JP3629373B2 - 時差修正機構付き時計 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、時針が表示している内容を修正することができる時差修正機構付き時計に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、時計の駆動部分を含む機械体を「ムーブメント」と称し、このムーブメントに文字板、針を付けて、時計ケースの中に入れて完成品にした状態を時計の「コンプリート」と称している。
更に、時計の基板を構成する地板の両側のうちで、時計ケースのガラスのある方の側、すなわち、文字板のある方の側をムーブメントの「裏側」又は「ガラス側」と称し、時計ケースの裏ぶたのある方の側、すなわち、文字板と反対の側をムーブメントの「表側」又は「裏ぶた側」と称する。ムーブメントの「表側」に組み込まれる輪列を「表輪列」と称し、ムーブメントの「裏側」に組み込まれる輪列を「裏輪列」と称している。
【0003】
従来の時差修正機構付き時計においては、巻真を0段目から1段目に引き出し、時計の時差修正が可能な状態において、巻真を回転させることにより時針が表示している内容を修正することができる。例えば、巻真を回転させることにより、時針を1ピッチ、すなわち、1時間単位で回転させる。
このような時差修正機構付き時計では、時計の表輪列の回転に基づいて回転する筒歯車と、筒歯車の回転に基づいて回転する時表示車と、筒歯車と時表示車との間に設けられたスリップ機構とを備えている。時に関する情報を表示するための時表示部材、すなわち、時針が時表示車に取付けられている。
図19及び図20を参照すると、従来の時差修正機構付き時計の時差修正輪列は、巻真410の回転軸線を回転中心として回転するつづみ車414と、巻真410の回転軸線を回転中心として回転する第1時差修正車432と、第1時差修正車432の回転に基づいて回転する第2時差修正車434と、第2時差修正車434の回転に基づいて回転する第3時差修正車436とを含む。
【0004】
つづみ車414は、巻真を2段目に引き出した状態で、時計の時刻合わせを行うための甲歯と、巻真を1段目に引き出し、時計の時差修正が可能な状態において、第1時差修正車432を回転させるための乙歯414bとを備えている。つづみ車414の乙歯414bの歯数は6である。第1時差修正車432は、時計の時差修正が可能な状態において、つづみ車414の乙歯414bと噛み合う第1時差修正かな432aと、第2時差修正車434を回転させるための第1時差修正歯車432bとを備えている。第1時差修正車432の第1時差修正かな432aの歯数は6である。すなわち、第1時差修正かな432aの歯数はつづみ車414の乙歯414bの歯数に等しい。
第2時差修正車434は、第1時差修正歯車432bと噛み合う第2時差修正歯車434bと、第3時差修正車436を回転させるための第2時差修正かな434aとを備えている。第3時差修正車436の第3時差修正歯車436bは、第2時差修正かな434aと噛み合い、時表示車488の時表示歯車488bと噛み合っている。
【0005】
筒車490は、筒歯車482と、時ジャンパ484と、時ジャンパかな486と、時表示車488とを含む。スリップ機構は、時ジャンパかな486と時ジャンパ484とにより構成される。時ジャンパかな486は時表示車488に固定されている。時ジャンパかな486は、時ジャンパかな歯部分486aを有し、この時ジャンパかな歯部分486aの歯数は12である。この時ジャンパかな歯部分486aの歯数は、時針による「12時間」の表示に対応する。時ジャンパ484は筒歯車482に固定されている。時ジャンパ484は規正部分484aを有し、規正部分484aは規正ばね部分484bを介して時ジャンパ484に一体に形成されている。
巻真410を1段目に引き出し、時計の時差修正が可能な状態において、巻真410を回転させるとつづみ車414が回転し、つづみ車414の回転により、第1時差修正車432、第2時差修正車434、第3時差修正車436の回転を介して、時表示車488が回転する。時表示車488が回転することにより、時ジャンパかな486が回転し、時ジャンパ484の規正部分484aの頂点484cが時ジャンパかな歯部分486aの1つの歯の頂点に接触する(図19参照)。
【0006】
従来の構成では、第1時差修正かな432aとつづみ車414の乙歯414bとの間の噛み合いの回転バックラッシュは約6〜10度である。この回転バックラッシュを時表示車488の回転角度に換算したときの換算回転バックラッシュ量は約1.2〜2.0度である。第2時差修正車434の第2時差修正かな434aと第3時差修正車436の第3時差修正歯車436bとの間の噛み合いの回転バックラッシュは約4〜8度である。この回転バックラッシュを時表示車488の回転角度に換算したときの換算回転バックラッシュ量は約1.0〜2.1度である。第3時差修正車436の第3時差修正歯車436bと時表示車488の時表示歯車488bの間の噛み合いの回転バックラッシュは約4〜8度である。この回転バックラッシュを時表示車488の回転角度に換算したときの換算回転バックラッシュ量は約1.8〜3.5度である。
【0007】
従って、第1時差修正かな432aとつづみ車414の乙歯414bとの間の噛み合いの回転バックラッシュと、第2時差修正車434の第2時差修正かな434aと第3時差修正車436の第3時差修正歯車436bとの間の噛み合いの回転バックラッシュと、第3時差修正車436の第3時差修正歯車436bと時表示車488の時表示歯車488bの間の噛み合いの回転バックラッシュとを合計して、時表示車488の回転角度に換算したときの合計回転バックラッシュ量は約4.0〜7.6度であり、この合計回転バックラッシュ量は、時表示車488の半ピッチの回転に対応する時表示車488の回転角度、すなわち、15度より小さい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
図21及び図22を参照すると、図19に示すような時ジャンパ484の規正部分484aの頂点484cが時ジャンパかな歯部分486aの1つの歯の頂点に接触している状態から更に巻真410を回転させると、時ジャンパ484の規正部分484aの頂点484cが時ジャンパかな歯部分486aの1つの歯の頂点を越えた部分に接触した状態になる。この状態では、時ジャンパ484は、時計を駆動するためのステップモータの駆動力により、回転しないように位置決めされている。従って、図22に示す状態では、時差修正における時ジャンパかな486の1ピッチ分の送りが完了しておらず、時針は時差修正における中間の位置にある。
【0009】
すなわち、従来の時差修正機構付き時計では、時差修正輪列の噛み合いの回転バックラッシュを合計して時表示車488の回転角度に換算したときの合計回転バックラッシュ量が、時表示車488の半ピッチの回転に対応する時表示車488の回転角度より小さいので、時針が時差修正における中間の位置から、次の位置まで時ジャンパ484の規正ばね部分484bのばね力によって回転しにくかった。従って、図22に示す状態から更に巻真410を回転させて、時差修正における時ジャンパかな486の1ピッチ分の送りを完了させなければならなかった。
従来の時差修正機構付き時計において、時ジャンパ484の規正ばね部分484bのばね力を強くすれば、この規正ばね部分484bのばね力により時針を回転させる力は強くなるが、同時に、時ジャンパ484を静止させるためのステップモータの駆動力も強くしなければならない。このため、時計の電源を構成する電池の容量を大きくする必要があり、時計の電池寿命を長くするのが難しかった。
【0010】
【発明の目的】
そこで、従来のこのような課題を解決するため、本発明の目的は、時計の時差修正をする場合に、従来より少ない巻真の回転角度で、迅速に時針を1ピッチ送ることができる時差修正機構付き時計を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、時ジャンパの規正ばね部分のばね力を従来より小さくした時差修正機構付き時計を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、時針が表示している内容を修正することができる時差修正機構付き時計において、時計の表輪列の回転に基づいて回転する筒歯車と、筒歯車の回転に基づいて回転する時表示車と、筒歯車と時表示車との間に設けられたスリップ機構と、時表示車に取付けられ、時に関する情報を表示するための時表示部材とを備えるように構成した。本発明の時差修正機構付き時計は、時計の時差修正が可能な状態において、巻真の回転により回転して、スリップ機構をスリップさせることにより、時表示車を筒歯車に対して1ピッチずつ回転させることができる時差修正輪列を備え、時差修正輪列の噛み合いの回転バックラッシュを合計して時表示車の回転角度に換算したときの合計回転バックラッシュ量が、時表示車の半ピッチの回転に対応する時表示車の回転角度より大きくなるように構成されていることを特徴とする。
【0012】
本発明の時差修正機構付き時計では、時差修正輪列は、巻真の回転軸線を回転中心として回転するつづみ車と、巻真の回転軸線を回転中心として回転する第1時差修正車と、第1時差修正車の回転に基づいて回転する第2時差修正車とを含み、第1時差修正車は、時計の時差修正が可能な状態において、巻真の回転によりつづみ車の回転を介して回転可能に構成され、時表示車は第2時差修正車の回転に基づいて回転するように構成されており、つづみ車は、時計の時差修正が可能な状態において、時差修正輪列を回転させるための乙歯を備え、第1時差修正車は、時計の時差修正が可能な状態において、つづみ車の乙歯と噛み合う第1時差修正かなと、第2時差修正車を回転させるための第1時差修正歯車とを備え、つづみ車の乙歯と第1時差修正車の第1時差修正かなとの間の噛み合いの回転バックラッシュを時表示車の回転角度に換算したときの換算回転バックラッシュ量が、時表示車の半ピッチの回転に対応する時表示車の回転角度より大きくなるように構成されているのが好ましい。
【0013】
また、この構成では、つづみ車の乙歯の歯数は2であり、第1時差修正車の第1時差修正かなの歯数は2であるのが好ましい。
また、本発明の時差修正機構付き時計では、時差修正輪列は、巻真の回転軸線を回転中心として回転するつづみ車と、巻真の回転軸線を回転中心として回転する第1時差修正車と、第1時差修正車の回転に基づいて回転する第2時差修正車と、第2時差修正車の回転に基づいて回転する第3時差修正車とを含み、第1時差修正車は、時計の時差修正が可能な状態において、巻真の回転によりつづみ車の回転を介して回転可能に構成され、第2時差修正車は、時計の時差修正が可能な状態において、巻真の回転により、つづみ車及び第1時差修正車の回転を介して回転可能に構成され、第3時差修正車は、時計の時差修正が可能な状態において、巻真の回転により、つづみ車及び第1時差修正車及び第2時差修正車の回転を介して回転可能に構成され、時表示車は第3時差修正車の回転に基づいて回転するように構成されており、つづみ車は、時計の時差修正が可能な状態において、時差修正輪列を回転させるための乙歯を備え、第1時差修正車は、時計の時差修正が可能な状態において、つづみ車の乙歯と噛み合う第1時差修正かなと、第2時差修正車を回転させるための第1時差修正歯車とを備え、第2時差修正車は、第1時差修正歯車と噛み合う第2時差修正歯車と、第3時差修正車を回転させるための第2時差修正かなとを備え、第3時差修正車は、第2時差修正かな及び時表示車と噛み合う第3時差修正歯車を備え、第2時差修正かなと第3時差修正歯車の噛み合いの回転バックラッシュと、第3時差修正歯車と時表示車の噛み合いの回転バックラッシュを合計して時表示車の回転角度に換算したときの合計回転バックラッシュ量が、時表示車の半ピッチの回転に対応する時表示車の回転角度より大きくなるように構成されているのが好ましい。
【0014】
このように構成することにより、時計の時差修正を行うときに、時差修正輪列の噛み合いの合計回転バックラッシュ量の範囲内で、時差修正輪列が回転することができる。すなわち、本発明の時差修正機構付き時計では、時針が、時差修正における中間の作動位置から、次に停止すべき作動位置までたやすく回転することができる。従って、この構成により、時差修正機構付き時計における時差修正の作動を迅速確実に完了させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の時差修正機構付き時計の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(1)本発明の時差修正機構付き時計の第1の実施の形態の構造
図1及び図2を参照すると、本発明の時差修正機構付き時計のムーブメント100は電子時計で構成されており、ムーブメントの基板を構成する地板102を有する。巻真110が、地板102に回転可能に組み込まれる。第二地板104が地板102のガラス側に取付けられる。文字板108がムーブメント100のガラス側に取付けられる。
巻真110は角部110aと、案内軸部110bとを有する。つづみ車114が巻真110の角部110aに組み込まれる。つづみ車114は巻真110の回転軸線と同一の回転軸線を有する。すなわち、つづみ車114は角穴114fを有し、この角穴114fが角部110aに嵌め合うことにより、巻真110の回転に基づいて回転するように設けられている。
【0016】
図3及び図4を参照すると、つづみ車114は甲歯114aと、乙歯114bとを有する。甲歯114aはムーブメントの中心に近い方のつづみ車114の端部に設けられる。乙歯114bはムーブメントの中心から遠い方のつづみ車114の端部に設けられる。乙歯114bの歯数は2である。
図1及び図2を参照すると、おしどり120が地板102の表側に回転可能に配置される。かんぬき122が地板102の表側に回転可能に配置される。かんぬき122は、かんぬきばね部(図示せず)のばね力により、おしどり120の先端部に押し付けられるように付勢されている。かんぬき押さえ(図示せず)がおしどり120及びかんぬき122を押さえるように設けられる。おしどり120に設けられたおしどり位置決めピン(図示せず)がかんぬき押さえのおしどり位置決め山形部(図示せず)に係合し、かんぬき押さえにより、おしどり120は、3つの回転方向の位置に位置決めされる。
【0017】
おしどり120の巻真案内部120cが巻真110の段部110cに係合して、おしどり120の回転に基づいて巻真110の回転軸線方向の位置を決める。かんぬき122のつづみ車案内部122cがつづみ車114の段部114cに係合して、かんぬき122の回転に基づいてつづみ車114の回転軸線方向の位置を決める。おしどり120の回転に基づいて、かんぬき122は3つの回転方向の位置に位置決めされる。
本発明の時差修正装置付き時計の構成では、巻真110が「0段目」にある状態では、つづみ車114はムーブメントに対して中間の第1の位置にあり、巻真110が「1段目」にある状態では、つづみ車114はムーブメントの外側に近い第2の位置にあり、巻真110が「2段目」にある状態で、つづみ車114はムーブメントの内側に近い第3の位置にあるように構成されている。
【0018】
小鉄車128の回転中心を構成する小鉄車ピン102cが、地板102の表側で巻真110の回転軸線上に設けられる。小鉄車128が小鉄車ピン102cに回転可能に組み込まれる。小鉄車128は、巻真110が「0段目」及び「1段目」にある状態で、つづみ車114の甲歯114aと噛み合わず、巻真110が「2段目」にある状態で、つづみ車114の甲歯114aと噛み合うように構成されている。
本発明の時差修正機構付き時計100の時差修正輪列は、巻真110の回転軸線を回転中心として回転するつづみ車114と、巻真110の回転軸線を回転中心として回転する第1時差修正車132と、第1時差修正車132の回転に基づいて回転する第2時差修正車134と、第2時差修正車134の回転に基づいて回転する第3時差修正車136とを含む。
【0019】
第1時差修正車132は、巻真110の回転軸線を回転中心として回転するように、巻真110に組み込まれる。第2時差修正車134は、第二地板104に回転可能に、第二地板104のガラス側に組み込まれる。第3時差修正車136は、第二地板104に回転可能に、第二地板104のガラス側に組み込まれる。第2時差修正車134の一部分は、裏物押さえ160と地板102との間に配置されている。第2時差修正車134の他の一部分は、地板102と第二地板104との間に位置する。第3時差修正車136は、裏物押さえ160と第二地板104との間に配置されている。
図5及び図6を参照すると、第1時差修正車132は、時差修正が可能な状態において、つづみ車114の乙歯114bと噛み合う第1時差修正かな132aと、第2時差修正車134を回転させるための第1時差修正歯車132bとを備えている。第1時差修正車132の第1時差修正かな132aの歯数は2である。すなわち、第1時差修正かな132aの歯数はつづみ車114の乙歯114bの歯数に等しい。
【0020】
図1及び図2を参照すると、第2時差修正車134は、第1時差修正歯車132bと噛み合う第2時差修正歯車134bと、第3時差修正車136を回転させるための第2時差修正かな134aとを備えている。
第3時差修正車136の第3時差修正歯車136bは、第2時差修正かな134aと噛み合い、時表示車188の時表示歯車188bと噛み合っている。
筒車190は、筒歯車182と、時ジャンパ184と、時ジャンパかな186と、時表示車188とを含む。
スリップ機構は、時ジャンパかな186と時ジャンパ184とにより構成される。時ジャンパかな186は時表示車188に固定されている。時ジャンパかな186は、時ジャンパかな歯部分186aを有する。時ジャンパかな歯部分186aの歯数は12である。時ジャンパかな歯部分186aの歯数は、時表示車188に取付けられた時針による「12時間」の表示に対応する。
【0021】
図7を参照すると、時ジャンパ184は筒歯車182に固定されている。時ジャンパ184は、2つの規正部分184aを有する。規正部分184aは規正ばね部分184bを介して時ジャンパ184に一体に形成されている。頂点184cが、時ジャンパ184の規正部分184aの交点に設けられている。
本発明のこの構成では、第1時差修正かな132aとつづみ車114の乙歯114bとの間の噛み合いの回転バックラッシュは約76〜80度である。この回転バックラッシュを時表示車188の回転角度に換算したときの換算回転バックラッシュ量は約15.2〜16.0度である。第2時差修正車134の第2時差修正かな134aと第3時差修正車136の第3時差修正歯車136bとの間の噛み合いの回転バックラッシュは、従来の構造と同様に、約4〜8度である。この回転バックラッシュを時表示車188の回転角度に換算したときの換算回転バックラッシュ量は約1.0〜2.1度である。第3時差修正車136の第3時差修正歯車136bと時表示車188の時表示歯車188bの間の噛み合いの回転バックラッシュは、従来の構造と同様に、約4〜8度である。この回転バックラッシュを時表示車188の回転角度に換算したときの換算回転バックラッシュ量は約1.8〜3.5度である。
【0022】
従って、このような本発明の構成では、第1時差修正かな132aとつづみ車114の乙歯114bとの間の噛み合いの回転バックラッシュを時表示車188の回転角度に換算したときの換算回転バックラッシュ量は、時表示車188の半ピッチの回転に対応する時表示車188の回転角度、すなわち、15度より大きくなるように構成されている。
また、第1時差修正かな132aとつづみ車114の乙歯114bとの間の噛み合いの回転バックラッシュと、第2時差修正車134の第2時差修正かな134aと第3時差修正車136の第3時差修正歯車136bとの間の噛み合いの回転バックラッシュと、第3時差修正車136の第3時差修正歯車136bと時表示車188の時表示歯車188bの間の噛み合いの回転バックラッシュとを合計して、時表示車188の回転角度に換算したときの合計回転バックラッシュ量は約18.0〜21.6度であり、この合計回転バックラッシュ量は、時表示車188の半ピッチの回転に対応する時表示車188の回転角度、すなわち、15度より大きくなるように構成されている。
【0023】
図1及び図2を参照すると、時差修正機構付き時計の動力源を構成する電池176が、地板102の裏ぶた側に配置される。時計の源振を構成する水晶ユニット140が地板102の裏ぶた側に配置される。例えば、32,768ヘルツで発振する水晶振動子が、水晶ユニット140に収容されている。水晶振動子の振動に基づいて基準信号を出力する発振部(オシレータ)144と、発振部144の出力信号を分周する分周部(デバイダ)146と、分周部146の出力信号に基づいてステップモータを駆動するモータ駆動信号を出力する駆動部(ドライバ)148とが、集積回路(IC)142に内蔵されている。集積回路(IC)142は、例えば、C−MOS又はPLAで構成される。集積回路(IC)142をC−MOSで構成した場合には、発振部144と、分周部146と、駆動部148とは、集積回路142に内蔵される。集積回路(IC)142をPLAで構成した場合には、発振部144と、分周部146と、駆動部148とは、PLAに記憶されているプログラムにより動作するように構成される。
【0024】
水晶ユニット140と集積回路142とは回路基板(図示せず)に固定される。回路基板と、水晶ユニット140と、集積回路142とが回路ブロック138を構成する。回路ブロック138は、地板102の裏ぶた側に配置される。
磁心に巻いたコイルワイヤを含むコイルブロック150と、コイルブロック150の磁心の両端部分と接触するように配置されたステータ152と、ステータ152のロータ穴に配置されたロータ磁石を含むロータ154とが、地板102の裏ぶた側に配置される。コイルブロック150と、ステータ152と、ロータ154とが、ステップモータを構成する。
ロータ154の回転に基づいて回転する五番車156が、地板102の裏ぶた側に配置される。五番車156の回転に基づいて回転する四番車164が、地板102の裏ぶた側に配置される。四番車164は1分間に1回転するように構成されている。秒針166が四番車164に取付けられている。
【0025】
四番車164の回転に基づいて回転する三番車168が、地板102の裏ぶた側に配置される。三番車168の回転に基づいて回転する二番車170が、地板102の裏ぶた側に配置される。二番車170の代わりに分車を用いてもよい。分針172が二番車170に取付けられている。スリップ機構が二番車170又は分車に設けられている。スリップ機構により、針合わせをするときに、秒針166を停止させた状態で、巻真110を回転させることにより、分針172及び時針196を回転させることができる。針合わせをするときに、四番車164又は五番車156を規正して秒針166を停止させるために、規正レバー(図示せず)が設けられている。二番車170又は分車は1時間に1回転するように構成されている。
【0026】
二番車170の回転に基づいて回転する日の裏車126が、地板102の裏ぶた側に配置される。日の裏車126の日の裏歯車126bは、小鉄車128と噛み合うように配置される。輪列受158が、地板102の裏ぶた側に配置される。ロータ154の上軸部、五番車156の上軸部、四番車164の上軸部、三番車168の上軸部、日の裏車126の上軸部は、輪列受158に回転可能に支持されている。ロータ154の下軸部、五番車156の下軸部、三番車168の下軸部、日の裏車126の下軸部は、地板102に回転可能に支持されている。小鉄車128は、地板102と輪列受158との間に配置されている。
中心パイプ162が地板102に固定されている。中心パイプ162は地板102の裏ぶた側から地板102のガラス側に延びている。二番車170は、中心パイプ162の穴部の中に回転可能に支持されている。四番車164のそろばん玉は、二番車170の穴部の中に回転可能に支持されている。
【0027】
筒車190は、日の裏車126の回転に基づいて回転するように、地板102のガラス側に配置される。日の裏車126の日の裏かな126aは、地板102のガラス側に位置し、筒歯車182と噛み合うように構成されている。筒車190の時ジャンパかな186の穴部は、中心パイプ162の軸部分の外周部に回転可能に支持されている。筒車190は12時間に1回転するように構成されている。時針196が筒車190の時表示車188に取付けられている。針座192が、裏物押さえ160と時表示車188との間に配置される。
(2)本発明の時差修正機構付き時計の第2の実施の形態の構造
次に、本発明の時差修正機構付き時計の第2の実施の形態の構造について、主として、前述した第1の実施の形態と相違する部分について詳細に説明する。
【0028】
本発明の時差修正機構付き時計の第2の実施の形態では、つづみ車の乙歯の歯数は6である。第1時差修正車332の第1時差修正かなの歯数は6である。すなわち、第1時差修正かなの歯数はつづみ車の乙歯の歯数に等しい。なお、つづみ車の乙歯の歯数は2〜5であってもよい。この場合にも、第1時差修正かなの歯数はつづみ車の乙歯の歯数に等しくなるように構成するのが好ましい。筒車390は、筒歯車と、時ジャンパ384と、時ジャンパかな386と、時表示車388とを含む。
図12及び図13を参照すると、第2時差修正車334の第2時差修正かな334aの歯厚は、図19に示すような従来の第2時差修正かな434aの歯厚より薄くなるように構成されている。第3時差修正車336の第3時差修正歯車336bの歯厚は、図19に示すような従来の第3時差修正歯車436bの歯厚より薄くなるように構成されている。時表示車388の時表示歯車388bの歯厚は、図19に示すような従来の時表示歯車488bの歯厚より薄くなるように構成されている。従って、図12及び図13に示すような本発明の第2時差修正車334の第2時差修正かな334aと第3時差修正車336の第3時差修正歯車336bとの間の噛み合いの回転バックラッシュは、従来のものより大きい。また、図12及び図13に示すような本発明の第3時差修正車336の第3時差修正歯車336bと時表示車388の時表示歯車388bの間の噛み合いの回転バックラッシュは、従来のものより大きい。
【0029】
この構成では、第2時差修正車334の第2時差修正かな334aと第3時差修正車336の第3時差修正歯車336bとの間の噛み合いの回転バックラッシュは約21〜25度である。この回転バックラッシュを時表示車388の回転角度に換算したときの換算回転バックラッシュ量は約5.5〜6.5度である。また、第3時差修正車336の第3時差修正歯車336bと時表示車388の時表示歯車388bの間の噛み合いの回転バックラッシュは約22〜26度である。この回転バックラッシュを時表示車388の回転角度に換算したときの換算回転バックラッシュ量は約9.7〜11.4度である。
なお、第1時差修正かなとつづみ車の乙歯との間の噛み合いの回転バックラッシュを時表示車388の回転角度に換算したときの合計回転バックラッシュ量は、従来の構造と同様に、約1.2〜2.0度である。
【0030】
従って、第2時差修正車334の第2時差修正かな334aと第3時差修正車336の第3時差修正歯車336bとの間の噛み合いの回転バックラッシュと、第3時差修正車336の第3時差修正歯車336bと時表示車388の時表示歯車388bの間の噛み合いの回転バックラッシュとを合計して、時表示車388の回転角度に換算したときの合計回転バックラッシュ量は約15.2〜17.9度であり、この合計回転バックラッシュ量は、時表示車388の半ピッチの回転に対応する時表示車388の回転角度、すなわち、15度より大きくなるように構成されている。
更に、第1時差修正かなとつづみ車の乙歯との間の噛み合いの回転バックラッシュと、第2時差修正車334の第2時差修正かな334aと第3時差修正車336の第3時差修正歯車336bとの間の噛み合いの回転バックラッシュと、第3時差修正車336の第3時差修正歯車336bと時表示車388の時表示歯車388bの間の噛み合いの回転バックラッシュとを合計して、時表示車388の回転角度に換算したときの合計回転バックラッシュ量は約16.4〜19.9度であり、この合計回転バックラッシュ量は、時表示車388の半ピッチの回転に対応する時表示車388の回転角度、すなわち、15度より大きくなるように構成されている。
【0031】
(3)本発明の時差修正機構付き時計の実施の形態の作動
(3−1)通常運針
次に、本発明の時差修正機構付き時計を電子時計で構成した場合の作動について説明する。
本発明の時差修正機構付き時計の第1の実施の形態において、図16を参照すると、電池176が時差修正機構付き時計の動力源を構成し、水晶ユニット140に収容された水晶振動子が、例えば、32,768ヘルツで発振する。この水晶振動子の振動に基づいて、集積回路142に内蔵されている発振部144が基準信号を出力し、分周部146が発振部144の出力信号を分周する。駆動部148が分周部146の出力信号に基づいて、ステップモータを駆動するモータ駆動信号を出力する。コイルブロック150がモータ駆動信号を入力すると、ステータ152が磁化して、ロータ154を回転させる。ロータ154は、例えば、1秒ごとに180度回転する。
ロータ154の回転に基づいて、五番車156の回転を介して四番車164が回転する。四番車164は1分間に1回転するように構成されている。秒針166が四番車164に取付けられている。
【0032】
ロータ154の回転に基づいて、1つ以上の輪列を介して秒車を回転させるように構成してもよい。四番車164又は秒車を、時計の中心に配置してもよいし、時計の中心とは異なる位置に配置してもよい。
三番車168が四番車164の回転に基づいて回転する。二番車170が三番車168の回転に基づいて回転する。二番車170の代わりに分車を用いてもよい。分針172が二番車170に取付けられている。スリップ機構が二番車170又は分車に設けられている。スリップ機構により、針合わせをするときに、秒針166を停止させた状態で、巻真110を回転させることにより、分針172及び時針196を回転させることができる。二番車170又は分車は1時間に1回転する。
【0033】
日の裏車126が二番車170の回転に基づいて回転する。筒車190が日の裏車126の回転に基づいて回転する。筒車190は12時間に1回転する。
次に、本発明の時差修正機構付き時計を機械式時計で構成した場合の作動を説明する。
図17を参照すると、本発明の時差修正機構付き時計は、香箱車230に収容されているぜんまいを動力源とする。香箱車230の回転により二番車170が回転する。二番車170の回転に基づいて、三番車168を介して秒車264が回転する。秒車264に取付けられた秒針166が「秒」を表示する。秒車264の回転速度は、てんぷ210、アンクル268及びがんぎ車262により制御されている。
【0034】
また、二番車170の回転に基づいて、分伝えかな282を介して分車270が回転する。分車270に取付けられた分針172が「分」を表示する。分車270には、スリップ機構が設けられている。
更に、分車270の回転に基づいて、日の裏車126が回転する。日の裏車126の回転に基づいて、筒車190が回転する。筒車190の時表示車188に取付けられた時針196が「時」を表示する。
時計の時差修正を行う場合に、巻真110を回転させて、時ジャンパ184の規正部分184aの頂点184cが時ジャンパかな歯部分186aの1つの歯の頂点を越えと、時ジャンパ184の規正ばね部分184bのばね力により、時ジャンパ184は回転して、時ジャンパかな186の1ピッチ分の送りが完了する。この状態では、時ジャンパかな186は、アンクル268及びがんぎ車262により、回転しないように位置決めされている。
このような作動は、本発明の時差修正機構付き時計の第2の実施の形態についても同様である。
【0035】
(3−2)時差修正
次に、時計の時差修正を行う場合の作動について説明する。
図1及び図2を参照すると、巻真110を1段目に引き出し、時計の時差修正が可能な状態において、巻真110を回転させるとつづみ車114が回転し、つづみ車114の回転により、第1時差修正車132、第2時差修正車134、第3時差修正車136の回転を介して、時表示車188が回転する。
図8及び図9を参照すると、時表示車188が回転することにより、時ジャンパかな186が、図8に矢印188xで示す方向に回転し、時ジャンパかな歯部分186aの1つの歯の頂点が、時ジャンパ184の規正部分184aの頂点184cに接触する。
更に巻真110を回転させて、図8に矢印188xで示す方向に時ジャンパかな186を回転させると、時ジャンパかな歯部分186aの1つの歯の頂点が、時ジャンパ184の規正部分184aの頂点184cを越える。すると、図10及び図11に示すように、時ジャンパ184の規正ばね部分184bのばね力により、時ジャンパ184は図10に矢印188xで示す方向に回転して、時ジャンパかな186の1ピッチ分の送りが完了する。図10及び図11に示す状態では、時ジャンパ184は、時計を駆動するためのステップモータの駆動力により、回転しないように位置決めされている。
【0036】
本発明の時差修正機構付き時計の第1の実施の形態では、時ジャンパかな歯部分186aの1つの歯の頂点が、時ジャンパ184の規正部分184aの頂点184cを越えると、第1時差修正かな132aとつづみ車114の乙歯114bとの間の噛み合いの回転バックラッシュが従来の時計より大きいので、時ジャンパかな歯部分186aの1つの歯の頂点が、時ジャンパ184の規正部分184aの頂点184cを越えたときに、時表示車188、第3時差修正車136、第2時差修正車134、第1時差修正車132は、従来の時計より大きい角度、回転することができる。このときの時表示車188の回転方向は、図8に矢印188xで示す方向である。
そして、第1時差修正かな132aとつづみ車114の乙歯114bとの間の噛み合いの回転バックラッシュと、第2時差修正車134の第2時差修正かな134aと第3時差修正車136の第3時差修正歯車136bとの間の噛み合いの回転バックラッシュと、第3時差修正車136の第3時差修正歯車136bと時表示車188の時表示歯車188bの間の噛み合いの回転バックラッシュとを合計して時表示車188の回転角度に換算したときの合計回転バックラッシュ量が、時表示車188の半ピッチの回転に対応する時表示車188の回転角度より大きくなるように構成されているので、時ジャンパ184の規正ばね部分184bのばね力により、時ジャンパかな186は図8に矢印188xで示す方向に回転して、時ジャンパかな186の1ピッチ分の送りを完了させることができる。
【0037】
図12及び図13を参照すると、本発明の時差修正機構付き時計の第2の実施の形態では、第1時差修正かな332aとつづみ車の乙歯との間の噛み合いの回転バックラッシュと、第2時差修正車334の第2時差修正かな334aと第3時差修正車336の第3時差修正歯車336bとの間の噛み合いの回転バックラッシュと、第3時差修正車336の第3時差修正歯車336bと時表示車388の時表示歯車388bの間の噛み合いの回転バックラッシュとを合計して時表示車388の回転角度に換算したときの合計回転バックラッシュ量が、時表示車388の半ピッチの回転に対応する時表示車388の回転角度より大きくなるように構成されているので、時ジャンパ384の規正ばね部分384bのばね力により、時ジャンパかな386は図12に矢印388xで示す方向に回転して、図12及び図13に示すように、時ジャンパかな386の1ピッチ分の送りを完了させることができる。
【0038】
すなわち、本発明の時差修正機構付き時計のいずれの実施の形態でも、時差修正輪列の噛み合いの回転バックラッシュを合計して時表示車188、388の回転角度に換算したときの合計回転バックラッシュ量が、時表示車188、388の半ピッチの回転に対応する時表示車188、388の回転角度より大きくなるように構成されている。その結果、時差修正機構付き時計の時針が、時差修正における中間の作動位置から、次に停止すべき作動位置まで時ジャンパ184の規正ばね部分184b、時ジャンパ384の規正ばね部分384bのばね力によって、たやすく回転することができる。従って、巻真110を回転させて時差修正を迅速確実に行うことができる。
図18に示すように、本発明の時差修正機構付き時計のコンプリート200では、巻真110に取付けたりゅうず198を回転させることにより、時針196は、時差修正前の図18に実線で示す位置196mから、矢印196xの方向に回転して、図18に2点鎖線で示す「1時間」進んだ位置196n、すなわち、1ピッチ進んだ位置に移動する。りゅうず198及び巻真110の回転により、時表示車188を回転させても時ジャンパ184は回転しないし、時表示車388を回転させても時ジャンパ384は回転しないので、時差修正機構付き時計において時差修正を行っている状態で、秒針166は正確に秒を表示し、分針172は正確に分を表示することができる。
【0039】
なお、りゅうず198及び巻真110を上述した作動と逆の方向に回すことにより、図8に矢印188yで示す方向に時ジャンパかな186を回転させることができ、図12に矢印388yで示す方向に時ジャンパかな386を回転させることができる。
従って、本発明の時差修正機構付き時計では、りゅうず198及び巻真110を1つの方向に回転させることにより、時針196を「1時間」ずつ、すなわち、1ピッチずつ進めることができ、りゅうず198及び巻真110を他の方向に回転させることにより、時針196を「1時間」ずつ、すなわち、1ピッチずつ戻すことができる。
そのうえ、本発明の時差修正機構付き時計では、時ジャンパ184の規正ばね部分184b、時ジャンパ384の規正ばね部分384bのばね力を強くする必要がなく、時ジャンパ184、384を静止させるためのステップモータの駆動力を強くする必要もない。
【0040】
(3−3)針合わせ
次に、時計の針合わせを行う場合の作動について説明する。
本発明の時差修正機構付き時計の第1の実施の形態において、巻真110を2段目に引き出すと、つづみ車114の甲歯114aが小鉄車128と噛み合う。この状態で、巻真110を回転させると、つづみ車114の回転に基づいて小鉄車128が回転し、小鉄車128の回転に基づいて、日の裏車126が回転する。従って、巻真110が2段目にあるときに、巻真110を回転させることにより、「針合わせ」をすることができる。
すなわち、巻真110が2段目にあるときに、巻真110を回転させることにより、筒車190を回転させて、筒車190に取付けられた時針196が表示する「時」の表示内容を修正し、同時に、分車270を回転させることにより、分車270に取付けられた分針172が表示する「分」の表示内容を修正することができる。そして、規正レバー(図示せず)の作用により、「時」及び「分」の表示内容を修正している間、「秒」の表示内容は変化しない。
このような作動は、本発明の時差修正機構付き時計の第2の実施の形態についても同様である。
【0041】
(4)本発明の時差修正機構付き時計の他の構成
上記の説明は、秒針を有する時差修正機構付き時計の実施の形態について行ったけれども、本発明の時差修正機構付き時計は、秒針をもたない「二針時計」又は「一針時計」であってもよい。
また、上記の説明は、筒車190に取付けられた時針196が12時間で1回転するような「12時間表示針」を有する時差修正機構付き時計の実施の形態について行ったけれども、本発明の時差修正機構付き時計は、筒車190に取付けられた時針196が24時間で1回転するような「24時間表示針」を有する時差修正機構付きにも適用することができる。この場合には、日の裏車126と筒車190との間に日の裏中間車を設けて、筒車190が24時間で1回転するように構成する。そして、時ジャンパ186かなの時ジャンパかな歯部分186aの歯数を24とする。
【0042】
この構成では、第1時差修正かな132aとつづみ車114の乙歯114bとの間の噛み合いの回転バックラッシュと、第2時差修正車134の第2時差修正かな134aと第3時差修正車136の第3時差修正歯車136bとの間の噛み合いの回転バックラッシュと、第3時差修正車136の第3時差修正歯車136bと時表示車188の時表示歯車188bの間の噛み合いの回転バックラッシュとを合計して、時表示車188の回転角度に換算したときの合計回転バックラッシュ量は、時表示車188の半ピッチの回転に対応する時表示車188の回転角度、すなわち、7.5度より大きくなるように構成するのがよい。
従って、巻真を1つの方向に回転させることにより、「24時間表示針」を「1時間」ずつ、すなわち、1ピッチずつ進めることができ、巻真を他の方向に回転させることにより、「24時間表示針」を「1時間」ずつ、すなわち、1ピッチずつ戻すことができる。
【0043】
更に、本発明の時差修正機構付き時計は、日車、曜車、月表示車、月齢表示車、六曜表示車、年表示車等を有する時計にも適用することができる。
【0044】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように、時差修正機構付き時計において、上記のように構成したので、以下に記載する効果を有する。
(1)時計の時差修正をする場合に、巻真を回転させるとき、従来より少ない巻真の回転角度で、迅速に時針を1ピッチ送ることができる。
(2)時ジャンパの規正ばね部分のばね力を従来より小さくすることができ、ステップモータの駆動力を小さくすることができるので、時計の電池寿命を長くすることができる。
(3)時ジャンパの規正ばね部分のばね力を従来より小さくすることができるので、時計の時差修正をしているときに、分針、秒針等のふらつきを小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の時差修正機構付き時計の第1の実施の形態の構造を示す部分断面図である。
【図2】時計のガラス側から見たときの、本発明の時差修正機構付き時計の第1の実施の形態の構造を示す概略平面図である。
【図3】本発明の時差修正機構付き時計に用いられるつづみ車を示す平面図である。
【図4】本発明の時差修正機構付き時計に用いられるつづみ車を示す正面図である。
【図5】本発明の時差修正機構付き時計に用いられる第1時差修正車を示す平面図である。
【図6】本発明の時差修正機構付き時計に用いられる第1時差修正車を示す側面図である。
【図7】本発明の時差修正機構付き時計に用いられる時ジャンパ付き筒歯車を示す平面図である。
【図8】本発明の時差修正機構付き時計の第1の実施の形態において、時ジャンパの規正部が時ジャンパかなの歯の頂点にあたっているときの作動を示す平面図である。
【図9】軸線の方向から見たときの、図8に対応する側面図である。
【図10】本発明の時差修正機構付き時計の第1の実施の形態において、時ジャンパの規正部が時ジャンパかなの歯の頂点を越えて時ジャンパかなを規正したときの作動を示す平面図である。
【図11】軸線の方向から見たときの、図10に対応する側面図である。
【図12】本発明の時差修正機構付き時計の第2の実施の形態において、時ジャンパの規正部が時ジャンパかなの歯の頂点にあたっているときの作動を示す平面図である。
【図13】図12に示す歯車の噛み合い部分の部分拡大平面図である。
【図14】本発明の時差修正機構付き時計の第2の実施の形態において、時ジャンパの規正部が時ジャンパかなの歯の頂点を越えて時ジャンパかなを規正したときの作動を示す平面図である。
【図15】図14に示す歯車の噛み合い部分の部分拡大平面図である。
【図16】本発明の時差修正機構付き電子時計の構成を示す機能ブロック図である。
【図17】本発明の時差修正機構付き機械式時計の構成を示す機能ブロック図である。
【図18】本発明の時差修正機構付き時計のコンプリートを示す平面図である。
【図19】従来の時差修正機構付き時計において、時ジャンパの規正部が時ジャンパかなの歯の頂点にあたっているときの作動を示す平面図である。
【図20】軸線の方向から見たときの、図19に対応する側面図である。
【図21】従来の時差修正機構付き時計において、時ジャンパの規正部が時ジャンパかなの歯の頂点を越えたときの作動を示す平面図である。
【図22】軸線の方向から見たときの、図21に対応する側面図である。
【符号の説明】
100 ムーブメント
102 地板
104 第二地板
108 文字板
110 巻真
114 つづみ車
120 おしどり
122 かんぬき
126 日の裏車
128 小鉄車
132 第1時差修正車
134 第2時差修正車
136 第3時差修正車
138 回路ブロック
140 集積回路
142 水晶ユニット
144 発振部
146 分周部
148 駆動部
150 コイルブロック
152 ステータ
154 ロータ
156 五番車
158 輪列受
160 裏物押さえ
162 中心パイプ
164 四番車
166 秒針
168 三番車
170 二番車
172 分針
176 電池
182 筒歯車
184 時ジャンパ
186 時ジャンパかな
188 時表示車
190 筒車
192 針座
196 時針
198 りゅうず
200 コンプリート
210 てんぷ
230 香箱車
232 香箱真
234 ぜんまい
236 香箱歯車
260 分車
262 がんぎ車
264 秒車
268 アンクル
270 分車
282 分伝えかな
314 つづみ車
332 第1時差修正車
334 第2時差修正車
336 第3時差修正車
382 筒歯車
384 時ジャンパ
386 時ジャンパかな
388 時表示車
390 筒車
410 巻真
414 つづみ車
432 第1時差修正車
434 第2時差修正車
436 第3時差修正車
482 筒歯車
484 時ジャンパ
486 時ジャンパかな
488 時表示車
490 筒車

Claims (3)

  1. 時針が表示している内容を修正することができる時差修正機構付き時計において、
    時計の表輪列の回転に基づいて回転する筒歯車(182)と、
    筒歯車(182)の回転に基づいて回転する時表示車(188、388)と、
    筒歯車(182)と時表示車(188、388)との間に設けられたスリップ機構と、
    時表示車(188、388)に取付けられ、時に関する情報を表示するための時表示部材(196)と、
    時計の時差修正が可能な状態において、巻真(110)の回転により回転して、スリップ機構をスリップさせることにより、時表示車(188、388)を筒歯車(182)に対して1ピッチずつ回転させることができる時差修正輪列とを備え、
    前記時差修正輪列は、巻真(110)の回転軸線を回転中心として回転するつづみ車(114)と、巻真(110)の回転軸線を回転中心として回転する第1時差修正車(132)と、第1時差修正車(132)の回転に基づいて回転する第2時差修正車(134)とを含み、
    第1時差修正車(132)は、時計の時差修正が可能な状態において、巻真(110)の回転によりつづみ車(114)の回転を介して回転可能に構成され、 時表示車(188)は第2時差修正車(134)の回転に基づいて回転するように構成されており、
    つづみ車(114)は、時計の時差修正が可能な状態において、時差修正輪列を回転させるための乙歯(114b)を備え、
    第1時差修正車(132)は、時計の時差修正が可能な状態において、つづみ車(114)の乙歯(114b)と噛み合う第1時差修正かな(132a)と、第2時差修正車(134)を回転させるための第1時差修正歯車(132b)とを備え、
    つづみ車(114)の乙歯(114b)と第1時差修正車(132)の第1時差修正かな(132a)との間の噛み合いの回転バックラッシュを時表示車(188、388)の回転角度に換算したときの換算回転バックラッシュ量が、時表示車(188、388)の半ピッチの回転に対応する時表示車(188、388)の回転角度より大きくなるように構成されている、
    ことを特徴とする時差修正機構付き時計。
  2. つづみ車(114)の乙歯(114b)の歯数は2であり、第1時差修正車(132)の第1時差修正かな(132a)の歯数は2であることを特徴とする、請求項1に記載の時差修正機構付き時計。
  3. 時針が表示している内容を修正することができる時差修正機構付き時計において、
    時計の表輪列の回転に基づいて回転する筒歯車(182)と、
    筒歯車(182)の回転に基づいて回転する時表示車(188、388)と、 筒歯車(182)と時表示車(188、388)との間に設けられたスリップ機構と、
    時表示車(188、388)に取付けられ、時に関する情報を表示するための時表示部材(196)と、
    時計の時差修正が可能な状態において、巻真(110)の回転により回転して、スリップ機構をスリップさせることにより、時表示車(188、388)を筒歯車(182)に対して1ピッチずつ回転させることができる時差修正輪列とを備え、
    前記時差修正輪列は、巻真(110)の回転軸線を回転中心として回転するつづみ車と、巻真(110)の回転軸線を回転中心として回転する第1時差修正車(332)と、第1時差修正車(332)の回転に基づいて回転する第2時差修正車(334)と、第2時差修正車(334)の回転に基づいて回転する第3時差修正車(336)とを含み、
    第1時差修正車(332)は、時計の時差修正が可能な状態において、巻真(110)の回転により、つづみ車の回転を介して回転可能に構成され、
    第2時差修正車(334)は、時計の時差修正が可能な状態において、巻真(110)の回転により、つづみ車及び第1時差修正車(332)の回転を介して回転可能に構成され、
    第3時差修正車(336)は、時計の時差修正が可能な状態において、巻真(110)の回転により、つづみ車及び第1時差修正車(332)及び第2時差修正車(334)の回転を介して回転可能に構成され、
    時表示車(388)は第3時差修正車(336)の回転に基づいて回転するように構成されており、
    つづみ車は、時計の時差修正が可能な状態において、時差修正輪列を回転させるための乙歯を備え、
    第1時差修正車(332)は、時計の時差修正が可能な状態において、つづみ車の乙歯と噛み合う第1時差修正かなと、第2時差修正車(334)を回転させるための第1時差修正歯車(332b)とを備え、
    第2時差修正車(334)は、第1時差修正歯車(332b)と噛み合う第2時差修正歯車(334b)と、第3時差修正車(336)を回転させるための第2時差修正かな(334a)とを備え、
    第3時差修正車(336)は、第2時差修正かな(334a)及び時表示車(388)と噛み合う第3時差修正歯車(336b)を備え、
    第2時差修正かな(334a)と第3時差修正歯車(336b)の噛み合いの回転バックラッシュと、第3時差修正歯車(336b)と時表示車(388)の噛み合いの回転バックラッシュを合計して時表示車(388)の回転角度に換算したときの合計回転バックラッシュ量が、時表示車(388)の半ピッチの回転に対応する時表示車(388)の回転角度より大きくなるように構成されている、
    ことを特徴とする時差修正機構付き時計。
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