JP3631598B2 - 熱間圧延後の高温鋼帯コイル冷却方法 - Google Patents
熱間圧延後の高温鋼帯コイル冷却方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明方法は、熱間圧延後の高温鋼帯コイル冷却方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
熱間圧延後の高温鋼帯コイル冷却方法としては、一般に図5及び図6に示すごとく高温鋼帯コイル1をダウンエンド(横穴2)状態で直列に複数個配置し、かつ、このような直列高温鋼帯コイル1列を複数列A、B配置して、冷却水3中へ水没させるとともに、直列高温鋼帯コイル1列A、Bの間隙4位置全長に亘って多数の気孔を有する気体供給管5を介して、気体(空気)を供給して微細気泡として浮上させ、冷却水3を攪拌しつつ、一方間隙4位置のピット6の一端7底部から冷却水を他端8へ指向供給して直列高温鋼帯コイル1列A、Bの高温鋼帯コイル1を冷却することが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のごとき、熱間圧延後の高温鋼帯コイル冷却方法においては、直列高温鋼帯コイル1列A、Bの間隙4位置での気泡浮上による冷却水3の攪拌が不十分であり冷却効率が低下する。また、隣接する間隙4a、4b位置では冷却水3のの攪拌がほとんどないので、この間隙4a、4b位置での冷却効率は極めて低く、高温鋼帯コイル1を均一に冷却することが困難になる。また、所定冷却温度までの冷却時間が長時間になり、熱間圧延鋼帯コイルの生産性が低下する等の課題がある。
本発明方法は、このような課題を有利に解決するためなされたものであり、直列高温鋼帯コイル1列A、Bの間隙4a、4b位置から間隙4位置の冷却水供給方向に対向して、気液混合冷却水を供給し冷却水の移動攪拌を確実にして高温鋼帯コイル1の冷却効率を高める熱間圧延後の高温鋼帯コイル冷却方法を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明方法の特徴とするところは、高温鋼帯コイルをダウンエンド(横穴)状態で直列に複数個配置するとともに該直列高温鋼帯コイル列を複数列配置して水没させ、該直列高温鋼帯コイル列の一端間隙位置底部から冷却水を他端へ指向給水し、該冷却水給水間隙位置に隣接する直列高温鋼帯コイル列の他端間隙位置底部から気液混合冷却水を一端へ指向供給することを特徴とする熱間圧延後の高温鋼帯コイル冷却方法である。
【0005】
【発明の実施の形態】
上記のごとき、本発明方法を図面によって説明する。
図1において、ピット6内に高温鋼帯コイルをダウンエンド(横穴)状態で一端7から他端8へ直列に複数個配置する。この直列高温鋼帯コイル1列A、Bを複数列配置して冷却水3へ水没し、直列高温鋼帯コイル1列A、Bの一端間隙4位置底部から冷却水供給管9を介して、冷却水を他端へ指向供給する。この冷却水供給間隙4に隣接する直列高温鋼帯コイル1列A、Bの他端8間隙4a、4b位置底部からノズル10、10aを介して間隙4位置の冷却水供給方向に対向して気液混合冷却水を一端へ指向供給する。かくすることによって、直列高温鋼帯コイル1列A、Bの間隙4、4a、4b間を冷却水が矢印のごとく移動しつつ攪拌することから冷却効率を著しく向上することができる。このように気液混合冷却水を供給することによって、ピット6内の冷却水3を移動とあいまって気泡の随伴移動浮上による攪拌効果で冷却効率を高めることができるものである。供給冷却水は、他端8からピット6をオーバーフローしつつ常時新たな冷却水を供給する。
【0006】
このような気液混合冷却水中の気泡は、微細である程移動中に徐々に浮上し、遠方まで気泡を到達させて浮上させることができ、ピット6内の冷却水3を均一に攪拌することができ、気泡径としては2.0mm以下の気泡で気液混合冷却水を構成して供給し、供給流速としてはピット6の長さにもよるが、約15mの場合には7.6m/秒以上の流速で確実に一端から他端(他端から一端)まで気液混合冷却水として移動させることができる。
【0007】
上記のごとき冷却方法の他、例えば図2に示すごとく直列高温鋼帯コイル1列A、B、Cの3列にして冷却する場合は、隣接する直列高温鋼帯コイル1列Cの間隙4b位置の一端7から間隙4位置の冷却水供給管9からの冷却水供給方向に対向してノズル10aを介して他端8へ気液混合冷却水を指向供給するとともに、隣接する直列高温鋼帯コイル1列Cの間隙4c位置の他端8から間隙4位置の冷却水供給管9からの冷却水供給方向に対向して一端へノズル10bから気液混合冷却水を指向供給する。即ち、間隙4b位置と間隙4c位置からの気液混合冷却水の供給を交互に対向して供給する。かくしてピット6内の冷却水3は、矢印のごとく冷却水供給方向及び気液混合冷却水に対向して、気液混合冷却水を供給し各直列高温鋼帯コイル1列A、B、C間隙4、4a、4b、4cを移動させて均一に高温鋼帯コイル1を冷却する。
【0008】
また、図3に示すごとく例えば、直列高温鋼帯コイル1列A、B、C、Dの4列にして冷却する場合は、冷却水供給管9を介して直列高温鋼帯コイル1列A、Bの間隙4位置のピット6の一端7から他端8へ冷却水を指向供給し、直列高温鋼帯コイル1列A、Bに隣接する間隙4c、4dへ上記冷却水供給方向に交互に対向して、ノズル10、10bを介して他端8から一端7へ気液混合冷却水を指向供給するとともに、この直列高温鋼帯コイル1列C、Dに隣接する間隙4a、4bへ上記ノズル10、10bを介してピット6の他端8から一端7へ供給する気液混合冷却水に交互に対向して、10a、10cを介して一端7から他端8へ気液混合冷却水を指向供給し、矢印のように各直列高温鋼帯コイル1列A、B、C、D間隙4、4a、4b、4c、4dへピット6内の冷却水を移動させ、気泡浮上による攪拌とあいまって各直列高温鋼帯コイル1列A、B、C、Dの高温鋼帯コイル1を均一に冷却するものである。
【0009】
次に、上記のごとき気液混合冷却水供給装置の一例を挙げる。
図4において、冷却水供給管9aからノズル10を介して冷却水をピット6内の冷却水3中へ供給することによって、冷却水3上部に位置する空気供給管11から空気を自己吸引してノズル10内でエゼクター作用により、冷却水供給管9aから供給される冷却水と混合して、気液混合冷却水となってピット6内冷却水3中へ供給するものである。
【0010】
【実施例】
次に、本発明方法の実施例を比較例とともに挙げる。
【表1】
【0011】
【表2】
(表1のつづき)
【0012】
注1:冷却水供給温度は、常温(供給位置ピット底部から600mm上部)。
注2:気液混合冷却水供給位置は、ピット底部から200mm上部。
注3:冷却鋼帯コイルは、熱間圧延後の高温鋼帯コイル。
注4:実施例1は、図1。実施例2は、図2。実施例3は、図3に示す態様の実施例。
注5:比較例は、図5及び図6に示すごとく直列高温鋼帯コイルA、Bの間隙位置全長に亘って、3mm径のキリ孔×60個をほば等間隔に開孔した50mm径の気体供給管から圧空流量900m3 の空気を吹き込み、ピット内冷却水を攪拌しつつ高温鋼帯コイルを冷却した。
【0013】
【発明の効果】
本発明方法によれば、熱間圧延後の高温鋼帯コイルを迅速に冷却することができ、生産性を向上することができる。また、高温鋼帯コイルを均一に冷却することができ、材質が均質になり品質を高めることができる等の優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の一例を示す平面図である。
【図2】本発明方法の一例を示す平面図である。
【図3】本発明方法の一例を示す平面図である。
【図4】気液混合冷却水供給装置の側面図である。
【図5】従来の高温鋼帯コイルの冷却方法を示す平面図である。
【図6】図5のA−A矢視による断面図である。
Claims (3)
- 高温鋼帯コイルをダウンエンド(横穴)状態で直列に複数個配置するとともに該直列高温鋼帯コイル列を複数列配置して水没させ、該直列高温鋼帯コイル列の一端間隙位置底部から冷却水を他端へ指向給水し、該冷却水給水間隙位置に隣接する直列高温鋼帯コイル列の他端間隙位置底部から気液混合冷却水を一端へ指向供給することを特徴とする熱間圧延後の高温鋼帯コイル冷却方法。
- 隣接する直列高温鋼帯コイル列の間隙位置へ交互に対向して、気液混合冷却水を供給することを特徴とする請求項1に記載の熱間圧延後の高温鋼帯コイル冷却方法。
- 含有気泡径2.0mm以下の気液混合冷却水を冷却水中へ供給することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱間圧延後の高温鋼帯コイル冷却方法。
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JP31922297A JP3631598B2 (ja) | 1997-11-20 | 1997-11-20 | 熱間圧延後の高温鋼帯コイル冷却方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JPH11151516A JPH11151516A (ja) | 1999-06-08 |
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DE102006038080B4 (de) * | 2006-08-16 | 2011-04-14 | Hans J. Kluge | Anlage zum Abkühlen von heißen aufgerollten Metallbändern |
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- 1997-11-20 JP JP31922297A patent/JP3631598B2/ja not_active Expired - Fee Related
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