温度検出手段(20)と、上記ヒートポンプ加熱源にて沸き上げられる温湯の温度を検出する出湯温度検出手段(21)と、上記貯湯タンク(3)の温度を検出するタンク温度検出手段(23)とを備え、上記出湯温度検出手段(21)にて検出された運転開始時の出湯温度と、運転開始から所定時間経過後の出湯温度とを比較して、正常・異常を判定すると共に、この判定において、所定時間経過後の出湯温度が運転開始時の出湯温度より出湯基準温度以上上昇して正常と判定したときには、さらに上記入水温度検出手段(20)にて検出された入水温度と、上記タンク温度検出手段(23)にて検出された温度とを比較して、入水温度がタンク温度よりも入水基準温度以上高いときに、空焚き等の異常であると判定することを特徴とする給湯機の異常検出装置。
- 貯湯タンク(3)と、この貯湯タンク(3)に連結される循環路(12)と、この循環路(12)に介設される熱交換路(14)とを備え、この熱交換路(14)をヒートポンプ加熱源にて加熱して、上記貯湯タンク(3)から循環路(12)に流出した低温水を沸き上げてこの貯湯タンク(3)に返流する運転が可能な給湯機の異常状態を検出する検出装置であって、上記ヒートポンプ加熱源にて沸き上げられる温湯の温度を検出する出湯温度検出手段(21)と、このヒートポンプ加熱源の圧縮機(25)の吐出管温度を検出する吐出管温度検出手段(22)とを備え、運転開始から所定時間経過後に、上記吐出管温度検出手段(22)にて検出された吐出管温度と、上記出湯温度検出手段(21)にて検出された出湯温度とを比較して、吐出管温度が出湯温度よりも所定基準温度以上高くないときに、上記吐出管温度検出手段(22)が不良等の異常であると判定することを特徴とする給湯機の異常検出装置。
- 貯湯タンク(3)と、この貯湯タンク(3)に連結される循環路(12)と、この循環路(12)に介設される熱交換路(14)とを備え、この熱交換路(14)をヒートポンプ加熱源にて加熱して、上記貯湯タンク(3)から循環路(12)に流出した低温水を沸き上げてこの貯湯タンク(3)に返流する運転が可能な給湯機の異常状態を検出する検出装置であって、上記給湯機の循環路(12)が、上記低温水を上記熱交換路(14)へ供給するための入水配管(15)と、この熱交換路(14)からの温湯を貯湯タンク(3)へ供給するための出湯配管(16)とを備え、上記入水配管(15)の温度が上記出湯配管(16)の温度よりも高いときに、この入水配管(15)及び出湯配管(16)が誤接続であるとして、異常状態と判定することを特徴とする給湯機の異常検出装置。
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