JP3523508B2 - 修正機構付き時計 - Google Patents

修正機構付き時計

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JP3523508B2
JP3523508B2 JP31952498A JP31952498A JP3523508B2 JP 3523508 B2 JP3523508 B2 JP 3523508B2 JP 31952498 A JP31952498 A JP 31952498A JP 31952498 A JP31952498 A JP 31952498A JP 3523508 B2 JP3523508 B2 JP 3523508B2
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貴之 里舘
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セイコーインスツルメンツ株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、時刻情報を表示す
る表示部材の表示内容を修正するための時刻修正機構、
時針が表示している内容を修正するための時差修正機
構、日車が表示している内容を修正するための日修正機
構等を有する時計に関する。本発明は、特に、プラスチ
ック等の材料で作られた地板を備え、この地板に形成さ
れたピンに対して回転可能に配置された修正用歯車を備
えた修正機構付き時計に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、時計の駆動部分を含む機械体を
「ムーブメント」と称し、このムーブメントに文字板、
針を付けて、時計ケースの中に入れて完成品にした状態
を時計の「コンプリート」と称している。更に、時計の
基板を構成する地板の両側のうちで、時計ケースのガラ
スのある方の側、すなわち、文字板のある方の側をムー
ブメントの「裏側」又は「ガラス側」と称し、時計ケー
スの裏ぶたのある方の側、すなわち、文字板と反対の側
をムーブメントの「表側」又は「裏ぶた側」と称する。
ムーブメントの「表側」に組み込まれる輪列を「表輪
列」と称し、ムーブメントの「裏側」に組み込まれる輪
列を「裏輪列」と称している。
【0003】従来の時刻修正機構付き時計、時差修正機
構付き時計、日修正機構付き時計等の修正機構付き時計
は、一般的には、金属で作られた地板を備えている。こ
のような修正機構付き時計において、地板をプラスチッ
クで作るときには、修正機構に含まれる歯車が、このプ
ラスチック地板に固定された金属のピンに対して回転可
能に配置されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の修正
機構付き時計では、修正の作動を行うときに、地板に形
成された修正歯車用ピンに、通常の運針時に比べて非常
に高い負荷が加わる。このため、修正歯車用ピンを一体
に形成した地板をプラスチックで作るのがむずかしかっ
た。特に、従来の時差修正機構付き時計では、巻真の回
転によりつづみ車を回転させ、つづみ車の回転により時
差修正輪列を回転させていた。この時差修正輪列は、回
転の中心軸線が直交する輪列を含んでいる。このような
輪列では、修正の作動を行うときに、高い負荷が駆動歯
車から被駆動歯車に対して、被駆動歯車の回転の中心軸
線に対して斜めの方向にかかる。
【0005】このため、従来の時差修正機構付き時計で
は、地板に設けられたピンの耐久性能の点で、時差修正
歯車用ピンを一体に形成した地板をプラスチックで作る
のがむずかしかった。
【0006】
【発明の目的】そこで、従来のこのような課題を解決す
るため、本発明の目的は、修正の作動を行っても、ピン
が削れるおそれが少ない修正機構付き時計を提供するこ
とにある。また、本発明の他の目的は、プラスチックの
地板を備えた時差修正機構付き時計を実現することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、巻真を回転させることにより、表示部材
の表示内容を修正することができる修正機構を備えた修
正機構付き時計において、プラスチックで形成された基
板と、基板に一体に形成された修正車用ピンと、修正車
用ピンに取付けられた金属製のピン補強用ブシュとを備
えるように構成した。この修正機構付き時計では、巻真
を回転させることにより回転するように構成され、修正
機構に含まれる修正歯車のうちの1つが、ピン補強用ブ
シュに対して回転可能に配置されていることを特徴とす
る。この構成により、修正の作動を行っても、基板に一
体に形成されたプラスチックのピンが削れるおそれをな
くすことができる。
【0008】本発明の修正機構付き時計は、巻真を回転
させることにより回転する第1の修正歯車と、第1の修
正歯車の回転により回転する第2の修正歯車とを備え、
第2の修正歯車が、ピン補強用ブシュに対して回転可能
に配置されており、第2の修正歯車の回転中心軸線が、
第1の修正歯車の回転中心軸線に対して直交するように
構成されていることを特徴とする。すなわち、本発明の
修正機構付き時計は、駆動歯車の回転中心軸線が、被駆
動歯車の回転中心軸線に対して直交するように構成され
ている構造に適用することができる。
【0009】本発明の修正機構付き時計は、ピン補強用
ブシュの先端部を基板に対して弾性力により保持するた
めの、弾性金属材料で作られた押さえ部材を備えている
のが好ましい。この構成により、確実に、ピン補強用ブ
シュを基板に保持することができる。また、本発明の修
正機構付き時計は、12時間に1回転する筒車を備え、
筒車が、時計の表輪列の回転に基づいて回転する筒歯車
と、筒歯車の回転に基づいて12時間に1回転するよう
に構成された時表示車と、筒歯車と時表示車との間に設
けられたスリップ機構とを含むように構成されている。
そして、本発明の修正機構付き時計は、表示車に取付け
られた時針を備え、時計の時差修正が可能な状態におい
て、巻真の回転により回転して、スリップ機構をスリッ
プさせることにより、時表示車を筒歯車に対して1ピッ
チずつ回転させることができる時差修正輪列を備え、時
差修正機構に含まれる修正歯車のうちの1つが、ピン補
強用ブシュに対して回転可能に配置さるように構成され
ている。
【0010】この構成により、時差修正の作動を行って
も、時差修正機構に含まれる修正歯車のうちの1つを配
置したピンの削れのおそれが少ない、プラスチック基板
を備えた時差修正機構付き時計を実現することができ
る。更に、本発明の修正機構付き時計は、巻真の回転に
より回転するつづみ車と、時計の針合わせ可能な状態に
おいて、つづみ車の回転により、時刻を表示する表示部
材の表示内容を修正することができる時刻修正機構とを
備え、時刻修正機構に含まれる小鉄車が、ピン補強用ブ
シュに対して回転可能に配置されていることを特徴とす
る。この構成により、針合わせの作動を行っても、小鉄
車ピンの削れのおそれが少ない、プラスチック基板を備
えた表示修正機構付き時計を実現することができる。
【0011】更に、本発明の修正機構付き時計は、巻真
の回転により回転するつづみ車と、日に関する情報を表
示するための日車と、時計の日修正が可能な状態におい
て、つづみ車の回転により、日車の表示内容を修正する
ことができる日修正機構とを備え、日修正機構に含まれ
る日修正車のうちの1つが、ピン補強用ブシュに対して
回転可能に配置されていることを特徴とする。この構成
により、日修正の作動を行っても、日修正機構に含まれ
る日修正車のうちの1つを配置したピンの削れのおそれ
が少ない、プラスチック基板を備えた日修正機構付き時
計を実現することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の修正機構付き時
計の実施の形態を図面に基づいて説明する。 (1)本発明の修正機構付き時計の第1の実施の形態の
構造 図1及び図2を参照すると、本発明の修正機構付き時計
のムーブメント100は電子時計で構成されており、時
差修正機構を備えている。ムーブメント100は、時計
ムーブメントの基板を構成する地板102を有する。地
板102は、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリ
サルフォン、アクリル等のプラスチックで作られる。巻
真110が、地板102に回転可能に組み込まれる。第
二地板104が地板102のガラス側に取付けられる。
第二地板104は、ポリカーボネート、ポリアセター
ル、ポリサルフォン、アクリル等のプラスチックで作ら
れる。文字板108がムーブメント100のガラス側に
取付けられる。
【0013】巻真110は角部110aと、案内軸部1
10bとを有する。つづみ車114が巻真110の角部
110aに組み込まれる。つづみ車114は巻真110
の回転軸線と同一の回転軸線を有する。すなわち、つづ
み車114は角穴114fを有し、この角穴114fが
角部110aに嵌め合うことにより、巻真110の回転
に基づいて回転するように設けられている。つづみ車1
14は甲歯114aと、乙歯114bとを有する。甲歯
114aはムーブメントの中心に近い方のつづみ車11
4の端部に設けられる。乙歯114bはムーブメントの
中心から遠い方のつづみ車114の端部に設けられる。
おしどり120が地板102の表側に回転可能に配置さ
れる。かんぬき122が地板102の表側に回転可能に
配置される。かんぬき122は、かんぬきばね部(図示
せず)のばね力により、おしどり120の先端部に押し
付けられるように付勢されている。かんぬき押さえ(図
示せず)がおしどり120及びかんぬき122を押さえ
るように設けられる。おしどり120に設けられたおし
どり位置決めピン(図示せず)がかんぬき押さえのおし
どり位置決め山形部(図示せず)に係合し、かんぬき押
さえにより、おしどり120は、3つの回転方向の位置
に位置決めされる。
【0014】おしどり120の巻真案内部120cが巻
真110の段部110cに係合して、おしどり120の
回転に基づいて巻真110の回転軸線方向の位置を決め
る。かんぬき122のつづみ車案内部122cがつづみ
車114の段部114cに係合して、かんぬき122の
回転に基づいてつづみ車114の回転軸線方向の位置を
決める。おしどり120の回転に基づいて、かんぬき1
22は3つの回転方向の位置に位置決めされる。本発明
の修正機構付き時計の構成では、巻真110が「0段
目」にある状態では、つづみ車114はムーブメントに
対して中間の第1の位置にあり、巻真110が「1段
目」にある状態では、つづみ車114はムーブメントの
外側に近い第2の位置にあり、巻真110が「2段目」
にある状態で、つづみ車114はムーブメントの内側に
近い第3の位置にあるように構成されている。
【0015】小鉄車128の回転中心を構成する小鉄車
ピン102cが、地板102の表側で巻真110の回転
軸線上に設けられる。小鉄車128が小鉄車ピン102
cに回転可能に組み込まれる。小鉄車128は、巻真1
10が「0段目」及び「1段目」にある状態で、つづみ
車114の甲歯114aと噛み合わず、巻真110が
「2段目」にある状態で、つづみ車114の甲歯114
aと噛み合うように構成されている。本発明の修正機構
付き時計のムーブメント100の時差修正輪列は、巻真
110の回転軸線を回転中心として回転するつづみ車1
14と、巻真110の回転軸線を回転中心として回転す
る第1時差修正車132と、第1時差修正車132の回
転に基づいて回転する第2時差修正車134と、第2時
差修正車134の回転に基づいて回転する第3時差修正
車136とを含む。
【0016】第1時差修正車132は、巻真110の回
転軸線を回転中心として回転するように、巻真110に
組み込まれる。第2時差修正車ピン102pが、地板1
02のガラス側に、地板102と一体に形成されてい
る。第2時差修正車ピン102pを補強するためのピン
補強部材を構成する時差修正車用ブシュ332が、第2
時差修正車ピン102pに嵌め込まれている。図3及び
図4を参照すると、時差修正車用ブシュ332は、フラ
ンジ部分332fと、案内軸部分332gと、台部分3
32hと、先端部分332jと、中心穴332kとを含
む。時差修正車用ブシュ332の中心穴332kは、ガ
ラス側から第2時差修正車ピン102pにはめ込まれ
る。時差修正車用ブシュ332は、黄銅、りん青銅等の
銅合金、ステンレス鋼、炭素鋼、快削ステンレス鋼、快
削炭素鋼等の金属で作られている。
【0017】再び図1及び図2を参照すると、第2時差
修正車134は、その中心穴が時差修正車用ブシュ33
2に対して回転可能に、地板102のガラス側に組み込
まれる。第2時差修正車134の中心穴のまわりの裏ぶ
た側の表面は、時差修正車用ブシュ332のフランジ部
分332fに接触するように配置される。従って、第2
時差修正車134は、地板102に接触しないように配
置される。上述した本発明の第1の実施の形態では、第
2時差修正車ピン102pが地板102に設けられてい
るが、第2時差修正車ピン102pは、第二地板104
に設けられていてもよいし、カレンダ裏板に設けられて
いてもよいし、他の押さえ部材に設けられていてもよ
い。第1時差修正車132は、本発明の修正機構付き時
計のムーブメント100において、時差修正が可能な状
態において、つづみ車114の乙歯114bと噛み合う
第1時差修正かな132aと、第2時差修正車134を
回転させるための第1時差修正歯車132bとを備えて
いる。
【0018】第2時差修正車134は、第1時差修正歯
車132bと噛み合う第2時差修正歯車134bと、第
3時差修正車136を回転させるための第2時差修正か
な132aとを備えている。従って、第1時差修正車1
32の回転中心軸線と、第2時差修正車134の回転中
心軸線とは平行でなく、直交するように配置されてい
る。時差修正車用ブシュ332を第2時差修正車ピン1
02pに嵌め込んだ構成により、第2時差修正車134
の回転により、地板102の第2時差修正車ピン102
pが摩耗するおそれは全くない。裏物押さえ160が、
地板102及び第二地板104のガラス側に組み込まれ
る。裏物押さえ160は、りん青銅等の銅合金、ステン
レス鋼等の金属弾性材料で作られている。ピン押さえ部
分160pが裏物押さえ160に形成されている。ピン
押さえ部分160pは、裏物押さえ160の本体部分1
60bから延びた弾性変形可能なばね状部分160qの
先端部材に形成される。
【0019】裏物押さえ160の厚さは、例えば、0.
15〜0.4ミリメートルであるのが好ましい。ばね状
部分160qは、裏物押さえ160の厚さが0.2ミリ
メートルであるときは、幅が0.2〜0.5ミリメート
ルであり、長さが3〜5ミリメートルであるのが好まし
い。ばね状部分160qは、裏物押さえ160の厚さが
0.3ミリメートルであるときは、幅が0.5〜0.8
ミリメートルであり、長さが5〜10ミリメートルであ
るのが好ましい。時差修正車用ブシュ332は、地板1
02のガラス側からピン押さえ部分160pによって弾
性力によって地板102に押し付けられるように構成さ
れている。この構成により、時差修正車用ブシュ332
は、地板102の第2時差修正車ピン102pから外れ
るおそれはない。また、時差修正車用ブシュ332が、
地板102の第2時差修正車ピン102pに対して回転
するおそれは少ない。従って、時差修正車用ブシュ33
2により、第2時差修正車134が回転することにより
地板102が摩耗するのを、非常に効果的に阻止するこ
とができる。
【0020】変形例として、ピン押さえ部分160p
は、ばね状部分を設けることなく裏物押さえ160の一
部分に形成されていてもよい。この構成では、時差修正
車用ブシュ332の中心穴332kは、第2時差修正車
ピン102pに締まり嵌めで取付けられるのがよい。こ
のような構成の時差修正車用ブシュ332によっても、
第2時差修正車134が回転することにより地板102
が摩耗するのを、効果的に阻止することができる。第3
時差修正車136は、第二地板104に回転可能に、第
二地板104のガラス側に組み込まれる。第2時差修正
車134の一部分は、裏物押さえ160と地板102と
の間に配置されている。第2時差修正車134の他の一
部分は、地板102と第二地板104との間に位置す
る。第3時差修正車136は、裏物押さえ160と第二
地板104との間に配置されている。
【0021】第3時差修正車136の第3時差修正歯車
136bは、第2時差修正かな134aと噛み合い、時
表示車188の時表示歯車188bと噛み合っている。
筒車190は、筒歯車182と、時ジャンパ184と、
時ジャンパかな186と、時表示車188とを含む。ス
リップ機構は、時ジャンパかな186と時ジャンパ18
4とにより構成される。時ジャンパかな186は時表示
車188に固定されている。時ジャンパかな186は、
時ジャンパかな歯部分186aを有する。時ジャンパか
な歯部分186aの歯数は12である。時ジャンパかな
歯部分186aの歯数は、時表示車188に取付けられ
た時針による「12時間」の表示に対応する。時ジャン
パ184は筒歯車182に固定されている。時ジャンパ
184は、2つの規正部分を有する。規正部分は規正ば
ね部分を介して時ジャンパ184に一体に形成されてい
る。
【0022】修正機構付き時計の動力源を構成する電池
176が、地板102の裏ぶた側に配置される。時計の
源振を構成する水晶ユニット140が地板102の裏ぶ
た側に配置される。例えば、32,768ヘルツで発振
する水晶振動子が、水晶ユニット140に収容されてい
る。水晶振動子の振動に基づいて基準信号を出力する発
振部(オシレータ)144と、発振部144の出力信号
を分周する分周部(デバイダ)146と、分周部146
の出力信号に基づいてステップモータを駆動するモータ
駆動信号を出力する駆動部(ドライバ)148とが、集
積回路(IC)142に内蔵されている。集積回路(I
C)142は、例えば、C−MOS又はPLAで構成さ
れる。集積回路(IC)142をC−MOSで構成した
場合には、発振部144と、分周部146と、駆動部1
48とは、集積回路142に内蔵される。集積回路(I
C)142をPLAで構成した場合には、発振部144
と、分周部146と、駆動部148とは、PLAに記憶
されているプログラムにより動作するように構成され
る。
【0023】水晶ユニット140と集積回路142とは
回路基板(図示せず)に固定される。回路基板と、水晶
ユニット140と、集積回路142とが回路ブロック1
38を構成する。回路ブロック138は、地板102の
裏ぶた側に配置される。磁心に巻いたコイルワイヤを含
むコイルブロック150と、コイルブロック150の磁
心の両端部分と接触するように配置されたステータ15
2と、ステータ152のロータ穴に配置されたロータ磁
石を含むロータ154とが、地板102の裏ぶた側に配
置される。コイルブロック150と、ステータ152
と、ロータ154とが、ステップモータを構成する。ロ
ータ154の回転に基づいて回転する五番車156が、
地板102の裏ぶた側に配置される。五番車156の回
転に基づいて回転する四番車164が、地板102の裏
ぶた側に配置される。四番車164は1分間に1回転す
るように構成されている。秒針166が四番車164に
取付けられている。
【0024】四番車164の回転に基づいて回転する三
番車168が、地板102の裏ぶた側に配置される。三
番車168の回転に基づいて回転する二番車170が、
地板102の裏ぶた側に配置される。二番車170の代
わりに分車を用いてもよい。分針172が二番車170
に取付けられている。スリップ機構が二番車170又は
分車に設けられている。スリップ機構により、針合わせ
をするときに、秒針166を停止させた状態で、巻真1
10を回転させることにより、分針172及び時針19
6を回転させることができる。針合わせをするときに、
四番車164又は五番車156を規正して秒針166を
停止させるために、規正レバー(図示せず)が設けられ
ている。二番車170又は分車は1時間に1回転するよ
うに構成されている。
【0025】二番車170の回転に基づいて回転する日
の裏車126が、地板102の裏ぶた側に配置される。
日の裏車126の日の裏歯車126bは、小鉄車128
と噛み合うように配置される。輪列受158が、地板1
02の裏ぶた側に配置される。ロータ154の上軸部、
五番車156の上軸部、四番車164の上軸部、三番車
168の上軸部、日の裏車126の上軸部は、輪列受1
58に回転可能に支持されている。ロータ154の下軸
部、五番車156の下軸部、三番車168の下軸部、日
の裏車126の下軸部は、地板102に回転可能に支持
されている。小鉄車128は、地板102と輪列受15
8との間に配置されている。中心パイプ162が地板1
02に固定されている。中心パイプ162は地板102
の裏ぶた側から地板102のガラス側に延びている。二
番車170は、中心パイプ162の穴部の中に回転可能
に支持されている。四番車164のそろばん玉は、二番
車170の穴部の中に回転可能に支持されている。
【0026】筒車190は、日の裏車126の回転に基
づいて回転するように、地板102のガラス側に配置さ
れる。日の裏車126の日の裏かな126aは、地板1
02のガラス側に位置し、筒歯車182と噛み合うよう
に構成されている。筒車190の時ジャンパかな186
の穴部は、中心パイプ162の軸部分の外周部に回転可
能に支持されている。筒車190は12時間に1回転す
るように構成されている。時針196が筒車190の時
表示車188に取付けられている。時表示車188は筒
部分188aと歯車部分188bとを含む。針座192
が、時表示車188の歯車部分188bのガラス側の表
面と、裏物押さえ160の裏ぶた側の表面との間に配置
される。針座192は金属等の弾性材料で作られてい
る。針座192は、時表示車188を裏物押さえ160
から軸線方向に離す方向に弾性的な力を加えるように配
置されている。筒車190の回転中心軸線は、四番車1
64の回転中心軸線と同じであり、かつ、二番車170
の回転中心軸線と同じである。従って、本発明の修正機
構付き時計は、いわゆる「中三針時計」である。
【0027】(2)本発明の修正機構付き時計の実施の
形態の作動 (2−1)通常運針 次に、本発明の修正機構付き時計を電子時計で構成した
場合の作動について説明する。本発明の修正機構付き時
計の第1の実施の形態において、図5を参照すると、電
池176が修正機構機構付き時計の動力源を構成する。
水晶ユニット140に収容された水晶振動子(図示せ
ず)が、例えば、32,768ヘルツで発振する。この
水晶振動子の振動に基づいて、集積回路142に内蔵さ
れている発振部144が基準信号を出力し、分周部14
6が発振部144の出力信号を分周する。駆動部148
が分周部146の出力信号に基づいて、ステップモータ
を駆動するモータ駆動信号を出力する。コイルブロック
150がモータ駆動信号を入力すると、ステータ152
が磁化して、ロータ154を回転させる。ロータ154
は、例えば、1秒ごとに180度回転する。
【0028】ロータ154の回転に基づいて、五番車1
56の回転を介して四番車164が回転する。四番車1
64は1分間に1回転するように構成されている。秒針
166が四番車164に取付けられている。ロータ15
4の回転に基づいて、1つ以上の輪列を介して秒車を回
転させるように構成してもよい。四番車164又は秒車
を、時計の中心に配置してもよいし、時計の中心とは異
なる位置に配置してもよい。三番車168が四番車16
4の回転に基づいて回転する。二番車170が三番車1
68の回転に基づいて回転する。二番車170の代わり
に分車を用いてもよい。分針172が二番車170に取
付けられている。スリップ機構が二番車170又は分車
に設けられている。スリップ機構により、針合わせをす
るときに、秒針166を停止させた状態で、巻真110
を回転させることにより、分針172及び時針196を
回転させることができる。二番車170又は分車は1時
間に1回転する。
【0029】日の裏車126が二番車170の回転に基
づいて回転する。筒車190が日の裏車126の回転に
基づいて回転する。すなわち、日の裏車126の日の裏
かな126aが、筒歯車182を回転させることによ
り、筒車190は12時間に1回転する。次に、本発明
の修正機構付き時計を機械式時計で構成した場合の作動
を説明する。図6を参照すると、本発明の修正機構付き
時計は、香箱車230に収容されているぜんまいを動力
源とする。香箱車230の回転により二番車170が回
転する。二番車170の回転に基づいて、三番車168
を介して秒車264が回転する。秒車264に取付けら
れた秒針166が「秒」を表示する。秒車264の回転
速度は、てんぷ210、アンクル268及びがんぎ車2
62により制御されている。
【0030】また、二番車170の回転に基づいて、分
伝えかな282を介して分車270が回転する。分車2
70に取付けられた分針172が「分」を表示する。分
車270には、スリップ機構が設けられている。更に、
分車270の回転に基づいて、日の裏車126が回転す
る。日の裏車126の回転に基づいて、筒車190が回
転する。その他の部分の作動は、本発明の修正機構付き
電子時計の第1の実施の形態と同様である。
【0031】(2−2)時差修正 次に、本発明の修正機構付き時計において、時差修正を
行う場合の作動について説明する。図1及び図2を参照
すると、巻真110を1段目に引き出し、時計の時差修
正が可能な状態において、巻真110を回転させるとつ
づみ車114が回転し、つづみ車114の回転により、
第1時差修正車132、第2時差修正車134、第3時
差修正車136の回転を介して、時表示車188が回転
する。時表示車188が回転することにより、時ジャン
パ184が回転し、時ジャンパ184の規正ばね部分の
ばね力により、時ジャンパかな186の1ピッチ分の送
りが完了する。図7に示すように、本発明の修正機構付
き時計のコンプリート200において、巻真110に取
付けたりゅうず198を回転させることにより、時針1
96は、時差修正前の実線で示す位置196mから、矢
印196xの方向に回転して、2点鎖線で示す「1時
間」進んだ位置196n、すなわち、1ピッチ進んだ位
置に移動する。りゅうず198及び巻真110の回転に
より時表示車188を回転させても、時ジャンパ184
は回転しないので、修正機構付き時計の時差修正を行っ
ている状態で、秒針166は正確に秒を表示し、分針1
72は正確に分を表示することができる。従って、本発
明の修正機構付き時計では、りゅうず198及び巻真1
10を1つの方向に回転させることにより、時針196
を「1時間」ずつ、すなわち、1ピッチずつ進めること
ができる。また、りゅうず198及び巻真110を他の
方向に回転させることにより、時針196を「1時間」
ずつ、すなわち、1ピッチずつ戻すことができる。図7
において、時針196の回転の1ピッチは30度であ
る。
【0032】(2−3)針合わせ 次に、時計の針合わせを行う場合の作動について説明す
る。本発明の修正機構付き時計の第1の実施の形態にお
いて、巻真110を2段目に引き出すと、つづみ車11
4の甲歯114aが小鉄車128と噛み合う。この状態
で、巻真110を回転させると、つづみ車114の回転
に基づいて小鉄車128が回転し、小鉄車128の回転
に基づいて、日の裏車126が回転する。従って、巻真
110が2段目にあるときに、巻真110を回転させる
ことにより、「針合わせ」をすることができる。すなわ
ち、巻真110が2段目にあるときに、巻真110を回
転させることにより、筒車190を回転させて、筒車1
90に取付けられた時針196が表示する「時」の表示
内容を修正し、同時に、分車270を回転させることに
より、分車270に取付けられた分針172が表示する
「分」の表示内容を修正することができる。そして、規
正レバー(図示せず)の作用により、「時」及び「分」
の表示内容を修正している間、「秒」の表示内容は変化
しない。
【0033】(3)本発明の修正機構付き時計の第2の
実施の形態の構造 次に、本発明の修正機構付き時計の第2の実施の形態の
構造について、主として、前述した第1の実施の形態と
相違する部分について詳細に説明する。図8を参照する
と、本発明の修正機構付き時計のムーブメント340は
電子時計で構成されており、時、分、秒を表示する機構
を備えた秒針付きの時計である。すなわち、本発明の修
正機構付き時計の第2の実施の形態のムーブメント34
0は、時差修正機構をもたない時計である。
【0034】ムーブメント340は、時計ムーブメント
の基板を構成する地板102を有する。地板102は、
ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリサルフォン、
アクリル等のプラスチックで作られる。巻真110が、
地板102に回転可能に組み込まれる。ムーブメント3
40には、第二地板(図示せず)はなくてもよい。筒車
190は、筒部分190aと、歯車部分190bとを含
む。つづみ車114は甲歯114aを有する。甲歯11
4aはムーブメントの中心に近い方のつづみ車114の
端部に設けられる。巻真110が「0段目」にある状態
では、つづみ車114はムーブメントに対して外側に近
い第1の位置にあり、巻真110が「1段目」にある状
態では、つづみ車114はムーブメントの内側に近い第
2の位置にあるように構成されている。
【0035】おしどり120に設けられたおしどり位置
決めピン(図示せず)がかんぬき押さえのおしどり位置
決め山形部(図示せず)に係合し、かんぬき押さえによ
り、おしどり120は、2つの回転方向の位置に位置決
めされる。おしどり120の回転に基づいて、かんぬき
122は2つの回転方向の位置に位置決めされる。小鉄
車128の回転中心に位置した小鉄車ピン102cが、
地板102の表側で巻真110の回転軸線上に設けられ
る。小鉄車ピン102cは、地板102と一体に形成さ
れている。小鉄車ピン102cを補強するためのピン補
強部材を構成する小鉄車用ブシュ342が、小鉄車ピン
102cに嵌め込まれている。小鉄車用ブシュ342
は、フランジ部分342fと、案内軸部分342gと、
台部分342hと、先端部分342jと、中心穴342
kとを含む。小鉄車用ブシュ342の中心穴342k
は、裏ぶた側から小鉄車ピン102cに嵌め込まれる。
小鉄車用ブシュ342は、黄銅、りん青銅等の銅合金、
ステンレス鋼、炭素鋼、快削ステンレス鋼、快削炭素鋼
等の金属で作られている。
【0036】小鉄車128は、その中心穴が小鉄車用ブ
シュ342に対して回転可能に、地板102の裏ぶた側
に組み込まれる。小鉄車128の中心穴のまわりのガラ
ス側の表面は、小鉄車用ブシュ342のフランジ部分3
42fに接触するように配置される。従って、小鉄車1
28は、地板102に接触しないように配置される。上
述した本発明の第2の実施の形態では、小鉄車ピン10
2cが地板102に設けられているが、小鉄車ピン10
2cは、第二地板104に設けられていてもよいし、他
の押さえ部材に設けられていてもよいし、輪列受に設け
られていてもよいし、他の受け部材に設けられていても
よい。小鉄車128は、巻真110が「0段目」にある
状態で、つづみ車114の甲歯114aと噛み合わず、
巻真110が「1段目」にある状態で、つづみ車114
の甲歯114aと噛み合うように構成されている。
【0037】この構成では、つづみ車114の回転中心
軸線と、小鉄車128の回転中心軸線とは平行でなく、
直交するように配置されている。小鉄車用ブシュ342
を小鉄車ピン102cに嵌め込んだ構成により、小鉄車
128の回転により、地板102の小鉄車ピン102c
が摩耗するおそれは全くない。回路ブロック138が、
地板102の裏ぶた側に組み込まれる。回路ブロック1
38は、回路基板344と、回路押さえ板346とを含
む。回路押さえ板346は、りん青銅等の銅合金、ステ
ンレス鋼等の金属弾性材料で作られている。ピン押さえ
部分346pが回路押さえ板346に形成されている。
ピン押さえ部分346pは、回路押さえ板346の本体
部分346bから延びた弾性変形可能なばね状部分34
6qの先端部材に形成される。
【0038】回路押さえ板346の厚さは、例えば、
0.15〜0.4ミリメートルであるのが好ましい。ば
ね状部分160qは、回路押さえ板346の厚さが0.
2ミリメートルであるときは、幅が0.2〜0.5ミリ
メートルであり、長さが3〜5ミリメートルであるのが
好ましい。ばね状部分160qは、回路押さえ板346
の厚さが0.3ミリメートルであるときは、幅が0.5
〜0.8ミリメートルであり、長さが5〜10ミリメー
トルであるのが好ましい。小鉄車用ブシュ342は、地
板102の裏ぶた側からピン押さえ部分346pによっ
て弾性力によって地板102に押し付けられるように構
成されている。この構成により、小鉄車用ブシュ342
は、地板102の小鉄車ピン102cから外れるおそれ
はない。また、小鉄車用ブシュ342が、地板102の
小鉄車ピン102cに対して回転するおそれは少ない。
従って、小鉄車用ブシュ342により、小鉄車128が
回転することにより地板102が摩耗するのを、非常に
効果的に阻止することができる。
【0039】変形例として、ピン押さえ部分346p
は、ばね状部分を設けることなく回路押さえ板346の
一部分に形成されていてもよい。この構成では、小鉄車
用ブシュ342の中心穴346kは、小鉄車ピン102
cに締まり嵌めで取付けられるのがよい。このような構
成の小鉄車用ブシュ342によっても、小鉄車128が
回転することにより地板102が摩耗するのを、効果的
に阻止することができる。本発明の修正機構付き時計の
第2の実施の形態の作動は、時差修正機構に関する作動
が無い点と、巻真の1段目で針合わせを行う点を除い
て、本発明の修正機構付き時計の第1の実施の形態の作
動と同様である。
【0040】(4)本発明の修正機構付き時計の第3の
実施の形態の構造 次に、本発明の修正機構付き時計の第3の実施の形態の
構造について、主として、前述した第1の実施の形態と
相違する部分について詳細に説明する。図9を参照する
と、本発明の修正機構付き時計の第3の実施の形態のム
ーブメント350は、カレンダ機構をもった秒針付きの
時計である。すなわち、本発明の修正機構付き時計の第
3の実施の形態のムーブメント350は、日車368を
含むカレンダ機構を有している。ムーブメント350
は、時計ムーブメントの基板を構成する地板102を有
する。地板102は、ポリカーボネート、ポリアセター
ル、ポリサルフォン、アクリル等のプラスチックで作ら
れる。巻真110が、地板102に回転可能に組み込ま
れる。第二地板104が地板102のガラス側に取付け
られる。第二地板104は、ポリカーボネート、ポリア
セタール、ポリサルフォン、アクリル等のプラスチック
で作られる。文字板108がムーブメント100のガラ
ス側に取付けられる。
【0041】巻真110、つづみ車114、おしどり1
20、かんぬき122の構造は、本発明の修正機構付き
時計の第1の実施の形態のムーブメント100における
ものと同様である。従って、かんぬき押さえにより、お
しどり120は、3つの回転方向の位置に位置決めされ
る。おしどり120の回転に基づいて、かんぬき122
は3つの回転方向の位置に位置決めされる。
【0042】本発明の修正機構付き時計の第3の実施の
形態のムーブメント350では、巻真110が「0段
目」にある状態では、つづみ車114はムーブメントに
対して中間の第1の位置にあり、巻真110が「1段
目」にある状態では、つづみ車114はムーブメントの
外側に近い第2の位置にあり、巻真110が「2段目」
にある状態で、つづみ車114はムーブメントの内側に
近い第3の位置にあるように構成されている。小鉄車1
28は、巻真110が「0段目」及び「1段目」にある
状態で、つづみ車114の甲歯114aと噛み合わず、
巻真110が「2段目」にある状態で、つづみ車114
の甲歯114aと噛み合うように構成されている。図9
及び図10を参照すると、本発明の修正機構付き時計の
ムーブメント350の日修正輪列は、巻真110の回転
軸線を回転中心として回転するつづみ車114と、巻真
110の回転軸線を回転中心として回転する第1日修正
車354と、第1日修正車354の回転に基づいて回転
する第2日修正車356と、第2日修正車356の回転
に基づいて回転する第3日修正車358とを含む。本発
明の修正機構付き時計のムーブメント350の日送り輪
列は、筒車190の回転に基づいて回転する日回し車3
64と、日回し車364の回転に基づいて回転する日回
しつめ366と、日回しつめ366の回転に基づいて、
1日に1歯ずつ送られるように回転する日車368とを
含む。日車368は31枚の日歯車部分368bを有す
る。
【0043】第1日修正車354は、巻真110の回転
軸線を回転中心として回転するように、巻真110に組
み込まれる。日修正車ピン102uが、地板102のガ
ラス側に、地板102と一体に形成されている。日修正
車ピン102uを補強するためのピン補強部材を構成す
る日修正車用ブシュ362が、日修正車ピン102uに
嵌め込まれている。日修正車用ブシュ362は、フラン
ジ部分362fと、案内軸部分362gと、台部分36
2hと、先端部分362jと、中心穴362kとを含
む。日修正車用ブシュ362の中心穴362kは、ガラ
ス側から日修正車ピン102uに嵌め込まれる。日修正
車用ブシュ362は、黄銅、りん青銅等の銅合金、ステ
ンレス鋼、炭素鋼、快削ステンレス鋼、快削炭素鋼等の
金属で作られている。
【0044】第2日修正車356は、その中心穴が日修
正車用ブシュ362に対して回転可能に、地板102の
ガラス側に組み込まれる。第2日修正車356の中心穴
のまわりの裏ぶた側の表面は、日修正車用ブシュ362
のフランジ部分362fに接触するように配置される。
従って、第2日修正車356は、地板102に接触しな
いように配置される。
【0045】上述した本発明の第3の実施の形態では、
日修正車ピン102uが地板102に設けられている
が、日修正車ピン102uは、第二地板104に設けら
れていてもよいし、カレンダ裏板に設けられていてもよ
いし、他の押さえ部材に設けられていてもよい。第1日
修正車354は、本発明の修正機構付き時計のムーブメ
ント350において、日修正が可能な状態において、つ
づみ車114の乙歯114bと噛み合う第1日修正かな
354aと、第2日修正車356を回転させるための第
1日修正歯車354bとを備えている。第2日修正車3
56は、第1日修正歯車354bと噛み合う第2日修正
歯車356bと、第3日修正車358を回転させるため
の第2日修正かな356aとを備えている。従って、第
1日修正車354の回転中心軸線と、第2日修正車35
6の回転中心軸線とは平行でなく、直交するように配置
されている。日修正車用ブシュ362を第2日修正車ピ
ン102uに嵌め込んだ構成により、第2日修正車35
6の回転により、地板102の第2日修正車ピン102
uが摩耗するおそれは全くない。日車押さえ360が、
地板102及び第二地板104のガラス側に組み込まれ
る。日車押さえ360は、りん青銅等の銅合金、ステン
レス鋼等の金属弾性材料で作られている。ピン押さえ部
分360pが日車押さえ360に形成されている。ピン
押さえ部分360pは、日車押さえ360の本体部分3
60bから延びた弾性変形可能なばね状部分360qの
先端部材に形成される。日修正車用ブシュ362は、地
板102のガラス側からピン押さえ部分360pによっ
て弾性力によって地板102に押し付けられるように構
成されている。
【0046】日車押さえ360の厚さは、例えば、0.
15〜0.4ミリメートルであるのが好ましい。ばね状
部分360qは、日車押さえ360の厚さが0.2ミリ
メートルであるときは、幅が0.2〜0.5ミリメート
ルであり、長さが3〜5ミリメートルであるのが好まし
い。ばね状部分360qは、日車押さえ360の厚さが
0.3ミリメートルであるときは、幅が0.5〜0.8
ミリメートルであり、長さが5〜10ミリメートルであ
るのが好ましい。日修正車用ブシュ362は、地板10
2のガラス側からピン押さえ部分360pによって弾性
力によって地板102に押し付けられるように構成され
ている。この構成により、日修正車用ブシュ362は、
地板102の第2日修正車ピン102uから外れるおそ
れはない。また、日修正車用ブシュ362が、地板10
2の第2日修正車ピン102uに対して回転するおそれ
は少ない。従って、日修正車用ブシュ362により、第
2日修正車356の回転による地板102の摩耗を、非
常に効果的に阻止することができる。
【0047】変形例として、ピン押さえ部分360p
は、ばね状部分を設けることなく日車押さえ360の一
部分に形成されていてもよい。この構成では、日修正車
用ブシュ362の中心穴362kは、第2日修正車ピン
102uに締まり嵌めで取付けられるのがよい。このよ
うな構成の日修正車用ブシュ362によっても、第2日
修正車356の回転による地板102の摩耗を、効果的
に阻止することができる。第3日修正車358は、第二
地板104に回転可能に、第二地板104のガラス側に
組み込まれる。第2日修正車356の一部分は、日車押
さえ360と地板102との間に配置されている。第2
日修正車356の他の一部分は、地板102と第二地板
104との間に位置する。第3日修正車358は、日車
押さえ360と第二地板104との間に配置されてい
る。
【0048】第3日修正車358の第3日修正歯車35
8bは、第2日修正歯車356bと噛み合い、日車36
8の日歯車部分368bと噛み合っている。次に、本発
明の修正機構付き時計において、日修正を行う場合の作
動について説明する。図9及び図10を参照すると、巻
真110を1段目に引き出し、時計の日修正が可能な状
態にする。この状態では、図10に実線で示すように、
つづみ車114から第1日修正車354に回転が伝達さ
れる。この状態において、巻真110を回転させるとつ
づみ車114が回転し、つづみ車114の回転により、
第1日修正車354、第2日修正車356の回転を介し
て第3日修正車358が回転する。第3日修正車358
が回転することにより日車368が回転するので、日修
正を行うことができる。
【0049】図11に示すように、本発明の修正機構付
き時計のコンプリート370において、巻真110が1
段目にあるときに、巻真110に取付けたりゅうず19
8を回転させることにより、日車368を回転させるこ
とができる。本発明の修正機構付き時計の第3の実施の
形態において、通常運針時の作動は、本発明の修正機構
付き時計の第1の実施の形態の作動と同様である。本発
明の修正機構付き時計の第3の実施の形態において、針
合わせ作動を行うときには、巻真110を2段目に引き
出し、図10に点線で示すように、つづみ車114から
小鉄車128に回転が伝達される状態にする。本発明の
修正機構付き時計の第3の実施の形態における針合わせ
の作動は、本発明の修正機構付き時計の第1の実施の形
態の作動と同様である。
【0050】(5)本発明の修正機構付き時計の他の構
成 上記の説明は、秒針を有する修正機構付き時計の実施の
形態について行ったけれども、本発明の修正機構付き時
計は、秒針をもたない時計であってもよい。更に、本発
明の修正機構付き時計は、曜車、月表示車、月齢表示
車、六曜表示車、年表示車等を有する時計にも適用する
ことができる。
【0051】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように、修正機
構付き時計において、上記のように構成したので、以下
に記載する効果を有する。 (1)時刻修正、時差修正、日修正等の修正の作動を行
っても、歯車を取付けたピンが削れるおそれが少ない修
正機構付き時計を実現することができる。 (2)プラスチックの地板を備えた時差修正機構付き時
計を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の修正機構付き時計の第1の実施の形態
の構造を示す部分断面図である。
【図2】時計のガラス側から見たときの、本発明の修正
機構付き時計の第1の実施の形態の構造を示す概略平面
図である。
【図3】本発明の修正機構付き時計の第1の実施の形態
に用いられる時差修正ブシュを示す平面図である。
【図4】本発明の修正機構付き時計の第1の実施の形態
に用いられる時差修正ブシュを示す断面図である。
【図5】本発明の修正機構付き電子時計の代表的な構成
を示す機能ブロック図である。
【図6】本発明の修正機構付き機械式時計の代表的な構
成を示す機能ブロック図である。
【図7】本発明の修正機構付き時計の第1の実施の形態
のコンプリートを示す平面図である。
【図8】本発明の修正機構付き時計の第2の実施の形態
の構造を示す部分断面図である。
【図9】本発明の修正機構付き時計の第3の実施の形態
の構造を示す部分断面図である。
【図10】本発明の修正機構付き時計の第3の実施の形
態の修正機構の部分の代表的な構成を示す機能ブロック
図である。
【図11】本発明の修正機構付き時計の第3の実施の形
態のコンプリートを示す平面図である。
【符号の説明】
100 ムーブメント 102 地板 104 第二地板 108 文字板 110 巻真 114 つづみ車 120 おしどり 122 かんぬき 126 日の裏車 128 小鉄車 132 第1時差修正車 134 第2時差修正車 136 第3時差修正車 138 回路ブロック 140 集積回路 142 水晶ユニット 144 発振部 146 分周部 148 駆動部 150 コイルブロック 152 ステータ 154 ロータ 156 五番車 158 輪列受 160 裏物押さえ 162 中心パイプ 164 四番車 166 秒針 168 三番車 170 二番車 172 分針 176 電池 182 筒歯車 184 時ジャンパ 186 時ジャンパかな 188 時表示車 190 筒車 192 針座 196 時針 198 りゅうず 200 コンプリート 210 てんぷ 230 香箱車 232 香箱真 234 ぜんまい 236 香箱歯車 260 分車 262 がんぎ車 264 秒車 268 アンクル 270 分車 282 分伝えかな 314 筒車 322 筒車押さえ 324 案内パイプ 332 時差修正車用ブシュ 340 ムーブメント 342 小鉄車用ブシュ 344 回路基板 346 回路押さえ板 350 ムーブメント 354 第1日修正車 356 第2日修正車 358 第3日修正車用ブシュ 360 日車押さえ 362 日修正車用ブシュ 364 日回し車 366 日回しつめ 368 日車 370 コンプリート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G04B 29/00 G04C 3/14 G04B 19/00 G04B 33/00 G04B 27/00 G04B 31/00 G04B 19/22

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 巻真を回転させることにより、表示部材
    の表示内容を修正することができる修正機構を備えた修
    正機構付き時計において、 プラスチックで形成された基板(102)と、 基板(102)に一体に形成された修正車用ピンと、 修正車用ピンに取付けられたピン補強用ブシュ(33
    2、342、362)とを備え、 巻真(110)を回転させることにより回転するように
    構成され、修正機構に含まれる修正歯車のうちの1つ
    が、ピン補強用ブシュ(332、342、362)に対
    して回転可能に配置されている、ことを特徴とする修正
    機構付き時計。
  2. 【請求項2】 巻真(110)を回転させることにより
    回転する第1の修正歯車と、第1の修正歯車の回転によ
    り回転する第2の修正歯車とを備え、 第2の修正歯車が、ピン補強用ブシュ(332、34
    2、362)に対して回転可能に配置されており、 第2の修正歯車の回転中心軸線が、第1の修正歯車の回
    転中心軸線に対して直交するように構成されている、こ
    とを特徴とする、請求項1に記載の修正機構付き時計。
  3. 【請求項3】 ピン補強用ブシュ(332、342、3
    62)の先端部を基板に対して弾性力により保持するた
    めの、弾性金属材料で作られた押さえ部材を備えている
    ことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の修正
    機構付き時計。
  4. 【請求項4】 修正機構付き時計は、12時間に1回
    転する筒車(190)を備え、 筒車(190)が、時計の表輪列の回転に基づいて回転
    する筒歯車(182)と、筒歯車(182)の回転に基
    づいて12時間に1回転するように構成された時表示車
    (188)と、筒歯車(182)と時表示車(188)
    との間に設けられたスリップ機構とを含むように構成さ
    れており、 時表示車(188)に取付けられた時針(196)を備
    え、 時計の時差修正が可能な状態において、巻真(110)
    の回転により回転して、スリップ機構をスリップさせる
    ことにより、時表示車(188)を筒歯車(182)に
    対して1ピッチずつ回転させることができる時差修正輪
    列を備え、 時差修正機構に含まれる修正歯車のうちの1つ(13
    4)が、ピン補強用ブシュ(332)に対して回転可能
    に配置されている、ことを特徴とする、請求項1から請
    求項3のいずれか1項に記載の修正機構付き時計。
  5. 【請求項5】 修正機構付き時計は、巻真(110)
    の回転により回転するつづみ車(114)と、 時計の針合わせ可能な状態において、つづみ車(11
    4)の回転により、時刻を表示する表示部材(172、
    196)の表示内容を修正することができる時刻修正機
    構とを備え、 時刻修正機構に含まれる小鉄車(128)が、ピン補強
    用ブシュ(342)に対して回転可能に配置されてい
    る、ことを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれ
    か1項に記載の修正機構付き時計。
  6. 【請求項6】 修正機構付き時計は、巻真(110)
    の回転により回転するつづみ車(114)と、 日に関する情報を表示するための日車(368)と、 時計の日修正が可能な状態において、つづみ車(11
    4)の回転により、日車(368)の表示内容を修正す
    ることができる日修正機構とを備え、 日修正機構に含まれる日修正車のうちの1つ(356)
    が、ピン補強用ブシュ(362)に対して回転可能に配
    置されている、ことを特徴とする、請求項1から請求項
    3のいずれか1項に記載の修正機構付き時計。
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