JP3631548B2 - ボイスコイル・ボビン - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スピーカのボイスコイル・ボビンに関し、さらに詳しく言えば、全芳香族ポリエステル不織紙からなる2種類のテープをスパイラル状に2層に巻き付けて接着成形したボイスコイル・ボビンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、スピーカのボイスコイル・ボビンは、耐熱性、軽量性を得るためにポリアミド紙(商標NOMEX)等が使用されている。しかし、ポリアミド紙は、耐熱性はあるが、吸水性があり、乾燥時に収縮し、湿度を含むと膨張するという寸法安定性に欠ける問題があった。さらに、ポリアミド紙からなるテープをスパイラル状に巻き付けて接着成形すると、接着性が悪く、ボビンの変形、剥離等が起るという問題もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、優れた耐熱性と寸法安定性を備えたスピーカ用ボイスコイル・ボビンを得ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明のボイスコイル・ボビンは、多孔質の全芳香族ポリエステル不織紙からなる第1テープと、熱圧縮した非多孔質の全芳香族ポリエステル不織紙からなる第2テープとをスパイラル状に2層に巻き付けて接着成形した手段によって、上記課題を解決している。
【0005】
前記第1テープを外層にかつ前記第2テープを内層に接着成形するか、またはその逆に、前記第1テープを内層にかつ前記第2テープを外層に接着成形してもよい。
【0006】
【作用】
本発明のスピーカ用ボイスコイル・ボビンに用いられる対象紙は、全芳香族ポリエステル不織紙(例えば、商品「ベクルス」(商標)として、株式会社クラレから市販されている。)である。この不織紙は、ヒドロキシナフト酸とヒドロキシ安息香酸との共重合体である。この化学構造式を下記に示す。
【0007】
【化1】
【0008】
この不織紙(対象紙)は、図3−6に示すように優れた特性を発揮する。比較例として従来のアラミド紙の特性も示す。図3は水浸漬時の吸水率を、図4は水浸漬時の寸法変化率を、図5は加熱時の重量変化率を、図6は加熱時の寸法変化率をそれぞれ示す。いずれの場合においても、対象紙は耐熱性、非吸水性に優れ、寸法安定性がきわめてよい。
【0009】
本発明では、この対象紙からなる多孔質の不織紙テープと熱圧縮した非多孔質の不織紙テープとを準備する。この2種のテープをスパイラル状に2層に巻き付けて接着成形し、ボイスコイル・ボビンをつくる。
【0010】
多孔質のテープが外層(上層)に巻き付けられた場合には、ボイスコイルとの接着性がより向上される。非多孔質のテープが外層(上層)に巻き付けられた場合であっても、対象紙自体の接着性がよいので、ボイスコイルとの接着性が低下することはない。
【0011】
テープを2層に巻き付けているので、1層の場合にくらべて機械的強度がより向上する。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1,2を参照して、本発明のスピーカ用ボイスコイル・ボビンの実施例について説明する。
【0013】
本実施例では、この対象紙からなる多孔質の不織紙テープと熱圧縮した非多孔質の不織紙テープとを準備する。この2種のテープAP,BPを、図2に示すように心金Mにスパイラル状に2層に巻き付けて接着成形し、ボイスコイル・ボビンをつくる。巻付けのさい、両テープの巻付けピッチをテープ幅の30−60%程度ずらすことが好ましい。
【0014】
このようにしてつくられたボイスコイル・ボビンの横断面図を図1に示す。不織紙の内層(下層)Aと外層(上層)Bとの中間に接着剤の中間層Cが成形される。
【0015】
多孔質の不織紙テープが外層Bで非多孔質の不織紙テープが内層であってもよく、また、その逆であってもよい。
【0016】
【実施例1】
厚さ0.05−0.1mm、幅26−40mmの多孔質のテープを外層Bとし、厚さ0.05−0.1mm、幅26−40mmの非多孔質のテープを内層Aとし、接着剤を用いて2層のスパイラル状に巻き付け、直径13.0−35.0mm、長さ300−600mmのボビン素管を成形した。このボビン素管を5−50mmの長さに切断してスピーカ用ボイスコイル・ボビンを得た。
【0017】
このボイスコイル・ボビンは、耐熱性、寸法安定性に優れ、スピーカとして要求される高品質の音質、低価格に十分に応えることができた。
【0018】
【発明の効果】
本発明のボイスコイル・ボビンは安価で耐熱性、非吸水性に優れているので、一般用途のスピーカのみならず、屋外、工場、乗物等の過酷な環境下での使用に特に適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のボイスコイル・ボビンの横断面図である。
【図2】本発明のボイスコイル・ボビンの製造工程の概略説明図である。
【図3】本発明のボイスコイル・ボビンに用いられる対象紙の特性を示すグラフであって、水浸漬時の吸水率を示す。
【図4】本発明のボイスコイル・ボビンに用いられる対象紙の特性を示すグラフであって、水浸漬時の寸法変化率を示す。
【図5】本発明のボイスコイル・ボビンに用いられる対象紙の特性を示すグラフであって、加熱時の重量変化率を示す。
【図6】本発明のボイスコイル・ボビンに用いられる対象紙の特性を示すグラフであって、加熱時の寸法変化率を示す。
【符号の説明】
A…内層(下層) B…外層(上層) C…中間層(接着剤)
AP,BP…テープ M…心金
【発明の属する技術分野】
本発明は、スピーカのボイスコイル・ボビンに関し、さらに詳しく言えば、全芳香族ポリエステル不織紙からなる2種類のテープをスパイラル状に2層に巻き付けて接着成形したボイスコイル・ボビンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、スピーカのボイスコイル・ボビンは、耐熱性、軽量性を得るためにポリアミド紙(商標NOMEX)等が使用されている。しかし、ポリアミド紙は、耐熱性はあるが、吸水性があり、乾燥時に収縮し、湿度を含むと膨張するという寸法安定性に欠ける問題があった。さらに、ポリアミド紙からなるテープをスパイラル状に巻き付けて接着成形すると、接着性が悪く、ボビンの変形、剥離等が起るという問題もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、優れた耐熱性と寸法安定性を備えたスピーカ用ボイスコイル・ボビンを得ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明のボイスコイル・ボビンは、多孔質の全芳香族ポリエステル不織紙からなる第1テープと、熱圧縮した非多孔質の全芳香族ポリエステル不織紙からなる第2テープとをスパイラル状に2層に巻き付けて接着成形した手段によって、上記課題を解決している。
【0005】
前記第1テープを外層にかつ前記第2テープを内層に接着成形するか、またはその逆に、前記第1テープを内層にかつ前記第2テープを外層に接着成形してもよい。
【0006】
【作用】
本発明のスピーカ用ボイスコイル・ボビンに用いられる対象紙は、全芳香族ポリエステル不織紙(例えば、商品「ベクルス」(商標)として、株式会社クラレから市販されている。)である。この不織紙は、ヒドロキシナフト酸とヒドロキシ安息香酸との共重合体である。この化学構造式を下記に示す。
【0007】
【化1】
【0008】
この不織紙(対象紙)は、図3−6に示すように優れた特性を発揮する。比較例として従来のアラミド紙の特性も示す。図3は水浸漬時の吸水率を、図4は水浸漬時の寸法変化率を、図5は加熱時の重量変化率を、図6は加熱時の寸法変化率をそれぞれ示す。いずれの場合においても、対象紙は耐熱性、非吸水性に優れ、寸法安定性がきわめてよい。
【0009】
本発明では、この対象紙からなる多孔質の不織紙テープと熱圧縮した非多孔質の不織紙テープとを準備する。この2種のテープをスパイラル状に2層に巻き付けて接着成形し、ボイスコイル・ボビンをつくる。
【0010】
多孔質のテープが外層(上層)に巻き付けられた場合には、ボイスコイルとの接着性がより向上される。非多孔質のテープが外層(上層)に巻き付けられた場合であっても、対象紙自体の接着性がよいので、ボイスコイルとの接着性が低下することはない。
【0011】
テープを2層に巻き付けているので、1層の場合にくらべて機械的強度がより向上する。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1,2を参照して、本発明のスピーカ用ボイスコイル・ボビンの実施例について説明する。
【0013】
本実施例では、この対象紙からなる多孔質の不織紙テープと熱圧縮した非多孔質の不織紙テープとを準備する。この2種のテープAP,BPを、図2に示すように心金Mにスパイラル状に2層に巻き付けて接着成形し、ボイスコイル・ボビンをつくる。巻付けのさい、両テープの巻付けピッチをテープ幅の30−60%程度ずらすことが好ましい。
【0014】
このようにしてつくられたボイスコイル・ボビンの横断面図を図1に示す。不織紙の内層(下層)Aと外層(上層)Bとの中間に接着剤の中間層Cが成形される。
【0015】
多孔質の不織紙テープが外層Bで非多孔質の不織紙テープが内層であってもよく、また、その逆であってもよい。
【0016】
【実施例1】
厚さ0.05−0.1mm、幅26−40mmの多孔質のテープを外層Bとし、厚さ0.05−0.1mm、幅26−40mmの非多孔質のテープを内層Aとし、接着剤を用いて2層のスパイラル状に巻き付け、直径13.0−35.0mm、長さ300−600mmのボビン素管を成形した。このボビン素管を5−50mmの長さに切断してスピーカ用ボイスコイル・ボビンを得た。
【0017】
このボイスコイル・ボビンは、耐熱性、寸法安定性に優れ、スピーカとして要求される高品質の音質、低価格に十分に応えることができた。
【0018】
【発明の効果】
本発明のボイスコイル・ボビンは安価で耐熱性、非吸水性に優れているので、一般用途のスピーカのみならず、屋外、工場、乗物等の過酷な環境下での使用に特に適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のボイスコイル・ボビンの横断面図である。
【図2】本発明のボイスコイル・ボビンの製造工程の概略説明図である。
【図3】本発明のボイスコイル・ボビンに用いられる対象紙の特性を示すグラフであって、水浸漬時の吸水率を示す。
【図4】本発明のボイスコイル・ボビンに用いられる対象紙の特性を示すグラフであって、水浸漬時の寸法変化率を示す。
【図5】本発明のボイスコイル・ボビンに用いられる対象紙の特性を示すグラフであって、加熱時の重量変化率を示す。
【図6】本発明のボイスコイル・ボビンに用いられる対象紙の特性を示すグラフであって、加熱時の寸法変化率を示す。
【符号の説明】
A…内層(下層) B…外層(上層) C…中間層(接着剤)
AP,BP…テープ M…心金
Claims (3)
- 多孔質の全芳香族ポリエステル不織紙からなる第1テープと、熱圧縮した非多孔質の全芳香族ポリエステル不織紙からなる第2テープとをスパイラル状に2層に巻き付けて接着成形したボイスコイル・ボビン。
- 前記第1テープを外層にかつ前記第2テープを内層に接着成形したことを特徴とした請求項1記載のボイスコイル・ボビン。
- 前記第1テープを内層にかつ前記第2テープを外層に接着成形したことを特徴とした請求項1記載のボイスコイル・ボビン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00005396A JP3631548B2 (ja) | 1996-01-04 | 1996-01-04 | ボイスコイル・ボビン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00005396A JP3631548B2 (ja) | 1996-01-04 | 1996-01-04 | ボイスコイル・ボビン |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09187098A JPH09187098A (ja) | 1997-07-15 |
JP3631548B2 true JP3631548B2 (ja) | 2005-03-23 |
Family
ID=11463508
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP00005396A Expired - Fee Related JP3631548B2 (ja) | 1996-01-04 | 1996-01-04 | ボイスコイル・ボビン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3631548B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4790452B2 (ja) | 2006-03-09 | 2011-10-12 | パイオニア株式会社 | ボイスコイルボビン、およびスピーカ装置 |
-
1996
- 1996-01-04 JP JP00005396A patent/JP3631548B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09187098A (ja) | 1997-07-15 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A977 | Report on retrieval |
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TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
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