JP6425803B2 - 熱搬送装置監視装置および方法 - Google Patents

熱搬送装置監視装置および方法 Download PDF

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Description

本発明は熱搬送装置の運転状態を監視する熱搬送装置監視装置等に係るものである。特に運転状態の異常を検知する装置に関するものである。
従来、空気調和装置の異常を検知するシステムについて多くの提案がされており、運転不可能となる状態となる前に異常を検知できるように日々開発がなされている。こうした異常検知システムの中には、異常を検知するために空気調和装置等の過去の運転状態のデータである運転データを利用するものがある(たとえば、特許文献1参照)。
特開平10−238920号公報(図4)
たとえば、特許文献1のシステムは、過去の運転データを利用して、ショーケース、冷蔵庫等の異常を検知する。システムが有する運転状態管理装置は、吐出空気温度と設定温度との偏差に関する運転データによって機器の管理を行う。運転状態管理装置では、機器の吐出空気温度と設定温度との偏差に関する運転データを、運転条件毎に分類して保存し、記録する。そして、運転状態管理装置は、現在の吐出空気温度と設定温度との偏差に関する運転データと同一の運転条件におけるデータベース内の過去の運転データとを比較することにより、運転状態を評価する。
しかしながら、たとえばスーパーの増築等により、冷凍機、ショーケース等を増設した場合には、機器の運転状態が変化する。このため、特許文献1のようなシステムでは、過去に記録した運転データから、増設後の機器の運転データが正常であるかの判断ができない。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、熱搬送装置を構成する機器である構成機器を新しい仕様の構成機器に変更しても、過去の運転データを利用して異常の検知を行うことができる熱搬送装置監視装置等を得ることを目的とする。
本発明に係る熱搬送装置監視装置は、熱を搬送する熱媒体を加圧して熱媒体回路を循環させるポンプおよび熱媒体を加熱する熱源ユニットを少なくとも構成機器として有する熱搬送装置の監視装置であって、熱搬送装置から送られた、熱搬送装置の運転状態を示す運転データを受信する通信部と、運転データを記録する記録装置と、熱搬送装置が有する構成機器に変更があると、通信部が受信した構成機器変更後の運転データにより、記録装置に記録された構成機器変更前の運転データを補正する補正演算部と、補正した運転データに基づいて熱搬送装置の異常検知を行う監視制御部とを備えるものである。
本発明においては、構成機器を変更した後の運転データと記録装置に記録した運転データとを比較し、記録装置に記録した運転データを補正するようにしたので、記録した運転データを引き続き利用して熱搬送装置の異常検知等が可能な熱搬送装置監視装置を得ることができる。
本発明の実施の形態1に係る熱搬送装置監視装置110を中心とする熱搬送装置監視システム100のシステム構成を表す図。 本発明の実施の形態1に係る監視処理装置104の構成を表すブロック図。 本発明の実施の形態1に係る記録装置105の構成を示すブロック図。 本発明の実施の形態1に係る熱搬送装置101の構成を示す図。 本発明の実施の形態1に係る熱源ユニット51の構成を示す図。 本発明の実施の形態1に係る異常検知等に係る処理の流れを表す図。 本発明の実施の形態1に係る異常検知モードと検知方法との関係を示す図。 本発明の実施の形態1に係る特徴量および変化項目における定常指標データと監視データとの関係の一例を示す図。 本発明の実施の形態1に係る特徴量のデータの補正に関する処理の流れを示す図。 本発明の実施の形態2に係る熱搬送装置131の構成を示す図。 本発明の実施の形態2に係る熱源ユニット80の構成を示す図。 本発明の実施の形態2に係る異常検知モードと検知方法との関係を示す図。
以下、本発明の実施の形態に係る空気調和装置について図面等を参照しながら説明する。以下の図面において、同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものであり、以下に記載する実施の形態の全文において共通することとする。そして、明細書全文に表されている構成要素の形態は、あくまでも例示であって、明細書に記載された形態に限定するものではない。特に構成要素の組み合わせは、各実施の形態における組み合わせのみに限定するものではなく、他の実施の形態に記載した構成要素を別の実施の形態に適用することができる。また、添字で区別等している複数の同種の機器等について、特に区別したり、特定したりする必要がない場合には、添字を省略して記載する場合がある。そして、図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。そして、温度、圧力等の高低については、特に絶対的な値との関係で高低等が定まっているものではなく、各システム、各装置等における状態、動作等において相対的に定まるものとする。
実施の形態1.
<機器構成>
図1は、本発明の実施の形態1に係る熱搬送装置監視装置110を中心とする熱搬送装置監視システム100のシステム構成を表す図である。図1に基づいて、実施の形態1の熱搬送装置監視システム100の構成について説明する。本実施の形態の熱搬送装置監視システム100は、熱搬送装置101を監視して異常判定処理を行う熱搬送装置監視装置110を有する。そして、熱搬送装置監視システム100は、熱搬送装置101の制御等を行うローカルコントローラ102を有している。
ローカルコントローラ102は、熱搬送装置101を制御等する。熱搬送装置101およびローカルコントローラ102は、ビル、マンション、商業施設等の物件107に設置される。
また、熱搬送装置監視システム100は、遠隔管理センター106内に監視処理装置104と記録装置105とを備える熱搬送装置監視装置110を有している。監視処理装置104は、前述した各ローカルコントローラ102と電気通信回線103を介して通信可能に接続され、各種データを含む信号の送受を行うことができる。本実施の形態における監視処理装置104は、ローカルコントローラ102から送られる信号中のデータから、異常判定、記録装置105へのデータ記録等の処理を行う。記録装置105は、監視処理装置104と通信可能に接続されている。記録装置105は、監視処理装置104から送られる信号中のデータを記録する。また、監視処理装置104が処理を行うために必要な運転データを信号に含めて送る。
ローカルコントローラ102は、直接または専用アダプタを介して、対応する熱搬送装置101に通信可能に接続され、熱搬送装置101との間で通信を行うことができる。また、ローカルコントローラ102は、電気通信回線103を介して、監視処理装置104とも接続されており、通信を行うことができる。ローカルコントローラ102は、熱搬送装置101から定期的に送られる熱搬送装置101の運転に関するデータである運転データに基づいて、熱搬送装置101に指示を送って熱搬送装置101を制御する。また、ローカルコントローラ102は、熱搬送装置101からの運転データを、所定期間分(たとえば1日分)記録しておき、監視処理装置104に定期的に送信する。
図2は、本発明の実施の形態1に係る監視処理装置104の構成を表すブロック図である。本実施の形態の監視処理装置104は、補正演算部120、監視制御部121、通信部122、表示部123および記憶部124を有している。補正演算部120は、たとえば指標データの平均値算出等、監視制御部121が処理を行う際に必要となる演算を行う。本実施の形態においては、熱搬送装置101が有する構成機器に変更があった場合に、構成機器変更後の運転データにより、記録装置105に記録された構成機器変更前の運転データを補正する。監視制御部は、本実施の形態においては、たとえばローカルコントローラ102への運転に係るデータの指示、異常検知モードの選定、異常判定等、監視処理装置104が実行する動作の調整を行う。
通信部122は、電気通信回線103を介してローカルコントローラ102から送られる運転データを含む信号を取得する。また、記録装置105が記録する過去の運転データを受信し、ローカルコントローラ102より取得した運転データを記録装置105に送る。ここで、本実施の形態では、後述するように、通信部122は、監視制御部121が記録するものと判断した運転データを記録装置105に送るものとする。表示部123は、たとえば監視制御部121が行った処理結果を表示する。本実施の形態では、異常判定処理における判定結果を表示する。記憶部124は、ローカルコントローラ102から送られた運転データ等、監視処理装置104が処理を行うのに必要なデータを記憶する。
ここで、たとえば本実施の形態における監視処理装置104の補正演算部120、監視制御部121等の各部を、たとえばそれぞれ異なるハードウェアで装置構成することができる。ここでは、CPU(Central Prosessing Unit)のような演算制御手段(コンピュータ)で構成する一方、その処理手順をあらかじめプログラム化し、ソフトウェア、ファームウェア等で構成することもできる。演算制御手段がそのプログラムを実行し、そのプログラムに基づく処理を行い、上記の各処理部が行う処理を実現する。これらのプログラムのデータはたとえば記憶部124に記憶するようにしてもよい。
図3は、本発明の実施の形態1に係る記録装置105の構成を示すブロック図である。記憶装置150は、通信部140(140a、140b)および記憶部141(141a、141b)を有している。通信部140は、監視処理装置104との間で運転データを含む信号の通信を行う。また、記憶部141は、監視処理装置104からの運転データを記憶する(格納する)。また、監視処理装置104が処理を行うために必要となる運転データを監視処理装置104に送る。
図4は、本発明の実施の形態1に係る熱搬送装置101の構成を示す図である。本実施の形態の熱搬送装置101は、熱を搬送する媒体(熱媒体)として水を利用し、たとえば浴室、洗面所、台所等に構成機器などが設置される給湯装置であるものとする。熱搬送装置101は、熱源ユニット51、給水槽52、貯湯タンク60、給水ポンプ53、出湯ポンプ61、出湯端63a〜63c、保温加熱側ポンプ65、保温熱交換器67、保温負荷側ポンプ69および浴槽71を配管で接続した構成である。本実施の形態の熱搬送装置101では各配管に湯水が流れる。
熱源ユニット51は蒸気圧縮式のヒートポンプ装置を有している。熱源ユニット51の構成については後述する。また、熱源ユニット51(貯湯タンク60)側に水を供給する給水槽52は満液式である。たとえば、給水ポンプ53が駆動して出湯等により減った分の水を給水槽52側から貯湯タンク60に供給すると、配管55−2から市水が給水槽52に供給される。貯湯タンク60は、たとえば熱源ユニット51が加熱した湯水をためるものであり、開放式のタンクである。そして、出湯端63(63a〜63c)は、たとえば、シャワー、カラン(蛇口)等の出湯用の機器である。
給水ポンプ53は、給水槽52の水を貯湯タンク60側に供給する。入水点54は、熱源ユニット51と配管56との接続点である。配管55−1は、給水槽52と給水ポンプ53とを接続する配管である。また、配管55−2は、給水槽52に市水を供給するための配管である。そして、配管56は、熱源ユニット51と給水ポンプ53とを接続する配管である。
配管59−1は、貯湯タンク60側から熱源ユニット51側に流れる湯水が通過する配管である。保温点58は、熱源ユニット51と配管59−1との接続点である。また、配管59−2は、熱源ユニット51側から貯湯タンク60側に流れる湯水が通過する配管である。出湯点57は、熱源ユニット51と配管59−2との接続点である。
配管62−1および配管62−2は、貯湯タンク60、出湯ポンプ61および出湯端63を接続し、貯湯タンク60と出湯端63との間の湯水の循環経路を形成する。そして、出湯ポンプ61は、貯湯タンク60と出湯端63との間で湯水を循環させるために駆動するポンプである。
また、配管64、配管66および配管68は、貯湯タンク60、保温加熱側ポンプ65および保温熱交換器67を接続し、貯湯タンク60と保温熱交換器67との間の湯水の循環経路を形成する。保温加熱側ポンプ65は、貯湯タンク60と保温熱交換器67との間で湯水を循環させるためのポンプである。ここで、本実施の形態の保温加熱側ポンプ65は、保温加熱側ポンプ65aおよび65bを並列接続して構成しており、故障等により保温加熱側ポンプ65の機能が停止してしまわないようにしている。このため、保温加熱側ポンプ65aまたは65bのいずれか一方のポンプが故障しても、他方のポンプを駆動して保温加熱側ポンプ65の機能を維持することができる。
そして、配管68、配管70および配管72は、保温熱交換器67、保温負荷側ポンプ69および浴槽71を接続し、保温熱交換器67と浴槽71との間の湯水の循環経路を形成する。保温負荷側ポンプ69は、保温熱交換器67と浴槽71との間で湯水を循環させるためのポンプである。本実施の形態の保温負荷側ポンプ69は、保温負荷側ポンプ69aおよび69bを並列接続して構成している。このため、故障等により保温負荷側ポンプ69の機能が停止してしまわないようにしている。
また、熱搬送装置101は、保温熱交換器67と保温加熱側ポンプ65の間に水温センサ201を設置している。また、保温熱交換器67と貯湯タンク60の間に水温センサ202を設置している。また、保温熱交換器67と保温負荷側ポンプ69の間に水温センサ203を設置している。また、保温熱交換器67と浴槽71の間に水温センサ204を設置している。また、貯湯タンク60と出湯ポンプ61の間に水温センサ206(貯湯タンクよりの位置)、貯湯タンク60と出湯端63cの間に水温センサ205(貯湯タンク60よりの位置)を設置している。また、貯湯タンク60の壁面に水温センサ214を設置している。そして、浴槽71内に水温センサ215を設置している。
また、システム制御装置109は、熱搬送装置101の出湯運転(出湯ON/OFF)保温運転(保温ON/OFF)の制御を行う。
図5は、本発明の実施の形態1に係る熱源ユニット51の構成を示す図である。熱源ユニット51は蒸気圧縮式にて冷媒を循環させる冷凍サイクル運転を行うヒートポンプ装置を有している。ヒートポンプ装置は、貯湯タンク60に貯める湯水を加熱する(加熱運転)ことができる。
熱源ユニット51は、圧縮機1、水熱交換器2、減圧機構3、空気熱交換器4および熱源水ポンプ5を有している。圧縮機1、水熱交換器2、減圧機構3および空気熱交換器4を配管接続して、冷媒回路(ヒートポンプ回路)を構成する。圧縮機1は、冷媒を吸入、圧縮して高温高圧の状態にして吐出するものである。本実施の形態の圧縮機1は、たとえばインバータ装置等を有し、回転数(駆動周波数)を制御可能として、圧縮機1の容量(単位時間あたりの冷媒を送り出す量)を細かく変化させることができるタイプのものである。水熱交換器2は、たとえば二重管式の熱交換器等で構成される。水熱交換器2は、凝縮器として機能し、湯水と冷媒とを熱交換して冷媒を凝縮(放熱)させるとともに湯水を加熱する。減圧機構3は、水熱交換器2を通過する冷媒量および冷媒圧力を調整する。空気熱交換器4は、たとえば伝熱管と多数のフィンとにより構成されたクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器である。空気熱交換器4は、蒸発器として機能し、たとえば室外の空気と冷媒とを熱交換して冷媒を蒸発させ、気化させる。本実施の形態の熱源水ポンプ5は、たとえばインバータ装置等を有し、回転数(駆動周波数)を制御可能として、熱源水ポンプ5の容量を変化させることができる。熱源水ポンプ5は、保温点58から流入した貯湯タンク60の湯水および入水点54から流入した水の少なくとも一方を水熱交換器2に流入させ、水熱交換器2を通過した湯水を出湯点57および配管59−2を介して貯湯タンク60に送る流れを形成する。
また、熱源ユニット51は温度センサ210、水温センサ211および水温センサ212並びに外気温度センサ213を有している。温度センサ210は、圧縮機1の吐出側配管に取り付けられ、冷媒温度(吐出冷媒温度)を計測する。また、外気温度センサ213は、空気熱交換器4の空気吸込口に取り付けられ、外気温度を計測する。また、水温センサ211は、水熱交換器2の水流入口側に取り付けられ、水熱交換器2に流入する湯水の温度を計測する。水温センサ212は、水熱交換器2の水流出口側に取り付けられ、水熱交換器2から流出する湯水の温度を計測する。
また、熱源ユニット51は、熱源ユニット51の運転状態を制御する制御装置108を有している。制御装置108は、システム制御装置109からの指示に基づいて、冷媒回路および熱源水ポンプ5を制御し、貯湯タンク60に所定温度の湯水を供給する。
<熱搬送装置101の運転モード>
熱搬送装置101は、出湯運転モードと保温運転モードとによる運転を行うことができる。出湯運転モードは、たとえば、システム制御装置109が、貯湯タンク60中の湯水が出湯等により減って、所定水位以下となったことを水位センサ(図示せず)等の検出によって判断すると開始指令を行う運転モードである。また、保温運転モードは、システム制御装置109が、貯湯タンク60の水温が所定温度以下となったことを、水温センサ214の検出によって判断すると開始指令を行う運転モードである。ここで、出湯運転モードまたは保温運転モードでない場合(停止時)は、給水ポンプ53と熱源水ポンプ5とを停止させる。
まず、出湯運転モードについて説明する。出湯運転モードでの運転開始とともに、給水ポンプ53が駆動を開始する。熱源ユニット51は後述する加熱運転モードで運転を行う。給水槽52より流出した水は配管55−1、給水ポンプ53、配管56、入水点54を通過して熱源ユニット51に流入する。熱源ユニット51は、流入した水を、設定温度(たとえば65℃)に加熱して出湯点57から流出させる。流出した湯水は配管59−2を通って貯湯タンク60に流入する。到達し、貯湯タンク60においては湯量が増加する。貯湯タンク60の湯水の量が所定量以上となったものと判断すると、システム制御装置109は、出湯運転モードでの運転を終了させる。
次に、保温運転モードについて説明する。保温運転モードにおいては、給水槽52から水は供給しない。そして、熱源ユニット51は後述する加熱運転モードで運転を行う。貯湯タンク60より流出した湯水は配管59−1、保温点58を通過して熱源ユニット51に流入する。そして、熱源ユニット51は湯水を加熱して出湯点57から流出させる。加熱されて流出した湯水は、配管59−2を通って貯湯タンク60に流入する。貯湯タンク60に流入した湯水によって、貯湯タンク60内の水温が上昇する。貯湯タンク60の水温が所定値以上(たとえば50℃)となったものと判断すると、システム制御装置109は、保温運転モードでの運転を終了させる。
<熱源ユニット51の加熱運転モード>
また、熱源ユニット51は加熱運転モードによる運転を行うことができる。加熱運転モードは、システム制御装置109からの要求により行うモードである。圧縮機1から吐出した高温および高圧のガス冷媒は、水熱交換器2に流入する。水熱交換器2に流入した冷媒は、湯水を加熱して高圧液冷媒となる。その後、高圧液冷媒は、減圧機構3にて減圧され低圧二相冷媒となって空気熱交換器4に流入する。そして、空気熱交換器4に流入した低圧二相冷媒は、外気に放熱して低圧ガス冷媒となる。その後、再び圧縮機1に吸入される。
制御装置108は、外気温度と水熱交換器2の流入口側の水温とによって圧縮機1の駆動周波数が所定値となるように圧縮機1を制御する。ここで、外気温度は外気温度センサ213の検出に係る温度である。水熱交換器2の流入口側の水温は、水温センサ211の検出に係る温度である。また、制御装置108は、圧縮機1の吐出温度が所定温度となるように減圧機構3を制御する。ここで、圧縮機1の吐出温度は温度センサ210の検出に係る温度である。そして、制御装置108は、熱搬送装置101が出湯運転モードの運転の場合は、水熱交換器2の流出口側の水温が所定温度となるように熱源水ポンプ5を制御する。熱搬送装置101が保温運転モードの運転の場合は、熱源水ポンプ5を所定回転数で固定する。ここで、水熱交換器2の流出口側の水温は、水温センサ212の検出に係る温度である。
貯湯タンク60の湯水(熱量)の消費は、主に配管保温動作、浴槽保温動作、出湯動作からなる負荷動作によりなされる。配管保温動作では、24時間常に所定回転数で出湯ポンプ61を駆動させる。このため、貯湯タンク60から配管62−1へ湯水が流出し、出湯ポンプ61、配管62−2を経由して再び貯湯タンク60へ戻るという流れができ、配管62−1と配管62−2とを保温する。配管保温動作を行うことにより、たとえば出湯端63aでの出湯時に即座に所定温度の湯水を供給することができる。配管保温動作では、配管62−1と配管62−2とにおいて、湯水が放熱することになるため、貯湯タンク60の水温が低下する。
出湯端63a〜63cから出湯する出湯動作が行われると、貯湯タンク60の湯水の量が低下する。また、浴槽保温動作は、動作開始(水温センサ215の検出温度が所定値以下(たとえば37℃以下)となったらシステム制御装置109にて開始指令)により、保温加熱側ポンプ65と保温負荷側ポンプ69の駆動を開始する。そして、貯湯タンク60から配管64、保温加熱側ポンプ65、保温熱交換器67を通過し、浴槽71から流出する湯水を加熱する。その後、配管68を通り、再び貯湯タンク60に戻る。また、浴槽71側では、配管68、保温負荷側ポンプ69、配管70、浴槽71および配管72を通過し、保温熱交換器67に到達後、貯湯タンク60から流出した湯水から吸熱する。システム制御装置109は、浴槽水温(水温センサ215の検出に係る温度)が所定値以上(たとえば42℃)であると判断すると、浴槽保温動作を停止する。
以上のような、一連の運転モードまたは負荷動作により、熱搬送装置101の運転がなされる。そして、1日の運転データが、システム制御装置109からローカルコントローラ102へと送られる。
<異常検知処理>
図6は、本発明の実施の形態1に係る異常検知等に係る処理の流れを表す図である。図6に基づいて、本実施の形態の熱搬送装置監視装置110(監視処理装置104)が行う処理について説明する。
S1にて、1日が終了すると(たとえば24時(午前零時))、ローカルコントローラ102から信号が送られる。監視処理装置104の通信部122は、送られた信号から熱搬送装置101の運転データを得る。ここでは、1日単位で運転データの収集を行うものとするが、これに限定するものではない。
そして、S2にて、送られた運転データの中から、定常状態の運転データを監視データとして抽出する。監視データであるかどうかの判断は、次のようにして行う。ここで、熱搬送装置101において、運転モード(出湯運転または保温運転)および負荷動作(出湯動作、配管保温動作、または浴槽保温動作)に関する変化がない状態が15分以上続いている状態を定常状態とする。監視制御部121は、定常状態にあると判断した運転データを全て抽出して監視データとする。
S3では、判定を行う異常検知モードを選定する。本実施の形態における異常検知モードは、熱源ユニット加熱能力低下、保温熱交換器汚れ、配管断熱劣化、保温加熱側ポンプ故障とする。また、S4では記録装置105に記録している運転データにおいて、定常状態の運転データを、指標データとして抽出する。
図7は、本発明の実施の形態1に係る異常検知モードと検知方法との関係を示す図である。S5において、抽出した指標データから、S3において選定した異常検知モードに合わせた変化項目と特徴量とに関するデータをさらに抽出する。たとえば抽出した指標データには、熱搬送装置101において検出されたすべての温度、圧力等の運転データがすべて含まれている。そこで、指標データから、異常検知に必要となる変化項目と特徴量とに関するデータを抽出する。ここで、特徴量とは異常発生に伴って変化するパラメータである。また、変化項目とは異常が発生しなくても変化するパラメータである。異常検知モードによって、特徴量と変化項目とは異なる。
ここで、各異常検知の手順について具体的に説明する。熱源ユニット加熱能力低下については、たとえば熱源ユニット51の圧縮機1劣化、水熱交換器2の汚れ、空気熱交換器4汚れなどが発生すると熱源ユニット51の加熱能力が低下し、保温運転時に出口水温に対する入口水温の水温差が低下する。ここで、加熱能力は外気温度によって変わるため、変化項目は外気温度とする。一方、特徴量は熱源ユニット入出口水温差(水温センサ212の検出温度から水温センサ211の検出温度を差し引いた値)とする。そして、特徴量の水温差の低下から異常検知の判定を行う。ここで、判定に用いる運転データは保温運転中かつ保温運転開始から15分以上経過した運転データを用いる。
また、保温熱交換器67が汚れてくると伝熱性能が低下してくる。このため、浴槽保温動作時において、保温熱交換器67の流入口と流出口とにおける水温差が低下してくる。ここで、保温熱交換器67流入口と流出口との水温差は、水温センサ201の検出温度から水温センサ202の検出温度を差し引いた値、または、水温センサ204の検出温度から水温センサ203の検出温度を差し引いた値となる。保温熱交換器67の熱交換量は貯湯タンク60と浴槽71の水温差により変化するため、変化項目は貯湯タンク60と浴槽水温差(水温センサ214−水温センサ215)となる。一方、特徴量は保温熱交換器67の入出口水温差となる。そこで、特徴量の水温差低下から異常検知を行う。ここで、異常検知判定に用いる運転データは、浴槽71の保温動作中かつ浴槽保温動作開始から15分以上経過した運転データを用いる。
配管断熱が劣化すると、配管62−1、配管62−2での放熱量が増加し、水温センサ205の検出温度が低下する。このため、配管温度差(水温センサ206の検出温度から水温センサ205の検出温度を差し引いた値)が上昇する。放熱量は外気温度によって変化するため、変化項目は外気温度となる。一方、特徴量は配管温度差となる。異常判定方法は特徴量の水温差上昇に基づいて判定する。判定に用いる運転データは配管保温動作中かつ配管保温動作開始から15分以上経過した運転データを用いる。実施の形態1では常に配管保温動作であるため、監視データ全てが判定時の状態となる。
そして、たとえば、保温負荷側ポンプ69aが故障して湯水を送れなくなると、保温負荷側ポンプ69bのみによる送水となるため、保温熱交入出口水温差が急上昇する。そこで、変化項目を外気温度とする。一方、特徴量は保温熱交入出口水温差とする。そして、異常判定方法は特徴量の水温差上昇から判定する。判定に用いる運転データは浴槽保温動作中かつ浴槽保温動作開始から15分以上経過したデータを用いる。
S6で、補正演算部120は、変化項目毎に特徴量データの平均値を算出する。たとえば、変化項目を一定間隔で範囲分けをする等して特徴量データを分割し、各特徴量データ群における平均値を算出する。たとえば、変化項目が外気温度であった場合、外気温度を4.5℃毎(…,20.5℃〜25℃,25.5℃〜30℃,…)に分割して平均値を算出する。
図8は、本発明の実施の形態1に係る特徴量および変化項目における定常指標データと監視データとの関係の一例を示す図である。S7においては、補正演算部120は、指標データにおける特徴量の平均値と監視データとの差分値を算出する。そして、S8では、監視制御部121が、補正演算部120が算出した差分値から、所定値以上乖離しているかどうかを判断する。監視制御部121は、差分値が所定値以上乖離していると判断すると、異常であると判定し、異常である旨を発報する(S9)。また、監視制御部121は、差分値が所定値以上乖離していないと判断すると、正常であると判定し、正常である旨を発報する(S10)。ここで、監視データが複数である場合の異常であるかどうかの判定については、特に限定するものではない。たとえば1つでも所定値以上乖離していると判断すると異常であると判定するようにしてもよい。また、すべての差分値が所定値以上乖離していると判断すると異常であると判定するようにしてもよい。
S11において、すべての異常検知モードについて処理を終了したかどうかを判断する。終了していないと判断するとS2に戻って、選定していない異常検知モードを選定し、異常検知の判定を行う。
一方、すべての異常検知モードにおいて異常検知の判定を行うと、S12において、監視制御部121は、すべての異常検知モードにおける特徴量の平均値と監視データとの差分値が、あらかじめ定めた適正差分値以内であるかどうかを判断する。差分値が適正差分値以内であると判断すると、S13において、熱搬送装置101の運転データを記録装置105に記憶させる。このように、適正差分値以内であると判断した監視データを含む運転データを記録することで、異常が発生していない運転データを記録させることができる。このため、指標データが正常な運転データの集合体であることを確実にすることができ、データの信頼性を確保することができる。ここで、S9の差分値判定閾値よりも、S12の差分値判定閾値を小さくすることで、記録装置105に記録する運転データの信頼性を高めることができる。
以上のようにして、熱搬送装置監視装置110(監視処理装置104)において異常検知を行うことができる。ここで、S12の処理を行って運転データを記録装置105に記録させる期間は、たとえば設置後1年間とする。1年間の運転データを記録することができれば、一通りの外気温度、室内負荷による運転データを記録させることができる。また、たとえば3年、4年と連続してデータを記録したとしても、経年劣化によるデータの変化分が運転データに含まれると、経年劣化の判定ができなくなる可能性がある。そこで、本実施形態のシステムでは、たとえば経年劣化による変化分がデータに含まれない設置後の所定期間までの運転データ記録に留める。
ここで、たとえば、給湯装置等のような熱搬送装置101は、通常、いろいろなメーカーの機器を組み合わせて装置を構成する。そして、物件の改築、増設等により、負荷状態が変わることに合わせて、熱搬送装置101を構成する機器(構成機器)(たとえば熱源ユニット、各種ポンプ、保温熱交換器等)を変更リニューアルする(たとえば熱源ユニット51の容量を10HPから15HPに変更する等)ケースが多くある。構成機器を変更した後に熱搬送装置101を運転させたときに得られる運転データは変更前と変わってしまうため、従来は、構成機器を変更した後に熱搬送装置101を運転させたときの運転データを、再度、記録装置105に記録していかなければならなかった。そして、記録されるまでの間に、変更しなかった他の構成機器における異常を検知できない可能性がある。
そこで、本実施の形態では、監視処理装置104が、記録装置105に記録された構成機器変更前の運転データを補正する処理を行うことで、構成機器変更後においても、すぐに異常検知を行うことができるようにする。
図9は、本発明の実施の形態1に係る特徴量のデータの補正に関する処理の流れを示す図である。ステップS31において、機器変更の工事実行後の試運転における運転データを得る。試運転は、通常は2時間程度であるが、運転データを取得するためには期間が長いほどよい。ここで、1週間程度を試運転期間として運転データを取得するようにしてもよい。試運転における運転データは、たとえば記憶部124に記憶しておく。
ステップS32において、得られた運転データの中から、前述したように監視データを抽出する。S33では、判定を行う異常検知モードを選定する。S34では記録装置105に記録している運転データから、前述したように指標データを抽出する。S35において、抽出した指標データから、選定した異常検知モードに合わせた変化項目と特徴量とに関するデータをさらに抽出する。S36では、補正演算部120は、変化項目毎に特徴量データの平均値を算出する。また、S37では、補正演算部120は、指標データにおける特徴量の平均値と監視データとの差分値を算出する。
そして、S38において、補正演算部120は、特徴量データを補正する。補正ではデータ差分値の平均値が0に最も近くなるように特徴量に関連するデータを補正する。たとえば熱源ユニット過熱能力低下の場合は、水温センサ212が検出する温度のデータを補正する。また、保温熱交換器汚れでは水温センサ202または水温センサ203が検出する温度のデータを補正する。また、配管断熱劣化は水温センサ205が検出する温度のデータを補正する。保温加熱側ポンプ故障については、故障検知対象の出力値に直接関係していないが、水温センサ203が検出する温度のデータを補正する。
S39において、監視制御部121は、すべての異常検知モードについて処理を終了したかどうかを判断する。終了していないと判断するとS33に戻って、選定していない異常検知モードを選定し、補正演算部120が行う補正に基づいて、異常検知の判定を行う。
ここで、試運転時では、構成機器が変更した部分を湯水が通過する運転モードを優先的に行うようにすると、構成機器変更後の運転データを早期に収拾することができるので、試運転の期間を短縮することができる。また、異常検知開始までに要する時間を短縮できる。たとえば、機器変更の作業者が、ローカルコントローラ102に運転モードおよび動作を入力して、対応する運転モードでの試運転を行わせるようにする。また、たとえば、水回路構成図をローカルコントローラ102に記憶しておき、記憶した水回路構成図から変更した構成機器を湯水が通過する運転モードまたは負荷動作を行うようにしてもよい。
また、上述した処理においては、すべての異常検知モードに対して補正を行うようにしたが、必ずしも全ての異常検知モードで補正を行う必要はない。たとえば変更した構成機器が送水経路に含まれる運転モード、負荷動作等に関連する異常検知モードに対して補正を行うようにしてもよい。必要な部分について補正を行うことで、不要な運転データの補正に伴う異常検知の遅れを防止することができる。たとえば、熱源ユニット51を新規に入れ替えてないのに熱源ユニット入出口水温差を補正してしまうと、熱源ユニット劣化状態にも関わらず、データ差分値が0近傍になってしまうため、汚れがかなり進行しないと異常検知に至らず、機器の重大故障や大きな効率低下の要因となってしまう。
また、新規に設置した熱搬送装置101においては、システムに過去の運転データの記録がない。このため、一定期間(たとえば1年間等)は、正常な運転状態における運転データを記録する必要がある。そして、データを記録している間は、機器の異常を判断することができない。
このようなときには、たとえば、熱搬送装置101の運転動作をシミュレーションするシミュレータにより、運転データが記録装置105に記録するまでの間、シミュレータの演算による計算値を運転データ(指標データ等)として用いるようにするとよい。ここで、シミュレーションによる運転データと実際の運転に係る運転データには差異があることが多い。そこで、監視処理装置104が上述した補正処理を行うことで差異をなくすようにする。こうすることで新規システム構築時から異常検知を実施することが可能となり、システム信頼性を向上させることができる。
また、運転データのうち、補正候補となる項目(たとえば水温センサ205の検出温度等)を記録装置105の記憶部141aに記憶し、補正しない項目(貯湯タンク60の水温等)を記憶部141bに記憶するようにして、記憶領域を分けるようにしてもよい。記憶領域を分けることで、無駄なデータアクセスをなくすことができるので、運転データの補正処理の実行時間を短縮することができる。
以上のように、実施の形態1の熱搬送装置監視システム100では、熱搬送装置101において、たとえば構成機器の変更があった場合に、熱搬送装置監視装置110の監視処理装置104が、構成機器を変更した後の運転データと記録装置105に記録した構成機器変更前の運転データとを比較し、記録装置105に記録した運転データを補正するようにしたので、記録した運転データを引き続き利用して熱搬送装置101の異常検知等を行うことができる。
実施の形態2.
<機器構成>
図10は、本発明の実施の形態2に係る熱搬送装置131の構成を示す図である。熱搬送装置131は、実施の形態1で説明した熱搬送装置101と回路構成が異なる。熱搬送装置131は、たとえば工場等に用いられる温水暖房装置である。本実施の形態の熱搬送装置131は、熱源ユニット80、温水加熱ポンプ81、切替バルブ82、温水暖房熱交換器83で水回路を構成する。
図11は、本発明の実施の形態2に係る熱源ユニット80の構成を示す図である。本実施の形態の熱源ユニット80は、熱源ユニット51と同様に、蒸気圧縮式にて冷媒を循環させる冷凍サイクル運転を行うヒートポンプ装置を有し、入水点84から流入した湯水を加熱して出湯点85から出湯する。本実施の形態の熱源ユニット80は、圧縮機1、水熱交換器2、減圧機構3および空気熱交換器4を有している。圧縮機1、水熱交換器2、減圧機構3および空気熱交換器4を配管接続して、冷媒回路(ヒートポンプ回路)を構成する。また、熱源ユニット80は温度センサ210、水温センサ211および水温センサ212並びに外気温度センサ213を有している。また、制御装置108を有している。圧縮機1、水熱交換器2、減圧機構3および空気熱交換器4、温度センサ210、水温センサ211、水温センサ212および外気温度センサ213並びに制御装置108については、実施の形態1で説明したことと同様の動作、機能等である。
温水加熱ポンプ81は、駆動して水回路の湯水を循環させる。図10では、破損等を考慮して温水加熱ポンプ81a〜81dが並列接続されている。温水暖房熱交換器83は、通過する湯水とたとえば空気等の熱交換対象とを熱交換し、熱交換対象を加熱する。本実施の形態では、温水暖房熱交換器83aと83bとが並列に接続されている。ここで、温水暖房熱交換器83aと83bとがそれぞれ複数台の熱交換器を直列接続して構成していてもよい。本実施の形態では、温水暖房熱交換器83aと83bとは同じ空間を暖房するものとし、温水暖房熱交換器83bは暖房能力を補強するために設けられている。切替バルブ82は、温水暖房熱交換器83bの湯水の通過を制御する。図10では、破損等を考慮して切替バルブ82aと82bとが並列に接続されている。
また、水温センサ220a、220b、221aおよび221b並びに圧力センサ222および223を有している。システム制御装置132は、各種センサが検出した温度、圧力等から熱搬送装置131の制御を行う。
熱搬送装置131の運転モードとしては、温水暖房運転モードがある。温水暖房運転モードでは温水加熱ポンプ81が駆動し、水回路内で湯水を循環させる。温水加熱ポンプ81がから送られた湯水は分流され、一方は温水暖房熱交換器83aを通過する。また、他方は切替バルブ82aおよび82bを通過して、温水暖房熱交換器83bを通過する。温水暖房熱交換器83において、たとえば空気は加熱されるとともに湯水は冷却される。その後、合流して熱源ユニット80を通過する。熱源ユニット80は湯水を加熱する。そして、再び温水加熱ポンプ81ポンプに戻る。
ここで、システム制御装置132は、温水加熱ポンプ81のポンプ水圧差が所定値となるように制御する。ポンプ水圧差は圧力センサ223が検出した圧力から圧力センサ222が検出した圧力を差し引いた圧力値である。また、システム制御装置132は、温水暖房熱交換器83bへの送水指令を送り、切替バルブ82aおよび82bを開放して温水暖房熱交換器83bに湯水を通過させる。それ以外のときは、切替バルブ82aおよび82bを閉止する。また、制御装置108は、水温センサ212と水温センサ211との温度差が所定温度となるように圧縮機1を制御する。
図12は、本発明の実施の形態2に係る異常検知モードと検知方法との関係を示す図である。たとえば、熱源ユニット加熱能力が低下すると、負荷が一定の場合(温水暖房熱交換器83aおよび83bに湯水が通過しているとき等)、水温差を保つために必要な圧縮機1の駆動周波数が上昇する。圧縮機1の駆動周波数の上昇を比較して異常検知を行う。
また、温水暖房熱交換器83が汚れると、空気と湯水との温度差が上昇する。ここで、空気と湯水との温度差は、水温センサ220の検出温度と水温センサ221の検出温度との平均値に対する室内温度を差し引いて得られる値である。また、たとえば切替バルブ82bが全閉ロック(固定)すると、温水暖房熱交換器83bに流入する湯水の量が低下するため、温水熱交換器入出口水温差が上昇する。ここで、温水熱交換器入出口水温差とは水温センサ220bの検出に係る温度から水温センサ220aの検出に係る温度を差し引いた値である。そこで、監視処理装置104は、温水熱交換器入出口水温差に基づいて、切替バルブ82の故障を判定する。そして、温水加熱ポンプ81のいずれかが故障して常に停止状態となると、水圧を目標値に大きく維持して制御することができなくなるため、水圧差が低下する。そこで、監視処理装置104は、水圧差に基づいて、温水加熱ポンプ81の故障を判定する。
1 圧縮機、2 水熱交換器、3 減圧機構、4 空気熱交換器、5 熱源水ポンプ、51,80 熱源ユニット、52 給水槽、53 給水ポンプ、54 入水点、55−1,55−2,56,59−1,59−2,62−1,62−2,64,68,70,72 配管、57 出湯点、58 保温点、60 貯湯タンク、61 出湯ポンプ、63,63a,63b,63c 出湯端、65,65a,65b 保温加熱側ポンプ、67 保温熱交換器、69,69a,69b 保温負荷側ポンプ、71 浴槽、81,81a,81b,81c,81d 温水加熱ポンプ、82,82a,82b 切替バルブ、83,83a,83b 温水暖房熱交換器、84 入水点、85 出湯点、100 熱搬送装置監視システム、101,131 熱搬送装置、102 ローカルコントローラ、103 電気通信回線、104 監視処理装置、105 記録装置、106 遠隔管理センター、107 物件、108 制御装置、109,132 システム制御装置、110 熱搬送装置監視装置、120 補正演算部、121 監視制御部、122 通信部、123 表示部、124 記憶部、140 通信部、141 記憶部、150 記憶装置、201,202,203,204,205,206,211,212,214,215,220,220a,220b,221,221a,221b 水温センサ、210 温度センサ、213 外気温度センサ、222,223 圧力センサ。

Claims (9)

  1. 熱を搬送する熱媒体を加圧して熱媒体回路を循環させるポンプおよび前記熱媒体を加熱する熱源ユニットを少なくとも構成機器として有する熱搬送装置の監視装置であって、
    前記熱搬送装置から送られた、前記熱搬送装置の運転状態を示す運転データを受信する通信部と、
    前記運転データを記録する記録装置と、
    前記熱搬送装置が有する構成機器に変更があると、前記通信部が受信した前記構成機器変更後の前記運転データにより、前記記録装置に記録された前記構成機器変更前の前記運転データを補正する補正演算部と、
    補正した前記運転データに基づいて前記熱搬送装置の異常検知を行う監視制御部と
    を備える熱搬送装置監視装置。
  2. 前記補正演算部は、前記運転データのうち、前記熱媒体の温度および圧力の少なくとも一方の項目のデータを補正対象とする請求項1に記載の熱搬送装置監視装置。
  3. シミュレーション演算による前記運転データを前記記録装置に記録しておき、
    前記補正演算部は、前記通信部が受信した前記運転データと前記記録装置に記録された前記シミュレーション演算による前記運転データとを比較して、前記記録装置に記録された前記運転データを補正する請求項1または請求項2に記載の熱搬送装置監視装置。
  4. 前記監視制御部は、変更された前記構成機器によって、補正対象の前記運転データの項目を選定する請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の熱搬送装置監視装置。
  5. 前記監視制御部は、前記熱搬送装置の監視対象となる異常の内容によって、補正対象の前記運転データの項目を選定する請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の熱搬送装置監視装置。
  6. 前記記録装置は、前記運転データのうち、補正する可能性がある項目のデータが記録される記録領域と補正する可能性がない項目のデータが記録される記録領域とを分けて記録する請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の熱搬送装置監視装置。
  7. 前記監視制御部は、熱源ユニットの劣化、前記熱媒体と熱交換対象とを熱交換する熱交換器の汚れ、前記熱媒体回路の配管の断熱劣化、前記熱媒体回路が有するバルブの弁開度固定、前記ポンプの故障に係る異常のうち、少なくともいずれか1つを検知する請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の熱搬送装置監視装置。
  8. 前記監視制御部は、前記運転データのうち、前記熱搬送装置が安定した状態で運転したものと判断した前記運転データを抽出して異常検知の判定に利用する請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の熱搬送装置監視装置。
  9. 熱を搬送する熱媒体を加圧して熱媒体回路を循環させるポンプおよび前記熱媒体を加熱する熱源ユニットを少なくとも有する熱搬送装置における運転状態を示す運転データを、一定期間分、記録装置に記録して異常検知を行う熱搬送装置の監視方法であって、
    前記熱搬送装置を構成する構成機器が変更されると、前記熱搬送装置から送られた、前記構成機器変更後の前記熱搬送装置の運転における前記運転データと前記記録装置に記録された前記構成機器変更前の前記熱搬送装置の運転における前記運転データとを比較する工程と、
    前記比較により得られる差分値により、前記記録装置に記録された前記運転データを、監視用の前記運転データに補正する工程と
    を有する熱搬送装置監視方法。
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