JP3631334B2 - 振動溶着可能な樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、振動溶着可能なポリフェニレンサルファイド系樹脂/ポリフェニレンエーテル系樹脂アロイの樹脂組成物およびそれから製造される振動溶着可能な樹脂成型品、特に密閉型アルカリ二次電池の電槽に関する。
【0002】
【従来の技術】
移動用機器駆動源として、または太陽電池エネルギーの有効手段として、環境保護の観点から、各種アルカリ二次電池の用途が拡大されつつある。特に、電気自動車の動力源として用いられる電池には、エネルギー容量、エネルギー密度、サイクル寿命、安全性、コストのバランスから、特にニッケル水素二次電池が有力視されている。
【0003】
この電池に用いられる電槽には、耐アルカリ(濃度7モル/リットル程度)、外部の衝撃に対し耐え得る機械的強度、高温(約80℃)での剛性、水蒸気や水素、ガソリンに対する耐性、電解液の濃度を保つために低い透湿度が求められる。
【0004】
従来用いられてきたポリプロピレン樹脂では、機械的強度が不足し、これを補うためにポリフェニレンエーテル系樹脂をアロイした樹脂組成物が提案されたが、ポリプロピレン樹脂に由来する高温時の剛性、クリープ特性、銅害性の問題は解決されず、充分なものとはいえない。
【0005】
そこで、本発明者らはニッケル水素二次電池用の電槽材として、ポリフェニレンサルファイド系樹脂/ポリフェニレンエーテル系樹脂のアロイを提案したが、上記の機械的諸物性は満足するものの、従来用いられてきた熱板溶着法では十分に高い温度での加工ができず、電槽のふたと本体を溶着する事ができないため、密閉型のニッケル水素二次電池には使えない。接着剤による接着は接着部の強度が充分でなく使用できない。また、振動溶着法でも溶着部の強度が弱く実用的でなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の諸物性を保持したまま、振動溶着可能なポリフェニレンサルファイド系樹脂/ポリフェニレンエーテル系樹脂アロイを提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
(A)ポリフェニレンサルファイド系樹脂5〜95重量部、
(B)ポリフェニレンエーテル系樹脂95〜5重量部、ならびに、(A)と(B)の合計100重量部当り
(C)ビニル芳香族化合物の重合体又は共重合体からなるブロックXおよび共役ジエンの重合体又は共重合体からなり、かつそのエチレン性不飽和二重結合を残しているブロックYを有するブロック共重合体( 但し、 SEBS を除く )1〜50重量部
を含むことを特徴とする振動溶着可能な樹脂組成物である
【0008】
本発明はまた、前記樹脂組成物を振動溶着して製造された成形品、特に密閉型アルカリ二次電池の電槽を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明で使用する成分(A)としてのポリフェニレンサルファイド系樹脂(以下、PPSと称することがある。)は、一般式(化I);
【0010】
【化1】
Figure 0003631334
で示される構成単位を70モル%以上含むものが、優れた特性の組成物をもたらすので好ましい。PPSの重合方法としては、p−ジクロロベンゼンを硫黄と炭酸ソーダの存在下で重合させる方法、極性溶媒中でp−ジクロロベンゼンを硫化ナトリウム、あるいは水硫化ナトリウムと水酸化ナトリウム、または硫化水素と水酸化ナトリウムの存在下で重合させる方法、p−クロロチオフェノールの自己縮合などがあげられるが、 N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミドなどのアミド系溶媒又はスルホランなどのスルホン系溶媒中で、硫化ナトリウムとp−ジクロロベンゼンを反応させる方法が適当である。この際に重合度を調節するためにカルボン酸やスルホン酸のアルカリ金属塩を添加したり、水酸化アルカリを添加させることは好ましい方法である。
【0011】
共重合成分として好ましくは30モル%未満のメタ結合(以下の式(1))、オルト結合(以下の式(2))、エーテル結合(以下の式(3))、スルホン結合(以下の式(4))、ビフェニル結合(以下の式(5))、置換フェニルスルフィド結合(以下の式(6)、ここでRはアルキル、ニトロ、フェニル、アルコキシ、カルボン酸またはカルボン酸の金属塩基を表す)、3官能フェニルスルフィド結合(以下の式(7))などを含有していても、ポリマーの結晶性に大きく影響しない範囲でかまわない。
【0012】
【化2】
Figure 0003631334
【0013】
【化3】
Figure 0003631334
好ましくは共重合成分は10モル%以下がよい。3官能以上のビフェニル、ナフチルスルフィド結合などは3モル%以下、さらに好ましくは1モル%以下がよい。
【0014】
PPSの一般的な製造法の文献として、例えば(1)ハロゲン置換芳香族化合物と硫化アルカリとの反応(米国特許第2513188号明細書、特公昭44−27671号および特公昭45−3368号参照)、(2)チオフェノール類のアルカリ触媒または銅塩などの共存下における縮合反応(米国特許第3274165号、英国特許第1160660号参照)、(3)芳香族化合物と塩化硫黄とのルイス酸触媒共存下における縮合反応(特公昭46−27255号、ベルギー特許第29437号参照)などが挙げられる。
【0015】
PPSは現在、フィリップス ペトロリアム(株)、東ソー・サスティール(株)、(株)トープレンおよび呉羽化学(株)から市場に供せられている。架橋密度および粘度に応じて各種のグレードがあり、本発明には架橋構造の少ないPPSが好ましい。
【0016】
成分(B)ポリフェニレンエーテル系樹脂(PPE)としては公知のものが使用でき、例えば一般式(化II):
【0017】
【化4】
Figure 0003631334
(式中、R1 、R2 、R3 、R4 はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基および置換炭化水素基(例えばハロゲン化炭化水素基)から選ばれる)で示される重合体、又はその共重合体である。
【0018】
ポリマーの具体例としては、ポリ(2,6‐ジメチル‐1,4 ‐フェニレン)エ―テル、ポリ(2,6‐ジエチル‐1,4 ‐フェニレン)エ―テル、ポリ(2‐メチル‐6‐エチル‐1,4 ‐フェニレン)エ―テル、ポリ(2‐メチル‐6‐プロピル‐1,4 ‐フェニレン)エ―テル、ポリ(2,6‐ジプロピル‐1,4 ‐フェニレン)エ―テル、ポリ(2‐エチル‐6‐プロピル‐1,4 ‐フェニレン)エ―テル、ポリ(2,6‐ジメトキシ‐1,4 ‐フェニレン)エ―テル、ポリ(2,6‐ジクロロメチル‐1,4 ‐フェニレン)エ―テル、ポリ(2,6‐ジブロモメチル‐1,4 ‐フェニレン)エ―テル、ポリ(2,6‐ジフェニル‐1,4 ‐フェニレン)エ―テル、ポリ(2,6‐ジトリル‐1,4 ‐フェニレン)エ―テル、ポリ(2,6‐ジクロロ‐1,4 ‐フェニレン)エ―テル、ポリ(2,6‐ジベンジル‐1,4 ‐フェニレン)エ―テル、ポリ(2,5‐ジメチル‐1,4 ‐フェニレン)エ―テルなどが挙げられる。特に好ましいPPE系樹脂は、ポリ(2,6‐ジメチル‐1,4 ‐フェニレン)エ−テルである。またポリフェニレンエ−テル共重合体としては、上記ポリフェニレンエ−テル繰返し単位中にアルキル三置換フェノ−ルたとえば2,3,6‐トリメチルフェノ−ルを一部含有する共重合体を挙げることができる。またこれらのポリフェニレンエ−テルに、スチレン系化合物がグラフトした共重合体であってもよい。スチレン系化合物グラフト化ポリフェニレンエ−テルとしては上記ポリフェニレンエ−テルにスチレン系化合物として、例えばスチレン、α‐メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレンなどをグラフト重合して得られる共重合体が挙げられる。
【0019】
本発明で用いられるPPE系樹脂は、好ましくはクロロホルムを溶剤として30℃で測定した固有粘度が0.15〜0.65dl/g、特に好ましくは0.30〜0.60dl/gのものである。固有粘度が0.15dl/g未満のPPE系樹脂は得られる組成物がもろく、機械的強度が低くなる傾向がある。また、0.65dl/gを超えるものは、熱可塑性ポリエステルとの粘度差が大きすぎて、良好な分散を得ることが容易でなくなる傾向がある。
【0020】
上記した成分(A)および(B)は(A)5〜95重量部に対して(B)95〜5重量部、好ましくは、(A)50〜95重量部に対して(B)5〜50重量部が配合される。(A)の量が多すぎるかあるいは(B)の量が少なすぎると、もろくなったり成形性がおちる。また、(B)の量が多すぎるかあるいは(A)の量が少なすぎると、PPS系樹脂がマトリクスとならず、耐薬品性が悪く、また透湿度が高くなる。
【0021】
成分(C)は、ビニル芳香族化合物の重合体又は共重合体からなるブロックXおよび共役ジエンの重合体又は共重合体からなるブロックYを有するブロック共重合体である。ビニル芳香族化合物としては、スチレンもしくはその誘導体(例えばp−メチルスチレン、α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレンなど)があげられる。ブロックXとして、これらのホモポリマーもしくはコポリマーが使用でき、好ましくはホモポリマーであり、特に好ましくはポリスチレンである。ビニル芳香族化合物以外のコモノマー、たとえばアクリル酸またはアクリル酸エステルを、好ましくは50モル%以下の量で共重合させてもよい。ブロックXの数平均分子量は3,000以上であるのが好ましい。
【0022】
ブロックYにおける共役ジエンとしては、例えばイソプレン、ブタジエン、クロロプレン、ペンタジエン、ヘキサジエンなどの直鎖もしくは分岐状の炭素数4〜8の共役ジエンが好ましく使用できる。特に好ましくは、イソプレン及び/またはブタジエンである。このような共役ジエンの重合体は、ポリイソプレン、ポリブタジエンなどのホモポリマー;ならびに、これらのいずれか2種以上の混合物を含包する。共役ジエン以外のコモノマー、たとえばプロペン、ブテンなどを、好ましくは50モル%以下の量で共重合させてもよい。ブロックYの数平均分子量は10,000以上であるのが好ましい。
【0023】
ブロックYが部分水添されてもよい。そのような成分(C)として、部分水添スチレン‐ブタジエンブロック共重合体、部分水添スチレン‐イソプレンブロック共重合体が挙げられる。
【0024】
成分(C)ブロック共重合体におけるブロックXとブロックYとの結合形式は特に限定されないが、好ましい結合形式としては、例えばX−Yで示されるジブロック、X−Y−Xで示されるトリブロックなどである。成分(C)ブロック共重合体におけるブロックXとブロックYの量比は、ブロックX1重量部に対してブロックY0.1〜10重量部の割合であるのが好ましい。
【0025】
成分(C)ブロック共重合体は、例えばシェル株式会社からカリフレックスTR1101、クレイトン D1101 CU、日本合成ゴム株式会社からJSRTR2000、TR1000N(4つともポリスチレン−ポリブタジエンブロック共重合体)として市販されている。
【0026】
成分(C)は成分(A)および(B)の合計100重量部に対し1〜50重量部、好ましくは10〜30重量部添加する。
【0027】
(C)の量が少ないと、目的とする特性、振動溶着による溶着強度が得られず、多いと、機械的強度が低下すしたり、耐熱性が低下する。
【0028】
成分(D)として耐衝撃性改良剤を更に含めることができる。その具体例としては、天然ゴム、ブタジエン重合体、スチレン‐イソプレン共重合体、ブタジエン‐スチレン共重合体(ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体などすべて含まれる)、イソプレン重合体、クロロブタジエン重合体、ブタジエン‐アクリロニトリル共重合体、イソブチレン重合体、イソブチレン‐ブタジエン共重合体、イソブチレン‐イソプレン共重合体、アクリル酸エステル重合体、エチレン‐プロピレン共重合体、エチレン‐プロピレン‐ジエン共重合体、チオコ―ルゴム、多硫化ゴム、ポリウレタンゴム、ポリエ―テルゴム(たとえば、ポリプロピレンオキシドなど)、エピクロロヒドリンゴムなどが挙げられる。上記の成分(C)も耐衝撃性を改良するが、ここで言う耐衝撃改良剤には含めない。
【0029】
これらのゴム成分は、いかなる重合法(たとえば乳化重合、溶液重合)、いかなる触媒(たとえば過酸化物、トリアルキルアルミニウム、ハロゲン化リチウム、ニッケル系触媒)で作られたものでもよい。さらに、各種の架橋度を有するもの、各種の割合のミクロ構造を有するもの(例えばシス構造、トランス構造、ビニル基など)あるいは、各種の平均ゴム粒径を有するものも使用される。また、共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体など、各種の共重合体はいずれも使用することができる。さらには、これらのゴム成分をつくるに際し、他のオレフィン類、ジエン類、芳香族ビニル化合物、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステルなどの単量体との共重合も可能である。それらの共重合の方法は、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合など、いずれの手段も可能である。これらの単量体の具体例としては、例えば、エチレン、プロピレン、スチレン、クロロスチレン、α‐メチルスチレン、ブタジエン、イソブチレン、クロロブタジエン、ブテン、アクリル酸メチル、アクリル酸、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタアクリル酸メチル、アクリロニトリルなどが挙げられる。
【0030】
さらに、部分変性したゴム成分を用いることもでき、たとえば、ヒドロキシまたはカルボキシ‐末端変性ポリブタジエンが挙げられる。
【0031】
成分(E)相溶化剤の例としては、エポキシ基および/またはオキサゾリニル基を含有する不飽和単量体および/または重合体があげられる。
【0032】
エポキシ基もしくはオキサゾリニル基を有する不飽和単量体としては、次のようなものがあげられる。
【0033】
好ましいエポキシ基含有不飽和単量体としては、グリシジルメタクリレート(以下、GMAという)、グリシジルアクリレート、ビニルグリシジルエーテル、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートのグリシジルエーテル、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートのグリシジルエーテル、グリシジルイタコネートがあげられる。
【0034】
好ましいオキサゾニル基含有不飽和単量体としては、一般式(化III);
【0035】
【化5】
Figure 0003631334
であらわされ、基Zとしては重合可能な二重結合を含有するものがあげられる。好ましい置換基Zは次のものである。
【0036】
【化6】
Figure 0003631334
【0037】
【化7】
Figure 0003631334
これらの式中Rは水素原子または1〜6個の炭素原子を有するアルキル基またはアルコキシ基、例えばメチル基、i−およびn−プロピル基またはブチル基である。特に好ましい化合物は、一般式(IV);
【0038】
【化8】
Figure 0003631334
で表されるビニルオキサゾリンであって、Rは前記の意味を有し、好ましくは水素原子またはメチル基である。
【0039】
エポキシ基またはオキサゾニル基を有する重合体としては、上記不飽和単量体のホモ重合体、二つ以上の上記不飽和単量体からなる共重合体、一つ以上の上記不飽和単量体と他の不飽和単量体からなる共重合体があげられる。他の不飽和単量体としては、スチレン(以下、Stということがある)などの芳香族ビニル単量体、アクリロニトリルなどのシアン化ビニル単量体、酢酸ビニル、アクリル酸(塩);メタクリル酸(塩)、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、(無水)マレイン酸、マレイン酸エステル、2−ノルボルネン−5,6−ジカルボン酸(無水物)などの不飽和カルボン酸またはその誘導体成分、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1ーヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどのα−オレフィン、ブタジエン、イソプレン、1,4−ヘキサジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネンなどのジエン成分があげられる。共重合体の例として例えばGMA(グリシジルメタクリレート)/St、GMA/St/MMA(メチルメタクリレート)/MA、GMA/St/アクリロニトリル、GMA/MMA/アクリロニトリル、GMA/MMA、GMA/MMA/St、ビニルオキサゾリン/St、ビニルオキサゾリン・MMA、エチレン/GMA、エチレン/酢酸ビニル/GMAなどがあげられる。なお上記以外の共重合体も本発明に用いうることはもちろんである。
【0040】
上記した成分(E)相溶化剤は一般に、成分(A)PPSおよび成分(B)PPEの合計100重量部あたり、0.01〜10重量部、好ましくは1〜5重量部の量で用いる。これより少ないと意図する効果が少なくなり、一方、これより多いと成形品の耐熱性が大きく低下する。
【0041】
また、本発明の樹脂組成物には、その物性を損なわない限りにおいて、その目的に応じて樹脂を混合して組成物とする時、又は組成物成形時に、慣用の他の添加剤、例えば着色剤(顔料、染料)、補強剤(ガラス繊維、炭素繊維など)、充填剤(カ―ボンブラック、シリカ、酸化チタンなど)、耐熱剤、酸化劣化防止剤、耐候剤、滑剤、離型剤、結晶核剤、可塑剤、難燃剤、流動性改良剤、耐衝撃性改良剤、帯電防止剤等を添加することができる。
【0042】
本発明の樹脂組成物を製造するための方法に特に制限はなく、通常の方法が満足に使用できる。しかしながら一般に溶融混合法が望ましい。少量の溶剤の使用も可能であるが、一般に必要ない。装置としては特に押出機、バンバリ―ミキサ―、ロ―ラ―、ニ―ダ―等を例として挙げることができ、これらを回分的または連続的に運転する。成分の混合順は特に限定されない。
【0043】
本発明の樹脂組成物は、所望の形状に成形された後に、自体公知の振動溶着方法により溶着できる。かかる溶着により作られる物品としては、たとえば電池の電槽などの容器、自動車部品、家電部品などが挙げられる。
【0044】
【実施例】
以下の実施例により、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0045】
なお、実施例及び比較例では以下の化合物を使用した。
(A)PPS ライトンL2120、東レ・フィリプスペトローリアム(株)製
(B)PPE 固有粘度(クロロホルム、30℃)0.46dl/gのポリ(2,6− ジメチル−1,4− フェニレン)エ−テル(日本ジーイープラスチックス社製)
(C)SBS;クレイトン D−1101CU、シェル化学株式会社製
(D)SEBS;クレイトン G1651、シェル化学株式会社製
SEPS;セプトン2006、クラレ株式会社製
(E)相溶化剤 CX−1005:5重量%オキサゾリン系モノマー含有スチレン共重合体、日本触媒化学(株)製。
【0046】
表1に示す割合(重量比)の成分を配合し、2軸押出機を用いて、設定温度300℃、回転数300rpmにて押し出し、ペレットを作成した。このペレットから、以下の各種評価用試験片を射出成形し試験に供した。
【0047】
(1)引張り強度 ASTM D638にしたがって測定した。
【0048】
(2)曲げ強度、弾性率、タフネス
ASTM D790にしたがって測定した。タフネスは、曲げ試験による破断までのエネルギーを表す。
【0049】
(3)溶着強度
2本の1/8” バーを振動溶着機(モデル;VW2406−LAB)を用いて溶着した。溶着強度は引張り試験により測定した。
【0050】
結果を、表1に示す。
【0051】
【表1】
Figure 0003631334
【0052】
【発明の効果】
PPS/PPE樹脂が振動溶着法により溶着できるようになった。

Claims (5)

  1. (A)ポリフェニレンサルファイド系樹脂5〜95重量部、
    (B)ポリフェニレンエーテル系樹脂95〜5重量部、ならびに、(A)と(B)の合計100重量部当り
    (C)ビニル芳香族化合物の重合体又は共重合体からなるブロックXおよび共役ジエンの重合体又は共重合体からなり、かつそのエチレン性不飽和二重結合を残しているブロックYを有するブロック共重合体( 但し、 SEBS を除く )1〜50重量部
    を含むことを特徴とする振動溶着可能な樹脂組成物。
  2. 成分(C)と同一でない(D)耐衝撃性改良材0〜50重量部を更に含む請求項1に記載の樹脂組成物
  3. さらに、(E)相溶化剤0.01〜10重量部を含む請求項1または2のいずれか一つに記載の樹脂組成物。
  4. 請求項1、2または3に記載の樹脂組成物を振動溶着して製造された成形品。
  5. 成形品が密閉型アルカリ二次電池の電槽である請求項4の成形品。
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