JP3414603B2 - 缶巻締部の非破壊計測装置 - Google Patents

缶巻締部の非破壊計測装置

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JP3414603B2
JP3414603B2 JP32916096A JP32916096A JP3414603B2 JP 3414603 B2 JP3414603 B2 JP 3414603B2 JP 32916096 A JP32916096 A JP 32916096A JP 32916096 A JP32916096 A JP 32916096A JP 3414603 B2 JP3414603 B2 JP 3414603B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、金属缶における
缶胴と缶蓋との結合部分である巻締部の厚さやオーバー
ラップ量などを非破壊で総合的に計測するための装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属缶を容器とした飲料缶詰や食料缶詰
は、内容物の充填の後に缶蓋を缶胴の開口端に被せ、そ
の缶蓋のカール部をシーマーによって内側に次第に湾曲
させて缶胴のフランジを巻き込ませ、缶蓋を缶胴に取り
付けている。このようにして形成される巻締部によって
缶詰の密封性が維持されるから、巻締めの状態は缶詰の
製品品質に大きく影響する。
【0003】ここで巻締部の形状および管理の必要な各
部の寸法を示せば、図14のとおりである。先ず、外形
の寸法として巻締厚T、巻締幅W、カウンターシンクデ
プスCがあり、また内部寸法としてボデーフックBH、
カバーフックCH、オーバーラップOL、アッパークリ
アランスUC、ロアークリアランスLCがある。これら
の内部寸法のうちオーバーラップOLが密封性に大きく
影響し、下記の式によって重合率(OL率)が求めら
れ、密封特性の良否の判断を行っている。
【0004】OL率(%)={OL/(OL+UC+L
C)}×100 そのためにシーマーから送り出された缶詰の巻締部の形
状寸法を知ることは、工程管理や品質管理の上で重要で
あり、従来、その測定方法や装置が種々開発されてい
る。それらのうちX線を用いた透視画像に基づいて巻締
部の各部の寸法を自動計測する装置が実用性の点で優れ
ており、その例が特開昭63−173906号公報や特
開平4−132908号公報などに記載されている。
【0005】これらいずれの装置も巻締部に対してその
接線方向にX線を照射し、その照射方向に対して垂直な
面での巻締部の断面形状を透視画像として得、その画像
に基づいて巻締部の各部の寸法を計測するように構成さ
れている。そして特に前者の特開昭63−173906
号公報に記載された発明では、透視画像が実長よりも拡
大されて撮像されるため、巻締部の撮像の際に、基準寸
法となるブロックを同時に写し込み、画像上での巻締部
における各部の寸法を、この基準ブロックの寸法によっ
て較正して(基準ブロックと実際の寸法と画像上での寸
法とを使った比例計算によって)実際の寸法を得るよう
にしている。
【0006】また後者の特開平4−132908号公報
に記載された発明は、上記のような基準ブックを用いる
ことなく、しかも精度良く缶詰の巻締部の計測に適する
ように構成したものであり、X線の出力を高低に変えて
2回撮像し、低出力時の画像によって輪郭を求め、高出
力時の画像をこれに重ねることにより、低出力時の輪郭
を基準とした内部の寸法を得るように構成している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の装置に
おけるように、巻締部の接線方向にX線を照射して巻締
部の透視画像を得れば、巻締厚を含む各部の寸法を計測
することが可能になる。しかしながら、巻締部は、円環
状あるいは楕円状など全体として環状をなしているか
ら、ここに接線方向からX線を照射した場合、その内周
側は、X線の照射方向において測定部位に対して前後に
位置する巻締部の透視画像が重畳することになる。その
ため巻締部の内周面(通常、チャック・ウォールと称さ
れている。)の透視画像が不鮮明(内周面の輪郭がはっ
きりと撮像されない)となり、巻締部の外部寸法である
巻締厚Tについては、このX線透視画像からの情報で
は、たとえ輪郭強調処理を行っても正確な数値が得られ
ないなどの問題があった。
【0008】これに対して前記特開平4−132908
号公報に記載された発明のようにX線強度を高低2段に
切り換えることにより、外周面側でのハレーションを抑
制してその外周側の輪郭線がある程度明確になるが、上
述した内周面の輪郭線を明確に表せないことから、前者
同様、巻締厚Tについては正確な計測が困難であり、ま
たX線強度により1画素あたりの寸法が異なるので、画
像から得られた寸法の較正が複雑になり、実用性に劣る
などの問題があった。
【0009】また、同じ巻締缶の同じ位置をX線透視画
像からの情報で得た測定値と、人が測定器具を使って測
定した人手測定で得た数値とを比較すると、無秩序な測
定差が時々発生し、人手測定とX線計測装置との測定差
が正確につかめず、未だ人手測定からX線自動計測装置
への完全な移行が行えないのが実情である。
【0010】つまり、缶胴や缶蓋の素材としては、アル
ミニウム合金板と、鋼板表面にメッキや化成処理をした
表面処理鋼板とが使用されており、両者の組み合わせと
しては、同一素材と異種素材、例えば、ブリキ缶胴にブ
リキ蓋を巻締めたもの、ブリキ缶胴にアルミ蓋を巻締め
たもの、アルミ缶胴にアルミ蓋を巻締めたものの3タイ
プに分類されるが、それぞれの材料の違いに起因して、
人手測定した値とX線を用いて自動計測した値とで測定
差が生じることがある。この傾向は、鋼板蓋巻の缶に多
く現れ、とくに巻締幅WとカバーフックCHの測定値に
おいて、人手測定とX線自動計測との両者のばらつき幅
を加えたばらつき幅を越える大きな測定差を生じる場合
があるからである。
【0011】このような大きな測定差が生じる主原因
は、図14に示す巻締部分の蓋折り返し部端縁Fにおい
て、円周にわたり不規則な山谷(うねり)が存在するこ
とに起因していることによると推定される。すなわち、
X線自動計測では、X線透過厚さ(X線が巻締部を透過
する範囲をいい、巻締外径が約50mmではX線透過厚
さは10mm以上になる)内に、“うねり”があると、
X線透過厚さ内に存在するうねりの山と谷の全てが積算
したイメージ画像となり、透過厚さ内のどの位置を計測
したのか特定できない。言い換えれば、人手測定で特定
した位置とX線によって計測した位置とが一致したり、
一致しなかったりするためで、測定原理の違いによる誤
差を加えて測定位置の不一致要因が加わるからである。
【0012】この発明は、上記の事情を背景としてなさ
れたものであり、軟X線を用いて缶巻締部の外部寸法お
よび内部寸法を簡単な輪郭強調処理で正確に計測するこ
とのできる装置を提供することを目的とするものであ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段およびその作用】上記の目
的を達成するために、請求項1の発明は、缶胴と缶蓋と
を結合している巻締部を、その接線方向に軟X線を照射
することにより撮像し、得られたX線透視画像から前記
巻締部における複数の測定部位の寸法を計測する缶巻締
部の非破壊計測装置において、前記軟X線の照射軸線に
対してほぼ垂直な面内で、前記巻締部を互いに平行な先
端部で内外周側から挟む一対の基準ブロックが設けられ
るとともに、これらの基準ブロックが前記巻締部より軟
X線の透過量の少ない構成とされ、さらにこれら一対の
基準ブロックの前記X線透視画像での間隔に基づいて前
記巻締部の厚さを求める演算手段を備えていることを特
徴とするものである。
【0014】したがってこの発明の装置によれば、一対
の基準ブロックを透過する軟X線の透過量が巻締部を透
過する軟X線の量よりも少ないから、X線透視画像に
は、一対の基準ブロックが明瞭に撮像されており、これ
らの基準ブロックが巻締部を挟み付けているので、その
基準ブロックの対向する先端部の間隔が巻締部の厚さに
対応した寸法となる。すなわちこの発明の装置では、透
視画像が重畳して不鮮明となりやすい巻締部の内周面の
輪郭位置が基準ブロックの先端部の輪郭として明瞭に現
れるので、X線透視画像から得られる数値に基づいて前
記基準ブロックにより1画素あたりの寸法を基準として
予め算出しておく演算手段によって演算することによ
り、巻締部の厚さを含む各部位の寸法を正確に計測する
ことが可能になる。
【0015】また、請求項2の発明は、請求項1に記載
した構成に加え、前記一対の基準ブロックが、前記缶胴
の中心軸線に対して垂直な面内で対向して前記巻締部を
挟み付ける向きに配置され、かつこれら一対の基準ブロ
ックの前記X線透視画像での間隔を、これら一対の基準
ブロックの対向する方向に対する巻締部の傾斜角度によ
って補正して巻締部の厚さを求める手段を備えているこ
とを特徴とするものである。
【0016】一般の缶巻締部は、缶の中心軸線に対して
数度の角度で傾斜しているが、請求項2の発明では、缶
の中心軸線に対して水平方向あるいは垂直方向などの一
般的な方向に一対の基準ブロックを配置した状態で、巻
締部の水平方向もしくは垂直方向での所定箇所の厚さを
X線透視画像から得ることができ、それに基づいて巻締
部の傾斜角度に応じた較正を行って巻締部の厚さの実寸
法を近似的に得ることができる。
【0017】さらに請求項3の発明は、請求項1に記載
した構成に加え、前記一対の基準ブロックが、前記軟X
線の照射軸線に対してほぼ垂直な面内でかつ前記巻締部
に直交する方向で巻締部を挟み付ける向きに配置されて
いることを特徴とするものである。
【0018】したがってこの請求項3の発明では、一対
の基準ブロックの互いに対向する先端部が、巻締部の内
外周の側面と平行になるから、X線透視画像に現れた基
準ブロックの先端部の間隔が、そのまま巻締部の厚さに
対応する寸法を表すことになる。そのため、基準ブロッ
クにより1画素あたりの寸法を構成するだけで、巻締部
の缶軸線に対する傾斜角度に基づく較正を行うことな
く、巻締厚を得ることができる。
【0019】そして請求項4に記載した発明は、請求項
1に記載した構成に加え、前記巻締部の前記軟X線を照
射した部位と円周方向で同一位置に対応する缶の上端部
にレーザ光を照射して缶高さを測定する手段を備えてい
ることを特徴とするものである。
【0020】缶巻締部は、缶蓋の周縁部を、缶胴先端の
フランジを抱き込むように巻込んで両者を密着させて缶
蓋と缶胴とを接合するものであり、その加工の際には、
缶蓋の内周側に半径方向での成形荷重を受ける所定の部
材すなわち巻締チャックを配置する。その巻締チャック
と缶を載置するリフターとの相対的な高さが、巻締部の
内部および外部の形状や密封特性に影響し、かつ缶の高
さとして現れる。したがって請求項4の発明では、巻締
部の形状と併せてその部分に対応する同一位置での缶高
さを計測できるため、巻締め工程で前記巻締チャックの
高さなどのシーマーの巻締機構の調節や工程管理を、よ
り正確に行うことが可能になる。
【0021】そして請求項5に記載した発明は、請求項
1ないし3のいずれかに記載した構成に加え、前記巻締
部を固定面に当接させて設置した缶における巻締部の缶
蓋の折り返し部端縁に、前記固定面に垂直な方向に移動
して接離する当て板手段と、前記固定面と前記当て板手
段のX線透視画像での間隔に基づいて前記巻締部の幅を
求める演算手段とを備えていることを特徴とするもので
ある。
【0022】したがってこの請求項5の発明では、X線
照射方向の透過厚さ内(缶種にもよるが、X線透過厚み
は約10〜15mm程度ある)に巻締部の蓋の折り返し
部端縁にうねりがあっても、X線照射方向と直交して当
て板手段を折り返し部端縁に当接することにより、常に
予め決められた位置における巻締幅を、当て板手段と固
定面のX線透視画像での間隔に基づいて寸法測定するこ
とができる。すなわち測定位置を特定できるので、人手
測定とX線自動計測との測定差が測定位置の違いによる
差がない分だけ安定し、それに伴なって測定原理の違い
のみの補正値を求めることができるため、その測定位置
を人手で測定して、自動測定との測定差を補正値として
コンピュータに記憶させることができ、測定値を算出す
る際に、計算で得た値に補正値を加算することで缶種固
有の誤差の傾向を減少させることができる。
【0023】また、当て板手段をX線の透過量の少ない
材質で形成すれば、自動測定時に測定部においてシャー
プな画像が得られ、巻締部の測定位置が簡単な画像処理
で特定できる。
【0024】
【発明の実施の形態】つぎに図面を参照してこの発明を
より具体的に説明する。図1および図2はその発明にか
かる装置の主要部を示しており、軟X線を照射するX線
源1とX線透視画像を得るためのカメラ2とが互いに対
向して配置されている。このX線源1は、X線焦点が5
〜10μm 程度のいわゆるマイクロフォーカスX線源で
あって、画像のボケの少ないものが使用されている。ま
たカメラ2は、分解能やコントラストあるいはX線感度
に優れたイメージ増強方式(イメージインテンシファイ
ヤ方式)のカメラが採用されている。
【0025】これらのX線源1とカメラ2との間に、計
測対象である缶3を載せる固定テーブル4が設けられて
いる。この固定テーブル4は図3および図4に示すよう
に、円形状のものであって、缶3をその上に計測対象の
巻締部が下となる状態で(本実施例ではツーピース缶を
使用しているので倒立状態で)載せられるよう構成され
ている。
【0026】なお、図2に示すように、固定テーブル4
の位置は、その上に載せた缶3の巻締部3aが前記X線
源1からカメラ2に至るX線の照射中心軸線とほぼ一致
する高さに設定されている。また図1に示すように水平
方向の位置は、X線の照射中心軸線が固定テーブル4上
の缶3における巻締部3aに対して接線方向となる位
置、すなわち巻締部断面(図14参照)がX線の照射軸
線と垂直となる位置に設定されている。
【0027】X線の照射中心軸線に対し直交する方向に
おいて前記固定テーブル4を挟む位置に基準ゲージブロ
ック5と位置決めプッシャ6とが、互いに対向して配置
されている。基準ゲージブロック5は、ここに巻締部3
aの外周面を当接させて位置決めするためのものであっ
て、その位置決め用の先端部が、X線の照射中心軸線と
ほぼ一致する位置に固定されている。またこの基準ゲー
ジブロック5の少なくとも先端部分は、巻締部3aより
もX線の透過量の少ない構成とされており、例えばステ
ンレス鋼によって形成されている。さらに巻締部3aに
当接させる先端部は、巻締部3aの外面に線接触もしく
は点接触するように平面もしくは凸曲面あるいはエッジ
状に形成されている。
【0028】位置決めプッシャ6は、前記固定テーブル
4上に載せた缶3を基準ゲージブロック5に対して押し
付けて位置決めするためのものであって、先端部は、図
3に示すように、V字状に開いた形状とされており、そ
の下面側に設けた直線ガイド7に沿って前記基準ゲージ
ブロック5に対して接近・離隔する方向に直線的に移動
するよう配置されている。この位置決めプッシャ6を駆
動する装置としてエアーシリンダなどの直動型のアクチ
ュエータ8が、前記直線ガイド7の下側に配置されてお
り、そのアクチュエータ8の駆動ロッド9が位置決めプ
ッシャ6の後端部に連結されている。
【0029】なお、図4に示すように、駆動ロッド9の
先端部には、ガイド軸10が取り付けられており、位置
決めプッシャ6の後端部に設けたプレート11がこのガ
イド軸10に移動自在に嵌合しており、ガイド軸10に
嵌合させたコイルスプリング12がこのプレート11を
図4の左方向すなわち基準ゲージブロック5側に押圧し
ている。すなわち位置決めプッシャ6をアクチュエータ
8によって直接押圧せずに、コイルスプリング12を介
して押圧することにより、缶3を基準ゲージブロック5
に対して弾性的に押し付けることにより、缶3の変形を
防止するように構成されている。
【0030】前記基準ゲージブロック5の先端近傍に
は、図5および図6に示すようなT寸法測定ブロック1
3およびW寸法測定ブロック14が配置されている。
【0031】まず、T寸法測定ブロック13は巻締部3
aの内周面に当接して基準ゲージブロック5と共に巻締
部3aを挟み付けるものであって、基準ゲージブロック
5と同様にX線が透過しない材質(例えば、ステンレス
スチール)とされている。
【0032】このT寸法測定ブロック13は、基準ゲー
ジブロック5に対して接近・離隔するように直線移動
し、また固定テーブル4の上面よりも下側に後退するよ
う構成されている。すなわちこのT寸法測定ブロック1
3を固定テーブル4の面に対して水平方向へ移動させる
ための直動型アクチュエータ15が、その後端部側(固
定テーブル4を挟んで前記位置決めプッシャ6とは反対
側)に配置されており、自在継手15aを介して連結さ
れる駆動軸16の先端部にT寸法測定ブロック13が設
けられている(図4参照)。そして固定テーブル4の面
に対して垂直な方向へT寸法測定ブロック13を移動さ
せ、固定テーブル4に対して、その下側面から、その上
側面にT寸法測定ブロック13を突出させるための直動
型アクチュエータ17が、前記直動型アクチュエータ1
5の駆動軸16の下側に配置されている(図11参
照)。なお、T寸法測定ブロック13は直動型アクチュ
エータ17の固定テーブル4に対する後退すなわち離隔
に伴って、その自重により、自在継手15aを支点にし
て、固定テーブル4に対して下側に移動するようになっ
ている。
【0033】したがってT寸法測定ブロック13は、直
動型アクチュエータ15,17によって固定テーブル4
の上面側に突出しかつ直線的に移動させられて、基準ゲ
ージブロック5に接近するよう構成されている。またT
寸法測定ブロック13の巻締部3aに接触する面は、前
記基準ゲージブロック5と平行になっており、さらにこ
の面は、巻締部3aの内周面の位置をX線透視画像上で
規定するものであるから、巻締部3aに線接触あるいは
点接触もしくは面接触のいずれの形態で接触する形状で
あってもよく、要は、基準ゲージブロック5側に突出し
た形状であればよい。
【0034】次に、W寸法測定ブロック14は、基体部
分14aとその基体部分14aから突出した状態に設け
られたW寸法測定部14bとから構成されている。
【0035】基体部分14aは、矩形状の部材であって
前記基準ゲージブロック5を挟んだ両側において下側か
らロッド18によって支持されている。そしてこのロッ
ド18の外周部には、該ロッド18を前記基準ゲージブ
ロック5に対して垂直方向に摺動可能な状態に保持する
ガイド19が設けられている。さらに、このガイド19
の下側には直動型アクチュエータ20が配置されてお
り、この直動型アクチュエータ20の駆動軸21が前記
ロッド18の先端部に当接するように構成されている。
すなわち直動型アクチュエータ20の駆動軸21によっ
て、ロッド18が押し上げられ、それに伴なって基体部
分14aが、固定テーブル4に対して垂直方向に押し上
げられるように構成されている。
【0036】そして、前記基体部分14aから突出した
状態に設けられたW寸法測定部14bは、基体部分14
aの移動に伴って移動し、缶3の巻締部3aを固定テー
ブル4の上面に当接させて設置した缶における巻締部3
aの缶蓋の折り返し部端縁Fに当接して、固定テーブル
4と共に巻締部3aを挟み付けるものであって、基準ゲ
ージブロック5およびT寸法測定ブロック13と同様に
X線の透過量が少ない材質(例えば、ステンレススチー
ル)で形成されている。またW寸法測定部14bのX線
透過方向の厚さは、薄くしすぎるとX線が透過し易くな
り、逆に厚すぎるとうねりの谷部を測定できないことに
なるため、3mm前後が好ましい。
【0037】したがって、上記基体部分14aとW寸法
測定部14bとからなるW寸法測定ブロック14は、直
動型アクチュエータ20によって、固定テーブル4の面
に対して垂直な方向に移動させられて、そのW寸法測定
部14bが固定テーブル4の上面側から接近するよう構
成されている。すなわちこのW寸法測定ブロック14の
W寸法測定部14bが請求項5における当て板手段とな
っている。またW寸法測定部14bの巻締部3aの折り
返し部端縁Fに当接する面は、前記固定テーブル4と平
行になっており、さらにこの面は、巻締部3aの蓋の折
り返し部端縁Fの位置をX線透視画像上で規定するもの
であるから、巻締部3aに線接触あるいは点接触もしく
は面接触のいずれの形態で接触する形状であってもよ
く、要は、固定テーブル4側に突出した形状であればよ
い。
【0038】なお、前述したように直動型アクチュエー
タ20の駆動軸21とロッド18とが当接した状態で接
合せずに配置することによって、直動型アクチュエータ
20の駆動軸21が固定テーブル4に対して垂直方向に
後退移動した場合、ロッド18を含むW寸法測定ブロッ
ク14が、その自重のみによって、固定テーブル4に対
して垂直方向に接近するようになっている。したがって
このように構成することによって、直動型アクチュエー
タ20の駆動力が、W寸法測定部14bの缶蓋の巻締部
3aの折り返し部端縁に加える圧縮力として作用しない
ようになっており、W寸法測定部14bが、缶3の巻締
部3aを固定テーブル4とW寸法測定部14bとの間に
挟み込むとしても過大な圧縮力とならないようになって
いる。すなわち巻締部3aが直動型アクチュエータ20
の駆動力によって潰れないように構成されている。
【0039】前記固定テーブル4上の缶3におけるカウ
ンターシンクに対応する位置には、カウンターシンク
(C)測定ゲージ22が配置されている(図3参照)。
図7は、その概略的な構成を示しており、このカウンタ
ーシンク測定ゲージ22は、スタイラス23を固定テー
ブル4のテーブル面よりも下方から突き上げて、缶3に
おけるカウンターシンク部に突き当てることにより、カ
ウンターシンク部の寸法Cを検出するものであり、パル
スモータ(図示せず)によってスタイラス23を上下動
させることによりパルス信号として直線寸法を計測する
構成、もしくはシリンダなどの直動型アクチュエータに
よってスタイラス23を上下動させ、その移動量をリニ
アーエンコーダなどを用いて電気的に計測する構成など
を採用することができる。
【0040】またこのカウンターシンク測定ゲージ22
は、基準位置と測定位置(図7の破線で示す位置)との
間で往復動可能であって、基準位置には零点を決めるカ
ウンターシンク測定基準ブロック24が設けられてい
る。そしてこのカウンターシンク測定基準ブロック24
の前記スタイラス23が当接する面と固定テーブル4の
上面との間隔bは予め定めた寸法とされている。したが
ってスタイラス23が測定位置においてカウンターシン
ク部に突き当たるまで上昇した寸法aからこの既知の寸
法bを減算することによりカウンターシンクCの寸法が
計測される。
【0041】さらに図に示す装置は、前記基準ゲージブ
ロック5とT寸法測定ブロック13とで巻締部3aを挟
まれた部分と円周方向で同一位置に対応する部位におけ
る缶高さCaHを測定する缶高さ測定機構を備えてい
る。すなわち図1および図2ならびに図8に示すよう
に、基準ゲージブロック5の上方には、三種類のハイト
測定用ナイフエッジ25が互いに高さを異ならせて配置
されている。これらのナイフエッジ25は、測定対象で
ある缶3の高さに応じて設けられ、後述するレーザ光を
遮蔽するためのものであり、それぞれの固定テーブル4
からの高さH0 と、前記基準ゲージブロック5および位
置決めプッシャ6によって固定テーブル4上に位置決め
されて缶3の上端部(倒立された缶3の缶底先端部)と
の水平方向の寸法δが予め定められている。
【0042】このナイフエッジ25を挟んで対向する位
置にレーザ光を照射する投光ヘッダ26とそのレーザ光
を受光する受光ヘッダ27とが対向して配置されてい
る。これらの投光ヘッダ26と受光ヘッダ27とは、受
光ヘッダ27が若干下側となるように傾斜した状態で対
向するよう配置され、その傾斜状態を維持して一体とな
って上下動するように保持されている。なお、その傾斜
角度αは、予め定めた角度に設定されている。
【0043】また投光ヘッダ26は、所定の幅のレーザ
ビームを受光ヘッダ27に向けた照射するよう構成され
ており、また受光ヘッダ27は、例えばCCDカメラを
備えており、入射されたレーザ光の高さ方向での幅H1
を計測して電気信号として出力するよう構成されてい
る。
【0044】したがって缶3の上端部とナイフエッジ2
5の端部とで決められるレーザ光の幅H1 を検出するこ
とにより、缶高さCaHが下記の式で求められる。
【0045】 CaH=H0 −(H1 /cosα−δtanα) さらに缶3を固定テーブル4上に搬出入するローダが設
けられている。その構成を説明すると、前記カメラ2に
近い位置でX線の照射中心軸線の上方でX線照射中心軸
線と交差する方向にガイドレール28が配置されてい
る。そのガイドレール28は、図2の斜めの矢印方向に
平行移動可能に構成されており、このガイドレール28
には、その長手方向に沿って往復走行するトラバーサ2
9が取り付けられている。またこのトラバーサ29は、
リフター30を備えており、このリフター30には、缶
3を把持するチャックハンド31が取り付けられてい
る。
【0046】したがって前記ローダは、装置の外部の缶
3をチャックハンド31によって把持するとともに、リ
フター30によってこれを引き上げその状態でトラバー
サ29が装置内に走行した後、リフター30が下降動作
することにより、缶3を固定テーブル4上に載置し、し
かる後チャックハンド31が缶3を離してリフター30
により、上方に退避させられるようになっている。
【0047】前記チャックハンド31は、図9に示すよ
うに、缶3の半径方向から徐々に接近して缶胴を把持す
るものであり、このチャックハンド31の缶把持部分に
は、対向する内側面にそれぞれ扇形プレート32が配置
されている。そしてそれぞれの扇形プレート32は、把
持する缶3とほぼ同一径の扇形に形成されたものであ
り、その内部に缶胴と接触して缶3を把持するとともに
回転させるゴムローラ33がそれぞれ一例として2個備
えられている。すなわち、扇形部分の内周面から突出し
た状態に、回転可能なゴムローラ33の回転面がそれぞ
れ配置されて、このゴムローラ33の回転面が缶胴と接
触して、缶3を把持するとともに、これらのゴムローラ
33の回転によって缶3がその円周方向に回転するよう
構成されている。
【0048】そして一方側の扇形プレート32には、そ
の内部に備えたゴムローラ33に回転を付与するモータ
ー34が設けられており、そのモーター34の回転駆動
軸とゴムローラー33の支持軸とが一例としてギヤによ
って連結されている。すなわち、モーター34の回転軸
がゴムローラー33の支持軸に回転駆動可能に連結され
ている。また、もう一方側の扇形プレート32に備えら
れたゴムローラー33はフリー回転可能に配置されてお
り、互いの扇形プレート32によって半径方向両側から
挟まれた缶3が駆動側のゴムローラー33によって回転
した場合、その回転に追従して回転するようになってい
る。
【0049】なお、チャックハンド31には、缶把持部
分に把持された缶3の回転に伴い、缶3の測定部を位置
決めするセンサー35が設けられている。
【0050】上述した各機構は、筐体36の内部に納め
られており、図10はその筐体36の内部の配置状態を
示している。さらにこの筐体36の内部には、制御およ
び演算などのためのその他の装置が収納されており、こ
れを簡単に説明すると、符号37はカメラ2で得られた
画像や演算結果などを表示するディスプレイ、符号38
はカメラコントローラ、符号39は制御および演算のた
めのコンピュータ、符号40はI/O拡張ユニット、符
号41は画像処理装置、符号42はレーザ高さ測定用ア
ンプ、符号43は無停電電源装置、符号44は計測結果
を出力するプリンター、符号45はX線コントローラを
それぞれ示す。
【0051】つぎに上述した装置の作用を説明する。装
置の外部を搬送される缶3は、前述したチャックハンド
31によって把持され、リフター30によって引き上げ
られた状態で、トラバーサ29がガイドレール28に沿
って装置内に移動することにより装置内に運ばれ、かつ
固定テーブル4の上方でトラバーサ29が停止するとと
もに、リフター30が下降動作することにより缶3が倒
立状態で固定テーブル4の上に載せられる。チャックハ
ンド31による缶3の把持が解除された後、位置決めプ
ッシャ6がアクチュエータ8によって動作させられて基
準ゲージブロック5側に移動し、缶3の巻締部3aを位
置決めプッシャ6によって押してその外周面を基準ゲー
ジブロック5に押し付けて缶3の位置決めが終了する。
【0052】その状態を図11に模式的に示してあり、
位置決めプッシャ6が巻締部3aを押して位置決めする
ほぼ同時に、T寸法測定ブロック13が直動型アクチュ
エータ15によって基準ゲージブロック5側に移動させ
られるとともに、直動型アクチュエータ17によって固
定テーブル4の上面に突出させられ、缶3の巻締部3a
の内周面に当接する。さらにW寸法測定ブロック14
が、直動型アクチュエータ20の駆動軸21の固定テー
ブル4に対する後退移動に伴い、その自重によって固定
テーブル4に向かって移動させられ、W寸法測定ブロッ
ク14のW寸法測定部14bが缶蓋の巻締部3aの折り
返し部端縁Fに当接する。図12はその状態を缶3の下
側から見た図である。
【0053】なお、この場合、W寸法測定部14bが缶
蓋の巻締部3aの折り返し部端縁Fに加える圧縮力は、
ロッド18を含むW寸法測定ブロック14の自重のみで
あるから、W寸法測定部14bが、缶巻締部3aを固定
テーブル4とW寸法測定部14bとの間に挟み込むとし
ても、缶巻締部3aには過大な圧縮力は作用せず、缶巻
締部3aが潰れることはない。
【0054】このように位置決めされかつ基準ゲージブ
ロック5とT寸法測定ブロック13とによって挟まれる
と共に、固定テーブル4とW寸法測定ブロック14のW
寸法測定部14bとによって挟まれた巻締部3aは、X
線源1からカメラ2に至る軟X線の照射中心軸線にほぼ
一致しており、したがって軟X線は、巻締部3aの接線
方向に向けて照射されることになる。巻締部3aおよび
各ブロック5,13,14のX線透過量が異なるから、
巻締部3aの透視画像を得ることができ、カメラ2がこ
れを取り込む。カメラ2によって得られた画像は、画像
処理装置41によってコントラストを付けるとともにエ
ッジ強調処理を行う。このようにして得られた画像を図
13に模式的に示してある。
【0055】なお、ここで基準ゲージブロック5の上端
部(図13においては右端部)は、所定寸法に亘って矩
形断面に切り欠かれており、この切り欠き部分と固定テ
ーブル4に接する面との寸法G1 がX方向基準寸法とし
て予め一定値に設定されており、また矩形断面に切り欠
いた部分の寸法G2 がY方向基準寸法として予め定めた
寸法に設定されている。この基準ゲージブロック5とこ
れに対向するT寸法測定ブロック13、そしてW寸法測
定ブロック14のW寸法測定部14bとは、X線の透過
量の少ない構成のものであるから、画像上では、暗部と
して明確に現れており、したがって巻締部3aの透視画
像と各ブロック5,13,14の輪郭がX線透視画像上
に明瞭に現れる。
【0056】これは、缶胴の素材をスチールとし、缶蓋
の素材をアルミニウムとしたバイメタル缶においてX線
の強度を高くした場合においても同様である。したがっ
て画像では、厚さ方向の輪郭と内部の各位置が明瞭に現
れ、したがって前記各基準寸法G1 ,G2 の1画素あた
りの寸法を基準値として予め算出しておくことにより、
下記の各寸法が算出される。なお、その場合、画像処理
の後に図13に示すE0 ,E1 ,E2 ,E3 ,E4 ,E
5 ,E6 の各測定エッジを順次検出し、またX方向およ
びY方向の較正値Gx mm/画素,Gy mm/画素を算出し
ておく。またこれらの演算は、この発明で演算手段に相
当する前述したコンピュータ39により予め定められた
プログラムに従って実行される。
【0057】巻締幅W=(E1 −E0 )×Gx mm+βw ボデーフックBH=(E2 −E4 )×Gx mm+βBH カバーフックCH=(E1 −E3 )×Gx mm+βCH オーバーラップOL=(E2 −E3 )×Gx mm+βOL 巻締厚Ta =(E6 −E5 )×Gy mm+βTa なお、アッパークリアランスUC、ロアークリアランス
LCも必要であれば同様に求めることができる。
【0058】また、補正値βは測定項目ごとに算出す
る。算出の仕方は、予め巻締部の同じ位置を補正値β=
0として演算した測定値Xaと人手測定値Xbとの差β
=(Xa−Xb)から、βw ,βBH,βCH,βOL,βTa
を求め缶種ごとにコンピュータ入力する。Xは約30缶
の平均値をとる。
【0059】ところで前記巻締部3aは、缶中心軸線に
対して4度程度傾斜しているから、缶3の半径方向で対
向する基準ゲージブロック5とT寸法測定ブロック13
とで巻締部3aを挟み付けて得た巻締厚Ta は、実寸よ
りも若干大きい値となって現れる。そこでより正確な値
を得るためには、上記のようにして得られた巻締厚Ta
を巻締部3aの傾斜角度θに基づいて補正することが好
ましい。その場合、T寸法測定ブロック13の先端部が
巻締部3aの内周面に当接することになるから、そのT
寸法測定ブロック13の固定テーブル4の上面からの寸
法E7 を検出して次式により補正処理して、巻締部3a
の巻締厚実寸法Tの近似値を得ることができる。
【0060】
【式1】 なお、巻締部3aの傾斜角度θはほぼ一定しているか
ら、上述した基準ゲージブロック5とT寸法測定ブロッ
ク13とを、巻締部3aと平行となるように予め傾斜さ
せておくこともできる。このような構成であれば、X線
透視画像上の基準ゲージブロック5とT寸法測定ブロッ
ク13との間隔から、上述のような補正処理を行うこと
なく巻締部3aの巻締厚TをTa ・cosθとして求め
ることができる。
【0061】なお、傾斜角度θを図15に示す透視画像
から次式を用いて求めることもできる。
【0062】θ=tan-1{(E8 −E5 )・Gy /
(E9 −E8 )・Gx } 上述した巻締部3aの各部位の計測と同時に、もしくは
それに先行して缶3の高さの測定およびカウンターシン
クの寸法の測定を行う。先ず、高さの測定について説明
すると、位置決めプッシャ6を前進させて基準ゲージブ
ロック5との間に缶3を挟み付けて位置決めした状態で
前述した高さ測定用の投光ヘッダ26と受光ヘッダ27
とが下降させられる。これらのヘッダ26,27が対象
とする缶3の高さに対応する位置まで下降し、投光ヘッ
ダ26から所定幅のレーザビームが受光ヘッダ27に向
けて照射される。その光軸は、水平面に対して所定角度
θ傾斜しており、したがって図8に示すように、レーザ
ビームはナイフエッジ25と缶3の端部とによって遮蔽
され、H1 で示す幅のビームに絞られる。このビームの
幅H1 は、受光ヘッダ27によって計測され、それに基
づいて缶3の高さCaHが前述した式に基づいて演算さ
れる。
【0063】一方、カウンターシンクCの測定は、位置
決めされた缶3に対してその下方からスタイラス23を
上昇させることによって行われる。このスタイラス23
の基準位置すなわち固定テーブル4の上面からの下側へ
の寸法bは予め設定されているから、その位置からカウ
ンターシンク部に当接するまでのスタイラス23の上昇
量を、パルス信号をカウントすることにより測定し、そ
の測定値aから既知の寸法bを減算することにより、カ
ウンターシンクCの寸法が測定される。
【0064】上述のようにして巻締部3aの各部位の寸
法および缶3の高さならびにカウンターシンクの寸法を
測定した後、位置決めプッシャ6がアクチュエータ8に
よって後退移動させられ、缶3の位置決めが解除され
る。そして、T寸法測定ブロック13が、直動型アクチ
ュエータ15によって缶3の巻締部3aに対して後退移
動させられるとともに、直動型アクチュエータ17が直
動型アクチュエータ15の駆動軸16に対して後退移動
することによって、T寸法測定ブロック13がその自重
により固定テーブル4の下側に移動させられる。また、
W寸法測定ブロック14が、直動型アクチュエータ20
によって押し上げられて、固定テーブル4に対してその
上側方向に後退移動させられ、W寸法測定部14bが缶
3の巻締部3aの折り返し部端縁から離れる。その後、
固定テーブル4に載せられた缶に対して、チャックハン
ド31が下降し、チャックハンド31に備えられたゴム
ローラ33によって缶3が把持される。そして、その状
態でリフター30が缶3をわずかに上昇させるととも
に、モータ34が駆動してゴムローラ33が回転し、缶
3がその円周方向に回転させられる。そしてその状態で
チャックハンド31に備えた位置決めセンサ35によっ
て、缶3の新たな測定箇所が割り出される。そして測定
箇所が決定すると、モータ34が停止し、ゴムローラ3
3の回転の停止に伴って缶3の回転が停止させられる。
そしてチャックハンド31がその状態でリフター30に
よって下降させられ、缶3が元の位置すなわち固定テー
ブル4上に戻される。そしてチャックハンド31は缶3
を離すとともに、固定テーブル4に載せられた缶3に対
して上昇して離隔する。
【0065】ついでまた前記位置決めプッシャ6が基準
ゲージブロック5に向けて前進し、缶3の巻締部3aを
基準ゲージブロック5との間に挟み付けるとともに、T
寸法測定ブロック13およびW寸法測定ブロック14が
移動することにより、位置決めを行う。そして、この状
態で、上述した巻締部3aの各部位の寸法の計測ならび
に巻締部3aの計測位置と同一の位置での缶3の高さの
測定およびカウンターシンクの寸法の測定が、上述した
場合と同様に行われる。
【0066】そして、上述した手順により缶3の測定箇
所の割り出しと測定とを、巻締部3aの複数箇所につい
て行い、計測が終了する。
【0067】そして位置決めプッシャ6が後退して前述
したように缶3の位置決めを解除し、その缶3に対して
チャックハンド31が下降するとともに缶3を把持し、
その状態でリフター30が缶3を上昇させ、ついでトラ
バーサ29が装置の外部に向けて移動し、缶3を搬送ラ
インに戻す。
【0068】なお、以上説明した具体例では、円筒缶を
対象としたが、この発明は、楕円缶(オーバル缶)など
の異形の缶にも使用することができる。また缶は、必ず
しも倒立させる(計測巻締部を下方側にする)必要はな
く、正立させて測定するよう構成してもよい。その場
合、前述した各ブロック5,13,14などを缶の高さ
に応じて固定テーブル4の上方に配置することになる。
さらに上記の実施例では、基準ゲージブロックの一部を
矩形断面に切り欠いて基準寸法G1 ,G2 を形成した
が、これらの基準寸法は、基準ゲージブロックあるいは
T寸法測定ブロックもしくはその他の適宜の箇所に設定
されていればよいのであって、必ずしも基準ゲージブロ
ックに設けられていなくてもよい。またさらにX線の出
力は、対象とする缶の素材のX線透過量に応じて変えれ
ばよく、アルミ缶の場合には出力を下げ、またスチール
缶の場合には、X線の透過量が低いので出力を高くす
る。さらにスチール製の缶胴とアルミ製の缶蓋との材質
が異なるバイメタル缶の場合には、X線出力を高低2段
に切り換えて連続的に撮像することにより透視画像を得
るようにしてもよい。そのようにすれば、缶胴のボデー
フック部に覆われていてX線が透過しにくいカバーフッ
クCHの端部である前述したE3 の測定エッジを正確に
検出することが可能になる。
【0069】またこの実施例によれば、ブリキ蓋巻の缶
の場合でも、巻締幅WとカバーフックCHの測定値にお
いて、人手測定とX線自動計測との測定差、W寸法、C
H寸法の測定差はほとんどなく、人手測定からX線自動
測定装置への完全移行を行うことが可能となる。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に記載した
発明によれば、巻締部よりもX線の透過量の少ない一対
の基準ブロックによって巻締部を内外周両側から挟み付
け、その状態でX線透視画像を得るように構成してある
から、巻締部の外周側の輪郭位置と内周側の輪郭位置と
を、一対の基準ブロックの透視画像から明確に判定する
ことができ、したがって巻締厚を含む各部位の寸法を正
確に測定することができ、それに伴い巻締部の密封特性
の良否の判定のみならず、巻締め工程管理をより総合的
かつ正確に行うことが可能になる。
【0071】特に請求項2に記載した発明では、缶の半
径方向に測定した巻締部の厚さを巻締部の傾斜角度に応
じて補正するよう構成してあるから、巻締部の厚さをよ
り正確に計測することができる。
【0072】また請求項3に記載した発明においては、
巻締部の傾斜に合わせてこれを挟む基準ブロックを傾斜
させたから、基準ブックの対向面の間隔として得られる
画像上の寸法が巻締部の巻締厚をそのまま表すことにな
り、したがって傾斜角度に基づいた補正を行わずに容易
かつ正確に巻締厚を測定することができる。
【0073】さらに請求項4に記載した発明によれば、
巻締部の各部位の計測と併せて、缶の高さを光学的に自
動計測することができ、また巻締部の測定位置と缶円周
方向で同一位置の被測定部位の缶の高さを測定すること
もできるから、巻締め工程における巻締めチャックの高
さの影響を缶の高さとして正確に把握することができ、
その結果、巻締め工程におけるチャックやリフターなど
の加工装置の高さ位置調整およびその良否の判定を正確
に行うことが可能になる。
【0074】さらに請求項5に記載した発明によれば、
X線照射方向の透過厚み内に巻締部の蓋の折り返し部端
縁にうねりがあっても、X線照射方向と直交して当て板
手段を折り返し部端縁に当接することにより、常に予め
決められた位置を測定することができる、すなわち測定
位置を特定できるので、人手測定とX線自動計測との測
定差が安定し、それに伴なって補正値を求めることがで
きるため、その測定位置を人手で測定して、自動測定と
の測定差を補正値としてコンピュータに記憶させること
ができ、測定値を算出する際に、計算で得た値に補正値
を加算することで缶種固有の誤差の傾向を減少させるこ
とができる。また、当て板手段をX線の透過量の少ない
材質で形成すれば、自動測定時に測定部においてシャー
プな画像が得られ、巻締部の測定位置が簡単な画像処理
で特定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる装置の主要部の配置を示す概
略的な平面図である。
【図2】その概略的な側面図である。
【図3】固定テーブルおよび基準ゲージブロック、T寸
法測定ブロックならびに位置決めプッシャの配置を示す
平面図である。
【図4】その側面図である。
【図5】T寸法測定ブロックおよびW寸法測定ブロック
の機構構造を示す概略的な斜視図である。
【図6】その断面側面図である。
【図7】カウンターシンクの測定機構を説明するための
概略図である。
【図8】缶高さを測定する機構を説明するための概略図
である。
【図9】チャックハンドの把持機構を説明するための概
略図である。
【図10】この発明にかかる装置の筐体内での配置を示
す概略図である。
【図11】缶の位置決め過程を説明するための説明図で
ある。
【図12】位置決めされた缶とX線の照射方向との関係
を説明するための底面図である。
【図13】巻締部のX線透視画像を画像処理して得た画
像を模式的に示す図である。
【図14】巻締部の各部位の寸法を説明するための説明
図である。
【図15】巻締部のX線透視画像を画像処理して得た画
像を模式的に示す他の図である。
【符号の説明】
1…X線源、 2…カメラ、 3…缶、 3a…巻締
部、 4…固定テーブル、 5…基準ゲージブロック、
13…T寸法測定ブロック、 14…W寸法測定ブロ
ック、 14a…基体部分、 14b…W寸法測定部、
25…ハイト測定用ナイフエッジ、 26…投光ヘッ
ダ、 27…受光ヘッダ、 39…コンピュータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−108935(JP,A) 特開 昭63−140906(JP,A) 特開 昭64−1959(JP,A) 特開 昭64−2744(JP,A) 特開 平9−248643(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01B 15/00 - 15/08 G11B 21/00 - 21/32 B21D 51/00 - 51/54

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 缶胴と缶蓋とを結合している巻締部を、
    その接線方向に軟X線を照射することにより撮像し、得
    られたX線透視画像から前記巻締部における複数の測定
    部位の寸法を計測する缶巻締部の非破壊計測装置におい
    て、 前記軟X線の照射軸線に対してほぼ垂直な面内で、前記
    巻締部を互いに平行な先端部で内外周側から挟む一対の
    基準ブロックが設けられるとともに、これらの基準ブロ
    ックが前記巻締部より軟X線の透過量の少ない構成とさ
    れ、さらにこれら一対の基準ブロックの前記X線透視画
    像での間隔に基づいて前記巻締部の厚さを求める演算手
    段を備えていることを特徴とする缶巻締部の非破壊計測
    装置。
  2. 【請求項2】 前記一対の基準ブロックが、前記缶胴の
    中心軸線に対して垂直な面内で対向して前記巻締部を挟
    み付ける向きに配置され、かつこれら一対の基準ブロッ
    クの前記X線透視画像での間隔を、これら一対の基準ブ
    ロックの対向する方向に対する巻締部の傾斜角度によっ
    て補正して巻締部の厚さを求める手段を備えていること
    を特徴とする請求項1に記載の缶巻締部の非破壊計測装
    置。
  3. 【請求項3】 前記一対の基準ブロックが、前記軟X線
    の照射軸線に対してほぼ垂直な面内でかつ前記巻締部に
    直交する方向で巻締部を挟み付ける向きに配置されてい
    ることを特徴とする請求項1に記載の缶巻締部の非破壊
    計測装置。
  4. 【請求項4】 前記巻締部の前記軟X線を照射した部位
    と円周方向で同一位置に対応する缶の上端部にレーザ光
    を照射して缶高さを測定する手段を備えていることを特
    徴とする請求項1に記載の缶巻締部の非破壊計測装置。
  5. 【請求項5】 前記巻締部を固定面に当接させて設置し
    た缶における巻締部の缶蓋の折り返し部端縁に、前記固
    定面に垂直な方向に移動して接離する当て板手段と、前
    記固定面と前記当て板手段のX線透視画像での間隔に基
    づいて前記巻締部の幅を求める演算手段とを備えている
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の
    缶巻締部の非破壊計測装置。
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