JP3629067B2 - 缶巻締部の検査方法とその装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、破壊による缶巻締部の検査、詳細には缶の缶蓋と缶胴の材質にかかわらず、缶巻締部の内寸を破壊方法により正確に計測するようにした缶巻締部の検査方法と装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
缶詰として使用されている金属缶の缶巻締部Aは、缶蓋のカール部を缶胴のフランジの下に曲げ込まれ、これを周知の巻締めロールによって外部から内部へと次第に強く巻締めされることにより形成される。
【0003】
そして、この缶蓋100と缶胴101の巻締部の寸法管理は、缶内の商品の品質を管理するために重要であり、その寸法管理として、図10に示す、カバーフック(CH)、ボディフック(BH)、オーバーラップ(OL)などの内寸の他に巻締め厚T、巻締め幅W、およびカウターシンクCSなどの外寸を測定する必要がある。
【0004】
そこで、従来これらの寸法を測る方法として缶巻締部を破壊することなく、X線を利用して缶巻締部のX線透視を行ない、これをコンピュータで画像処理して缶巻締部の内寸と外寸法を測定する非破壊検査法があった。
【0005】
一方、この非破壊検査法以前には糸鋸や丸鋸などで缶巻締部を巻締方向とはクロスして缶軸方向に切断し、その切断部を目視あるいは治具を用いて測定する破壊検査法がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例のうち非破壊検査法は缶巻締部を切断するなどによらないために手間と時間を省き、缶材を無駄にしないという長所を有するものの、缶蓋と缶胴が同一の金属材の場合にはX線により比較的わかり易いが異なる資材間、たとえばアルミニウムと鉄板ではX線の透過率が異なり、いずれかが不鮮明な映像となり、測定精度に欠けるという問題点があった。この問題は、缶の中身の品質を保持するために、缶の中身を販売する商品メーカーの要望、すなわち非常に高い精度での缶巻締部の寸法管理が求められることに十分対応できない。
【0007】
この点、破壊方法は糸鋸などで切断した部分を直視して、直接測定する方法であるために一見測定値の安定計測が期待できそうであるが、実際には治具を用いた測定のために個人差があり、なによりも計測前の準備段階に多大の時間と手間が掛かるといった問題点があった。
【0008】
本発明は、上記従来の問題点を解決したものであり、その目的とするところは測定前における缶巻締部の切断を連続的に行なうことで計測作業の効率化を図り、カメラで撮像したものをモニタで画像処理することにより、自動かつ正確に缶巻締部を測定できるようにした缶巻締部の検査方法とその装置を提供することにある。
【0009】
本発明の別の目的は缶巻締部の測定前において必要な切断手段とその切断面の計測を容易にする巻締部変位手段、および計測手段間において被測定缶を自動的に移送することによって、検査者が立ち会っていなくとも、作業を進行できることにより作業能率の向上を図らんとする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の缶巻締部の検査装置は、装置全体として切断手段と巻締部変位手段、および計測手段とからなる。
【0011】
切断手段は、カッティングステージ上にサンプリングにより載置した被測定缶の缶巻締部を複数箇所で切断するものであり、具体的には缶径と缶長に応じて切断長と2つの切断面の間隔を予め設定して、その部位を鋸、高電圧、レーザ、高圧水などで切断する。ここで複数箇所とは、一回で複数切断する場合と、二回以上で順次複数箇所切断する場合が考えられる。
【0012】
つぎの巻締部変位手段は、上記切断された被測定缶をベンディングステージに載置し、間隔をあけて切断した箇所を缶の外方から中心方向へ、または缶の中心部から外方へ押し棒を押し込むか押し出すことにより2つの切断面間を内または外に折り曲げて、測定する切断面を測定容易に形成するものである。
【0013】
そして、計測手段では、缶の接線方向に向いたカメラで上記測定する切断面を撮像し、これをモニタで見ながらマウスまたはキーでカーソルを動かして前記巻締部の各部の長さを測定して記録する。記録はハードディスク等に格納するか、直接プリントアウトすることもできる。
【0014】
上記巻締部の切断手段と巻締部変位手段、および計測手段間にはマニピュレイタを有するトランスファ装置で制御回路を用いたシーケンス制御により被測定缶を把持し、各手段間を自動的に移動することで、巻締部の検査を連続して自動的に行なうことができる。
【0015】
別の発明としての缶巻締部の検査方法は、準備工程、切断工程と巻締部変位工程、及び計測工程とからなる。
【0016】
このうちの準備工程は、サンプリングされた被測定缶をトランスファ装置のマニピュレイタにより把持してカッティングステージまで移送する。
【0017】
切断工程では、糸鋸か丸鋸などの切断具を用い、予め二枚一対で切断部位間の折り曲げ箇所と切断長を缶径の大きさと高さに応じて設定しておくとよい。また、二箇所を一度で切断した後は、例えばカッティングステージを120度毎に回転し、その度に切断を各1回行なうことで、一対の切断面を合計3箇所に設けることもできる。
【0018】
こうして、切断された被測定缶はトランスファ装置のマニピュレイタで把持し、缶の高さによって上下に調整されたベンディングステージに載置し、これを巻締部変位工程で、例えば缶巻締部の周りに3箇所の折り曲げ箇所があれば、外方から缶中心方向へ(内方)か、中心方向から外周方向(外方)へ、出入自在の押し込み棒を配置し、それぞれ巻締部を内方か外方へ押し込みあるいは押し出す。
【0019】
さらに、計測工程では変位工程からトランスファ装置のマニピュレイタまたは手で移送した被測定缶の前記折り曲げられていない缶巻締部の各部の寸法を缶の接線方向から測定するが、これにはCCDカメラで上記切断面を撮像し、モニタの画面を見ながらマウスまたはキーによってカーソルを切断面のOL、CH、BHなどの各部の一端に合わせ、これから例えば1ドットを0.01m/m として他端までの寸法を測定し、そのデータを記帳またはパーソナルコンピュータの記憶部に順次格納するか、そのまま直ちにプリントアウトするか、格納したものをプリントアウトするようにして、A、B、C・・・とサンプリングした缶の巻締部を測定していく。
【0020】
【作用】
本発明装置は、巻締めされた多数の缶のうちサンプリングされた被測定缶を、全体がコンピュータのシーケンス制御で作動する缶巻締部の検査装置であり、まずサンプリングしたインデックステーブル上の被測定缶をトランスファ装置のマニピュレイタによってカッティングステージへ移送する。
【0021】
カッティングステージ上の被測定缶は切断時に位置決めされるために固定され、缶巻締部は巻締部をクロスする方向に所定間隔をおいて複数切断する。
【0022】
トランスファ装置のマニピュレイタで切断後の被測定缶を把持し、缶巻締部の切断部間を内方に押し込むか外方へ押し開くことにより折り曲げることで、折り曲げていない残部の切断面の測定を容易にする。
【0023】
折り曲げられた被測定缶は、トランスファ装置あるいは手で搬送して缶セット治具にCCDカメラから缶の接線方向の切断面を撮像できるように位置合わせして固定する。撮像はモニタに映像され、パーソナルコンピュータのカーソルを動かしてモニタ画面上のドット間に合わせてドット数を掛けて缶巻締部の各部の寸法を測定する。
【0024】
【実施例】
以下に本発明の実施例を含む缶巻締部の検査装置全体を添付図面により説明する。
図1は、本発明の缶巻締部の破壊による内寸検査装置(外寸検査装置を除く)の全体の平面図であり、図2は図1のうち計測手段を除いた上側からの側面図、図3は図1の右側からの一部を省略した側面図である。
【0025】
<準備装置>
準備装置は、第1と第2のトランスファa,bからなり、事前に第1のトランスファaは巻締機(図示せず)によって、缶蓋を缶胴に巻き締めされた清涼飲料や果実飲料、その他の食品等を入れた多数の缶列からサンプリング装置(図示せず)により送缶コンベアからサンプリングし中身を空にした被測定缶を、人手または自動かつ定期的に、円卓の周囲に被測定缶を載置する凹部1を設けた12個の載置台2を有する缶セットステージ3に並べたものを、次の切断手段に移送するものである。
【0026】
この缶セットステージは、ある載置台2においてある被測定缶4を、マニピュレイタ付きのトランスファ装置(搬送装置)Aをシーケンス回路で自動制御することで切断手段Bおよび巻締部変位手段Cを順次経由して、次ぎの計測手段の直前に控えておくもので、その工程時間は約10〜30秒である。
【0027】
具体的には、図1と図4に示すマニピュレイタ付きの第1のトランスファ装置Aを用いる。このトランスファ装置Aは第1のトランスファaと第2のトランスファbとから成り、このうち第1のトランスファaには第1のエアシリンダ6による第1の上下移動装置、第2のエアシリンダ7による前後移動装置、及び第3のエアシリンダ8によって第1のマニピュレイタ9で被測定缶4を把持・開放する第1の左右開閉装置、それにマグネット付エアシリンダ10によって棒状軌道11に沿って把持した被測定缶4を左右に移送するようにした第1の移送装置を備える。
【0028】
また、上記第1のトランスファaに隣接して第2のトランスファbがあり、この第2のトランスファbは第1のトランスファaよりも高くかつ低い位置まで被測定缶4をネジ棒21に沿って上下させるサーボモータ12による第2の上下移動装置、マグネット付エアシリンダ13によって棒状軌道16を左右に移送する第2の移送装置、第2のマニピュレイタ17をサーボモータ14のネジ18を一定回転させてネジ18先端のカサ歯車19を回転することでマニピュレイタ17を120度つづ回転させるようにしたマニピュレイタの回転装置、および第4のエアシリンダ20によって第2のマニピュレイタ17により被測定缶4を把持・開放する第2の左右開閉装置からなる。
【0029】
しかして、このトランスファaとbとから切断工程に至るまでの準備工程としての装置の動作を以下に説明する。
【0030】
上記準備工程のトランスファ装置Aの前に、缶の内寸を測るために缶巻締部を破壊(切断)前に、缶全体の高さを示すCanH、缶巻締部の巻締厚を示すT、巻締幅を示すW、およびカウンターシンクを示すCSの四箇所の部位の外寸測定工程があり、この外寸測定の手順を以下に説明する。
【0031】
(1) 測定する缶巻締部の必要項目を、パソコンのメインメニューに従って入力する。
(2) 缶セットステージの載置台2のヘッドNo.に合わせ、缶をセットする。
(3) パソコンの測定メニューに従って、準備装置(図示せず)を起動させる。
(4) ロボット(図示せず)が缶をチャックし、設定された缶種の測定ステージ(図示せず)に移動する。
(5) 設定された測定部位のCanH、CSを変位センサーにて測定する。
(6) 設定された測定部位TをT測定ヘッドにて測定する。(ロボットチャックにて缶を旋回させる。)
(7) ロボットチャックにて缶をW(巻締幅)およびCS(カウンターシンク)の測定ステージ(図示せず)に移動する。
(8) 設定された測定部位のWおよびCSの変位センサーにて測定する。
(9) ロボットチャックにて缶をセットステージへもどす。
(10)各ヘッドNo.の缶を(4)〜(9)の手順にて順次実行する。
(11)セットされた缶全部の測定が終了したところで、装置は終了停止となる。
【0032】
続く準備工程として、上記した本発明のトランスファ装置Aの作動状態を説明する。
操作盤のメインスイッチを入れると、前方の光電管等から発光し、被測定缶からの反射光を受光センサーに受けることによって作動し、反射光を受けない場合に作動しない。反射光によって前方の予め決められた位置に被測定缶が存在することを確かめると、その位置の被測定缶を第1のマニピュレイタ9で把持すべく、操作盤の制御回路によってマニピュレイタを第2のエアシリンダ7で前後に動かし(必要によって第1のエアシリンダ6で上下に動かす)、さらに第3のエアシリンダ8でインデックステーブル3の一定箇所に載置している被測定缶4を把持する。
【0033】
ついで、第1のエアシリンダ6を伸長することによって被測定缶4を凹部1から持ち上げ、マグネット付エアシリンダ10で棒状軌道に沿って横移送することで隣接するインデックステーブル3上の次の被測定缶上を通過して、つぎの図5で示す第2のトランスファbの第2のマニピュレイタの真下の位置まで移動して停止する。
【0034】
この状態で、第2のトランスファbのサーボモータ12を稼動してネジ棒21に沿って第2のマニピュレイタ17を下降し、第4のエアシリンダ20によって被測定缶4の上部を把持する。第2のマニピュレイタ17の把持後、第1のマニピュレイタ9を開放して外し、第1のトランスファaはそのまま待機する。
【0035】
被測定缶4を把持した第2のトランスファbは、サーボモータ12によってネジ棒21に沿って被測定缶4を少し引き上げ、さらにマグネット付エアシリンダ13によりパイプ状軌道16に沿って、つぎの工程である切断工程におけるカッティングステージ15の真上まで移送し、さらに上記サーボモータ12によりネジ棒21に沿って被測定缶4を下降してカッティングステージに載置する。載置後は、第2のマニピュレイタ17を開放してからサーボモータ12を逆回転して上昇して待機する。
【0036】
<切断手段>
切断手段は、図6に示すもので、上記準備装置により移送されてきた空の被測定缶の缶巻締部を缶高と胴径の缶の大きさに応じて缶巻締部にクロスする方向に複数個切断するものであり、各種缶の大きさに応じて第5のエアシリンダ24で高さと把持器22の第6のエアシリンダ23で開閉幅とを自動段替えで調整するカッティングステージ15と、被測定缶4を切断する切断機Bからなる。
【0037】
切断機Bには、本体フレーム28に上下を軸支してサーボモータ31により左右に回転可能にしたネジ軸29を立設し、このネジ軸に螺着することでネジの回転によって両側のガイド軸30に沿って昇降する切断台32がある。この切断台32には、この台の上測部に取り付けたブラケット33の先端下部に設けた第7のエアシリンダ34と、その下端にある缶の高さに応じて缶上端に圧着する缶押板25と、圧着後に第7のエアシリンダ34を収縮しながら上記サーボモータ31でネジ軸29を回転させて切断台32を下降する、モータ26のスピンドル35により回転可能に取り付けた10m/m の間隔を置いた2枚の丸鋸27とから形成される。また、上記缶押板25には丸鋸27で缶巻締部を切断するために丸鋸27の挿通用のU字形の切欠38が設けられている。
【0038】
なお、送入シリンダ36は、これを伸縮することにより切断機B自体をガイドレール37に沿って前進後退するものである。
【0039】
また、丸鋸27は薄刃ダイヤモンドカッティングホイール等を用いて、微送り機構により缶巻締部の切断面の粗さを研磨不要のレベルに仕上げる。
【0040】
それでは、上記構成からなる切断手段の動作順序を以下に説明する。
(1) 操作盤において、缶種に合わせて種別設定スイッチおよび選択された各種の缶に応じてカッティングステージ15のシリンダ24の高さと把持器22の把み幅を選択する選択スイッチをセットする。
(2) 切断手段の起動操作スイッチをONにする。
(3) 送入シリンダ36を伸長して切断機Bを前進し、シリンダ34を伸ばして缶押板25で被測定缶4を押え、シリンダ34を収縮しながら2枚の丸鋸27で缶巻締部を10m/m 間隔で2箇所切断する。この場合、丸鋸27は缶押板25の上方から切欠38の中に下りてきて缶は切断されることになる。
(4) 切断後は缶押板25を上げてから送入シリンダ36を後退し、前記上方に待機している第2のトランスファの第2のマニピュレイタ17をサーボモータ12により、下ろして切断した被測定缶4を把持してから上昇する。つづいて、図5で示すサーボモータ14を回転することでネジ18により歯車19で第2のマニピュレイタを120度回転してから、下降してカッティングステージにセットしてから再度切断機Bを前進して缶巻締部を切断する。
この動作を全部で3回繰り返えし、次の巻締部変位手段で3箇所押し込みあるいは押し開く。
【0041】
<巻締部変位手段>
切断手段により2枚の鋸刃で2箇所の切断面を120度づつ3方から切断した後、被測定缶4は巻締部変位手段に移される。すなわち、切断機Bを後退させてから、第2のトランスファにおける第2のマニピュレイタ17で被測定缶4を把み上げ、切断手段の隣りにあるカッティングステージ15の隣りのベンディングステージ40に移す。
【0042】
このベンディングステージ40は、上記した切断手段のカッティングステージ15における第5のシリンダや把持器22と同様に、缶の高さや径に応じて高さや把持幅を調整するようにしている。
【0043】
具体的には、床に穴44を設けておき、穴44内に上下に伸縮する第8のシリンダ45を配置し、このシリンダ上で左右に開閉する第9のシリンダ42によりその上部にある把持部43を開閉可能にしている。
【0044】
また、穴44の周囲の床上には120度づつ間隔をおいて3方から床に固定した固定板49にシリンダ47を配設し、それぞれの第10シリンダ47を設け、その先部にある突起部48を伸縮自在に配置している。
【0045】
以下にこの巻締部変位手段の動作について説明する。
床に開けた穴44の台45上に設けた第8のシリンダ41を伸縮することにより、後述する3個の押し込み機Cにより缶巻締部を高さに応じて3方から押し込めるよう位置決めし、また第9のシリンダ42を伸縮して伸縮に伴って開閉する把持部43により缶径に応じて被測定缶4を把持する。
【0046】
上記により位置決め把持された被測定缶4は、押し込み機Cのシリンダ47を伸長することで、その先端の突起部48を缶巻締部の斜上方から、上記切断機Bにより10m/m 間隔で切断された3箇所を折り曲げる。
【0047】
このようにして、10m/m 幅の切断部位を折り曲げることで残された直立状の切断面を缶の接線方向から容易に測定できることになる。
【0048】
巻締変位手段で、缶巻締部の切断部を折り曲げた後に、被測定缶4を第2のトランスファによる第2のマニピュレイタ17から第1のトランスファの第1のマニピュレイタ9に受け渡すといった、前述とは逆の操作により、全一工程が終り、インデックステーブル3の元の位置に戻る。
【0049】
上述した準備装置、切断手段、巻締部変位手段における、それぞれの準備工程と、切断工程と、巻締部変位工程とは、図9のブロック図に示す操作盤に設けたシーケンス制御部69で上記装置と各手段の機構部68を作動する。
【0050】
詳細には、図11に示すように、予め缶の巻締めをし(S1)、その中から被測定缶4のサンプリングをして(S2)、インデックステーブル3に移す(S3)。こうしてインデックステーブル3の12箇所に並べられた被測定缶4は、まず装置全体を動かす操作盤(図示せず)のメインスイッチをONにする(S4)。これと同時に、缶の大きさは前もって設定した値でシリンダを上下および収縮可能にしていることは前述した通りである(S5)。つづいて、準備工程における第1のトランスファによりインデックステーブル3上にある最寄りの載置台2での被測定缶の有無を光電管からの投光と缶の反射による受光センサで確認する(S6)。確認できれば次のステップに移るが、できなければスイッチOFFとなる(S7)。被測定缶が確認されると、第1トランスファにより被測定缶を把持して移送し(S8)、ついで、第2のトランスファに持ち代えてカッティングステージへ移送する(S9)。切断工程では、被測定缶の固定と、缶巻締部の2箇所を切断する(S10)。つぎに、第2のトランスファによって被測定缶4を把持し、巻締部ベンディングステージへ載置し(S11)、載置して固定した後は上記2箇所の切断部位間を押し込み機Cにより折り曲げる(S12)。
【0051】
<計測手段>
このように、インデックステーブル3の載置台2にはつぎつぎと缶巻締部を切断し、折り曲げられた被測定缶が置かれていき、これらの缶は別のコンベアなど搬送装置あるいは手によって、巻締断面の検査装置としての計測手段Dのテーブル上の函68内に順序よく並べられる。
【0052】
計測手段D(機構部67)は図8に示す、CCDカメラ50と切断面を採えるために120度づつ回転する、被写体としての被測定缶4の撮像テーブル51とからなる。
【0053】
CCDカメラ50は、テーブル上の固定台に立設した上下方向に移動と、左右方向に移動、および前後方向に回転移動するネジ53,54および55を有する架台56の上部に載っている。
【0054】
一方、撮像テーブル51は下方にテーブルをモータ(図示せず)で120度づつ回転、および缶高に応じて上下するもので、その上部には各種缶径に合わせて突設した4個の弾性を有するプラスチック製の缶保持体57と、CCDカメラが検査確認する折り曲げられていない切断面に焦点位置を合わせる、撮像テーブル51に立設したT字状の位置確認表示体58とを設けている。
【0055】
上記構成からなる計測手段は、以下の測定手順により切断面の内寸を検査する。
(1) 切断された被測定缶を缶保持体57に押し入れ、缶高と缶径に合うように撮像テーブル51を上下してセットする。
(2) カメラの取付台をネジ53,54,55により微調整し、コントロール部63で制御してモニタ60の映像を最適にする。
(3) 測定する被測定缶4の内寸などの必須項目をパソコン61のメインメニューにしたがって入力する。
(4) ビデオ計測装置62の計測メニューにしたがってモニタに映っているカーソルをマウス64にて移動させ、モニタ上のドット数をパソコンで演算し測定し(S13)、これをプリンタバッファ65で記憶し、プリンタ66で出力するか(S14)、直接読み取り終了する(S15)。
【0056】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明装置はサンプリングした被測定缶をカッティングステージに載置して巻締部を複数箇所で切断する切断手段と、切断した缶巻締部を折り曲げる巻締部変位手段と、変位して見易くした缶巻締部の切断箇所をカメラで撮像してモニタで前記切断した缶巻締部の寸法を測定する計測手段とを連設したものとからなる缶巻締部の検査装置を提供することで、従来糸鋸などほとんど人力で作業していた破壊検査手段に較べ、連続して缶巻締部を検査するといった時間と労力を省いて作業の効率化を図ったものである。
【0057】
また、本発明方法では、サンプリングした被測定缶を自動制御されたトランスファ装置によりカッティングステージに載置して固定する準備工程と、固定した被測定缶を巻締方向とクロスして複数の切断箇所を設ける切断工程と、切断箇所間の缶巻締部を押し込みあるいは押し開きにより折り曲げる巻締部変位工程と、缶巻締部切断面を接線方向から直接撮像し、モニタの画面で切断面のオーバーラップ(OL)、カバーフック(CH)、およびボディフック(BH)など缶巻締部の各部の寸法を測定する計測工程とによる缶巻締部の破壊検査方法を提供することで、従来の非破壊方法、特にアルミニウムの缶蓋と鉄など異種材料の缶胴ではX線で十分な映像が得られなかったものを正確に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の全体平面図である。
【図2】図1から計測手段を除いた上側からの側面図である。
【図3】図1の一部省略の右側面図である。
【図4】図1のうちトランスファaの拡大斜視図である。
【図5】図1のトランスファbの拡大斜視図である。
【図6】図1の切断手段の斜視図である。
【図7】図1の巻締部変位手段の斜視図である。
【図8】図1における計測手段の斜視図である。
【図9】図1の準備装置A、切断機Bと巻締部変位装置Cを機構部52とし、これらの機構部52をシーケンス制御したものと、計測装置Dの機構部を67とし、この機構部の作動をブロック図で現わしたものである。
【図10】被測定缶の一部断面とその拡大図である。
【図11】本発明方法の手順を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
A 準備装置
a 第1のトランスファ
b 第2のトランスファ
B 切断機
C 巻締部変位装置
D 計測装置
4 被測定缶
23 第6のシリンダ
24 第5のシリンダ
25 缶押板
34 第7のシリンダ
36 移送シリンダ
27 丸鋸
29 ネジ軸
31 サーボモータ
41 第8のシリンダ
42 第9のシリンダ
43 把持部
47 第10のシリンダ
50 CCDカメラ
51 撮像テーブル
53,54,55 ネジ
57 缶保持体
58 位置確認表示体
【産業上の利用分野】
本発明は、破壊による缶巻締部の検査、詳細には缶の缶蓋と缶胴の材質にかかわらず、缶巻締部の内寸を破壊方法により正確に計測するようにした缶巻締部の検査方法と装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
缶詰として使用されている金属缶の缶巻締部Aは、缶蓋のカール部を缶胴のフランジの下に曲げ込まれ、これを周知の巻締めロールによって外部から内部へと次第に強く巻締めされることにより形成される。
【0003】
そして、この缶蓋100と缶胴101の巻締部の寸法管理は、缶内の商品の品質を管理するために重要であり、その寸法管理として、図10に示す、カバーフック(CH)、ボディフック(BH)、オーバーラップ(OL)などの内寸の他に巻締め厚T、巻締め幅W、およびカウターシンクCSなどの外寸を測定する必要がある。
【0004】
そこで、従来これらの寸法を測る方法として缶巻締部を破壊することなく、X線を利用して缶巻締部のX線透視を行ない、これをコンピュータで画像処理して缶巻締部の内寸と外寸法を測定する非破壊検査法があった。
【0005】
一方、この非破壊検査法以前には糸鋸や丸鋸などで缶巻締部を巻締方向とはクロスして缶軸方向に切断し、その切断部を目視あるいは治具を用いて測定する破壊検査法がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例のうち非破壊検査法は缶巻締部を切断するなどによらないために手間と時間を省き、缶材を無駄にしないという長所を有するものの、缶蓋と缶胴が同一の金属材の場合にはX線により比較的わかり易いが異なる資材間、たとえばアルミニウムと鉄板ではX線の透過率が異なり、いずれかが不鮮明な映像となり、測定精度に欠けるという問題点があった。この問題は、缶の中身の品質を保持するために、缶の中身を販売する商品メーカーの要望、すなわち非常に高い精度での缶巻締部の寸法管理が求められることに十分対応できない。
【0007】
この点、破壊方法は糸鋸などで切断した部分を直視して、直接測定する方法であるために一見測定値の安定計測が期待できそうであるが、実際には治具を用いた測定のために個人差があり、なによりも計測前の準備段階に多大の時間と手間が掛かるといった問題点があった。
【0008】
本発明は、上記従来の問題点を解決したものであり、その目的とするところは測定前における缶巻締部の切断を連続的に行なうことで計測作業の効率化を図り、カメラで撮像したものをモニタで画像処理することにより、自動かつ正確に缶巻締部を測定できるようにした缶巻締部の検査方法とその装置を提供することにある。
【0009】
本発明の別の目的は缶巻締部の測定前において必要な切断手段とその切断面の計測を容易にする巻締部変位手段、および計測手段間において被測定缶を自動的に移送することによって、検査者が立ち会っていなくとも、作業を進行できることにより作業能率の向上を図らんとする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の缶巻締部の検査装置は、装置全体として切断手段と巻締部変位手段、および計測手段とからなる。
【0011】
切断手段は、カッティングステージ上にサンプリングにより載置した被測定缶の缶巻締部を複数箇所で切断するものであり、具体的には缶径と缶長に応じて切断長と2つの切断面の間隔を予め設定して、その部位を鋸、高電圧、レーザ、高圧水などで切断する。ここで複数箇所とは、一回で複数切断する場合と、二回以上で順次複数箇所切断する場合が考えられる。
【0012】
つぎの巻締部変位手段は、上記切断された被測定缶をベンディングステージに載置し、間隔をあけて切断した箇所を缶の外方から中心方向へ、または缶の中心部から外方へ押し棒を押し込むか押し出すことにより2つの切断面間を内または外に折り曲げて、測定する切断面を測定容易に形成するものである。
【0013】
そして、計測手段では、缶の接線方向に向いたカメラで上記測定する切断面を撮像し、これをモニタで見ながらマウスまたはキーでカーソルを動かして前記巻締部の各部の長さを測定して記録する。記録はハードディスク等に格納するか、直接プリントアウトすることもできる。
【0014】
上記巻締部の切断手段と巻締部変位手段、および計測手段間にはマニピュレイタを有するトランスファ装置で制御回路を用いたシーケンス制御により被測定缶を把持し、各手段間を自動的に移動することで、巻締部の検査を連続して自動的に行なうことができる。
【0015】
別の発明としての缶巻締部の検査方法は、準備工程、切断工程と巻締部変位工程、及び計測工程とからなる。
【0016】
このうちの準備工程は、サンプリングされた被測定缶をトランスファ装置のマニピュレイタにより把持してカッティングステージまで移送する。
【0017】
切断工程では、糸鋸か丸鋸などの切断具を用い、予め二枚一対で切断部位間の折り曲げ箇所と切断長を缶径の大きさと高さに応じて設定しておくとよい。また、二箇所を一度で切断した後は、例えばカッティングステージを120度毎に回転し、その度に切断を各1回行なうことで、一対の切断面を合計3箇所に設けることもできる。
【0018】
こうして、切断された被測定缶はトランスファ装置のマニピュレイタで把持し、缶の高さによって上下に調整されたベンディングステージに載置し、これを巻締部変位工程で、例えば缶巻締部の周りに3箇所の折り曲げ箇所があれば、外方から缶中心方向へ(内方)か、中心方向から外周方向(外方)へ、出入自在の押し込み棒を配置し、それぞれ巻締部を内方か外方へ押し込みあるいは押し出す。
【0019】
さらに、計測工程では変位工程からトランスファ装置のマニピュレイタまたは手で移送した被測定缶の前記折り曲げられていない缶巻締部の各部の寸法を缶の接線方向から測定するが、これにはCCDカメラで上記切断面を撮像し、モニタの画面を見ながらマウスまたはキーによってカーソルを切断面のOL、CH、BHなどの各部の一端に合わせ、これから例えば1ドットを0.01m/m として他端までの寸法を測定し、そのデータを記帳またはパーソナルコンピュータの記憶部に順次格納するか、そのまま直ちにプリントアウトするか、格納したものをプリントアウトするようにして、A、B、C・・・とサンプリングした缶の巻締部を測定していく。
【0020】
【作用】
本発明装置は、巻締めされた多数の缶のうちサンプリングされた被測定缶を、全体がコンピュータのシーケンス制御で作動する缶巻締部の検査装置であり、まずサンプリングしたインデックステーブル上の被測定缶をトランスファ装置のマニピュレイタによってカッティングステージへ移送する。
【0021】
カッティングステージ上の被測定缶は切断時に位置決めされるために固定され、缶巻締部は巻締部をクロスする方向に所定間隔をおいて複数切断する。
【0022】
トランスファ装置のマニピュレイタで切断後の被測定缶を把持し、缶巻締部の切断部間を内方に押し込むか外方へ押し開くことにより折り曲げることで、折り曲げていない残部の切断面の測定を容易にする。
【0023】
折り曲げられた被測定缶は、トランスファ装置あるいは手で搬送して缶セット治具にCCDカメラから缶の接線方向の切断面を撮像できるように位置合わせして固定する。撮像はモニタに映像され、パーソナルコンピュータのカーソルを動かしてモニタ画面上のドット間に合わせてドット数を掛けて缶巻締部の各部の寸法を測定する。
【0024】
【実施例】
以下に本発明の実施例を含む缶巻締部の検査装置全体を添付図面により説明する。
図1は、本発明の缶巻締部の破壊による内寸検査装置(外寸検査装置を除く)の全体の平面図であり、図2は図1のうち計測手段を除いた上側からの側面図、図3は図1の右側からの一部を省略した側面図である。
【0025】
<準備装置>
準備装置は、第1と第2のトランスファa,bからなり、事前に第1のトランスファaは巻締機(図示せず)によって、缶蓋を缶胴に巻き締めされた清涼飲料や果実飲料、その他の食品等を入れた多数の缶列からサンプリング装置(図示せず)により送缶コンベアからサンプリングし中身を空にした被測定缶を、人手または自動かつ定期的に、円卓の周囲に被測定缶を載置する凹部1を設けた12個の載置台2を有する缶セットステージ3に並べたものを、次の切断手段に移送するものである。
【0026】
この缶セットステージは、ある載置台2においてある被測定缶4を、マニピュレイタ付きのトランスファ装置(搬送装置)Aをシーケンス回路で自動制御することで切断手段Bおよび巻締部変位手段Cを順次経由して、次ぎの計測手段の直前に控えておくもので、その工程時間は約10〜30秒である。
【0027】
具体的には、図1と図4に示すマニピュレイタ付きの第1のトランスファ装置Aを用いる。このトランスファ装置Aは第1のトランスファaと第2のトランスファbとから成り、このうち第1のトランスファaには第1のエアシリンダ6による第1の上下移動装置、第2のエアシリンダ7による前後移動装置、及び第3のエアシリンダ8によって第1のマニピュレイタ9で被測定缶4を把持・開放する第1の左右開閉装置、それにマグネット付エアシリンダ10によって棒状軌道11に沿って把持した被測定缶4を左右に移送するようにした第1の移送装置を備える。
【0028】
また、上記第1のトランスファaに隣接して第2のトランスファbがあり、この第2のトランスファbは第1のトランスファaよりも高くかつ低い位置まで被測定缶4をネジ棒21に沿って上下させるサーボモータ12による第2の上下移動装置、マグネット付エアシリンダ13によって棒状軌道16を左右に移送する第2の移送装置、第2のマニピュレイタ17をサーボモータ14のネジ18を一定回転させてネジ18先端のカサ歯車19を回転することでマニピュレイタ17を120度つづ回転させるようにしたマニピュレイタの回転装置、および第4のエアシリンダ20によって第2のマニピュレイタ17により被測定缶4を把持・開放する第2の左右開閉装置からなる。
【0029】
しかして、このトランスファaとbとから切断工程に至るまでの準備工程としての装置の動作を以下に説明する。
【0030】
上記準備工程のトランスファ装置Aの前に、缶の内寸を測るために缶巻締部を破壊(切断)前に、缶全体の高さを示すCanH、缶巻締部の巻締厚を示すT、巻締幅を示すW、およびカウンターシンクを示すCSの四箇所の部位の外寸測定工程があり、この外寸測定の手順を以下に説明する。
【0031】
(1) 測定する缶巻締部の必要項目を、パソコンのメインメニューに従って入力する。
(2) 缶セットステージの載置台2のヘッドNo.に合わせ、缶をセットする。
(3) パソコンの測定メニューに従って、準備装置(図示せず)を起動させる。
(4) ロボット(図示せず)が缶をチャックし、設定された缶種の測定ステージ(図示せず)に移動する。
(5) 設定された測定部位のCanH、CSを変位センサーにて測定する。
(6) 設定された測定部位TをT測定ヘッドにて測定する。(ロボットチャックにて缶を旋回させる。)
(7) ロボットチャックにて缶をW(巻締幅)およびCS(カウンターシンク)の測定ステージ(図示せず)に移動する。
(8) 設定された測定部位のWおよびCSの変位センサーにて測定する。
(9) ロボットチャックにて缶をセットステージへもどす。
(10)各ヘッドNo.の缶を(4)〜(9)の手順にて順次実行する。
(11)セットされた缶全部の測定が終了したところで、装置は終了停止となる。
【0032】
続く準備工程として、上記した本発明のトランスファ装置Aの作動状態を説明する。
操作盤のメインスイッチを入れると、前方の光電管等から発光し、被測定缶からの反射光を受光センサーに受けることによって作動し、反射光を受けない場合に作動しない。反射光によって前方の予め決められた位置に被測定缶が存在することを確かめると、その位置の被測定缶を第1のマニピュレイタ9で把持すべく、操作盤の制御回路によってマニピュレイタを第2のエアシリンダ7で前後に動かし(必要によって第1のエアシリンダ6で上下に動かす)、さらに第3のエアシリンダ8でインデックステーブル3の一定箇所に載置している被測定缶4を把持する。
【0033】
ついで、第1のエアシリンダ6を伸長することによって被測定缶4を凹部1から持ち上げ、マグネット付エアシリンダ10で棒状軌道に沿って横移送することで隣接するインデックステーブル3上の次の被測定缶上を通過して、つぎの図5で示す第2のトランスファbの第2のマニピュレイタの真下の位置まで移動して停止する。
【0034】
この状態で、第2のトランスファbのサーボモータ12を稼動してネジ棒21に沿って第2のマニピュレイタ17を下降し、第4のエアシリンダ20によって被測定缶4の上部を把持する。第2のマニピュレイタ17の把持後、第1のマニピュレイタ9を開放して外し、第1のトランスファaはそのまま待機する。
【0035】
被測定缶4を把持した第2のトランスファbは、サーボモータ12によってネジ棒21に沿って被測定缶4を少し引き上げ、さらにマグネット付エアシリンダ13によりパイプ状軌道16に沿って、つぎの工程である切断工程におけるカッティングステージ15の真上まで移送し、さらに上記サーボモータ12によりネジ棒21に沿って被測定缶4を下降してカッティングステージに載置する。載置後は、第2のマニピュレイタ17を開放してからサーボモータ12を逆回転して上昇して待機する。
【0036】
<切断手段>
切断手段は、図6に示すもので、上記準備装置により移送されてきた空の被測定缶の缶巻締部を缶高と胴径の缶の大きさに応じて缶巻締部にクロスする方向に複数個切断するものであり、各種缶の大きさに応じて第5のエアシリンダ24で高さと把持器22の第6のエアシリンダ23で開閉幅とを自動段替えで調整するカッティングステージ15と、被測定缶4を切断する切断機Bからなる。
【0037】
切断機Bには、本体フレーム28に上下を軸支してサーボモータ31により左右に回転可能にしたネジ軸29を立設し、このネジ軸に螺着することでネジの回転によって両側のガイド軸30に沿って昇降する切断台32がある。この切断台32には、この台の上測部に取り付けたブラケット33の先端下部に設けた第7のエアシリンダ34と、その下端にある缶の高さに応じて缶上端に圧着する缶押板25と、圧着後に第7のエアシリンダ34を収縮しながら上記サーボモータ31でネジ軸29を回転させて切断台32を下降する、モータ26のスピンドル35により回転可能に取り付けた10m/m の間隔を置いた2枚の丸鋸27とから形成される。また、上記缶押板25には丸鋸27で缶巻締部を切断するために丸鋸27の挿通用のU字形の切欠38が設けられている。
【0038】
なお、送入シリンダ36は、これを伸縮することにより切断機B自体をガイドレール37に沿って前進後退するものである。
【0039】
また、丸鋸27は薄刃ダイヤモンドカッティングホイール等を用いて、微送り機構により缶巻締部の切断面の粗さを研磨不要のレベルに仕上げる。
【0040】
それでは、上記構成からなる切断手段の動作順序を以下に説明する。
(1) 操作盤において、缶種に合わせて種別設定スイッチおよび選択された各種の缶に応じてカッティングステージ15のシリンダ24の高さと把持器22の把み幅を選択する選択スイッチをセットする。
(2) 切断手段の起動操作スイッチをONにする。
(3) 送入シリンダ36を伸長して切断機Bを前進し、シリンダ34を伸ばして缶押板25で被測定缶4を押え、シリンダ34を収縮しながら2枚の丸鋸27で缶巻締部を10m/m 間隔で2箇所切断する。この場合、丸鋸27は缶押板25の上方から切欠38の中に下りてきて缶は切断されることになる。
(4) 切断後は缶押板25を上げてから送入シリンダ36を後退し、前記上方に待機している第2のトランスファの第2のマニピュレイタ17をサーボモータ12により、下ろして切断した被測定缶4を把持してから上昇する。つづいて、図5で示すサーボモータ14を回転することでネジ18により歯車19で第2のマニピュレイタを120度回転してから、下降してカッティングステージにセットしてから再度切断機Bを前進して缶巻締部を切断する。
この動作を全部で3回繰り返えし、次の巻締部変位手段で3箇所押し込みあるいは押し開く。
【0041】
<巻締部変位手段>
切断手段により2枚の鋸刃で2箇所の切断面を120度づつ3方から切断した後、被測定缶4は巻締部変位手段に移される。すなわち、切断機Bを後退させてから、第2のトランスファにおける第2のマニピュレイタ17で被測定缶4を把み上げ、切断手段の隣りにあるカッティングステージ15の隣りのベンディングステージ40に移す。
【0042】
このベンディングステージ40は、上記した切断手段のカッティングステージ15における第5のシリンダや把持器22と同様に、缶の高さや径に応じて高さや把持幅を調整するようにしている。
【0043】
具体的には、床に穴44を設けておき、穴44内に上下に伸縮する第8のシリンダ45を配置し、このシリンダ上で左右に開閉する第9のシリンダ42によりその上部にある把持部43を開閉可能にしている。
【0044】
また、穴44の周囲の床上には120度づつ間隔をおいて3方から床に固定した固定板49にシリンダ47を配設し、それぞれの第10シリンダ47を設け、その先部にある突起部48を伸縮自在に配置している。
【0045】
以下にこの巻締部変位手段の動作について説明する。
床に開けた穴44の台45上に設けた第8のシリンダ41を伸縮することにより、後述する3個の押し込み機Cにより缶巻締部を高さに応じて3方から押し込めるよう位置決めし、また第9のシリンダ42を伸縮して伸縮に伴って開閉する把持部43により缶径に応じて被測定缶4を把持する。
【0046】
上記により位置決め把持された被測定缶4は、押し込み機Cのシリンダ47を伸長することで、その先端の突起部48を缶巻締部の斜上方から、上記切断機Bにより10m/m 間隔で切断された3箇所を折り曲げる。
【0047】
このようにして、10m/m 幅の切断部位を折り曲げることで残された直立状の切断面を缶の接線方向から容易に測定できることになる。
【0048】
巻締変位手段で、缶巻締部の切断部を折り曲げた後に、被測定缶4を第2のトランスファによる第2のマニピュレイタ17から第1のトランスファの第1のマニピュレイタ9に受け渡すといった、前述とは逆の操作により、全一工程が終り、インデックステーブル3の元の位置に戻る。
【0049】
上述した準備装置、切断手段、巻締部変位手段における、それぞれの準備工程と、切断工程と、巻締部変位工程とは、図9のブロック図に示す操作盤に設けたシーケンス制御部69で上記装置と各手段の機構部68を作動する。
【0050】
詳細には、図11に示すように、予め缶の巻締めをし(S1)、その中から被測定缶4のサンプリングをして(S2)、インデックステーブル3に移す(S3)。こうしてインデックステーブル3の12箇所に並べられた被測定缶4は、まず装置全体を動かす操作盤(図示せず)のメインスイッチをONにする(S4)。これと同時に、缶の大きさは前もって設定した値でシリンダを上下および収縮可能にしていることは前述した通りである(S5)。つづいて、準備工程における第1のトランスファによりインデックステーブル3上にある最寄りの載置台2での被測定缶の有無を光電管からの投光と缶の反射による受光センサで確認する(S6)。確認できれば次のステップに移るが、できなければスイッチOFFとなる(S7)。被測定缶が確認されると、第1トランスファにより被測定缶を把持して移送し(S8)、ついで、第2のトランスファに持ち代えてカッティングステージへ移送する(S9)。切断工程では、被測定缶の固定と、缶巻締部の2箇所を切断する(S10)。つぎに、第2のトランスファによって被測定缶4を把持し、巻締部ベンディングステージへ載置し(S11)、載置して固定した後は上記2箇所の切断部位間を押し込み機Cにより折り曲げる(S12)。
【0051】
<計測手段>
このように、インデックステーブル3の載置台2にはつぎつぎと缶巻締部を切断し、折り曲げられた被測定缶が置かれていき、これらの缶は別のコンベアなど搬送装置あるいは手によって、巻締断面の検査装置としての計測手段Dのテーブル上の函68内に順序よく並べられる。
【0052】
計測手段D(機構部67)は図8に示す、CCDカメラ50と切断面を採えるために120度づつ回転する、被写体としての被測定缶4の撮像テーブル51とからなる。
【0053】
CCDカメラ50は、テーブル上の固定台に立設した上下方向に移動と、左右方向に移動、および前後方向に回転移動するネジ53,54および55を有する架台56の上部に載っている。
【0054】
一方、撮像テーブル51は下方にテーブルをモータ(図示せず)で120度づつ回転、および缶高に応じて上下するもので、その上部には各種缶径に合わせて突設した4個の弾性を有するプラスチック製の缶保持体57と、CCDカメラが検査確認する折り曲げられていない切断面に焦点位置を合わせる、撮像テーブル51に立設したT字状の位置確認表示体58とを設けている。
【0055】
上記構成からなる計測手段は、以下の測定手順により切断面の内寸を検査する。
(1) 切断された被測定缶を缶保持体57に押し入れ、缶高と缶径に合うように撮像テーブル51を上下してセットする。
(2) カメラの取付台をネジ53,54,55により微調整し、コントロール部63で制御してモニタ60の映像を最適にする。
(3) 測定する被測定缶4の内寸などの必須項目をパソコン61のメインメニューにしたがって入力する。
(4) ビデオ計測装置62の計測メニューにしたがってモニタに映っているカーソルをマウス64にて移動させ、モニタ上のドット数をパソコンで演算し測定し(S13)、これをプリンタバッファ65で記憶し、プリンタ66で出力するか(S14)、直接読み取り終了する(S15)。
【0056】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明装置はサンプリングした被測定缶をカッティングステージに載置して巻締部を複数箇所で切断する切断手段と、切断した缶巻締部を折り曲げる巻締部変位手段と、変位して見易くした缶巻締部の切断箇所をカメラで撮像してモニタで前記切断した缶巻締部の寸法を測定する計測手段とを連設したものとからなる缶巻締部の検査装置を提供することで、従来糸鋸などほとんど人力で作業していた破壊検査手段に較べ、連続して缶巻締部を検査するといった時間と労力を省いて作業の効率化を図ったものである。
【0057】
また、本発明方法では、サンプリングした被測定缶を自動制御されたトランスファ装置によりカッティングステージに載置して固定する準備工程と、固定した被測定缶を巻締方向とクロスして複数の切断箇所を設ける切断工程と、切断箇所間の缶巻締部を押し込みあるいは押し開きにより折り曲げる巻締部変位工程と、缶巻締部切断面を接線方向から直接撮像し、モニタの画面で切断面のオーバーラップ(OL)、カバーフック(CH)、およびボディフック(BH)など缶巻締部の各部の寸法を測定する計測工程とによる缶巻締部の破壊検査方法を提供することで、従来の非破壊方法、特にアルミニウムの缶蓋と鉄など異種材料の缶胴ではX線で十分な映像が得られなかったものを正確に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の全体平面図である。
【図2】図1から計測手段を除いた上側からの側面図である。
【図3】図1の一部省略の右側面図である。
【図4】図1のうちトランスファaの拡大斜視図である。
【図5】図1のトランスファbの拡大斜視図である。
【図6】図1の切断手段の斜視図である。
【図7】図1の巻締部変位手段の斜視図である。
【図8】図1における計測手段の斜視図である。
【図9】図1の準備装置A、切断機Bと巻締部変位装置Cを機構部52とし、これらの機構部52をシーケンス制御したものと、計測装置Dの機構部を67とし、この機構部の作動をブロック図で現わしたものである。
【図10】被測定缶の一部断面とその拡大図である。
【図11】本発明方法の手順を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
A 準備装置
a 第1のトランスファ
b 第2のトランスファ
B 切断機
C 巻締部変位装置
D 計測装置
4 被測定缶
23 第6のシリンダ
24 第5のシリンダ
25 缶押板
34 第7のシリンダ
36 移送シリンダ
27 丸鋸
29 ネジ軸
31 サーボモータ
41 第8のシリンダ
42 第9のシリンダ
43 把持部
47 第10のシリンダ
50 CCDカメラ
51 撮像テーブル
53,54,55 ネジ
57 缶保持体
58 位置確認表示体
Claims (2)
- 缶巻締部の切断面を測定する破壊検査装置であって、該装置が、
サンプリングした被測定缶をカッティングステージに載置して缶巻締部を複数箇所で切断する切断手段と、切断した缶巻締部を押し込み機により被測定缶の外部から折り曲げる巻締部変位手段と、前記切断手段のカッティングステージと巻締部変位手段のベンデングステージ間で被測定缶を自動制御により移送可能にしたトランスファ装置と、前記巻締部変位手段で変位して見易くした缶巻締部の切断箇所をカメラで撮像してモニタで前記切断した缶巻締部の寸法を測定する計測手段と、
を連設したものからなる缶巻締部の検査装置。 - 缶巻締部を切断して切断面を測定する破壊検査方法であって、該方法が、
サンプリングした被測定缶を自動制御されたトランスファ装置によりカッティングステージに載置して固定する準備工程と、固定した被測定缶を巻締方向とクロスして複数の切断箇所を設ける切断工程と、切断した被測定缶をトランスファ装置によりベンデングステージへ載置する工程と、切断箇所間の缶巻締部を押し込み機により被測定缶の外部から押し込みあるいは押し開きにより折り曲げる巻締部変位工程と、缶巻締部切断面を缶の接線方向から直接撮像し、モニタの画面で切断面のオーバーラップ(OL)、カバーフック(CH)、およびボディフック(BH)など缶巻締部の各部の寸法を測定する計測工程と、
上記各工程を連続して行うようにした缶巻締部の破壊検査方法。
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