JP3629379B2 - プラスチックレンズ製造用ガスケット、及びこれを用いたプラスチックレンズの製造方法 - Google Patents

プラスチックレンズ製造用ガスケット、及びこれを用いたプラスチックレンズの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラスチックレンズ製造用ガスケット、及びこれを用いたプラスチックレンズの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プラスチックレンズは、ガスケットを介して隔て合わされた2個のモールド間に原料である液状モノマーを注入し、硬化温度まで温度を上昇させて硬化させた後、ガスケットをひき剥がし、モールドから成形されたプラスチックレンズを取りはずす方法によって製造されてきた。その際、かかるガスケットの材料としては、高圧ラジカル重合法による低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、軟質塩化ビニル樹脂、エチレン−プロピレン共重合体、マルチサイト触媒による直鎖状エチレン−α−オレフィン共重合体、メタロセン触媒による直鎖状エチレン−α−オレフィン共重合体等が使用されてきた。
【0003】
しかし、プラスチックレンズ製造用ガスケットには、一般に、以下の性能が要求される。
(イ)柔軟性
モノマーの重合収縮に追随し応力を吸収する。剛性が高いと、重合収縮に追随せず、重合途中にレンズとモールドが剥がれてレンズ表面が平滑でなくなる。
(ロ)耐熱性
モノマーを加熱重合する場合は、耐熱性が必要である。例えば、CR−39と呼ばれるジエチレングリコールビス−アリルカーボネイトの場合は、一般的に85〜95℃、ウレタン系モノマーの場合は、一般的に90〜100℃の耐熱性が必要である。耐熱性が低いと、重合途中にガスケットが変形し、ひいては所望のレンズ形状が成型できなくなる。またガスケットがレンズを溶着し除去が困難となる。
(ハ)耐溶剤性
モノマーやレンズに対して相溶性がない。耐溶剤性が低いと、レンズの白濁が起こるか、又はレンズとガスケットの密着が強くなり、ガスケットの除去作業が困難となる。
(二)成形性
極端にメルトインデックスが低いと、ガスケットの成形作業が困難となり、成型不良となりやすい。
(ホ)洗浄性
ガスケットは、レンズの外周部を形成するため、綺麗にする必要がある。その場合、代表的な洗浄法としては、次のa)〜d)の方法がある。
a)静電防止エアー法
ガスケットの表面に静電防止エアーを吹きつけてガスケット表面の付着物を取り除く、最も簡便な方法である。
b)塩素系溶剤(含むフロン系)による洗浄法
洗浄性はよく作業も容易であるが、環境問題による本法の継続は難しい。
c)炭化水素系溶剤による洗浄法
洗浄性は塩素系にやや劣るものの、時間をかければ可能である。乾燥で加熱が必要であり、このためガスケットが変形する欠点がある。
d)水系洗浄剤による洗浄法
上記c)の炭化水素系溶剤による洗浄法と同様な欠点がある。
【0004】
そこで、従来よりガスケット用材料として使用されてきた前記の各種プラスチックについて、上記したガスケットとしての要求性能、又はガスケット製造工程における要求条件に照らして、以下に検討してみると、全てのプラスチックに若干の問題点があった。
すなわち、高圧ラジカル重合法による低密度ポリエチレンは、柔軟性がやや不十分であり、上記(イ)及び(ロ)の条件を満足しなく不十分である。
エチレン−酢酸ビニル共重合体は、柔軟性はあるものの融点が90℃以下であり、分子内に強い極性基を有するので上記(ロ)及び(ハ)の条件を満足しなく不十分である。
エチレン−エチルアクリレート共重合体は、柔軟性をもたすためにエチルアクリレート含有量を20%近くまで上げなくてはならないが、融点が下がり(約92〜93℃)耐熱性が悪くなり耐溶剤性も悪いので重合が比較的低温で溶解力の小さいモノマー(例えばCR−39等)のみが適用可能であり、重合温度の高いモノマーと溶解力のあるモノマーでは使用が困難である。
軟質塩化ビニール樹脂は、可塑剤を含んでいるので、レンズの染色むらが生じやすい欠点がある。
エチレン−プロピレン共重合体は、融点が90℃以下であり、耐熱性が不十分であり、単独使用は極めて困難である。
マルチサイト触媒による直鎖状エチレン−α−オレフィン共重合体は、融点が115〜120℃と高く、耐熱性は十分であるが、柔軟性がやや不足する。柔軟性をもたせようとすると、α−オレフィンの共重合比を上げなければならず、低分子量成分が多くなり、その結果、低分子量成分が表面にブリードし、べとついた状態となるため、塵等も付着し易く除去し難しくなる。そのため、レンズの不良防止のためには溶剤による洗浄が不可欠となり、環境及び作業上(乾燥が必要であり、時間がかかる)好ましくない。
メタロセン触媒による直鎖状エチレン−α−オレフィン共重合体は、低分子量物は少ないものの柔軟性がやや不足し不十分である。
【0005】
これらの欠点を改良するため、これまで種々の試みがなされ、例えば、ポリイソブチレンとポリエチレンの混合体(特公昭43−25830)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリオレフィン及びエチレン−プロピレン共重合体の混合物(特開昭54−3873)、エチレン−プロピレン共重合体との混合物(USP3,821,333)、アイオノマー樹脂又はそれを主成分とする樹脂(特開昭58−194519)、特定の重合度を有するポリエチレン(特開昭61−125814)、シリコーン含有エラストマー(特開平2−128810)、エチレン−α−オレフィン共重合体ゴムと特定複数のエチレン−α−オレフィン共重合体との混合物((特開平2−185586)、ポリオレフィン樹脂とオレフィン系共重合体ゴムとを含む熱可塑性エラストマーと特定の融点をもつオレフィン重合体との混合物(特開平2−196639)、特定の曲げ弾性率とビカット軟化点を有するエチレン共重合体(特開平5−8230)、特定物性のエチレン−α−オレフィン共重合体(特開平8−176206)、メタロセン触媒を用いて重合されたエチレン−α−オレフィン共重合体とメタロセン触媒以外の触媒を用いて重合されたエチレン−α−オレフィン共重合体の混合体(特開平8−302336)等が提案されてきたが、いずれも充分に満足のいくものではなかった。
このように、プラスチックレンズ製造用ガスケットの材料は、基本的には高圧法ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体等が価格、性質等からみて適した素材であり、多量に使用されているが、これらの素材でつくったガスケットでプラスチックレンズをつくると、レンズの光学的特性が悪くなったりする弊害が発現する場合が多く、その解決が求められていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来の問題点を解消するため、良好な光学的特性を有するプラスチックレンズを製造することができるガスケットを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記した課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、各種エチレン系共重合体を材料としてガスケットを製造し、これを用いてプラスチックレンズを製造したところ、各種エチレン系共重合体成分中の低分子量物がプラスチックレンズ製造中にプラスチックレンズへ移行し、これがプラスチックレンズの特性を悪化させる原因であることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて完成に至ったものである。
すなわち、本発明によれば、環状ガスケットを介して隔て合わされた2個のモールド間に、液体モノマーあるいはそのプレポリマーを注入し、硬化してプラスチックレンズを製造する装置において、加熱した窒素ガス流と接触させることによってエチレン系共重合体中に残存する炭素数16以下の炭化水素化合物の量が1.7ppm以下にされた、エチレン−エチルアクリレート共重合体又はエチレン−α−オレフィン共重合体から選ばれるエチレン系共重合体を使用することを特徴とするプラスチックレンズ製造用ガスケットが提供される。
【0008】
また、本発明によれば、上記のガスケットを介して隔て合わされた2個のモールド間に、液状モノマーあるいはそのプレポリマーを注入し、硬化することからなるプラスチックレンズの製造方法が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明において使用するエチレン系共重合体とは、エチレンと共重合可能なモノマーとの共重合体である。
共重合可能なモノマーとしては、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン−1、デセン−1、ドデセン−1、エチルアクリレート等が挙げられる。
エチレン系共重合体の例としては、マルチサイト触媒で重合したエチレン−α−オレフィン共重合体、シングルサイト触媒で重合したエチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体等である。
これらのエチレン系共重合体は、その中に残存する炭素数16以下の炭化水素化合物の量が1.7ppm以下である。
1.7ppmを超えると、かかるエチレン系共重合体でつくったガスケットでプラスチックレンズを製造した場合に、プラスチックレンズの光学的特性が悪くなり望ましくない。
エチレン系共重合体中に残存する炭素数16以下の炭化水素化合物の量を1.7ppm以下にする方法としては、エチレン系共重合体の重合条件を選択して低分子量物の生成がなるべく少なくなるようにする方法や、或いはつくられたエチレン系共重合体を加圧下又は減圧下で加熱した窒素ガスや空気と接触させる方法等があり、いずれの方法であってもよい。
【0010】
本発明においては、使用されるガスケットの成形方法は特に重要でなく、公知の成形方法ならばいずれの方法でも適用できるが、生産性、ガスケットの精度等の面から射出成形方法が望ましい。
ガスケットの形態や用法は、特殊なものではなく、一般に使用されているものならば何でもよいが、その代表的なものは、第1図の斜視図で示した。
図を用いてその用法を説明すると、第2図の断面図に示す如くガスケット1を介して2個のモールドと2と3の間に液状モノマー4を注入し、クランプ5でモールドを保持し硬化を行えば良い。
しかし、図示されたガスケットは、あくまでも例示であってこれに限定されるものでないのは勿論である。
本発明において、使用されるモールドの材料としては、ガラスが最も適しているが、これに限定されるものではなく、プラスチック、金属、セラミック等も使用可能である。
又、該モールドの形態は、通常円盤形状であり、キャビティ内で液状モノマーに接する面は、レンズに必要な曲面が形成されている。
本発明の方法により制作されたレンズは、メガネ、カメラ、顕微鏡、映写機、OHP等において使用される。
本発明のガスケットの材料には、通常プラスチックに添加される酸化防止剤、紫外線防止剤、離型剤、増量剤、帯電防止剤、染料等を添加しても良い。
本発明においては、エチレン共重合体に加えてガスケット用プラスチックとして使用する他のプラスチック、例えば、熱可塑性エラストマー、シリコーンゴム、ポリイソブチレン等を添加してもよい。
【0011】
本発明において使用する液状モノマーとしては、ジエチレングリコールビス−アリルカーボネート、メチルメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシエトキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、スチレン、クロルスチレン、α−メチルスチレン、フェニルメタクリレート、ブロムフェニルメタクリレート、メトキシフェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、トリブロムベンジルメタクリレート、1−ビニルナフタレン、α−ナフチルメタクリレート、ケイ皮酸アリル、ビスフェノールA−ジメタクリレート、2,3,5,6−テトラクロルビスフェノールA−ジメタクリレート、O−ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、ジエチレングリコールメタクリレート、グリシジルメタクレレート等が挙げられる。
また、これらの液状モノマーは、部分的に重合して液状プレポリマーとしても使用できる。
【0012】
これらの液状モノマーには、通常、過酸化物などの重合開始剤が添加される。しかし、別の方法として、重合開始剤を添加せずに、光あるいは放射線等で硬化することも可能である。
重合開始剤としては、ジセカンダリーブチルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−ターシャリーブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−3−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシカーボネート、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、アゾビスイソブチルニトリル、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、クミルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシピパレート等が挙げられる。
また、ウレタン系プラスチックレンズをつくる場合には、原料としてイソシアネート化合物、ポリイソシアネート化合物、イソチオシアネート化合物、ポリチオシアネート化合物等とヒドロキシ化合物、メルカプト化合物、メルカプト基を有するヒドロキシ化合物等からそれぞれ選択された化合物を使用する。
触媒としては、通常、ルイス酸、三級アミン等を使用する。
【0013】
【実施例】
以下に、本発明について実施例及び比較例を挙げてさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例に特に限定されるものではない。
【0014】
実施例1
高圧ラジカル重合法で製造されたメルトインデックス20g/10分、エチルアクリレート含有量20重量%のエチレン−エチルアクリレート共重合体ペレット(直径3mm、長さ3mm)を80℃の窒素ガス流で10時間乾燥し、炭素数16以下の炭化水素化合物の量を1.54ppmとした。なお、この測定は、ガスクロマトグラフィーによって行った。
これを原料として、内径65mmの環状T型ガスケットを射出成形により製作した。
このガスケットの表面に塵等の付着物除去を目的として静電防止エアーの吹き付けを圧力3kgf/cmで5秒間実施した。
次に、球面度数−4.00デオプトリー、中心肉厚2.0mmの処方を得るために、2個のガラス製モールドを用意し、予め洗浄して表面の付着物を取り除いた。上記のガラス製モールドとガスケット組み付けクランプを取り付け、鋳型を作製した。
一方、原料(ウレタン系モノマー)は、次のようにして準備した。すなわち、m−キシリレンジイソシアネート100重量部、ペンタエリスリトールテトラキス−3−メルカプトプロピオネート142重量部、リン酸ジ−n−ブチル6重量部、ジブチルスズジラウレート0.25重量部及び紫外線吸収剤としての2−(2’−ヒドロキシ5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール0.5重量部を混合し、十分な攪拌と真空下での脱気を行った。
次いで、上記混合液中の異物を除去するため、濾過精度1.0μmのポリプロピレン製のフィルターを通過させた後、濾過液を前記鋳型に注入した。その後、25℃から100℃まで20時間かけて昇温し、一旦ガスケットとクランプを取り外し、再度120℃で2時保持し重合を行った。
モールドとレンズの間に楔を打ち込み、両者を分離し、さらに得られたレンズを120℃で1時間アニールを実施した。
得られたポリウレタン系プラスチックレンズの特性及びガスケットの特性は、下記の要領にて評価したが、すべて満足するものであった。なお、その結果は、表1に示した。
【0015】
1.レンズの外視
蛍光灯を光照とする照明装置を用い、目視にて下記1)〜3)の項目を満足する否かを観察した。(JIS T7313 4.3に準拠)
1)透明であること(透明性)、
2)面に不規則性が容易に認められないこと、
3)レンズ内部に異物が容易に認められないこと、
2.レンズの光学性能
JIS T7313の視力補正用焦点眼鏡レンズの項目3.1光学性能を満足すること、
3.ガスケットの離型性
レンズとガスケットを引き離す時、容易に剥離することができるかどうか、
4.ガスケットの成型性
射出成型法において自動成型が容易にできるかどうか、
【0016】
実施例2
高圧ラジカル法で製造された密度0.920g/ml、メルトインデックス3.5g/10分のエチレン重合体100重量部と、メタロセン触媒で製造した密度0.915g/ml、メルトインデックス2.8g/10分のエチレン−オクテン−1共重合体100重量部とからなる樹脂組成物でペレット(直径3mm、長さ3mm)をつくり、80℃の窒素ガス流中で10時間乾燥し、炭素数16以下の炭化水素化合物の量を1.43ppmとした。
この樹脂組成物を使用した以外は、実施例1と同様な実施を行ったが、表Iに示したように良好な結果が得られた。
【0017】
実施例3
実施例1と同一の樹脂組成物を原料として、内径65mmの環状T型ガスケットを射出成形により製作した。このガスケットの表面に、塵等の付着物除去を目的として静電防止エアーの吹き付けを圧力3kgf/cmで5秒間実施した。次に、球面度数−4.00デオプトリー、中心肉厚2.0mmの処方を得るために2個のガラス製モールドを用意し、予め洗浄して表面の付着物を取り除いた。上記のガラス製モールドとガスケットを組み付けクランプを取り付け、鋳型を作製した。
次いで、プラスチック原料としてジエチレングリコールビスアリルカーボネートを100重量部に重合開始材として、ジイソピルパーオキシカーボネート3重量部を加えて混合した液を、濾過精度1.0μmのポリプロピレン製のフィルターに通過させた後、濾過液を前記鋳型に注入した。その後40℃から90℃まで、24時間かけて昇温し重合を行った。ガスケットとクランプを取り外した後、モールドとレンズの間に楔を打ち込み、両者を分離し、さらに得られたレンズを120℃で1時間アニールを実施した。得られたプラスチックレンズの特性及びガスケットの特性は表1に示したように良好な結果が得られた。
【0018】
比較例1
チーグラー系マルチサイト触媒でつくった密度0.905g/ml、メルトインデックス2.1g/10分のエチレン−ヘキセン−1共重合体のペレット(直径3mm、長さ3mm)を80℃の窒素ガス流で10時間乾燥し、炭素数16以下の炭化水素化合物の量を測定したところ、2.3ppmであった。
この樹脂組成物を使用した以外は、実施例1と同様な実験を行ったところ、光学的特性が悪かった。
【表1】
Figure 0003629379
【0019】
【発明の効果】
本発明においては、ガスケットの材料として残存する炭素数16以下の炭化水素化合物の量が1.7ppm以下のエチレン系共重合体を使用しているので、光学的特性に優れたプラスチックレンズが得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】ガスケットの斜視図である。
【図2】クランプにてモールドを保持している状態の断面図である。
【符号の説明】
1 ガスケット
2、3 モールド
4 液状モノマー
5 クランプ

Claims (2)

  1. 環状ガスケットを介して隔て合わされた2個のモールド間に、液体モノマーあるいはそのプレポリマーを注入し、硬化してプラスチックレンズを製造する装置において、
    加熱した窒素ガス流と接触させることによってエチレン系共重合体中に残存する炭素数16以下の炭化水素化合物の量が1.7ppm以下にされた、エチレン−エチルアクリレート共重合体又はエチレン−α−オレフィン共重合体から選ばれるエチレン系共重合体を使用することを特徴とするプラスチックレンズ製造用ガスケット。
  2. 請求項1記載のガスケットを介して隔て合わされた2個のモールド間に、液状モノマーあるいはそのプレポリマーを注入し、硬化することからなるプラスチックレンズの製造方法。
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