JP3628843B2 - トラクタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポジション制御機能を備えるトラクタの技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種トラクタは、ポジションレバーの操作位置をポジションセンサで検出すると共に、該ポジションセンサの検出値を目標としてリフトアーム(作業機)を自動的に昇降制御するポジション制御機能を備えるが、この様なものでは、エンジン始動と同時にリフトアームが作動することを防止すべく、ポジションセンサ値がリフトアームセンサ値に一致するまでポジション制御の開始を規制することが要求される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近来のトラクタにおいては、特殊な作業機を装着することを考慮し、上げ規制設定器の設定値に応じてリフトアームの最上げ位置を変更する上げ規制機能を備えるものがある。つまり、ポジションセンサ値が上げ規制設定器の設定値よりも上昇側である場合に、ポジションセンサ値を上げ規制設定値に置換するものであるが、エンジン始動時にリフトアームが上げ規制設定位置よりも上昇側に位置し、かつ上げ規制機能がONである場合には、ポジションセンサ値をリフトアームセンサ値に一致させることができないため、上げ規制機能をOFFにしたり、あるいは上げ規制設定位置をリフトアーム位置よりも上昇側に変更する余分な操作をしなければ、ポジション制御を開始できない不都合があった。
また、ポジション制御機能を備えるトラクタでは、通常、リフトアームセンサ値の変化領域よりもポジションセンサ値の変化領域を広く設定しているが、センサのセット不良等によってリフトアームセンサ値がポジションセンサ変化領域(限界値)から外れた場合には、ポジションセンサ値をリフトアームセンサ値に一致させることができないため、ポジション制御を開始できない不都合があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、作業機を昇降させるリフトアームと、該リフトアームの昇降作動位置を検出するリフトアームセンサと、ポジションレバーの操作位置を検出するポジションセンサと、前記リフトアームの昇降作動を制御する昇降制御部とを備えると共に、該昇降制御部に、ポジションセンサ値を目標位置としてリフトアームを自動的に昇降制御するポジション制御手段と、ポジションセンサ値がリフトアームセンサ値に一致するまでポジション制御の開始を規制するポジション開始規制手段と、ポジションセンサ値が上げ規制設定器の設定値よりも上昇側である場合にポジションセンサ値を上げ規制設定値に置換する上げ規制手段とを設けてなるトラクタにおいて、前記昇降制御部に、リフトアームセンサ値が上げ規制設定値よりも上昇側である場合、上げ規制手段によるポジションセンサ値の置換を規制する上げ規制解除手段と、上げ規制解除状態でポジションセンサ値がリフトアームセンサ値に一致してから、リフトアームセンサ値が上げ規制設定値よりも下降側になるまでのあいだ、リフトアームの上昇作動を規制するリフトアーム上昇規制手段とを設けたものである。つまり、エンジン始動時にリフトアームが上げ規制設定位置よりも上昇側に位置していたとしても、ポジションセンサ値をリフトアームセンサ値に一致させてポジション制御を開始することが可能であるため、上げ規制機能をOFFにしたり、あるいは上げ規制設定位置をリフトアーム位置よりも上昇側に変更する等の余分な操作を行う必要がない。しかも、ポジションセンサ値をリフトアームセンサ値に一致させた後は、リフトアームセンサ値が上げ規制設定値よりも下降側になるまでリフトアームの上昇作動が規制されるため、上げ規制位置よりも上昇側に位置しているリフトアームをさらに上昇させてしまう不都合も回避することができる。
請求項2の発明は、作業機を昇降させるリフトアームと、該リフトアームの昇降作動位置を検出するリフトアームセンサと、ポジションレバーの操作位置を検出するポジションセンサと、前記リフトアームの昇降作動を制御する昇降制御部とを備えると共に、該昇降制御部に、ポジションセンサ値を目標位置としてリフトアームを自動的に昇降制御するポジション制御手段と、ポジションセンサ値がリフトアームセンサ値に一致するまでポジション制御の開始を規制するポジション開始規制手段とを設けてなるトラクタにおいて、前記昇降制御部に、リフトアームセンサ値がポジションセンサ限界値を越えている場合、ポジションセンサ限界値を現在のリフトアームセンサ値に置換するポジション限界値置換手段を設けたものである。つまり、エンジン始動時にリフトアームセンサ値がポジションセンサ限界値を越えていても、ポジション制御を開始することができるため、センサのセット不良等に基づいて作業不能状態に陥る不都合を解消することができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態の一つを図面に基づいて説明する。図面において、1はトラクタの走行機体であって、該走行機体1の後部には、リフトアーム2で吊持される昇降リンク機構3を介してロータリ等の作業機4が装着されている。そして作業機4は、リフトシリンダ5の伸縮作動に基づくリフトアーム2の上下揺動に伴って昇降するが、これらの基本構成は何れも従来通りである。
【0006】
6は運転席Sの一側方に配設されるサイドパネルであって、該サイドパネル6の前側には、ポジション制御の目標高さ設定操作具であるポジションレバー7が配設される一方、サイドパネル6の後側には、耕深自動制御のON−OFF操作具である深さ自動スイッチ8、傾斜自動制御のON−OFF操作具である傾き自動スイッチ9、傾斜自動制御の目標傾斜設定操作具である傾き設定ボリューム10、上げ規制高さ設定操作具である上げ高さ設定ボリューム11、制御モード切換操作具であるモード切換スイッチ12、耕深自動制御の感度調節操作具である深さ感度スイッチ13、リフトアーム手動操作具であるリフトアーム手動スイッチ14等の操作具が開閉自在な透明カバー15で覆蓋される状態で配設されているが、さらに、サイドパネル6の前後方向中間位置には、耕深自動制御の目標耕深設定操作具である深さ設定ボリューム16と、バックアップ制御のON−OFF操作具であるバックアップスイッチ17とが独立的に配設されている。つまり、機体後進時に自動的に作業機4を上昇させるバックアップ機能のON−OFF状態を、わざわざ透明カバー15を開閉することなく切換えることができるため、バックアップ機能の切換頻度が高い状況において良好な操作性を発揮することができるようになっている。
【0007】
ところで、前記サイドパネル6の前後方向中間位置に、上方に突出する凸部6aを形成し、該凸部6aの上面に、前記深さ設定ボリューム16を配置しているが、凸部6aの前方には、ポジションレバー7をガイドするレバーガイド部6bが突出形成されているため、凸部6aとレバーガイド部6bとの間には、サイドパネル面よりも低位となる凹部6cが形成されるようになっている。そして、本実施形態では、前記バックアップスイッチ17を、サイドパネル面から突出しない状態で凹部6c内に配置しているため、誤ってバックアップスイッチ17に触れてバックアップ機能を意に反して切変えてしまう不都合も可及的に防止することができ、しかも、バックアップスイッチ17は、凸部6aの前側に形成される前低後高状の傾斜面6dに配置されるため、ポジションレバー操作を邪魔する不都合も回避することができるようになっている。
【0008】
18は運転席Sの前方に配設されるモニタパネルであって、該モニタパネル18には、エンジン回転数を表示する回転計19と、冷却水温度を表示する水温計20と、燃料の残量を表示する燃料計21と、エンジン油圧の異常を表示するオイルプレッシャランプ22と、バッテリの充電要求を表示するチャージランプ23と、デフロック状態を表示するデフロックランプ24と、フラッシャ点灯状態を表示するフラッシャ用ランプ25と、自動ブレーキ旋回機構のON−OFF状態を表示する自動ブレーキ旋回ランプ26と、前輪倍速旋回機構のON−OFF状態を表示する前輪倍速旋回ランプ27と、バックアップ制御のON−OFF状態を表示するバックアップランプ28と、ディーゼルエンジンの予熱状態を表示するグローランプ29と、耕深自動制御のON−OFF状態を表示する深さ自動ランプ30と、傾斜自動制御のON−OFF状態を表示する傾き自動ランプ31とが組み込まれているが、オイルプレッシャランプ22およびチャージランプ23は、警告を意味する赤色表示を行う一方、デフロックランプ24、自動ブレーキ旋回ランプ26、前輪倍速旋回ランプ27、バックアップランプ28およびグローランプ29は、注意を意味する黄色表示を行い、また、フラッシャ用ランプ25、深さ自動ランプ30および傾き自動ランプ31は、状態表示を意味する緑色常時を行うようになっている。
【0009】
前記モニタパネル18では、左右方向中間位置に回転計19が配置されており、該回転計19の正面視左側に、水温計20および燃料計21が配置される一方、回転計19の正面視右側に、黄色または緑色表示ランプであるデフロックランプ24、自動ブレーキ旋回ランプ26、前輪倍速旋回ランプ27、バックアップランプ28、グローランプ29、フラッシャ用ランプ25、深さ自動ランプ30および傾き自動ランプ31が集中的に配置され、さらに、赤色表示ランプであるオイルプレッシャランプ22およびチャージランプ23は、回転計19の上側に左右振り分け状に配置されている。つまり、操作に応じて点灯するモニタランプを回転計19の正面視右側に集中配置したため、操作状態の認識が容易になり、しかも、集中配置されたランプ色(レンズ色)が二色に制限されるため、コストダウンにも貢献することができるようになっている。また、本実施形態では、黄色または緑色表示ランプを集中配置するにあたり、走行系ランプ(24、25、26、27)と制御系ランプ(28、30、31)とを上下に振り分けているため、走行系ランプと制御系ランプとの識別も容易に行うことができるようになっている。
【0010】
32はマイクロコンピュータを用いて構成される制御部であって、該制御部32の入力側には、前述した各種の操作具、リフトアーム2の上下揺動角を検出するリフトアームセンサ33、ポジションレバー7の操作位置を検出するポジションセンサ34、リヤカバー4aの揺動角に基づいて作業機4の耕深を検出する耕深センサ35、ステアリングホイール36の近傍に設けられるクイックアップスイッチ(昇降スイッチ)37、機体後進操作を検出するバックアップ用センサ38等が接続される一方、出力側には、前述した各種ランプ、リフトシリンダ用電磁切換バルブ39の上昇用ソレノイド39aおよび下降用ソレノイド39b、警報音を発生させるブザー40等が接続されている。
【0011】
そして、制御部32は、各種のデータを初期セットする「初期データセット」を実行した後、ポジションセンサ34の生データをポジションセンサデータに変換する「ポジションセンサデータセット」、上げ高さ設定ボリューム11の生データを上げ高さデータに変換する「上げ規制データセット」、ポジションセンサ34の検出信号に応じてポジションデータをセットする「ポジション制御用データセット」、深さ設定ボリューム16の設定信号に応じて耕深目標データをセットする「耕深自動制御用データセット」、クイックアップスイッチ37の操作信号に応じてポジションデータをセットする「クイックアップ制御用データセット」、バックアップ用センサ38の検出信号に応じてポジションデータをセットする「バックアップ制御用データセット」、ポジションデータとリフトアームセンサデータとの比較(または耕深目標データと耕深センサデータとの比較)に基づいてリフトシリンダ用電磁切換バルブ39の上昇用ソレノイド39aおよび下降用ソレノイド39bに駆動信号を出力する「データ比較出力制御」等のサブルーチンを繰り返し実行するが、前記「データ比較出力制御」は、ポジションデータとリフトアームセンサデータとが一致した場合に制御中フラグ(ポジション制御開始許容フラグ)をセットする制御中フラグセット手段と、制御中フラグがセットされるまで通常制御(ポジション制御)の実行を規制する通常制御開始規制手段とを備えている。
【0012】
次に、前記サブルーチンのうち、「初期データセット」、「ポジション制御用データセット」および「クイックアップ制御用データセット」の制御手順をフローチャートに基づいて説明する。さて、「初期データセット」では、クイックアップスイッチ37の操作状態を初期接点データにセットするステップ、始動時リフトアームセンサデータを初期上げ規制データ(始動時用可変上げ規制データ)にセットするステップ、始動時リフトアームセンサデータを初期リフトアームデータにセットするステップ、始動時リフトアームセンサデータがリフトアーム最小データ(固定データ)よりも小さい場合にリフトアーム最小データに始動時リフトアームセンサデータをセットするステップ、前記制御中フラグをリセットするステップと、後述する初期セットフラグをリセットするステップ、後述する初期データ上げ規制以下フラグをリセットするステップ等を実行するが、さらに「初期データセット」では、始動時リフトアームセンサデータがポジション最大データ(固定データ)よりも大きい場合にポジション最大データに始動時リフトアームセンサデータをセットするステップと、始動時リフトアームセンサデータがポジション最小データ(固定データ)よりも小さい場合にポジション最小データに始動時リフトアームセンサデータをセットするステップとを実行するようになっている。即ち、始動時リフトアームセンサデータがポジションデータ変化範囲を越えている場合に、ポジション変化範囲設定データを始動時のリフトアームセンサデータに置換するため、センサのセット不良等に基づいて上記の様な状況が生じても、ポジションデータとリフトアームセンサデータとを一致させてポジション制御を開始させることが可能になり、その結果、センサのセット不良等に基づいて作業不能状態に陥る不都合を解消することができるようになっている。
【0013】
「ポジション制御用データセット」では、まず、データBにリフトアーム最大データをセットすると共に、データAに上げ規制データをセットした後、データBがデータAよりも大きいか否かを判断する。つまり、リフトアーム最大データが上げ規制データよりも大きいか否かを判断し、この判断がNOである場合には、上げ規制データをリフトアーム最大データに置換する処理を実行するようになっている。
【0014】
次に、前記「初期データセット」でリセットされる初期データ上げ規制以下フラグがリセット状態であるか否かを判断し、該判断がYESの場合には、データBにリフトアームセンサデータをセットした後、データBがデータAよりも大きいか否かを判断する。つまり、リフトアームセンサデータが上げ規制データよりも大きいか否かを判断し、該判断がNOである場合には、初期データ上げ規制以下フラグをセットして通常のポジションデータセット処理を実行するようになっている。そして、通常のポジションデータセット処理では、耕深用リフトアーム上限データにデータA(上げ規制データ)をセットすると共に、データBにポジションセンサデータをセットした後、データB(ポジションセンサデータ)がデータA(上げ規制データ)以下であるか否かを判断し、この判断がYESの場合には、ポジション最小データのチェック処理を行った後、ポジションデータおよびポジション目標データにデータB(ポジションセンサデータ)をセットする一方、NOと判断した場合には、データBにデータA(上げ規制データ)をセットした後、ポジションデータおよびポジション目標データにデータB(上げ規制データ)をセットするようになっている。
【0015】
一方、初期データ上げ規制以下フラグがリセット状態で、かつリフトアームセンサデータが上げ規制データよりも大きい場合には、データAに初期上げ規制データ(始動時リフトアームセンサデータ)をセットした後、データB(リフトアームセンサデータ)がデータA(初期上げ規制データ)よりも小さいか否かを判断する。そして、この判断がNOである場合には、耕深用リフトアーム上限データにデータA(初期上げ規制データ)をセットすると共に、データBにポジションセンサデータをセットした後、データB(ポジションセンサデータ)がデータA(初期上げ規制データ)以下であるか否かを判断し、この判断がYESの場合には、ポジション最小データのチェック処理を行った後、ポジションデータおよびポジション目標データにデータB(ポジションセンサデータ)をセットする一方、NOと判断した場合には、データBにデータA(初期上げ規制データ)をセットした後、ポジションデータおよびポジション目標データにデータB(初期上げ規制データ)をセットするようになっている。つまり、エンジン始動時において、リフトアームセンサデータが上げ規制データよりも大きい場合であっても、ポジションデータに対し、上げ規制データをセットすることなく、ポジションセンサデータもしくは初期上げ規制データをセットするため、ポジションレバー操作に基づき、ポジションデータをリフトアームセンサデータに一致させてポジション制御を開始することができるようになっている。
【0016】
また、初期データ上げ規制以下フラグがリセット状態で、かつリフトアームセンサデータが上げ規制データよりも大きく、さらに、データB(リフトアームセンサデータ)がデータA(初期上げ規制データ)よりも小さい場合には、データAにデータB(リフトアームセンサデータ)をセットした後、初期上げ規制データおよび耕深用リフトアームデータにデータA(リフトアームセンサデータ)をセットすると共に、データBにポジションセンサデータをセットする。そして、データB(ポジションセンサデータ)がデータA(リフトアームセンサデータ)以下であるか否かを判断し、この判断がYESの場合には、ポジション最小データのチェック処理を行った後、ポジションデータおよびポジション目標データにデータB(ポジションセンサデータ)をセットする一方、NOと判断した場合には、データBにデータA(リフトアームセンサデータ)をセットした後、ポジションデータおよびポジション目標データにデータB(リフトアームセンサデータ)をセットするようになっている。つまり、リフトアームセンサデータが上げ規制データよりも大きい状態において、ポジションデータをリフトアームセンサデータに一致させてポジション制御を開始した場合には、仮令ポジションセンサデータがリフトアームセンサデータを越えたとしても、ポジションデータが現リフトアームセンサデータに置き換えられるため、リフトアームセンサデータが上げ規制データ以下になるまではリフトアーム2の上昇作動が規制されるようになっており、その結果、上げ規制高さよりも上昇側に位置するリフトアーム2をさらに上昇させてしまう不都合を回避することができるようになっている。
【0017】
「クイックアップ制御用データセット」では、まず、初期セットフラグおよび制御中フラグのセット状態を判断し、ここで、初期セットフラグがリセット状態で、かつ制御中フラグがセット状態であると判断した場合には、サブルーチンとして定義される「通常クイックアップ制御用データセット」を実行するようになっている。そして、「通常クイックアップ制御用データセット」において、クイックアップスイッチ37の上昇操作に基づいてクイックアップ上昇フラグがセットされた場合には、親ルーチン復帰後に、ポジションデータが上げ規制データに置換されるため、リフトアーム2が上げ規制高さまで自己保持的に上昇することになり、一方、「通常クイックアップ制御用データセット」において、クイックアップスイッチ37の下降操作に基づいてクイックアップ上昇フラグがリセットされた場合には、ポジションデータの置換が解除されるため、リフトアーム2がポジション設定高さまで下降するようになっている。
【0018】
一方、制御中フラグがリセット状態である場合には、タイマセットおよびポジション変化確認データセットを行いつつ、クイックアップスイッチ37の操作を判断し、該判断がYESの場合には、初期セットフラグをセットする。つまり、初期セットフラグがセットされた場合には、ポジションデータに初期リフトアームデータがセットされるため、この時点でポジションデータがリフトアームセンサデータに一致したと見做してポジション制御の開始が許容(制御中フラグセット)されるようになっている。また、初期セットフラグのセット状態において、ポジションセンサデータが変化した場合や、前記タイマ時間が経過するまでクイックアップスイッチ37の操作が継続された場合や、再度クイックアップスイッチ37が操作された場合には、初期セットフラグをリセットして「通常クイックアップ制御」に移行するが、リフトアームセンサデータがポジションデータよりも小さい状況においては、クイックアップスイッチ37を下降操作しても初期フラグをリセットしないように設定されている。尚、クイックアップスイッチ37の操作に基づいて初期セットフラグをリセットする際には、スイッチ操作に応じてクイックアップ上昇フラグがセットもしくはリセットされるため、「通常クイックアップ制御用データセット」に移行した後も、前記スイッチ操作に基づくリフトアーム作動が継続されるようになっている。
【0019】
叙述の如く構成されたものにおいて、ポジションデータがリフトアームセンサデータに一致するまでポジション制御の開始を規制するポジション開始規制機能と、ポジションデータが上げ規制データよりも大きい場合にポジションデータに上げ規制データをセットする上げ規制機能とを備えるものであるが、エンジン始動時において、リフトアームセンサデータが上げ規制データよりも大きい場合には、ポジションデータに上げ規制データをセットしないようにしたため、エンジン始動時にリフトアーム2が上げ規制高さよりも上昇側に位置していたとしても、ポジションデータをリフトアームセンサデータに一致させてポジション制御を開始することが可能になり、その結果、上げ規制機能をOFFにしたり、あるいは上げ規制高さを変更する等の余分な操作を不要にして操作性を向上させることができる。
【0020】
また、ポジションデータがリフトアームセンサデータに一致してから、リフトアームセンサデータが上げ規制データ以下になるまでのあいだ、リフトアーム2の上昇作動を規制するため、上げ規制高さよりも上昇側に位置しているリフトアーム2をさらに上昇させてしまう不都合を回避することができる。
【0021】
また、始動時リフトアームセンサデータがポジションデータ変化範囲を越えている場合に、ポジション変化範囲設定データを始動時のリフトアームセンサデータに置換するため、センサのセット不良等に基づいて上記の様な状況が生じても、ポジションデータとリフトアームセンサデータとを一致させてポジション制御を開始させることが可能になり、その結果、センサのセット不良等に基づいて作業不能状態に陥る不都合を解消することができる。
【0022】
また、クイックアップスイッチ37が操作された場合には、ポジションデータがリフトアームセンサデータに一致したと見做すようにしたため、エンジン始動時にリフトアーム2が上げ規制高さよりも上昇側に位置していたり、リフトアームセンサデータがポジションデータ変化範囲を越えていたとしても、クイックアップスイッチ37を操作するだけでポジション制御を開始することが可能になり、その結果、面倒な操作を要求したり、作業不能状態に陥る不都合を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トラクタの側面図である。
【図2】同上平面図である。
【図3】サイドパネルの側面図である。
【図4】同上平面図である。
【図5】モニタパネルの正面図である。
【図6】制御部の入出力を示すブロック図である。
【図7】メインルーチンを示すフローチャートである。
【図8】「初期データセット」を示すフローチャートである。
【図9】「ポジション制御用データセット」を示すフローチャートである。
【図10】「クイックアップ制御用データセット」を示すフローチャートである。
【図11】各種設定値および変数の関係を示す説明図である。
【図12】作用を示す説明図である。
【符号の説明】
1 走行機体
2 リフトアーム
3 昇降リンク機構
4 作業機
5 リフトシリンダ
7 ポジションレバー
11 上げ高さ設定ボリューム
32 制御部
34 ポジションセンサ
37 クイックアップスイッチ
Claims (2)
- 作業機を昇降させるリフトアームと、該リフトアームの昇降作動位置を検出するリフトアームセンサと、ポジションレバーの操作位置を検出するポジションセンサと、前記リフトアームの昇降作動を制御する昇降制御部とを備えると共に、該昇降制御部に、ポジションセンサ値を目標位置としてリフトアームを自動的に昇降制御するポジション制御手段と、ポジションセンサ値がリフトアームセンサ値に一致するまでポジション制御の開始を規制するポジション開始規制手段と、ポジションセンサ値が上げ規制設定器の設定値よりも上昇側である場合にポジションセンサ値を上げ規制設定値に置換する上げ規制手段とを設けてなるトラクタにおいて、前記昇降制御部に、リフトアームセンサ値が上げ規制設定値よりも上昇側である場合、上げ規制手段によるポジションセンサ値の置換を規制する上げ規制解除手段と、上げ規制解除状態でポジションセンサ値がリフトアームセンサ値に一致してから、リフトアームセンサ値が上げ規制設定値よりも下降側になるまでのあいだ、リフトアームの上昇作動を規制するリフトアーム上昇規制手段とを設けたトラクタ。
- 作業機を昇降させるリフトアームと、該リフトアームの昇降作動位置を検出するリフトアームセンサと、ポジションレバーの操作位置を検出するポジションセンサと、前記リフトアームの昇降作動を制御する昇降制御部とを備えると共に、該昇降制御部に、ポジションセンサ値を目標位置としてリフトアームを自動的に昇降制御するポジション制御手段と、ポジションセンサ値がリフトアームセンサ値に一致するまでポジション制御の開始を規制するポジション開始規制手段とを設けてなるトラクタにおいて、前記昇降制御部に、リフトアームセンサ値がポジションセンサ限界値を越えている場合、ポジションセンサ限界値を現在のリフトアームセンサ値に置換するポジション限界値置換手段を設けたトラクタ。
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