JP3630013B2 - 手乾燥装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、洗浄後の濡れた手を衛生的に乾燥させるための手乾燥装置及び手洗い機能を持つ手乾燥装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
洗浄後の濡れた手を乾燥させる装置として、高速空気流により手に付着した水滴を吹飛ばし乾燥させる手乾燥装置又は手洗い乾燥装置がある。例えば、特開平6―62978号公報には図7に示すような構成の手乾燥装置が示されている。即ち、箱体に凹状形態に手挿入部50が設けられ、手挿入部50にはエアーノズルが51配設されている。エアーノズル51は高圧空気流発生装置52に接続されたエアーダクトが接続され、手挿入部50内に高速空気流を噴出するようになっている。手挿入部50へ手を入れると、手を検知するセンサにより高圧空気流発生装置52が作動し、高圧空気流発生装置52より送風された高速空気流がエアーダクトを通りエアーノズル51から吐出され、濡れた手に当り、手に付着していた水滴を吹飛ばし乾燥させる。この際、手から剥離した水滴は手挿入部50の内壁に当り付着し、また、ドレンパイプを経てタンク状の水受け部53に受容される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の手乾燥装置又は手洗い乾燥装置においては、乾燥処理によって手から剥離した水の大半はドレン水として水受け部53に排出されるものの、一部は手挿入部50の内面等に付着してしまう。乾燥処理により手から剥離された水滴には、汚れや、有機物や手の脂肪分といった汚れ成分が少なからず含まれており、こうした汚れ成分が、空気中に漂う塵埃をも取り込んだ形態で手挿入部50の内面等に堆積しやすい。
【0004】
従って、手挿入部50の清潔性を維持するには、手挿入部50を定期的に清掃する必要があり、清掃を怠ったり、装置の利用頻度が多く利用回数に対して清掃回数が少なかったりすると、汚れや有機物や手の脂肪分や塵埃の堆積物が簡単に除去できなくなってしまう。
【0005】
また、従来の手乾燥装置は、手を素早く乾燥させることはできるものの、手洗い機能はなく、手洗い動作の後に場所を移動して手乾燥動作に移行しなければならず、移動に伴う煩わしさとともに、手から床に水滴が落ち、床を汚してしまうようなこともあった。一方、手の衛生性を管理している環境下では、手の消毒や殺菌を行なっており、手を乾燥させた後、別途設置した消毒・殺菌装置で手の消毒や殺菌を行なっている。この消毒・殺菌動作にも手乾燥動作からの移動を伴う煩わしさが伴い、また、消毒・殺菌装置を設置するスペースも必要となっている。
【0006】
本発明は、上記した従来の問題点を解決するためになされたもので、その課題とするところは、清掃作業をしなくても手挿入部を常時清潔な状態に保全できる手乾燥装置を得ることであり、手の消毒や殺菌を併行して実施できる手乾燥装置を得ることであり、手洗いも併行して実施できる手乾燥装置を得ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
手を収納できる広さを有する手挿入部に、高圧空気流発生装置により高速空気流を噴出させて手に付着した水分を高速空気流の運動エネルギーにより手挿入部内に吹飛ばす手乾燥装置について、その手挿入部の内面に洗浄液を流し出し、手挿入部の内面に付着した汚れを洗い流して洗浄する自浄手段を備える手段を採用する。
【0008】
を収納できる広さを有する手挿入部に、高圧空気流発生装置により高速空気流を噴出させて手に付着した水分を高速空気流の運動エネルギーにより手挿入部内に吹飛ばす手乾燥装置について、その手挿入部の内面に洗浄液を流し出し、手挿入部の内面に付着した汚れを洗い流して洗浄する自浄手段とともに、消毒剤を吐出し手の消毒を行なう消毒手段を備える手段を採用する。
【0009】
また、消毒手段を消毒剤としてアルコールを吐出する構成とする手段を採用する。
【0010】
さらに、手挿入部に流し出した洗浄液を回収し、回収した洗浄液を循環使用する洗浄液循環系を構成する手段を採用する。
【0011】
またさらに、洗浄液循環系の途中に洗浄液の汚れを除去する洗浄液浄化手段を設ける手段を採用する。
【0012】
さらにまた、洗浄液を、塩化物水溶液を電気分解して電解水を生成する電解水生成手段により生成する手段を採用する。
【0013】
また、洗浄液を、消毒作用をもつ洗浄消毒液とする手段を採用する。
【0014】
さらに、洗浄液を、オゾン水で構成する手段を採用する。
【0015】
またさらに、手挿入部に、手洗い水を供給する手洗いノズルを設ける手段を採用する。
【0016】
さらにまた、手洗い水を、塩化物水溶液を電気分解した電解水を生成する電解水生成手段により生成する手段を採用する。
【0017】
また、手洗い水をオゾン水で構成する手段を採用する。
【0018】
さらに、手洗い水を、塩化物水溶液を電気分解して殺菌機能を有する電解水を生成する電解水生成手段により生成する手段を採用する。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1,2によって示す実施の形態1は手乾燥装置に関するものであり、図1によって全体を示すようにこの手乾燥装置は、正面に手挿入口を有する外殻をなす本体箱体1内に組み込まれた高圧空気流発生装置2による高圧空気が手挿入口近傍に送られて、手挿入口を構成する開放シンク状の手挿入部3内に水分を吹き飛ばす手乾燥に関する作動気流としての高速の気流が形成されるものである。
【0020】
手挿入部3は本体箱体1の正面上部に、正面及び両側面が開放し、奥側へ向かって下傾する手の挿抜可能のU字状凹部として構成され、その底部には排水口4が設けられている。この排水口4には外部にドレンを排水するための排水パイプ5が接続されている。手挿入部3の内面には、シリコン系もしくはフッ素系等の撥水性コーティング、又は酸化チタン等の親水性を有するコーティング、又は抗菌剤が含浸され、内面への汚れの付着の軽減や細菌の繁殖の低減が図られている。
【0021】
高圧空気流発生装置2は、DCブラシレスモーター(通常の整流子モーター又は誘導電動機であっても良い)と、これを駆動させる駆動回路及びDCブラシレスモーターによって回転するターボファンにより構成され、この実施の形態1では本体箱体1のフレームに吸気側を下向きにして吸気可能に取り付けられている。高圧空気流発生装置2の吸込側は、本体箱体1に設けられた着脱可能のエアーフィルター6を備えた吸気口7に吸気風路を経て連絡されている。
【0022】
高圧空気流発生装置2の排気側には上側の高圧エアーダクト8と下側の高圧エアーダクト9の一端が接続されている。各高圧エアーダクト8,9の他端には、それぞれ上エアーノズル10と下エアーノズル11が取り付けられている。上エアーノズル10と下エアーノズル11には複数個のノズル穴が列をなして形成され(スリット状ノズルでもよい)、高圧空気流発生装置2から送られてくる高圧空気を高速の気流に変換し吹き出すことができる。
【0023】
上エアーノズル10は手挿入部3の手挿入口近傍の上部に下向きに、下エアーノズル11は手挿入部3の手挿入口近傍の下部に上向きにそれぞれ入口から奥への圧力勾配を形成するような傾斜をもって横方向に取り付けられ、手挿入部3内に入れた手を擦り合わせることなく、手に付いた水滴を手の表裏から剥離し吹き飛ばすことができるように、手の甲側と掌側の双方に高速の気流を同時に当てることができる。
【0024】
手挿入部3には、上エアーノズル10と下エアーノズル11とに隣接して手洗い用のノズル12が上下に設けられている。これらの手洗い用のノズル12はパイピングにより吐出装置13の吐出側に接続され、吐出装置13の吸込側に接続された給水パイプ14から手洗い水が供給される。給水パイプ14は途中で分岐し、一方は手洗い水の供給用に、他方は洗浄液の供給用に構成されている。洗浄液の供給用の給水パイプ14には洗浄液用の吐出装置15が接続され、吐出装置15の吐出側には、上下の手洗い用のノズル12に近接して設けられた上下の洗浄用のノズル16にパイピングにより接続され、自浄手段が構成されている。本体箱体1内の上部には消毒剤を手挿入部3内に吐出し、手の消毒(殺菌も含む意味で用いるものとする)を行なう消毒手段が組込まれている。消毒手段は、消毒剤タンク17と、消毒剤タンク17内の消毒剤を手挿入部3の上下に配設した消毒剤吐出用のノズル18に圧送する消毒剤用の吐出装置19から構成されている。本実施の形態では、消毒剤として使い易い消毒用アルコールが使用されている。
【0025】
この手乾燥装置では、手挿入口から手挿入部3内に手を手首付近まで入れると、手を検知するセンサー(図示しない)によって手が検知され、制御回路20の処理により手洗い用の吐出装置13が作動し、給水パイプ14に接続された上水道等から手洗い水が手挿入部3の上下のノズル12から吐出され、手を洗うことができる。手洗いに使った手洗い水は、手挿入部3の底部の排水口4から排水パイプ5を経て本体箱体1外部に排水処理される。手洗いを終えた手を一旦手挿入部3から抜くと、手を検知するセンサーにより吐出装置13が停止され、手洗い水の供給が停止される。
【0026】
この後、再び手挿入口から手挿入部3内に濡れた手を手首付近まで入れると、手を検知するセンサー(図示しない)によって手が検知され、制御回路20の処理により高圧空気流発生装置2が作動し、上エアーノズル10と下エアーノズル11から高い運動エネルギーを持つ高速空気流が手挿入部3内に吹出され、挿入された手に当り手に付着した水分を手挿入部3の奥側へ吹き飛ばす。さらに、手挿入部3内で手を挿抜させることによって、手全体に付着していた水滴が全て排除され、手が乾燥処理される。そして手の乾燥処理終了後、手を手挿入部3から完全に抜くと、手を検知するセンサーで手を抜いたことが検知され、高圧空気流発生装置2が停止する。
【0027】
この後、再度手挿入口から手挿入部3内に乾燥処理した手を手首付近まで入れると、手を検知するセンサー(図示しない)によって手が検知され、制御回路20の処理により消毒手段の吐出装置19が作動し、消毒剤タンク17のアルコールが手挿入部3に挿入された手に上下のノズル18から一定量(調節可能になっている)が吐出された後、吐出装置19が自動的に停止してアルコールの吐出が止まる。挿入した手には表裏全体にアルコールが塗布され、手洗い、乾燥処理後の手が位置の移動なしにその場で消毒される。手の消毒に使われたアルコールは、手挿入部3の内面の消毒も行なうことになる。
【0028】
そして手の消毒処理終了後、手を手挿入部3から完全に抜くと、手を検知するセンサー(図示しない)により手を抜いたことが検知され、調節可能な一定時間経過後に、洗浄用の吐出装置15が制御回路20の処理により所定時間の間作動し自浄機能を果たす。即ち、給水パイプ14を通じて手挿入部3内の上下の洗浄用のノズル16から洗浄液が吐出される。ノズル16は手挿入部3の全体に洗浄用液が行き渡るように設けられており、手挿入部3の内面全体の汚れを洗い流すことができる、洗浄後の洗浄液は排水口4から排水パイプ5を経て外部へ排水処理される。このように、この手乾燥装置によれば、手洗い、手の乾燥、消毒といった手を衛生的に保つ作業を移動することなく併行して、迅速に行なうことができ、しかも、清掃作業をしなくても手挿入部3を常時清潔な状態に保全でき保守も楽になる。また、単一の装置として構成されているので設置スペースも少なくて済む。
【0029】
なお、手挿入部3に配設された4種類の上下のノズル10,11,12,16,18については、いずれかのノズル又は4種類全てのノズルを図2に示すように手挿入部3の上部、もしくは下部だけの片側配置の構成が採用されることもある。このような片側配置の場合、それぞれのノズル10,11,12,16,18の配置は他のノズルの配置とは独立であり、種々の配置パターンを採ることができる。また、洗浄液による手挿入部3の洗浄は、手洗いの前に行なうようにしてもよい。
【0030】
実施の形態2.
図3,4によって示すこの実施の形態2は、実施の形態1で示した手乾燥装置について、手挿入部3に流下する洗浄液を再利用するようにしたもので、洗浄液回収に係る構成以外は実施の形態1のものと同じである。従って、実施の形態1と同じ部分については実施の形態1のものと同じ符号を用い、それらについての説明は省略する。
【0031】
本実施の形態の手乾燥装置は、手挿入部3を洗浄する自浄手段が、洗浄液を循環使用すべく洗浄液循環系として構成されている。洗浄液循環系は、洗浄液を貯溜するタンク21と、タンク21の洗浄液を吐出する吐出装置15と、吐出装置15から送出される洗浄液を手挿入部3に吐出するノズル16と、手挿入部3の排水口4に接続され、他端がタンク21に接続された排水パイプ22と、排水パイプ22の途中に設けられた洗浄液浄化手段としての抗菌活性炭フィルター25とから構成されている。タンク21には洗浄液を補給する予備タンク26と、オーバーフロした洗浄液を蒸発皿27等に導き蒸発処理する排水パイプ29が接続されている。
【0032】
本実施の形態の手乾燥装置では、手の乾燥処理のあとに手の消毒処理を行なった後、手を手挿入部3から完全に抜くと、手を検知するセンサー(図示しない)により手を抜いたことが検知され、調節可能な一定時間経過後に、吐出装置15が制御回路20の処理により調節可能な所定時間の間作動し自浄機能を果たす。即ち、洗浄用の吐出装置15がタンク21の一定量の洗浄液を手挿入部3内の上下の洗浄用のノズル16に送り出す。ノズル16は手挿入部3の全体に洗浄液が行き渡るように設けられており、手挿入部3の内面全体の汚れを洗い流すことができる。
【0033】
洗浄後の洗浄液は排水口4から排水パイプ22を通り、抗菌活性炭フィルター25を経て浄化され再びタンク21に回収され、再利用される。手の乾燥処理時に手から剥離した水も、手挿入部3の排水口4から排水パイプ22を通り、抗菌活性炭フィルター25を経て汚れ成分を瀘過除去され浄化されてタンク21に回収され、洗浄液として利用される。タンク21の貯水量は一定の範囲の量になるようにコントロールされていて、貯水量が一定のレベルより多くなると、排水パイプ29により蒸発皿27に導かれ、蒸発処理される。また、図4に示すように、着脱可能なドレンタンク30を設け、排水パイプ29をドレンタンク30に接続するようにしてもよく、排水パイプ29を外部に導き、排水パイプ29から直接外部に排水するようにしてもよい。
【0034】
タンク21の洗浄液の貯水量が一定レベルより下がれば、予備タンク26から洗浄液が補給される。洗浄液としては、水道水や水道水に洗浄剤を混入したもののほか、塩素系又は、ヨウ素系又は、アルコール系、アルデヒド系、過酸化物系、陽イオン系、両性海面活性剤系、フェノール系、ビグアナイト系等の種々の消毒液も用いることができ、洗浄と消毒を一緒に実施することも可能である。これ以外の機能は、実施の形態1で示した手乾燥装置と同じである。
【0035】
実施の形態3.
図5によって示すこの実施の形態3は、実施の形態1で示した手乾燥装置について、手洗い水及び手挿入部3を洗浄する洗浄液を、電解水を生成する電解水生成手段で生成するようにしたもので、これに係る構成以外は実施の形態1のものと同じである。従って、実施の形態1と同じ部分については実施の形態1のものと同じ符号を用い、それらについての説明は省略する。
【0036】
本実施の形態の手乾燥装置は、手挿入部3の洗浄を電解水により行なうように構成されている。電解水を生成する電解水生成手段は、給水パイプ14から給水される水に貯溜タンク31から塩化ナトリウムを投入し撹拌して塩化物水溶液を作り、これを電気分解する電解槽32により構成されている。電解槽32には塩化物水溶液の電気分解でできる電解液であるNa+ イオンとOH- イオンを含むアルカリ水と、HClO- とClO- イオンを含む酸性水をそれぞれ取出し一定量を自動的に各タンク33,34に維持する電解液貯溜装置が接続されている。タンク33にはアルカリ水が、タンク34には酸性水がそれぞれ貯溜され、一定量を超えた場合には合流するドレンパイプ35により手挿入部3の排水口4に接続された排水パイプ5からの排水とともに外部に排水処理される。タンク33,34は電磁切替弁36,37を介して手洗い用の吐出装置13と、洗浄用の吐出装置15に接続されている。
【0037】
手洗い時には、手洗い用の吐出装置13が動作し、電磁切替弁36は始めはアルカリ水の入っているタンク33側になっていて、タンク33のアルカリ水がノズル12から手挿入部3内の手に吐出される。そして、調節可能な一定時間経過後、電磁切替弁36が酸性水の入っているタンク34側に切替えられ、酸性水がノズル12から手挿入部3内の手に吐出される。アルカリ水には、蛋白質系の汚れを解離したり、油性汚れを乳化分散させる作用があり、通常の水より洗浄力があり汚れを効果的に落すことができる。また、酸性水はPH3付近の強酸性では、その酸性度で殺菌作用があり、PH3付近からPH7付近までの弱酸性から中性の領域では、ClO- イオンやHClO- による殺菌効果があり、手の表面及び手挿入部3の内面等を殺菌することができる。従って、手及び手挿入部3の内面等の清潔性、衛生性を向上させることができる。
【0038】
殺菌手段としてClO- イオンやHClO- を含む電解液(酸性〜中性)を用いることにより、引火性もなく安全性が確保でき、弱酸性〜中性の電解液を使えばアルコールに比べて、皮膚に優しく手荒れも少なくできる。メンテナンスについても塩化ナトリウムの補充だけですみ、貯溜タンク31の容量を大きくすればメンテナンス不要期間を一層長くすることができる。廃棄時にもアルカリ水と混ぜて中性にするか、大量の水に混ぜるだけで無害な状態にすることができ、環境汚染の心配も殆どない。酸性水は殺菌スペクトルが広いため種々の細菌にたいして殺菌効果がある。
【0039】
手洗いの後、手乾燥処理と消毒処理を行なった後の手挿入部3の洗浄についても、手洗いの時と同様に、センサーが手を抜いたことを検知した後、調節可能な一定時間経過後、洗浄用の吐出装置15が動作し、電磁切替弁37は始めはアルカリ水の入っているタンク33側になっていて、タンク33のアルカリ水がノズル16から手挿入部3内に吐出される。そして、調節可能な一定時間経過後、電磁切替弁37が酸性水の入っているタンク34側に切替えられ、酸性水が洗浄用のノズル16から手挿入部3内に吐出され、手挿入部3がアルカリ水の洗浄作用と、酸性水の殺菌作用により洗浄される。手洗い及び洗浄に使ったアルカリ水と酸性水は手挿入部3の排水口4から排水パイプ5内で混ざり中性化するため外部に排水しても支障はない。
【0040】
なお、電解水生成手段で生成されたアルカリ性と酸性の電解水を、電解槽32内や電解槽32の外において混合し、中性にした水溶液を手洗い水、洗浄液として使用するようにすることもできる。つまり、ClO- イオンやHClO- を含む電解液は混合比により強酸から中性まで得られ、用途に応じた電解液を作ることができる。これ以外の機能は実施の形態1のものと同じである。
【0041】
実施の形態4.
図6によって示すこの実施の形態4は、実施の形態1で示した手乾燥装置について、手洗い水及び手挿入部3を洗浄する洗浄液を、オゾン水としたものであり、これに係る構成以外は実施の形態1のものと同じである。従って、実施の形態1と同じ部分については実施の形態1のものと同じ符号を用い、それらについての説明は省略する。
【0042】
この手乾燥装置には、オゾン発生装置38と送風機39と気液混合槽40が備えられている。オゾン発生装置38には送風機39により送風が行なわれ、給水パイプ14に接続された気液混合槽10に送風によりオゾン発生装置38で生成されたオゾンが送り込まれる。気液混合槽40では、給水された水道水とオゾン空気が混合されオゾン水が生成される。そして、気液混合槽40に手洗い用の吐出装置13と洗浄用の吐出装置15とが接続され、オゾン水を使って手洗いと手挿入部3の洗浄ができるように構成されている。オゾンには構造破壊による殺菌作用があり、耐性菌もできにくく 手や手挿入部3を清潔で衛生的な状態にすることができる。また、オゾンは逐次生成できるため補充メンテナンスが不要であり、簡単に分解できるため廃棄しても無害で環境汚染の心配もない。これ以外の機能は実施の形態1のものと同じである。
【0043】
【発明の効果】
掃作業をしなくても手挿入部を常時清潔な状態に保全できる手乾燥装置が得られる。
【0044】
掃作業をしなくても手挿入部を常時清潔な状態に保全でき、しかも移動しなくても手の消毒や殺菌を併行して実施できるスペースをとらない手乾燥装置が得られる。
【0045】
また、手を手軽に消毒することができるようになる。
【0046】
さらに、洗浄液の消費量を少なくすることができる。また、外部水道水が不要なため、給排水用の水道工事が不要となり、水道配管設備のない場所でも設置できる。つまり、自浄機能の付いた製品を広範に設置することが可能となる。
【0047】
またさらに、清浄な状態で洗浄液を循環使用することができる。
【0048】
さらにまた、手挿入部の内面を清潔で衛生的な状態に保全することができる。
【0049】
また、手挿入部の内面を清潔で衛生的な状態に保全することができる。
【0050】
さらに、手挿入部の内面を清潔で衛生的な状態に保全することができる。
【0051】
またさらに、手洗いについても移動することなくその場で行なうことができるようになる。
【0052】
さらにまた、手洗いにより手を清潔で衛生的な状態にすることができる。
【0053】
また、手洗いにより手を清潔で衛生的な状態にすることができる。
【0054】
さらに、手洗いにより手を清潔で衛生的な状態にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の手乾燥装置を示す断面構成図である。
【図2】実施の形態1の他の手乾燥装置を示す断面構成図である。
【図3】実施の形態2の手乾燥装置を示す断面構成図である。
【図4】実施の形態2の他の手乾燥装置を示す断面構成図である。
【図5】実施の形態3の手乾燥装置を示す断面構成図である。
【図6】実施の形態4の手乾燥装置を示す断面構成図である。
【図7】従来の手乾燥装置を示す断面構成図である。
【符号の説明】
2 高圧空気流発生装置、 3 手挿入部、 10 上エアーノズル、 11 下エアーノズル、 12 ノズル、 13 吐出装置、 15 吐出装置、 16 ノズル、 18 ノズル、 19 吐出装置、 21 タンク、 22 排水パイプ、 25 抗菌活性炭フィルター、 32 電解槽、 33 タンク、 34 タンク、 38 オゾン発生装置、 40 気液混合槽。

Claims (12)

  1. 手を収納できる広さを有する手挿入部に、高圧空気流発生装置により高速空気流を噴出させて手に付着した水分を高速空気流の運動エネルギーにより前記手挿入部内に吹飛ばす手乾燥装置であって、その手挿入部の内面に洗浄液を流し出し、当該手挿入部の内面に付着した汚れを洗い流して洗浄する自浄手段を備えた手乾燥装置。
  2. 手を収納できる広さを有する手挿入部に、高圧空気流発生装置により高速空気流を噴出させて手に付着した水分を高速空気流の運動エネルギーにより前記手挿入部内に吹飛ばす手乾燥装置であって、その手挿入部の内面に洗浄液を流し出し、当該手挿入部の内面に付着した汚れを洗い流して洗浄する自浄手段とともに、消毒剤を吐出し手の消毒を行なう消毒手段を備えた手乾燥装置。
  3. 消毒手段を消毒剤としてアルコールを吐出する構成とした請求項2記載の手乾燥装置。
  4. 自浄手段に手挿入部に流し出した洗浄液を回収し、回収した洗浄液を循環使用する洗浄液循環系を構成した請求項1又は2記載の手乾燥装置。
  5. 洗浄液循環系の途中に洗浄液の汚れを除去する洗浄液浄化手段を設けた請求項4記載の手乾燥装置。
  6. 塩化物水溶液を電気分解して洗浄液としての電解水を生成する電解水生成手段を備えた請求項1、2、4又は5記載の手乾燥装置。
  7. 洗浄液を消毒作用をもつ洗浄消毒液とした請求項1、2、4又は5記載の手乾燥装置。
  8. 洗浄液をオゾン水で構成した請求項1、2、4又は5記載の手乾燥装置。
  9. 手挿入部に手洗い水を供給する手洗いノズルを設けた請求項1乃至8記載の手乾燥装置。
  10. 塩化物水溶液を電気分解して手洗い水としての電解水を生成する電解水生成手段を備えた請求項9記載の手乾燥装置。
  11. 手洗い水をオゾン水で構成した請求項9記載の手乾燥装置。
  12. 塩化物水溶液を電気分解して殺菌機能を有する手洗い水としての電解水を生成する電解水生成手段を備えた請求項9記載の手乾燥装置。
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