JP3631159B2 - 画像形成装置およびその制御方法,プログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は,複写機,プリンタ,印刷機などの画像形成装置,その制御方法,及び画像形成装置の制御プログラムの改良に係り,特に1回の画像処理命令により完遂されるいわゆる1ジョブ当たりの画像処理枚数に制限がある場合に,複数枚1組としての画像処理を要求される,例えば集約印刷や左右2ページ1組の印刷などを行なう場合に,端数が出ないようにすることが出来る画像形成装置などに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
デジタル複写機などの画像形成装置では,ハードディスクや画像メモリに画像データを保管し,それらのデータに基づいて画像形成処理を施すことが前提となっている。
一方,一般の複写機などでは,ページを付与して一括管理する必要性などから,1回の画像処理命令により完遂されるいわゆる1ジョブ当たりの画像処理枚数に制限を設ける場合が多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで,今,上記1回の画像処理命令により完遂される1ジョブ当たりの画像処理枚数の制限枚数Mを,例えば999枚と設定してある場合,用紙の上下左右に全4枚の画像を配置し,裏表で用紙1枚当たり8枚画像の集約印刷をする場合を考える。ここで,もし用紙130枚の印刷を行なおうとすると,124枚目(画像にして992枚目)までは問題ないが,上記999枚の制限により,999枚目で1つのジョブが終了してしまうので,次の1枚の用紙には,画像として993枚目から999枚目までの7枚分しか印刷されない。これでは,上記ジョブの最後の画像(999枚目)が空白となり,一連の画像処理の途中に予期せぬ空白のページが挟まれることになり,製品の品質が著しく低下する。
このような問題は,上記のような集約印字モードや,両面印刷モードなどの場合ばかりか,週刊誌綴じモードのように,左右両面の裏表印刷したものを,さらにフィニッシャで複数枚綴じて完成させるような綴じ処理或いはソーティング,グルーピングなどの場合にも生じる。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は,上記したような課題の解決を目的とするものであり,請求項1に記載の装置は,
1回の全画像処理枚数Tの画像処理命令により完遂される1ジョブ当たりの画像処理枚数の上記Tより少ない制限枚数Mを記憶するM記憶手段と,
複数枚1組としての画像処理を要求される場合の1組当たりの画像処理枚数Nを記憶するN記憶手段と,
実行される画像処理枚数Lが,上記Mを超えない範囲における上記Nの最大倍数になったとき,次ページの処理から次のジョブを開始する第1のジョブ分割制御手段とを備えてなることを特徴とする画像形成装置である。
また請求項2記載の装置は,上記Mと上記Tとの差が,上記Nより小さい時は現在のジョブの範囲内で処理を完遂するものである。
更に請求項3記載の画像形成装置は,1回の全画像処理枚数Tの画像処理命令により完遂される1ジョブ当たりの画像処理枚数の上記Tより少ない制限枚数Mを記憶するM記憶手段と,
複数枚1組としての画像処理を要求される場合の1組当たりの画像処理枚数Nを記憶するN記憶手段と,
複数組1グループとしての画像処理を要求される場合の1グループ当たりの組数Pを記憶するP記憶手段と,
実行される画像処理枚数Lが,上記Mを超えない範囲における上記N×Pの最大倍数になったとき,次ページの処理から次のジョブを開始する第2のジョブ分割制御手段とを備えてなることを特徴とする画像形成装置である。
更に請求項4に記載の装置は,上記Mと上記Tとの差が,N×Pの値より小さい時は現在のジョブの範囲内で処理を完遂する請求項3記載の画像形成装置である。
また請求項5から請求項8は,上記請求項1から4に記載の画像形成装置を,画像形成装置の制御方法として捉えたものである。
更に請求項9から請求項12には,請求項1から請求項4に記載の発明を,コンピュータプログラムとして捉えたものが記載されている。
【0005】
【発明の実施の形態】
続いて,添付図面を参照しつつ,本発明を具体化した実施の形態について説明し,本発明の理解に供する。ここに,図5は本発明の一実施形態にかかる画像形成装置の制御ブロック図である。画像形成装置としては,複写機,ファクシミリ,プリンタなどが該当するが,ここでは複写機を例にあげて説明する。
この実施例に係る画像形成装置の一例としての複写機Cは図5に示すように,ROMに内蔵された制御プログラムに従って多くのアクチュエータを備える画像形成部,フィニッシャ部などを制御するCPUを中心に構成され,該CPUに上記ROM,データを一時的に格納するRAM,入力,操作,表示などを行なう入力・操作・表示部が接続されている。
後記する1回の全画像処理枚数Tの画像処理命令により完遂される1ジョブ当たりの画像処理枚数の上記Tより少ない制限枚数Mを記憶するM記憶手段,複数枚1組としての画像処理を要求される場合の1組当たりの画像処理枚数Nを記憶するN記憶手段,複数組1グループとしての画像処理を要求される場合の1グループ当たりの組数Pを記憶するP記憶手段は,上記ROMによって構成される。
次に,図1および図2を参照して,集約印刷を行なう場合の上記図5に示した複写機Cの上記ROMに内蔵された制御プログラムの内容,即ち,複写機Cの制御手順について説明する。ここにS1,S2,…は,制御手順(ステップ)の番号を示す。
この実施形態では,図2に示すように1枚の用紙に4枚の画像を集約する。
また,1ジョブの制限枚数が999枚であるとする。
即ち,複数枚1組としての画像処理を要求される場合の1組当たりの画像処理枚数Nが4であり,1回の画像処理命令により完遂される1ジョブ当たりの画像処理枚数の制限枚数Mが999枚である。
従って,実行される画像処理枚数Lが,上記Mを超えない範囲における上記Nの最大倍数は996枚である。
処理は図1のS1からスタートし,CPUは画像形成部のスキャニング部を駆動して1枚分の画像を取り込む。
この画像は画像記憶部に記憶される。
画像の取り込みを完了すると,CPUは,画像処理枚数(何枚目の画像か)をカウントする(S2)。
続いてCPUは,カウントされた枚数Lが画像形成を予定された最終枚数であるかどうかを判断する(S3)。これはCPUが,上記RAMに記憶された最終枚数と現在のカウントされた枚数Lを比較することで達成される。
もし最終枚数に等しければ,それ以上複写処理をする必要がないので,画像の取り込みを終了する(S4)。
最終枚数でない場合には,上記カウントされた画像枚数Lが,制限枚数Mを超えない範囲における上記集約枚数N(=4)の最大倍数,即ち複写用紙の枚数Kと上記Nとの倍数(N×K)の最大値Zに等しいかどうかを判断する(S5)。この判断は,CPUが,上記制限枚数M,集約枚数NをROMから読み出して最大倍数を算出して現在のカウント値と比較することで行なわれる。
ここで上記カウント数が最大倍数Zに等しい場合には,現在のジョブを終了して次の画像から次のジョブに移行する,即ちジョブを分割する(S6)。
上の例では,上記最大倍数は996枚であるから,画像の枚数が996枚になったときにジョブの分割が行なわれ,997枚目,998枚目,999枚および1000枚目の画像で次のジョブの最初の集約印刷処理が行なわれる。従って,従来技術における,1枚の複写紙に997枚目から999枚目の3枚の集約しか出来ないという問題点が解決される。
なお,例外的に,上記Mと全画像処理枚数T(最終枚数)との差が,上記Nより小さい時は現在のジョブの範囲内で処理を完遂するようにすることも出来る。このように必然的に端数が生じる場合にまで,ジョブを分割する意味がないからである。
また,プリンタやファクシミリのような外部から画像データが送られて来る場合には,最大画像であることの信号が最終画像の後から到着する。その場合には,ある程度の枚数の画像を中間保存しておくメモリ装置を設け,最終画像であることの信号が到着した後,上記ジョブ分割の判断が出来るようにすれば良い。
【0006】
【実施例】
次に週刊誌綴じ印刷を行なう場合の処理について説明する。
図3に示したのは,図4に示したような週刊誌綴じ印刷を行なう場合の手順である。
この場合,例えば用紙後処理の制限枚数である16枚の複写用紙に左右両面印刷(1枚に4画像を印刷)を行ない,1ジョブの制限枚数を999枚とする場合を例として説明する。この場合,1冊が64ページの週刊誌綴じになる。
即ち,この例では,1回の全画像処理枚数Tの画像処理命令により完遂される1ジョブ当たりの画像処理枚数の上記Tより少ない制限枚数がM(=999枚),複数枚画像1組としての画像処理を要求される場合の1組当たりの画像処理枚数をN(=4枚),複数組1グループとしての画像処理を要求される場合の1グループ当たりの組数をP(=16),および週刊誌綴じ印刷物の部数K(即ち,1ジョブ当たりの冊数)はそれぞれROM,あるいはRAMに記憶されている。
上記図3に記載された手順の内で,上記図1における手順と異なるのは,S5−1の手順のみであるので,ここではこの部分についてのみ説明する。
S5−1では,現在のカウント数と,上記制限枚数Mを超えない上記NとPとKとの最大倍数,即ち上記制限枚数Mを超えない範囲でのN×P×Kの最大倍数(この例では960枚)とを比較し,この値になったときにジョブを分割する。
これにより,週刊誌印刷のようなフィニッシャなどによりジョブが規定される場合にも適用可能である。
また,本発明のプログラムは,画像形成装置本体の記憶装置に記憶されている場合のみでなく,例えばパーソナルコンピュータ等から画像形成装置本体に画像出力するためパーソナルコンピュータ等にインストールされているプログラムをも含むものである。
【0007】
【発明の効果】
本発明に係る画像形成装置は以上述べたように,1回の全画像処理枚数Tの画像処理命令により完遂される1ジョブ当たりの画像処理枚数の上記Tより少ない制限枚数Mを記憶するM記憶手段と,
複数枚1組としての画像処理を要求される場合の1組当たりの画像処理枚数Nを記憶するN記憶手段と,
実行される画像処理枚数Lが,上記Mを超えない範囲における上記Nの最大倍数になったとき,次ページの処理から次のジョブを開始する第1のジョブ分割制御手段とを備えてなることを特徴とする画像形成装置として構成されている。
従って,一連の印刷物の途中に白紙部が発生してしまうといった従来技術の問題点が解消され,途中に余分な空白が発生してしまうようなことが無くなる。
この点は,本発明を方法として捉えた請求項5についても,コンピュータプログラムとして捉えた請求項9についても同様である。
ここにおいて,上記Mと上記Tとの差が,上記Nより小さい時は現在のジョブの範囲内で処理を完遂するようにしてもよい。
この場合は,空白が一連の印刷物の途中ではなく,最終ページに発生するのみであるので,印刷物の美しさを損なわないからである。
この点は,方法として捉えた請求項6記載の場合も,コンピュータプログラムとして捉えた請求項10の場合も同様である。
本発明に係る別の画像形成装置は,1回の全画像処理枚数Tの画像処理命令により完遂される1ジョブ当たりの画像処理枚数の上記Tより少ない制限枚数Mを記憶するM記憶手段と,
複数枚1組としての画像処理を要求される場合の1組当たりの画像処理枚数Nを記憶するN記憶手段と,
複数組1グループとしての画像処理を要求される場合の1グループ当たりの組数Pを記憶するP記憶手段と,
実行される画像処理枚数Lが,上記Mを超えない範囲における上記N×Pの最大倍数になったとき,次ページの処理から次のジョブを開始する第2のジョブ分割制御手段とを備えてなることを特徴とする画像形成装置として構成されている。
この場合,週刊誌綴じのようなケースにも,途中に白紙部分が発生する不具合が無くなる。
方法発明である請求項7の場合も,コンピュータプログラム発明である請求項11の場合も同様である。
また,この場合においても,上記Mと上記Tとの差が,N×Pの値より小さい時は現在のジョブの範囲内で処理を完遂するように構成することで,週刊誌などの最終ページに生じる白紙については,無視することが出来る。
方法発明として捉えた請求項8記載の場合も,コンピュータプログラムとして捉えた請求項12記載の場合も同様である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる画像形成装置の制御処理手順を示すフローチャート。
【図2】上記処理手順によって達成される集約印刷の概念を示す概念図。
【図3】本発明の実施例にかかる画像形成装置の制御処理手順を示すフローチャート。上記制御システムの制御手順の一例を示すフローチャート。
【図4】上記図3に示す処理手順によって達成される集約印刷の概念を示す概念図。
【図5】本発明の実施形態および実施例に用いる画像形成装置の制御ブロック図。
【符号の説明】
S1,S2…制御手順(ステップ)の番号
C…複写機
Claims (12)
- 1回の全画像処理枚数Tの画像処理命令により完遂される1ジョブ当たりの画像処理枚数の上記Tより少ない制限枚数Mを記憶するM記憶手段と,
複数枚1組としての画像処理を要求される場合の1組当たりの画像処理枚数Nを記憶するN記憶手段と,
実行される画像処理枚数Lが,上記Mを超えない範囲における上記Nの最大倍数になったとき,次ページの処理から次のジョブを開始する第1のジョブ分割制御手段とを備えてなることを特徴とする画像形成装置。 - 上記Mと上記Tとの差が,上記Nより小さい時は現在のジョブの範囲内で処理を完遂する請求項1記載の画像形成装置。
- 1回の全画像処理枚数Tの画像処理命令により完遂される1ジョブ当たりの画像処理枚数の上記Tより少ない制限枚数Mを記憶するM記憶手段と,
複数枚1組としての画像処理を要求される場合の1組当たりの画像処理枚数Nを記憶するN記憶手段と,
複数組1グループとしての画像処理を要求される場合の1グループ当たりの組数Pを記憶するP記憶手段と,
実行される画像処理枚数Lが,上記Mを超えない範囲における上記N×Pの最大倍数になったとき,次ページの処理から次のジョブを開始する第2のジョブ分割制御手段とを備えてなることを特徴とする画像形成装置。 - 上記Mと上記Tとの差が,N×Pの値より小さい時は現在のジョブの範囲内で処理を完遂する請求項3記載の画像形成装置。
- 1回の全画像処理枚数Tの画像処理命令により完遂される1ジョブ当たりの画像処理枚数の上記Tより少ない制限枚数をM,複数枚1組としての画像処理を要求される場合の1組当たりの画像処理枚数をNとした時,実行される画像処理枚数Lが,上記Mを超えない範囲における上記Nの最大倍数になったとき,次ページの処理から次のジョブを開始するようにした画像形成装置の制御方法。
- 上記Mと上記Tとの差が,上記Nより小さい時は現在のジョブの範囲内で処理を完遂する請求項5記載の画像形成装置の制御方法。
- 1回の全画像処理枚数Tの画像処理命令により完遂される1ジョブ当たりの画像処理枚数の上記Tより少ない制限枚数をM,複数枚1組としての画像処理を要求される場合の1組当たりの画像処理枚数をN,複数組1グループとしての画像処理を要求される場合の1グループ当たりの組数をPとした時,実行される画像処理枚数Lが,上記Mを超えない範囲における上記N×Pの最大倍数になったとき,次ページの処理から次のジョブを開始するようにした画像形成装置の制御方法。
- 上記Mと上記Tとの差が,上記N×Pの値より小さい時は現在のジョブの範囲内で処理を完遂する請求項7記載の画像形成装置の制御方法。
- 複数枚1組としての画像処理を要求される場合の1組当たりの画像処理枚数Nを入力するN入力工程と,
実行される画像処理枚数Lが,1回の全画像処理枚数Tの画像処理命令により完遂される1ジョブ当たりの画像処理枚数の上記Tより少ない制限枚数Mを超えない範囲における上記Nの最大倍数になったとき,次ページの処理から次のジョブを開始する第1のジョブ分割制御工程とを実行させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラム。 - 上記Mと上記Tとの差が,上記Nより小さい時は現在のジョブの範囲内で処理を完遂する請求項9記載のプログラム。
- 複数枚1組としての画像処理を要求される場合の1組当たりの画像処理枚数Nを入力するN入力工程と,
複数組1グループとしての画像処理を要求される場合の1グループ当たりの組数Pを入力するP入力工程と,
実行される画像処理枚数Lが,1回の全画像処理枚数Tの画像処理命令により完遂される1ジョブ当たりの画像処理枚数の上記Tより少ない制限枚数Mを超えない範囲における上記N×Pの最大倍数になったとき,次ページの処理から次のジョブを開始する第2のジョブ分割制御工程とを実行させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラム。 - 上記Mと上記Tとの差が,上記N×Pの値より小さい時は現在のジョブの範囲内で処理を完遂する請求項11記載のプログラム。
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