JP3632250B2 - 磁気センサ用被検出体ロータ及びその製造方法及び回転検出装置 - Google Patents
磁気センサ用被検出体ロータ及びその製造方法及び回転検出装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3632250B2 JP3632250B2 JP19769895A JP19769895A JP3632250B2 JP 3632250 B2 JP3632250 B2 JP 3632250B2 JP 19769895 A JP19769895 A JP 19769895A JP 19769895 A JP19769895 A JP 19769895A JP 3632250 B2 JP3632250 B2 JP 3632250B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- detected
- rotor
- magnetic
- rotating shaft
- rotation
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Transmission And Conversion Of Sensor Element Output (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば車両における車速検出やエンジン回転検出、さらには一般機械における各種回転検出を行う装置等にあって、磁気センサによる被検出体として被検出回転軸に装着される磁気センサ用被検出体ロータ及びその製造方法、並びに同被検出体ロータを用いた回転検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、磁気センサを用いて回転検出を行う装置にあっては通常、図10に示されるような磁気抵抗素子の抵抗値変化を利用して、その被検出体であるロータの回転を検出するようにしている。
【0003】
すなわち、適宜の絶縁基板上に配設された磁気抵抗素子MREに対し、図10(a)に示される態様で電流を流すと、その電流方向に平行な磁界Bxの強度を増加させていった場合には、磁気抵抗素子MREの抵抗値は約0.3%増加し、また電流方向に垂直な磁界Byの強度を増加させていった場合には、同抵抗値は4.0%ほど減少する。一方、上記基板に垂直な磁界Bzを印加しても、同磁気抵抗素子MREの抵抗値は変化しない。これら磁界強度(磁束密度)と抵抗値変化率との関係をまとめると図10(b)のようになる。
【0004】
以下、上記被検出体ロータとして、例えば磁性体材料の焼結によって造られたギアを用いたタイプのものを例にとって、磁気抵抗素子のこうした特性に基づき該磁性体ギア(ロータ)の回転を検出する同磁気センサとしての基本構造を説明する。
【0005】
はじめに、上記抵抗値変化の大きい磁界を利用する例えば図11に示されるような配置、すなわちギアGの各歯に平行となるように上記磁気抵抗素子MREを配置するいわゆる「平行配置」について説明する。なお、同図11において、符号BMは、磁性体からなるギアGの歯方向からバイアス磁界を印加するバイアス磁石を示している。
【0006】
この図11に示されるように、磁気抵抗素子MREを平行配置することにより、ギアGの回転に伴う磁気ベクトルの角度推移に応じた同磁気抵抗素子MREの抵抗値変化率は、図12に示される態様となる。
【0007】
すなわち、磁気抵抗素子MREの取付ずれのないときの磁気ベクトルの振れ角は、図12(a)に「振れ角1」として示す領域で変化するため、そのときの同磁気抵抗素子MREの抵抗値変化波形は、図12(b)に示されるように大きな変化を示すようになる。なおこのとき、上記抵抗値変化率特性の急峻な傾き部分を利用すべく、図11に示される態様で、上記バイアス磁石BMの中心を同磁気抵抗素子MREの中心からずらしている。
【0008】
一方、磁気抵抗素子MREの取付ずれが「+1mm」となると、磁気ベクトルの振れ角は、図12(a)に「振れ角2」として示す領域に移動する。このため同磁気抵抗素子MREの抵抗値変化は、同図12(c)に示されるように極端に減少するようになる。
【0009】
また逆に、磁気抵抗素子MREの取付ずれが「−0.4mm」となると、磁気ベクトルの振れ角は、図12(a)に「振れ角3」として示す領域に移動する。そしてこの場合には、上記磁気ベクトルが最大に(22°)振れると、一旦増加した抵抗値が同特性波形のピークを超えて減少し、図12(d)に示されるようないわゆる「波形割れ」を起こしてしまう。すなわちこの場合、上記取付ずれのないときに比べて2倍の数のパルスが出力されるようになり、実用上、大きな不都合を招くこととなる。
【0010】
なお、磁気抵抗素子MREを平行配置するこうしたセンサ構成にあっては、同磁気抵抗素子MREの感磁面とギアGの山部分とのエアギャップが小さい場合にも、磁気ベクトルが振れすぎて、上記「波形割れ」が起こり易くなる。
【0011】
そこで従来は、上記磁界Bxと磁界Byとの合成磁界によって磁気抵抗素子MREの抵抗値が変化するように、同磁気抵抗素子MREを上記磁気ベクトルの振れ角に対し45°傾けて且つ、磁石面に垂直に配置するセンサ構造も検討されている。
【0012】
こうしたセンサ構造は、上述した「平行配置」に対していわゆる「垂直配置」と称され、基本的には図13に示される構成となる。
すなわちこの垂直配置にあっては、同図13に示されるように、バイアス磁石BMに垂直に配設される基板上に第1及び第2の磁気抵抗素子MREが各々磁気ベクトルの振れ角に対し45°傾けて配置される。そして、ギアGの回転に伴う磁気ベクトルの角度推移に応じたそれら磁気抵抗素子MREの抵抗値変化率は、図14に示される態様となる。
【0013】
因みにこの場合、磁気抵抗素子MREの取付ずれが「−1mm」であれば、図14(a)に「振れ角1」として示す領域でその抵抗値が変化し、また同磁気抵抗素子MREの取付ずれが「+1mm」であれば、図14(a)に「振れ角2」として示す領域でその抵抗値が変化する。これら何れの場合であれ、磁気ベクトルの振れ角が同抵抗値変化率波形のピークを超えることはないため、図14(b)或いは(c)に示されるように、上記「波形割れ」が起こる懸念もない。
【0014】
ただしこの場合、図14(b)及び(c)に併せ示されるように、それら磁気抵抗素子の取付ずれによる抵抗値のオフセットが発生することとなり、その出力を処理する回路としても、該オフセットを吸収することのできる精度の高い回路が必要となる。またこの場合、上記「平行配置」のものに比べて磁気抵抗素子の感度も同図14に示されるように低下する。
【0015】
このように、回転検出を行う装置に用いられる磁気センサとしては基本的に、磁気抵抗素子MREを「平行配置」した構造と「垂直配置」した構造とがあり、それぞれ上述のような一長一短を有している。そして近年は、それら構造の何れであれ、それぞれその長所を生かすかたちで実用が図られている。
【0016】
ところで、以上では便宜上、磁性体材料の焼結により造られたギアを被検出体ロータとして用いるいわゆる磁性体ギアタイプのもの(例えば特開平6−174490号公報参照)を例にとって該磁気センサとしての構造を説明したが、このような磁気センサとしては他に、回転軸に取り付けられる被検出体ロータ自身が複数の磁極を持つように着磁されたいわゆる着磁ロータタイプのもの(例えば特開平6−241829号公報参照)もある。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
磁気抵抗素子を「平行配置」した構造であれ、或いは「垂直配置」した構造であれ、こうした磁気センサにあっては上述のように、被検出体ロータである磁性体ギア若しくは着磁ロータの回転に伴う磁気ベクトル変化の有無に基づいて、同ロータの回転を検出するようにしている。
【0018】
ただし、上記着磁ロータタイプの磁気センサは、そのロータを製造するのに、マグネット材料の他、上記着磁を行うための工程が必要であり、自ずとその製造コストも高くつく不都合がある。
【0019】
他方、上記磁性体ギアタイプの磁気センサの方は、比較的低コストの焼結材料を用いることで、またその着磁工程を必要としない分だけ、着磁ロータタイプの磁気センサよりは製造コストの低減を図ることができるものの、その焼結処理等にかかる設備や手間を考慮すると、やはりその製造コストや手間も無視できないものとなっている。
【0020】
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、コスト的にも安価なより簡易な構造を有して、バイアス磁界の印加された磁気抵抗素子に対し好適に磁気ベクトル変化を付与することのできる磁気センサ用被検出体ロータを提供することを目的とする。
【0021】
またこの発明は、こうした簡易な構造を有する磁気センサ用被検出体ロータの好適な製造方法を提供することを目的とする。
またこの発明は、こうした磁気センサ用被検出体ロータを用いて、簡易ながら十分精度の高い回転検出を行うことのできる回転検出装置を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
こうした目的を達成するため、請求項1記載の発明では、検出対象となる回転軸に装着され、背後からバイアス磁界の印加された磁気抵抗素子に対し同回転軸の回転に対応した磁気ベクトル変化を付与する磁気センサ用被検出体ロータとして、前記磁気抵抗素子に対し前記回転軸の回転に対応した磁気ベクトル変化を付与する磁性体が、同回転軸と直角な断面において、ロータ外周に所定の配設周期をもって点状に存在する構造を有する被検出部を具え、前記被検出部を、磁性体からなる略U字状の線材が前記回転軸の軸芯を中心に放射状に配設されてなるものとして構成する。
【0028】
また、請求項2記載の発明では、検出対象となる回転軸に装着され、背後からバイアス磁界の印加された磁気抵抗素子に対し同回転軸の回転に対応した磁気ベクトル変化を付与する磁気センサ用被検出体ロータとして、前記磁気抵抗素子に対し前記回転軸の回転に対応した磁気ベクトル変化を付与する磁性体が、同回転軸と直角な断面において、ロータ外周に所定の配設周期をもって点状に存在する構造を有する被検出部を具え、前記被検出部を、前記回転軸に装着される円柱形非磁性体ロータの外周面にその周方向に沿って周期配設された磁性体鋲によって構成する。
【0032】
また、請求項3記載の発明では、当該ロータ形状に対応した型の内面に沿って磁性体からなる多数の鋲を所定間隔に保持する工程と、前記型に非磁性材料を流し込んで該保持した磁性体鋲を固着する工程とを具えて前記磁気センサ用被検出体ロータを製造する。
【0036】
また、請求項4記載の発明では、検出対象となる回転軸に装着され、同回転軸と直角な断面においてその外周に所定の配設周期をもって点状に磁性体が存在する構造を有する被検出部を具える被検出体ロータと、この被検出体ロータの前記被検出部に向けてバイアス磁界を発生するバイアス磁石と、この発生されるバイアス磁界内に配設されて前記被検出体ロータの回転に伴う磁気ベクトルの変化を電気信号の変化に変換する磁気抵抗素子と、この変換された電気信号を所要に処理して前記検出対象となる回転軸の回転情報を得る信号処理回路とを具える回転検出装置として、前記被検出体ロータを、磁性体からなる略U字状の線材が前記回転軸の軸芯を中心に放射状に配設されてなる被検出部を具えるものとして構成する。
【0039】
また、請求項5記載の発明では、検出対象となる回転軸に装着され、同回転軸と直角な断面においてその外周に所定の配設周期をもって点状に磁性体が存在する構造を有する被検出部を具える被検出体ロータと、この被検出体ロータの前記被検出部に向けてバイアス磁界を発生するバイアス磁石と、この発生されるバイアス磁界内に配設されて前記被検出体ロータの回転に伴う磁気ベクトルの変化を電気信号の変化に変換する磁気抵抗素子と、この変換された電気信号を所要に処理して前記検出対象となる回転軸の回転情報を得る信号処理回路とを具える回転検出装置として、前記被検出体ロータを、前記回転軸に装着される円柱形非磁性体ロータの外周面にその周方向に沿って周期配設された磁性体鋲からなる被検出部を具えるものとして構成する。
【0040】
また、請求項6記載の発明では、これら請求項4又は5に記載の発明の構成において、前記磁気抵抗素子を、前記バイアス磁石から発せられる磁力線とのなす角度が互いに45度傾き、且つ、同バイアス磁石の着磁面に垂直に配置された2つの素子からなるものとして構成する。
【0041】
これら各発明による作用は以下の通りである。
請求項1記載の発明によるように、上記磁気センサ用被検出体ロータとして
・前記磁気抵抗素子に対し前記回転軸の回転に対応した磁気ベクトル変化を付与する磁性体が、同回転軸と直角な断面において、ロータ外周に所定の配設周期をもって点状に存在する構造を有する被検出部を具える。
といった構成によれば、磁気抵抗素子の背後から印加される前記バイアス磁界にあって、その磁気ベクトルは、上記点状に存在する磁性体の通過のみに基づいて変化する(振られる)ようになる。また、同被検出体ロータと磁気抵抗素子との関係においても要は、被検出体ロータがその回転に伴い、磁気抵抗素子に対してこうした磁気ベクトル変化を付与し得ることで十分でもある。
【0042】
したがって、請求項1記載の発明の同構成によれば、上記回転軸と直角な断面において、磁性体がロータ外周に所定の配設周期をもって点状に存在するだけの極めて簡易な構成でありながら、磁気抵抗素子に対して磁気ベクトル変化を付与するための必要十分な機能が実現されるようになる。
【0045】
特に、請求項1記載の発明によるように、上記被検出部を、
・磁性体からなる略U字状の線材が前記回転軸の軸芯を中心に放射状に配設されてなるもの。
として構成することにより、上記回転軸と直角な断面においては、磁性体がロータ外周に所定の配設周期をもって点状に存在する構造となり、上述の如く磁気抵抗素子に対して磁気ベクトル変化を付与するための必要十分な機能が実現されるようになる。なお、請求項1記載の発明の同構成には、樹脂等の非磁性体からなる円柱状(円盤状)のロータに対して上記磁性体線材がその軸芯を中心に放射状に巻回されたものなども含まれる。
【0046】
また、上記被検出部は他にも、例えば請求項2記載の発明によるように、
・前記回転軸に装着される円柱形非磁性体ロータの外周面にその周方向に沿って周期配設された磁性体鋲からなるもの。
として構成することもできる。
【0047】
この構成によれば、同磁気センサ用被検出体ロータ並びにその被検出部としての強度を十分に確保した上で、上述した回転軸と直角な断面においては磁性体がロータ外周に所定の配設周期をもって点状に存在する構造が実現されるようになる。そしてこのため、この構成によっても、磁気抵抗素子に対して好適に磁気ベクトル変化を付与することができるようになる。
【0051】
一方、こうした磁気センサ用被検出体ロータの製造方法として、請求項3記載の発明によるように、
(D1)当該ロータ形状に対応した型の内面に沿って磁性体からなる多数の鋲を所定間隔に保持する工程。
(D2)前記型に非磁性材料を流し込んで、この保持した磁性体鋲を固着する工程。
といった各工程を具える方法によれば、特に上記請求項2記載の発明にかかる同磁気センサ用被検出体ロータについてこれを、高精度且つ高能率に製造することができるようになる。なおこの場合、上記型に流し込む非磁性材料としては樹脂等がある。
【0053】
なお、上記被検出体ロータとしての被検出部(磁性体)の数若しくは配設周期は、その所望される回転角度情報に応じて任意であるが、
(イ)被検出部の数を多くすると上記磁気ベクトルの振れ角が小さくなり、上記磁気抵抗素子により変換される電気信号のS/Nは悪化する。
(ロ)被検出部の配設周期(間隔)が同じであれば、被検出部の各々を構成する磁性体の幅(回転方向への長さ)を狭くした方が上記磁気ベクトルの振れ角は大きくなる。すなわち、上記磁気抵抗素子により変換される電気信号のS/Nは向上する。また、この電気信号の波形も、より正弦波に近い、歪みの少ない波形となる。
といった出力との関係もあるため、実用上は、その形状等も含めてこうした実情を考慮した最適化が図られることが望ましい。
【0054】
また、こうした被検出体ロータの具体的形態としては、例えば請求項4記載の発明による
・磁性体からなる略U字状の線材が前記回転軸の軸芯を中心に放射状に配設されてなる被検出部を具えるもの。
或いは、請求項5記載の発明による
・前記回転軸に装着される円柱形非磁性体ロータの外周面にその周方向に沿って周期配設された磁性体鋲からなる被検出部を具えるもの。
等々、がある。
【0055】
特に、上記請求項5記載の発明にあっては、被検出体ロータ並びにその被検出部としての強度を十分に確保した上で、当該回転検出装置としても上記磁気抵抗素子に対し磁気ベクトル変化を付与するための必要十分な構成が実現されるようになる。しかも、この請求項5記載の発明の場合、被検出体ロータの上記被検出部以外の部分は全て樹脂等の非磁性体によって構成されるため、同被検出部の通過を磁気的に検出する当該回転検出装置にとっては、その検出精度も極めて良好なものとなる。なお、上記請求項4又は5記載の発明にかかる被検出体ロータの構成は、それぞれ先の請求項1又は2記載の発明に対応したものとなっており、該回転検出装置としてそれら被検出体ロータに基づき奏される作用も、各々それら発明に準じたものとなる。
【0056】
他方、請求項6記載の発明によるように、回転検出装置を構成する上記磁気抵抗素子に、
・前記バイアス磁石から発せられる磁力線とのなす角度が互いに45度傾き、且つ、同バイアス磁石の着磁面に垂直に配置された2つの素子からなる。
といったいわゆる「垂直配置」が採用される場合には、感度的には多少低下するものの、前述した「波形割れ」等の生じない安定したセンサ出力が得られるようになる。
【0057】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1に、この発明にかかる磁気センサ用被検出体ロータ及び該被検出体ロータを用いた回転検出装置の第1の実施形態を示す。
【0058】
この第1の実施形態にかかる回転検出装置は、例えば車両における車速検出やエンジン回転検出、さらには一般機械における各種回転検出を行う装置として構成されている。そして、特に同装置にあっては、検出対象となる回転軸に装着される被検出体ロータとして、図1に示されるような簡易な形状を有する磁性体板からなる円盤が用いられる。
【0059】
はじめに、同図1を参照して、この実施形態にかかる被検出体ロータの構造について説明する。
図1に示されるように、この被検出体ロータ2は、例えば車軸やエンジン出力軸、或いは各種機械の回転軸等、検出対象となる回転軸1に嵌入装着され、当該回転軸1の回転に伴って、例えば図中に矢指する態様で回転する。
【0060】
また、同被検出体ロータ2には、上記回転軸1に嵌入装着される適宜の磁性体板の周囲に短冊状の突起部分が設けられており、この突起部分が直角に折り曲げられて、該ロータ2としての被検出部21が形成されている。すなわち、この被検出部21は、上記回転軸1と直角な断面、より正確には、同回転軸1と直角で且つ磁気センサ3のセンサ部と対向する断面において、ロータ外周に所定の配設周期をもって磁性体が点状に存在する構造となる。
【0061】
図2に、同回転検出装置の正面(回転軸1の軸方向)から見たこれら被検出体ロータ2と磁気センサ3との配置関係を示す。
次に、同図2を併せ参照して、同回転検出装置としての基本動作について説明する。
【0062】
この図2に示されるように、上記磁気センサ3は、前述の「垂直配置」された磁気抵抗素子MREを有して構成されるセンサ部31と、その背後からバイアス磁界を印加するバイアス磁石32とを基本的に有して構成されている。このため、このバイアス磁石32から印加されるバイアス磁界中を被検出体ロータ2の上記周期配設された被検出部(磁性体)21が通過するたびに、上記センサ部31上の磁気ベクトルに変化(振れ)が生じ、この磁気ベクトルの変化が、同センサ部31を構成する上記2つの磁気抵抗素子MREによって電気信号に変換されるようになる。この変換された電気信号は、図1に示される処理回路4に入力されて2値化され、この2値化された信号が上記検出対象である回転軸1の回転情報として図示しないマイクロコンピュータ等からなる演算回路に取り込まれるようになる。因みに演算回路では、上記2値化された信号の周期から同回転軸1の回転速度を演算し、同じく該2値化された信号の数から同回転軸1の回転角度を演算することとなる。
【0063】
なお、上記「垂直配置」された磁気抵抗素子MREの具体構造、並びにそれら素子による磁電変換動作については、先の図13及び図14に基づいて既述した通りである。
【0064】
図3に、被検出体ロータとして上記ロータ2を用いた同実施形態にかかる回転検出装置と従来の磁性体ギアタイプのものを用いた回転検出装置とについて各々実験にて得られた出力特性を参考までに示す。
【0065】
この図3において、図3(a)は、被検出体ロータ2として、直径75mmのものに幅1mmの被検出部21が48個設けられたロータを使用した同実施形態にかかる回転検出装置の出力特性(磁気センサ3の出力)を示している。
【0066】
また同図3において、図3(b)は、被検出体ロータとして、直径71mm、48歯(三角歯)からなる磁性体焼結ギアを使用した従来の回転検出装置の出力特性(磁気センサ出力)を示している。
【0067】
なお、これら回転検出装置は、その使用する被検出体ロータが異なるのみで、磁気センサその他の構成は全て共通したものとなっている。
これら図3(a)及び(b)を対比して明らかなように、被検出体ロータの構造は上述の如く大きく異なるものの、それらロータの回転に伴い磁気センサから得られる出力は殆ど同等の正弦波特性となっている。感度的にはむしろ、上記被検出体ロータ2を使用した同実施形態にかかる回転検出装置の方が優れているともいえる。何れにしろこの実験結果によれば、同実施形態にかかる回転検出装置であれ、磁性体焼結ギアを使用した従来の回転検出装置と何等遜色のない特性が得られることが判る。
【0068】
またついでながら、同実施形態にかかる回転検出装置において、上記被検出体ロータ2の被検出部21の幅や数を変えた場合についてもその出力特性の採取を行ったので、その結果を図3(c)及び(d)として併せ示す。
【0069】
図3(c)に示されるように、上記被検出部21としての突起の幅を2mmと大きくした場合には、その感度(出力レベル)が多少低下するとともに、波形もやや歪んだものとなる。これは、被検出部21の幅に相当する期間、磁気ベクトルの振れが抑制されることに起因する。
【0070】
一方、図3(d)に示されるように、同被検出部21としての突起の数を72個に増やした場合には、その感度(出力レベル)が大きく低下する。これは、被検出部21の配設ピッチが小さいために磁気ベクトルの十分な振れが得られないことに起因する。
【0071】
このため実用上は、被検出部21の幅や数についてもこうした関係を考慮した最適化が図られることが望ましい。
このように同実施形態にかかる回転検出装置では、その被検出体ロータ2として、上述のように極めて簡易な構造を有するロータを用いるものでありながら、上記磁気抵抗素子MREに対して的確に磁気ベクトル変化を付与することができるようになる。
【0072】
また、同回転検出装置では、その磁気センサ3として上記「垂直配置」された磁気抵抗素子MREを採用しているため、前述した「波形割れ」等の生じない安定したセンサ出力が得られるようにもなる。
【0073】
そして、同回転検出装置の場合、上記被検出体ロータ2が、1枚の磁性体板をプレス加工するなどして得られる極めて安価なものであるため、同回転検出装置自体、その製造コストが大幅に低減されることともなる。
【0074】
図4は、こうした被検出体ロータ2の製造プロセスを示したものであり、次にこの図4を参照して、同被検出体ロータ2の製造方法の一例を説明する。
この製造方法においてはまず、図4(a)に示されるように、上記回転軸1に嵌入される孔22と同孔22を中心とする円の外周から放射状に所定間隔で突出する短冊状の歯21’とを有する円盤を1枚の磁性体板からプレスによって打ち抜く。
【0075】
次いで図4(b)に示されるように、この打ち抜かれた磁性体板の円盤の上記短冊状の歯21’をその根本で直角に折り曲げて、同被検出体ロータ2としての上記被検出部21を形成する。
【0076】
また併せて、上記孔22については、これが上記回転軸1に嵌入され易くなるように、その周辺の一部22’を、同図4(b)に示される如く打ち出す。
なお、これら折り曲げや打ち出しにかかる加工も、上記打ち抜きと同時に、或いは別途に、プレス機械を通じて行うことができる。
【0077】
同製造方法によればこのように、上記被検出体ロータ2を極めて容易に、しかも高精度に製造することができるようになる。またこうした製造方法によれば、同被検出体ロータ2の量産も容易である。
【0078】
(第2実施形態)
図5に、この発明にかかる磁気センサ用被検出体ロータの第2の実施形態を示す。なおこの実施形態にあっても、回転検出装置としての構成は先の第1の実施形態に準ずるものとする。
【0079】
さて、この第2の実施形態にかかる被検出体ロータ5は、図5に示されるように、外周面周方向に周期配設された窓孔52を有する円筒状の磁性体材料によって構成され、この窓孔52の「窓枠」にあたる部分によって、該被検出体ロータ5としての被検出部51が形成される。なお、該被検出部51が形成されている同ロータ5の本体部分は、例えばこれと同一の材料からなる支持部材53により一体に支持(接着、鑞付け等)された状態で、前記車軸やエンジン出力軸、或いは各種機械の回転軸等、検出対象となる回転軸1に嵌入装着される。そして、該回転軸1の回転に伴い、例えば図中に矢指する態様で回転する。
【0080】
同第2の実施形態にかかる被検出体ロータ5としてのこうした構成によれば、被検出部51の構造は基本的に先の第1の実施形態のものと同等でありながら、これが上記周期配設された窓孔52の「窓枠」として構成される分、強度的にはより安定したものとなる。
【0081】
なお、この被検出体ロータ5も先の第1の実施形態にかかる被検出体ロータ2同様、プレス加工によって量産することはできるものの、上記支持部材53との接着、或いは鑞付け等が必要とされる分、その製造工程がやや煩雑となることは否めない。
【0082】
(第3実施形態)
図6に、この発明にかかる磁気センサ用被検出体ロータの第3の実施形態を示す。この実施形態にあっても、回転検出装置としての構成は先の第1の実施形態に準ずるものとする。
【0083】
さてこの第3の実施形態にかかる被検出体ロータ6は、同図6に示されるように、例えばピアノ線等、磁性体からなる略U字状の線材が回転軸1の軸芯を中心に放射状に配設された構成となっている。そして、それら各磁性体線材の外辺部分によって、同被検出体ロータ6としての被検出部61が形成されている。
【0084】
同被検出体ロータ6のこうした構成によっても、上記回転軸1と直角な断面においては、磁性体がロータ外周に所定の配設周期をもって点状に存在する構造となり、前述の如く磁気抵抗素子に対して磁気ベクトル変化を付与するための必要十分な機能は実現されるようになる。
【0085】
なお、この第3の実施形態にかかる被検出体ロータ6としては、例えば樹脂等の非磁性体からなる円柱状(円盤状)のロータに対して上記磁性体線材がその軸芯を中心に放射状に巻回された構成なども含まれる。
【0086】
(第4実施形態)
図7に、この発明にかかる磁気センサ用被検出体ロータの第4の実施形態を示す。この実施形態にあっても、回転検出装置としての構成は先の第1の実施形態に準ずるものとする。
【0087】
さてこの第4の実施形態にかかる被検出体ロータ7は、同図7に示されるように、回転軸1に装着される例えば樹脂等からなる円柱形非磁性体ロータ72の外周面に、その周方向に沿って且つ回転軸1と平行に磁性体線材が周期埋設された構成となっている。そして、それら周期埋設された磁性体線材によって、同被検出体ロータ7としての被検出部71が形成されている。
【0088】
同第4の実施形態にかかる被検出体ロータ7のこうした構成によっても、上記回転軸1と直角な断面においては、磁性体がロータ外周に所定の配設周期をもって点状に存在する構造となり、磁気抵抗素子に対して磁気ベクトル変化を付与するための必要十分な機能は好適に実現される。
【0089】
しかも同被検出体ロータ7によれば、磁性体材料によって構成されるのは上記被検出部71のみであり、上記磁気抵抗素子に付与される磁気ベクトル変化も、こうした被検出体ロータ7の回転のみに純粋に依存した、より精度の高いものとなる。
【0090】
なお、このような構造を有する被検出体ロータ7は、例えば次のような手順によって製造することができる。
(1)当該ロータ形状に対応した型の内面に沿って、上記磁性体線材を平行且つ所定間隔に保持する。ここで、上記型と一体に形成された若しくは上記型と着脱自在に形成された適宜の治具を用いるようにすれば、上記磁性体線材を容易且つ正確に保持することができるようになる。
(2)上記型に樹脂等の非磁性材料を流し込んで、この保持した磁性体線材を固着する。
(3)磁性体線材の固着後、上記型並びに治具を外して、図7に示される形態の被検出体ロータ7を得る。
【0091】
このような製造方法によれば、同第4の実施形態にかかる被検出体ロータ7についてこれを、高精度且つ高能率に製造することができるようになる。
また、同第4の実施形態にかかる被検出体ロータ7の製造方法としては他に、上記型並びに磁性体線材として長めのものを用意しておき、上記(1)〜(3)の工程を通じて長い円柱状のロータ基体が得られた後、
(4)該得られたロータ基体を所望のロータ厚に応じて輪切りにする。
といった方法で同図7に示される形態の被検出体ロータ7を得ることもできる。特にこのような製造方法によれば、同被検出体ロータ7の量産が期待できるようにもなる。
【0092】
(第5実施形態)
図8に、この発明にかかる磁気センサ用被検出体ロータの第5の実施形態を示す。この実施形態にあっても、回転検出装置としての構成は先の第1の実施形態に準ずるものとする。
【0093】
さてこの第5の実施形態にかかる被検出体ロータ8は、同図8に示されるように、回転軸1に装着される例えば樹脂等からなる円盤状非磁性体ロータ82の外周辺に沿って且つ回転軸1と平行に磁性体ピンが周期配設された構成となっている。そして、それら周期配設された磁性体ピンによって、同被検出体ロータ8としての被検出部81が形成されている。
【0094】
同第5の実施形態にかかる被検出体ロータ8のこうした構成によっても、上記回転軸1と直角な断面においては、磁性体がロータ外周に所定の配設周期をもって点状に存在する構造となり、磁気抵抗素子に対して磁気ベクトル変化を付与するための必要十分な機能が実現される。
【0095】
そして、同被検出体ロータ8においても、磁性体材料によって構成されるのは上記被検出部81のみであり、上記磁気抵抗素子に対して、該被検出体ロータ8の回転のみに純粋に依存した精度の高い磁気ベクトル変化を付与することができるようになる。
【0096】
なお、このような構造を有する被検出体ロータ8も、基本的には上述した第4の実施形態にかかる被検出体ロータ7同様、例えば次のような手順によって製造される。
(1)当該ロータ形状に対応した型の内面に沿って、上記磁性体ピンを平行且つ所定間隔に保持する。ここでも、上記型と一体に形成された若しくは上記型と着脱自在に形成された適宜の治具を用いることで、上記磁性体ピンを容易且つ正確に保持することができるようになる。
(2)上記型に樹脂等の非磁性材料を流し込んで、この保持した磁性体ピンを固着する。
(3)磁性体ピンの固着後、上記型並びに治具を外して、図8に示される形態の被検出体ロータ8を得る。
【0097】
このような製造方法によれば、同第5の実施形態にかかる被検出体ロータ7についてもこれを、高精度且つ高能率に製造することができるようになる。
また、同第5の実施形態にかかる被検出体ロータ8の製造方法としては他に、
・上記樹脂等からなる円盤状非磁性体ロータ82の外周辺に沿って、同図8に示される態様で磁性体ピンを打ち込む。
といった方法を採用することもできる。型等によって上記円盤状非磁性体ロータ82を形成する際、同時に、上記磁性体ピンが打ち込まれる部分に孔等を設けておくようにすれば、こうした製造方法であっても比較的簡易に同被検出体ロータ8を得ることができるようになる。
【0098】
(第6実施形態)
図9に、この発明にかかる磁気センサ用被検出体ロータの第6の実施形態を示す。この実施形態にあっても、回転検出装置としての構成は先の第1の実施形態に準ずるものとする。
【0099】
さてこの第6の実施形態にかかる被検出体ロータ9は、同図9に示されるように、回転軸1に装着される例えば樹脂等からなる円柱形非磁性体ロータ92の外周面にその周方向に沿って磁性体鋲が周期配設された構成となっている。そして、それら周期配設された磁性体鋲によって、同被検出体ロータ9としての被検出部91が形成されている。
【0100】
同第6の実施形態にかかる被検出体ロータ9のこうした構成によっても、上記回転軸1と直角な断面においては、磁性体がロータ外周に所定の配設周期をもって点状に存在する構造となり、磁気抵抗素子に対して磁気ベクトル変化を付与するための必要十分な機能は好適に実現される。
【0101】
そして、同被検出体ロータ9においても、磁性体材料によって構成されるのは上記被検出部91のみであり、上記磁気抵抗素子に対して、該被検出体ロータ9の回転のみに純粋に依存した精度の高い磁気ベクトル変化を付与することができるようになる。
【0102】
なお、このような構造を有する被検出体ロータ9は、例えば次のような手順によって製造される。
(1)当該ロータ形状に対応した型の内面に沿って、上記磁性体鋲を所定間隔に保持する。ここで、上記型と一体に形成された若しくは上記型と着脱自在に形成された適宜の治具を用いることで、上記磁性体鋲を容易且つ正確に保持することができるようになる。
(2)上記型に樹脂等の非磁性材料を流し込んで、この保持した磁性体鋲を固着する。
(3)磁性体鋲の固着後、上記型並びに治具を外して、図9に示される形態の被検出体ロータ9を得る。
【0103】
このような製造方法によれば、同第6の実施形態にかかる被検出体ロータ9についてもこれを、高精度且つ高能率に製造することができるようになる。
また、同第6の実施形態にかかる被検出体ロータ9についても、その他の製造方法としては、先の第5の実施形態にかかる被検出体ロータ8の他の製造方法と同様、
・上記樹脂等からなる円柱形非磁性体ロータ92の外周面に、その周方向に沿って、同図9に示される態様で磁性体鋲を打ち込む。
といった方法を採用することもできる。この場合も、型等によって上記円柱形非磁性体ロータ92を形成する際、同時に、上記磁性体鋲が打ち込まれる部分に孔等を設けておくようにすれば、こうした製造方法であっても比較的簡易に同被検出体ロータ9を得ることができるようになる。
【0104】
ところで、上記第2〜第6の実施形態においても、それら被検出体ロータとしての被検出部の数若しくは配設周期は、その所望される回転角度情報に応じて任意に設定されることとなるが、該被検出部の数若しくは配設周期と上記磁気センサ3の出力との間には前述したように、
(イ)被検出部の数を多くすると上記磁気ベクトルの振れ角が小さくなり、磁気抵抗素子MREにより変換される電気信号のS/Nは悪化する。
(ロ)被検出部の配設周期(間隔)が同じであれば、被検出部の各々を構成する磁性体の幅(回転方向への長さ)を狭くした方が上記磁気ベクトルの振れ角は大きくなる。すなわち、磁気抵抗素子MREにより変換される電気信号のS/Nは向上する。また、この電気信号の波形も、より正弦波に近い、歪みの少ない波形となる。
といった関係がある。このため、上記何れの実施形態であれ、実用上は、それら被検出部の形状等も含めてこうした関係を考慮した最適化が図られることが望ましい。
【0105】
また、磁気センサ用被検出体ロータとして上記幾つかの実施形態を示したが、この発明にかかる被検出体ロータの構成がそれら各実施形態にかかる構成に限定されるものではない。すなわち、同磁気センサ用被検出体ロータとして要は、磁気抵抗素子に対し回転軸1の回転に対応した磁気ベクトル変化を付与する磁性体が、同回転軸1と直角な断面において、ロータ外周に所定の配設周期をもって点状に存在する構造を有する被検出部を具えるものであればよい。
【0106】
また、上記各実施形態にかかる回転検出装置においては、その磁気センサとして、「波形割れ」等の生じない「垂直配置」された磁気抵抗素子を具えるものを採用するとした。しかし、この採用される磁気センサの構造は任意であり、前記「平行配置」された磁気抵抗素子を具える磁気センサであっても勿論よい。この「平行配置」された磁気抵抗素子を具えるものであれ、その取付位置等によっては、「波形割れ」等の生じない、しかも高レベルのセンサ信号が出力されるようになることは前述した通りである。
【0107】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明にかかる磁気センサ用被検出体ロータによれば、コスト的にも安価なより簡易な構造を有して、バイアス磁界の印加された磁気抵抗素子に対し好適に磁気ベクトル変化を付与することができるようになる。
【0108】
また、この発明にかかる磁気センサ用被検出体ロータの製造方法によれば、こうした簡易な構造を有する磁気センサ用被検出体ロータを容易且つ高能率に製造することができるようになる。
【0109】
また、この発明にかかる回転検出装置によれば、こうした被検出体ロータを用いて、簡易ながら十分精度の高い回転検出を行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる被検出体ロータの第1の実施形態を示す斜視図。
【図2】同被検出体ロータと磁気センサとの配置関係を示す正面図。
【図3】同被検出体ロータを用いた回転検出装置の出力特性を示す線図。
【図4】同被検出体ロータの製造プロセスを示す平面図及び断面図。
【図5】この発明にかかる被検出体ロータの第2の実施形態を示す斜視図。
【図6】この発明にかかる被検出体ロータの第3の実施形態を示す斜視図。
【図7】この発明にかかる被検出体ロータの第4の実施形態を示す斜視図。
【図8】この発明にかかる被検出体ロータの第5の実施形態を示す斜視図。
【図9】この発明にかかる被検出体ロータの第6の実施形態を示す斜視図。
【図10】磁気抵抗素子の抵抗値変化特性を示す斜視図及びグラフ。
【図11】磁気抵抗素子の平行配置によるセンサ構成を示す斜視図。
【図12】同構成による磁気抵抗素子の抵抗値変化特性を示すグラフ。
【図13】磁気抵抗素子の垂直配置によるセンサ構成を示す斜視図。
【図14】同構成による磁気抵抗素子の抵抗値変化特性を示すグラフ。
【符号の説明】
1…検出対象回転軸、2…被検出体ロータ、21…被検出部、22…回転軸嵌入孔、3…磁気センサ、31…センサ部、32…バイアス磁石、4…処理回路、5…被検出体ロータ、51…被検出部、52…窓孔、53…支持部材、6…被検出体ロータ、61…被検出部(磁性体線材)、7…被検出体ロータ、71…被検出部(磁性体線材)、72…樹脂製支持部材(非磁性体ロータ)、8…被検出体ロータ、81…被検出部(磁性体ピン)、82…樹脂製支持部材(非磁性体ロータ)、9…被検出体ロータ、91…被検出部(磁性体鋲)、92…樹脂製支持部材(非磁性体ロータ)、MRE…磁気抵抗素子。
Claims (6)
- 検出対象となる回転軸に装着され、背後からバイアス磁界の印加された磁気抵抗素子に対し同回転軸の回転に対応した磁気ベクトル変化を付与する磁気センサ用被検出体ロータにおいて、
前記磁気抵抗素子に対し前記回転軸の回転に対応した磁気ベクトル変化を付与する磁性体が、同回転軸と直角な断面において、ロータ外周に所定の配設周期をもって点状に存在する構造を有する被検出部を具え、
前記被検出部は、磁性体からなる略U字状の線材が前記回転軸の軸芯を中心に放射状に配設されてなる
ことを特徴とする磁気センサ用被検出体ロータ。 - 検出対象となる回転軸に装着され、背後からバイアス磁界の印加された磁気抵抗素子に対し同回転軸の回転に対応した磁気ベクトル変化を付与する磁気センサ用被検出体ロータにおいて、
前記磁気抵抗素子に対し前記回転軸の回転に対応した磁気ベクトル変化を付与する磁性体が、同回転軸と直角な断面において、ロータ外周に所定の配設周期をもって点状に存在する構造を有する被検出部を具え、
前記被検出部は、前記回転軸に装着される円柱形非磁性体ロータの外周面にその周方向に沿って周期配設された磁性体鋲である
ことを特徴とする磁気センサ用被検出体ロータ。 - 検出対象となる回転軸に装着され、背後からバイアス磁界の印加された磁気抵抗素子に対し同回転軸の回転に対応した磁気ベクトル変化を付与する磁気センサ用被検出体ロータの製造方法であって、
当該ロータ形状に対応した型の内面に沿って磁性体からなる多数の鋲を所定間隔に保持する工程と、
前記型に非磁性材料を流し込んで該保持した磁性体鋲を固着する工程と、
を具えることを特徴とする磁気センサ用被検出体ロータの製造方法。 - 検出対象となる回転軸に装着され、同回転軸と直角な断面においてその外周に所定の配設周期をもって点状に磁性体が存在する構造を有する被検出部を具える被検出体ロータと、
この被検出体ロータの前記被検出部に向けてバイアス磁界を発生するバイアス磁石と、
この発生されるバイアス磁界内に配設されて前記被検出体ロータの回転に伴う磁気ベクトルの変化を電気信号の変化に変換する磁気抵抗素子と、
この変換された電気信号を所要に処理して前記検出対象となる回転軸の回転情報を得る信号処理回路とを具える回転検出装置であって、
前記被検出体ロータは、磁性体からなる略U字状の線材が前記回転軸の軸芯を中心に放射状に配設されてなる被検出部を具えるものである
ことを特徴とする回転検出装置。 - 検出対象となる回転軸に装着され、同回転軸と直角な断面においてその外周に所定の配設周期をもって点状に磁性体が存在する構造を有する被検出部を具える被検出体ロータと、
この被検出体ロータの前記被検出部に向けてバイアス磁界を発生するバイアス磁石と、
この発生されるバイアス磁界内に配設されて前記被検出体ロータの回転に伴う磁気ベクトルの変化を電気信号の変化に変換する磁気抵抗素子と、
この変換された電気信号を所要に処理して前記検出対象となる回転軸の回転情報を得る信号処理回路とを具える回転検出装置であって、
前記被検出体ロータは、前記回転軸に装着される円柱形非磁性体ロータの外周面にその周方向に沿って周期配設された磁性体鋲からなる被検出部を具えるものである
ことを特徴とする回転検出装置。 - 前記磁気抵抗素子は、前記バイアス磁石から発せられる磁力線とのなす角度が互いに45度傾き、且つ、同バイアス磁石の着磁面に垂直に配置された2つの素子 からなる
請求項4又は5に記載の回転検出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19769895A JP3632250B2 (ja) | 1995-08-02 | 1995-08-02 | 磁気センサ用被検出体ロータ及びその製造方法及び回転検出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19769895A JP3632250B2 (ja) | 1995-08-02 | 1995-08-02 | 磁気センサ用被検出体ロータ及びその製造方法及び回転検出装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0943259A JPH0943259A (ja) | 1997-02-14 |
JP3632250B2 true JP3632250B2 (ja) | 2005-03-23 |
Family
ID=16378876
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19769895A Expired - Lifetime JP3632250B2 (ja) | 1995-08-02 | 1995-08-02 | 磁気センサ用被検出体ロータ及びその製造方法及び回転検出装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3632250B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008057614A (ja) * | 2006-08-30 | 2008-03-13 | Yamaha Motor Co Ltd | ベルト式無段階変速装置 |
-
1995
- 1995-08-02 JP JP19769895A patent/JP3632250B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0943259A (ja) | 1997-02-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5840374B2 (ja) | アブソリュートエンコーダ装置及びモータ | |
KR101987169B1 (ko) | 모터 | |
WO2006067878A1 (ja) | リング状マグネットの着磁方法および磁気エンコーダ | |
JP4103018B2 (ja) | サーボモータ | |
KR100915264B1 (ko) | 토크센서 및 이를 구비한 전동식 파워 스티어링 장치 | |
JP7122182B2 (ja) | 磁気位置検知システム、磁気位置検知システムの作製方法、および回転体の位置の推定方法 | |
JPH09311053A (ja) | 回転センサ | |
WO1992021003A1 (en) | Magnetoresistance type revolution detector | |
JP5133765B2 (ja) | 埋込磁石型モータ及びその設計方法 | |
JP3632250B2 (ja) | 磁気センサ用被検出体ロータ及びその製造方法及び回転検出装置 | |
JP2005531008A (ja) | 2つの磁気トラックを有する角変位エンコーダ | |
JP5249174B2 (ja) | 回転角センサ | |
JPH0763606A (ja) | 回転翼の振動計測装置 | |
JP2550049B2 (ja) | 磁気的に位置や速度を検出する装置 | |
JP2002139347A (ja) | 磁気式エンコーダ | |
JP3023324B2 (ja) | 磁気式エンコーダ | |
JP3424206B2 (ja) | 磁気エンコーダ | |
JPH11295330A (ja) | 車速センサ | |
JPH0311739Y2 (ja) | ||
JP2006010366A (ja) | 回転検出装置 | |
JPH10239340A (ja) | 回転センサ及びヨーク組み付け方法 | |
JPS63292082A (ja) | 磁気センサ | |
JPS62231173A (ja) | 電磁式回転検出装置 | |
JPH04364348A (ja) | ブラシレス直流モータ | |
JP2764521B2 (ja) | 回転角度検出装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040831 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20041027 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20041130 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20041213 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080107 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110107 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120107 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130107 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140107 Year of fee payment: 9 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |