JPH0763606A - 回転翼の振動計測装置 - Google Patents

回転翼の振動計測装置

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JPH0763606A
JPH0763606A JP22947793A JP22947793A JPH0763606A JP H0763606 A JPH0763606 A JP H0763606A JP 22947793 A JP22947793 A JP 22947793A JP 22947793 A JP22947793 A JP 22947793A JP H0763606 A JPH0763606 A JP H0763606A
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tip
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慶明 満山
Mamoru Matsuo
守 松尾
Masaaki Shibata
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 回転翼の回転方向および軸方向の振動を、非
接触で計測すること。 【構成】 回転翼1の先端部と根元部に対向する静止部
側に、夫々電磁ピックアップ装置20、21を設け、先
端部の電磁ピックアップ装置20にて軸方向の振動情報
を得、根元部の電磁ピックアップ装置21にて回転翼の
回転周期に関する信号を得、これらから回転翼の回転方
向の振動情報を求めるようにしたもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種タービンやポンプ
などの回転翼の回転方向および軸方向の振動を、非接触
で計測するようにした回転翼の振動計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の回転翼の振動計測装置は、図8な
いし図10に示したようなものであった。すなわち、図
8および図9に示すように、被計測物体としてのタービ
ンなどの回転翼1は、円周方向に等間隔にディスク部2
に支持されて回転軸3に取付けられている。この回転翼
1には歪ゲージ4が貼付けられており、そのリード線5
はディスク部2を経て回転軸3上に設置された送信機6
に接続されている。回転軸3上にはバッテリー7も設置
されており、リード線8により送信機6へ給電してい
る。また、送信機6には回転翼1に沿った送信アンテナ
9が取付けられている。
【0003】一方、図10に示してあるように、送信ア
ンテナ9に対向する静止側には、受信アンテナ10が設
けられており、このアンテナ10から信号が受信機11
に入力されるように接続されている。そして、受信機1
1の出力12は、図示しない処理装置へ供給される。
【0004】このように構成された従来の装置による振
動計測は、次のように行われる。すなわち、回転翼1が
振動により変形すると、翼表面に振動応力に伴う歪みが
生じる。この歪みを歪ゲージ4で検出し、その情報を送
信機6によりFM信号に変換して電波として送信する。
このFM信号は静止側に設置されている受信機11で受
信され、元の歪み情報を持った信号に復調される。そし
て、受信機11の出力12として図示しない処理装置へ
供給し、回転翼の振動の状態を解析するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、以上述べた
従来の回転翼の振動計測装置は、回転翼1に歪ゲージ4
を貼付けたり、回転軸3上に送信機6やバッテリー7を
設置し、それらをリード線5、8で接続しなければなら
ず、高速回転に耐えるようにしっかり固定するためには
熟練者による長時間の作業を要するとともに、送信機6
などの電子機器は高温、高湿に耐えるものでなければな
らないという問題があった。
【0006】また、歪ゲージ1枚では1つの回転翼の振
動しか検出することができないので、多数の回転翼の振
動を同時に計測するためには、各回転翼に夫々歪ゲージ
を取付けることが必要になるとともに、各歪ゲージから
の情報を送信するための設備も、回転軸上に多数設置し
なければならないという問題があり、多数翼の振動の同
時計測は極めて困難であった。
【0007】更に、タービンなどの回転翼1の構造は、
その性能向上のために、図7に示すように、ディスク部
2に対して捩じれた形で取付けられている。このため、
回転翼1の振動は、捩じれ線に直角な方向が最も振動し
やすく、発生する応力も大きい。そこで、回転翼1の先
端部の変位aを計測しようとする場合、回転方向変位x
と軸方向変位yを同時に計測する必要があるが、従来の
装置ではこれらの計測は困難であった。
【0008】本発明は、このような従来技術の課題を解
決するためになされたもので、回転翼の回転方向および
軸方向の振動を、非接触で計測することができる回転翼
の振動計測装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明に係る回転翼の振動計測装置は、回転翼の
先端部と根元部とに対向する静止部側に夫々設けた、回
転翼の回転周期および回転翼との相対距離の変化にもと
づく出力を得る電磁ピックアップ装置と、前記回転翼の
先端部に設けた電磁ピックアップ装置の出力から回転翼
の軸方向の振動情報を得る第1の信号処理回路と、前記
回転翼の根元部に設けた電磁ピックアップ装置の出力か
ら回転翼の回転周期に関する信号を得るとともに、この
信号と前記回転翼の先端部に設けた電磁ピックアップ装
置の出力とから、回転翼の回転方向の振動情報を求める
第2の信号処理回路とから成るものである。
【0010】
【作 用】上記の手段によれば、回転部側に何等の設備
を設置することなく、静止部側で回転翼の振動情報を得
ることができる。そして、第1の信号処理回路によって
回転翼の軸方向の振動情報が得られ、第2の信号処理回
路で翼先端部と翼根元部との回転速度差を計測すること
により、回転翼の回転方向の振動情報が求められる。
【0011】
【実施例】以下本発明に係る回転翼の振動計測装置の一
実施例について、図1ないし図6を参照して詳細に説明
する。
【0012】図1は、本発明における基本的な振動の計
測手段を説明するために示した図である。すなわち、被
計測物体としてのタービンなどの回転翼1は、回転軸3
のディスク部2に、円周方向に等間隔に支持されている
が、この回転翼1の先端部と根元部に対向するように、
タービン車室などの静止部に夫々非接触検出器例えば電
磁ピックアップ装置20、21を設置し、この電磁ピッ
クアップ装置20、21によって得た情報から、回転翼
1の先端部の変位a(図7参照)を計測するものであ
る。
【0013】そこで、先ず電磁ピックアップ装置の概略
を説明する。図5は電磁ピックアップ装置の一例を示し
た断面図である。この電磁ピックアップ装置20は、ヨ
ーク23の一端側にコイル24が巻付けられ、ヨーク2
3の他端側に永久磁石25が取付けられていて、これら
はケース26に組込まれている。そして、ヨーク23の
一端(先端)部は、非磁性体の壁27を突出するように
して固定されいる。一方、ケース26の後端部には、信
号端子28が取付けられていて、ここにコイル24から
のリード線29が接続され、装置外部へ信号が取出され
るようになっている。
【0014】この電磁ピックアップ装置20は、図6に
概略を示すように、ヨーク23の先端側を磁性体で形成
されているタービンの回転翼1a、1bがよぎることに
より、磁束30が変化してコイル24に起電力を生ず
る。従って、起電力を生じたか否かによって回転数を検
出することができる。また、起電力はヨーク23の先端
から回転翼1a、1bまでの相対距離の2乗に反比例す
るので、振動によりヨーク23の先端と回転翼1a、1
bとの間の相対距離が変化すれば起電力が大きく変化す
るので、このことを利用して、回転翼1の軸方向の振動
を計測することができる。なお、回転翼1の根元部に対
向する位置に設ける電磁ピックアップ装置21について
も同様である。
【0015】次に、図2に示した系統図により、本発明
の回転翼の振動計測装置の構成について説明する。回転
翼1の根元部に対向する位置に設けた、第2の電磁ピッ
クアップ装置21からの信号が供給されるように、2つ
の計数器31、32が設けられている。また、回転翼1
の先端部に対向する位置に設置した、第1の電磁ピック
アップ装置20からの信号が供給されるように、包絡線
処理装置33が設けられている。また、第1の電磁ピッ
クアップ装置20からの信号は、計数器32にも供給さ
れている。そして、2つの計数器31、32の出力がさ
れぞれ供給されるように、除算器34が設けられてい
る。なお、第2の電磁ピックアップ装置21からの信号
は、波形整形器35を介して2つの計数器31、32へ
供給され、第1の電磁ピックアップ装置20からの信号
も、波形整形器36を介して計数器32へ供給される。
【0016】このように構成された本発明の振動計測装
置において、第1の電磁ピックアップ装置20によっ
て、回転翼1の先端部の軸方向の振動に関する情報を得
る。すなわち、第1の電磁ピックアップ装置20から得
られる信号は、そのヨーク23の先端部と回転翼1との
間の相対距離により変化する起電力に比例した振幅を持
つとともに、回転軸3に取付けられた回転翼1の枚数と
その回転数によって決まる周波数の信号となる。
【0017】従って、回転翼1が振動のために軸方向に
ゆらいでいるものとすれば、図3に(a)で示すような
波形の信号が、包絡線処理装置33に供給されることに
なる。そこで、包絡線処理装置33では(a)の信号を
全波整流して(b)のような信号を得、さらに(c)に
示すように各波の振幅のピーク値を求めて、軸方向振動
信号37を得ている。なお、包絡線処理装置33へ供給
される信号は、波形整形されていない信号である。
【0018】次に、回転方向の振動の計測について説明
する。回転翼1の根元部は軸方向の振動が少ないので、
第2の電磁ピックアップ装置21からの信号により、安
定した回転周期に関する情報が得られる。すなわち、第
2の電磁ピックアップ装置21からの信号も、回転翼1
の枚数とその回転数によって決まる周波数の信号とな
り、この信号は、波形整形器35により、図4の(a)
に示すような矩形波に整形された後で、第1の計数器3
1へ供給される。一方、図示していないクロック信号発
生器から、数十ないし数百メガヘルツの高周波基準クロ
ック信号が、第1、第2の計数器31、32へそれぞれ
供給されている。
【0019】そこで、第1の計数器31では、波形整形
器35からの図4の(a)に示す信号をゲート信号とす
ることにより、瞬時周期Ti分のクロック数を計数し、
その結果を除算器34へ供給する。さらに、第2の計数
器32には、波形整形器35からの信号と、第1の電磁
ピックアップ装置20からの信号が波形整形器36によ
り、図4の(b)に示すような矩形波に整形された後の
信号とが供給されており、ここで波形整形器35からの
信号を基準として、波形整形器36からの信号との位相
差Δtiを求める。従って、図4の(c)に示すような
位相差信号が得られ、この信号をゲート信号として、位
相差Δti分のクロック数を計数し、その結果を除算器
34へ供給する。
【0020】そして、除算器34では、第1の計数器3
1から供給された計数値(これをTiとする)を第2の
計数器32から供給された計数値(これをΔtiとす
る)で割算することにより、Δti/Tiとして定まる
図4の(d)に示すような回転方向振動信号39を得
る。
【0021】なお、軸方向や回転方向に振動が全く発生
していない場合には、計測値は変化しない。従って、振
動がないときのデータをもとに、計測データを処理する
ことにより、全ての回転翼の振動の状況を把握すること
ができる。また、第1の電磁ピックアップ装置20から
は、対向する位置の回転翼の振動情報だけが得られるの
で、回転翼の長さ方向に電磁ピックアップ装置を複数個
設置しておけば、それぞれの位置での回転翼の振動情報
を得ることができる。
【0022】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
回転部側に何等の設備を設置することなく、静止部側に
電磁ピックアップ装置などの非接触検出器を設けること
により、回転翼の振動情報を得ることができ、多数翼の
振動を同時に計測することができる。また、軸方向の振
動と回転方向の振動の両方を同時に計測できるなど、極
めて作用効果の大きな回転翼の振動計測装置が提供され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における基本的な振動の計測手段を説明
するために、回転翼と電磁ピックアップ装置との位置関
係を示した側面図である。
【図2】本発明に係る回転翼の振動計測装置の一実施例
を示した系統図である。
【図3】本発明において、軸方向振動信号を得る動作を
説明するために示した波形図である。
【図4】本発明において、回転方向振動信号を得る動作
を説明するために示した波形図である。
【図5】電磁ピックアップ装置の一例を示した断面図で
ある。
【図6】電磁ピックアップ装置の作用を説明するために
示した説明図である。
【図7】回転翼の構造と、回転中における回転翼の先端
部の変位を説明するために示した説明図である。
【図8】従来の回転翼の振動計測装置を説明するために
示した回転翼部分の正面図である。
【図9】同じく、回転翼部分の側面図である。
【図10】従来の回転翼の振動計測装置を示した系統図
である。
【符号の説明】
1 回転翼 2 デイスク部 3 回転軸 20、21 電磁ピックアップ装置 31、32 計数器 33 包絡線処理装置 34 除算器 35、36 波形整形器

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転翼の先端部と根元部とに対向する静止
    部側に夫々設けた、回転翼の回転周期および回転翼との
    相対距離の変化にもとづく出力を得る電磁ピックアップ
    装置と、前記回転翼の先端部に設けた電磁ピックアップ
    装置の出力から回転翼の軸方向の振動情報を得る第1の
    信号処理回路と、前記回転翼の根元部に設けた電磁ピッ
    クアップ装置の出力から回転翼の回転周期に関する信号
    を得るとともに、この信号と前記回転翼の先端部に設け
    た電磁ピックアップ装置の出力とから、回転翼の回転方
    向の振動情報を求める第2の信号処理回路とから成るこ
    とを特徴とする回転翼の振動計測装置。
  2. 【請求項2】回転翼の先端部に対向する静止側に固定し
    て設けられ、回転翼の先端部との間の距離に関する信号
    を検出する第1の検出手段と、前記回転翼の根元部に対
    向する静止側に固定して設けられ、前記回転翼の回転周
    期に関する信号を検出する第2の検出手段と、前記第1
    の検出手段から得られる信号の変化から前記回転翼の先
    端部の軸方向の振動情報を得る包絡線処理手段と、前記
    第2の検出手段から得られる信号から前記回転翼の瞬時
    周期のクロック数を計数する第1の計数手段と、前記第
    2の検出手段から得られる信号と前記第1の検出手段か
    ら得られる信号との位相差に相当するクロック数を計数
    する第2の計数手段と、この第2の計数手段で得たクロ
    ック数を前記第1の計数手段で得たクロック数で除して
    前記回転翼の回転方向の振動情報を得る計算手段とから
    成ることを特徴とする回転翼の振動計測装置。
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