JP3631495B2 - 糖タンパク質のグリコシル化の特性表示方法および糖タンパク質の生物学的利用能のインビトロ測定方法 - Google Patents

糖タンパク質のグリコシル化の特性表示方法および糖タンパク質の生物学的利用能のインビトロ測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、「仮説電荷数」(以下"N"と呼ぶ)に基づく、内因性糖タンパク質および外因性糖タンパク質の両者に適用できる、糖タンパク質のグリコシル化の特性表示方法、および糖タンパク質の生物学的利用能のインビトロ測定方法に関する。
これに関連して、外因性糖タンパク質とは、たとえば、哺乳動物細胞から得られる組換え治療用糖タンパク質(たとえば、インターロイキン2、エリスロポエチン、組織プラスミノーゲンアクティベーターもしくはアンチトロンビンIII)である。最近、これらの物質は、科学、製薬および公定試験研究所においてかなりの興味がもたれるようになっている。
これに関連して、内因性糖タンパク質とはヒトまたは非ヒト(たとえばウシ)血清糖タンパク質(たとえばヒトα−酸性糖タンパク質、ヒトトランスフェリンまたはウシフェチュイン、また他の種の糖タンパク質、たとえばニワトリオボムコイドまたはブタサイログロブリン)である。
治療用糖タンパク質の研究、開発および製造、ならびにそれらの公定試験およ1び/または臨床の認可には、インビボ半減期、生物学的安全性、製造物定義および品質同一性に関して、綿密な分析が要求される。
この点に関し、シアル酸(N−アセチルノイラミン酸,Neu5Ac)の比率は、Neu5Acの存在または不存在が血中における糖タンパク質の循環半減期ならびにそのクリアランスに決定的な影響をもつと考えられることから、従来より、とくに重要なパラメーターであった。しかしながら、糖タンパク質の糖質側鎖の精密な検討には、高度の熟練および広範囲の装置(たとえば、GC−MS、FAB−MSおよび高分解能1H−NMRスペクトル装置)を必要とする極めて精密かつ複雑な分析が必要である。
とくに治療用糖タンパク質(たとえばEPO)の認可を担当する当局はなお安全性の理由から、動物実験(インビボアッセイ)での糖タンパク質の治療活性について、著しく綿密な、時間と経費を要するが、しかし比較的不正確な測定を要求する。しかしながら、第一に簡単な信頼できる方法により実施可能であり、第二に、認可当局の正当に高度な要求に合致するインビトロアッセイが、もっと有利に利用できるのではないかと思われる。
その他の測定の履行に関しては、糖分析の冗長で経費のかかる方法を標準化可能なクロマトグラフ法で置換することが、既に一部成功している[Hermentinら(1992)Anal.Biochem.203,281−289;同著者、同誌(1992)206,419−429]。しかしながら、糖タンパク質の生物学的利用能のインビボアッセイの代替法として認可当局の要求を満足すると思われるパラメーターはこれまでにない。
したがって、本発明は、糖タンパク質のグリコシル化の程度の測定に適し、たとえば生物学的利用能および品質同一性の測定のための既知のインビボ方法を置換するのに適当な、簡単で信頼できる様式でのインビトロ方法を提供するという技術的問題に基づくものである。
この技術的問題は、特許請求の範囲において定義される実施態様の提供により解決される。
驚くべきことに、Nはインビボ方法で見出された糖タンパク質の生物学的利用能/生物活性と良好な再現性で極めてよく相関することが確認されたのである。良好な再現性および分析的正確さにより、Nはバッチの品質同一性(batch consistency)の測定方法にも使用することができる。
本研究により、Nは「グリコシル化状態」を記述するとの結論が可能になる。すなわち、グリコシル化は、Nを測定することによって簡単に比較できる。
本発明に関連して、糖タンパク質の「グリコシル化状態」とは、二、三および四突起グリカンからなるグリカンプールの組成ならびにそれらの個々のシアリル化の程度(結合N−アセチルノイラミン酸の含量)およびサルフェートまたはホスフェートの含量として理解される。
糖タンパク質治療剤の生物学的利用能とは、その治療剤がインビボにおいて、その生物活性および/または治療活性を発揮する能力として理解される。したがって、生物学的利用能および生物活性は、治療剤の血液循環からの排除であるインビボクリアランス行動によってそのすべてが決定される。たとえば、EPOがN−グリコシド糖鎖の末端に結合するN−アセチルノイラミン酸を欠く場合には、それは肝臓においていわゆる「アシアロ受容体」によって極めて迅速に血液循環から除去され、その結果その生物活性を発揮できないことが知られている。
驚くべきことに、治療用糖タンパク質のNは糖タンパク質のインビボ半減期と相関し、したがって治療用糖タンパク質の各ロットから期待されるクリアランス行動を前もって極めて簡単な方法で評価することを可能にする、全く新規な測定パラメーターを構成する。その結果、Nはまた、糖タンパク質の各ロットに期待される生物学的安全性および治療活性に関する結論を導くことも可能にする。すなわち、治療用糖タンパク質の各ロットのNが測定されれば、たとえば、動物実験(インビボアッセイ)における糖タンパク質の治療活性の極めて繁雑な、時間と経費のかかる、比較的不正確な測定が不要になる。これはさらに動物実験の減少、したがって動物福祉の改善に、新たな実質的貢献を可能にするものである。同時に、Nは品質同一性のとくに適当な指標となる。
内因性糖タンパク質の場合、たとえば糖タンパク質がたとえば疾患によりグリコシル化が変動するヒト血清糖タンパク質の場合には、Nが疾患に相関し、したがって、疾患の重篤度について推論を導くことを可能にする診断的測定パラメーターとして定義できるという事実は、また驚くべきであり、とくに価値がある。たとえば、炎症性疾患においては、これは、炎症の発症時にそのグリコシル化が変化することが知られている、たとえばα−酸性糖タンパク質のような「急性相糖タンパク質」の場合に当てはまる[De Graafら(1993)J.Exp.Med.177,657−666]。これはまた、蛋白質結合シアル酸の含量(したがって、グリコシル化)が腫瘍疾患の進行とともに変化する腫瘍疾患の場合にもいえる[Shahangianら、(1991)Clin.Chem.37,200−204]。
たとえば、腫瘍患者からの腫瘍関連糖タンパク質のNを測定すれば、腫瘍増殖時におけるシアリル化の変化[Shahangianら、前出、p.200]の観察に基づき、その腫瘍疾患にステージを推定することが可能になる。
最近、特定の糖タンパク質のグリコシル化が疾患により変化することの証拠を提示する一連の報告が、Glycokonjugate J.の特集号(12巻3号、1995年6月)に発表された。すなわち、たとえばα−フェトプロテインは肝癌の初期診断に適当であり[Aoyagi、同号、p.194−199]、循環血液型物質関連糖質抗原が腫瘍マーカーとしての使用に適当であり
Figure 0003631495
α−プロテイナーゼインヒビターおよびハプトグロビンは、卵巣癌の診断に適当であり[Turnerら、同号、p.211−218]、トランスフェリンは脳脊髄液の特性表示ならびに隠されたアルコール濫用および糖質欠乏性糖タンパク質症候群の診断に適当であり[De Jongら、同号、p.219−226]、さらにα−酸性糖タンパク質のグリコ型は炎症および癌の診断に適している[Mackiewicz & Mackiewicz、同号、p.241−247]。
すべてこれらのおよび他の診断に、Nは、患者の疾患のステージの決定に有利な方法として加えることができる。
本発明のとくに重要な点は、電荷同型のグリカン基、とくに異なるシアリル化度(アシアロからペンタシアロまで)を示すグリカン基の分布が、糖タンパク質の生物学的利用能およびその品質同一性の決定的な指標であることを明らかにした点である。これに関連して、本発明では、電荷同型のグリカン基を、それらの電荷とくにそれらのシアリル化の程度に応じて加重することが重要である。これらの加重された分画を合計したものがNである。
糖タンパク質のNは、たとえば最近報告されたように至適化され標準化されたクロマトグラフィー法を用いることにより極めて容易にかつ正確に測定することができる[Hermentinら(1992)Anal.Biochem.203,281−289]。
糖タンパク質のNは、
a)糖タンパク質のグリカンプールをそれ自体既知の方法で、化学的に(たとえば、加ヒドラジン分解により)または酵素的に(たとえば、PNGアーゼFを用いて)遊離させ、ついでそれを単離し、
b)そのプールを、それ自体既知の方法で、イオン交換クロマトグラフィーにより(好ましくはHPAE−PADを用いて)主として電荷に応じて分画化し、
c)電荷に応じて分離されたピークもしくはグリカン基の面積により表される%分画を、それ自体既知の方法によって求め、
d)中性(アシアロ,as)、モノシアロ(MS)、ジシアロ(DiS)、トリシアロ(TriS)、テトラシアロ(TetraS)およびペンタシアロ(PentaS)範囲におけるピークもしくはグリカン基の面積により表される%分画にそれぞれ0(アシアロ)、1(MS)、2(DiS)、3(TriS)、4(TetraS)および5(PentaS)を乗じ、ついで
e)各場合に得られる積を合計する
ことによって決定される。
Nの決定の目的では、糖タンパク質のAsn−結合糖鎖を、それ自体既知の様式で、原理的には2つの方法により、すなわち化学的に(たとえば、加ヒドラジン分解により)または酵素的に(たとえばN−グリカナーゼまたはPNGアーゼFを用いて)遊離させることができる。酵素的方法では、各場合について反応条件の至適化−たとえば糖タンパク質の予備的なトリプシン消化または適当な界面活性剤の添加−を行わなければならないという要求がある。加ヒドラジン分解にも副反応を最小限にする場合には、特殊なノウハウが要求される。しかしながら、現在はそれはOxford GlycoSystemsにより供給される装置(GlycoPrep 1000)を用いて完全に自動化された様式で実施することができる。
HPAECはN−グリカンを、主として電荷すなわちそれらがもつシアル酸残基数に従って分画化し、[Hermentinら(1992),Anal.Biochem.203,281−289]、これが糖タンパク質のNの測定にとくに適している理由である。
すなわち、HPAE−PADを用いて糖タンパク質のN−グリカンプールをマッピングすると、同じ電荷のグリカン−概して同じ数のNeu5Ac残基をもつグリカン−は、その大部分を明瞭に分離したピーク群に集合できることが見出された。これをrhu IL−4R(CHO)のグリカンプールにより例示する(図1)。この場合の証明ずみのアプローチでは、2つの内部標準、一つはグリカンプールの各ピークの前に溶出する内部標準(S1=たとえばLNnTもしくはLNFP−V,Oxford GlycoSystems)、他方はグリカンプールの各ピークの後に溶出する内部標準[S2=(Neu5Ac)]を用い、検出されるグリカンが常に2つの標準の間のRT領域に位置し、100%に相当するそれらの総ピーク面積がクロマトグラフィー分析ソフトウエアを用いて容易に確認できるようにする。すなわち、総ピーク面積は2つの内部標準S1およびS2の保持時間の間に位置するピークの積分および合計によって得られる。同様にして、電荷により分離された0、1、2、3、4および5の負の電荷を有するピーク群も積分によって合計すると、それらの個々のピーク群面積“A"がグリカンプールの総ピーク面積の%分画として計算できる。この計算に際しては、すべてのグリカンが同じ応答ファクターをもつと仮定されている。
仮説電荷Nは、式I:
Figure 0003631495
(式中、A(as)、A(MS)、A(DiS)、A(TriS)、A(TetraS)およびA(PentaS)は、ピーク面積=100%に基づく、アシアロ、モノシアロ、ジシアロ、トリシアロ、テトラシアロおよびペンタシアロ範囲におけるそれぞれの%ピーク群面積分画である)に従って計算される。
この方法では、たとえば、主として四突起テトラアシロ(C4−4)構造を有する組換えエリスロポエチンのような糖タンパク質については約400のNが得られる。同様の方法で、主として三突起トリアシロ(C3−3)構造を有するウシフェチュインのような糖タンパク質については約300のNが得られ、主として二突起ジアシロ(C2−2)構造有するヒトアンチトロンビンIIIのような糖タンパク質については約200のNが得られる。たとえば、アシアロ構造のみを有するウシ膵臓リボヌクレアーゼのような糖タンパク質またはいわゆる頭部切断型を有するニワトリオボムコイドのような糖タンパク質では、ほぼ0のNが得られる。
分析的な観点からは、必要に応じて他の分離方法を使用する前に、まず第一に糖タンパク質からシアリル化の程度に応じてクロマトグラフィーで単離されたグリカンプールを分画化することが望ましい。このクロマトグラフィーによる分離は、陰イオン交換カラム、たとえばGlycopac(登録商標)DEAE(Waters)、MonoQ(登録商標,Pharmacia)またはGen−Pak(登録商標)FAX(Waters)を用いて、あるいは薄膜陰イオン交換樹脂[CarboPak PA−1(登録商標)またはCarboPak PA−100(登録商標),Dionex]上、HPAEC(高−pH陰イオン交換クロマトグラフィー)を用いて実施することができる[Lee & Rice(1994)in:“Glycobiology−A Practical Approach",Chapter 3C,pp.127−163,IRL Press,Fukuda & Kobata編]。
最近、パルス電流滴定検出を用いる高−pH陰イオン交換クロマトグラフィー(HPAE−PAD)が糖タンパク質のオリゴ糖鎖の構造的分類において、迅速で経済的で、とくに容易に再現可能なクロマトグラフ法の基準に合致し、極めて満足できるものであることが証明された[Hermentinら(1992)Anal.Biochem.203,281−289;Hermentinら,(1992)Anal.Biochem.206,419−429]。この方法ではオリゴ糖は陰イオン交換カラム(CarboPak PA−1またはCarboPak PA−100,Dionex]上アルカリ性条件下に分離される。この方法では最初に、糖タンパク質からそれらの電荷によって単離されたN−グリカンを分離し、それによって中性(アシアロ)構造ならびにモノ、ジ、トリ、およびテトラシアロ構造(すなわち0〜4の負に荷電したノイラミン酸残基を有するN−グリカン)からなるN−グリカンプールの組成に関する情報が提供される。糖は、極めて選択的に高感度で、グリカンを誘導体化することなく、金電極におけるパルス電流滴定検出によって測定される。
Nの測定は、例証としてrhuIL−4R(Behringwerke AGにより供給された治療用糖タンパク質)を用いた多数の実験によりその有効性が確認された。これらの実験は仮説電荷数が、タンパク質のグリコシル化の新規な、有益な、信頼できる特徴的パラメーターとみなし得ることを証明することができた。
得られたHPAE−PADクロマトグラフからNを決定する様々な例を以下に示す。このためには、グリカンを、様々な糖タンパク質からそれ自体既知の方法により、自動化加ヒドラジン分解[Oxford GlycoSystems,OGS,GlycoPrep 1000(登録商標)]もしくは酵素的に(PNGアーゼFを用いて)遊離させ、ついで単離するか、あるいは直接Oxford GlycoSystemsからグリカンプールとして購入し、標準“S"勾配でHPAE−PADにより測定した[Hermentinら(1992)Anal.Biochem.203,281−289]。
Nの測定は、例証として、rhu IL−4RのHPAE−PADクロマトグラムを一例として用いて示し(図1)、関連する計算は表1に示す。Nはすべての他の例でも同様の方法で測定された。
α−酸性糖タンパク質(AGP)のNの測定は、AGPがそのNグリカン中に糖鎖としてコース残基をもつことで、上述の他の糖タンパク質についての測定とは若干異なっている[Hermentinら(1992)Anal.Biochem.206,419−429]。HPAECでは、上述の型のNグリカンが標準“S"勾配で相当する非フコシル化N−グリカンに比較して約4分早く溶出する。この理由から、他の例で観察される電荷同型のピーク群への明瞭な分離が、AGPのN−グリカンプールの場合には得られず、それどころか、これらのピーク群は重複する[Hermentinら(1992)Anal.Biochem.206,419−429]。AGPの場合は、仮説電荷数はHermentinら(1992)Anal.Biochem.206,419−429によって記載された電荷に基づくピークアサインメントを用いて測定された。この方法は実施例9および10におけるNの測定に使用された。
糖タンパク質のN−グリカンが、ノイラミン酸のほかにたとえばサルフェート基を含有する場合には、Nの値はたとえば、電荷によって分離され、クロマトグラムの6または7電荷領域に位置するピーク群にそれぞれ6または7を乗じることによって決定される。
多くの糖タンパク質について測定されたN値を表3にまとめて示す。
以下に記述する実施例は本発明を限定するものではない。
実施例1:
rhu IL−4R(CHO)(バッチE4−930914)を用いたNの測定の有効性の確認
a)加ヒドラジン分解反応器あたりrhu IL−4R 1.0mgを用いた有効性の確認
Nの測定は、対照の糖タンパク質としてrhu IL−4R(CHO)を用いて、その有効性が確認された。このためには、IL−4Rサンプル(バッチE4−930914、Behringwerke AG)のグリカンプールを遊離させ、ついで異なる3日に6種の混合物を、内部S1標準としてLNFP−Vの存在下に自動加ヒドラジン分解により単離した[GlycoPrep 1000(登録商標),Oxford GlycoSystems;2つの反応器で同時に加ヒドラジン分解;各反応器あたり1mgのIL−4Rを添加]。6種のグリカンプールをそれぞれ、Sephadex G−25 Superfine(Pharmacia)(カラム充填,21×1cm)を通過させて脱塩し、3回[異なる3日に、各場合ともS2=(Neu5Ac)を添加]HPAE−PADで測定し、ついで各場合につき、得られたそれぞれのクロマトグラムから式1を用いてNを測定した。18回のHPAE−PAD単一試行のそれぞれの場合について積分されたピーク面積分画、および各場合について式1に従って実施した合計の詳細な一覧を表1に示す。図1に示したHPAE−PADマッピングクロマトグラムは例示例および参考試行として有用である。
これらの実験では、上記IL−4RサンプルのNがN=201±3(CV=1.4%)というきわめて高度な再現性で測定された(表2)。
b)加ヒドラジン分解反応器あたりrhuIL−4R 0.50mgを用いる有効性の確認
第二の有効性確認実験では、加ヒドラジン分解は、実施例1a)の場合と同様に、6種の異なる混合物について反応器あたり0.5mgのrhu IL−4Rを用いて実施し、結果を平均した。この場合、Nは、N=194±5(CV=2.3%)であった(表2)。
Figure 0003631495
実施例2:
CHAPSの存在下もしくは不存在下におけるPNGアーゼF消化後のrhu IL−4R(CHO)(バッチE4−930914)のN値の測定
N−グリカンを、ジチオエリトロール(DTE;DTEの0.3M水溶液25μl)による糖タンパク質(500μg)の70℃で10分間の還元後に遊離させた。DTEの過剰を、排除限界10,000DのCentriconカートリッジ(Amicon)で濃縮して除去し、濃縮物をついでCentriconチューブ中グリカナーゼ消化緩衝液で3回洗浄した。濃縮物を次にEppendorfカプセルに移し、グリカナーゼ消化緩衝液(500μl)中PNGアーゼF(Boehringer Mannheim;5単位)により、50mMリン酸ナトリウム緩衝液pH7.6中、37℃で48時間、0.5%CHAPSのa)存在下またはb)不存在下に消化した。
実施例1aと同様に脱塩したのちに以下のN値を測定した。
a)(CHAPSの不存在下):N=208;
b)(CHAPSの存在下):N=206(表2)
したがって、この実験では、界面活性剤CHAPSの添加により脱グリコシル化には何らの改善も達成できないことが証明された。
c)別法として、rhu IL−4Rは、Hermentinら(1992)Anal.Biochem.206,419の記載のように、ジチオスレイトール(DDT)で還元し、ついでトリプシンで消化したのちにカルボキシアミドメチル化した。次に、実施例2b)と同様にして0.5%のCHAPSの存在下にグリカンの遊離を行った。この場合、N値はN=200であることが見出された(表2)。
d)rhu IL−4Rを、酵素トリプシンに代えて酵素LysCを用いて実施例2c)と同様に消化した。
他の点は実施例2c)と同様に操作した。この場合、N値はN=204であることが見出された(表2)。
実施例2a)〜2d)によって測定された電荷数の平均値は、N=204.5±3.4(CV=1.7%)である(表2)。
これらの4つの電荷数は自動加ヒドラジン分解後、実施例1aおよび1bで測定された平均電荷数N=201(1a;反応器あたりIL−4R 1.0mg)およびN=194(1b;反応器あたりIL−4R 0.5mg)とよく一致する(表2)。
Figure 0003631495
実施例3:
自動加ヒドラジン分解後のrhu IL−4R(CHO)(バッチB11−930406)のN値の測定
加ヒドラジン分解は0.5mgのrhu IL−4Rを用いて実施例1bと同様に実施した。N値は、N=243であることが見出された。
実施例4:
CHAPSの不存在下および存在下における、PNGアーゼFによる消化後のrhu IL−4R(CHO)(バッチB11−930406)のN値の測定
N−グリカンはそれぞれ実施例2a)および2b)と同様にして遊離させた。
その後のN値はa)(CHAPSの不存在下):N=241;b)(CHAPSの存在下):N=246;平均値、N=243.5±3.5(1.5%)であった(表2)。
これらの2つのN値は、加ヒドラジン分解後に実施例3aで測定された電荷数N=243とよく一致し、したがって、バッチB11−930406のrhu IL−4Rは、N=243のN値を有するということができる(表2)。
したがって、同一の培養、収穫および精製条件では、クローンB11−930406からの原料(N=243)(実施例3および4)の方がクローンE4−930914からの原料(N=204.5)(実施例1および2)よりも高度に荷電されたおよび/または高度に付加されたグリカンをより高比率に含有したことが明らかにされた。
実施例5:
それ自体既知の糖分析パラメーターおよび糖タンパク質のマウスモデルにおけるインビボクリアランス行動とNの比較
BHK細胞から単離された可溶性マウスインターロイキン4受容体のプレパレーション(rmur IL−4R,Behringwerke AG)を、それ自体既知の方法で、それを陰イオン交換樹脂(Q−Sepharose,Pharmacia)に通すことにより、5つの分画Q1〜Q5に分画化した(図2)。個々の分画をそれ自体既知の方法で分析した(等電点電気泳動、シアル酸測定および単糖成分の含量)。ゲル分析ソフトウエアを用いてそれ自体既知の方法でIEFバンドパターンをスキャンした。得られたバンドスキャンを図3に示す。それ自体既知の方法で得られた分析データは表3に示す。
N−アセチルノイラミン酸(Neu5Ac;シアル酸)含量はHermentin & Seidat(in:GBF Monographs,Vol.15,pp.185−188,H.S.Conradt編,VCH,Weinheim/New York/Cambridge)の記載に従って測定した。
単糖の測定はHardyら[Anal.Biochem.(1988)170,54−62]の記載に従い、それ自体既知の方法で測定した。Neu5Ac/Gal(mol/mol)商は単糖分析の結果から決定した。
注:
通常のN−グリカンでは、Neu5Acは常に突起ガラクトース残基に結合するので、Neu5Ac/Gal(mol/mol)商は、末端ガラクトースの含量の計算を可能にする。またN−グリカンの末端ガラクトースは、N−グリカン中に末端ガラクトースを有する糖タンパク質がいわゆるアシアロ受容体によって肝臓で血中から排除されるので、糖タンパク質のクリアランス行動に影響を与える。シリアル化の程度(Neu5Ac/Gal;mol/mol)はしたがって、肝臓での消失が期待できる糖タンパク質の程度についての結論を導くことを可能にする。しかしながら、シアリル化の程度には、2つの試験(Neu5AcおよびGalの測定)の分散が合計されるのでシリアル化の程度の測定は比較的不正確になる。この理由から、インビボ投与に伴う糖タンパク質のクリアランス行動を記述するさらに正確なパラメーターが要求される。
N−グリカンが高マンノール構造および複合型構造から構成される程度の指標を提供するマンノースとガラクトースのモル比の商(Man/Gal;mol/mol)も、単糖分析の結果から確認された。
注:
高マンノール構造を含有する糖タンパク質も、肝臓で受容体(いわゆる高マンノース受容体)によって血液循環から除去されるので、糖タンパク質が示すことが期待されるクリアランス行動についての結論を導くことを可能にする。高マンノース構造の含量も式1による仮説電荷数の計算に含まれているので、Nは高−Man構造の含量も反映し、したがって高−Man受容体によるクリアランスの程度を予測することも可能にする。
個々の分画について、N値を実施例1と同様にして測定した。
Figure 0003631495
個々の分画のクリアランス行動はまた、それ自体既知の方法で、マウスモデル(AUD)においてチェックした(表3)。
このためには、個々の分画のアリコートをマウスに注射し、マウスの血中からのrmur IL−4RのクリアランスをELISAでモニターした。
IL−4Rのクリアランス速度は以下のように測定した:雌性BALB/Cマウスの尾静脈にIL−4Rの単回注射(10μg,0.2μg/kg)を行った。投与5、10および30分後、血清単離のための血液サンプルを眼窩後静脈群から穿刺により採血した。各血清サンプル中のIL−4R濃度をELISAを実施して測定した。測定された血清中IL−4R濃度を時間に対してプロットした曲線(AUD5-30)を、いわゆるぶらんこ則[Koch(1985)Apoth.Ztg.,29,1975年4月17日発行]を用いて計算した。この曲線を用いて、初期クリアランス(C15-30)を式C15-30=用量/AUD5-30に従い計算した。
結果:
図3に示したIEFバンドのスキャンから明らかなように、分画Q1〜Q4はそれらのIEFグリコ型バンディングパターンに連続的な差を示すが、一方、分画Q4とQ5はIEFによっては識別できないことがわかる。しかしながら、等電点電気泳動では、定量的に評価できないか、または定量的評価が可能であっても極めて困難であるという欠点があり、したがって主として定性的測定パラメーターにしかならない。
シアル酸含量は分画Q1(13.6μg/mg)から分画Q4(109.5μg/mg)に連続的に増加するが、分画Q4とQ5は、事実上同一であることがわかる(表3)。すなわち、シアル酸測定の結果は等電点電気泳動の結果とよく相関する。
シアル酸含量と同様、しかしその程度はそれほど著しくなく、シアリル化の程度(Neu5Ac/Gal商)も分画Q1(ガラクトース残基あたり0.20Neu5Ac)から分画Q4(ガラクトース残基あたり0.67Neu5Ac)に増加するが、ついでもう一度分画Q5(ガラクトース残基あたり0.63Neu5Ac)で分画Q3の値(ガラクトース残基あたり0.62Neu5Ac)にほぼ低下する(表3)。分画Q5の分析値におけるこの分画Q3の値への低下は、シアル酸測定または等電点電気泳動いずれでも観察されなかった。したがって、シアリル化度(Neu5Ac/Gal;mol/mol)は、Neu5Ac測定または等電点電気泳動よりも、この2つの各試験(すなわち、ノイラミン酸測定および単糖成分分析)の不正確さがシアリル化度の商では加算されているので、信頼性の低いパラメーターであると考えなければならない。
これに反して、Mal/Gal商は分画Q1(3.02mol/mol)から分画Q4(1.04mol/mol)に連続的に増加し、分画Q5(0.98mol/mol)では測定精度の限界内で事実上一定に維持される(表3)。分画Q1から分画Q5へのその連続的経過から、Mal/Gal商も、Neu5Ac測定および等電点電気泳動と同様に、信頼できる有意義なパラメーターであると思われる。
式1および/または実施例1に従って測定されるNは、期待されたように、シアル酸含量と平行して増加し、N=147(分画Q1)からN=248(分画Q4)へは連続的に経過するのに対し、分画Q4(N=248)から分画Q5(N=247)へは一定に維持される(表3)。したがって、シアル酸測定および等電点電気泳動の定性的経過の両結果を反映するNの測定は、極めて良好で、シアリル化の程度(Neu5Ac/Gal;mol/mol)よりも優れている(Neu5Ac測定およびIEFと同様に)ように思われる(以下の実施例6には、Nの測定もNeu5Acの測定より優れていることを例証する)。
分画Q1〜Q5のクリアランス行動(AUD,データ下面積;μg/ml*min)もそれ自体既知の方法により測定した。この場合、マウス血中におけるIL−4Rの循環半減期はAUDの増加とともに増加する。表3から明らかなように、AUDは分画Q1(AUD=1)から分画Q5(AUD=86)に連続的に増加する。したがって、AUDは、分画Q1〜Q4について、IEF、シアル酸含量、Man/(mol/mol)商およびNとよく相関する。分画Q5の場合、AUDのみが上記測定パラメーターと相違することがわかる。すなわち、クリアランスは電荷数と緊密に相関し、Nは、適当な標準と比較して、糖タンパク質がインビボ投与に関連して示すことが期待できるクリアランス行動に関して満足できる結論を導き得ることが見出された。
注:
原料の不足により、測定された他の分析値からのAUDのこの差が事実の真の反映であったのかまたは人為的結果(孤立値)であったのかを、反復して測定することはできなかった。さらに、動物福祉のためAUD測定点あたり1匹のマウスのみを用いてAUDを測定したので、測定された分析値に比較してAUD値の信頼性には限界があるという事実を付記する必要がある。
結果:
したがって、糖タンパク質がインビボにおいて示すことが期待できるクリアランス行動を予測する目的では、式1によるNは、アシアロ受容体によって期待されるクリアランスおよび高−Man受容体にによって期待されるクリアランスの両者をカバーし、上述の他の分析方法のいずれかによって得られる推論よりも、期待されるクリアランス行動についてさらに正確な推論を可能にすることから、Nにはとくに利点がある。
実施例6:
Nおよびrhu IL−4R(CHO)の保存安定性
ファーメンター収穫メジウム中におけるIL−4Rの貯蔵能を測定するために、収穫物のアリコートを様々な温度(室温、+4℃、−20℃および−70℃)で保存した。アリコートを時間0ならびに1、2および3カ月後に採取した。これらのアリコートからのIL−4Rを、それ自体既知の方法で、固定化抗−IL−4Rモノクローナル抗体上親和性クロマトグラフィーにより精製した。精製したIL−4Rサンプルそれぞれについてノイラミン酸含量およびN値を(実施例1と同様に)測定した。結果は図4にまとめる。
図4に示すように、Nは−70℃および−20℃で保存したサンプルの場合は一定であったが、+4℃で保存したサンプルの場合、さらに室温で保存したサンプルの場合には、保存時間が長くなるに従い、Nは著しく低下した。
ノイラミン酸測定の結果(図4b)は予測された値よりかなり低いが、それらには電荷数の場合と同じ傾向を示す証拠が認められる。したがって、分析的観点からは、電荷数の測定はノイラミン酸の測定より優れていることが自明である。その利点は、ノイラミン酸の測定とは異なり、電荷数を測定するためには(糖)タンパク質濃度の対照を必要とせず、したがって、とくにタンパク質測定の誤差が試験結果に含まれないという利点により、高精度に電荷数が測定できることに基づくものである。
すなわち、Nは糖タンパク質の貯蔵能のパラメーターとして用いるのに著しく適していることを証明することができた。
実施例7:
rhu EPO(BHK)のNの測定
N−グリカンはrhu EPO(BHK)(Merckle AG)からPNGアーゼFにより、それ自体既知の方法で遊離させた[Nimtzら,Eur.J.Biochem.(1993)213,39−56]。
N値は実施例1と同様にして測定し、N=323であった(表4)。
注:
Nimtzら[Eur.J.Biochem.(1993)213,39−56]はrhu EPO(BHK)の糖タンパク質(Merckle AG)を詳細な分析試験により(GC−MS,FAB−MSおよび1H−NMRを用いて)極めて広範に検討した。この試験により、上記rhuEPOのN−グリカンプールは、40.9%テトラシリアル化N−グリカン、35.0%トリシアリル化N−グリカンおよび21.1%ジシアリル化N−グリカンからなることが明らかにされた。これらのデータは、式1を用いるとN−グリカンプールにつきN=40.9×4+35.0×3+21.2×2=311のN値を与える。驚くべきことに、Nimtzらによって提示されたデータを用いて計算されたこの電荷数N=311は実施例1に記載のように計算した電荷数N=323と極めてよく一致する。2つの電荷数の差は12であり、差の百分率は4%未満にすぎない。しかしながら、比較すると、実施例1に記載の電荷数の測定の方がはるかに安価で、迅速で、簡単であることがわかる。したがって、Nは、糖タンパク質のグリコシル化状態の特徴表示の新規な、極めて有用な、そして有利な測定パラメーターである。
実施例8:
rhu EPO(CHO)のNの測定
N−グリカンはrhu EPO(CHO)(Boehringer Mannheim)からPNGアーゼFにより、それ自体既知の方法で遊離させた(Nimtzら,同誌)。
N値は実施例1と同様にして測定し、N=361であった(表4)。
注:
Watsonら[Glycobiology(1993)4,227−237]もrhu EPO(CHO)の糖タンパク質(Amgen)を詳細な分析試験で検討した。この試験は、上記rhu EPO(CHO)のN−グリカンは90%以上がシアリル化されていること、すなわち、実施例9におけるBHK−EPOに比べて高い電荷数を説明する事実を示した。
Watsonら(上述)は、Waters glycopak(登録商標)DEAE−陰イオンカラム上PNGアーゼF消化後、得られたN−グリカンプールを分離した。本発明に関連して、Watsonらの報告の図1に記載のクロマトグラム(p.228)を用い、式1によってN値を測定した。この結果、Amgen CHO EPOのN値は367であって、Boehringer Mannheim CHO EPOについて実施例8で測定した電荷数N=361と極めてよく一致する。
C.H.Hookeの学位論文[Hokkeら(1993),in Hokke,C.H.“Structure determination of glycoprotein glycans"(doctoral thesis),pp.51−90]中には、Organon Technikaのrhu EPO(CHO)の糖構造の詳細な解明が記載されている。この場合、学位論文では、このEPOのN−グリカンの18〜20%はノイラミン酸残基1個を欠き、さらにこのN−グリカンの3%はノイミラン酸残基2個を欠くことが証明されている。本発明により、Hokkeにより提示されたデータを用いてNを求めると、N=286であった。この電荷数はAmgen CHO−EPOのN(N=361)およびBoehringer Mannheim CHO−EPOのN(N=367)よりもはるかに低く、またMerckle BHK−EPOのN(N=323)よりもはるかに低い。この理由から、Organon TechnikaのCHO−EPOのクリアランスはかなり高く、これに伴いその生物活性はかなり低いものと推定される。
注:
上記実施例および序言の部分に説明されたように、グリコシル化(したがって電荷数)は、相当する糖タンパク質が単離される方法に依存してバッチ間で変動する。この証明はさらに実施例9および10に示す。
実施例9:
NおよびAGPからの様々なN−グリカンプールの比較
Hermentinら[Anal.Biochem.(1992)206,419−429]はAGP(バッチ281184,Behringwerk AG)から様々な方法で調製したN−グリカンプールを比較し、これらのプールを、市販品を入手したAGPのN−グリカンライブラリー(LB−001,OGS)と比較した。各場合に得られたHPAE−PADマッピングクロマトグラムが発表されている(Hermentinら、上記)。上記報告は、マッピングクロマトグラムが結合N−アセチルノイラミン酸の喪失により異なることを証明している。これは、マッピングクロマトグラムを他のクロマトグラムに重ねて実証されている(Hermentinら、上記、図5)。
本発明に関連して、Hermentinら(上記、図5)によって発表されたAGPマッピングクロマトグラムそれぞれについて、遡って電荷数を(実施例1と同様にして)測定した。これは電荷数が以下のように増加することを示した。
試行a:N=248(LB−001,OGS;「加ヒドラジン分解誘導」)
試行b:N=262(「大規模加ヒドラジン分解」,50mg AGP)
試行c:N=276(「大規模加ヒドラジン分解」,1000mg AGP)
試行d:N=285(「自動加ヒドラジン分解」,2mg AGP)
試行e:N=289(「予めトリプシンAGP消化後PNGアーゼF−誘導」)
試行の個々のN値は、グリカンプールの組成が異なることを支持する証拠を提供する。しかしながらそれらはまた、マッピングクロマトグラムの比較に基づきHermentinら(上記)による試行dおよびeのクロマトグラムが類似するという所見が支持される証拠を提供するものでもある。これはまた、電荷数Nの、予測性、有用性およびその結果として有利な重要性を支持する証拠を提供するものでもある。
実施例10:
NおよびPNGアーゼFによるAGPの消化
注:
AGPのN−グリカンは、AGPを予めトリプシン消化および/または特殊な界面活性剤処理に付さないとPNGアーゼFによって不完全にしか切断できないことが知られている[Nuckら(1990)Glycoconjugate J.7,279−286]。実施例10は、AGPのN−グリカンプールが(PNGアーゼFを用いた場合)不完全に単離された事実を電荷数の計算(実施例1と同様にして)により証明できることを示す。
このため、AGPのN−グリカン(実施例7および8に記載)をPNGアーゼFと48時間インキュベーション後に単離した。単離されたN−グリカンプールの電荷数を実施例1と同様に測定したところ、N=248であった。この値は実施例9に従って測定されたN=289の値(試行e)より実質的に小さかった。したがって、電荷数に基づき、高度に荷電されたN−グリカンほど、AGPを実施例10に記載のようにPNGアーゼFとインキュベートすると(すなわち、実施例9で用いたようにAGPをトリプシンで前もって消化しないと)、切断が、明らかにとくに困難であると結論することができる。
これはさらに、電荷数Nの予測性、有用性およびその結果として有利な重要性ならびに糖タンパク質のグリコシル化状態の重要な診断的パラメーターあることを支持する証拠を提供するものである。たとえば、個々のドナー由来のAGPのNを測定することによって、炎症の重篤度についての結論を導くことができる[De Grafら,J.Exp.Med.(1993)177,657−666]。
実施例11:
各種糖タンパク質のN値
Nは糖タンパク質のグリコシル化状態の特性を表示するための新規な、極めて有用でかつ有利な測定パラメーターであることから、電荷数が実施例1と同様にして測定された各種糖タンパク質の電荷数を例証として表4に掲げる。特定の糖タンパク質の起源、ならびに特定のN−グリカンプールの調製または起源(加ヒドラジン分解もしくはPNG−アーゼFによる調製、またはOxford GlycoSystems(OGS),Abingdon,England)からの製品の入手)も表4に示す。
したがって、Nは糖タンパク質のグリコシル化状態の特徴表示に極めて好都合な様式で適している。
Figure 0003631495
図面の説明
図1
図1は、Hermentinら,Anal.Biochem.203(1992)pp.281−289によって記載された標準条件下に、HPAE−PADを用いて分離後のrhu IL−4R(バッチE4−930914)のN−グリカンマッピングプロフィルを示す。
注:
S1:内部標準1
S2:内部標準2
クロマトグラム中、グリカンはS1とS2の間に位置する。S1の前のピークは加ヒドラジン分解に由来し、このピークの本質は不明である。
図2
図2は、Q Sepharose FF上での陰イオン交換クロマトグラフィーによるrmur IL−4R(バッチ018PP)の分画化を示す。
図3
図3は、図2に示すようにして得られたrmur IL−4R(バッチ018PP)のQ Sepharose FF分画の等電点電気泳動(IEF)を示す。
関連する分析データは表3に包含されている。
図4
培養液の上清中、室温(RT)、+4℃,−20℃および−70℃における保存時において、図4aはNの低下を、図4bはrhu IL−4RのNANA含量の低下を示す。

Claims (15)

  1. 仮説電荷数(N)を用いて糖タンパク質のグリコシル化の特性を表示する方法において、電荷数は、
    a)糖タンパク質のグリカンプールを単離し、
    b)そのプールを、イオン交換クロマトグラフィーにより、主として電荷に応じて分画化し、
    c)電荷に応じて分離されたピーク群(グリカン)の面積によって表される%分画を求め、
    d)中性(アシアロ)、モノシアロ(MS)、ジシアロ(DiS)、トリシアロ(TriS)、テトラシアロ(TetraS)およびペンタシアロ(PentaS)範囲におけるピーク群の面積によって表される%分画にそれぞれ0(アシアロ)、1(MS)、2(DiS)、3(TriS)、4(TetraS)および5(PentaS)を乗じ、ついで
    e)各場合に得られる積を合計する
    ことによって決定する方法。
  2. 請求項1記載の方法を用いて糖タンパク質について得られた電荷数をインビボ測定で得られた標準値と関連づける、糖タンパク質の生物学的利用能のインビトロ測定方法。
  3. 請求項1記載の方法を用いて糖タンパク質について得られた電荷数を計算で得られた標準値と関連づける、糖タンパク質の生物学的利用能のインビトロ測定方法。
  4. 請求項1記載の方法を用いて糖タンパク質について得られた電荷数を請求項1記載の方法を用いて標準プレパレーションについて得られた標準値と関連づける、糖タンパク質の品質同一性を測定する方法。
  5. 請求項1記載の方法を用いて糖タンパク質について得られた電荷数を計算で得られた標準値と関連づける糖タンパク質の品質同一性を測定する方法。
  6. グリカンプールは糖タンパク質から加ヒドラジン分解によって遊離させる請求項1記載の方法。
  7. グリカンプールは糖タンパク質から酵素的に遊離させる請求項1記載の方法。
  8. イオン交換クロマトグラフィーはHPAE−PAD(パルス電流滴定検出による高−pH陰イオン交換クロマトグラフィー)である請求項1記載の方法。
  9. 糖タンパク質のグリコシル化状態の特徴を表示する請求項1記載の方法。
  10. 糖タンパク質の生物学的利用能をチェックする請求項2または3記載の方法。
  11. 細胞工学技術によって製造された糖タンパク質の品質同一性をチェックする請求項4または5記載の方法。
  12. 診断補助剤としておよび/または診断薬としての請求項1記載の方法の使用。
  13. 疾患に特徴的な糖タンパク質のグリコシル化状態によって種の疾患状態をチェックする請求項1記載の方法。
  14. 疾患に特徴的な糖タンパク質のグリコシル化状態によって患者の疾患状態をチェックする請求項1記載の方法。
  15. 遊離はPNGアーゼFを用いて行う請求項7記載の方法。
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