JP3632433B2 - コイン収納装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は自動販売機などのコイン処理装置に設けられ、投入されたコインを収納するコイン収納装置に関し、特に着脱可能に設けられるコイン収納装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動販売機などに内蔵されるコイン処理装置には、投入されたコインを収納しておくコイン収納装置が設けられている。このコイン収納装置には、各種コイン専用のコインチューブが形成されており、コイン処理装置上部のコインセレクタで振り分けられたコインがそれぞれ収納されるようになっている。
【0003】
従来、このようなコイン収納装置では、各コインチューブが別体に設けられていた。また、コイン収納装置自体がコイン処理装置に固定されていた。このため、コイン収納装置からコインを回収する場合には、カバーを取り外すか払い出し装置を駆動することにより各コインチューブから回収コインを取り出す必要があり、作業が面倒であった。
【0004】
そこで、最近では、コインチューブを一体化し、コイン処理装置から容易に着脱可能としたコイン収納装置がある。このコイン収納装置ならば、装置ごと持ち運びが可能なので、回収作業も簡単である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の取り外し可能なコイン処理装置では、コインチューブの上側部分が解放されているため、持ち運びのときにコインが外へ飛び出してしまうおそれがあった。この対策として、上側開口部がコインの面積よりも小さくなるように少し塞ぎ、投入するときには、ややコインを傾けてコインチューブ内に収納するようにしたものがある。こうすれば、コインチューブ内でコインは平積みされているので、開口部から外に飛び出しにくくなる。ところが、コインを回収するときには、この開口部を塞いでいる部分が邪魔になり、作業効率が悪いという問題があった。
【0006】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、コインの飛び出しを防止でき、かつ回収作業が簡単なコイン収納装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明では上記課題を解決するために、自動販売機などのコイン処理装置に着脱可能に設けられ、投入されたコインを収納するコイン収納装置において、各種コインを収納するための複数の溝を有する本体ケースと、前記本体ケースの各溝と協同してコインチューブを形成するカバーと、前記カバーの上部に開閉可能に設けられ、閉じたときには前記コインが投入可能な程度の隙間を開けて前記各コインチューブの上側開口部分を保護する一方、開いたときには前記上側開口部を解放する補助カバーと、を有することを特徴とするコイン収納装置が提供される。
【0008】
このようなコイン収納装置では、本体ケースの溝とカバーとが協同して形成された各コインチューブ内にコインが投入される。このとき、コインチューブの上側開口部は、補助カバーによって保護されているが、隙間からコインをコインチューブ内に投入することができる。そして、一旦コインチューブ内に収納されたコインは、補助カバーの作用により、コイン収納装置を持ち運ぶときに容易に外に飛び出すことがない。
【0009】
その一方、コインチューブ内のコインを回収するときには、補助カバーを開くことにより、上側開口部が解放されるので、コイン収納装置を逆さにすれば、容易にコインを取り出すことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図2は本形態のコイン収納装置の外観構成を示す正面図である。また、図3は図2のコイン収納装置の上面図、図4は図2のコイン収納装置の右側面図、さらに図5は図2のコイン収納装置の左側面図である。コイン収納装置10は、図示されていないコイン処理装置(いわゆるコインメカニズム)に着脱可能に取り付けられ、収納コインは釣銭として払い出される。
【0011】
このコイン収納装置10は、各図2〜4に示すように、概ね本体ケース11およびカバー12で形成されている。
本体ケース11には、図3に示すように、5本の半円形の溝11a,11b,11c,11d,11eが形成されている。一方、カバー12にも、半円形の溝12a,12b,12c,12d,12eが、それぞれ溝11a,11b,11c,11d,11eと対向するように形成されている。また、それぞれ対向する溝どうしが協同して、コインチューブ21,22,23,24,25を形成している。
【0012】
コインチューブ21,22,23,24は、例えばそれぞれ500円玉、100円玉、10円玉、50円玉用のコインチューブである。一方、コインチューブ25は、予備用の手動補給コインチューブで他のチューブ21〜24より長く形成され、例えば釣銭用の10円又は100円コインを収納しておくために用いられる。各コインチューブ21〜24には、上方に設けられた図示されていないコインセレクタから振り分けられたコインC1(図2参照)が自動補給され、平積みされる。
【0013】
カバー12は、図2に示すように、下側の固定部121と、中間部の開放カバー13と、上部の補助カバー14とから構成されている。開放カバー13の両側面には、それぞれ取り付け片131,132が形成されている。開放カバー13は、これら取り付け片131,132を介して、固定部121に軸支されている。開放カバー13は、両側のツマミ133,134を持つことにより、図2の前後方向に開閉可能となっている。
【0014】
開放カバー13の上部には、補助カバー14が取り付けられている。補助カバー14の一端部には、取り付け片141が形成されている。補助カバー14は、この取り付け片141を介して開放カバー13に軸支されている。また、補助カバー14は、図2に示すように、開放カバー13の取り付け部135に取り付けられたバネ141aによって、閉じる方向に付勢されている。この付勢力は、後述するように、コインの重みを受けたときには十分に補助カバー14が開く程度に設定されている。
【0015】
また、補助カバー14の取り付け片141と反対側の端部には、レバー142が形成されている。このレバー142の端部のスイッチ部142aは、図2の手前側に適度な角度だけ屈曲している。このため、スイッチ部142aを押すと、図4に示す屈曲部142bが開放カバー13を押すので、補助カバー14を開くことができる。
【0016】
補助カバー14の上側端部には、図3に示すように、コインチューブ21,22,23,24の上側面を適度に覆う保護部14a,14b,14c,14dが形成されている。ただし、保護部14a,14b,14c,14dの侵入量は、各コインチューブ21,22,23,24の断面の半分よりも少なくなるように設定されている。これにより、コインC1の直径分の隙間が確保されるので、コインC1がどのような角度で落下してきても、確実に各コインチューブ21,22,23,24内に収納される。
【0017】
次に、このような構成を有する本形態のコイン収納装置10の動作について説明する。
図6はコイン収納動作時の状態を示すコイン収納装置10の側断面図である。ここでは、例えばコインチューブ23部分を断面にした状態を示している。コイン収納動作のときは、カバー12の開放カバー13および補助カバー14は閉じられている。上方のコインセレクタから投下されたコインC2は、開口部23aからコインチューブ23内に収納される。このとき、コインC2は、その面がカバー12側を向いて落下してくるので、十分に開口部23aを通過することができる。開口部23aを通過したコインC2は、コインチューブ23内に平積みされる。
【0018】
一旦コインチューブ23内に収納されたコインC2は、補助カバー14の保護部14cで保護されるので、コイン収納装置10を運ぶときに揺れても、コインチューブ23から飛び出すことが防止される。
【0019】
なお、他のコインチューブ21,22,24についても、同様の動作および効果が得られる。
次に、収納されたコインを回収するときの動作について説明する。
【0020】
図7はコインを回収するときのコイン収納装置10の動作状態を示す側面図である。コインを回収するときは、コイン収納装置10を逆さにすると、各コインチューブ内のコインの重みで補助カバー14が図のように開く。コインの重みだけでは補助カバー14が十分に開かないときには、レバー142のスイッチ部142aを押すことにより、容易に開くことができる。
【0021】
図1は実際にコイン収納装置10を逆さにしたときのコインの回収動作を示す側断面図である。なお、ここでは、図6と同様に、コインチューブ23部分を断面にした状態を示している。前述したように、コイン収納装置10を逆さにすると、コインC2の重みにより、図2で示したバネ141aの付勢力に抗して、補助カバー14が開く。これにより、開口部23aの保護部14cにより塞がれていた部分が開放されるので、コインC2は簡単にコインチューブ23から落下し、容易に回収することができる。
【0022】
コインの回収後は、バネ141aの力により、補助カバー14は自動的に閉じられ、図4などのような状態に戻る。よって、補助カバー14の閉め忘れによるコインのこぼれなどを防止することができる。
【0023】
次に、コインチューブ内でコインが詰まるなどの不具合が発生した場合の処置について説明する。
コイン収納装置10において、コインチューブ内でコインが詰まるなどの不具合が発生した場合には、図2で示したツマミ133,134を掴んで引っ張る。すると、図8に示すように、開放カバー13が開き、コインチューブ21,22,23,24,25内部の大部分が開放される。
【0024】
図9は開放カバー13を開いた状態を示す側断面図である。なお、ここでは、コインチューブ23部分を断面にした状態を示している。コインチューブ23内で例えばコインC3が立った状態で収納されたときなどは、コインの詰まりが発生し、それ以後のコイン収納動作が不良となる。そこで、図のように開放カバー13を開くと、不具合の要因となっているコインC3などを取り出すことができるので、簡単に不具合を解消できる。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように本発明では、本体ケースの各溝と協同してコインチューブを形成するカバーの上部に、コインが投入可能な程度の隙間を開けて各コインチューブの上側開口部分を保護する一方、開いたときには上側開口部を解放する補助カバーを設けるようにしたので、一旦コインチューブ内にコインを収納すれば、補助カバーの作用により、コイン収納装置を持ち運ぶときにコインが外に飛び出すことが防止できる。
【0026】
その一方で、コインチューブ内のコインを回収するときには、補助カバーを開くことにより、上側開口部が解放されるので、コイン収納装置を逆さにすれば、容易にコインを取り出すことができ、作業が簡単となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実際にコイン収納装置を逆さにしたときのコインの回収動作を示す側断面図である。
【図2】本形態のコイン収納装置の外観構成を示す正面図である。
【図3】図2のコイン収納装置の上面図である。
【図4】図2のコイン収納装置の右側面図である。
【図5】図2のコイン収納装置の左側面図である。
【図6】コイン収納動作時の状態を示すコイン収納装置の側断面図である。
【図7】コインを回収するときのコイン収納装置の動作状態を示す側面図である。
【図8】開放カバーを開いた状態を示す側面図である。
【図9】開放カバーを開いた状態を示す側断面図である。
【符号の説明】
10 コイン収納装置
11 本体ケース
11a,11b,11c,11d,11e 溝
12 カバー
13 開放カバー
14 補助カバー
14a,14b,14c,14d 保護部
21,22,23,24,25 コインチューブ
23a 開口部
C1,C2,C3 コイン
Claims (4)
- 自動販売機などのコイン処理装置に着脱可能に設けられ、投入されたコインを収納するコイン収納装置において、
各種コインを収納するための複数の溝を有する本体ケースと、
前記本体ケースの各溝と協同してコインチューブを形成するカバーと、
前記カバーの上部に開閉可能に設けられ、閉じたときには前記コインが投入可能な程度の隙間を開けて前記各コインチューブの上側開口部分を保護する一方、開いたときには前記上側開口部を解放する補助カバーと、
を有することを特徴とするコイン収納装置。 - 前記補助カバーを前記閉じる方向に付勢する弾性部材を有することを特徴とする請求項1記載のコイン収納装置。
- 前記補助カバーを押し開くためのスイッチ部を有することを特徴とする請求項1記載のコイン収納装置。
- 前記各コインチューブの側面の大部分を開放可能にする開放カバーを前記カバーに取り付け、かつ前記開放カバーに前記補助カバ−を取り付けたことを特徴とする請求項1記載のコイン収納装置。
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JP08864198A JP3632433B2 (ja) | 1998-04-01 | 1998-04-01 | コイン収納装置 |
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- 1998-04-01 JP JP08864198A patent/JP3632433B2/ja not_active Expired - Fee Related
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