JP2002012141A - 車輌の制御装置 - Google Patents

車輌の制御装置

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JP2002012141A
JP2002012141A JP2000195716A JP2000195716A JP2002012141A JP 2002012141 A JP2002012141 A JP 2002012141A JP 2000195716 A JP2000195716 A JP 2000195716A JP 2000195716 A JP2000195716 A JP 2000195716A JP 2002012141 A JP2002012141 A JP 2002012141A
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vehicle
roll
control
inertia moment
behavior
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JP2000195716A
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English (en)
Inventor
Masami Aga
正己 阿賀
Akira Nagae
明 永江
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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  • Regulating Braking Force (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車輌の総重量や重心高さの変動に拘わらず挙
動制御装置の如き車輌搭載装置を応答遅れなく制御し十
分な制御効果を得る。 【解決手段】 検出されたロールレートφdに基づき車
輌のロール角加速度φdd及びロール角φが演算され(S
30、40)、横加速度Gy、ロール角加速度φdd、ロ
ールレートφd、ロール角φに基づき車輌のロール方向
の運動方程式に従って車輌のロール慣性モーメントIが
演算される(S50〜70)。そして車輌の挙動を安定
化させるに必要な挙動制御用制動力の出力目標値Fatが
演算され(S220)、ロール慣性モーメントIが大き
いほど大きくなるよう出力目標値Fatが補正され(S2
10、230)、補正後の出力目標値Fatに基づき挙動
制御が実行される(S240)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車輌の制御装置に
係り、更に詳細には車輌の走行状態が所定の状態になっ
た場合にサスペンションの如き車輌搭載装置を制御する
車輌の制御装置に係る。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車輌に於いて、車輌のロール
挙動に応じて車輌搭載装置を制御する制御装置は従来よ
り知られており、例えば特開平7−251621号公報
には、メインタンクとサブタンクとの連通を制御するこ
とによりサスペンションのばね定数を制御するエアサス
ペンション制御装置であって、急激なロールが発生する
虞れがあるときには操舵角速度又は車輌のロール角に基
づき上記連通を制御し、急激なロールが発生する虞れが
ないときには操舵角又は車輪ストロークに基づき上記連
通を制御するよう構成されたエアサスペンション制御装
置が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記公開公報に記載さ
れたエアサスペンション制御装置の如く、車輌のロール
挙動に応じて車輌搭載装置を制御する制御装置に於いて
は、従来より一般に、急激なロールや過大なロールが発
生する虞れは車速や操舵角等に基づき判定され、また車
輌のロール挙動は車輌のロール角やロールレートにより
判定されるようになっている。
【0004】しかし車輌のロール方向の運動特性は乗員
の乗り降り、荷物の積載及びそれらの位置による車輌の
総重量の変動や重心高さの変動によって変化するため、
車輌の積載荷重や重心高さの状況によっては車輌のロー
ル挙動のみに応じて車輌搭載装置が制御される従来の車
輌制御装置に於いては、車輌の積載荷重や重心高さの状
況によって車輌搭載装置の制御に遅れが生じたり十分な
制御効果を得ることができない場合がある。
【0005】本発明は、車輌のロール挙動に応じて車輌
搭載装置を制御するよう構成された従来の車輌の制御装
置に於ける上述の如き問題に鑑みてなされたものであ
り、本発明の主要な課題は、車輌の総重量や重心高さの
変動によって車輌のロール方向の運動特性が変化するの
は車輌のロール慣性モーメントが変化することによるも
のであり、またロール慣性モーメントが変化する状況に
於いては車輌の前後方向及び横方向等の運動性能も変化
することに着目し、車輌のロール慣性モーメントの変化
に応じて車輌搭載装置に対する制御の内容を変更するこ
とにより、車輌の総重量や重心高さの変動に拘わらず車
輌搭載装置を応答性よく制御し十分な制御効果を得るこ
とである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の主要な課題は、本
発明によれば、請求項1の構成、即ち車輌の走行状態が
所定の状態になった場合に車輌搭載装置を制御する車輌
の制御装置にして、車輌のロール慣性モーメントを推定
するロール慣性モーメント推定手段と、推定されるロー
ル慣性モーメントに応じて前記車輌搭載装置に対する制
御の内容を変更する制御内容変更手段とを有する車輌の
制御装置によって達成される。
【0007】上記請求項1の構成によれば、車輌のロー
ル慣性モーメントが推定され、推定されるロール慣性モ
ーメントに応じて車輌搭載装置に対する制御の内容が変
更されるので、車輌の総重量や重心高さの変動によって
車輌のロール方向等の運動特性が変化しても、その運動
特性の変化に応じて車輌搭載装置に対する制御の内容が
自動的に変更される。
【0008】また本発明によれば、上述の主要な課題を
効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、前
記ロール慣性モーメント推定手段は車輌のロール運動の
要因に関連する状態量及び車輌のロール運動を示す情報
に基づき車輌のロール慣性モーメントを推定するよう構
成される(請求項2の構成)。
【0009】請求項2の構成によれば、車輌のロール運
動の要因に関連する状態量及び車輌のロール運動を示す
情報に基づき車輌のロール慣性モーメントが推定される
ので、車輌のロール運動の要因に関連する状態量及び車
輌のロール運動を示す情報を検出することにより、車輌
のロール慣性モーメントを推定することが可能になる。
【0010】また本発明によれば、上述の主要な課題を
効果的に達成すべく、上記請求項1又は2の構成に於い
て、前記車輌搭載装置は車輪の制駆動力を制御すること
により車輌の挙動を制御する挙動制御装置であり、前記
制御内容変更手段は推定されるロール慣性モーメントに
応じて挙動制御の制御量、制御開始時期、制御継続時間
の少なくとも一つを変更するよう構成される(請求項3
の構成)。
【0011】請求項3の構成によれば、車輌搭載装置は
車輪の制駆動力を制御することにより車輌の挙動を制御
する挙動制御装置であり、推定されるロール慣性モーメ
ントに応じて挙動制御の制御量、制御開始時期、制御継
続時間の少なくとも一つが変更されるので、車輌の総重
量や重心高さの変動によって車輌の挙動変化に関連する
運動特性が変化しても、その運動特性の変化に応じて挙
動制御の制御量、制御開始時期、制御継続時間の少なく
とも一つが自動的に適正に変更される。
【0012】また本発明によれば、上述の主要な課題を
効果的に達成すべく、上記請求項1又は2の構成に於い
て、前記車輌搭載装置はサスペンション特性を制御する
サスペンション制御装置であり、前記制御内容変更手段
は推定されるロール慣性モーメントに応じてサスペンシ
ョン制御の制御量、制御開始時期、制御継続時間の少な
くとも一つを変更するよう構成される(請求項4の構
成)。
【0013】請求項4の構成によれば、車輌搭載装置は
サスペンション特性を制御するサスペンション制御装置
であり、推定されるロール慣性モーメントに応じてサス
ペンション制御の制御量、制御開始時期、制御継続時間
の少なくとも一つが変更されるので、車輌の総重量や重
心高さの変動によって車輌のロール方向等の運動特性が
変化しても、その運動特性の変化に応じてサスペンショ
ン制御の制御量、制御開始時期、制御継続時間の少なく
とも一つが自動的に適正に変更される。
【0014】また本発明によれば、上述の主要な課題を
効果的に達成すべく、上記請求項1又は2の構成に於い
て、前記車輌搭載装置はステアリング特性を制御するス
テアリング制御装置であり、前記制御内容変更手段は推
定されるロール慣性モーメントに応じてステアリング制
御の制御量を変更するよう構成される(請求項5の構
成)。
【0015】請求項5の構成によれば、車輌搭載装置は
ステアリング特性を制御するステアリング制御装置であ
り、推定されるロール慣性モーメントに応じてステアリ
ング制御の制御量が変更されるので、車輌の総重量や重
心高さの変動によって車輌のロール方向等の運動特性が
変化しステアリング特性が変化しても、その運動特性及
びステアリング特性の変化に応じてステアリング制御の
制御量が自動的に適正に変更される。
【0016】
【課題解決手段の好ましい態様】本発明の一つの好まし
い態様によれば、上記請求項2の構成に於いて、車輌の
ロール運動の要因に関連する状態量は車輌の横加速度で
あり、車輌のロール運動を示す情報は車輌のロールレー
トであるよう構成される(好ましい態様1)。
【0017】一般に、車輌のロール慣性モーメントをI
とし、車輌のロール角加速度、ロールレート、ロール角
をそれぞれφdd、φd、φとし、車輌のロール運動の減
衰係数及びばね定数をそれぞれC及びKとし、車輌のロ
ールセンターと車輌の重心との距離をHとし、車輌の質
量をMとし、車輌の横加速度Gyとすると、車輌のロー
ル方向の運動方程式として下記の式1が成立し、従って
車輌の横加速度Gy、車輌のロール角加速度φdd、ロー
ルレートφd、ロール角φが判れば下記の式2により車
輌のロール慣性モーメントIを求めることができる。 Iφdd+Cφd+Kφ=HMGy ……(1) I=(HMGy−Cφd−Kφ)/φdd ……(2)
【0018】また例えば車輌のロールレートφdを検出
し、ロールレートφdの微分値としてロール角加速度φd
dを演算すると共に、ロールレートφdの積分値としてロ
ール角φを演算することができる。従って車輌の横加速
度Gy及び車輌のロールレートφdを検出すると共に、ロ
ール角加速度φdd及びロール角φを演算し、これらを上
記式2に代入することにより、車輌のロール運動の要因
に関連する状態量としての横加速度Gy及び車輌のロー
ル運動を示す情報としてのロールレートφdに基づき車
輌のロール慣性モーメントIを演算することができる。
【0019】本発明の一つの好ましい態様によれば、上
記請求項2又は上記好ましい態様1の構成に於いて、車
輌の横加速度Gy及び車輌のロールレートφdが検出さ
れ、ロールレートφdに基づきロール角加速度φddが演
算されると共に、ロールレートφdの積分値としてロー
ル角φが演算され、横加速度Gy、ロール角加速度φd
d、ロールレートφd、ロール角φに基づき上記式2に従
って車輌のロール慣性モーメントIが演算されるよう構
成される(好ましい態様2)。
【0020】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記好ましい態様2の構成に於いて、横加速度Gy
の大きさが基準値以上であるときに、横加速度Gy、ロ
ール角加速度φdd、ロールレートφd、ロール角φに基
づき上記式2に従って車輌のロール慣性モーメントIが
演算されるよう構成される(好ましい態様3)。
【0021】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記好ましい態様2又は3の構成に於いて、車速V
が検出され、車速Vが基準値以上であるときに、横加速
度Gy、ロール角加速度φdd、ロールレートφd、ロール
角φに基づき上記式2に従って車輌のロール慣性モーメ
ントIが演算されるよう構成される(好ましい態様
4)。
【0022】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記好ましい態様1の構成に於いて、車輌のロール
レートφdに対する横加速度Gyの伝達率φd/Gyが周波
数解析され、周波数解析結果のピーク値に対応する周波
数に基づき車輌のロール慣性モーメントIが演算される
よう構成される(好ましい態様5)。
【0023】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記請求項2の構成に於いて、ロール慣性モーメン
ト推定手段は車輌のロール運動の要因に関連する状態量
及び車輌のロール運動を示す情報に基づき車輌のロール
慣性モーメントを演算し、最新のN個のロール慣性モー
メントの平均値としてロール慣性モーメントを推定する
よう構成される(好ましい態様6)。
【0024】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記請求項3の構成に於いて、制御内容変更手段は
推定されるロール慣性モーメントが大きいほど挙動制御
の制御量を増大させる、制御開始時期を早くする、制御
継続時間を長くするの少なくとも一つを行うよう構成さ
れる(好ましい態様7)。
【0025】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記請求項4の構成に於いて、制御内容変更手段は
推定されるロール慣性モーメントが大きいほどサスペン
ション制御の制御量を増大させる、制御開始時期を早く
する、制御継続時間を長くするの少なくとも一つを行う
よう構成される(好ましい態様8)。
【0026】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記請求項5の構成に於いて、車輌搭載装置はパワ
ーアシスト制御量を制御するパワーステアリング制御装
置であり、制御内容変更手段は推定されるロール慣性モ
ーメントが大きいほどパワーアシスト制御量を増大させ
るよう構成される(好ましい態様9)。
【0027】
【発明の実施の形態】以下に添付の図を参照しつつ、本
発明を好ましい実施形態について詳細に説明する。
【0028】第一の実施形態 図1は車輪の制動力を制御することにより車輌の挙動を
安定化させる挙動制御装置として構成された本発明によ
る車輌の制御装置の第一の実施形態を示す概略構成図、
図2は第一の実施形態に於けるロール慣性モーメントI
の演算及び挙動制御ルーチンを示すフローチャートであ
る。
【0029】図1に於て、30FL及び30FRはそれぞれ
車輌32の左右の前輪を示し、30RL及び30RRはそれ
ぞれ車輌の駆動輪である左右の後輪を示している。従動
輪であり操舵輪でもある左右の前輪30FL及び30FRは
運転者によるステアリングホイール34の転舵に応答し
て駆動されるラック・アンド・ピニオン式のパワーステ
アリング装置36によりタイロッド38L及び38Rを介
して操舵される。
【0030】各車輪の制動力は制動装置40の油圧回路
42によりホイールシリンダ44FR、44FL、44RR、
44RLの制動圧が制御されることによって制御されるよ
うになっている。図には示されていないが、油圧回路4
2はオイルリザーバ、オイルポンプ、ホイールシリンダ
内の圧力を増減するための増減圧制御弁の如き種々の弁
装置等を含み、各ホイールシリンダの制動圧は通常時に
は運転者によるブレーキペダル46の踏み込み操作に応
じて駆動されるマスタシリンダ48により制御され、ま
た必要に応じて後に詳細に説明する如く電子制御装置5
0により増減圧制御弁がデューティ比制御されることに
よって制御される。
【0031】車輪30FR〜30RLにはそれぞれ対応する
車輪の車輪速度Vwi(i=fr、fl、rr、rl)を検出する
車輪速度センサ52FR〜52RLが設けられ、ステアリン
グホイール34が連結されたステアリングコラムには操
舵角θを検出する操舵角センサ54が設けられている。
【0032】また車輌32にはそれぞれ車輌のヨーレー
トγを検出するヨーレートセンサ56、前後加速度Gx
を検出する前後加速度センサ58、ロールレートφdを
検出するロールレートセンサ59、横加速度Gyを検出
する横加速度センサ60が設けられている。尚操舵角セ
ンサ54、ヨーレートセンサ56及び横加速度センサ6
0は車輌の左旋回方向を正としてそれぞれ操舵角、ヨー
レート及び横加速度を検出する。
【0033】図示の如く、車輪速度センサ52FR〜52
RLにより検出された車輪速度Vwiを示す信号、操舵角セ
ンサ54により検出された操舵角θを示す信号、ヨーレ
ートセンサ56により検出されたヨーレートγを示す信
号、前後加速度センサ58により検出された前後加速度
Gxを示す信号、横加速度センサ60により検出された
横加速度Gyを示す信号は電子制御装置50に入力され
る。
【0034】図1には詳細に示されていないが、電子制
御装置50は例えばCPUとROMとRAMと入出力ポ
ート装置とを有し、これらが双方向性のコモンバスによ
り互いに接続された一般的な構成のマイクロコンピュー
タを含み、後述の如く図2に示されたフローチャートに
従い、車輌の挙動を判定し、車輌の挙動が好ましからざ
る挙動であるときには、その挙動状態に応じて好ましか
らざる挙動を抑制するために制動力の付与が必要な車輪
(本願に於いては制御輪という)について挙動制御用制
動力の出力目標値Fatを車輪毎に演算する。
【0035】この場合挙動制御用制動力の出力目標値F
atは当技術分野に於いて公知の任意の要領にて演算され
てよい。例えば車輌の走行状態に基づき車輌のスピンの
程度を示すスピン状態量SS及び車輌のドリフトアウト
の程度を示すドリフトアウト状態量DSが演算され、ス
ピン状態量SS及びドリフトアウト状態量DSに基づき
旋回挙動制御用の目標制動力Fsatが演算され、また車
体のロールの程度及び方向を示すロール評価値RVが演
算され、ロール評価値RVの絶対値に基づきロール抑制
制御用の目標制動力Fratが演算され、目標制動力Fsat
及びFratの大きい方の値が挙動制御用制動力の出力目
標値Fatに設定される。
【0036】尚車輌の挙動がスピンであるときには制御
輪は旋回外側前輪であり、車輌が減速されると共に車輌
にスピン抑制方向のヨーモーメントが付与されることに
よりスピンが抑制され、車輌の挙動がドリフトアウトで
あるときには制御輪は左右の後輪又は左右の後輪及び旋
回外側前輪であり、車輌が減速されると共に車輌に旋回
補助方向のヨーモーメントが付与されることによりドリ
フトアウトが抑制され、車輌の挙動が過剰ロールである
ときには制御輪は旋回外側前輪及び左右の後輪であり、
車輌が減速されると共に車輌の旋回半径が増大されるこ
とによって車輌に作用する遠心力が低減されることによ
り車体のロールが抑制される。
【0037】また電子制御装置50は、制御用制動力の
出力目標値Fatに基づき制動力が付与されるべき車輪の
目標スリップ率Rstを演算し、目標スリップ率Rstに基
づき各車輪の増減圧制御弁を制御することにより各車輪
のスリップ率が目標スリップ率になるよう制動力を制御
し、これにより車輌の挙動を安定化させる挙動制御を行
う。
【0038】更に電子制御装置50は、車輌のロールレ
ートφdの微分値として車輌のロール角加速度φddを演
算し、横加速度Gy、ロール角加速度φdd、ロールレー
トφd、ロール角φを上記式2に代入することにより、
車輌のロール慣性モーメントIを演算し、最新のN個の
ロール慣性モーメントの平均値をロール慣性モーメント
Iに設定し、ロール慣性モーメントIが大きいほど大き
くなるよう挙動制御用制動力の出力目標値Fatを増大補
正する。
【0039】次に図2に示されたフローチャートを参照
して図示の第一の実施形態に於けるロール慣性モーメン
トIの演算及び挙動制御ルーチンについて説明する。尚
図2に示されたフローチャートによる制御は図には示さ
れていないイグニッションスイッチの閉成により開始さ
れ、所定の時間毎に繰返し実行される。
【0040】まずステップ10に於いては横加速度セン
サ14により検出された横加速度Gyを示す信号等の読
み込みが行われ、ステップ20に於いては車輌の横加速
度Gyの絶対値が基準値Gyo(正の定数)以上であるか
否かの判別が行われ、否定判別が行われたときはステッ
プ70へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ3
0へ進む。
【0041】ステップ30に於いてはロールレートセン
サ59により検出されたロールレートφdの微分値とし
て車輌のロール角加速度φddが演算され、ステップ40
に於いてはロールレートφdの積分値として車輌のロー
ル角φが演算される。
【0042】ステップ50に於いては横加速度Gy、ロ
ール角加速度φdd、ロールレートφd、ロール角φが上
記式2に代入されることにより車輌のロール慣性モーメ
ントIが演算される。尚車輌の横加速度Gyの絶対値が
Gyo以上である場合にのみステップ50が実行されるの
で、ロール角加速度φddが0であることは基本的にない
が、ロール角加速度φddが0であるときにはロール慣性
モーメントIは演算されず、そのままステップ70へ進
む。
【0043】ステップ60に於いてはイグニッションス
イッチが閉成されてから現在までに車輌のロール慣性モ
ーメントIがN個以上演算されたか否かの判別が行わ
れ、否定判別が行われたときはステップ70に於いてロ
ール慣性モーメントIが予め設定された標準値Io(定
数)に設定され、肯定判別が行われたときにはステップ
80に於いて最新のN個以外のロール慣性モーメントの
データが削除され、最新のN個のロール慣性モーメント
Iの平均値が演算されると共に、該平均値がロール慣性
モーメントIに設定される。
【0044】ステップ210に於いてはロール慣性モー
メントIが大きいほど補正係数K1が大きくなるよう、
ロール慣性モーメントIに基づき図3に示されたグラフ
に対応するマップより補正係数K1が演算される。
【0045】ステップ220に於いてはスピン状態量S
S等が演算され、スピン状態量SS等に基づき車輌の挙
動が判定され、車輌の挙動が好ましからざる挙動である
ときには、上述の如くスピン状態量SS等に応じて各制
御輪について挙動制御用制動力の出力目標値Fatが演算
される。
【0046】ステップ230に於いては挙動制御用制動
力の出力目標値Fatがステップ210に於いて演算され
た補正係数K1とステップ220に於いて演算された出
力目標値Fatとの積に補正され、ステップ240に於い
ては補正後の出力目標値Fatに基づき制御輪の目標スリ
ップ率Rstが演算され、制御輪のスリップ率が目標スリ
ップ率Rstになるよう油圧回路42が制御され、これに
より出力目標値Fatに対応する制動力が制御輪に付与さ
れることにより車輌の挙動が制御される。
【0047】かくして第一の実施形態によれば、ステッ
プ30〜50に於いて検出された横加速度Gy、ロール
角加速度φdd、ロールレートφd、ロール角φに基づき
車輌のロール慣性モーメントIが演算され、ステップ6
0及び70に於いて最新のN個のロール慣性モーメント
の平均値としてロール慣性モーメントIが演算される。
そしてステップ220に於いて挙動制御用制動力の出力
目標値Fatが演算され、ステップ210及び230に於
いてロール慣性モーメントIが大きいほど大きくなるよ
う出力目標値Fatが補正され、ステップ240に於いて
補正後の出力目標値Fatに基づき挙動制御が実行され
る。
【0048】従って第一の実施形態によれば、ロール慣
性モーメントIが大きく車輌の挙動の悪化が急激に生じ
易いほど大きい制御量にてスピン抑制の如き挙動制御が
実行されるので、乗員の乗り降り、荷物の積載及びそれ
らの位置による車輌の総重量の変動や重心高さの変動に
拘わらず、車輌の挙動を確実に且つ適切に安定化させる
ことができる。
【0049】特に図示の実施形態によれば、ステップ2
0に於いて車輌の横加速度Gyの絶対値がGyo以上であ
るか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにの
みステップ30以降が実行されるので、ステップ20の
判別が行われない場合に比して車輌のロール慣性モーメ
ントIを高精度に演算することができる。尚このことは
後述の他の実施形態についても同様である。
【0050】また図示の実施形態によれば、車輌のロー
ル慣性モーメントIはステップ60及び70に於いて最
新のN個のロール慣性モーメントの平均値として演算さ
れるので、かかる平均演算が行われない場合に比して、
ロール慣性モーメントが瞬間的に特異な値になる虞れを
低減することができる。尚このことも後述の他の実施形
態についても同様である。
【0051】尚上述の第一実施形態に於いては、ロール
慣性モーメントIが大きいほど大きい制御量にて挙動制
御が実行されるようになっているが、例えばスピン状態
量SS等に基づく車輌挙動の判定閾値がロール慣性モー
メントIが大きいほど小さくなるよう設定されることに
より、ロール慣性モーメントIが大きいほど挙動制御の
開始時期が早くなるよう制御されてもよく、またスピン
状態量SS等に基づく挙動制御終了の判定閾値がロール
慣性モーメントIが大きいほど小さくなるよう設定され
ることにより、ロール慣性モーメントIが大きいほど挙
動制御の終了時期が遅くなり挙動制御の継続時間が長く
なるよう制御されてもよい。
【0052】またロール慣性モーメントIが大きいほど
大きくなるようスピン状態量SS等がロール慣性モーメ
ントIに応じて補正されることにより、ロール慣性モー
メントIが大きいほど挙動制御の開始時期が早められ、
ロール慣性モーメントIが大きいほど大きい制御量にて
挙動制御が実行され、ロール慣性モーメントIが大きい
ほど挙動制御の継続時間が長くなるよう制御されてもよ
い。
【0053】第二の実施形態 図4はショックアブソーバの減衰係数及びエアスプリン
グのばね定数を制御することにより車輌の乗り心地性を
確保しつつ車輌の操縦安定性を向上させるサスペンショ
ン制御装置として構成された本発明による車輌の制御装
置の第二の実施形態を示す概略構成図、図5は第二の実
施形態に於けるロール慣性モーメントIの演算及びサス
ペンション制御ルーチンを示すフローチャートである。
【0054】図4に於て、左右の前輪30FL及び30FR
にはそれぞれ減衰力可変式のショックアブソーバ62FL
及び62FRが設けられており、またばね定数可変式のエ
アスプリング64FL及び64FRが設けられている。同様
に左右の後輪30RL及び30RRにはそれぞれ減衰力可変
式のショックアブソーバ62RL及び62RRが設けられて
おり、またばね定数可変式のエアスプリング64RL及び
64RRが設けられている。
【0055】減衰力可変式のショックアブソーバ62FL
〜62RRの減衰係数は、車輌の前後加速度Gx又は横加
速度Gyの大きさがそれぞれ閾値Gxc1〜Gxcn、Gyc1〜
Gycn(nは正の一定の整数)以上であるか否かに応じ
て適正値が判定されることにより、車輌の前後加速度G
x又は横加速度Gyの大きさが大きいほど高くなるよう電
子制御装置66により多段階に制御される。またエアス
プリング64FL〜64RRのばね定数は車輌の前後加速度
Gx又は横加速度Gyの大きさがそれぞれ閾値Gxs、Gys
以上であるときには高ばね定数になるよう電子制御装置
66により高低の二段階に制御される。
【0056】またこの実施形態の電子制御装置66は、
第一の実施形態の場合と同様、横加速度Gy、ロール角
加速度φdd、ロールレートφd、ロール角φに基づき車
輌のロール慣性モーメントIを演算し、最新のN個のロ
ール慣性モーメントの平均値をロール慣性モーメントI
に設定する。そしてロール慣性モーメントIが大きいほ
ど減衰力制御の閾値Gxc1〜Gxcn、Gyc1〜Gycnが小さ
くなるようこれらの閾値を増減させ、またロール慣性モ
ーメントIが大きいほどばね定数制御の閾値Gxs、Gys
が小さくなるようこれらの閾値を増減させる。
【0057】図5に示されている如く、この第二の実施
形態の制御ルーチンのステップ10〜80はそれぞれ第
一の実施形態に於けるステップ10〜80と同様に実行
され、ステップ310に於いてはロール慣性モーメント
Iに基づき上述の如く減衰係数制御用の閾値Gxc1〜Gx
cn、Gyc1〜Gycnが設定されると共に、ばね定数制御用
の閾値Gxs、Gysが設定される。
【0058】ステップ320に於いては上述の如く前後
加速度Gxが閾値Gxc1〜Gxcnと比較されると共に横加
速度Gyが閾値Gyc1〜Gycnと比較されることにより、
それぞれにより求められる減衰係数の高い方の値が目標
減衰係数に設定され、ステップ330に於いては各ショ
ックアブソーバ62FL〜62RRの減衰係数が目標減衰係
数になるよう制御され、これにより各輪の減衰力が制御
される。
【0059】ステップ340に於いては上述の如く前後
加速度Gxが閾値Gxsと比較されると共に横加速度Gyが
閾値Gysと比較されることにより、それぞれにより求め
られるばね定数の高い方の値が目標ばね定数に設定さ
れ、ステップ350に於いては各エアスプリング64FL
〜64RRのばね定数が目標ばね定数になるよう制御さ
れ、これにより各輪のエアスプリングのばね力が制御さ
れる。
【0060】かくして第二の実施形態によれば、第一の
実施形態の場合と同様、ステップ30〜50に於いて検
出された横加速度Gy、ロール角加速度φdd、ロールレ
ートφd、ロール角φに基づき車輌のロール慣性モーメ
ントIが演算され、ステップ60及び70に於いて最新
のN個のロール慣性モーメントの平均値としてロール慣
性モーメントIが演算される。そしてステップ310及
び320に於いてロール慣性モーメントIが大きいほど
各ショックアブソーバの目標減衰係数が大きくなるよう
制御され、またステップ210、340、350に於い
てロール慣性モーメントIが大きいときにはそれが小さ
いときに比してエアスプリングのばね定数が高くなるよ
う制御される。
【0061】従って第二の実施形態によれば、ロール慣
性モーメントIが大きく車輌のローリングやピッチング
が急激に生じ易いほど早く減衰力及びばね定数が高くさ
れると共に、減衰力及びばね定数が高い状態が長く継続
され、またロール慣性モーメントIが大きほど減衰力が
高くなるよう制御されるので、乗員の乗り降り、荷物の
積載及びそれらの位置による車輌の総重量の変動や重心
高さの変動に拘わらず、車体の前後方向及び横方向の姿
勢変化を確実に且つ適切に抑制することができると共
に、減衰力及びばね定数が不必要に高く制御されること
を防止して車輌の良好な乗り心地性を確保することがで
きる。
【0062】尚上述の第二の実施形態に於いては、ロー
ル慣性モーメントIが大きいほど減衰係数制御用の閾値
Gxc1〜Gxcn、Gyc1〜Gycnが小さく設定されると共
に、ばね定数制御用の閾値Gxs、Gysが小さく設定され
るようになっているが、例えば減衰係数制御用の閾値及
びばね定数制御用の閾値の一方のみがロール慣性モーメ
ントIに応じて可変設定されるよう修正されてもよく、
また目標減衰係数若しくは目標ばね定数を判定する際の
前後加速度Gxや横加速度Gyの大きさがロール慣性モー
メントIが大きいほど大きくなるよう補正されてもよ
い。
【0063】第三の実施形態 図6はパワーアシスト力を制御するパワーステアリング
制御装置として構成された本発明による車輌の制御装置
の第三の実施形態を示す概略構成図、図7は第三の実施
形態に於けるロール慣性モーメントIの演算及びパワー
アシスト力制御ルーチンを示すフローチャートである。
【0064】図6に於て、ステアリングホイール34と
パワーステアリング装置36とを駆動接続するステアリ
ングシャフト70にはアシストトルク発生装置72が設
けられており、アシストトルク発生装置72が発生する
アシストトルクTaはステアリングシャフト70に設け
られたトルクセンサ74により検出される操舵トルクT
s及び車速センサ76により検出された車速Vに応じて
電子制御装置78により制御されるようになっている。
【0065】またこの実施形態の電子制御装置78は、
第一の実施形態の場合と同様、横加速度Gy、ロール角
加速度φdd、ロールレートφd、ロール角φに基づき車
輌のロール慣性モーメントIを演算し、最新のN個のロ
ール慣性モーメントの平均値をロール慣性モーメントI
に設定する。そしてロール慣性モーメントIが大きいほ
どアシストトルクTaが大きくなるようロール慣性モー
メントIに応じてアシストトルクTaを増減させる。
【0066】図7に示されている如く、この第三の実施
形態の制御ルーチンのステップ10〜80はそれぞれ第
一の実施形態に於けるステップ10〜80と同様に実行
され、ステップ410に於いては第二の実施形態の補正
係数K1と同様、ロール慣性モーメントIが大きいほど
補正係数K2が大きくなるよう、ロール慣性モーメント
Iに基づき図3に示されたグラフと同様のマップより補
正係数K2が演算される。
【0067】ステップ420に於いては操舵トルクTs
が高いほどアシストトルクTaが高くなり且つ車速Vが
高いほどアシストトルクTaが低くなるよう、操舵トル
クTs及び車速Vに基づき図には示されていないマップ
よりアシストトルクTaが演算される。尚アシストトル
クTaは操舵角θやその変化率の絶対値が大きいほど大
きくなるよう、操舵角θやその変化率にも応じて可変設
定されてもよい。
【0068】ステップ430に於いてはアシストトルク
Taがステップ410に於いて演算された補正係数K2と
ステップ420に於いて演算されたアシストトルクTa
との積に補正され、ステップ440に於いては補正後の
アシストトルクTaに基づきアシスト力発生装置72が
制御され、これにより補正後のアシストトルクTaに対
応するアシスト力がパワーステアリング装置36に付与
されることにより運転者に必要とされる操舵トルクが軽
減される。
【0069】かくして第三の実施形態によれば、第一の
実施形態の場合と同様、ステップ30〜50に於いて検
出された横加速度Gy、ロール角加速度φdd、ロールレ
ートφd、ロール角φに基づき車輌のロール慣性モーメ
ントIが演算され、ステップ60及び70に於いて最新
のN個のロール慣性モーメントの平均値としてロール慣
性モーメントIが演算される。そしてステップ420に
於いて操舵トルクTs及び車速Vに基づきアシストトル
クTaが演算され、ステップ410及び430に於いて
ロール慣性モーメントIが大きいほど大きくなるようア
シストトルクTaが補正され、ステップ440に於いて
補正後のアシストトルクTaに基づきアシスト力発生装
置72の制御が実行される。
【0070】従って第三の実施形態によれば、ロール慣
性モーメントIが大きく車輌の旋回や加減速に伴う荷重
移動により必要な操舵力が大きくなり易いほど大きいア
シスト力にて操舵アシスト制御が実行されるので、乗員
の乗り降り、荷物の積載及びそれらの位置による車輌の
総重量の変動や重心高さの変動に拘わらず、運転者は一
定の操舵感覚にて操舵操作を行うことができる。
【0071】尚上述の第三の実施形態に於いては、車輌
の制御装置はロール慣性モーメントIが大きいほど大き
いアシスト力にて操舵アシスト制御を実行するパワース
テアリング制御装置であるが、例えば後輪が前輪に対し
低速域に於いては逆相操舵され、高速域に於いては同相
操舵される四輪操舵装置に於いて、ロール慣性モーメン
トIが大きいほど低速域に於ける逆相度合若しくは高速
域に於ける同相度合が増大されてもよい。
【0072】以上に於いては本発明を特定の実施形態に
ついて詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限
定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の
実施形態が可能であることは当業者にとって明らかであ
ろう。
【0073】例えば上述の各実施形態に於いては、ステ
ップ20に於いて車輌の横加速度Gyの絶対値が基準値
Gyo以上である旨の判別が行われた場合にのみステップ
30以降が実行されるようになっているが、ステップ2
0の判別は省略されてもよい。
【0074】また一般に、車速が高いときには走行路面
は良路であり、従って車輌のロール運動に対する路面の
凹凸の影響は小さいので、ステップ20に於いて肯定判
別が行われると共に、車速Vが基準値Vc(正の定数)
以上であると判定された場合にステップ30以降が実行
されるよう修正されてもよく、その場合には図示の各実
施形態の場合よりも更に一層高精度に車輌のロール慣性
モーメントIを演算することができる。
【0075】また上述の各実施形態に於いては、ロール
慣性モーメントIはロール方向の運動方程式に基づく上
記式2に従って演算されるようになっているが、例えば
図8に示されている如く、車輌の横加速度Gy及びロー
ル角φの検出値に基づく伝達率φ/GyがFFT(周波
数解析)処理されることによって求められる伝達率φ/
Gyの共振周波数fo、即ち伝達率のピーク値に対応する
周波数は車輌のロール慣性モーメントIの関数であるの
で、共振周波数foに基づきロール慣性モーメントIが
演算されてもよい。
【0076】また上述の各実施形態に於いては、ステッ
プ60及び80に於いて最新のN個のロール慣性モーメ
ントIの平均値がロール慣性モーメントIに設定される
ようになっているが、この平均演算は省略されてもよ
く、また例えばローパスフィルタ処理によりロール慣性
モーメントIの変化が低減されてもよい。
【0077】また上述の各実施形態に於いては、車輌の
ロール角φは検出されたロールレートφdに基づきその
積分値として演算されるようになっているが、車輌のロ
ール角φは例えば各車輪位置の車高に基づき当技術分野
に於いて公知の要領にて演算されてもよい。
【0078】また上述の各実施形態に於いては、車輌の
横加速度Gyは横加速度センサ16又は60により検出
される値であるが、これらの実施形態に於いて使用され
る車輌の横加速度は車速V及び操舵角θに基づき推定に
より演算される横加速度であってもよい。
【0079】また上述の各実施形態に於いては、車輌の
ロール角加速度φddはロールレートセンサ18により検
出されたロールレートφdの微分値として演算されるよ
うになっているが、例えば車輌の重心位置とそれより上
方に隔置された位置に横加速度センサを配置し、それら
二つの横加速度センサにより検出された二つの横加速度
の差分に基づきロール角加速度φddが演算されてもよ
い。
【0080】更に上述の実施形態に於いては、車輌の制
御装置は挙動制御装置、サスペンション制御装置、又は
パワーステアリング制御装置であるが、本発明の制御装
置はロール慣性モーメントIに応じて制御内容が変更さ
れるものである限り車輌の任意の制御を行うものであっ
てよく、例えば制御が車輌モデルを利用した制御である
場合には、その車輌モデルのロール慣性モーメントI自
体が変更されることにより、ロール慣性モーメントIに
応じて制御内容が変更されるよう構成されてよい。
【0081】
【発明の効果】以上の説明より明らかである如く、本発
明の請求項1の構成によれば、車輌の総重量や重心高さ
の変動によって車輌のロール方向等の運動特性が変化し
ても、その運動特性の変化に応じて車輌搭載装置に対す
る制御の内容を自動的に変更することができ、これによ
り車輌の総重量や重心高さの変動に拘わらず車輌搭載装
置を応答性よく適正に制御し、車輌搭載装置による十分
な制御効果を得ることができる。
【0082】また請求項2の構成によれば、車輌のロー
ル運動の要因に関連する状態量及び車輌のロール運動を
示す情報を検出することにより、車輌のロール慣性モー
メントを推定することができる。
【0083】また請求項3の構成によれば、車輌の総重
量や重心高さの変動によって車輌の挙動変化に関連する
運動特性が変化しても、その運動特性の変化に応じて挙
動制御の制御量、制御開始時期、制御継続時間の少なく
とも一つを自動的に適正に変更することができ、これに
より車輌の総重量や重心高さの変動に拘わらず車輌の挙
動を適正に安定化させることができる。
【0084】また請求項4の構成によれば、車輌の総重
量や重心高さの変動によって車輌のロール方向等の運動
特性が変化しても、その運動特性の変化に応じてサスペ
ンション制御の制御量、制御開始時期、制御継続時間の
少なくとも一つを自動的に適正に変更することができ、
これにより車輌の総重量や重心高さの変動に拘わらずサ
スペンションを適正に制御することができる。
【0085】また請求項5の構成によれば、車輌の総重
量や重心高さの変動によって車輌のロール方向等の運動
特性が変化しステアリング特性が変化しても、その運動
特性及びステアリング特性の変化に応じてステアリング
制御の制御量を自動的に適正に変更することができ、こ
れにより車輌の総重量や重心高さの変動に拘わらずステ
アリング特性を適正に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車輪の制動力を制御することにより車輌の挙動
を安定化させる挙動制御装置として構成された本発明に
よる車輌の制御装置の第一の実施形態を示す概略構成図
である。
【図2】第一の実施形態に於けるロール慣性モーメント
Iの演算及び挙動制御ルーチンを示すフローチャートで
ある。
【図3】ロール慣性モーメントIと補正係数K1との間
の関係を示すグラフである。
【図4】ショックアブソーバの減衰係数及びエアスプリ
ングのばね定数を制御することにより車輌の乗り心地性
を確保しつつ車輌の操縦安定性を向上させるサスペンシ
ョン制御装置として構成された本発明による車輌の制御
装置の第二の実施形態を示す概略構成図である。
【図5】第二の実施形態に於けるロール慣性モーメント
Iの演算及びサスペンション制御ルーチンを示すフロー
チャートである。
【図6】パワーアシスト力を制御するパワーステアリン
グ制御装置として構成された本発明による車輌の制御装
置の第三の実施形態を示す概略構成図である。
【図7】第三の実施形態に於けるロール慣性モーメント
Iの演算及びパワーアシスト力制御ルーチンを示すフロ
ーチャートである。
【図8】伝達率φ/GyについてのFFT処理を示す説
明図である。
【符号の説明】
40…制動装置 48…マスタシリンダ 50…電子制御装置 52FR〜52RL…車輪速度センサ 54……操舵角センサ 56…ヨーレートセンサ 58…前後加速度センサ 59…ロールレートセンサ 60…横加速度センサ 62FL〜62RR…ショックアブソーバ 64FL〜64RR…エアスプリング 66…電子制御装置 72…アシストトルク発生装置 74…トルクセンサ 76…車速センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B62D 113:00 B62D 113:00 119:00 119:00 137:00 137:00 Fターム(参考) 3D032 CC24 DA03 DA15 DA23 DA24 DA29 DA33 DA36 EA08 EB16 EB17 EC03 3D046 BB21 HH08 HH21 HH25 HH26 HH36 JJ01 JJ06 KK07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車輌の走行状態が所定の状態になった場合
    に車輌搭載装置を制御する車輌の制御装置にして、車輌
    のロール慣性モーメントを推定するロール慣性モーメン
    ト推定手段と、推定されるロール慣性モーメントに応じ
    て前記車輌搭載装置に対する制御の内容を変更する制御
    内容変更手段とを有する車輌の制御装置。
  2. 【請求項2】前記ロール慣性モーメント推定手段は車輌
    のロール運動の要因に関連する状態量及び車輌のロール
    運動を示す情報に基づき車輌のロール慣性モーメントを
    推定することを特徴とする請求項1に記載の車輌の制御
    装置。
  3. 【請求項3】前記車輌搭載装置は車輪の制駆動力を制御
    することにより車輌の挙動を制御する挙動制御装置であ
    り、前記制御内容変更手段は推定されるロール慣性モー
    メントに応じて挙動制御の制御量、制御開始時期、制御
    継続時間の少なくとも一つを変更することを特徴とする
    請求項1又は2に記載の車輌の制御装置。
  4. 【請求項4】前記車輌搭載装置はサスペンション特性を
    制御するサスペンション制御装置であり、前記制御内容
    変更手段は推定されるロール慣性モーメントに応じてサ
    スペンション制御の制御量、制御開始時期、制御継続時
    間の少なくとも一つを変更することを特徴とする請求項
    1又は2に記載の車輌の制御装置。
  5. 【請求項5】前記車輌搭載装置はステアリング特性を制
    御するステアリング制御装置であり、前記制御内容変更
    手段は推定されるロール慣性モーメントに応じてステア
    リング制御の制御量を変更することを特徴とする請求項
    1又は2に記載の車輌の制御装置。
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