JP3629793B2 - 電気自動車の補機駆動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気自動車の補機駆動装置に関し、特に一般補機を電気自動車の駆動輪用電動機で駆動する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電気自動車では、パワーステアリングポンプ、ブレーキの操作力を倍力するために用いられる負圧ポンプ、エアコンディショナ用コンプレッサ等の補機は専用のモータで駆動されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる従来の電気自動車の補機駆動装置では、夫々の補機に小型の補機専用の電動機が用いられているため、高価なシステムとなる。
さらに、従来の電気自動車では、専用の新設部品を使用しているため、これがコスト高の要因となっている。
【0004】
そこで、駆動輪用の電動機と駆動輪との間にクラッチを設けて、駆動輪用電動機で補機を駆動することが考えられるが、従来のガソリン等で走行する自動車の構成のまま、補機を駆動すると、停車時には駆動輪用電動機が停止するため、補機の作動も停止してしまう。
本発明はこのような従来の課題に鑑みてなされたものであって、補機の駆動源を統合し、コストを低減することが可能であり、さらに車両停止中でも補機を駆動することが可能な電気自動車の補機駆動装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1の発明にかかる装置は、駆動輪へ動力を伝達する電動機を備えた電気自動車において、該電動機の動力が常時伝達される補機と、前記電動機の動力を駆動輪に伝達する動力伝達経路に介装され、該電動機から駆動輪への動力の切り離し及び該動力の伝達力の可変制御が可能な動力断接手段と、前記電気自動車の車両速度を検出する車両速度検出手段と、電気自動車に要求されるトルク指令値を検出するトルク指令値検出手段と、前記電気自動車の走行方向の勾配を検出する勾配検出手段と、検出された車両速度、トルク指令値、及び勾配に応じて平坦路で停止させる車両停止モード、車両を勾配のある路面で停止させるヒルホールドモード、車両を低速で走行させる低速走行モード、車両を通常に走行させる通常走行モードを判定する走行モード判定手段と、を設ける一方、前記走行モード判定手段により判定された走行モードに応じて、前記電動機と前記動力段接手段との制御を切り替えつつ、前記電動機で前記補機を常時駆動するようにした。ここで、前記電気自動車の車両速度を検出する車両速度検出手段と、電気自動車に要求されるトルク指令値を検出するトルク指令値検出手段と、前記電気自動車の走行方向の勾配を検出する勾配検出手段と、により電気自動車の運転状態が検出されるとともに、走行モード判定手段によって、検出された車両速度、トルク指令値、及び勾配に応じて平坦路で停止させる車両停止モード、車両を勾配のある路面で停止させるヒルホールドモード、車両を低速で走行させる低速走行モード、車両を通常に走行させる通常走行モードを判定する(図1参照)。
【0006】
かかる構成によれば、判定された走行モードに応じて、電動機と動力断接手段が制御され、補機が電気自動車の運転状態に関わらず駆動輪の動力源である電動機により常時駆動されるので、補機の駆動源を統合することが可能となり、コストが低減される。
【0007】
請求項2の発明にかかる装置では、前記トルク指令値に従って前記電動機のトルクを制御する電動機トルク制御手段と、前記電動機の回転速度を所定回転速度となるように制御する回転速度制御手段と、前記トルク指令値に従って前記動力断接手段による動力伝達力を制御する第1の動力伝達力制御手段と、車両速度が零となるように動力断接手段による動力伝達力を制御する第2の動力伝達力制御手段と、前記走行モード判定手段により車両停止モードと判定されたときは、電動機の制御及び動力断接手段による動力伝達力の制御を、夫々、回転速度制御手段及び第2の動力伝達力制御手段による切り離し制御に切り替える車両停止時切り替え手段と、前記走行モード判定手段によりヒルホールドモードと判定されたときは、電動機の制御及び動力断接手段による動力伝達力の制御を、夫々、回転速度制御手段及び第2の動力伝達力制御手段による可変制御に切り替えるヒルホールド時切り替え手段と、前記走行モード判定手段により低速走行モードと判定されたときは、電動機の制御及び動力断接手段による動力伝達力の制御を、夫々、回転速度制御手段及び第1の動力伝達力制御手段による制御に切り替える低速走行時切り替え手段と、前記走行モード判定手段により通常走行モードと判定されたときは、電動機の制御及び動力断接手段による動力伝達力の制御を、夫々、電動機トルク制御手段及び第1の動力伝達力制御手段による制御に切り替える通常走行時切り替え手段と、を備えて構成している。
【0008】
かかる構成によれば、走行モード判定手段により車両停止モードと判定されたときは、電動機の制御及び動力断接手段による動力伝達力の制御が、夫々、回転速度制御手段及び第2の動力伝達力制御手段による切り離し制御に切り替えられるので、電動機は所定回転速度で回転し、動力断接手段により電動機の動力が駆動輪から切り離され、車両停止中でも補機は電動機により駆動される。
【0009】
また、ヒルホールドモードと判定されたときは、電動機の回転速度は所定回転速度で回転し、車両速度が零となるように動力断接手段による動力伝達力が可変制御されるので、勾配のある路面で停車しているときでも、車両は停止状態が保たれ、かつ補機が電動機により駆動される。
また、低速走行モードと判定されたときは、電動機は所定回転速度で回転し、動力断接手段の動力伝達力はトルク制御される。従って、車両の発進を含めた低速走行時、車両はトルク指令値に従って走行し、かつ補機が電動機により駆動される。
【0010】
また、通常走行モードと判定されたときは、電動機はトルク指令値に従って駆動され、動力断接手段により電動機の動力が駆動輪に完全に伝達され、補機も電動機により駆動される
このようにして補機は電気自動車のどのような運転状態に関わらず常時電動機で駆動される。
【0011】
請求項の発明にかかる装置では、前記回転速度制御手段によって制御される所定回転速度は、補機の性能が維持される回転速度である。
かかる構成によれば、電動機は補機の性能が維持される回転速度で回転する。
請求項の発明にかかる装置では、図1の破線で示すように、前記走行モード判定手段は、前記車両速度、トルク指令値、及び勾配が検出されなかったときは車両停止モードと判定する車両停止モード判定手段と、前記勾配が検出され、車両速度及び車両を発進させるだけのトルク指令値が検出されなかったときはヒルホールドモードと判定するヒルホールドモード判定手段と、前記車両停止モードで車両を発進させるだけのトルク指令値が検出されたときに所定値未満の車両速度が検出されたとき、又はトルク指令値が検出されないときに車両速度が所定値未満となったときは低速走行モードと判定する低速走行モード判定手段と、所定値以上の車両速度が検出されたときは通常走行モードと判定する通常走行モード判定手段と、を備えて構成されている。
【0012】
かかる構成によれば、走行モード判定手段により各走行モードを判定することが可能となる。
請求項の発明にかかる装置では、前記車両速度の所定値は、前記電動機の所定回転速度に相当する値である。
かかる構成によれば、補機の性能が維持される。
【0013】
請求項の発明にかかる装置では、前記勾配検出手段は、車両の傾斜角度を検出するように構成されたものである。
かかる構成によれば、車両の傾斜角度が直接検出される。
請求項の発明にかかる装置では、シフトポジションを検出するシフトポジション検出手段を備える一方、前記ヒルホールドモード判定手段は、電気自動車の走行方向の勾配を検出する代わりに、前記検出されたシフトポジションに基づいて期待される車両の進行方向とは逆方向の車両速度が検出されたときにヒルホールドモードと判定するように構成されている。
【0014】
かかる構成によれば、傾斜角度を検出するセンサを備えなくても、ヒルホールドモードの判定を行うことが可能となる。
請求項の発明にかかる装置では、前記動力断接手段は、湿式多板クラッチである。
かかる構成によれば、電動機から駆動輪への動力の切り離しが可能となり、かつ動力の伝達力を任意に可変することが可能となる。
【0015】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1、2の発明にかかる装置によれば、補機の駆動源を統合してコストを低減することができるとともに、駆動輪には、運転者の操作に従って電動機の動力を伝達することができるとともに、運転者の操作による電気自動車の運転状態(走行モード)に関わらず、補機を電動機で常時駆動することができる。
【0016】
請求項3の発明にかかる装置によれば、補機の性能を維持することができる。
請求項の発明にかかる装置によれば、車両速度、トルク指令値、及び車両走行方向の勾配に基づいて、夫々、車両停止モード、ヒルホールドモード、通常走行モード、低速走行モードを判定することができる。
【0017】
請求項の発明にかかる装置によれば、補機の性能を維持することができる。
請求項の発明にかかる装置によれば、車両の傾斜角度を直接検出することができる。
請求項の発明にかかる装置によれば、傾斜角度を検出するセンサを備えなくても、ヒルホールドモードの判定を行うことができる。
【0018】
請求項の発明にかかる装置によれば、湿式多板クラッチにより電動機から駆動輪への動力を切り離したり、かつ動力の伝達力を任意に可変したりすることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図2〜図7に基づいて説明する。
本実施の形態を示す図2において、電気自動車の車両1に搭載された電動機2は、インバータ3に制御されて駆動輪4を駆動する電気自動車の駆動源である。
尚、本実施の形態では、電動機2に永久磁石型同期電動機を使用するものとするが、これに限らず、例えば誘導電動機にも適用できる。
【0020】
インバータ3には、スイッチング素子が内蔵されている。このスイッチング素子に交流電圧指令としてPWM(pulse width modulation) のゲートパルス信号が入力される。このゲートパルス信号に基づいて主バッテリ5の直流電力がインバータ3により交流電力に変換され、電動機2に印加される。尚、本実施の形態では、電動機2に供給する交流電流を、例えば対称3相交流とする。
【0021】
この電動機2と駆動輪4との間には、所定減速比で電動機2の回転速度を減速する減速機6とクラッチ7とが介装されている。
クラッチ7は、電動機2の動力の伝達・切り離しを行う動力断接手段である。このクラッチ7には、油圧により締結力を自在に制御することが可能な湿式多板クラッチを用いる。
【0022】
油圧制御装置8は、このクラッチ7の油圧を制御する。
油圧ポンプ9、負圧ポンプ10、オルタネータ11、空調装置用のコンプレッサ12等の補機は、夫々、連結され、電動機2の動力は、ベルト13を介して常時、これらの補機に伝達される。
尚、常時駆動する必要のないコンプレッサ12については、電動機2で駆動してもよいが、他の補機との間に駆動力遮断機構14を設けておき、コンプレッサ12には補助バッテリ15からこの電力を供給するようにしてもよい。
【0023】
油圧ポンプ9は油圧を発生させ、油圧制御装置8は、この油圧ポンプ9からの油圧を制御してクラッチ7の伝達力を可変する。
この電気自動車には、種々のセンサが備えられている。
まず、駆動輪4近傍には、車両速度を検出する車両速度検出手段としての車両速度検出センサ(以後、「車速センサ」と記す)21が備えられている。
【0024】
アクセルペダルには、運転者のアクセルの踏み込み量をアクセル開度として検出するアクセル開度検出センサ(以後、「アクセルセンサ」と記す)22が備えられている。このアクセルセンサ22がトルク指令値検出手段に相当する。尚、このアクセルセンサ22の代わりに、アクセル開度の全閉を検出するアイドルスイッチを用いてもよい。
【0025】
ブレーキペダルには、運転者のブレーキペダルの踏み込み量を検出するブレーキセンサ23が備えられている。
シフトレバーには、シフトポジションを検出するシフトポジション検出手段としてのシフトポジションセンサ24が備えられている。
また、図4に示すように、油圧制御装置8とクラッチ7との間には、クラッチ7に加えられた油圧を検出する油圧センサ25が備えられている。
【0026】
車両1には、車両1の前後方向の傾斜角度を検出する勾配検出手段としての傾斜角センサ26が取り付けられている。尚、この傾斜角センサ26には、加速度センサ方式、光ジャイロ方式、機械式ジャイロ方式、流体傾斜センサ方式等(日産技法第37号49項「路面勾配計測装置の開発」等参考)のものが考えられるが、本実施の形態では、平坦路か否か、あるいは車両1が自然に動き出す勾配か否かの判定ができればよく、傾斜角センサ26の方式を問わない。
【0027】
主バッテリ5には、主バッテリ5の状態を検出する状態検出センサ27と、直流電流を検出する電流センサ28と、が備えられている。
インバータ3と電動機2との間には、交流電流を検出する電流センサ29が備えられている。前述のように本実施の形態では、電動機2に供給する交流電流を対称3相交流としているため、電流センサ29には、電動機2の3相交流電流のうち、2相のみの電流を検出するセンサを用いるものとする。但し、これに限られるものではなく、3相全ての電流を検出するセンサを用いてもよい。
【0028】
電動機2には、磁極位置を検出する磁極位置センサ30が備えられている。
これらのセンサ信号は、制御装置31に入力される。
制御装置31には、電動機2を制御する図3に示すような電動機制御装置32と、クラッチ7の伝達力を制御する図4に示すようなクラッチ伝達力制御装置33と、が備えられ、図示しないが、さらにマイクロコンピュータ、RAM,ROM等が内蔵されている。
【0029】
次に、この電動機制御装置32の構成について説明する。
本実施の形態では、同期電動機の回転子である永久磁石が作り出す磁束と同期して回転する回転座標系において、磁束方向の座標軸をd軸とし、これと直交する方向の座標軸をq軸とするd−q座標系を考える。
3相/2相変換器41は、電動機2の3相交流電流のうち、検出された相電流検出値iu、iwと磁極位置センサ30によって検出された磁極位置信号とに基づいて、前記d−q座標系の成分である直流電流Id、Iqに変換する変換器である。
【0030】
微分演算器42は、磁極位置センサ30からの磁極位置信号の時間変化率を算出するものであり、この時間変化率が電動機2の回転速度Nに相当する。
尚、電動機2に回転速度検出センサを設けて電動機2の回転速度Nを検出し、このセンサの信号を利用してもよい。
加算器43には、補機を電動機2で駆動する際、各補機の性能を維持するために最低限必要なアイドル回転速度指令値N0*と、微分演算器42から電動機2の回転速度Nと、が入力される。加算器43は、このアイドル回転速度指令値N0*と電動機2の回転速度Nとの偏差を作成する。
【0031】
尚、アイドル回転速度指令値N0*は、予め設定された一定値としてもよいし、補機の状態に応じて可変する値であってもよい。
比例・積分(PI)調節器44は、加算器43から出力された偏差を零になるように調節動作する。このようにして回転速度制御用のトルク値T2*が比例・積分調節器44から出力される。
【0032】
この加算器43と比例・積分調節器44とが、検出された電動機回転速度Nをアイドル回転速度指令値N0*に追従させるように動作する回転速度制御系を構成している。
スイッチ45は、運転者からのトルク指令値T1*が駆動輪4に伝達されるトルク制御系と前記回転速度制御系との切り替えスイッチである。
【0033】
スイッチ45がS側に接続されているときは、運転者の操作や車両1の状態に応じて求められたトルク指令値T1*が選択され、S側に接続されているときは、回転速度制御系の出力値T2*が選択される。このスイッチ45の切り替えは、後述する手順で判断される車両走行モードに応じて行われる。
q軸電流指令値演算器46は、スイッチ45を介して入力したトルク指令値T1*又はT2*にトルク係数の逆数KT−1を乗算してq軸電流指令値Iqを作成するものである。
【0034】
加算器47は、q軸電流指令値演算器46から入力されたq軸電流指令値Iqと、3相/2相変換器41から入力された直流電流Iqと、の偏差を算出する。
比例・積分調節器48は、加算器47から出力された偏差が零になるように調節動作する。このようにして比例・積分調節器48からq軸電圧指令値が出力される。
ここに加算器47と比例・積分調節器48とが、電流検出値を電流指令値に追従させるように動作する電流制御系を構成している。
【0035】
2相/3相変換器49は、比例・積分調節器48から出力されたq軸電圧指令値を、図示しないd軸電圧指令値と共に磁極位置信号θを用いて3相交流電圧指令に変換する。
PWM演算器50は、2相/3相変換器49から出力された3相交流電圧指令に基づいてゲートパルス信号を作成し、インバータ3内のスイッチング素子に出力する。
【0036】
尚、スイッチ45がS側に接続されたときの電動機制御装置32が電動機トルク制御手段に相当し、スイッチ45がS側に接続されたときの電動機制御装置32が回転速度制御手段に相当する。
次に、クラッチ伝達力制御装置33の構成について説明する。
加算器51には、車両速度指令値Vと、車速センサ21によって検出された車両速度Vと、が入力される。加算器51は、この入力された車両速度指令値Vと車両速度Vとの偏差を算出する。
【0037】
比例・積分調節器52は、加算器51から出力された偏差が零になるように調節動作する。このようにして比例・積分調節器52からトルク指令値T3*が出力される。ここで加算器51と比例・積分調節器52とが、検出された車両速度Vを車両速度指令値Vに追従させるように動作する車両速度制御系を構成している。
スイッチ53は、運転者からのトルク指令値T1*が駆動輪4に伝達されるトルク制御系と前記車両速度制御系とを切り替える切り替えスイッチである。
【0038】
スイッチ53がS側に接続されているときは、運転者のトルク指令値T1*が入力され、S側に接続されているときは、車両速度指令値に基づくトルク指令値T3*が入力される。このスイッチ53の切り替えは、後述する手順で判断される車両走行モードに応じて行われる。
尚、本実施の形態では、トルク指令比較器54が設けられ、車両速度制御系からのトルク指令値T3*と運転者からのトルク指令値T1*との大小の比較判定が可能な構成となっている。
【0039】
油圧指令作成器は、選択されたトルク指令値に油圧係数Kの逆数を乗算し、トルク指令値を油圧指令値に変換する。
加算器56は、油圧センサ25から入力した油圧とトルク指令値との偏差を算出し、比例・積分調節器57は、加算器56により作成された偏差が零になるように調節動作する。ここで加算器56と比例・積分調節器57とが、油圧センサ25により検出された油圧検出値を油圧指令値に追従させるように動作する油圧制御系を構成している。
【0040】
尚、スイッチ53がS側に接続されたときのクラッチ伝達力制御装置33が第1の動力伝達力制御手段に相当し、スイッチ53がS側に接続されたときのクラッチ伝達力制御装置33が第2の動力伝達力制御手段に相当する。
次に図5のフローチャートに基づいて動作を説明する。
まず、電気自動車の車両走行モードを判定する。
【0041】
本実施の形態では、車両走行モードを以下の4つに分類する。
まず、第1のモードは勾配のない平坦路に車両1が停止している車両停止モードであり、このモードでは、駆動輪4に駆動力を与えなければ車両1は動かない。
第2のモードは、勾配のある坂道等で車両1が停止しているヒルホールドモードであり、このモードでは、停止しているときには、駆動輪4に駆動力や制動力を与えなくとも自然に車両1が動き始めてしまい、また、いわゆる坂道発進時、制動力を解除してから駆動輪4に駆動力がかかるまでに時間的間隔が開いたときには、車両1が降坂してしまうおそれがある。したがって、このモードでは、停止した状態を保つことが運転性向上の面から望まれる。
【0042】
第3のモードは、クラッチ7を完全に締結して車両1が所定速度以上で走行している通常走行モードである。
ここで、所定速度とは、電動機2の回転速度と車両速度とが比例関係にあり、補機の機能を維持できる程度の最低回転速度に電動機2のアイドル回転速度を設定したときの車両速度である。このアイドル回転速度は、次式(1)によって算出される。
【0043】
=(N0*/60)×(2×π×r)/g ・・・・・・・・(1)
但し、V:電動機2がアイドル回転速度のときの車両速度(m/s)
0*:電動機2のアイドル回転速度(rpm)
r :タイヤ有効半径(m)
g :ギヤ比
第4のモードは発進を含めて車両速度が前記所定速度より低い速度域においてクラッチ7のトルク伝達力を制御する発進モードである。
【0044】
これらの車両走行モードの判定は、図5のフローチャートに基づいて行われる。
尚、このプログラムは、制御装置31内のマイクロコンピュータに記憶され、一定周期毎のタイマ割り込みによって実行される。
ステップ(図中では「S」と記してあり、以下同様とする)1では、アクセル開度検出手段4からアクセル開度信号を入力し、アクセルが踏まれているか否かを比較する。
【0045】
アクセルが全く踏み込まれていないとき、即ち、アクセル開度が0%の全閉時には、ステップ2に進む。
尚、前述のようにアクセル開度の全閉を検出するアイドルスイッチが設けられているときには、アクセル開度検出センサ22の代わりに、このアイドルスイッチで本判定を行ってもよい。このときは、アイドルスイッチの信号がオフのときに、アクセルが全く踏み込まれていないと判定する。
【0046】
ステップ2では、車速センサ21からの車両速度信号Vを入力し、車両速度が車両速度V以上か否かを判断する。
入力された車両速度信号Vが式(1)で算出された車両速度V以上のときは、「通常走行モード」とするステップ10に進み、車両速度Vが車両速度V未満のときは、ステップ3に進む。
【0047】
ステップ3では、車両1が停止しているか否かを車両速度により判定する。即ち、車両速度Vと零とを比較し、車両速度Vが零でないときは車両1は停止していないと判定して「発進モード」とするステップ11に進み、車両速度Vが零以下であるときは車両1が停止していると判定し、ステップ4に進む。
ここで、車両速度の正負を、シフトポジシヨンと車両1の進行方向とに基づいて設定する。即ち、シフトポジションがDレンジであり、車両1が前進のとき、あるいはRレンジで車両1が後進のときは、車両速度を正とする。また、シフトポジションがDレンジであり、車両1が後進のとき、あるいはRレンジで車両1が前進のときを車両速度は負とする。このように、シフトポジシヨンによって定められた方向に車両1が進行しているときを車両速度を正とする。
【0048】
ステップ4では、傾斜角センサ26からの傾斜信号を入力し、傾斜信号に基づいて勾配のある路面か否かを判定する。
停止している路面に勾配がないと判定されたときは、「車両停止モード」とするステップ8に進み、勾配があると判定されたときは、「ヒルホールドモード」とするステップ9に進む。
【0049】
次に、ステップ1において、いくらかでもアクセルが踏まれていると判定されたとき、即ち、アクセル開度が0%ではないときには、ステップ5に進み、現在のモードがヒルホールドモードであるか否かを判定する。
以前にステップ9が実行されて車両走行モードが「ヒルホールドモード」となっているときは、ステップ7へ進む。
【0050】
このステップ5における判定により、例えば平坦路で停止からの発進なのか、あるいは勾配のある路面でヒルホールド状態からの発進なのかを判定する可能となる。
ステップ7では、運転者により与えられたトルク指令値T1*と、「ヒルホールドモード」で電動機2が車両速度制御系より与えられているトルク指令値T3*と、を比較する。
【0051】
「ヒルホールドモード」中にアクセルが踏まれても、運転者により与えられたトルク指令値T1*が、車両1を勾配中で車両速度を零に保つ為に必要なトルク指令値T3*未満のときは、ヒルホールドモードとするステップ9に進み、そのまま「ヒルホールドモード」を保つようにする。
これにより「ヒルホールドモード」での坂道発進の際、運転者の操作等により与えられたトルク指令値T1*が発進に必要なトルクT3*より小さいときは、「ヒルホールドモード」を解除して車両が降坂することが防止される。
【0052】
また、トルク指令値T1*がトルク指令値T3*以上のときは、ステップ6に進む。
ステップ6では、ステップ2と同様、車両速度Vを車両速度Vと比較する。
車両速度Vが車両速度V以上のときは「通常走行モード」とするステップ10に進み、車両速度V未満のときは「発進モード」とするステップ11に進む。
【0053】
このようにして、各車両走行モードの判定がなされる。
次に、判定された各車両走行モード別にスイッチ45,53を切り替えて電動機2及びクラッチ7の制御を行う。
まず、ステップ8において、車両停止モードと判定されたときは、ステップ12に進み、電動機2については、回転速度指令値をアイドル回転速度N0*として回転速度制御を行い、クラッチ7を切り離し状態に制御する。
【0054】
即ち、図3に示す電動機制御装置32では、スイッチ45をS側に接続し、回転速度指令値としてアイドル回転速度N0*を加算器43に入力する。
加算器43では、このアイドル回転速度N0*と、微分演算器42により求められた電動機2の回転速度Nと、の偏差が作成され、比例・積分調節器44により、加算器43によって作成された偏差を零にするトルク値T2*が回転速度制御系から出力される。
【0055】
出力されたトルク指令値T2*はスイッチ45を介して電流制御系に入力され、q軸電流指令値演算器46により、トルク係数の逆数KT−1が乗算されてq軸電流指令値lqが作成される。
このq軸電流指令値lqと、3相/2相変換器41からのq軸電流検出値lqとの偏差が加算器47により作成され、比例・積分調節器48では、この偏差を零にするためのq軸電圧指令値Vqが生成され、2相/3相変換器49に出力される。
【0056】
一方、2相/3相変換器49には、d軸電圧指令値Vdも入力され、磁極位置信号θを用い、q軸電圧指令値Vq、d軸電圧指令値Vdは、交流成分に変換され、3相交流電圧指令に変換される。PWM演算器50では、この3相交流電圧指令に基づいてゲートパルス信号が生成され、インバータ3内のスイッチング素子に出力される。インバータ3では、このゲートパルス信号に基づいて主バッテリ5からの直流電圧が電圧指令と一致するように交流電圧に変換され、この交流電圧が電動機2に印加され、電動機2は、その回転速度Nがアイドル回転速度N0*に追従するように回転する。これにより、電動機2はアイドル回転速度N0*で回転し、補機が電動機2により駆動される。
【0057】
また、図4のクラッチ伝達力制御装置33では、スイッチ53をS側に接続し、クラッチ制御を運転者によるトルク指令値制御とし、トルク指令値として零を与える。
トルク指令値零が与えられたとき、このトルク指令値零は加算器51に入力され、油圧センサ25からの油圧検出信号と油圧指令値との偏差が作成される。比例・積分調節器52では、この偏差が零になるように調節動作されるが、トルク指令値が零なので、クラッチ7が切り離される。
【0058】
これにより、電動機2を回転させても駆動輪4にはトルクが伝達されず、また電動機2は回転速度制御系により制御されているので補機駆動に必要なトルクが変化した場合でも、電動機2の回転速度制御系内で適当なトルク指令値T2*が作成され、安定した回転速度を得ることができる。
尚、トルク指令値として、車両走行モードを「車両停止モード」と判断した結果により零を与えてもよく、あるいはこの「車両停止モード」ではアクセル開度が0%であるので、アクセル開度等、運転者の要求するトルク指令値を直接入力しても良い。
【0059】
次に、ステップ9において、「ヒルホールドモード」と判定されたときは、ステップ13に進み、電動機2については、指令値をアイドル回転速度N0*とする回転速度制御を行い、クラッチ7については、車両速度を零に保つように所定駆動力を駆動輪4に伝達するように制御する。
即ち、図3の電動機制御装置32では、スイッチ45をS側に接続し、回転速度制御系を構成し、加算器43に回転速度指令値としてアイドル回転速度N0*を入力する。 これにより、電動機2は、その回転速度Nがアイドル回転速度N0*となるように制御され、補機は電動機2により駆動される。
【0060】
このように、電動機2を、トルク制御系により制御するのではなく、回転速度制御系により制御するので、勾配で停止するのに必要なトルクの演算が不要となり、勾配に停止するのに必要なトルクや補機駆動に必要なトルクが変化したときでも、安定した電動機2の回転速度が得られる。
【0061】
図4のクラッチ伝達力制御装置33では、スイッチ53をS側に接続し、車両速度制御系を構成し、加算器51に車両速度指令値Vとして零を入力する。
これにより、車両速度制御系内では、車両速度を零に保つだけの適当なトルク指令値T3*が演算される。この演算されたトルク指令値T3*は、スイッチ53を介して油圧指令作成器55に入力され、「車両停止モード」時と同様に演算され、クラッチ7の伝達力が、与えられたトルク指令値に応じて制御される。
【0062】
このように、車両速度を零に保つだけの適当なトルクが駆動輪4に伝達されるので、補機を駆動していても、車両1は勾配のある坂道等で降坂することなく停止が保たれる。
次に、ステップ10において、「通常走行モード」と判定されたときは、ステップ14に進み、電動機2は運転者のアクセル操作等から決定されるトルク指令値T1*によるトルク制御を行い、クラッチ7が完全に締結された状態となるように制御される。
【0063】
即ち、「通常走行モード」と判定されたとき、図3の電動機制御装置32では、スイッチ45がS側に接続されてトルク制御系が構成される。そして、トルク指令値として運転者により決定されるトルク指令値T1*が入力される。したがって、電動機2は、このトルク指令値T1*に従ってトルク制御され、補機も電動機2によって駆動される。
【0064】
また、図4のクラッチ伝達力制御装置33では、スイッチ53がS側に接続され、クラッチ7の制御をトルク指令値制御とし、トルク指令値として伝達可能な伝達力の最大値以上が与えられ、常に締結した状態となるように制御され、電動機2の動力は完全に駆動輪4に伝達される。
次に、ステップ11において、「発進モード」と判定されたときは、ステップ15に進み、電動機2については、スイッチ45をS側に接続して回転速度制御系を構成する。これにより、加算器43に回転速度指令値としてアイドル回転速度N0*が入力され、電動機2の回転速度がアイドル回転速度N0*となるように回転速度制御が行われる。したがって、電動機2は安定したアイドル回転速度N0*で回転し、補機は、電動機2により駆動される。
【0065】
また、クラッチ7については、スイッチ53をS側に接続してトルク制御系を構成する。これにより、加算器56に運転者の操作等によって決定されるトルク指令値T1*が入力される。そして、運転者のアクセル操作等から決定されるトルク指令値T1*によるトルク制御が行われる。
また、駆動輪4には、運転者の所望するトルクが伝達される一方、電動機2は回転速度制御が行われているので、電動機2に対してはアイドル回転速度を保つだけの適当なトルク指令値T2*が制御系内で作成され、安定した電動機2の回転速度が得られる。
【0066】
尚、このルーチンにおいて、ステップ8が車両停止モード判定手段、ステップ9がヒルホールドモード判定手段、ステップ10が通常走行モード判定手段、ステップ11が低速走行モード判定手段、ステップ12が車両停止時切り替え手段、ステップ13がヒルホールド時切り替え手段、ステップ14が通常走行時切り替え手段、ステップ15が低速走行時切り替え手段に相当する。
【0067】
かかる構成によれば、各車両走行モードに応じて電動機2とクラッチ7とを制御するようにしたので、駆動輪4については、トルク指令値に従って電動機2により駆動され、補機については、車両停止中等、車両1のどのような運転状態にも関わらず駆動輪4の動力源である電動機2により常時駆動される。したがって、補機の駆動源が統合されてコストを低減させることができる。
【0068】
また、電動機2の制御をトルク制御又は回転速度制御への切り替えを可能とし、クラッチ7の伝達力制御系をトルク制御又は車両速度制御への切り替えを可能とし、これらの制御が車両走行モードに応じて適宜切り替えられるので、各車両走行モードにおいて補機の出力を保ちつつ、運転性を向上させることができる。尚、上記実施の形態で用いた比例・積分調節器44,48,52,57の代わりに、微分動作も含めたPID調節器、比例動作のみのP調節器を用いてもよい。
【0069】
次に、第2の実施の形態について説明する。
このものは、「ヒルホールドモード」への移行判断を傾斜角センサ26を用いずに、車両速度に基づいて行うようにしたものである。
第2の実施の形態の動作を図6のフローチャートに基づいて説明する。このルーチンは、制御装置31内のマイクロコンピュータにプログラミングされ、一定周期毎のタイマ割り込みによって実行される。
【0070】
ステップ21では、シフトポジション検出手段6からのシフトポジション信号を入力する。
ステップ22では、車速センサ21からの車両速度信号を入力する。
ステップ23では、シフトポジションと車両1の進行方向との関係を比較する。
即ち、入力された車速から車両1の進行方向が判定され、Dレンジ等の前進を期待するシフトポジションで車両1が後進しているとき、あるいはRレンジの後進を期待するシフトポジションで車両1が前進しているときのように、運転者の期待する進行方向とは逆方向に車両1が進行しているときには「ヒルホールドモード」に移行すると判断し、ステップ24に進む。
【0071】
また、運転者の期待する進行方向とは同方向に車両1が進行している場合には「ヒルホールドモード」に移行する必要無しと判断し、このルーチンを終了させて本判断フローを割り込みで実行する以前に実行していたプログラムへの復帰が行われる。
但し、ステップ23では、車両速度Vは車両1の前進方向を正としている。
【0072】
「ヒルホールドモード」における制御内容は第1の実施の形態と同様である。
次に、図7のフローチャートに基づいて「ヒルホールドモード」の解除の判定動作について説明する。尚、このルーチンは、運転者によりアクセルが踏まれたことを検出したときに起動されるが、運転者によるアクセルの踏み込みを、アクセルセンサ22からの信号を入力しアクセル開度が0%ではないことにより判断してもよいし、前述のアイドルスイッチを設け、このアイドルスイッチで判定を行っても良い。即ち、アイドルスイッチの信号を入力し、アイドルスイッチがオンのときは起動せず、アイドルスイッチがオフのときに起動するようにしても良い。
【0073】
ステップ31では、運転者からのトルク指令値T1*と、クラッチ伝達力制御装置33の車両速度制御系内で作成されたトルク指令値T3*と、を比較する。
トルク指令値T1*がトルク指令値T3*以上のときは、「発進モード」とするステップ32に進み、トルク指令値T3*未満のときは、そのまま「ヒルホールドモード」を保つようにする。
【0074】
これにより「ヒルホールドモード」での坂道発進の際、運転者の操作等により与えられたトルク指令値が発進に必要なトルクより小さい場合「ヒルホールドモード」を解除しないので、車両1が降坂するのを防止することが可能となる。
かかる第2の実施の形態の構成によれば、傾斜角センサ26を用いなくてもヒルホールドモードの判定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示すクレーム対応図。
【図2】本発明の第1の実施の形態の車両の構成図。
【図3】図2の制御装置内の電動機制御装置の構成を示すブロック図。
【図4】図2の制御装置内のクラッチ伝達力制御装置の構成を示すブロック図。
【図5】図2の車両走行状態を判定するためのフローチャート。
【図6】本発明の第2の実施の形態の動作を示すフローチャート。
【図7】同上フローチャート。
【符号の説明】
1 車両
2 電動機
4 駆動輪
7 クラッチ
9 油圧ポンプ
10 負圧ポンプ
11 オルタネータ
12 コンプレッサ
13 ベルト
21 車速センサ(車両速度検出センサ)
22 アクセルセンサ(アクセル開度検出センサ)
23 ブレーキセンサ
26 傾斜角センサ
31 制御装置

Claims (8)

  1. 駆動輪へ動力を伝達する電動機を備えた電気自動車において、
    該電動機の動力が常時伝達される補機と、
    前記電動機の動力を駆動輪に伝達する動力伝達経路に介装され、該電動機から駆動輪への動力の切り離し及び該動力の伝達力の可変制御が可能な動力断接手段と、
    前記電気自動車の車両速度を検出する車両速度検出手段と、
    電気自動車に要求されるトルク指令値を検出するトルク指令値検出手段と、
    前記電気自動車の走行方向の勾配を検出する勾配検出手段と、
    検出された車両速度、トルク指令値、及び勾配に応じて平坦路で停止させる車両停止モード、車両を勾配のある路面で停止させるヒルホールドモード、車両を低速で走行させる低速走行モード、車両を通常に走行させる通常走行モードを判定する走行モード判定手段と、を設ける一方、
    前記走行モード判定手段により判定された走行モードに応じて、前記電動機と前記動力段接手段との制御を切り替えつつ、前記電動機で前記補機を常時駆動するようにしたことを特徴とする電気自動車の補機駆動装置。
  2. 前記トルク指令値に従って前記電動機のトルクを制御する電動機トルク制御手段と
    前記電動機の回転速度を所定回転速度となるように制御する回転速度制御手段と、
    前記トルク指令値に従って前記動力断接手段による動力伝達力を制御する第1の動力伝達力制御手段と
    車両速度が零となるように動力断接手段による動力伝達力を制御する第2の動力伝達力制御手段と、
    前記走行モード判定手段により車両停止モードと判定されたときは、電動機の制御及び動力断接手段による動力伝達力の制御を、夫々、回転速度制御手段及び第2の動力伝達力制御手段による切り離し制御に切り替える車両停止時切り替え手段と、
    前記走行モード判定手段によりヒルホールドモードと判定されたときは、電動機の制御及び動力断接手段による動力伝達力の制御を、夫々、回転速度制御手段及び第2の動力伝達力制御手段による可変制御に切り替えるヒルホールド時切り替え手段と
    前記走行モード判定手段により低速走行モードと判定されたときは、電動機の制御及び動力断接手段による動力伝達力の制御を、夫々、回転速度制御手段及び第1の動力伝達力制御手段による制御に切り替える低速走行時切り替え手段と、
    前記走行モード判定手段により通常走行モードと判定されたときは、電動機の制御及び動力断接手段による動力伝達力の制御を、夫々、電動機トルク制御手段及び第1の動力伝達力制御手段による制御に切り替える通常走行時切り替え手段と、
    備えて構成されたことを特徴とする請求項1に記載の電気自動車の補機駆動装置。
  3. 前記回転速度制御手段によって制御される所定の回転速度は、補機の性能が維持される回転速度であることを特徴とする請求項に記載の電気自動車の補機駆動装置。
  4. 前記走行モード判定手段は、
    前記車両速度、トルク指令値、及び勾配が検出されなかったときは車両停止モードと判定する車両停止モード判定手段と、
    前記勾配が検出され、車両速度及び車両を発進させるだけのトルク指令値が検出されなかったときはヒルホールドモードと判定するヒルホールドモード判定手段と、
    前記車両停止モードで車両を発進させるだけのトルク指令値が検出されたときに所定値未満の車両速度が検出されたとき、又はトルク指令値が検出されないときに車両速度が所定値未満となったときは低速走行モードと判定する低速走行モード判定手段と、
    所定値以上の車両速度が検出されたときは通常走行モードと判定する通常走行モード判定手段と、
    を備えて構成されたことを特徴とする請求項又は請求項に記載の電気自動車の補機駆動装置。
  5. 前記車両速度の所定値は、前記電動機の所定回転速度に相当する値であることを特徴とする請求項に記載の電気自動車の補機駆動装置。
  6. 前記勾配検出手段は、車両の傾斜角度を検出するように構成されたものであることを特徴とする請求項〜請求項のいずれか1つに記載の電気自動車の補機駆動装置。
  7. シフトポジションを検出するシフトポジション検出手段を備える一方、
    前記ヒルホールドモード判定手段は、電気自動車の走行方向の勾配を検出する代わりに、前記検出されたシフトポジションに基づいて期待される車両の進行方向とは逆方向の車両速度が検出されたときにヒルホールドモードと判定するように構成されたものであることを特徴とする請求項4〜請求項6のいずれか1つに記載の電気自動車の補機駆動装置。
  8. 前記動力断接手段は、湿式多板クラッチであることを特徴とする請求項1〜請求項のいずれか1つに記載の電気自動車の補機駆動装置。
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