JP2004223367A - 洗瓶装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】牛乳瓶などの瓶を洗浄するに際し、装置構成を簡潔化でき、また洗浄時間の短縮化が図れ(装置としての稼働効率を高くすることができ)、更にランニングコストの低廉化も図れるようにする。
【解決手段】瓶の内外を清浄化する洗浄部2と、この洗浄部2を経た瓶の少なくとも瓶内を殺菌する殺菌部3とを有し、殺菌部3では酸性電解水により殺菌が行われるようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】瓶の内外を清浄化する洗浄部2と、この洗浄部2を経た瓶の少なくとも瓶内を殺菌する殺菌部3とを有し、殺菌部3では酸性電解水により殺菌が行われるようにした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗瓶装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、瓶を搬送しつつ、予備洗浄をするか又はしないで、ノズルから噴出させた洗浄水内へ瓶をくぐらせたり洗浄水を貯留した複数の槽内へ瓶を浸漬させたりすることにより洗浄すると共に仕上げ洗浄も行う等し、濯ぎや乾燥等を行った後、瓶を装置外へ搬出する装置が、種々知られている(例えば特許文献1や2等参照)。
これらの洗浄装置では、多くの場合、洗浄水として水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)を用いており、またその後に高温加熱等を行うようなこともあって、これらである程度の消毒はできるが、瓶の内容物が飲食物とされる場合には、洗浄後の濯ぎを行った後、更に次亜塩素酸を用いた殺菌消毒を行うことがあった。
【0003】
しかしながら、次亜塩素酸を用いた殺菌消毒法では、その消毒後に次亜塩素酸が残留することが人体に有害であるとされているために、濯ぎが重要になることが指摘されている(例えば、特許文献3等参照)。
また、次亜塩素酸において有効な殺菌効果を得るには5分以上の浸漬時間を要することも指摘されている(例えば、特許文献4等参照)。
そこで、次亜塩素酸を使用しない工夫として、洗浄水にアルカリ性電解水(pH8.0〜13.0)を使用するといったことが提案されているものもある(上記した特許文献3参照)。
【0004】
なお、これらとは別に、高圧エアによって瓶を洗浄する洗浄装置も知られている(特許文献5等参照)。この洗浄装置では瓶をロータリー方式で搬送するようになっている。
【0005】
【特許文献1】
特公平5−87314号公報
【特許文献2】
特公平2−41965号公報
【特許文献3】
特開平10−192860号公報
【特許文献4】
特開昭63−82930号公報
【特許文献5】
特公昭53−16349号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、瓶の殺菌消毒のために次亜塩素酸を使用した場合、人体への影響を考慮し、濯ぎを相当にしっかり行わなければならず、それだけ装置としての大型化及び複雑化を招来することになり、また洗浄全体に要する処理時間が長くなる(装置としての稼働効率が低くなる)といったことがあった。
しかも次亜塩素酸を用いた殺菌消毒では、十分な殺菌効果を得るために所定の浸漬時間が必要であったから、更に処理時間が長くなる(装置としての稼働効率が低くなる)といったことがあった。
【0007】
なお、洗浄の対象となる瓶が例えば牛乳瓶のように、紙製の蓋で閉栓される場合には、次亜塩素酸がこの蓋を透過して発散し、残留量の低下を期待することもできたが、樹脂製や金属製等の蓋で閉栓される場合ではこれが期待できず、そのためにこの種、紙製でないキャップで閉栓される瓶を洗浄対象とする場合には、次亜塩素酸を使用し難く、使用する場合は通常の次亜塩素酸を噴射した後、濃度を1/10程度に薄めた次亜塩素酸で殺菌する方式が採られているということがあった。
【0008】
一方、洗浄水としてアルカリ性電解水を用いる場合、これのためだけに電気分解を行う必要があり、消費電力、電解質、隔膜などに必要とされるランニングコストの面で不利になるということがあった。またこの電気分解時には同時に酸性電解水が得られることになるが、この酸性電解水を廃棄することになるため、非常に無駄であるということもあった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、瓶を洗浄するに際し、装置構成を簡潔化でき、また洗浄時間の短縮化が図れ(装置としての稼働効率を高くすることができ)、更にランニングコストの低廉化も図れるようにした洗瓶装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明は次の手段を講じた。
即ち、本発明に係る洗瓶装置は、瓶の内外を清浄化する洗浄部2と、この洗浄部2を経た瓶の少なくとも瓶内を殺菌する殺菌部3とを有し、殺菌部3では酸性電解水により殺菌が行われるものである。
このように酸性電解水を用いた殺菌消毒を行うことで、次亜塩素酸などの人体に有害な物質を使用しなくてもよくなる。
【0010】
酸性電解水としては、隔膜方式の発生装置により得られるpH2.2〜2.7の強酸性電解水や、無隔膜方式によるpH5〜6.5の弱酸性電解水を使用するのが好適である。
このように酸性電解水を用いて殺菌消毒した瓶は、上記したように人体に有害な物質を使用していないので、紙製以外のキャップ(即ち、樹脂製や金属製等のキャップ)によって閉栓されるものをも洗浄対象に含むことが可能である。
従って、この洗瓶装置として、洗浄対象とする瓶の種類が何ら制限を受けないことになり、それだけ汎用性が広いことになる。
【0011】
洗浄部2に隣接する上流部又は下流部の少なくとも一方に、補助洗浄部15,16(上流側では予備洗浄に相当し、下流側では洗剤除去(濯ぎ)洗浄に相当する)を設けることができる。この場合、この補助洗浄部15,16ではアルカリ性電解水を用いた洗浄を行うものとすることができる。
又、殺菌部3で使用する酸性電解水が上記隔膜方式の電気分解により得られる場合は、この電気分解時には、同時にアルカリ性電解水が得られることになるから、このアルカリ性電解水を補助洗浄部、予備洗浄とか洗剤除去で有効利用することが可能である。
【0012】
このようにすることで、電気分解を行ううえでの消費電力、電解質、隔膜などに無駄が出ないことになる。
ここで得られるアルカリ性電解水は、微量の水酸化ナトリウムが含まれて強アルカリ性となっている。
そのため、このアルカリ性電解水を洗浄部2の上流部の補助洗浄部15(予備洗浄)に用いると、脂質やタンパク質等の汚れを落とす効果が得られるから、それだけ高い予備洗浄効果が得られることになり、洗浄部2での洗剤の使用量抑制や洗浄時間短縮が図れるといった効果を期待することができる。
【0013】
またこのアルカリ性電解水を洗浄部2の下流部の補助洗浄部16(濯ぎ)に用いると、界面活性剤除去効果が得られることから洗剤の除去効果も高くなり、その後、温水や水で濯ぎをする場合の使用水量抑制に繋がるといった効果を期待することもできる。
殺菌部3には、殺菌に使用された酸性電解水を回収し、二次使用に向けて暫時的に貯留すると共に、この貯留中の酸性電解水に対する空気接触及び光接触を制限可能とした回収保存槽22が設けられているものとするのが好適である。
【0014】
このような回収保存槽22に酸性電解水を溜めておけば、酸性電解水の殺菌性能が低下することを可及的に防止できる。従って、この酸性電解水を殺菌効果が十分残っている状態で再使用することができ、その有効活用に繋がる。
このような回収保存槽22は、殺菌に使用された酸性電解水を回収する回収槽52と、この回収槽52から直ちに回送される酸性電解水を貯留する保存槽53とに分けられたものとするのがなおよい。
この場合、これら回収槽52と保存槽53との連通部分には、弁操作を制御可能な弁部54を設けておけばよい。
【0015】
このように回収槽52と保存槽53との間を弁部54を介した連通関係にしておくことで、酸性電解水の殺菌性能を保持させやすくなる。
殺菌部3には、殺菌に使用された酸性電解水とこの酸性電解水を得る際の電気分解時に同時に得られたアルカリ性電解水とを混合後に廃棄可能にするペーハー調整器23が設けられているものとするのが好適である。
このようなペーハー調整器23を設けると、酸性電解水だけでなく、アルカリ性電解水をも、一般の水道水等と同じ扱いで排水することができることになり、環境への種々の影響を抑制できることになる。
【0016】
ペーハー調整器は、洗瓶機本体に併設してもよいし、別置タイプとして設けても良い。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
図1乃至図4は、本発明に係る洗瓶装置1の第1実施形態を示している。
図2から明らかなように、この洗瓶装置1は洗浄部2と殺菌部3とを有している。
そしてこの殺菌部3では、図1から明らかなように電気分解設備4を具備したものとなっており、この電気分解設備4で得られる酸性電解水を用いて瓶(図示略)の殺菌消毒を行うようになっている。
【0018】
図2に示すように、洗浄部2及び殺菌部3に対しては、洗浄対象とする瓶を供給及び排出するための搬送手段5が一方向的に通過貫通する状態で設けられている。
この搬送手段5には、洗浄部2よりも搬送方向上流側(図2右側)に、洗浄対象となる瓶を受け付けるための給瓶部6が設けられ、また殺菌部3よりも搬送方向下流側(図2左側)に、洗浄後の瓶を排出するための排瓶部7が設けられたものとなっている。
【0019】
なお、この搬送手段5には、その詳細な図示は省略するが、例えば、瓶をその形状に合わせて安定的に保持可能としたキャリアバスケットが無端チェンに連設され、連続的又は間欠的に循環走行されるものが用いられている。
洗浄部2は、瓶の内外を洗剤で洗浄し、清浄化するところであり、浸漬槽(多段)、噴射洗浄部等を必要に応じて配置する。
本第1実施形態では、搬送手段5の搬送方向に沿ってその上流側から浸漬槽として第1槽10、第2槽11、第3槽12の三つの槽が並設された多槽方式となったものを示している。多槽方式は必要に応じて単槽であっても良いし、2槽、4槽・・等自由に設定すれば良い。
【0020】
これら各槽10〜12には、洗剤として、水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)に代表される熱苛性液等が溜められており、搬送手段5はこれら各槽10〜12内へ瓶をくぐらせて所定の浸漬時間を確保できるようになっている。
また第3槽12には、その出口部を通過する瓶に対してこの第3槽12内の洗剤をポンプ13で組み上げて瓶の外面や内面及び口部まわりへ吹きつけるようになった噴射洗浄部14が設けられている。噴射洗浄部14が洗浄効果の主要部分を占めるもので噴射する方向等に制限なく、搬送される瓶の周囲の4方向或いは更に角度を設けて配置されることもある。勿論、汚れが軽度の場合は浸漬のみでも洗浄効果が十分であれば、噴射部を必要としなくてもよい。
【0021】
なお、洗剤を節約したい等といった使用者側の都合により、例えば第1槽10や第3槽12では洗剤を水や温水などに置換するといった使われ方がされることもある。
この洗浄部2の上流部には予備洗浄用の補助洗浄部15が設けられており、洗浄部2の下流部には濯ぎ用の補助洗浄部16が設けられている。
予備洗浄用の補助洗浄部15は、予備洗剤供給管17を介して供給される予備洗剤をポンプ18で汲み上げながら洗浄前の瓶へ噴射させるようになったものであるが、この予備洗剤には、上記した殺菌部3の電気分解設備4(図1参照)で酸性電解水と同時に得られるアルカリ性電解水が有効活用される。
【0022】
濯ぎ用の補助洗浄部16は、除洗液貯留槽19に溜められた水や温水等の除洗液をポンプ20で汲み上げながら洗浄後の瓶へ噴射させ、瓶に付着乃至残留した洗剤を除去するようになっている。
殺菌部3は、洗浄部2を経て清浄化された瓶に対し、その瓶内や口部まわり及び外面を上記したように酸性電解水で殺菌消毒するためのものである。
この殺菌部3は、酸性電解水を得るための電気分解設備4(図1参照)と、この電気分解設備4によって得られた酸性電解水を瓶へ噴射させる噴射部21と、この噴射部21によって噴射された(使用された)酸性電解水を回収し保存する回収保存槽22とを有している。
【0023】
また、この殺菌部3はペーハー調整器23を併設してもよい。ペーハー調整器23は、殺菌部3で使用した酸性電解水の排水と予備洗浄用に使用したアルカリ性電解水の排水とを混合し放流可能に調整するもので、洗瓶機の機台上にあっても良いし、別置きタイプで配置しても良い。
図1から明らかなように、電気分解設備4は、有隔膜電解槽25と貯留槽26とを有しており、この貯留槽26から酸性電解水専用の供給管27により上記した噴射部21へと酸性電解水が供給されるようになっている。
【0024】
有隔膜電解槽25(詳細構造は図示省略した)は、その槽内に隔膜を挟んで2枚の電極が配置され、水道水や純水などに電解質を添加させた水溶液が注入された状態で電極間に印加させる一般的なものである。
この有隔膜電解槽25で得られる酸性電解水は、殺菌効果として有効で人体に対して有害とはならない条件として許容されたpH2.2〜2.7の強酸性電解水である。又、同じく有効とされる弱電性電解水(pH5〜6.5)は、無隔膜方式により製造され、殺菌用として使用することは可能である。
【0025】
この有隔膜電解槽25では、電気分解によって酸性電解水だけでなくアルカリ性電解水も得られることになるが、このアルカリ性電解水は、上記したようにアルカリ性電解水専用の予備洗剤供給管17によって予備洗浄用の補助洗浄部15(図2参照)へと送り込まれるようになっている。
なお、貯留槽26は、酸性電解水を空気にも光にも接触させないように密閉された槽構造にしておくのが好適であり、このような槽構造を採用することで、酸性電解水の殺菌性能が低下することを防止できることになる。
【0026】
回収保存槽22は、噴射部21の真下を瓶が搬送手段5によって通過搬送される部分で、この搬送手段5よりも更に下方となる位置付けで設置されている。
従ってこの回収保存槽22では、殺菌に使用された後の(噴射部21から噴射されて落下する)酸性電解水を回収し、二次使用に向けて暫時的に貯留することができるようになっている。
図3及び図4に示すように、この回収保存槽22は、槽上部の開口部22aに対し、斜めに傾斜した状態でこの開口部22aの大半を覆うようになった蓋30が設けられている。そして、この蓋30における傾斜の下側となる端部寄りに、開口部22aの開口面積を絞ったかたちで隙間が形成されている。
【0027】
そのため、この蓋30の上面に落ちた酸性電解水は傾斜の下側方向へと流下し、その全てが上記隙間を介して回収保存槽22内に回収されることになる。
この蓋30は、一方向に傾斜した平板を用いているが、平板に限らず、漏斗状にし中央に落下用の穴を設けたもの、逆に傘状にし外周部に隙間を設けたものであって可能である。
図1及び図2に示したように、この回収保存槽22には汲み上げ管31を介して二次噴射部32が設けられている。
【0028】
この二次噴射部32は、搬送手段5の搬送方向において上記した噴射部21よりも上流側となる位置(要するに噴射部21からの酸性電解水によって本殺菌が行われるより前の段階)で、回収保存槽22から送られる酸性電解水を瓶へ噴射できるように位置付けられている。
この回収保存槽22から二次噴射部32へと送られる酸性電解水は、回収保存槽22内で貯留されている間は空気接触及び光接触が制限されるかたちとなっている。従って、この酸性電解水の殺菌性能が低下することは可及的に防止されていることになる。
【0029】
すなわち、この酸性電解水を殺菌効果が十分残っている状態で再使用することができるのであり、その有効活用に繋がる。
この場合、この二次噴射部32の下方に対応させた部分を図1に示すように回収保存槽22とは別個独立した二次回収槽33として形成させておくと、噴射部21から噴射された酸性電解水(一回使用のもの)と、二次噴射部32から噴射された酸性電解水(二回使用のもの)とを、互いに混濁しない状態で回収することができる。
【0030】
そのため、このような二次回収槽33を設置した場合には、ここで貯留する酸性電解水を搬送手段5の搬送方向においてこの二次回収槽33よりも更に上流側に設けた回収濯ぎ水噴射部35へと供給することができることになり、更に一層、瓶に対する殺菌効果を高めることができることになる。
この回収濯ぎ水噴射部35へ酸性電解水を供給するに際しては、この回収濯ぎ水噴射部35の真下部へ濯ぎ水貯留槽36を設置して、この濯ぎ水貯留槽36と二次回収槽33とを連通管37で連結するといった方式を採用すればよい。そして濯ぎ噴射部38へは、新鮮な低温水又は水等の濯ぎ水が供給されるものとしてあり、濯ぎ水貯留槽36には回収された使用後の濯ぎ水と連通管37により送られる二回使用後の殺菌用酸性電解水とが混合され、ポンプ39により回収濯ぎ水噴射部35へと送られ噴射される。濯ぎ効果を向上させると共に殺菌処理の下準備的に予備殺菌をも行うことになる。
【0031】
図1において、濯ぎ水準備槽36の上流側には、除洗液貯留槽19が配置されたものとしてあり、上記したようにこの除洗液貯留槽19には水や温水等の除洗液が溜められ、濯ぎ用の補助洗浄部16(図2参照)へ向けて供給されるようになっている。
ペーハー調整器は、洗瓶装置の機台外に設けることが望ましいが、本第1実施形態では図2に示すように併設している。この場合はアルカリ性電解水の再利用が出来なくなるという短所もあるが適宜でよい。
【0032】
ペーハー調整器23(図2参照)は、本第1実施形態では予備洗浄用の補助洗浄部15に対してその下方部に設置されており、この補助洗浄部15で使用された後の予備洗剤を回収可能な槽として形成されている。また、このペーハー調整器23には、濯ぎ水準備槽36との間が連通管45によって接続され、この連通管45には送り込み用のポンプ46が設けられている。
そのため、このペーハー調整器23には、濯ぎ水準備槽36に貯留された酸性電解水と、予備洗浄用補助洗浄部15で使用された後の予備洗剤(即ち、アルカリ性電解水である)とが送り込まれ、混合されることになる。
【0033】
従って、このペーハー調整器23内ではペーハーが中性又はそれに近い状態に戻され、その後に排水管47を介して廃棄されることになる。
このような構成の洗瓶装置1では、搬送手段5によって給瓶部6から排瓶部7へ向けて瓶が搬送される過程にあって、予備洗浄用補助洗浄部15での予備洗剤(アルカリ性電解水)による予備洗浄と、洗浄部2での洗剤(熱苛性液等)による洗浄と、濯ぎ用補助洗浄部16での除洗液(水や温水等)による濯ぎと、殺菌部3での酸性電解水による殺菌消毒とがこの順番で施されることになる。
【0034】
そして、予備洗浄用補助洗浄部15で使用された予備洗剤(アルカリ性電解水)と、殺菌部3で使用された酸性電解水とが、ペーハー調整器23で混合された後に廃棄されるものである。
このように、わざわざ、次亜塩素酸などの人体に有害な物質を用いなくとも確実な殺菌消毒が可能であり、殺菌部3を経た瓶を殊更、綿密に濯ぐようなことをする必要がなくなるので、装置構成を簡潔化でき、また洗浄時間の短縮化が図れる(装置としての稼働効率を高くすることができる)ことになる。また、瓶の洗浄に係るランニングコストの低廉化にも繋がるものである。
【0035】
ところで、回収保存槽22(図3参照)において、貯留した酸性電解水を空気接触及び光接触から制限するための手段としては、次のような各種の態様が考えられる。
図5に示す回収保存槽22では、槽上の開口部22aに対してそれより一回り小さな蓋50を、開口部22aの内周面との間に隙間が形成されるように設けてある。
図6に示す回収保存槽22では、槽内に貯留される酸性電解水の水面に球形をした浮き51を多数、浮かせて、その水面を覆うようにさせてある。
【0036】
図7に示す回収保存槽22では、回収槽52と保存槽53とが、それらの内部を仕切られたかたちで分かれて設けられたものとなっている。そして、これら回収槽52と保存槽53との連通部分に、電磁弁や電動弁などの弁操作を制御可能な弁部54が設けられている。
回収槽52は、殺菌に使用された酸性電解水を回収するようになっている。
保存槽53は、回収槽52へ回収後に直ちに回送される酸性電解水を貯留可能になったものである。
【0037】
このように回収槽52と保存槽53との間を弁部54を介した連通関係にしておけば、弁部54を閉弁状態におくことで酸性電解水の殺菌性能を保持させやすくなる。
図8に示す回収保存槽22も、回収槽52と保存槽53とを有し、これら回収槽52と保存槽53との連通部分に弁部54が設けられたものとなっているが、図7に示したものとは弁部54としてポンプを採用しているところが異なる。
本発明に係る洗瓶装置1は、上記第1実施形態に示したものに限定されない。
【0038】
例えば、図9に第2実施形態として示すように、洗浄部2の浸漬槽として第1槽10、第2槽11、第3槽12、第4槽56の四つの槽が並設された多槽方式となったもので実施することもできるし、図10に第3実施形態として示すように、洗浄部2の浸漬槽として更に第1槽10、第2槽11、第3槽12、第4槽56、第5槽57の五つの槽が並設された多槽方式となったもので実施することもできる。
また、図11に第4実施形態として示すように、洗浄部2の浸漬槽として、第1槽10及び第2槽11が下段位置に配され、第3槽12及び第4槽56がその上段位置に配され、且つ搬送手段5が第2槽11から第3槽12へ向かう途中に搬送方向を上下反転させるように折り返された1エンド方式となったもので実施することもできる。
【0039】
なお、この1エンド方式の搬送手段5では、給瓶部6と排瓶部7とが同一箇所で上下に設けられる構造となっている。
更には、予備洗浄用補助洗浄部15での予備洗剤(アルカリ性電解水)による予備洗浄、洗浄部2での洗剤(熱苛性液等)による洗浄、濯ぎ用補助洗浄部16での除洗液(水や温水等)による濯ぎ、殺菌部3での酸性電解水による殺菌消毒等に関しては、それらを噴射方式としてもよいし、浸漬方式としてもよい。
このように、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、実施の形態に応じて適宜変更可能である。
【0040】
特許文献5に記載されたようなロータリー方式の洗浄装置を対象として本発明を実施することもできる。
【0041】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に係る洗瓶装置では、瓶を洗浄するに際し、装置構成を簡潔化でき、また洗浄時間の短縮化が図れ(装置としての稼働効率を高くすることができ)、更にランニングコストの低廉化も図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態で採用された殺菌部を示した斜視図である。
【図2】本発明に係る洗瓶装置の第1実施形態を模式的に示した側面図である。
【図3】第1実施形態で採用された回収保存槽を示した斜視図である。
【図4】図3に対応する平面図である。
【図5】回収保存槽の第2例を示した平面図である。
【図6】回収保存槽の第3例を示した平面図である。
【図7】回収保存槽として回収槽と保存槽とが分かれたタイプの第1例を示した斜視図である。
【図8】回収保存槽として回収槽と保存槽とが分かれたタイプの第2例を示した側断面図である。
【図9】本発明に係る洗瓶装置の第2実施形態を模式的に示した側面図である。
【図10】本発明に係る洗瓶装置の第3実施形態を模式的に示した側面図である。
【図11】本発明に係る洗瓶装置の第4実施形態を模式的に示した側面図である。
【符号の説明】
1 洗瓶装置
2 洗浄部
3 殺菌部
15 補助洗浄部
16 補助洗浄部
22 回収保存槽
23 ペーハー調整器
52 回収槽
53 保存槽
54 弁部
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗瓶装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、瓶を搬送しつつ、予備洗浄をするか又はしないで、ノズルから噴出させた洗浄水内へ瓶をくぐらせたり洗浄水を貯留した複数の槽内へ瓶を浸漬させたりすることにより洗浄すると共に仕上げ洗浄も行う等し、濯ぎや乾燥等を行った後、瓶を装置外へ搬出する装置が、種々知られている(例えば特許文献1や2等参照)。
これらの洗浄装置では、多くの場合、洗浄水として水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)を用いており、またその後に高温加熱等を行うようなこともあって、これらである程度の消毒はできるが、瓶の内容物が飲食物とされる場合には、洗浄後の濯ぎを行った後、更に次亜塩素酸を用いた殺菌消毒を行うことがあった。
【0003】
しかしながら、次亜塩素酸を用いた殺菌消毒法では、その消毒後に次亜塩素酸が残留することが人体に有害であるとされているために、濯ぎが重要になることが指摘されている(例えば、特許文献3等参照)。
また、次亜塩素酸において有効な殺菌効果を得るには5分以上の浸漬時間を要することも指摘されている(例えば、特許文献4等参照)。
そこで、次亜塩素酸を使用しない工夫として、洗浄水にアルカリ性電解水(pH8.0〜13.0)を使用するといったことが提案されているものもある(上記した特許文献3参照)。
【0004】
なお、これらとは別に、高圧エアによって瓶を洗浄する洗浄装置も知られている(特許文献5等参照)。この洗浄装置では瓶をロータリー方式で搬送するようになっている。
【0005】
【特許文献1】
特公平5−87314号公報
【特許文献2】
特公平2−41965号公報
【特許文献3】
特開平10−192860号公報
【特許文献4】
特開昭63−82930号公報
【特許文献5】
特公昭53−16349号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、瓶の殺菌消毒のために次亜塩素酸を使用した場合、人体への影響を考慮し、濯ぎを相当にしっかり行わなければならず、それだけ装置としての大型化及び複雑化を招来することになり、また洗浄全体に要する処理時間が長くなる(装置としての稼働効率が低くなる)といったことがあった。
しかも次亜塩素酸を用いた殺菌消毒では、十分な殺菌効果を得るために所定の浸漬時間が必要であったから、更に処理時間が長くなる(装置としての稼働効率が低くなる)といったことがあった。
【0007】
なお、洗浄の対象となる瓶が例えば牛乳瓶のように、紙製の蓋で閉栓される場合には、次亜塩素酸がこの蓋を透過して発散し、残留量の低下を期待することもできたが、樹脂製や金属製等の蓋で閉栓される場合ではこれが期待できず、そのためにこの種、紙製でないキャップで閉栓される瓶を洗浄対象とする場合には、次亜塩素酸を使用し難く、使用する場合は通常の次亜塩素酸を噴射した後、濃度を1/10程度に薄めた次亜塩素酸で殺菌する方式が採られているということがあった。
【0008】
一方、洗浄水としてアルカリ性電解水を用いる場合、これのためだけに電気分解を行う必要があり、消費電力、電解質、隔膜などに必要とされるランニングコストの面で不利になるということがあった。またこの電気分解時には同時に酸性電解水が得られることになるが、この酸性電解水を廃棄することになるため、非常に無駄であるということもあった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、瓶を洗浄するに際し、装置構成を簡潔化でき、また洗浄時間の短縮化が図れ(装置としての稼働効率を高くすることができ)、更にランニングコストの低廉化も図れるようにした洗瓶装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明は次の手段を講じた。
即ち、本発明に係る洗瓶装置は、瓶の内外を清浄化する洗浄部2と、この洗浄部2を経た瓶の少なくとも瓶内を殺菌する殺菌部3とを有し、殺菌部3では酸性電解水により殺菌が行われるものである。
このように酸性電解水を用いた殺菌消毒を行うことで、次亜塩素酸などの人体に有害な物質を使用しなくてもよくなる。
【0010】
酸性電解水としては、隔膜方式の発生装置により得られるpH2.2〜2.7の強酸性電解水や、無隔膜方式によるpH5〜6.5の弱酸性電解水を使用するのが好適である。
このように酸性電解水を用いて殺菌消毒した瓶は、上記したように人体に有害な物質を使用していないので、紙製以外のキャップ(即ち、樹脂製や金属製等のキャップ)によって閉栓されるものをも洗浄対象に含むことが可能である。
従って、この洗瓶装置として、洗浄対象とする瓶の種類が何ら制限を受けないことになり、それだけ汎用性が広いことになる。
【0011】
洗浄部2に隣接する上流部又は下流部の少なくとも一方に、補助洗浄部15,16(上流側では予備洗浄に相当し、下流側では洗剤除去(濯ぎ)洗浄に相当する)を設けることができる。この場合、この補助洗浄部15,16ではアルカリ性電解水を用いた洗浄を行うものとすることができる。
又、殺菌部3で使用する酸性電解水が上記隔膜方式の電気分解により得られる場合は、この電気分解時には、同時にアルカリ性電解水が得られることになるから、このアルカリ性電解水を補助洗浄部、予備洗浄とか洗剤除去で有効利用することが可能である。
【0012】
このようにすることで、電気分解を行ううえでの消費電力、電解質、隔膜などに無駄が出ないことになる。
ここで得られるアルカリ性電解水は、微量の水酸化ナトリウムが含まれて強アルカリ性となっている。
そのため、このアルカリ性電解水を洗浄部2の上流部の補助洗浄部15(予備洗浄)に用いると、脂質やタンパク質等の汚れを落とす効果が得られるから、それだけ高い予備洗浄効果が得られることになり、洗浄部2での洗剤の使用量抑制や洗浄時間短縮が図れるといった効果を期待することができる。
【0013】
またこのアルカリ性電解水を洗浄部2の下流部の補助洗浄部16(濯ぎ)に用いると、界面活性剤除去効果が得られることから洗剤の除去効果も高くなり、その後、温水や水で濯ぎをする場合の使用水量抑制に繋がるといった効果を期待することもできる。
殺菌部3には、殺菌に使用された酸性電解水を回収し、二次使用に向けて暫時的に貯留すると共に、この貯留中の酸性電解水に対する空気接触及び光接触を制限可能とした回収保存槽22が設けられているものとするのが好適である。
【0014】
このような回収保存槽22に酸性電解水を溜めておけば、酸性電解水の殺菌性能が低下することを可及的に防止できる。従って、この酸性電解水を殺菌効果が十分残っている状態で再使用することができ、その有効活用に繋がる。
このような回収保存槽22は、殺菌に使用された酸性電解水を回収する回収槽52と、この回収槽52から直ちに回送される酸性電解水を貯留する保存槽53とに分けられたものとするのがなおよい。
この場合、これら回収槽52と保存槽53との連通部分には、弁操作を制御可能な弁部54を設けておけばよい。
【0015】
このように回収槽52と保存槽53との間を弁部54を介した連通関係にしておくことで、酸性電解水の殺菌性能を保持させやすくなる。
殺菌部3には、殺菌に使用された酸性電解水とこの酸性電解水を得る際の電気分解時に同時に得られたアルカリ性電解水とを混合後に廃棄可能にするペーハー調整器23が設けられているものとするのが好適である。
このようなペーハー調整器23を設けると、酸性電解水だけでなく、アルカリ性電解水をも、一般の水道水等と同じ扱いで排水することができることになり、環境への種々の影響を抑制できることになる。
【0016】
ペーハー調整器は、洗瓶機本体に併設してもよいし、別置タイプとして設けても良い。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
図1乃至図4は、本発明に係る洗瓶装置1の第1実施形態を示している。
図2から明らかなように、この洗瓶装置1は洗浄部2と殺菌部3とを有している。
そしてこの殺菌部3では、図1から明らかなように電気分解設備4を具備したものとなっており、この電気分解設備4で得られる酸性電解水を用いて瓶(図示略)の殺菌消毒を行うようになっている。
【0018】
図2に示すように、洗浄部2及び殺菌部3に対しては、洗浄対象とする瓶を供給及び排出するための搬送手段5が一方向的に通過貫通する状態で設けられている。
この搬送手段5には、洗浄部2よりも搬送方向上流側(図2右側)に、洗浄対象となる瓶を受け付けるための給瓶部6が設けられ、また殺菌部3よりも搬送方向下流側(図2左側)に、洗浄後の瓶を排出するための排瓶部7が設けられたものとなっている。
【0019】
なお、この搬送手段5には、その詳細な図示は省略するが、例えば、瓶をその形状に合わせて安定的に保持可能としたキャリアバスケットが無端チェンに連設され、連続的又は間欠的に循環走行されるものが用いられている。
洗浄部2は、瓶の内外を洗剤で洗浄し、清浄化するところであり、浸漬槽(多段)、噴射洗浄部等を必要に応じて配置する。
本第1実施形態では、搬送手段5の搬送方向に沿ってその上流側から浸漬槽として第1槽10、第2槽11、第3槽12の三つの槽が並設された多槽方式となったものを示している。多槽方式は必要に応じて単槽であっても良いし、2槽、4槽・・等自由に設定すれば良い。
【0020】
これら各槽10〜12には、洗剤として、水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)に代表される熱苛性液等が溜められており、搬送手段5はこれら各槽10〜12内へ瓶をくぐらせて所定の浸漬時間を確保できるようになっている。
また第3槽12には、その出口部を通過する瓶に対してこの第3槽12内の洗剤をポンプ13で組み上げて瓶の外面や内面及び口部まわりへ吹きつけるようになった噴射洗浄部14が設けられている。噴射洗浄部14が洗浄効果の主要部分を占めるもので噴射する方向等に制限なく、搬送される瓶の周囲の4方向或いは更に角度を設けて配置されることもある。勿論、汚れが軽度の場合は浸漬のみでも洗浄効果が十分であれば、噴射部を必要としなくてもよい。
【0021】
なお、洗剤を節約したい等といった使用者側の都合により、例えば第1槽10や第3槽12では洗剤を水や温水などに置換するといった使われ方がされることもある。
この洗浄部2の上流部には予備洗浄用の補助洗浄部15が設けられており、洗浄部2の下流部には濯ぎ用の補助洗浄部16が設けられている。
予備洗浄用の補助洗浄部15は、予備洗剤供給管17を介して供給される予備洗剤をポンプ18で汲み上げながら洗浄前の瓶へ噴射させるようになったものであるが、この予備洗剤には、上記した殺菌部3の電気分解設備4(図1参照)で酸性電解水と同時に得られるアルカリ性電解水が有効活用される。
【0022】
濯ぎ用の補助洗浄部16は、除洗液貯留槽19に溜められた水や温水等の除洗液をポンプ20で汲み上げながら洗浄後の瓶へ噴射させ、瓶に付着乃至残留した洗剤を除去するようになっている。
殺菌部3は、洗浄部2を経て清浄化された瓶に対し、その瓶内や口部まわり及び外面を上記したように酸性電解水で殺菌消毒するためのものである。
この殺菌部3は、酸性電解水を得るための電気分解設備4(図1参照)と、この電気分解設備4によって得られた酸性電解水を瓶へ噴射させる噴射部21と、この噴射部21によって噴射された(使用された)酸性電解水を回収し保存する回収保存槽22とを有している。
【0023】
また、この殺菌部3はペーハー調整器23を併設してもよい。ペーハー調整器23は、殺菌部3で使用した酸性電解水の排水と予備洗浄用に使用したアルカリ性電解水の排水とを混合し放流可能に調整するもので、洗瓶機の機台上にあっても良いし、別置きタイプで配置しても良い。
図1から明らかなように、電気分解設備4は、有隔膜電解槽25と貯留槽26とを有しており、この貯留槽26から酸性電解水専用の供給管27により上記した噴射部21へと酸性電解水が供給されるようになっている。
【0024】
有隔膜電解槽25(詳細構造は図示省略した)は、その槽内に隔膜を挟んで2枚の電極が配置され、水道水や純水などに電解質を添加させた水溶液が注入された状態で電極間に印加させる一般的なものである。
この有隔膜電解槽25で得られる酸性電解水は、殺菌効果として有効で人体に対して有害とはならない条件として許容されたpH2.2〜2.7の強酸性電解水である。又、同じく有効とされる弱電性電解水(pH5〜6.5)は、無隔膜方式により製造され、殺菌用として使用することは可能である。
【0025】
この有隔膜電解槽25では、電気分解によって酸性電解水だけでなくアルカリ性電解水も得られることになるが、このアルカリ性電解水は、上記したようにアルカリ性電解水専用の予備洗剤供給管17によって予備洗浄用の補助洗浄部15(図2参照)へと送り込まれるようになっている。
なお、貯留槽26は、酸性電解水を空気にも光にも接触させないように密閉された槽構造にしておくのが好適であり、このような槽構造を採用することで、酸性電解水の殺菌性能が低下することを防止できることになる。
【0026】
回収保存槽22は、噴射部21の真下を瓶が搬送手段5によって通過搬送される部分で、この搬送手段5よりも更に下方となる位置付けで設置されている。
従ってこの回収保存槽22では、殺菌に使用された後の(噴射部21から噴射されて落下する)酸性電解水を回収し、二次使用に向けて暫時的に貯留することができるようになっている。
図3及び図4に示すように、この回収保存槽22は、槽上部の開口部22aに対し、斜めに傾斜した状態でこの開口部22aの大半を覆うようになった蓋30が設けられている。そして、この蓋30における傾斜の下側となる端部寄りに、開口部22aの開口面積を絞ったかたちで隙間が形成されている。
【0027】
そのため、この蓋30の上面に落ちた酸性電解水は傾斜の下側方向へと流下し、その全てが上記隙間を介して回収保存槽22内に回収されることになる。
この蓋30は、一方向に傾斜した平板を用いているが、平板に限らず、漏斗状にし中央に落下用の穴を設けたもの、逆に傘状にし外周部に隙間を設けたものであって可能である。
図1及び図2に示したように、この回収保存槽22には汲み上げ管31を介して二次噴射部32が設けられている。
【0028】
この二次噴射部32は、搬送手段5の搬送方向において上記した噴射部21よりも上流側となる位置(要するに噴射部21からの酸性電解水によって本殺菌が行われるより前の段階)で、回収保存槽22から送られる酸性電解水を瓶へ噴射できるように位置付けられている。
この回収保存槽22から二次噴射部32へと送られる酸性電解水は、回収保存槽22内で貯留されている間は空気接触及び光接触が制限されるかたちとなっている。従って、この酸性電解水の殺菌性能が低下することは可及的に防止されていることになる。
【0029】
すなわち、この酸性電解水を殺菌効果が十分残っている状態で再使用することができるのであり、その有効活用に繋がる。
この場合、この二次噴射部32の下方に対応させた部分を図1に示すように回収保存槽22とは別個独立した二次回収槽33として形成させておくと、噴射部21から噴射された酸性電解水(一回使用のもの)と、二次噴射部32から噴射された酸性電解水(二回使用のもの)とを、互いに混濁しない状態で回収することができる。
【0030】
そのため、このような二次回収槽33を設置した場合には、ここで貯留する酸性電解水を搬送手段5の搬送方向においてこの二次回収槽33よりも更に上流側に設けた回収濯ぎ水噴射部35へと供給することができることになり、更に一層、瓶に対する殺菌効果を高めることができることになる。
この回収濯ぎ水噴射部35へ酸性電解水を供給するに際しては、この回収濯ぎ水噴射部35の真下部へ濯ぎ水貯留槽36を設置して、この濯ぎ水貯留槽36と二次回収槽33とを連通管37で連結するといった方式を採用すればよい。そして濯ぎ噴射部38へは、新鮮な低温水又は水等の濯ぎ水が供給されるものとしてあり、濯ぎ水貯留槽36には回収された使用後の濯ぎ水と連通管37により送られる二回使用後の殺菌用酸性電解水とが混合され、ポンプ39により回収濯ぎ水噴射部35へと送られ噴射される。濯ぎ効果を向上させると共に殺菌処理の下準備的に予備殺菌をも行うことになる。
【0031】
図1において、濯ぎ水準備槽36の上流側には、除洗液貯留槽19が配置されたものとしてあり、上記したようにこの除洗液貯留槽19には水や温水等の除洗液が溜められ、濯ぎ用の補助洗浄部16(図2参照)へ向けて供給されるようになっている。
ペーハー調整器は、洗瓶装置の機台外に設けることが望ましいが、本第1実施形態では図2に示すように併設している。この場合はアルカリ性電解水の再利用が出来なくなるという短所もあるが適宜でよい。
【0032】
ペーハー調整器23(図2参照)は、本第1実施形態では予備洗浄用の補助洗浄部15に対してその下方部に設置されており、この補助洗浄部15で使用された後の予備洗剤を回収可能な槽として形成されている。また、このペーハー調整器23には、濯ぎ水準備槽36との間が連通管45によって接続され、この連通管45には送り込み用のポンプ46が設けられている。
そのため、このペーハー調整器23には、濯ぎ水準備槽36に貯留された酸性電解水と、予備洗浄用補助洗浄部15で使用された後の予備洗剤(即ち、アルカリ性電解水である)とが送り込まれ、混合されることになる。
【0033】
従って、このペーハー調整器23内ではペーハーが中性又はそれに近い状態に戻され、その後に排水管47を介して廃棄されることになる。
このような構成の洗瓶装置1では、搬送手段5によって給瓶部6から排瓶部7へ向けて瓶が搬送される過程にあって、予備洗浄用補助洗浄部15での予備洗剤(アルカリ性電解水)による予備洗浄と、洗浄部2での洗剤(熱苛性液等)による洗浄と、濯ぎ用補助洗浄部16での除洗液(水や温水等)による濯ぎと、殺菌部3での酸性電解水による殺菌消毒とがこの順番で施されることになる。
【0034】
そして、予備洗浄用補助洗浄部15で使用された予備洗剤(アルカリ性電解水)と、殺菌部3で使用された酸性電解水とが、ペーハー調整器23で混合された後に廃棄されるものである。
このように、わざわざ、次亜塩素酸などの人体に有害な物質を用いなくとも確実な殺菌消毒が可能であり、殺菌部3を経た瓶を殊更、綿密に濯ぐようなことをする必要がなくなるので、装置構成を簡潔化でき、また洗浄時間の短縮化が図れる(装置としての稼働効率を高くすることができる)ことになる。また、瓶の洗浄に係るランニングコストの低廉化にも繋がるものである。
【0035】
ところで、回収保存槽22(図3参照)において、貯留した酸性電解水を空気接触及び光接触から制限するための手段としては、次のような各種の態様が考えられる。
図5に示す回収保存槽22では、槽上の開口部22aに対してそれより一回り小さな蓋50を、開口部22aの内周面との間に隙間が形成されるように設けてある。
図6に示す回収保存槽22では、槽内に貯留される酸性電解水の水面に球形をした浮き51を多数、浮かせて、その水面を覆うようにさせてある。
【0036】
図7に示す回収保存槽22では、回収槽52と保存槽53とが、それらの内部を仕切られたかたちで分かれて設けられたものとなっている。そして、これら回収槽52と保存槽53との連通部分に、電磁弁や電動弁などの弁操作を制御可能な弁部54が設けられている。
回収槽52は、殺菌に使用された酸性電解水を回収するようになっている。
保存槽53は、回収槽52へ回収後に直ちに回送される酸性電解水を貯留可能になったものである。
【0037】
このように回収槽52と保存槽53との間を弁部54を介した連通関係にしておけば、弁部54を閉弁状態におくことで酸性電解水の殺菌性能を保持させやすくなる。
図8に示す回収保存槽22も、回収槽52と保存槽53とを有し、これら回収槽52と保存槽53との連通部分に弁部54が設けられたものとなっているが、図7に示したものとは弁部54としてポンプを採用しているところが異なる。
本発明に係る洗瓶装置1は、上記第1実施形態に示したものに限定されない。
【0038】
例えば、図9に第2実施形態として示すように、洗浄部2の浸漬槽として第1槽10、第2槽11、第3槽12、第4槽56の四つの槽が並設された多槽方式となったもので実施することもできるし、図10に第3実施形態として示すように、洗浄部2の浸漬槽として更に第1槽10、第2槽11、第3槽12、第4槽56、第5槽57の五つの槽が並設された多槽方式となったもので実施することもできる。
また、図11に第4実施形態として示すように、洗浄部2の浸漬槽として、第1槽10及び第2槽11が下段位置に配され、第3槽12及び第4槽56がその上段位置に配され、且つ搬送手段5が第2槽11から第3槽12へ向かう途中に搬送方向を上下反転させるように折り返された1エンド方式となったもので実施することもできる。
【0039】
なお、この1エンド方式の搬送手段5では、給瓶部6と排瓶部7とが同一箇所で上下に設けられる構造となっている。
更には、予備洗浄用補助洗浄部15での予備洗剤(アルカリ性電解水)による予備洗浄、洗浄部2での洗剤(熱苛性液等)による洗浄、濯ぎ用補助洗浄部16での除洗液(水や温水等)による濯ぎ、殺菌部3での酸性電解水による殺菌消毒等に関しては、それらを噴射方式としてもよいし、浸漬方式としてもよい。
このように、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、実施の形態に応じて適宜変更可能である。
【0040】
特許文献5に記載されたようなロータリー方式の洗浄装置を対象として本発明を実施することもできる。
【0041】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に係る洗瓶装置では、瓶を洗浄するに際し、装置構成を簡潔化でき、また洗浄時間の短縮化が図れ(装置としての稼働効率を高くすることができ)、更にランニングコストの低廉化も図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態で採用された殺菌部を示した斜視図である。
【図2】本発明に係る洗瓶装置の第1実施形態を模式的に示した側面図である。
【図3】第1実施形態で採用された回収保存槽を示した斜視図である。
【図4】図3に対応する平面図である。
【図5】回収保存槽の第2例を示した平面図である。
【図6】回収保存槽の第3例を示した平面図である。
【図7】回収保存槽として回収槽と保存槽とが分かれたタイプの第1例を示した斜視図である。
【図8】回収保存槽として回収槽と保存槽とが分かれたタイプの第2例を示した側断面図である。
【図9】本発明に係る洗瓶装置の第2実施形態を模式的に示した側面図である。
【図10】本発明に係る洗瓶装置の第3実施形態を模式的に示した側面図である。
【図11】本発明に係る洗瓶装置の第4実施形態を模式的に示した側面図である。
【符号の説明】
1 洗瓶装置
2 洗浄部
3 殺菌部
15 補助洗浄部
16 補助洗浄部
22 回収保存槽
23 ペーハー調整器
52 回収槽
53 保存槽
54 弁部
Claims (6)
- 瓶の内外を清浄化する洗浄部と、この洗浄部を経た瓶の少なくとも瓶内を殺菌する殺菌部とを有し、殺菌部では酸性電解水により殺菌が行われるものであることを特徴とする洗瓶装置。
- 洗浄の対象とする瓶として紙製以外のキャップにより閉栓されるものを含んでいることを特徴とする請求項1記載の洗瓶装置。
- 前記洗浄部に隣接する上流部又は下流部の少なくとも一方に補助洗浄部が設けられており、この補助洗浄部では、前記殺菌部用の酸性電解水を得る際の電気分解時に同時に得られたアルカリ性電解水を用いて洗浄が行われるものであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の洗瓶装置。
- 前記殺菌部には、殺菌に使用された酸性電解水を回収し二次使用に向けて暫時的に貯留すると共にこの貯留中の酸性電解水に対する空気接触及び光接触を制限可能とした回収保存槽が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の洗瓶装置。
- 前記回収保存槽は、殺菌に使用された酸性電解水を回収する回収槽と、この回収槽から直ちに回送される酸性電解水を貯留する保存槽とに分けられており、これら回収槽と保存槽との連通部分には弁操作を制御可能な弁部が設けられていることを特徴とする請求項4記載の洗瓶装置。
- 殺菌に使用された酸性電解水とこの酸性電解水を得る際の電気分解時に得られたアルカリ性電解水、又はそれの予備洗浄への使用後のアルカリ性電解水を混合し、ペーハー調整後廃棄することを可能とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の洗瓶装置。
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