JP3633094B2 - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リチウムイオン二次電池に関し、更に詳しくは、ドープ−脱ドープ容量によって規定される容量、充放電効率が高く、サイクル特性に優れた炭素電極材料を使用したリチウム二次電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子機器の小型化に伴い高容量の二次電池が必要になってきており、ニッケル・カドミウム、ニッケル・水素電池に比べ、エネルギー密度の高いリチウムイオン二次電池が注目を集めてきている。その負極材料としては、はじめリチウム金属を用いることが試みられた。しかし、この材料は充放電を繰り返すうちにデンドライト状のリチウムがリチウム金属表面に成長してセパレータを貫通し、ついには正極にまで達して短絡し、発火事故をおこすことが判明した。これを改良するため充放電過程におけるリチウムの吸蔵を層間で行ない、リチウム金属の析出を防止できる炭素質材料を負極として使用することが見いだされた。その中には、特開平4− 237949で示される様に高分子炭化物、コークス、炭素繊維、石炭及び石油ピッチ焼成物、メソカーボンマイクロビーズ等の黒鉛質炭素など、より低い結晶化度と比重、ラマン分光、比表面積その他の特性により定義される炭素質物が提案されている。また、特開昭57−208079には炭素質物としては最も結晶化度が高い黒鉛を使用するとよいことが開示されている。しかしながら、黒鉛はリチウムイオンの黒鉛結晶中へのインターカレーションを充放電の原理として使用するため、最大リチウム導入化合物のLiCから算出される372mAh/g以上の容量が得られないという問題があった。
【0003】
一方、950℃以下で焼成した結晶化部分が極めて少ない炭素質物は黒鉛の理論容量372mAh/gよりも大きな容量を示すことが報告され、容量増大法として注目を集めている。この炭素質物は焼成温度の違いによって、容量、効率、ドープ容量と脱ドープ容量の差として定義される不可逆容量、充放電時の電位特性に差があることが知られている(Dahn et al. Science,270,590(1995) )。
【0004】
このように、炭素質物材料は、450℃程度までの温度域では、より低い温度で焼成するほど、初回のリチウムイオンの充電容量が大きくなる傾向を示すが、それに伴いドープ容量と脱ドープ容量の差として定義される不可逆容量も大きくなっていくという問題があった。即ち、通常の焼成方法では、高いリチウムイオン充電容量を示すものの、大きな不可逆容量をも合わせ持つために、950℃以下の低温域で焼成された炭素質物材料をリチウムイオン二次電池電極材料として、実用化することができなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そのため、本発明の目的は、脱ドープ容量が大きく、アモルファス炭素質物が有する本来の放電容量を効率よく引き出すことができる炭素質物を電極材料に用いたリチウム二次電池を提供するものである。
即ち、本発明の目的は、高容量で、充放電効率が高く、サイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池を提供に関するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記課題を解決するために、鋭意検討を重ねた結果、材料焼成前段階で原料の組成を適当な溶媒を用いて、抽出処理することで、従来の材料よりも充放電効率、特に放電容量を大幅に向上させた材料を調製可能であることを見出し、本発明に到達した。即ち、本発明の要旨は、有機物を200〜600℃で低温熱処理したものを、粒径1cm以下に粉砕したのち有機溶剤で抽出処理し、非溶解分を500〜950℃で高温熱処理することから成る負極材料の製造方法に存する(但し、石炭系重質油を熱処理し、生成した粗メソカーボンマイクロビーズを分離し、これに沸点範囲100〜500℃のタール中油を粗メソカーボンマイクロビーズ重量の0.1〜20倍量加え、100〜300℃で0.1〜20時間洗浄処理して、比表面積0.1〜7.0m 2 /g、真比重1.20〜1.50のメソカーボンマイクロビーズとし、これを焼成して負極材料とする方法を除く。)。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の炭素質物を得るための有機物について、説明する。
液相で炭素化が進行する有機物としては、軟ピッチから硬ピッチまでのコールタールピッチや乾留液化油などの石炭系重質油や、常圧残油、減圧残油等の直流系重質油、原油、ナフサなどの熱分解時に副生するエチレンタール等分解系重質油等の石油系重質油が挙げられる。
【0008】
さらにアセナフチレン、デカシクレン、アントラセンなどの芳香族炭化水素、フェナジンやアクリジンなどのN環化合物、チオフェンなどのS環化合物、30MPa以上の加圧が必要となるがアダマンタンなどの脂環、ビフェニルやテルフェニルなどのポリフェニレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコールなどの高分子があげられる。
【0009】
固相で炭素化が進行する有機物としては、セルロースや糖類などの天然高分子、ポリフェニレンサイルファイド、ポリフェニレンオキシド等の熱可塑性樹脂、フルフリルアルコール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、イミド樹脂等の熱硬化性樹脂などが挙げられる。
好ましくは、液相で炭素化が進行する有機物を使用する。
これらの有機物を好ましくは200〜600℃、0.1〜10時間、より好ましくは300〜500℃、1〜8時間、脱タール、ピッチ化等の前処理を行い、炭素質物前駆体を得る。得られた炭素質物前駆体を、好ましくは溶剤との接触表面を増加させる目的で粗粉砕する。この際の粒径は好ましくは1cm以下、更に好ましくは1mm以下、最も好ましくは100μm以下である。
【0010】
次に該炭素質前駆体を、ソックスレー抽出器等を用いて、有機溶剤抽出処理する。溶剤抽出処理後の該非溶解分を、好ましくは500〜950℃、更に好ましくは600〜800℃で焼成し、これを粉砕して、好ましくは5〜100μmの粒子を得る。この場合、溶剤抽出処理前の段階で、焼成後の目的の粒径に粉粒体の大きさを調整しておくことが、最も好ましい。この粉粒体の体積抵抗率としては10Ω・cm以上、10Ω・cm以下、比表面積が1m/g以上、100m/g以下、H/C(水素/炭素原子存在比)が0.1以上0.5以下で定義されるアモルファス炭素であることが好ましい。
【0011】
上記、溶剤抽出処理に用いる有機溶媒としては、トルエン可溶・キノリン可溶(TS・QS)が多く含まれる400℃までの温度で有機物を固形化した炭素質物前駆体には、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素が好ましく、トルエン不溶・キノリン可溶(TI・QS)が多く含まれる400以上500℃までの温度で有機物を固形化した炭素質物前駆体には、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素や四塩化炭素が、これ以上の温度で固形化した炭素質物前駆体には、ピリジン、キノリン、キノキサリンなどの含窒素芳香族化合物等が好ましい。
【0012】
本発明の炭素質物には電位及び充放電特性を改良するために、導電性フィラーを含有させることができる。該導電性フィラーの好適な具体例として、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等の導電性カーボンブラック、人造黒鉛(TIMAL社製T6,KS6、SFG6等)、天然黒鉛(関西熱化学社製NG2、NG7等)等の黒鉛粉末、気相成長炭素繊維等の炭素繊維、金属粉末としては、電池中の負極電位の関係からニッケル粉、銅粉、ステンレススチール粉が好ましい。
【0013】
特に、ニッケル粉は、導電性が良好で、耐酸化性にも優れているので好ましく、ニッケルテトラカルボニルの熱分解で製造されるカルボニルニッケル粉はその純度も高く、スパイク状突起を持つ球状粒子がフィラメント状につながった形状をしているため、粒子同士の接触性に優れ、導電パスを作りやすいので好ましい。
【0014】
また、炭素系フィラーは、炭素質物原料、特に重質油系原料との原料混合段階での相溶性に優れ、均一の組成を持つ複合材料を作製し易い。加えて、焼成後は、炭素質材料の導電性の向上及び、フィラー自身が持つリチウムイオン吸蔵、放出能による電極容量への寄与も得ることができる。
一般的に導電性フィラーを絶縁材料又は高抵抗材料に添加していくと、特定の体積分率で急速に抵抗が減少するいわゆるパーコレーション現象を示す。そのため、導電性フィラーの割合はパーコレーション閾値よりも大きいことが必要である。より具体的には導電性フィラー及び炭素質物の含有量は、好ましくは、最終調整された電極中で炭素質物が85〜50Vol.%で、導電性フィラーが15〜50Vol.%、更に好ましくは炭素質物が85〜65Vol.%で、導電性フィラーが15〜35Vol.%である。
【0015】
導電性フィラーの量が上記範囲以下では、低電位化、急速充放電特性の改善が少なく、また、上記範囲以上では、体積エネルギー密度、重量エネルギー密度の低下を引き起こす可能性がある。尚、上記範囲は原料仕込み比ではなく、最終的炭素質物の段階での含有量である。そのため、仕込み時には、最終段階での組成比を考慮して原料の配合量を決定する必要がある。
【0016】
これらの電極の製造方法について、次に説明する。
炭素質物の原料と導電性フィラーを加熱手段がある混合機で最終組成が上記範囲内となる仕込み比で混合し、200〜600℃で0.1〜5時間脱気、及び脱タール処理の前処理を行い、固形物を得た後、1cm以下、好ましくは1mm以下、より好ましくは100μm以下とした粉粒体を、適当な溶媒で抽出し、その残さを得る。その後、好ましくは500〜950℃で、0.5〜3時間、焼成を行って、導電性フィラー複合材料を得る。
【0017】
こうして得たアモルファス炭素質物を、好ましくは1〜100μm、更に好ましくは平均粒径5〜50μmの範囲に粉砕し、該粉砕物に結着剤、溶媒等を加えて、スラリー状とし、銅箔等の金属製の集電体の基板にスラリーを塗布・乾燥することで電極とする。また、該電極材料をそのままロール成形、圧縮成形等の方法で電極の形状に成形することもできる。
【0018】
上記の目的で使用できる結着剤としては、溶媒に対して安定な、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、芳香族ポリアミド、セルロース等の樹脂系高分子、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム等のゴム状高分子、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体、その水素添加物、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、その水素添加物等の熱可塑性エラストマー状高分子、シンジオタクチック12−ポリブタジエン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、プロピレン・α−オレフィン(炭素数2〜12)共重合体等の軟質樹脂状高分子、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン・エチレン共重合体等のフッ素系高分子、アルカリ金属イオン、特にリチウムイオンのイオン伝導性を有する高分子組成物が挙げられる。
【0019】
上記のイオン伝導性を有する高分子としては、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル系高分子化合物、ポリエーテル化合物の架橋体高分子、ポリエピクロルヒドリン、ポリフォスファゼン、ポリシロキサン、ポリビニルピロリドン、ポリビニリデンカーボネート、ポリアクリロニトリル等の高分子化合物に、リチウム塩、またはリチウムを主体とするアルカリ金属塩を複合させた系、、あるいはこれに炭酸プロピレン、炭酸エチレン、γ−ブチロラクトン等の高い誘電率を有する有機化合物を配合した系を用いることができる。この様な、イオン伝導性高分子組成物の室温におけるイオン導電率は、好ましくは10−5S/cm以上、より好ましくは10−3S/cm以上である。
【0020】
本発明に用いる炭素質物と上記の結着剤との混合形式としては、各種の形態をとることができる。即ち、両者の粒子が混合した形態、繊維状の結着剤が炭素質物の粒子に絡み合う形で混合した形態、または結着剤の層が炭素質物の粒子表面に付着した形態などが挙げられる。炭素質物と上記結着剤との混合割合は、炭素質物に対し、好ましくは0.1〜30重量%、より好ましくは、0.5〜10重量%である。これ以上の量の結着剤を添加すると、電極の内部抵抗が大きくなり、好ましくなく、これ以下の量では集電体と炭素質粉体の結着性に劣る。
【0021】
こうして作製した負極板と以下に説明する電解液、正極板を、その他の電池構成要素であるセパレータ、ガスケット、集電体、封口板、セルケース等と組み合わせて二次電池を構成する。作成可能な電池は筒型、角型、コイン型等特に限定されるものではないが、基本的にはセル床板上に集電体と負極材料を乗せ、その上に電解液とセパレータを、更に負極と対向するように正極を乗せ、ガスケット、封口板と共にかしめて二次電池とする。
【0022】
電解液用に使用できる非水溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、スルホラン、1,3−ジオキソラン等の有機溶媒の単独、または二種類以上を混合したものを用いることができる。
【0023】
これらの溶媒に0.5〜2.0M程度のLiClO,LiPF,LiBF,LiCFSO,LiAsF等の電解質を溶解して電解液とする。
また、リチウムイオン等のアルカリ金属カチオンの導電体である高分子固体電解質を、用いることもできる。
正極体の材料は、特に限定されないが、リチウムイオンなどのアルカリ金属カチオンを充放電時に吸蔵、放出できる金属カルコゲン化合物からなることが好ましい。その様な金属カルコゲン化合物としては、バナジウムの酸化物、バナジウムの硫化物、モリブデンの酸化物、モリブデンの硫化物、マンガンの酸化物、クロムの酸化物、チタンの酸化物、チタンの硫化物及びこれらの複合酸化物、複合硫化物等が挙げられる。好ましくは、Cr, V 13 VO, Cr MnO TiO MoV TiSMoS, MoSVS Cr0.250.75 Cr0.5 0.5 等である。また、LiMY(Mは、Co,Ni等の遷移金属YはO,S等のカルコゲン化合物),LiM(MはMn,YはO),WO等の酸化物、CuS,Fe0.250.75 Na0.1 CrS等の硫化物、NiPS FePS等のリン、硫黄化合物、VSe NbSe等のセレン化合物等を用いることもできる。これらを負極材と同様、結着剤と混合して集電体の上に塗布して正極板とする。
【0024】
電解液を保持するセパレーターは、一般的に保液性に優れた材料であり、例えば、ポリオレフィン系樹脂の不織布や多孔性フィルムなどを使用して、上記電解液を含浸させる。
評価内容の内、負極充放電容量、サイクル特性、及び電位−容量曲線等の測定については以下の様に行った。
【0025】
結着剤を用いペレット状に成形した上記の負極材料を、セパレーター、電解液と共に、対極をリチウム金属とした半電池とし、2016コインセル中に組み立て、充放電試験機で評価した。
一方、抵抗率は、結着剤を用いシート状に加工した上記の負極材料について、四探針法により表面抵抗を計測し、算出した。
【0026】
この様な条件でテストを行ったところ、本発明の炭素負極板中でのIRドロップが減少し、脱ドープ容量が増大した。
以上説明したように、本発明のリチウムイオン二次電池用電極は、原料重質油を脱タール、ピッチ化し、固形化した段階で、溶媒抽出処理による構造制御を行うことで、焼成後の炭素負極中のIRドロップが減少し、大きな脱ドープ容量を示すようになった。
【0027】
本発明のリチウム二次電池の性能向上の理由は、抵抗率の結果からも推察されるように、不可逆容量の大きさに関係する非常に未発達な炭素質物前駆体の結晶部分を、溶媒抽出によってある程度除去することにより、焼成後の材料に、より大きな結晶からなる部分的な規則構造が生成したこと、及び抵抗率の減少による材料内でのIR降下の減少が脱ドープ容量の向上をもたらしたものと考えられる。
【0028】
【実施例】
次に実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
(実施例)
内容積10リットルのステンレスバットにナフサ分解時に得られるエチレンヘビーエンドタール(三菱化学(株)社製)2Kgを投入し、これを内温が400℃に保たれた窒素ガス雰囲気下にある加熱オーブンに投入し、脱タール及び固形ピッチ化を4時間行った。これによりエチレンヘビーエンドタールの軽質留分の除去を行い、ブロック状固溶体である生成物を回収した。
【0029】
得られたものを最大5mm径に粉砕し、これをソックスレー用円筒濾紙内に充填し、抽出溶媒をトルエンとしてのべ24時間ソックスレー連続抽出装置により抽出を行った。抽出終了後、抽出残さを風乾、加熱乾燥した後、回分式加熱炉で不活性雰囲気下にて700℃に保ち、1時間熱処理した。これを粉砕し、振動式篩いにより粒径を7〜20μmに整えてからサンプルとした。該サンプルを元素分析し、H/Cを算出したところ、0.26であった。また、BET法比表面積は16m/gであった。
【0030】
この電極材料サンプル5gに、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)のジメチルアセトアミド溶液をを固形分換算で10重量%加えたものを攪拌し、スラリーを得た。このスラリーを銅箔上に塗布し、80℃で予備乾燥を行った。さらに圧着させたのち、直径20mmの円盤状に打ち抜き、110℃で減圧乾燥をして電極とした。
【0031】
また、同スラリーをポリエチレンテレフタレート薄膜上に塗布し、80℃で予備乾燥を行った。20cm×10cmの長方形以外の部分を除去したのち、110℃で減圧乾燥を行った。このものの抵抗率を測定した結果を表1に示す。
得られた電極に対し、電解液を含浸させたポリプロピレン製セパレーターをはさみ、リチウム金属電極に対向させたコイン型セルを作製し、充放電試験を行った。電解液には、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートを容量比1:1の比率で混合した溶媒に過塩素酸リチウムを1.0mol/Lの割合で溶解させたものを用いた。
【0032】
充放電試験は電流密度0.16mA/cmで極間電位差が0Vになるまでドープを行い、電流密度0.33mA/cmで極間電位差1.5Vになるまで脱ドープを行った。
容量値は、コイン型セル3個について各々5サイクル充放電試験を行い、それらの初回平均ドープ容量、初回平均脱ドープ容量、初回平均ドープ容量ー初回平均脱ドープ容量で表される不可逆容量、(初回平均脱ドープ容量/初回平均ドープ容量)x100(%)で表される充放電効率をそれぞれ算出して評価した。評価結果を表2に示す。
【0033】
(比較例)
原料である重質油を回分式加熱炉により700℃まで2時間で昇温、700℃で1時間保持し、脱タール、ピッチ化、及び焼成を一段階で行う以外は実施例と同様な操作を行った。
抵抗率を表1に、評価結果を表2に示す。
【0034】
【表1】
Figure 0003633094
【0035】
【表2】
Figure 0003633094
【0036】
【発明の効果】
本発明のリチウムイオン二次電池は、有機物を低温で焼成した炭素質材料でありながら、脱ドープ容量が大きく、高効率を発現できる高性能炭素電極材料を使用したものである。該炭素電極材料は、原材料内にある低結晶部分を溶剤抽出により、効率的に除去することによって材料固有の導電性を向上させるとともに、本来アモルファス炭素質物が有する放電容量を効率よく引き出すことができた。本発明のリチウムイオン二次電池は、高容量で、充放電サイクル特性に優れたものである。

Claims (8)

  1. 有機物を200〜600℃で低温熱処理したものを、粒径1cm以下に粉砕したのち有機溶剤で抽出処理し、非溶解分を500〜950℃で高温熱処理することから成る負極材料の製造方法(但し、石炭系重質油を熱処理し、生成した粗メソカーボンマイクロビーズを分離し、これに沸点範囲100〜500℃のタール中油を粗メソカーボンマイクロビーズ重量の0.1〜20倍量加え、10〜300℃で0.1〜20時間洗浄処理して、比表面積0.1〜7.0m 2 /g、真比重1.20〜1.50のメソカーボンマ
    イクロビーズとし、これを焼成して負極材料とする方法を除く。)。
  2. 重油質を200〜600℃で低温熱処理して炭素質物前駆体とし、これを粒径1cm以下に粉砕したのち有機溶剤で抽出処理し、非溶解分を500〜950℃で高温熱処理することから成る負極材料の製造方法(但し、石炭系重質油を熱処理し、生成した粗メソカーボンマイクロビーズを分離し、これに沸点範囲100〜500℃のタール中油を粗メソカーボンマイクロビーズ重量の0.1〜20倍量加え、10〜300℃で0.1〜20時間洗浄処理して、比表面積0.1〜7.0m 2 /g、真比重1.20〜1.5
    0のメソカーボンマイクロビーズとし、これを焼成して負極材料とする方法を除く)。
  3. 低温熱処理を300〜500℃で行う請求項1又は2記載の負極材料の製造方法。
  4. 粉砕を粒径1mm以下となるように行う請求項1ないし3のいずれかに記載の負極材料の製造方法
  5. ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、四塩化炭素、ピリジン、キノリン及びキノキサリンより成る群から選ばれた溶剤で抽出処理する請求項1ないし4のいずれかに記載の負極材料の製造方法。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の方法で製造された負極材料。
  7. 有機物を200〜600℃で熱処理し、粉砕したものを有機溶剤で抽出し、抽出残を更に500〜950℃で熱処理して得られた、体積抵抗率が10 1 Ω・cm以
    上で10 7 Ω・cm以下、比表面積が1m 2 /g以上で100m 2 /g以下、かつH/C(
    水素/炭素原子存在比)が0.1以上で0.5以下であるアモルファス炭素から成る負極材料。
  8. 請求項6又は7に記載の負極材料で作成した負極を有するリチウムイオン二次電池。
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