JP3630016B2 - 給紙装置および給紙方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ、ファクシミリ、複写機等に用いられる給紙装置および給紙方法に関し、特に、給紙動作時に回転し、給紙部に配置された用紙と接触して該用紙を給送する給紙ローラと、この給紙ローラによって給送された用紙を挟圧して搬送する紙送りローラと、該給紙ローラおよび該紙送りローラの動作を制御する制御手段とを備えている給紙装置および該給紙装置における給紙方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図7は、この種の給紙装置による給紙の状況を、側面図により示している。給紙部4のホッパ5に積層された複数枚の用紙Pの最上部のものが、給紙ローラ1と分離パッド6との間を挟圧された状態で紙送りローラ2の方向に給送される。給送された用紙Pは、下ガイド7に案内されて紙送りローラ2(駆動ローラ21および従動ローラ22)に挟圧され、搬送される。
【0003】
この時、図8に示すように、用紙Pは、その先端が紙送りローラ2に対して平行とならず、斜行、すなわち「スキュー」を生ずる場合がある。このような場合に、この状態のままで用紙が搬送され、印字が実行されると、用紙に対して斜めに文字、図形等が印字されることとなり、好ましくない。したがって、このスキューを除去するために、給紙装置は、印字開始前に、スキュー除去動作、すなわち「スキュー取り」動作を実行する。
【0004】
この動作は、用紙Pが紙送りローラ2を僅かに通過した時点(図7および図8の状態)で、給紙ローラ1および紙送りローラ2を一旦停止させ、その後、給紙ローラ1を停止させた状態で、紙送りローラ2のみを逆転させ、用紙Pの先端部分を、搬送方向とは反対方向に戻すことにより行われる。
【0005】
これにより、図8において、用紙Pの先端部分は、給紙ローラ1の方向(搬送方向とは反対方向)に向かって戻され、その右側の部分(従動ローラ221の部分)から左側の部分(従動ローラ227の部分)に向けて順次、紙送りローラ2(駆動ローラ21および従動ローラ22(221〜227))の挟圧状態から解放されてゆく。挟圧状態から解放された用紙Pの部分には、紙送りローラ2の駆動力が伝わらなくなるので、用紙Pの該部分はそれ以上戻されることはなく、停止する。すなわち、挟圧状態から解放された用紙Pの先端部分は、駆動ローラ21と従動ローラ22(221〜227)との圧接線S−S’に沿って平行に接した状態で停止する。
【0006】
一方、給紙ローラ1は停止しているので、給紙ローラ1と分離パッド6とに挟圧された用紙Pの部分は、移動することなく、停止した状態にある。
【0007】
したがって、用紙Pは、給紙ローラ1と紙送りローラ2との間において撓んだ状態となり、その撓みは、用紙Pの右側から左側に向かうにつれて次第に大きくなる。図9は、この用紙Pの撓んだ状態を側面図により示している。なお、図9に示すように、用紙Pは、下ガイド7によりその下面を支持されているので、撓みQは、上方に向かって生じる。
【0008】
そして、この後、紙送りローラ2を再び正転させると、用紙Pの先端部分は圧接線S−S’に沿って平行に接した状態であるので、スキューすることなく、まっすぐに紙送りローラ2と従動ローラ3との間に進入していき、これによりスキュー取りが達成される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このようなスキュー取り動作は、用紙の腰が比較的弱い、すなわち用紙の剛性が比較的小さい場合には、用紙がよく撓むので、有効に機能する。
【0010】
しかし、用紙の剛性が大きい場合、たとえば、封筒のように厚い紙であって、しかも給紙方向に対して、縦長ではなく横長の方向に配置され、給送される場合には、用紙がほとんど撓まないので、以下のような問題が生じる。
【0011】
すなわち、用紙Pが紙送りローラ2によって戻されると、この戻す力が給紙ローラ1と分離パッド6とに挟圧された用紙Pの部分にそのまま伝達され、給紙ローラ1が逆転(以下「共回り」という。)するか、あるいは、用紙Pが給紙ローラ1と分離パッド6との間をスリップして、用紙Pがスキューした状態を維持したまま平行に戻されるという事態が生ずる。図10はこの様子を示しており、この図において、用紙Pは、一点鎖線A−A’の位置まで、平行移動距離dだけ、スキューした状態を維持したまま平行に戻されている。
【0012】
そして、一点鎖線A−A’の位置まで戻され、紙送りローラ2による挟圧部分が用紙Pの左側部分(従動ローラ226および227に対応する部分)のみとなると、紙送りローラ2による戻し力は、用紙Pの左側部分にのみ作用することとなる。このため、この戻し力は、左側の給紙ローラ1のみを共回りさせる力、あるいは、用紙を左側の給紙ローラ1のみにおいてスリップさせる力として働き、右側の給紙ローラ1を共回りさせる力、あるいは、用紙を右側の給紙ローラ1においてスリップさせる力としては働かない。したがって、戻し力は、右側の給紙ローラ1の挟圧点である支点Tを中心として、用紙Pを図面上時計回りに回転させる力として作用し、用紙Pは角度θだけ回転して、紙送りローラ2(従動ローラ226および227)の挟圧状態から解放される。この結果、用紙Pの先端は、一点鎖線B−B’となる。このように、スキュー取りは、角度θの分だけ達成され、完全には達成されない。
【0013】
したがって、この状態で、用紙Pが搬送され、印字が行われると、用紙に対して、斜めに印字が行われることとなる。
【0014】
本発明の課題は、用紙のスキューを確実に除去し、印字を用紙に対して正しい方向に行うことができる給紙装置および給紙方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記課題を達成するため、本願請求項1に記載の発明に係る給紙装置は、給紙動作時に回転し、給紙部に置かれた用紙と接触して該用紙を給送する給紙ローラと、この給紙ローラによって給送された用紙を挟圧して搬送する紙送りローラと、該給紙ローラおよび該紙送りローラの動作を制御する制御手段とを備えている給紙装置であって、用紙が前記給紙ローラから前記紙送りローラに給送されて、用紙の一方が給紙ローラに挟圧され、他方が紙送りローラに挟圧されている状態で、前記給紙ローラを停止させて前記紙送りローラを逆転させた場合に、用紙が、前記給紙ローラと前記紙送りローラとの間で撓わない程度またはそれ以上の剛性を有するもの(以下「撓みにくい用紙」という。)であるときは、前記制御手段は、用紙の先端が前記紙送りローラの挟圧部を僅かに通過した後、前記給紙ローラを一旦停止させるとともに前記紙送りローラを逆転させて、前記用紙の先端を挟圧部から解放し、再び前記紙送りローラを正転させて用紙の先端を前記挟圧部に通過させるというスキュー取り動作を、印字を行う前に少なくとも2回以上繰り返すように、前記給紙ローラおよび前記紙送りローラの動作を制御するものであることを特徴とする。
【0016】
撓みにくい用紙であるときは、スキュー取り動作を、印字を行う前に少なくとも2回以上繰り返すようにしたので、1回のスキュー取り動作によるスキュー取りが複数回分積算され、撓みにくい用紙に対しても、スキューを完全にないしほとんど除去することができる。そして、その後に行われる印字を、用紙に対して正しい方向に行うことができる。
【0017】
また、用紙が、撓みにくい用紙でない場合には、用紙の撓みにより、従来同様に1回のスキュー取り動作によりスキューをほぼ除去することができるので、スキュー取り動作は複数回行われない。これにより、用紙の剛性に応じた適切なスキュー取り動作が実行され、どのような剛性を有する用紙に対してもスキューを完全にないしほとんど除去することができるとともに、すべての用紙に対して、スキュー取り動作を複数回行うことがないので、スキュー取りによる時間およびエネルギーの浪費を回避することもできる。
【0018】
なお、スキュー取り動作を何回行うかは、用紙の剛性、紙送りローラの挟圧力、回転力、給紙ローラの挟圧力、摩擦力等に応じてあらかじめ定められる。
【0019】
本願請求項2に記載の発明に係る給紙装置は、給紙動作時に回転し、給紙部に置かれた用紙と接触して該用紙を給送する給紙ローラと、この給紙ローラによって給送された用紙を挟圧して搬送する紙送りローラと、該給紙ローラおよび該紙送りローラの動作を制御する制御手段とを備えている給紙装置であって、用紙が封筒であり、かつ、給紙部に給紙方向に対して横長に置かれた場合には、前記制御手段は、用紙の先端が前記紙送りローラの挟圧部を僅かに通過した後、前記給紙ローラを一旦停止させるとともに前記紙送りローラを逆転させて、前記用紙の先端を挟圧部から解放し、再び前記紙送りローラを正転させて用紙の先端を前記挟圧部に通過させるというスキュー取り動作を、印字を行う前に少なくとも2回以上繰り返すように、前記給紙ローラおよび前記紙送りローラの動作を制御するものであることを特徴とする。
【0020】
封筒は、紙が2重構造、4重構造等となっており、剛性が大きい上に、これを給紙方向に対して横長に置かれている場合には、特に撓みにくい用紙となるので、スキュー取り動作を複数回行う必要性が高い。したがって、封筒が給紙方向に対して横長に置かれている場合に、スキュー取り動作を複数回行うことにより、スキュー取りを効果的に行うことができるとともに、それ以外の用紙に対しては、従来通りの1回のスキュー取り動作を行うことにより、スキュー取り動作に要する時間およびエネルギーの浪費を回避することができる。
【0021】
請求項3に記載の発明に係る給紙装置は、給紙動作時に回転し、給紙部に置かれた用紙と接触して該用紙を給送する給紙ローラと、この給紙ローラによって給送された用紙を挟圧して搬送する紙送りローラと、該給紙ローラおよび該紙送りローラの動作を制御する制御手段と備えている給紙装置であって、用紙が封筒であり、かつ、給紙部に給紙方向に対して横長に置かれた場合には、前記制御手段は、用紙の先端が前記紙送りローラの挟圧部を僅かに通過した後、前記給紙ローラを一旦停止させるとともに前記紙送りローラを逆転させて、前記用紙の先端を挟圧部から解放し、再び前記紙送りローラを正転させて用紙の先端を前記挟圧部に通過させるというスキュー取り動作を、印字を行う前に少なくとも2回以上繰り返すように、前記給紙ローラおよび前記紙送りローラの動作を制御し、用紙が官製はがきである場合には、前記制御手段は、前記スキュー取り動作を行わないように、前記給紙ローラおよび前記紙送りローラの動作を制御し、用紙が前記以外のものである場合には、前記制御手段は、前記スキュー取り動作を、印字を行う前に1回行うように、前記給紙ローラおよび前記紙送りローラを制御するものであることを特徴とする。
【0022】
給紙方向に対して横長に置いた封筒は、前述したように、撓みにくい用紙となることから、スキュー取り動作を複数回行う一方、はがきは、経験的に、給紙動作時にスキューを起こすことが少ないことが分かっていることから、スキュー取り動作を行わないようにし、さらに、それ以外の用紙に対しては、従来通り1回のスキュー取り動作を行うことにより、用紙の剛性、スキューの起こしやすさを考慮した効率的なスキュー取りを行うことができる。また、スキュー取りが必要でない用紙に対しては、これを行わず、スキュー取りが1回で足りる用紙に対しては1回のみ行うこととしたので、無駄なスキュー取り動作がなく、スキュー取り動作に要する時間およびエネルギーの浪費を回避することができる。
【0023】
請求項4に記載の発明に係る給紙方法は、給紙動作時に回転し、給紙部に置かれた用紙と接触して該用紙を給送する給紙ローラと、この給紙ローラによって給送された用紙を挟圧して搬送する紙送りローラと、該給紙ローラおよび該紙送りローラの動作を制御する制御手段とを備えている給紙装置における給紙方法であって、用紙が前記給紙ローラから前記紙送りローラに給送されて、用紙の一方が給紙ローラに挟圧され、他方が紙送りローラに挟圧されている状態で、前記給紙ローラを停止させて前記紙送りローラを逆転させた場合に、用紙が、前記給紙ローラと前記紙送りローラとの間で撓わない程度またはそれ以上の剛性を有するものであるときは、用紙の先端が前記紙送りローラの挟圧部を僅かに通過した後、前記給紙ローラを一旦停止させるとともに前記紙送りローラを逆転させて、前記用紙の先端を挟圧部から解放し、再び前記紙送りローラを正転させて用紙の先端を前記挟圧部に通過させ、これらの動作を、印字を行う前に少なくとも2回以上繰り返すことを特徴とする。
【0024】
これにより、請求項1に記載の発明によるものと同様の作用効果を得ることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る給紙装置を利用したプリンタの一実施の形態を示す断面図である。
【0026】
このプリンタは、プリンタ本体の後部に給紙部4が設けられ、給紙部4のホッパ5には、複数枚の用紙Pが積層された状態で置かれている。給紙部4の下部には、積層された用紙Pの最上部のものを挟圧して給送する給紙ローラ1および分離パッド6が設けられている。
【0027】
印字部8の搬送方向上流側手前の位置には、紙送りローラ2が設けられている。紙送りローラ2は、駆動ローラ21および従動ローラ22から構成され、駆動ローラ21と従動ローラ22との間に挟圧部が形成されている。駆動ローラ21には、図示しない駆動モータ(ステッピング・モータ)から駆動力が伝達され、これにより、駆動ローラ21は回転する。従動ローラ22は、駆動ローラ21の回転にしたがって回転するようになっている。そして、給紙ローラ1から送られた用紙Pは、駆動ローラ21および従動ローラ22の回転により、これら両ローラの間に形成された挟圧部を挟圧搬送され、印字部8に送り出される。
【0028】
印字部8の搬送方向下流側近傍には、排出ローラ9が設けられ、印字部8において印字された用紙Pを先方に送り出す。
【0029】
給紙ローラ1と紙送りローラ2との間には、紙検出器10が設けられている。この紙検出器10は、用紙Pの該検出器への進入および該検出器から離脱を検出し、駆動制御部30に伝達するものである。
【0030】
駆動制御部30は、プリンタ全体の駆動制御を行うものであり、具体的には、給紙ローラ1、紙送りローラ2および排出ローラ9の各ローラの回転駆動を制御するとともに、印字部8の印字動作の制御を行い、また、紙検出器10の用紙の進入および離脱から用紙の長さを検出するものである。
【0031】
給紙ローラ1および紙送りローラ2は、図示しない1つの駆動モータ(ステッピング・モータ)と歯車列を介して係合しており、この歯車列により、駆動モータの駆動力が給紙ローラ1および紙送りローラ2に伝達される。また、この歯車列には、駆動モータの駆動力を給紙ローラ1に伝達する切換歯車(図示せず)が設けられている。この切換歯車は、係合位置と非係合位置との間を変位するように構成されている。切換歯車が係合位置にある場合には、駆動モータの駆動力は給紙ローラ1および紙送りローラ2に伝達され、給紙ローラ1および紙送りローラ2は回転する。一方、切換歯車が非係合位置にある場合には、駆動モータの駆動力は給紙ローラ1には伝達されず、紙送りローラ2にのみ伝達されるので、給紙ローラ1は停止した状態で、紙送りローラ2のみが回転する。したがって、後述するように、1つの駆動モータにより、給紙ローラ1と紙送りローラ2の双方を回転させることもできるし、紙送りローラ2のみを回転させることもできる。
【0032】
この切換歯車の係合位置および非係合位置への切換は、切換レバー(図示せず)により行われる。切換レバーは、駆動制御手段30によりその動作が制御されるキャリッジ(図示せず)により操作される。
【0033】
図2は、駆動制御部30(図1)が実行する給紙動作、スキュー取り動作および印字動作の全体の流れを示すフローチャートである。以下、この図にしたがって、プリンタの動作の全体について説明する。
【0034】
図示しないワープロ、パソコン、ワークステーション等の外部機器においてユーザにより作成された文書、図面等は、印字データとしてプリンタの駆動制御部30に与えられる(ステップS1)。また、この印字データとともに、ユーザにより指定された用紙の種類(封筒、普通紙、フィルム紙、専用紙、はがき等)および用紙の設定方向(給紙方向に対して縦長か横長か)に関するデータ(以下「動作モード・データ」という。)も、外部機器から駆動制御部30に与えらえる(ステップS1)。
【0035】
駆動制御部30は、外部機器から与えられた動作モード・データに基づいて用紙の種類を判断する(ステップS2)。用紙の種類が「封筒」であるならば、動作モード・データに基づいて用紙の設定方向を判断する(ステップS3)。
【0036】
用紙の設定方向が給紙方向に対して横長である場合には、後に詳述する複数回のスキュー取り動作を行う(ステップS4)。用紙の設定方向が給紙方向に対して縦長である場合には、後述する1回のスキュー取り動作を行う(ステップS5)。
【0037】
また、ステップS2において、用紙の種類が官製はがきである場合には、後述するスキュー取り無しの動作を行い(ステップS6)、用紙が、封筒および官製はがき以外のものである場合には、後述する1回のスキュー取り動作を行う(ステップS5)。
【0038】
スキュー取りを1回行うのか、あるいは、複数回行うのかは、用紙が給紙ローラ1(図1)から紙送りローラ2(図1)に給送されて、用紙の一方が給紙ローラ1と分離パッド6とに挟圧され、他方が紙送りローラ2に挟圧されている状態で、給紙ローラ1を停止させて紙送りローラ2を逆転させた場合に、用紙が、給紙ローラ1と紙送りローラ2との間で撓むかどうかにより決定される。撓む場合には、スキュー取り動作は1回のみ行われ、撓まない場合には、スキュー取り動作が複数回行われる。
【0039】
ここで、用紙が撓むかどうかは、用紙の剛性のほかに、紙送りローラの挟圧力、回転力、給紙ローラと分離パッドとの間の挟圧力、摩擦力等の給紙装置の特性にも左右されるので、用紙の剛性および給紙装置の特性に応じてあらかじめ定められる。この実施の形態におけるプリンタでは、横長に置かれた封筒を撓まない用紙とし、それ以外の用紙(官製はがきを除く。)を撓む用紙としている。また、スキュー取りを複数回行う場合の具体的な回数についても、用紙の剛性のほかに、給紙装置の特性にも左右されるので、これらの特性に応じてあらかじめ定められる。さらに、用紙が官製はがきの場合には、一般にスキューを起こしにくいことが経験から知られているので、本実施の形態においては、スキュー取り動作を行わないこととしている。
【0040】
駆動制御部30は、用紙のスキュー取り動作を行った後(官製はがきの場合には行わない)、紙送りローラ2によって用紙を印字部8(図1)に送り出し、ここで、印字データに基づいて印字を行う(ステップS7)。そして、用紙を排出ローラ9(図1)により排出する(ステップS8)。これにより、プリンタにおける印字処理は終了する。
【0041】
図3および図4は、図2のフローチャートのステップS4における複数回のスキュー取り動作の詳細を示すフローチャートである。まず、駆動制御部30(図1)は、給紙ローラ1および紙送りローラ2を同時に正転させて、ホッパ5に積層された用紙Pの最上部のものを、給紙ローラ1から紙送りローラ2に向かって給紙する(図3のステップS41)。
【0042】
続いて、用紙Pが紙検出器10を通過すると、紙検出器10の検出信号が駆動制御部30に与えられる(図3のステップS42)。駆動制御部30は、この検出信号により、用紙Pが紙検出器10を通過したことを検知し、検知後、あらかじめ定められた回転量(ステッピング・モータのステップ回転量)だけ給紙ローラ1および紙送りローラ2を回転させることにより、用紙を紙送りローラ2に到達させる。
【0043】
続いて、駆動制御部30は、スキュー取り動作の回数をカウントするためのカウンタNの値をゼロに初期化する(図3のステップS43)。
【0044】
用紙が紙送りローラ2に到達し、このローラによる用紙先端の挟圧が開始されると(図3のステップS44)、駆動制御部30は、さらに、給紙ローラ1および紙送りローラ2をあらかじめ定められた回転量だけ回転させて、用紙の先端を紙送りローラ2の挟圧部に僅かに通過させる(図3のステップS45)。
【0045】
続いて、前述した図示しない切換歯車を非係合位置に変位させて係合を解除し、給紙ローラ1を停止させた状態で、紙送りローラ2のみをあらかじめ定められた回転量だけ逆転させることにより、スキュー取りを行う(図3のステップS46)。1回のスキュー取り動作の様子は、図9にしたがって前述した通りであるので、ここでは省略する。その後、駆動制御部30は、カウンタNの値をインクリメントし(図3のステップS47)、カウンタNの値があらかじめ定められた値Xに達したかどうかを判定する(図3のステップS48)。Xの値は、図2のフローチャートにおける複数回の値に対応するものであり、2以上の整数である。
【0046】
カウンタNの値がXに達していない場合には(ステップS48でNo)、切換歯車を係合位置に変位させて係合させることにより、給紙ローラ1および紙送りローラ2を正転させ(図3のステップS49)、再度、ステップS44からS47の処理を繰り返す。このようにして、ステップS44からS48の処理がX回繰り返される。
【0047】
1回のスキュー取り動作(図3のステップS44〜S47)により、用紙は、図10に示すように角度θだけ回転し、この角度分スキューが除去される。そして、これをX回繰り返すことにより、スキューがほぼ完全に、またはほとんど除去される。
【0048】
駆動制御部30は、スキュー取り動作をX回繰り返した後(図3のステップS48でYes)、切換歯車を係合させて、再び給紙ローラおよび紙送りローラを回転させて、用紙を紙送りローラ2に挟圧する(図4のステップS50)。その後、切換歯車の係合を解除して、紙送りローラ2のみによって、印字開始に備えた用紙の頭出し動作を行う(図4のステップS51)。
【0049】
図5は、図2のフローチャートのステップS5における1回のスキュー取り動作の詳細を示すフローチャートである。図3および図4のフローチャートにおける処理と同一のものには同一の符号を付している。
【0050】
1回のスキュー取り動作では、ステップS44からS46の処理が1回のみ行われ、その後、印字開始に備えた用紙の頭出し動作を行われる(ステップS51)。このスキュー取り動作においては、用紙が撓むことを利用してスキューが除去される。その詳細な様子は、図8および図9を参照しながら前述した通りであるので、ここでは省略する。
【0051】
図6は、図2のフローチャートのステップS6におけるスキュー取り無しの詳細を示すフローチャートである。図3および図4のフローチャートにおける処理と同一のものには同一の符号を付している。ここでは、スキュー取り動作、すなわち、図5におけるステップS44からS46およびステップS50の処理が行われることなく、用紙が紙送りローラ2に到達し、このローラによる用紙先端の挟圧が開始されると(ステップS42)、その後、直ちに印字開始に備えた用紙の頭出し動作が行われる(ステップS51)。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、撓みにくい用紙であるときは、スキュー取り動作を、印字を行う前に少なくとも2回以上繰り返すようにしたので、1回の該動作によるスキュー取りが複数回分積算され、撓みにくい用紙に対しても、スキューを完全にないしほとんど除去することができる。そして、その後に行われる印字を、用紙に対して正しい方向に行うことができる。
【0053】
また、用紙が、撓みにくい用紙でない場合には、用紙の撓みにより、従来同様に1回のスキュー取り動作によりスキューをほぼ除去することができるので、スキュー取り動作は複数回行われない。これにより、用紙の剛性に応じた適切なスキュー取り動作が実行され、どのような剛性を有する用紙に対してもスキューを完全にないしほとんど除去することができるとともに、すべての用紙に対して、スキュー取り動作を複数回行うことがないので、スキュー取りによる時間およびエネルギーの浪費を回避することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る給紙装置を利用したプリンタの一実施の形態を示す断面図である。
【図2】図1の駆動制御部が印刷開始から終了に至るまで実行する全体の処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】図2のフローチャートのステップS4における複数回のスキュー取り動作の詳細を示すフローチャートである。
【図4】図2のフローチャートのステップS4における複数回のスキュー取り動作の詳細を示すフローチャートである。
【図5】図2のフローチャートのステップS5における1回のスキュー取り動作の詳細を示すフローチャートである。
【図6】図2のフローチャートのステップS6におけるスキュー取り無しの詳細を示すフローチャートである。
【図7】給紙装置による給紙の状況を示す側面図である。
【図8】紙送り動作におけるスキューが生じている様子を示す平面図である。
【図9】撓みやすい用紙のスキュー取りの様子を示す側面図である。
【図10】撓みにくい用紙に対する1回のスキュー取り動作を示す平面図である。
【符号の説明】
1 給紙ローラ
2 紙送りローラ
6 分離パッド
21 紙送りローラ(駆動ローラ)
22 紙送りローラ(従動ローラ)
30 駆動制御部
P 用紙
Claims (4)
- 給紙動作時に回転し、給紙部に置かれた用紙と接触して該用紙を給送する給紙ローラと、この給紙ローラによって給送された用紙を挟圧して搬送する紙送りローラと、該給紙ローラおよび該紙送りローラの動作を制御する制御手段とを備えている給紙装置であって、
用紙が前記給紙ローラから前記紙送りローラに給送されて、用紙の一方が給紙ローラに挟圧され、他方が紙送りローラに挟圧されている状態で、前記給紙ローラを停止させて前記紙送りローラを逆転させた場合に、用紙が、前記給紙ローラと前記紙送りローラとの間で撓わない程度またはそれ以上の剛性を有するものであるときは、前記制御手段は、用紙の先端が前記紙送りローラの挟圧部を僅かに通過した後、前記給紙ローラを一旦停止させるとともに前記紙送りローラを逆転させて、前記用紙の先端を挟圧部から解放し、再び前記紙送りローラを正転させて用紙の先端を前記挟圧部に通過させるというスキュー取り動作を、印字を行う前に少なくとも2回以上繰り返すように、前記給紙ローラおよび前記紙送りローラの動作を制御するものであることを特徴とする給紙装置。 - 給紙動作時に回転し、給紙部に置かれた用紙と接触して該用紙を給送する給紙ローラと、この給紙ローラによって給送された用紙を挟圧して搬送する紙送りローラと、該給紙ローラおよび該紙送りローラの動作を制御する制御手段とを備えている給紙装置であって、
用紙が封筒であり、かつ、給紙部に給紙方向に対して横長に置かれた場合には、前記制御手段は、用紙の先端が前記紙送りローラの挟圧部を僅かに通過した後、前記給紙ローラを一旦停止させるとともに前記紙送りローラを逆転させて、前記用紙の先端を挟圧部から解放し、再び前記紙送りローラを正転させて用紙の先端を前記挟圧部に通過させるというスキュー取り動作を、印字を行う前に少なくとも2回以上繰り返すように、前記給紙ローラおよび前記紙送りローラの動作を制御するものであることを特徴とする給紙装置。 - 給紙動作時に回転し、給紙部に置かれた用紙と接触して該用紙を給送する給紙ローラと、この給紙ローラによって給送された用紙を挟圧して搬送する紙送りローラと、該給紙ローラおよび該紙送りローラの動作を制御する制御手段と備えている給紙装置であって、
用紙が封筒であり、かつ、給紙部に給紙方向に対して横長に置かれた場合には、前記制御手段は、用紙の先端が前記紙送りローラの挟圧部を僅かに通過した後、前記給紙ローラを一旦停止させるとともに前記紙送りローラを逆転させて、前記用紙の先端を挟圧部から解放し、再び前記紙送りローラを正転させて用紙の先端を前記挟圧部に通過させるというスキュー取り動作を、印字を行う前に少なくとも2回以上繰り返すように、前記給紙ローラおよび前記紙送りローラの動作を制御し、
用紙が官製はがきである場合には、前記制御手段は、前記スキュー取り動作を行わないように、前記給紙ローラおよび前記紙送りローラの動作を制御し、
用紙が前記以外のものである場合には、前記制御手段は、前記スキュー取り動作を、印字を行う前に1回行うように、前記給紙ローラおよび前記紙送りローラを制御するものであることを特徴とする給紙装置。 - 給紙動作時に回転し、給紙部に置かれた用紙と接触して該用紙を給送する給紙ローラと、この給紙ローラによって給送された用紙を挟圧して搬送する紙送りローラと、該給紙ローラおよび該紙送りローラの動作を制御する制御手段とを備えている給紙装置における給紙方法であって、
用紙が前記給紙ローラから前記紙送りローラに給送されて、用紙の一方が給紙ローラに挟圧され、他方が紙送りローラに挟圧されている状態で、前記給紙ローラを停止させて前記紙送りローラを逆転させた場合に、用紙が、前記給紙ローラと前記紙送りローラとの間で撓わない程度またはそれ以上の剛性を有するものであるときは、
用紙の先端が前記紙送りローラの挟圧部を僅かに通過した後、前記給紙ローラを一旦停止させるとともに前記紙送りローラを逆転させて、前記用紙の先端を挟圧部から解放し、
再び前記紙送りローラを正転させて用紙の先端を前記挟圧部に通過させ、
これらの動作を、印字を行う前に少なくとも2回以上繰り返すことを特徴とする給紙方法。
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