JP3633284B2 - 車高調整装置を備えた車輌 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車高調整装置を備えた車輌に係り、更に詳細には衝突の影響を低減するよう車高調整される車輌に係る。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の車高調整装置を備えた車輌の一つとして、例えば特開平7−186672号公報に記載されている如く、車輌の後退時には車体の後部を低下させて後方死角の範囲を低減するよう構成された車輌が従来より知られている。かかる車輌によれば、車輌の後退時に車輌の後方視界が拡大するので、車輌がその後退時に障害物等に衝突する虞れを低減することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上述の如き従来の車輌に於いては、自車が他車に衝突する虞れが推定され、その推定結果に応じて衝突に対する予備対策として車高調整が行われる訳ではないので、衝突の虞れがあるときにも車高が衝突の影響を低減する車高になるよう車高調整することはできない。このことは車高調整装置を備えた従来の他の車輌についても同様である。
【0004】
本発明は、車高調整装置を備えた従来の車輌に於ける上述の如き問題に鑑みてなされたものであり、本発明の主要な課題は、自車が他車に衝突する虞れがあるときには衝突に対する予備対策として車高調整を行うことにより、車輌が衝突することによる影響を低減することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述の主要な課題は、本発明によれば、請求項1の構成、即ち車高調整装置と、自車が他車に衝突する虞れを推定する推定手段と、衝突の虞れがあるときには前記車高調整装置を作動させて衝突の影響を低減する車高に車高調整する制御手段とを有する車輌であって、前記推定手段は相対的に接近する他車の情報に基づき他車のバンパの高さを推定し、前記制御手段は自車のバンパの高さが実質的に他車のバンパの高さになるよう前記車高調整装置を作動させることを特徴とする車輌によって達成される。
【0006】
請求項の構成によれば、相対的に接近する他車の情報に基づき他車のバンパの高さが推定され、自車のバンパの高さが実質的に他車のバンパの高さになるよう車高調整されるので、衝突のエネルギを効果的に且つ確実に吸収して自車及び他車が受ける衝突の影響を確実に低減することが可能になる。
【0007】
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、前記推定手段は相対的に接近する他車の画像情報を取得する手段を含み、取得された他車の画像情報に基づき他車のバンパの高さを推定するよう構成される(請求項の構成)。
【0008】
請求項の構成によれば、相対的に接近する他車の画像情報が取得され、取得された他車の画像情報に基づき他車のバンパの高さが推定されるので、相対的に接近する他車のバンパの高さを推定することが可能になる。
【0009】
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、前記推定手段は相対的に接近する他車の情報を車々間通信により取得する手段を含み、取得された他車の情報に基づき他車のバンパの高さを推定するよう構成される(請求項の構成)。
【0010】
請求項の構成によれば、相対的に接近する他車の情報が車々間通信により取得され、取得された他車の情報に基づき他車のバンパの高さが推定されるので、請求項の構成の場合と同様、相対的に接近する他車のバンパの高さを推定することが可能になる。
【0011】
尚本明細書に於いて、「バンパの高さ」とはバンパが他車より荷重を受ける際にその荷重を最も効率的に受ける部位の高さを意味し、また「自車のバンパの高さが実質的に他車のバンパの高さになる」とは自車のバンパの高さが他車のバンパの上下幅の範囲内になることを意味する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を幾つかの好ましい実施形態について詳細に説明する。
【0013】
図1は本発明による車高調整装置を備えた車輌の第一の実施形態を示す概略構成図である。
【0014】
図1に於いて、10FL、10FR、10RL、10RRはそれぞれ車輌12の左右の前輪及び左右の後輪を示している。各車輪のサスペンションには車高調整機能を有するショックアブソーバ14FL、14FR、14RL、14RRが設けられている。ショックアブソーバ14FL〜14RRは油圧制御回路16により内部の油圧が制御されることにより、対応する部位の車高を増減調整するようになっている。
【0015】
車体18の前端及び後端にはそれぞれ車輌の前方及び後方の画像を取得するビデオカメラ20及び22が設けられている。ビデオカメラ20及び22により取得された画像情報を示す信号は電子制御装置24へ入力される。電子制御装置24には車速センサ26により検出された車速Vを示す信号及び車高センサ28FL、28FR、28RL、28RRにより検出された各輪に対応する部位の車高Hfl、Hfr、Hrl、Hrrを示す信号も入力される。
【0016】
電子制御装置24は図2に示されたフローチャートに従って作動し、入力された画像情報を解析して自車の前方又は後方にそれぞれ先行車輌又は後続車輌が存在するか否かを判定し、先行車輌又は後続車輌が存在するときにはその車輌との間の相対速度を演算し、その演算結果及び自車の車速に基づき衝突の虞れが高いか否かを判定する。
【0017】
また電子制御装置24は衝突の虞れが高いときには、その接近する他車の外形よりそのバンパの高さを推定し、自車のバンパの高さが推定された他車のバンパの高さと実質的に同一になるよう油圧制御回路16を制御して車高調整を行う。この場合、自車のフロントバンパ及びリヤバンパの高さは各輪に対応する部位の車高Hfl、Hfr、Hrl、Hrrに基づき推定される。更に電子制御装置24は衝突の虞れがないときには、各輪の部位に対応する車高が車輌の走行に適した標準車高になるよう必要に応じて油圧制御回路16を制御する。
【0018】
尚電子制御装置24例えば中央処理ユニット(CPU)と、リードオンリメモリ(ROM)と、ランダムアクセスメモリ(RAM)と、入出力ポート装置とを有し、これらが双方向性のコモンバスにより互いに接続された一般的な構成のマイクロコンピュータであってよい。
【0019】
次に図2を参照して第一の実施形態の作動について説明する。尚図2に示されたフローチャートによる制御は図には示されていないイグニッションスイッチが閉成されることにより開始され、所定の時間毎に繰り返し実行される。またこのことは後述の他の実施形態についても同様である。
【0020】
まずステップ10に於いてはビデオカメラ20及び22により取得された画像情報を示す信号等の読み込みが行われ、ステップ20に於いてはビデオカメラ20により取得された前方側の画像情報の解析が行われる。
【0021】
ステップ30に於いてはステップ20の画像情報の解析結果に基づき先行車輌があるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ80へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ40に於いてステップ20の画像情報の解析結果に基づき先行車輌の外形、例えば小型乗用車、普通乗用車、ワンボックスカー、RV車、トラックの何れであるかが特定されると共に、先行車輌の外形の大きさの変化速度に基づき自車が先行車輌に近付く相対速度を正として先行車輌の相対速度Vref が演算される。
【0022】
ステップ50に於いては相対速度Vref 及び自車の車速Vに基づき前突の虞れが高いか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ80へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ60に於いて先行車輌の外形に基づき先行車輌のリヤバンパの高さHbro が推定され、ステップ60に於いて自車のフロントバンパの高さHbfs が先行車輌のリヤバンパの高さHbro と実質的に同一の高さになるよう車高調整が行われる。
【0023】
同様に、ステップ80に於いてはビデオカメラ22により取得された後方側の画像情報の解析が行われ、ステップ90に於いてはステップ80の画像情報の解析結果に基づき後続車輌があるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ140へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ1000に於いてステップ80の画像情報の解析結果に基づき後続車輌の外形が特定されると共に、後続車輌の外形の大きさの変化速度に基づき後続車輌が自車に近付く相対速度を正として後続車輌の相対速度Vrer が演算される。
【0024】
ステップ110に於いては相対速度Vrer 及び自車の車速Vに基づき後突の虞れが高いか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ140へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ120に於いて後続車輌の外形に基づき後続車輌のフロントバンパの高さHbfo が推定され、ステップ130に於いて自車のリヤバンパの高さHbrs が後続車輌のフロントバンパの高さHbfo と実質的に同一の高さになるよう車高調整が行われる。
【0025】
ステップ140に於いては各輪に対応する部位の車高が標準車高であるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはそのままステップ10へ戻り、否定判別が行われたときにはステップ150に於いて各輪に対応する部位の車高が徐々に標準車高になるよう車高調整が行われ、しかる後ステップ10へ戻る。
【0026】
尚ステップ40及び100に於いて推定される相対速度Vref 、Vrer は厳密に求められる必要はなく、概略値であってよい。またステップ50に於ける前突の虞れの判別及びステップ110に於ける後突の虞れの判別に於いては、例えば自車の車速Vが高いほど低くなるよう基準値Vc (正の値)が演算され、相対速度Vref 、Vrer が基準値Vc 以上であるときにそれぞれ前突、後突の虞れが高いと判定されてよい。更にステップ130の車高調整に於いては、自車のリヤバンパの高さHbrs が後続車輌のフロントバンパの高さHbfo よりも僅かに高くなるよう車高調整が行われる。
【0027】
かくして図示の第一の実施形態によれば、それぞれステップ20及び80に於いて車輌の前方側及び後方側の画像情報の解析が行われ、ステップ30及び90に於いて先行車輌、後続車輌があるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ40及び100に於いて先行車輌、後続車輌の外形が特定されると共に、先行車輌、後続車輌の外形の大きさの変化速度に基づき自車に対する先行車輌、後続車輌の相対速度Vref 、Vrer が演算される。
【0028】
そしてステップ50及び110に於いて相対速度Vref 、Vrer 及び自車の車速Vに基づき前突、後突の虞れが高いか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ60及び120に於いて先行車輌、後続車輌の外形に基づき該車輌のリヤバンパの高さHbro 、フロントバンパの高さHbfo が推定され、ステップ70及び130に於いて自車のフロントバンパの高さHbfs 、リヤバンパの高さHbrs がそれぞれ先行車輌のリヤバンパの高さHbro 、後続車輌のフロントバンパの高さHbfo と実質的に同一の高さになるよう車高調整が行われる。
【0029】
従って例えば先行車輌の不測の急制動に起因して前突が生じる場合も、自車のフロントバンパの高さが先行車輌のリヤバンパの高さと実質的に同一の高さに事前に自動的に調整され、また例えば自車が不測の障害物の出現に対処して急制動し後突が生じる場合にも、リヤバンパの高さHbrs が後続車輌のフロントバンパの高さと実質的に同一の高さに事前に自動的に調整されるので、衝突のエネルギを効果的に吸収することができ、車高調整が行われない場合に比して車輌が衝突することによる影響を確実に低減することができる。
【0030】
特に図示の実施形態によれば、ステップ130の車高調整に於いては、自車のリヤバンパの高さHbrs が後続車輌のフロントバンパの高さHbfo よりも僅かに高くなるよう車高調整が行われるので、後突が生じた場合に後続車輌の前端部が自車の後端部上に乗り上げることを効果的に防止することができる。
【0031】
尚図示の実施形態に於いては、画像情報の解析結果に基づき他車の外形が特定され、他車の外形の大きさの変化速度に基づき他車の相対速度Vref 、Vrer が演算されるようになっているが、他車の相対速度Vref 、Vrer は例えば超音波ソナーの如き他の手段により検出され、他車のバンパの高さのみが画像情報の解析による他車の外形に基づき推定されてもよい。
【0032】
図3は本発明による車高調整装置を備えた車輌の第二の実施形態を示す概略構成図、図4は第二の実施形態に於ける車高調整の制御ルーチンを示すフローチャートである。尚図3に於いて、図1に示された部材と同一の部材には図1に於いて付された符号と同一の符号が付されている。またこのことは後述の他の実施形態についても同様である。
【0033】
この実施形態に於いては、ビデオカメラ20及び22は設けられていないが、車体18の前端及び後端にそれぞれ車々間無線通信装置30及び32が設けられている。車々間無線通信装置30及び32は自車より所定の距離の範囲内にある他車との間に於いて無線信号により情報の送受信を行う機能を有し、電子制御装置24により制御され、他車より無線信号を受信したときにはその無線信号に含まれる情報を示す信号を電子制御装置24へ出力する。
【0034】
特に無線通信装置30は自車のフロントバンパの高さHbfs 、車速V及び衝突の影響を低減するための車高調整機能を有することを示す所定の発信周波数の電波信号を車輌前方へ発信し、前方の車輌よりそのリヤバンパの高さHbro 、車速Vfo及び衝突の影響を低減するための車高調整機能を有するか否かを示す所定の受信周波数の電波信号を受信する。
【0035】
同様に無線通信装置32は自車のリヤバンパの高さHbrs 、車速V及び衝突の影響を低減するための車高調整機能を有することを示す所定の発信周波数の電波信号を車輌後方へ発信し、後方の車輌よりそのフロントバンパの高さHbfo 、車速Vro及び衝突の影響を低減するための車高調整機能を有するか否かを示す所定の受信周波数の電波信号を受信する。
【0036】
またこの実施形態の車高調整制御ルーチンのステップ210に於いては、先行車輌より電波信号を受信したか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ250へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ220に於いて下記の数1に従って自車が先行車輌に近付く相対速度を正として先行車輌の相対速度Vref が演算される。
【0037】
【数1】
Vref =V−Vfo
ステップ230に於いては相対速度Vref 及び自車の車速Vに基づき前突の虞れが高いか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ250へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ240に於いて自車のフロントバンパの高さHbfs が先行車輌のリヤバンパの高さHbro と実質的に同一の高さになるよう車高調整が行われる。
【0038】
ステップ250に於いては後続車輌より電波信号を受信したか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ300へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ260へ進む。ステップ260に於いては後続車輌が衝突の影響を低減するための車高調整機能を有するか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ300へ進み、否定判別が行われたときにはステップ270に於いて下記の数2に従って後続車輌が自車に近付く相対速度を正として後続車輌の相対速度Vrer が演算される。
【0039】
【数2】
Vrer =Vro−V
ステップ280に於いては相対速度Vrer 及び自車の車速Vに基づき後突の虞れが高いか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ300へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ290に於いて自車のリヤバンパの高さHbrs が後続車輌のフロントバンパの高さHbfo と実質的に同一の高さになるよう車高調整が行われる。尚ステップ300及び310は上述の第一の実施形態のステップ140及び150と同様に実行される。
【0040】
この実施形態のステップ230に於ける前突の虞れの判別及びステップ280に於ける後突の虞れの判別に於いても、自車の車速Vが高いほど低くなるよう基準値Vc (正の値)が演算され、相対速度Vref 、Vrer が基準値Vc 以上であるときにそれぞれ前突、後突の虞れが高いと判定されてよい。またこの実施形態のステップ290の車高調整に於いても、自車のリヤバンパの高さHbrs が後続車輌のフロントバンパの高さHbfo よりも僅かに高くなるよう車高調整が行われる。
【0041】
かくして図示の第二の実施形態によれば、それぞれステップ210及び250に於いて先行車輌、後続車輌より電波信号を受信したか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ220及び270に於いて先行車輌の相対速度Vref 、後続車輌の相対速度Vrer が演算される。そしてステップ230及び280に於いて相対速度及び自車の車速Vに基づき前突、後突の虞れが高いか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ240及び290に於いて自車のフロントバンパの高さHbfs 、リヤバンパの高さHbrs がそれぞれ先行車輌のリヤバンパの高さHbro 、後続車輌のフロントバンパの高さHbfo と実質的に同一の高さになるよう車高調整が行われる。
【0042】
従って第一の実施形態と同様、自車のバンパの高さを他車のバンパの高さと実質的に同一の高さに事前に自動的に調整して衝突のエネルギを効果的に吸収することができ、これにより車高調整が行われない場合に比して車輌が衝突することによる影響を確実に低減することができ、また後突が生じた場合に後続車輌の前端部が自車の後端部上に乗り上げることを効果的に防止することができ、更には第一の実施形態の場合に比して他車のバンパの高さを確実に且つ正確に推定し、自車のバンパの高さを一層適切に制御し、これにより第一の実施形態の場合よりも確実に衝突のエネルギを吸収することができる。
【0043】
特に図示の実施形態によれば、ステップ250の次に実行されるステップ260に於いて後続車輌が衝突の影響を低減するための車高調整機能を有するか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ270〜290が実行されることなくステップ300へ進むようになっているので、相対的に接近する二つの車輌の両者が無駄に車高調整することを防止することができる。
【0044】
尚上述の第二の実施形態に於いては、無線通信装置30及び32の無線信号は電波であるが、無線通信装置は超音波や光の如く当技術分野に於いて周知の任意の無線信号により通信するものであってよい。
【0045】
また上述の第二の実施形態に於いては、ステップ260に於いて後続車輌が衝突の影響を低減するための車高調整機能を有するか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ270〜290が実行されることなくステップ300へ進むようになっているが、ステップ260は省略されてもよく、またステップ260が省略され先行車輌についてステップ260と同様の判別がステップ210の次に実行されるよう修正されてもよい。
【0046】
以上に於いては本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
【0047】
例えば上述の各実施形態に於いて、衝突の影響を低減するための車高調整が行われるときには、後方確認用ミラーの後方視認性が変化しないよう車高調整に応じて後方確認ミラーの角度が自動的に調整されてもよい。
【0048】
更に上述の各実施形態に於いては、衝突の虞れがないときには車高が標準車高に調整されるようになっているが、その場合標準車高は車速が高いほど低くなるよう設定されることによって高車速域に於ける車輌の操縦安定性が向上されてもよく、また車輌の加減速時や旋回時に於ける車体の姿勢変化を低減するよう車輌の運転状況に応じた車高調整が行われるよう修正されてもよい。
【0049】
【発明の効果】
以上の説明より明らかである如く、本発明の請求項1の構成によれば、相対的に接近する他車の情報に基づき他車のバンパの高さが推定され、自車のバンパの高さが実質的に他車のバンパの高さになるよう車高調整されるので、衝突のエネルギを効果的に且つ確実に吸収して自車及び他車が受ける衝突の影響を確実に低減することができる。
【0050】
また請求項の構成によれば、相対的に接近する他車の画像情報が取得され、取得された他車の画像情報に基づき他車のバンパの高さが推定されるので、相対的に接近する他車のバンパの高さを推定することができる。
【0051】
また請求項の構成によれば、相対的に接近する他車の情報が車々間通信により取得され、取得された他車の情報に基づき他車のバンパの高さが推定されるので、請求項の構成の場合と同様、相対的に接近する他車のバンパの高さを推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による車高調整装置を備えた車輌の第一の実施形態を示す概略構成図である。
【図2】第一の実施形態に於ける車高調整の制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図3】本発明による車高調整装置を備えた車輌の第二の実施形態を示す概略構成図である。
【図4】第二の実施形態に於ける車高調整の制御ルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
14FL〜14RR…ショックアブソーバ
16…油圧制御回路
18…車高センサ
20、22…ビデオカメラ
24…電子制御装置
26…車速センサ
28FL〜28RR…車高センサ
30、32…車々間無線通信装置

Claims (3)

  1. 車高調整装置と、自車が他車に衝突する虞れを推定する推定手段と、衝突の虞れがあるときには前記車高調整装置を作動させて衝突の影響を低減する車高に車高調整する制御手段とを有する車輌であって、前記推定手段は相対的に接近する他車の情報に基づき他車のバンパの高さを推定し、前記制御手段は自車のバンパの高さが実質的に他車のバンパの高さになるよう前記車高調整装置を作動させることを特徴とする車輌。
  2. 前記推定手段は相対的に接近する他車の画像情報を取得する手段を含み、取得された他車の画像情報に基づき他車のバンパの高さを推定することを特徴とする請求項1に記載の車輌。
  3. 前記推定手段は相対的に接近する他車の情報を車々間通信により取得する手段を含み、取得された他車の情報に基づき他車のバンパの高さを推定することを特徴とする請求項1に記載の車輌。
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