JPH11348523A - 車高調整装置を備えた車輌 - Google Patents

車高調整装置を備えた車輌

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JPH11348523A
JPH11348523A JP10163368A JP16336898A JPH11348523A JP H11348523 A JPH11348523 A JP H11348523A JP 10163368 A JP10163368 A JP 10163368A JP 16336898 A JP16336898 A JP 16336898A JP H11348523 A JPH11348523 A JP H11348523A
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雄美 縄田
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敦 広重
Atsushi Mikuni
敦 三国
Takakazu Mori
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 衝突エネルギが効率的に吸収されるよう車高
調整し、車輌衝突の影響を低減する。 【解決手段】 車輌の前方側及び後方側の画像情報の解
析が行われ(S20、80)、先行又は後続の他車があ
るか否かが判別され(S30、90)、肯定判別のとき
には他車の外形が特定されると共に、他車の外形の大き
さの変化速度に基づき自車に対する他車の相対速度が演
算される(S40、100)。そして相対速度及び自車
の車速に基づき前突又は後突の虞れが高いか否かが判別
され(S50、110)、肯定判別のときには他車の外
形に基づきそのリヤバンパ又フロントバンパの高さが推
定され(S60、120)、自車のフロントバンパ又は
リヤバンパの高さがそれぞれ他車のリヤバンパ又はフロ
ントバンパの高さと実質的に同一になるよう車高調整が
行われる(S70、130)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車高調整装置を備
えた車輌に係り、更に詳細には衝突の影響を低減するよ
う車高調整される車輌に係る。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車高調整装置を備えた車輌の
一つとして、例えば特開平7−186672号公報に記
載されている如く、車輌の後退時には車体の後部を低下
させて後方死角の範囲を低減するよう構成された車輌が
従来より知られている。かかる車輌によれば、車輌の後
退時に車輌の後方視界が拡大するので、車輌がその後退
時に障害物等に衝突する虞れを低減することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし上述の如き従来
の車輌に於いては、自車が他車に衝突する虞れが推定さ
れ、その推定結果に応じて衝突に対する予備対策として
車高調整が行われる訳ではないので、衝突の虞れがある
ときにも車高が衝突の影響を低減する車高になるよう車
高調整することはできない。このことは車高調整装置を
備えた従来の他の車輌についても同様である。
【0004】本発明は、車高調整装置を備えた従来の車
輌に於ける上述の如き問題に鑑みてなされたものであ
り、本発明の主要な課題は、自車が他車に衝突する虞れ
があるときには衝突に対する予備対策として車高調整を
行うことにより、車輌が衝突することによる影響を低減
することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述の主要な課題は、本
発明によれば、請求項1の構成、即ち車高調整装置を備
えた車輌にして、自車が他車に衝突する虞れを推定する
推定手段と、衝突の虞れがあるときには前記車高調整装
置を作動させて衝突の影響を低減する車高に車高調整す
る制御手段とを有することを特徴とする車輌によって達
成される。
【0006】上記請求項1の構成によれば、自車が他車
に衝突する虞れが推定され、衝突の虞れがあるときには
車高調整装置が作動され車高が衝突の影響を低減する車
高になるよう車高調整されるので、かかる車高調整が行
われない場合に比して車輌が衝突することによる影響が
確実に低減される。
【0007】また本発明によれば、上述の主要な課題を
効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、前
記推定手段は相対的に接近する他車の情報を取得し該他
車の情報に基づき衝突の虞れを推定するよう構成される
(請求項2の構成)。
【0008】請求項2の構成によれば、相対的に接近す
る他車の情報に基づき衝突の虞れが推定されるので、自
車が他車に衝突する虞れが確実に推定され、また他車の
情報に基づき車高が衝突の影響を確実に低減する車高に
調整される。
【0009】また本発明によれば、上述の主要な課題を
効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、前
記推定手段は自車の走行状況の情報を取得し該走行状況
の情報に基づき衝突の虞れを推定するよう構成される
(請求項3の構成)。
【0010】請求項3の構成によれば、自車の走行状況
の情報に基づき衝突の虞れが推定されるので、相対的に
接近する他車の情報を取得する手段を要することなく自
車が他車に衝突する虞れが推定される。
【0011】また本発明によれば、上述の主要な課題を
効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、前
記推定手段は相対的に接近する他車の画像情報を取得す
る手段を含み、取得された他車の画像情報に基づき衝突
の虞れを推定するよう構成される(請求項4の構成)。
【0012】請求項4の構成によれば、相対的に接近す
る他車の画像情報が取得され、取得された他車の画像情
報に基づき衝突の虞れが推定されるので、自車若しくは
他車が車々間通信装置等の通信手段を有しない場合にも
相対的に接近する他車の情報を取得し、衝突の虞れを確
実に推定することが可能になる。
【0013】また本発明によれば、上述の主要な課題を
効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、前
記推定手段は相対的に接近する他車の情報を車々間通信
により取得する手段を含み、取得された他車の情報に基
づき衝突の虞れを推定するよう構成される(請求項5の
構成)。
【0014】請求項5の構成によれば、相対的に接近す
る他車の情報が車々間通信により取得され、取得された
他車の情報に基づき衝突の虞れが推定されるので、他車
の車速やバンパの高さを含む正確な情報を取得し、これ
により衝突の虞れを確実に且つ正確に推定することが可
能になり、また自車のバンパの高さが確実に且つ正確に
他車のバンパの高さに近付くよう車高調整することが可
能になる。
【0015】また本発明によれば、上述の主要な課題を
効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、前
記推定手段は相対的に接近する他車の情報に基づき他車
のバンパの高さを推定し、前記制御手段は自車のバンパ
の高さが実質的に他車のバンパの高さになるよう前記車
高調整装置を作動させるよう構成される(請求項6の構
成)。
【0016】請求項6の構成によれば、相対的に接近す
る他車の情報に基づき他車のバンパの高さが推定され、
自車のバンパの高さが実質的に他車のバンパの高さにな
るよう車高調整されるので、衝突のエネルギを効果的に
且つ確実に吸収して自車及び他車が受ける衝突の影響を
確実に低減することが可能になる。
【0017】また本発明によれば、上述の主要な課題を
効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、前
記推定手段は走行時の周囲状況の情報を取得し該周囲状
況の情報に基づき衝突の虞れを推定するよう構成される
(請求項7の構成)。
【0018】請求項7の構成によれば、走行時の周囲状
況の情報が取得され該周囲状況の情報に基づき衝突の虞
れが推定されるので、相対的に接近する他車の情報を取
得することなく衝突の虞れを推定することが可能にな
る。
【0019】また本発明によれば、上述の主要な課題を
効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、前
記推定手段は自車の運転状況の情報を取得し該運転状況
の情報に基づき衝突の虞れを推定するよう構成される
(請求項8の構成)。
【0020】請求項8の構成によれば、自車の運転状況
の情報が取得され該運転状況の情報に基づき衝突の虞れ
が推定されるので、請求項7の構成の場合と同様、相対
的に接近する他車の情報を取得することなく衝突の虞れ
を推定することが可能になる。
【0021】また本発明によれば、上述の主要な課題を
効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、前
記制御手段は自車のバンパの高さが一般的な車輌のバン
パの高さと実質的に同一になるよう前記車高調整装置を
作動させるよう構成される(請求項9の構成)。
【0022】請求項9の構成によれば、自車のバンパの
高さが一般的な車輌のバンパの高さと実質的に同一にな
るよう車高調整されるので、自車のバンパの高さが調整
されない場合に比して衝突のエネルギを効果的に且つ確
実に吸収して自車及び他車が受ける衝突の影響を低減す
る可能性を高くすることが可能になる。
【0023】
【課題解決手段の好ましい態様】本発明の一つの好まし
い態様によれば、上記請求項1の構成に於いて、推定手
段は前突及び後突の両者について自車が他車に衝突する
虞れを推定するよう構成される(好ましい態様1)。
【0024】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記請求項4の構成に於いて、推定手段は取得され
た他車の画像情報に基づき衝突の虞れを推定すると共に
他車のバンパ高さを推定するよう構成される(好ましい
態様2)。
【0025】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記請求項4の構成に於いて、推定手段は取得され
た他車の画像情報に基づき自車と他車との相対速度を推
定し、相対速度及び自車の車速に基づき衝突の虞れを推
定するよう構成される(好ましい態様3)。
【0026】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記請求項5の構成に於いて、他車の情報は該他車
の車速情報を含み、推定手段は他車の車速情報及び自車
の車速に基づき自車と他車との相対速度を推定し、相対
速度及び自車の車速に基づき衝突の虞れを推定するよう
構成される(好ましい態様4)。
【0027】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記請求項6の構成に於いて、推定手段は相対的に
接近する他車の画像情報を取得する手段を含み、取得さ
れた他車の画像情報に基づき他車のバンパの高さを推定
するよう構成される(好ましい態様5)。
【0028】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記請求項6の構成に於いて、推定手段は相対的に
接近する他車の情報を車々間通信により取得する手段を
含み、取得された他車の情報に基づき他車のバンパの高
さを推定するよう構成される(好ましい態様6)。
【0029】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記請求項9の構成に於いて、制御手段は推定手段
により衝突の虞れが推定されると少なくとも所定の時間
車高調整された状態を維持するよう構成される(好まし
い態様7)。
【0030】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記請求項3の構成に於いて、制御手段は自車のバ
ンパの高さが標準車高に於ける高さよりも高くなるよう
車高調整装置を作動させるよう構成される(好ましい態
様8)。
【0031】尚本明細書に於いて、「バンパの高さ」と
はバンパが他車より荷重を受ける際にその荷重を最も効
率的に受ける部位の高さを意味し、また「自車のバンパ
の高さが実質的に他車のバンパの高さになる」とは自車
のバンパの高さが他車のバンパの上下幅の範囲内になる
ことを意味する。
【0032】
【発明の実施の形態】以下に添付の図を参照しつつ、本
発明を幾つかの好ましい実施形態について詳細に説明す
る。
【0033】図1は本発明による車高調整装置を備えた
車輌の第一の実施形態を示す概略構成図である。
【0034】図1に於いて、10FL、10FR、10RL、
10RRはそれぞれ車輌12の左右の前輪及び左右の後輪
を示している。各車輪のサスペンションには車高調整機
能を有するショックアブソーバ14FL、14FR、14R
L、14RRが設けられている。ショックアブソーバ14F
L〜14RRは油圧制御回路16により内部の油圧が制御
されることにより、対応する部位の車高を増減調整する
ようになっている。
【0035】車体18の前端及び後端にはそれぞれ車輌
の前方及び後方の画像を取得するビデオカメラ20及び
22が設けられている。ビデオカメラ20及び22によ
り取得された画像情報を示す信号は電子制御装置24へ
入力される。電子制御装置24には車速センサ26によ
り検出された車速Vを示す信号及び車高センサ28FL、
28FR、28RL、28RRにより検出された各輪に対応す
る部位の車高Hfl、Hfr、Hrl、Hrrを示す信号も入力
される。
【0036】電子制御装置24は図2に示されたフロー
チャートに従って作動し、入力された画像情報を解析し
て自車の前方又は後方にそれぞれ先行車輌又は後続車輌
が存在するか否かを判定し、先行車輌又は後続車輌が存
在するときにはその車輌との間の相対速度を演算し、そ
の演算結果及び自車の車速に基づき衝突の虞れが高いか
否かを判定する。
【0037】また電子制御装置24は衝突の虞れが高い
ときには、その接近する他車の外形よりそのバンパの高
さを推定し、自車のバンパの高さが推定された他車のバ
ンパの高さと実質的に同一になるよう油圧制御回路16
を制御して車高調整を行う。この場合、自車のフロント
バンパ及びリヤバンパの高さは各輪に対応する部位の車
高Hfl、Hfr、Hrl、Hrrに基づき推定される。更に電
子制御装置24は衝突の虞れがないときには、各輪の部
位に対応する車高が車輌の走行に適した標準車高になる
よう必要に応じて油圧制御回路16を制御する。
【0038】尚電子制御装置24例えば中央処理ユニッ
ト(CPU)と、リードオンリメモリ(ROM)と、ラ
ンダムアクセスメモリ(RAM)と、入出力ポート装置
とを有し、これらが双方向性のコモンバスにより互いに
接続された一般的な構成のマイクロコンピュータであっ
てよい。
【0039】次に図2を参照して第一の実施形態の作動
について説明する。尚図2に示されたフローチャートに
よる制御は図には示されていないイグニッションスイッ
チが閉成されることにより開始され、所定の時間毎に繰
り返し実行される。またこのことは後述の他の実施形態
についても同様である。
【0040】まずステップ10に於いてはビデオカメラ
20及び22により取得された画像情報を示す信号等の
読み込みが行われ、ステップ20に於いてはビデオカメ
ラ20により取得された前方側の画像情報の解析が行わ
れる。
【0041】ステップ30に於いてはステップ20の画
像情報の解析結果に基づき先行車輌があるか否かの判別
が行われ、否定判別が行われたときにはステップ80へ
進み、肯定判別が行われたときにはステップ40に於い
てステップ20の画像情報の解析結果に基づき先行車輌
の外形、例えば小型乗用車、普通乗用車、ワンボックス
カー、RV車、トラックの何れであるかが特定されると
共に、先行車輌の外形の大きさの変化速度に基づき自車
が先行車輌に近付く相対速度を正として先行車輌の相対
速度Vref が演算される。
【0042】ステップ50に於いては相対速度Vref 及
び自車の車速Vに基づき前突の虞れが高いか否かの判別
が行われ、否定判別が行われたときにはステップ80へ
進み、肯定判別が行われたときにはステップ60に於い
て先行車輌の外形に基づき先行車輌のリヤバンパの高さ
Hbro が推定され、ステップ60に於いて自車のフロン
トバンパの高さHbfs が先行車輌のリヤバンパの高さH
bro と実質的に同一の高さになるよう車高調整が行われ
る。
【0043】同様に、ステップ80に於いてはビデオカ
メラ22により取得された後方側の画像情報の解析が行
われ、ステップ90に於いてはステップ80の画像情報
の解析結果に基づき後続車輌があるか否かの判別が行わ
れ、否定判別が行われたときにはステップ140へ進
み、肯定判別が行われたときにはステップ1000に於
いてステップ80の画像情報の解析結果に基づき後続車
輌の外形が特定されると共に、後続車輌の外形の大きさ
の変化速度に基づき後続車輌が自車に近付く相対速度を
正として後続車輌の相対速度Vrer が演算される。
【0044】ステップ110に於いては相対速度Vrer
及び自車の車速Vに基づき後突の虞れが高いか否かの判
別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ14
0へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ120
に於いて後続車輌の外形に基づき後続車輌のフロントバ
ンパの高さHbfo が推定され、ステップ130に於いて
自車のリヤバンパの高さHbrs が後続車輌のフロントバ
ンパの高さHbfo と実質的に同一の高さになるよう車高
調整が行われる。
【0045】ステップ140に於いては各輪に対応する
部位の車高が標準車高であるか否かの判別が行われ、肯
定判別が行われたときにはそのままステップ10へ戻
り、否定判別が行われたときにはステップ150に於い
て各輪に対応する部位の車高が徐々に標準車高になるよ
う車高調整が行われ、しかる後ステップ10へ戻る。
【0046】尚ステップ40及び100に於いて推定さ
れる相対速度Vref 、Vrer は厳密に求められる必要は
なく、概略値であってよい。またステップ50に於ける
前突の虞れの判別及びステップ110に於ける後突の虞
れの判別に於いては、例えば自車の車速Vが高いほど低
くなるよう基準値Vc (正の値)が演算され、相対速度
Vref 、Vrer が基準値Vc 以上であるときにそれぞれ
前突、後突の虞れが高いと判定されてよい。更にステッ
プ130の車高調整に於いては、自車のリヤバンパの高
さHbrs が後続車輌のフロントバンパの高さHbfo より
も僅かに高くなるよう車高調整が行われる。
【0047】かくして図示の第一の実施形態によれば、
それぞれステップ20及び80に於いて車輌の前方側及
び後方側の画像情報の解析が行われ、ステップ30及び
90に於いて先行車輌、後続車輌があるか否かの判別が
行われ、肯定判別が行われたときにはステップ40及び
100に於いて先行車輌、後続車輌の外形が特定される
と共に、先行車輌、後続車輌の外形の大きさの変化速度
に基づき自車に対する先行車輌、後続車輌の相対速度V
ref 、Vrer が演算される。
【0048】そしてステップ50及び110に於いて相
対速度Vref 、Vrer 及び自車の車速Vに基づき前突、
後突の虞れが高いか否かの判別が行われ、肯定判別が行
われたときにはステップ60及び120に於いて先行車
輌、後続車輌の外形に基づき該車輌のリヤバンパの高さ
Hbro 、フロントバンパの高さHbfo が推定され、ステ
ップ70及び130に於いて自車のフロントバンパの高
さHbfs 、リヤバンパの高さHbrs がそれぞれ先行車輌
のリヤバンパの高さHbro 、後続車輌のフロントバンパ
の高さHbfo と実質的に同一の高さになるよう車高調整
が行われる。
【0049】従って例えば先行車輌の不測の急制動に起
因して前突が生じる場合も、自車のフロントバンパの高
さが先行車輌のリヤバンパの高さと実質的に同一の高さ
に事前に自動的に調整され、また例えば自車が不測の障
害物の出現に対処して急制動し後突が生じる場合にも、
リヤバンパの高さHbrs が後続車輌のフロントバンパの
高さと実質的に同一の高さに事前に自動的に調整される
ので、衝突のエネルギを効果的に吸収することができ、
車高調整が行われない場合に比して車輌が衝突すること
による影響を確実に低減することができる。
【0050】特に図示の実施形態によれば、ステップ1
30の車高調整に於いては、自車のリヤバンパの高さH
brs が後続車輌のフロントバンパの高さHbfo よりも僅
かに高くなるよう車高調整が行われるので、後突が生じ
た場合に後続車輌の前端部が自車の後端部上に乗り上げ
ることを効果的に防止することができる。
【0051】尚図示の実施形態に於いては、画像情報の
解析結果に基づき他車の外形が特定され、他車の外形の
大きさの変化速度に基づき他車の相対速度Vref 、Vre
r が演算されるようになっているが、他車の相対速度V
ref 、Vrer は例えば超音波ソナーの如き他の手段によ
り検出され、他車のバンパの高さのみが画像情報の解析
による他車の外形に基づき推定されてもよい。
【0052】図3は本発明による車高調整装置を備えた
車輌の第二の実施形態を示す概略構成図、図4は第二の
実施形態に於ける車高調整の制御ルーチンを示すフロー
チャートである。尚図3に於いて、図1に示された部材
と同一の部材には図1に於いて付された符号と同一の符
号が付されている。またこのことは後述の他の実施形態
についても同様である。
【0053】この実施形態に於いては、ビデオカメラ2
0及び22は設けられていないが、車体18の前端及び
後端にそれぞれ車々間無線通信装置30及び32が設け
られている。車々間無線通信装置30及び32は自車よ
り所定の距離の範囲内にある他車との間に於いて無線信
号により情報の送受信を行う機能を有し、電子制御装置
24により制御され、他車より無線信号を受信したとき
にはその無線信号に含まれる情報を示す信号を電子制御
装置24へ出力する。
【0054】特に無線通信装置30は自車のフロントバ
ンパの高さHbfs 、車速V及び衝突の影響を低減するた
めの車高調整機能を有することを示す所定の発信周波数
の電波信号を車輌前方へ発信し、前方の車輌よりそのリ
ヤバンパの高さHbro 、車速Vfo及び衝突の影響を低減
するための車高調整機能を有するか否かを示す所定の受
信周波数の電波信号を受信する。
【0055】同様に無線通信装置32は自車のリヤバン
パの高さHbrs 、車速V及び衝突の影響を低減するため
の車高調整機能を有することを示す所定の発信周波数の
電波信号を車輌後方へ発信し、後方の車輌よりそのフロ
ントバンパの高さHbfo 、車速Vro及び衝突の影響を低
減するための車高調整機能を有するか否かを示す所定の
受信周波数の電波信号を受信する。
【0056】またこの実施形態の車高調整制御ルーチン
のステップ210に於いては、先行車輌より電波信号を
受信したか否かの判別が行われ、否定判別が行われたと
きにはステップ250へ進み、肯定判別が行われたとき
にはステップ220に於いて下記の数1に従って自車が
先行車輌に近付く相対速度を正として先行車輌の相対速
度Vref が演算される。
【0057】
【数1】Vref =V−Vfo ステップ230に於いては相対速度Vref 及び自車の車
速Vに基づき前突の虞れが高いか否かの判別が行われ、
否定判別が行われたときにはステップ250へ進み、肯
定判別が行われたときにはステップ240に於いて自車
のフロントバンパの高さHbfs が先行車輌のリヤバンパ
の高さHbro と実質的に同一の高さになるよう車高調整
が行われる。
【0058】ステップ250に於いては後続車輌より電
波信号を受信したか否かの判別が行われ、否定判別が行
われたときにはステップ300へ進み、肯定判別が行わ
れたときにはステップ260へ進む。ステップ260に
於いては後続車輌が衝突の影響を低減するための車高調
整機能を有するか否かの判別が行われ、肯定判別が行わ
れたときにはステップ300へ進み、否定判別が行われ
たときにはステップ270に於いて下記の数2に従って
後続車輌が自車に近付く相対速度を正として後続車輌の
相対速度Vrer が演算される。
【0059】
【数2】Vrer =Vro−V ステップ280に於いては相対速度Vrer 及び自車の車
速Vに基づき後突の虞れが高いか否かの判別が行われ、
否定判別が行われたときにはステップ300へ進み、肯
定判別が行われたときにはステップ290に於いて自車
のリヤバンパの高さHbrs が後続車輌のフロントバンパ
の高さHbfo と実質的に同一の高さになるよう車高調整
が行われる。尚ステップ300及び310は上述の第一
の実施形態のステップ140及び150と同様に実行さ
れる。
【0060】この実施形態のステップ230に於ける前
突の虞れの判別及びステップ280に於ける後突の虞れ
の判別に於いても、自車の車速Vが高いほど低くなるよ
う基準値Vc (正の値)が演算され、相対速度Vref 、
Vrer が基準値Vc 以上であるときにそれぞれ前突、後
突の虞れが高いと判定されてよい。またこの実施形態の
ステップ290の車高調整に於いても、自車のリヤバン
パの高さHbrs が後続車輌のフロントバンパの高さHbf
o よりも僅かに高くなるよう車高調整が行われる。
【0061】かくして図示の第二の実施形態によれば、
それぞれステップ210及び250に於いて先行車輌、
後続車輌より電波信号を受信したか否かの判別が行わ
れ、肯定判別が行われたときにはステップ220及び2
70に於いて先行車輌の相対速度Vref 、後続車輌の相
対速度Vrer が演算される。そしてステップ230及び
280に於いて相対速度及び自車の車速Vに基づき前
突、後突の虞れが高いか否かの判別が行われ、肯定判別
が行われたときにはステップ240及び290に於いて
自車のフロントバンパの高さHbfs 、リヤバンパの高さ
Hbrs がそれぞれ先行車輌のリヤバンパの高さHbro 、
後続車輌のフロントバンパの高さHbfo と実質的に同一
の高さになるよう車高調整が行われる。
【0062】従って第一の実施形態と同様、自車のバン
パの高さを他車のバンパの高さと実質的に同一の高さに
事前に自動的に調整して衝突のエネルギを効果的に吸収
することができ、これにより車高調整が行われない場合
に比して車輌が衝突することによる影響を確実に低減す
ることができ、また後突が生じた場合に後続車輌の前端
部が自車の後端部上に乗り上げることを効果的に防止す
ることができ、更には第一の実施形態の場合に比して他
車のバンパの高さを確実に且つ正確に推定し、自車のバ
ンパの高さを一層適切に制御し、これにより第一の実施
形態の場合よりも確実に衝突のエネルギを吸収すること
ができる。
【0063】特に図示の実施形態によれば、ステップ2
50の次に実行されるステップ260に於いて後続車輌
が衝突の影響を低減するための車高調整機能を有するか
否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステ
ップ270〜290が実行されることなくステップ30
0へ進むようになっているので、相対的に接近する二つ
の車輌の両者が無駄に車高調整することを防止すること
ができる。
【0064】尚上述の第二の実施形態に於いては、無線
通信装置30及び32の無線信号は電波であるが、無線
通信装置は超音波や光の如く当技術分野に於いて周知の
任意の無線信号により通信するものであってよい。
【0065】また上述の第二の実施形態に於いては、ス
テップ260に於いて後続車輌が衝突の影響を低減する
ための車高調整機能を有するか否かの判別が行われ、肯
定判別が行われたときにはステップ270〜290が実
行されることなくステップ300へ進むようになってい
るが、ステップ260は省略されてもよく、またステッ
プ260が省略され先行車輌についてステップ260と
同様の判別がステップ210の次に実行されるよう修正
されてもよい。
【0066】図5は本発明による車高調整装置を備えた
車輌の第三の実施形態を示す概略構成図、図6は第三の
実施形態に於ける車高調整の制御ルーチンを示すフロー
チャートである。
【0067】この実施形態に於いては、電子制御装置2
4には車速センサ26により検出された車速Vを示す信
号に加えて、路面センサ34により検出された路面が滑
り易い路面であるか否かを示す信号、ヘッドランプスイ
ッチ(HLSW)36より図には示されていないヘッド
ランプが点灯状態にあるか否かを示す信号、ワイパスイ
ッチ(ワイパSW)38より図には示されていないワイ
パが作動状態にあるか否かを示す信号、ナビゲータ40
より車輌が走行している位置の周囲状況を示す信号が入
力される。
【0068】またこの実施形態の車高調整制御ルーチン
のステップ410に於いては、車速センサ26により検
出された車速Vを示す信号等の読み込みが行われ、ステ
ップ420に於いては車速Vが基準値Vo (正の定数)
以下であるか否かの判別、即ち車高の増大調整が行われ
ても車輌の走行安定性が大きく悪化しない速度にて車輌
が走行しているか否かの判別が行われ、否定判別が行わ
れたときにはステップ490へ進み、肯定判別が行われ
たときにはステップ430へ進む。
【0069】ステップ430に於いては路面センサ34
よりの信号に基づき路面が滑り易い路面であるか否かの
判別、即ち車輌が車輪のスリップが発生し易い路面を走
行中であるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われた
ときにはステップ470へ進み、否定判別が行われたと
きにはステップ440へ進む。
【0070】ステップ440に於いてはヘッドランプス
イッチ36がオン状態にあるか否かの判別、即ち車輌が
夜間走行中であるか否かの判別が行われ、否定判別が行
われたときにはステップ470へ進み、肯定判別が行わ
れたときにはステップ450へ進む。
【0071】ステップ450に於いてはワイパスイッチ
38がオン状態にあるか否かの判別、即ち車輌が雨天走
行中であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われた
ときにはステップ470へ進み、肯定判別が行われたと
きにはステップ460へ進む。
【0072】ステップ460に於いてはナビゲータ40
よりの情報に基づき車輌が衝突の虞れがある位置、例え
ば市街地、スクールゾーン、トンネルの入口等を走行中
であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたとき
にはステップ490へ進み、肯定判別が行われたときに
はステップ470へ進む。
【0073】ステップ470に於いては車高が予め設定
された所定の車高に調整済であるか否かの判別が行わ
れ、否定判別が行われたときにはステップ480に於い
て車高が予め設定された所定の車高になるよう車高調整
され、肯定判別が行われたときにはそのままステップ1
0へ戻る。
【0074】尚この場合、所定の車高は例えばフロント
バンパの高さHbfs 及びリヤバンパの高さHbrs がそれ
ぞれ一般的な車輌のリヤバンパの高さ及びフロントバン
パの高さと実質的に同一の車高に設定される。
【0075】ステップ490に於いてはステップ460
に於ける判別が肯定判別より否定判別へ変化した時点よ
り予め設定された所定の時間以上経過したか否かの判別
が行われ、否定判別が行われたときにはそのままステッ
プ10へ戻り、肯定判別が行われたときには第一及び第
二の実施形態の場合と同様ステップ500及び510が
実行される。
【0076】かくして図示の第三の実施形態によれば、
ステップ420に於いて車高の増大調整が行われても車
輌の走行安定性が大きく悪化しない速度にて車輌が走行
しているか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたと
きにはステップ430〜460に於いて車輌が例えば晴
天の日中に郊外の道路を走行する場合に比して衝突の虞
れが高いか否かの判別が行われる。
【0077】これらのステップの何れかに於いて肯定判
別、即ち衝突の虞れがある旨の判別が行われたときに
は、ステップ470に於いて車高が予め設定された所定
の車高に調整済であるか否かの判別が行われ、否定判別
が行われたときにはステップ480に於いて車高が予め
設定された所定の車高になるよう車高調整される。
【0078】従って車輌走行時の周囲状況から判断して
衝突の虞れがあるときには、車高が予め設定された所定
の車高になるよう事前に自動的に車高調整されるので、
かかる車高調整が行われない場合に比して車輌が衝突す
ることによる影響を低減することができる。
【0079】特に図示の実施形態によれば、ステップ4
30〜460に於いて衝突の虞れが低い旨の判別が行わ
れたときには、ステップ490に於いてステップ460
に於ける判別が肯定判別より否定判別へ変化した時点よ
り予め設定された所定の時間以上経過したか否かの判別
が行われ、否定判別が行われたときにはステップ500
及び510が実行されることなくステップ10へ戻るの
で、車高が標準車高と所定の車高との間に頻繁に調整さ
れることに起因して車輌の燃費が悪化したり車輌の乗員
が不快感を覚えることを効果的に防止することができ
る。
【0080】また図示の実施形態によれば、ステップ4
20に於いて否定判別、即ち車高の増大調整が行われる
と車輌の走行安定性が大きく悪化する速度にて車輌が走
行している旨の判別が行われたときには、ステップ43
0〜480が実行されることなくステップ490〜51
0が実行されるので、車高の増大調整に起因して車輌の
走行安定性が大きく悪化することを確実に防止すること
ができる。
【0081】尚図示の実施形態に於いては、ステップ4
30に於いて路面が滑り易い路面である旨の判別が行わ
れたときには、車高が所定の車高に調整されるようにな
っているが、特に小型車の如く標準車高に於けるバンパ
の高さが一般的な車輌のバンパの高さよりも低い車輌の
場合には、車高が所定の車高に調整されることによって
車輌の操縦安定性が悪化しないよう、ステップ430に
於いて肯定判別が行われたときには所定の車高への車高
調整が行われることなくステップ490へ進むよう修正
されてもよい。
【0082】また図示の実施形態に於いては、車輌走行
時の周囲状況として路面の摩擦係数、夜間走行であるか
否か、雨天走行であるか否か、衝突の虞れがある位置を
走行中であるか否かが判別されるようになっているが、
これらの判別に加えて或いはこれらの判別の何れかに代
えてインフラよりの情報、外気温、フォグランプがオン
状態にあるか否かの情報が取得され、インフラよりの情
報に基づき車輌が渋滞区間を走行している場合、外気温
が例えば0℃以下である場合、フォグランプがオン状態
にある場合にはステップ470へ進むよう修正されても
よい。
【0083】図7は本発明による車高調整装置を備えた
車輌の第四の実施形態を示す概略構成図、図8は第四の
実施形態に於ける車高調整の制御ルーチンを示すフロー
チャートである。尚図7に於いて、図6に示されたステ
ップと同一のステップには図6に於いて付されたステッ
プ番号と同一のステップ番号が付されている。
【0084】この実施形態に於いては、電子制御装置2
4には車速センサ26により検出された車速Vを示す信
号に加えて、ブレーキランプスイッチ(BKSW)40
より図には示されていないブレーキランプランプが点灯
状態にあるか否かを示す信号及び前後加速度センサ42
により検出された車輌の前後加速度Gx を示す信号が入
力される。
【0085】またこの実施形態の車高調整制御ルーチン
のステップ420の次に実行されるステップ425に於
いては、ブレーキランプスイッチ40がオン状態にある
か否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはス
テップ470へ進み、肯定判別が行われたときにはステ
ップ435へ進む。
【0086】ステップ435に於いては前後加速度セン
サ42により検出された車輌の前後加速度Gx の変化に
基づき車輌の加減速の頻度が高いか否かの判別が行わ
れ、否定判別が行われたときにはステップ470へ進
み、肯定判別が行われたときにはステップ445へ進
む。
【0087】ステップ445に於いてはGxoを負の定数
として車輌の前後加速度Gx がGxo以下であるか否かの
判別、即ち車輌の減速度が高いか否かの判別が行われ、
否定判別が行われたときにはステップ490へ進み、肯
定判別が行われたときにはステップ470へ進む。尚こ
の実施形態の他のステップは上述の第三の実施形態の場
合と同様に実行される。
【0088】かくして図示の第四の実施形態によれば、
ステップ420に於いて車高の増大調整が行われても車
輌の走行安定性が大きく悪化しない速度にて車輌が走行
しているか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたと
きにはステップ425〜445に於いて車輌が衝突の虞
れのある運転状態にあるか否かの判別が行われる。
【0089】これらのステップに於いて車輌が衝突の虞
れのある運転状態にある旨の判別が行われたときには、
ステップ470に於いて車高が予め設定された所定の車
高に調整済であるか否かの判別が行われ、否定判別が行
われたときにはステップ480に於いて車高が予め設定
された所定の車高になるよう車高調整される。
【0090】従って車輌の運転状況から判断して衝突の
虞れがあるときには、第三の実施形態の場合と同様、車
高が予め設定された所定の車高になるよう事前に自動的
に車高調整されるので、かかる車高調整が行われない場
合に比して車輌が衝突することによる影響を低減するこ
とができる。
【0091】また図示の実施形態によれば、第三の実施
形態の場合と同様、車高が標準車高と所定の車高との間
に頻繁に調整されることに起因して車輌の燃費が悪化し
たり車輌の乗員が不快感を覚えることを効果的に防止す
ることができ、またステップ420に於いて否定判別が
行われたときには、ステップ430〜480が実行され
ることなくステップ490〜510が実行されるので、
車高の増大調整に起因して車輌の走行安定性が大きく悪
化することを確実に防止することができる。
【0092】尚上述の第三及び第四の実施形態に於いて
は、衝突の虞れがあるときには自車のバンパの高さが一
般的な車輌のバンパの高さと実質的に同一の高さになる
よう車高調整が行われるようになっているが、衝突の虞
れがあるときには後突に対する対策としてリヤバンパの
高さが標準車高に於ける高さよりも高くなるよう車高調
整が行われてもよい。
【0093】この場合リヤバンパの高さを高くすること
は、(1)後輪に対応する部位の車高を増大させるこ
と、(2)前輪に対応する部位の車高を低下させるこ
と、(3)後輪に対応する部位の車高を増大させると共
に前輪に対応する部位の車高を低下させることの何れに
より達成されてもよいが、(1)の車高調整には、後突
のエネルギが効率的に吸収されるよう車輌のサイドメン
バを上方へ折れさせ易く、また後輪側及び前輪側の両方
が車高調整される場合に比してサイドメンバの前後方向
の傾斜角を小さくし、サイドメンバによるエネルギの吸
収を効果的に行わせることができ、更には後輪側の車高
調整装置のみを作動させればよいので消費エネルギを低
減することができるという利点がある。
【0094】また(2)の車高調整には、サイドメンバ
を上方へ折れさせ易く、また後輪をロッカに対する荷重
伝達材として機能させることにより後突による高い荷重
を支持することができるという利点があり、(3)の車
高調整には、サイドメンバを上方へ折れさせ易く、また
車輌の重心を過剰に高くすることなく、換言すれば車輌
の操縦安定性を大きく悪化させることなくリヤバンパの
高さを高くすることができるという利点がある。
【0095】また上述の第四の実施形態に於いては、車
輌の減速度を判定するための情報として車輌の前後加速
度Gx が使用されるようになっているが、車速Vの変化
率、ブレーキペダルの踏力、マスタシリンダ圧力等に基
づき車輌の減速度が判定されるよう修正されてもよい。
【0096】以上に於いては本発明を特定の実施形態に
ついて詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限
定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の
実施形態が可能であることは当業者にとって明らかであ
ろう。
【0097】例えば上述の第一及び第二の実施形態に於
いては、衝突の虞れがないときにはそれぞれそのままス
テップ140、300が実行されるようになっている
が、これらの実施形態に於いても衝突の虞れがない旨の
判別が行われたときには第三及び第四の実施形態に於け
るステップ490と同様の判別が行われてもよい。
【0098】また上述の各実施形態に於いて、衝突の影
響を低減するための車高調整が行われるときには、後方
確認用ミラーの後方視認性が変化しないよう車高調整に
応じて後方確認ミラーの角度が自動的に調整されてもよ
い。
【0099】更に上述の各実施形態に於いては、衝突の
虞れがないときには車高が標準車高に調整されるように
なっているが、その場合標準車高は車速が高いほど低く
なるよう設定されることによって高車速域に於ける車輌
の操縦安定性が向上されてもよく、また車輌の加減速時
や旋回時に於ける車体の姿勢変化を低減するよう車輌の
運転状況に応じた車高調整が行われるよう修正されても
よい。
【0100】
【発明の効果】以上の説明より明らかである如く、本発
明の請求項1の構成によれば、自車が他車に衝突する虞
れが推定され、衝突の虞れがあるときには車高調整装置
が作動され車高が衝突の影響を低減する車高になるよう
車高調整されるので、かかる車高調整が行われない場合
に比して車輌が衝突することによる影響を確実に低減す
ることができる。
【0101】また請求項2の構成によれば、相対的に接
近する他車の情報に基づき衝突の虞れが推定されるの
で、自車が他車に衝突する虞れを確実に推定することが
でき、また他車の情報に基づき衝突の影響を確実に低減
する車高に車高調整することができる。
【0102】また請求項3の構成によれば、自車の走行
状況の情報に基づき衝突の虞れが推定されるので、相対
的に接近する他車の情報を取得する手段を要することな
く自車が他車に衝突する虞れを推定することができる。
【0103】また請求項4の構成によれば、相対的に接
近する他車の画像情報が取得され、取得された他車の画
像情報に基づき衝突の虞れが推定されるので、自車若し
くは他車が車々間通信装置等の通信手段を有しない場合
にも相対的に接近する他車の情報を取得し、これにより
衝突の虞れを確実に推定することができる。
【0104】また請求項5の構成によれば、相対的に接
近する他車の情報が車々間通信により取得され、取得さ
れた他車の情報に基づき衝突の虞れが推定されるので、
他車の車速やバンパの高さを含む正確な情報を取得し、
これにより衝突の虞れを確実に且つ正確に推定すること
ができ、また自車のバンパの高さが確実に且つ正確に他
車のバンパの高さに近付くよう最適に車高調整すること
ができる。
【0105】また請求項6の構成によれば、相対的に接
近する他車の情報に基づき他車のバンパの高さが推定さ
れ、自車のバンパの高さが実質的に他車のバンパの高さ
になるよう車高調整されるので、衝突のエネルギを効果
的に且つ確実に吸収して自車及び他車が受ける衝突の影
響を確実に低減することができる。
【0106】また請求項7の構成によれば、走行時の周
囲状況の情報が取得され該周囲状況の情報に基づき衝突
の虞れが推定されるので、相対的に接近する他車の情報
を取得することなく衝突の虞れを推定することができ
る。
【0107】また請求項8の構成によれば、自車の運転
状況の情報が取得され該運転状況の情報に基づき衝突の
虞れが推定されるので、請求項7の構成の場合と同様、
相対的に接近する他車の情報を取得することなく衝突の
虞れを推定することができる。
【0108】また請求項9の構成によれば、自車のバン
パの高さが一般的な車輌のバンパの高さと実質的に同一
になるよう車高調整されるので、自車のバンパの高さが
調整されない場合に比して衝突のエネルギを効果的に且
つ確実に吸収して自車及び他車が受ける衝突の影響を低
減する可能性を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による車高調整装置を備えた車輌の第一
の実施形態を示す概略構成図である。
【図2】第一の実施形態に於ける車高調整の制御ルーチ
ンを示すフローチャートである。
【図3】本発明による車高調整装置を備えた車輌の第二
の実施形態を示す概略構成図である。
【図4】第二の実施形態に於ける車高調整の制御ルーチ
ンを示すフローチャートである。
【図5】本発明による車高調整装置を備えた車輌の第三
の実施形態を示す概略構成図である。
【図6】第三の実施形態に於ける車高調整の制御ルーチ
ンを示すフローチャートである。
【図7】本発明による車高調整装置を備えた車輌の第四
の実施形態を示す概略構成図である。
【図8】第四の実施形態に於ける車高調整の制御ルーチ
ンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
14FL〜14RR…ショックアブソーバ 16…油圧制御回路 18…車高センサ 20、22…ビデオカメラ 24…電子制御装置 26…車速センサ 28FL〜28RR…車高センサ 30、32…車々間無線通信装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 孝和 愛知県豊田市トヨタ町1番地トヨタ自動車 株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車高調整装置を備えた車輌にして、自車が
    他車に衝突する虞れを推定する推定手段と、衝突の虞れ
    があるときには前記車高調整装置を作動させて衝突の影
    響を低減する車高に車高調整する制御手段とを有するこ
    とを特徴とする車輌。
  2. 【請求項2】前記推定手段は相対的に接近する他車の情
    報を取得し該他車の情報に基づき衝突の虞れを推定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の車輌。
  3. 【請求項3】前記推定手段は自車の走行状況の情報を取
    得し該走行状況の情報に基づき衝突の虞れを推定するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の車輌。
  4. 【請求項4】前記推定手段は相対的に接近する他車の画
    像情報を取得する手段を含み、取得された他車の画像情
    報に基づき衝突の虞れを推定することを特徴とする請求
    項2に記載の車輌。
  5. 【請求項5】前記推定手段は相対的に接近する他車の情
    報を車々間通信により取得する手段を含み、取得された
    他車の情報に基づき衝突の虞れを推定することを特徴と
    する請求項2に記載の車輌。
  6. 【請求項6】前記推定手段は相対的に接近する他車の情
    報に基づき他車のバンパの高さを推定し、前記制御手段
    は自車のバンパの高さが実質的に他車のバンパの高さに
    なるよう前記車高調整装置を作動させることを特徴とす
    る請求項2に記載の車輌。
  7. 【請求項7】前記推定手段は走行時の周囲状況の情報を
    取得し該周囲状況の情報に基づき衝突の虞れを推定する
    ことを特徴とする請求項3に記載の車輌。
  8. 【請求項8】前記推定手段は自車の運転状況の情報を取
    得し該運転状況の情報に基づき衝突の虞れを推定するこ
    とを特徴とする請求項3に記載の車輌。
  9. 【請求項9】前記制御手段は自車のバンパの高さが一般
    的な車輌のバンパの高さと実質的に同一になるよう前記
    車高調整装置を作動させることを特徴とする請求項3に
    記載の車輌。
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