JP3628510B2 - 車両のステアリング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両のステアリング装置に係り、詳しくは、ステアリング系に設けられた電動機を駆動するための駆動回路の動作をチェックする作動確認部を備えたものにおいて、車両走行中は駆動回路の動作をチェックを行なわないようにすることで、駆動回路の動作チェックに伴って電動機に電流が供給されステアリング系に電動機からの補助トルクが供給されて操舵に違和感を与えることがないようにした車両のステアリング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ステアリング系に電動機に備え、この電動機から操舵補助トルクをステアリング系に供給することで運転者の操舵力を軽減するようにした電動パワーステアリング装置等の車両のステアリング装置は知られている。図1は車両のステアリング装置の一具体例としての電動パワーステアリング装置の模式構造図である。電動パワーステアリング装置1は、ステアリング系に電動機10を備え、電動機10から供給する動力を制御装置20を用いて制御することによって、運転者の操舵力を軽減している。
【0003】
ステアリングホイール(ハンドル)2に一体的に設けられたステアリング軸3は、自在継ぎ手4a,4bを有する連結軸4を介してラック&ピニオン機構5のピニオン6へ連結される。ラック軸7はピニオン6と噛合するラック歯7aを備える。ラック&ピニオン機構5は、ピニオン6の回動をラック7の軸方向への往復運動へ変換する。ラック軸7の両端にタイロッド8を介して転動輪としての左右の前輪9が連結される。ステアリングホイール2を操舵すると、ラック&ピニオン機構5ならびにタイロッド8を介して前輪9が揺動される。これにより車両の向きを変えることができる。
【0004】
操舵力を軽減するために、操舵補助トルク(アシストトルク)を供給する電動機10をラック軸7と同軸的に配置し、ラック軸7にほぼ平行に設けられたボールねじ機構11を介して電動機10の回動出力を推力に変換して、ラック軸7に作用させている。電動機10のロータには、駆動側ヘリカルギア10aが一体的に設けられている。ボールねじ機構11のねじ軸11aの軸端に一体的に設けられてヘリカルギア11bと駆動側ヘリカルギア10aとを噛合させている。ボールねじ機構11のナット11cはラック軸7に連結されている。
【0005】
ステアリングボックス(図示しない)に設けられた操舵トルク検出器(操舵トルクセンサ)12によってピニオン6に作用する手動操舵トルクを検出し、検出した操舵トルクに応じた操舵トルク信号Tpを制御装置20へ供給している。制御装置20は、操舵トルク信号Tpを主信号として電動機10の運転を行なって、電動機10の出力パワー(操舵補助トルク)を制御する。
【0006】
図2は従来の制御装置の一具体例を示すブロック構成図である。従来の制御装置20Jは、制御部21Jと、駆動回路30と、イグニッションスイッチ開閉状態検出回路41と、安定化電源回路(REG)42と、パワーオンリセット回路(POR)43と、給電継続回路44と、リレー駆動回路45と、リレー46と、逆電圧防止用の各ダイオード47,48,49とからなる。制御部21Jは、作動確認部22Jと、操舵補助トルク制御部23と、出力選択部24とからなる。駆動回路30は、ゲート駆動回路31と、電界効果トランジスタ(FET)ブリッジ回路32とからなる。
【0007】
電界効果トランジスタ(FET)ブリッジ回路32は、4個の電力用Nチャネルエンハンスメント型MOS電界効果トランジスタ(FET)Q1〜Q4をブリッジ接続してなる。ゲート駆動回路31は、制御部21J内の出力選択部24から出力される各駆動信号24aに基づいて、各電界効果トランジスタ(FET)Q1〜Q4の各ゲートに対するゲート電力の供給を制御することで各電界効果トランジスタ(FET)Q1〜Q4の導通・非導通状態を制御する。
【0008】
符号10は電動機、符号12は操舵トルク検出器、符号13は車速検出器、符号14は電動機電流検出器、符号15は駆動回路電流検出器、符号16はイグニッションスイッチ、符号17はバッテリ電源である。電動機電流検出器14を電動機10に直列に介設することで、電動機10に流れる電流を検出するようにしている。電動機電流検出器14の電流検出出力信号である電動機電流信号14aは、作動確認部22Jならびに操舵補助トルク制御部23へ供給される。駆動回路電流検出器15を電界効果トランジスタ(FET)ブリッジ回路32に直列に介設することで、電界効果トランジスタ(FET)ブリッジ回路32に流れる電流を検出するようにしている。駆動回路電流検出器15の電流検出出力信号である駆動回路電流信号15aは、作動確認部22Jへ供給される。
【0009】
イグニッションスイッチ16が閉状態に操作されると、イグニッションスイッチ16→ダイオード48を介してバッテリ電源17が安定化電源回路(REG)42が供給される。安定化電源回路(REG)42は、バッテリ電源17から電力の供給を受けて、出力電圧が、例えば5ボルトで安定化された回路用電源VCCを出力する。回路用電源VCCは、制御部21J,パワーオンリセット回路(POR)43ならびにイグニッションスイッチ開閉状態検出回路41へ供給される。パワーオンリセット回路(POR)43は、回路用電源VCCが供給された時点から予め設定したリセット時間の間、パワーオンリセット信号43aを出力する。パワーオンリセット信号43aは、作動確認部22Jならびに操舵補助トルク制御部23へ供給される。
【0010】
イグニッションスイッチ開閉状態検出回路41は、ベース抵抗R1と、エミッタ接地されたNPNトランジスタQ5と、コレクタプルアップ抵抗R2とを備える。イグニッションスイッチ16が閉状態にあるときは、ダイオード47→ベース抵抗R1を介してNPNトランジスタQ5にベース電流が供給され、NPNトランジスタQ5のコレクタ−エミッタ間が導通状態となる。これにより、イグニッションスイッチ開閉状態検出回路41からLレベルのイグニッションスイッチ閉状態信号41aが出力される。また、イグニッションスイッチ16が開状態になると、NPNトランジスタQ5は非導通状態となり、コレクタプルアップ抵抗R2を介してHレベルのイグニッションスイッチ開状態信号41aが出力される。イグニッションスイッチ開/閉状態信号41aは作動確認部22Jならびに操舵補助トルク制御部23へ供給される。
【0011】
作動確認部22Jは、パワーオンリセット信号43aの供給を受けると、Hレベルの給電継続指令信号22cを給電継続回路44へ供給する。給電継続回路44は、ベース抵抗R3と、エミッタ接地されたNPNトランジスタQ6と、ベース抵抗R4と、PNPトランジスタQ7と、ダイオードD1とからなる。PNPトランジスタQ7のエミッタは、ダイオード49を介してバッテリ電源17へ接続される。PNPトランジスタQ7のコレクタはダイオードD1を介して安定化電源回路(REG)42へ接続される。
【0012】
給電継続回路44は、Hレベルの給電継続指令信号22cが供給されると、ベース抵抗R3を介してNPNトランジスタQ6にベース電流が供給されてNPNトランジスタQ6のコレクタ−エミッタ間が導通状態になり、ベース抵抗R4を介してPNPトランジスタQ7のベースから電流が引き込まれ、PNPトランジスタQ7のコレクタ−エミッタ間が導通状態となる。PNPトランジスタQ7の導通によって、ダイオード49→PNPトランジスタQ7→ダイオードD1の経路で安定化電源回路(REG)42へバッテリ電源17を供給する回路が形成される。したがって、作動確認部22JからHレベルの給電継続指令信号22cが出力されている間は、イグニッションスイッチ16が開状態に操作されても、給電継続回路44を介して安定化電源回路(REG)42へバッテリ電源17を供給することができ、制御装置20Jの動作を継続させることができる。
【0013】
作動確認部22Jは、パワーオンリセット信号43aの供給を受けると、Lレベルの出力選択指令信号22bを出力選択部24へ供給する。出力選択部24は、Lレベルの出力選択指令信号22bが供給された場合は、作動確認部22Jから出力される各駆動信号22aを駆動回路30へ供給し、Hレベルの出力選択指令信号22bが供給された場合は、操舵補助トルク制御部23から出力される各駆動信号23aを駆動回路30へ供給する。作動確認部22JからLレベルの出力選択指令信号22bを出力選択部24へ供給することで、作動確認部22Jで生成した各駆動信号22aに基づいて駆動回路30の動作を制御できる状態になる。
【0014】
次に、作動確認部22JはHレベルのリレー駆動指令信号22dを出力する。なお、リレー駆動指令信号22dはLレベルの出力選択指令信号22bを出力する以前に出力してもよいし、リレー駆動指令信号22dと出力選択指令信号22bとを同時に出力するようにしてもよい。リレー駆動指令信号22dはリレー駆動回路45へ供給される。
【0015】
リレー駆動回路45は、ベース抵抗R5と、エミッタ接地されたNPNトランジスタQ8とを備える。作動確認部22JからHレベルのリレー駆動指令信号22dが出力されると、ベース抵抗R5を介してNPNトランジスタQ8にベース電流が供給され、NPNトランジスタQ8のコレクタ−エミッタ間が導通状態となる。NPNトランジスタQ8が導通状態になると、バッテリ電源17→ダイオード49→リレー46の励磁巻線46a→NPNトランジスタQ8→車体アースの経路でリレー46の励磁巻線46aの励磁電流が供給され、リレー46の開接点)46bが導通状態になる。リレーの接点46bが導通状態になることで駆動回路30にバッテリ電源17が供給され、駆動回路30を介して電動機10へ電流を供給できる状態になる。
【0016】
次に、作動確認部22Jは、電界効果トランジスタ(FET)Q1だけを導通状態にする駆動信号22aを出力し、各電流検出器14,15の検出出力を監視する。作動確認部22Jは、電動機電流検出器14によって電動機電流が検出された場合、電界効果トランジスタ(FET)Q4に導通状態となる故障(オン故障)が発生しているものと判断する。作動確認部22Jは、駆動回路電流検出器15のみによって駆動回路電流が検出された場合、電界効果トランジスタ(FET)Q3に導通状態となる故障(オン故障)が発生しているものと判断する。作動確認部22Jは、オン故障が検出された場合、故障内容を図示しない故障内容記憶部に格納する。作動確認部22Jは、オン故障が検出されるとリレー駆動指令信号22dの出力を停止する。また、作動確認部22Jは、給電継続指令信号22cの出力も停止する。
【0017】
作動確認部22Jは、電界効果トランジスタ(FET)Q2だけを導通状態にする駆動信号22aを出力し、各電流検出器14,15の検出出力を監視する。作動確認部22Jは、電動機電流検出器14によって電動機電流が検出された場合、電界効果トランジスタ(FET)Q3に導通状態となる故障(オン故障)が発生しているものと判断する。作動確認部22Jは、駆動回路電流検出器15にのみよって駆動回路電流が検出された場合、電界効果トランジスタ(FET)Q4に導通状態となる故障(オン故障)が発生しているものと判断する。作動確認部22Jは、オン故障が検出された場合、故障内容を図示しない故障内容記憶部に格納する。作動確認部22Jは、オン故障が検出されるとリレー駆動指令信号22dの出力を停止する。また、作動確認部22Jは、給電継続指令信号22cの出力も停止する。
【0018】
作動確認部22Jは、電界効果トランジスタ(FET)Q3だけを導通状態にする駆動信号22aを出力し、各電流検出器14,15の検出出力を監視する。作動確認部22Jは、電動機電流検出器14によって電動機電流が検出された場合、電界効果トランジスタ(FET)Q2に導通状態となる故障(オン故障)が発生しているものと判断する。作動確認部22Jは、駆動回路電流検出器15のみによって駆動回路電流が検出された場合、電界効果トランジスタ(FET)Q1に導通状態となる故障(オン故障)が発生しているものと判断する。作動確認部22Jは、故障が検出された場合、故障内容を図示しない故障内容記憶部に格納する。作動確認部22Jは、オン故障が検出されるとリレー駆動指令信号22dの出力を停止する。また、作動確認部22Jは、給電継続指令信号22cの出力も停止する。
【0019】
作動確認部22Jは、電界効果トランジスタ(FET)Q4だけを導通状態にする駆動信号22aを出力し、各電流検出器14,15の検出出力を監視する。作動確認部22Jは、電動機電流検出器14によって電動機電流が検出された場合、電界効果トランジスタ(FET)Q1に導通状態となる故障(オン故障)が発生しているものと判断する。作動確認部22Jは、駆動回路電流検出器15のみによって駆動回路電流が検出された場合、電界効果トランジスタ(FET)Q2に導通状態となる故障(オン故障)が発生しているものと判断する。作動確認部22Jは、故障が検出された場合、故障内容を図示しない故障内容記憶部に格納する。作動確認部22Jは、オン故障が検出されるとリレー駆動指令信号22dの出力を停止する。また、作動確認部22Jは、給電継続指令信号22cの出力も停止する。
【0020】
次に、作動確認部22Jは、電界効果トランジスタ(FET)Q1と電界効果トランジスタ(FET)Q4とを予め設定した電流検出動作試験用のデューティ比でスイッチング動作させるための電流検出動作試験用PWM駆動信号22aを出力する。これにより、電動機10は電流検出動作試験用のデューティ比でPWM運転される。この電流検出動作試験用のデューティ比は、電動機10に、例えば数アンペア程度の比較的小さな電流を流すように設定している。
【0021】
作動確認部22Jは、駆動回路電流検出器15から出力される駆動回路電流信号15aに基づいて電流検出動作試験用のデューティ比に対応した駆動電流が検出されているか否かをチェックする。また、作動確認部22Jは、電動機電流検出器14から出力される電動機電流信号14aに基づいて電流検出動作試験用のデューティ比に対応した電動機電流が検出されているか否か、ならびに、検出された電動機電流の極性が妥当であるか否かをチェックする。作動確認部22Jは、各電流検出器14,15の検出出力である電流検出信号14a,15aに異常を検出した場合は、検出した異常内容を図示しない故障内容記憶部に格納するとともに、リレー駆動指令信号22dならびに給電継続指令信号22cの出力を停止する。
【0022】
次に、作動確認部22Jは、電界効果トランジスタ(FET)Q2と電界効果トランジスタ(FET)Q3とを予め設定した電流検出動作試験用のデューティ比でスイッチング動作させるための電流検出動作試験用PWM駆動信号22aを出力して、各電流検出器14,15の電流検出信号14a,15aに異常がないかチェックする。
【0023】
さらに、作動確認部22Jは、電流検出動作試験用PWM駆動信号22aを出力して電動機10をPWM運転している状態で、リレー駆動指令信号22dの出力を停止させ、リレー46の接点46bを開放させた後に、リレー駆動指令信号22dを出力してリレー46の接点を閉状態にする。駆動回路30を介して電動機10へ電流を供給させている状態で、リレー46の接点46bを開放させることで、リレーの接点46bのアーク放電を発生させ、リレー46の接点46bの自己洗浄を行なわせる。なお、各電流検出器14,15の電流検出動作のチェックを行なう前に、接点46bの自己洗浄動作を行なうようにしてもよい。
【0024】
作動確認部22Jは、各電界効果トランジスタQ1〜Q4のスイッチング動作チェック、各電流検出器14,15の電流検出動作チェック、ならびに、リレー46の接点46bの洗浄動作を終了すると、Hレベルの出力選択指令信号22bを出力して、操舵補助トルク制御部23から出力される各駆動信号23aが出力選択部24を介して駆動回路30へ供給できるようにするとともに、操舵補助トルク制御開始要求信号22eを操舵補助トルク制御部23へ供給して、操舵補助トルクの供給制御を開始させる。
【0025】
作動確認部22Jは、操舵補助トルク制御部23から操舵補助トルク制御終了信号23cが供給された場合、リレー駆動指令信号22dならびに給電継続指令信号22cの出力を停止する。
【0026】
操舵補助トルク制御部23は、パワーオンリセット信号43aに基づいて初期化処理を行なった後に、操舵補助トルク検出器12から出力される操舵トルク信号12a、ならびに、車速検出器13から出力される車速信号13aに基づいて、電動機10から供給する操舵補助トルクの演算ならびに操舵補助トルクを供給するために必要な電動機電流の演算処理を開始する。具体的には、操舵トルク信号12a(操舵トルクの大きさと操舵方向)に基づいて電動機10に供給する目標電流を求めた後に、車速に応じて電動機10に供給する電流の補正を行なう。この車速補正では、高車速になるほど操舵補助トルクが小さくなるようにしている。
【0027】
車速補正がなされた目標電動機電流は、フェードイン・フェードアウト処理部を介して偏差演算部へ供給される。フェードイン・フェードアウト処理部は、操舵補助トルク制御開始指令信号22eが供給されると、フェードイン処理を行なう。このフェードイン処理では、偏差演算部へ供給する目標電動機電流をゼロから車速補正がなされた目標電動機電流に向って所定時間の間に増大させる。フェードイン処理が終了した後は、車速補正がなされた目標電動機電流がそのまま偏差演算部へ供給される。
【0028】
偏差演算部は、フェードイン・フェードアウト処理部を介して供給される目標電動機電流と電動機電流検出器14で検出された電動機電流信号14a(電動機に実際に流れている電流)との偏差を求め、偏差信号をPID制御部へ供給する。PID制御部は、偏差信号にPID(比例・積分・微分)処理を施して、偏差がゼロに近づくように電動機10に供給する電流を制御するための駆動制御信号を生成して、生成した駆動制御信号をPWM信号生成部へ供給する。
【0029】
PWM信号生成部は、駆動制御信号に基づいて電動機10をPWM運転するためにパルス幅変調(PWM)された駆動信号23aを生成して出力する。操舵補助トルク制御部23から出力された駆動信号23aは、出力選択部24を介してゲート駆動回路31へ供給される。ゲート駆動回路31は、パルス幅変調(PWM)された駆動信号23aに基づいて各電界効果トランジスタのゲートを駆動して各電界効果トランジスタをスイッチング駆動する。これにより、電動機10がPWM運転され、電動機10から手動操舵トルクに対応した操舵補助トルクが供給される。
【0030】
操舵補助トルク制御部23は、イグニッションスイッチ開・閉状態信号41aに基づいてイグニッションスイッチ16が開状態に操作されたことを検出すると、フェードアウト処理を行なったのちに、操舵補助トルク制御終了信号23cを出力する。フェードアウト処理では、偏差演算部へ供給する目標電動機電流を車速補正がなされた目標電動機電流からゼロに向って所定時間の間に減少させる。
【0031】
作動確認部22Jは、操舵補助トルク制御終了信号23cが供給されると、リレー駆動指令信号22dの出力を停止してリレー46の接点46bを開放させるとともに、給電継続指令信号22cの出力を停止して給電継続回路44を介して安定化電源回路42への給電を停止させる。これにより、制御装置20Jの全ての動作が停止される。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】
図2に示した従来の制御装置20Jは、イグニッションスイッチ16が閉状態に操作された初期状態において、駆動回路30内の各電界効果トランジスタ(FET)Q1〜Q4、各電流検出器14,15の動作チェックならびにリレー接点46bの自己洗浄動作がなされる。
【0033】
ここで、各電界効果トランジスタ(FET)Q1〜Q4のうちの少なくとも1つがオン故障している場合に、各電界効果トランジスタ(FET)Q1〜Q4の導通状態故障をチェックしている間、また、各電流検出器14,15の動作チェックを行なっている間、さらに、リレー接点46bの自己洗浄動作がなされているは、電動機電流が電動機10に供給される。
【0034】
この作動確認のために電動機10に電流が供給されると、電動機10がトルクを発生し、そのトルクがボールねじ機構11,ラック&ピニオン機構等を介してステアリングホイール(ハンドル)2へ伝わり、運転者の操舵に違和感を与える虞れがある。特に、車両の走行中に運転者がイグニッション・スイッチをオフ操作してまたオン操作するような場合に、作動確認部22Jによる作動チェック動作がなされると、運転者の操舵に違和感を与える虞れが大きい。
【0035】
この発明はこのような課題を解決するためなされたもので、車両走行中は駆動回路の動作チェックを行なわないようにすることで、駆動回路の動作チェックに伴って電動機に電流が供給され、ステアリング系に電動機からの補助トルクが供給されて操舵に違和感を与えることがないようにした車両のステアリング装置を提供することを目的とする。
【0036】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するためこの発明に係る車両のステアリング装置は、車両のステアリング系に設けられる電動機と、ブリッジ回路を形成する複数のスイッチング素子からなり、電動機電流を出力して電動機を駆動する駆動回路と、この駆動回路の作動確認を行なうための作動確認信号を出力し複数のスイッチング素子のいずれかを導通させて電動機に作動確認のための電動機電流を供給する作動確認部とからなる車両のステアリング装置において、車両の速度を検出する車速検出部を備え、作動確認部は車速検出部で検出された車速が予め設定した値以上のときは作動確認信号を出力させず、電動機に作動確認のための電動機電流を供給しないように構成したことを特徴とする。
さらに上記の構成であって、イグニッションスイッチ開閉状態検出回路を備え、イグニッションスイッチが開閉される操作がなされた時に、作動確認部が車速検出部で検出された車速が予め設定した値以上のときは作動確認信号を出力させず、電動機に作動確認のための電動機電流を供給しないように構成することも可能である。
【0037】
また、この発明に係る車両のステアリング装置は、車両のステアリング系に補助トルクを付加する電動機と、ブリッジ回路を形成する複数のスイッチング素子からなり、電動機電流を出力して前記電動機を駆動する駆動回路と、この駆動回路を介して前記電動機の運転を制御するとともに、前記駆動回路の作動確認を行なうための作動確認信号を出力し前記複数のスイッチング素子のいずれかを導通させて前記電動機に作動確認のための前記電動機電流を供給する制御部とからなる車両のステアリング装置において、車両の速度を検出する車速検出部を備え、制御部は車速検出部で検出された車速が予め設定した値以上のときは作動確認信号を出力させず、電動機に作動確認のための電動機電流を供給しないように構成したことを特徴とする。
さらに上記の構成であって、イグニッションスイッチ開閉状態検出回路を備え、イグニッションスイッチが開閉される操作がなされた時に、制御部が車速検出部で検出された車速が予め設定した値以上のときは作動確認信号を出力させず、電動機に作動確認のための電動機電流を供給しないように構成することも可能である。
【0038】
この発明に係る車両のステアリング装置は、車両が走行状態にあるときは、駆動回路の作動確認を行なうための作動確認信号を出力しない構成としたので、車両走行中に駆動回路の作動確認がなされることがない。よって、駆動回路の動作チェックに伴って電動機に電流が供給され、ステアリング系に電動機からの補助トルクが供給されて操舵に違和感を与えることがない。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。なお、本実施の形態では、車両のステアリング装置の具体例として電動パワーステアリング装置について説明する。
図3はこの発明に係る車両のステアリング装置の制御装置のブロック構成図である。図3に示す制御装置20は、車速検出器13の出力信号である車速信号13aが作動確認部22に対して供給される構成となっている点が、図2に示した従来の制御装置22Jと異なる。
【0040】
図3に示す制御装置20は、制御部21と、駆動回路30と、イグニッションスイッチ開閉状態検出回路41と、安定化電源回路(REG)42と、パワーオンリセット回路(POR)43と、給電継続回路44と、リレー駆動回路45と、リレー46と、逆電圧防止用の各ダイオード47,48,49とからなる。制御部21は、作動確認部22と、操舵補助トルク制御部23と、出力選択部24とからなる。駆動回路30は、ゲート駆動回路31と、電界効果トランジスタ(FET)ブリッジ回路32とからなる。
【0041】
符号10は電動機、符号12は操舵トルク検出器、符号13は車速検出器、符号14は電動機電流検出器、符号15は駆動回路電流検出器、符号16はイグニッションスイッチ、符号17はバッテリ電源である。電動機電流検出器14を電動機10に直列に介設することで、電動機10に流れる電流を検出するようにしている。電動機電流検出器14の電流検出出力信号である電動機電流信号14aは、作動確認部22ならびに操舵補助トルク制御部23へ供給される。駆動回路電流検出器15を電界効果トランジスタ(FET)ブリッジ回路32に直列に介設することで、電界効果トランジスタ(FET)ブリッジ回路32に流れる電流を検出するようにしている。駆動回路電流検出器15の電流検出出力信号である駆動回路電流信号15aは、作動確認部22へ供給される。
【0042】
駆動回路30,イグニッションスイッチ開閉状態検出回路41,安定化電源回路(REG)42,パワーオンリセット回路(POR)43,給電継続回路44,リレー駆動回路45ならびにリレー46の構成とそれらの動作は、図2に示したものと同一であるので、説明を省略する。
【0043】
作動確認部22は、パワーオンリセット信号43aの供給を受けると、Hレベルの給電継続指令信号22cを給電継続回路44へ供給する。これにより、作動確認部22からHレベルの給電継続指令信号22cが出力されている間は、イグニッションスイッチ16が開状態に操作されても、給電継続回路44を介して安定化電源回路(REG)42へバッテリ電源17を供給することができ、制御装置20の動作を継続させることができる。
【0044】
作動確認部22は、パワーオンリセット信号43aの供給を受けると、車速信号13aに基づいて車両が停止状態(または所定車速以下の状態)にあるか否かをチェックする。車両が停止している場合、ならびに、例えば毎時数キロメートル以下の低車速で走行している状態の場合、作動確認部22は、次に述べる初期チェック処理を開始する。
【0045】
車両が停止状態(または所定車速以下の状態)にある場合、作動確認部22は、Lレベルの出力選択指令信号22bを出力選択部24へ供給する。出力選択部24は、Lレベルの出力選択指令信号22bが供給された場合は、作動確認部22から出力される各駆動信号22aを駆動回路30へ供給し、Hレベルの出力選択指令信号22bが供給された場合は、操舵補助トルク制御部23から出力される各駆動信号23aを駆動回路30へ供給する。作動確認部22からLレベルの出力選択指令信号22bを出力選択部24へ供給することで、作動確認部22で生成した各駆動信号22aに基づいて駆動回路30の動作を制御できる状態になる。なお、作動確認部22で生成した各駆動信号22aは、特許請求の範囲に記載した駆動回路の作動確認を行なうための作動確認信号に相当するものである。
【0046】
次に、作動確認部22はHレベルのリレー駆動指令信号22dを出力し、リレー駆動回路45を介してリレー46を駆動させ、リレーの接点46bを導通状態にする。リレーの接点46bが導通状態になることで駆動回路30にバッテリ電源17が供給され、駆動回路30を介して電動機10へ電流を供給できる状態になる。
【0047】
次に、作動確認部22は、電界効果トランジスタ(FET)Q1だけを導通状態にする駆動信号22aを出力し、各電流検出器14,15の検出出力を監視する。作動確認部22は、電動機電流検出器14によって電動機電流が検出された場合、電界効果トランジスタ(FET)Q4に導通状態となる故障(オン故障)が発生しているものと判断する。作動確認部22は、駆動回路電流検出器15のみによって駆動回路電流が検出された場合、電界効果トランジスタ(FET)Q3に導通状態となる故障(オン故障)が発生しているものと判断する。作動確認部22は、オン故障が検出された場合、故障内容を図示しない故障内容記憶部に格納する。作動確認部22は、オン故障が検出されるとリレー駆動指令信号22dの出力を停止する。また、作動確認部22は、給電継続指令信号22cの出力も停止する。
【0048】
次に、作動確認部22は、電界効果トランジスタ(FET)Q2だけを導通状態にする駆動信号22aを出力し、各電流検出器14,15の検出出力を監視する。作動確認部22は、電動機電流検出器14によって電動機電流が検出された場合、電界効果トランジスタ(FET)Q3に導通状態となる故障(オン故障)が発生しているものと判断する。作動確認部22は、駆動回路電流検出器15のみによって駆動回路電流が検出された場合、電界効果トランジスタ(FET)Q4に導通状態となる故障が発生しているものと判断する。作動確認部22は、オン故障が検出された場合、故障内容を図示しない故障内容記憶部に格納する。作動確認部22は、オン故障が検出されるとリレー駆動指令信号22dの出力を停止する。また、作動確認部22は、給電継続指令信号22cの出力も停止する。
【0049】
次に、作動確認部22は、電界効果トランジスタ(FET)Q3だけを導通状態にする駆動信号22aを出力し、各電流検出器14,15の検出出力を監視する。作動確認部22は、電動機電流検出器14によって電動機電流が検出された場合、電界効果トランジスタ(FET)Q2に導通状態となる故障(オン故障)が発生しているものと判断する。作動確認部22は、駆動回路電流検出器15によって駆動回路電流が検出された場合、電界効果トランジスタ(FET)Q1が導通状態となる故障(オン故障)が発生しているものと判断する。作動確認部22は、オン故障が検出された場合、故障内容を図示しない故障内容記憶部に格納する。作動確認部22は、オン故障が検出されるとリレー駆動指令信号22dの出力を停止する。また、作動確認部22は、給電継続指令信号22cの出力も停止する。
【0050】
次に、作動確認部22は、電界効果トランジスタ(FET)Q4だけを導通状態にする駆動信号22aを出力し、各電流検出器14,15の検出出力を監視する。作動確認部22は、電動機電流検出器14によって電動機電流が検出された場合、電界効果トランジスタ(FET)Q1に導通状態となる故障(オン故障)が発生しているものと判断する。作動確認部22は、駆動回路電流検出器15のみによって駆動回路電流が検出された場合、電界効果トランジスタ(FET)Q2に導通状態となる故障が発生しているものと判断する。作動確認部22は、オン故障が検出された場合、故障内容を図示しない故障内容記憶部に格納する。作動確認部22は、オン故障が検出されるとリレー駆動指令信号22dの出力を停止する。また、作動確認部22は、給電継続指令信号22cの出力も停止する。
【0051】
次に、作動確認部22は、電界効果トランジスタ(FET)Q1と電界効果トランジスタ(FET)Q4とを予め設定した電流検出動作試験用のデューティ比でスイッチング動作させるための電流検出動作試験用PWM駆動信号22aを出力する。これにより、電動機10は電流検出動作試験用のデューティ比でPWM運転される。この電流検出動作試験用のデューティ比は、電動機10に、例えば数アンペア程度の比較的小さな電流を流すように設定している。
【0052】
作動確認部22は、駆動回路電流検出器15から出力される駆動回路電流信号15aに基づいて電流検出動作試験用のデューティ比に対応した駆動電流が検出されているか否かをチェックする。また、作動確認部22は、電動機電流検出器14から出力される電動機電流信号14aに基づいて電流検出動作試験用のデューティ比に対応した電動機電流が検出されているか否か、ならびに、検出された電動機電流の極性が妥当であるか否かをチェックする。作動確認部22は、各電流検出器14,15の検出出力である電流検出信号14a,15aに異常を検出した場合は、検出した異常内容を図示しない故障内容記憶部に格納するとともに、リレー駆動指令信号22dならびに給電継続指令信号22cの出力を停止する。
【0053】
次に、作動確認部22は、電界効果トランジスタ(FET)Q2と電界効果トランジスタ(FET)Q3とを予め設定した電流検出動作試験用のデューティ比でスイッチング動作させるための電流検出動作試験用PWM駆動信号22aを出力して、各電流検出器14,15の電流検出信号14a,15aに異常がないかチェックする。
【0054】
さらに、作動確認部22は、電流検出動作試験用PWM駆動信号22aを出力して電動機10をPWM運転している状態で、リレー駆動指令信号22dの出力を停止させ、リレー46の接点46bを開放させた後に、リレー駆動指令信号22dを出力してリレー46の接点を閉状態にする。駆動回路30を介して電動機10へ電流を供給させている状態で、リレー46の接点46bを開放させることで、リレーの接点46bのアーク放電を発生させ、リレー46の接点46bの自己洗浄を行なわせる。なお、各電流検出器14,15の電流検出動作のチェックを行なう前に、接点46bの自己洗浄動作を行なうようにしてもよい。
【0055】
作動確認部22は、各電界効果トランジスタQ1〜Q4のスイッチング動作チェック、各電流検出器14,15の電流検出動作チェック、ならびに、リレー46の接点46bの洗浄動作を終了すると、Hレベルの出力選択指令信号22bを出力して、操舵補助トルク制御部23から出力される各駆動信号23aが出力選択部24を介して駆動回路30へ供給できるようにするとともに、操舵補助トルク制御開始要求信号22eを操舵補助トルク制御部23へ供給して、操舵補助トルクの供給制御を開始させる。
【0056】
なお、作動確認部22は、パワーオンリセット信号43aの供給を受けた後に、車速信号13aに基づいて車両が停止状態(または所定車速以下の状態)にあるか否かをチェックした結果、車両が所定車速以上で走行している状態であることを認識した場合は、前述の初期チェック処理を行なわず、操舵補助トルクの供給制御を開始させる。この場合、作動確認部22は、Hレベルの出力選択信号22bを出力して操舵補助トルク制御部23から出力される各駆動信号23aが駆動回路30へ供給できるようにするとともに、リレー駆動指令信号22dを出力してリレー46を動作させる。そして、作動確認部22は、操舵補助トルク制御開始要求信号22eを操舵補助トルク制御部23へ供給して、操舵補助トルクの供給制御を開始させる。
【0057】
作動確認部22は、操舵補助トルク制御部23から操舵補助トルク制御終了信号23cが供給された場合、リレー駆動指令信号22dならびに給電継続指令信号22cの出力を停止する。
【0058】
図4は操舵補助トルク制御部の一具体例を示すブロック構成図である。操舵トルク検出器12で検出された操舵トルクTpに係る操舵トルク信号12aは目標電流設定部51へ供給される。目標電流設定部51は、操舵トルクTpの大きさと方向に対応して予め設定した電動機の目標電流ITに係る目標電流信号51aを出力する。目標電流信号51aは車速補正部52へ供給される。
【0059】
車速補正部52は、車速検出器13で検出された車速信号13aに基づいて目標電流ITに対して車速対応補正を行ない、車速補正を行なった補正目標電流信号52aを出力する。なお、車速補正部52は、車速がゼロ(車両停止状態)に近い状態では目標電流設定部51で設定された目標電流ITをそのまま出力し、高車速になるほど操舵補助トルクが小さくなるように補正を行なう。補正目標電流信号52aは、フェードイン・フェードアウト処理部53を介して偏差演算部54へ供給される。
【0060】
フェードイン・フェードアウト処理部53は、パワーオンリセット信号43aが供給されると、偏差演算部54へ供給する目標電動機電流53aをゼロに設定する。そして、フェードイン・フェードアウト処理部53は、操舵補助トルク制御開始指令信号22eが供給されると、フェードイン処理を行なう。このフェードイン処理では、偏差演算部54へ供給する目標電動機電流53aをゼロから車速補正がなされた補正目標電流信号52aの値に向って所定の時間の間に増大させる。フェードイン処理が終了した後は、車速補正がなされた補正目標電流信号52aがそのまま偏差演算部54へ供給される。
【0061】
偏差演算部54は、フェードイン・フェードアウト処理部53を介して供給される目標電動機電流信号53aと電動機電流検出器14で検出された電動機電流信号14a(電動機に実際に流れている電流に対応した信号)との偏差を求め、偏差信号54aをPID制御部55へ供給する。PID制御部55は、偏差信号54aにPID(比例・積分・微分)処理を施して、偏差がゼロに近づくように電動機10に供給する電流を制御するための駆動制御信号55aを生成して、生成した駆動制御信号55aがPWM信号生成部56へ供給される。
【0062】
PWM信号生成部56は、駆動制御信号55aに基づいて電動機10をPWM運転するためにパルス幅変調(PWM)された駆動信号23aを生成して出力する。操舵補助トルク制御部23から出力された駆動信号23aは、図3に示す出力選択部24を介してゲート駆動回路31へ供給される。ゲート駆動回路31は、パルス幅変調(PWM)された駆動信号23aに基づいて各電界効果トランジスタのゲートを駆動して各電界効果トランジスタQ1〜Q4をスイッチング駆動する。これにより、電動機10がPWM運転され、電動機10から手動操舵トルクに対応した操舵補助トルクが供給される。
【0063】
操舵補助トルク制御部23内のフェードイン・フェードアウト処理部53は、イグニッションスイッチ開・閉状態信号41aに基づいてイグニッションスイッチ16が開状態に操作されたことを検出すると、フェードアウト処理を行なった後に、操舵補助トルク制御終了信号23cを出力する。フェードアウト処理では、偏差演算部54へ供給する目標電動機電流53aを車速補正がなされた補正目標電流52aの値からゼロに向って所定時間の間に減少させる。
【0064】
図3に示す作動確認部22は、操舵補助トルク制御終了信号23cが供給されると、リレー駆動指令信号22dの出力を停止してリレー46の接点46bを開放させるとともに、給電継続指令信号22cの出力を停止して給電継続回路44を介して安定化電源回路42への給電を停止させる。これにより、制御装置20の全ての動作が停止される。
【0065】
作動確認部22は、車速信号13aに基づいて車両が停止状態にあるか否かを判断し、車両が停止状態にある場合にのみ作動確認信号としての各駆動信号22aを出力して、駆動回路30ならびに各電流検出器14,15の動作をチェックするが、車両が走行状態にある場合には駆動回路30ならびに各電流検出器14,15の動作をチェックを行なわない。したがって、車両走行状態で、例えばイグニッションスイッチ16が開閉される操作がなされても、駆動回路30ならびに各電流検出器14,15の動作をチェックが実行されることがない。よって、駆動回路30ならびに各電流検出器14,15の動作に伴って電動機10に電流が供給され、電動機10に電流が供給されたことによって発生した電動機10のトルクがステアリング系へ伝達されて、運転者の操舵に違和感を与えるという現象は、車両が走行中である限り発生することがない。
【0066】
なお、図2ならびに図3では、電動機電流検出器14と駆動回路電流検出器15との2つの電流検出器を設ける構成を示したが、電動機電流検出器14を設けずに駆動回路電流検出器15によって電動機電流を検出する構成としてもよい。また、駆動回路30の具体例として電界効果トランジスタQ1〜Q4を用いる構成を示したが、電力用絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)を用いて電動機駆動用のブリッジ回路を構成してもよい。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明に係る車両のステアリング装置は、車両が走行状態にあるときは、駆動回路の作動確認を行なうための作動確認信号を出力しない構成としたので、車両走行中に駆動回路の作動確認がなされることがない。よって、駆動回路の動作チェックに伴って電動機に電流が供給されステアリング系に電動機からの補助トルクが供給されて操舵に違和感を与えることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両のステアリング装置の一具体例としての電動パワーステアリング装置の模式構造図
【図2】従来の制御装置の一具体例を示すブロック構成図
【図3】この発明に係る車両のステアリング装置の制御装置のブロック構成図
【図4】操舵補助トルク制御部の一具体例を示すブロック構成図
【符号の説明】
1…電動パワーステアリング装置、2…ステアリングホイール(ハンドル)、10…電動機、12…操舵トルク検出器、13…車速検出器、14…電動機電流検出器、15…駆動回路電流検出器、16…イグニッションスイッチ、20…制御装置、21…制御部、22…作動確認部、22a…作動確認信号としての駆動信号、23…操舵補助トルク制御部、24…出力選択部、30…駆動回路、31…ゲート駆動回路、32…電界効果トランジスタブリッジ回路、41…イグニッションスイッチ開閉状態検出回路、44…給電継続回路、45…リレー駆動回路、46…リレー。

Claims (4)

  1. 車両のステアリング系に設けられる電動機と、ブリッジ回路を形成する複数のスイッチング素子からなり、電動機電流を出力して前記電動機を駆動する駆動回路と、この駆動回路の作動確認を行なうための作動確認信号を出力し前記複数のスイッチング素子のいずれかを導通させて前記電動機に作動確認のための前記電動機電流を供給する作動確認部とからなる車両のステアリング装置において、
    車両の速度を検出する車速検出部を備え、
    前記作動確認部は車速検出部で検出された車速が予め設定した値以上のときは作動確認信号を出力させず、前記電動機に作動確認のための前記電動機電流を供給しないように構成したことを特徴とする車両のステアリング装置。
  2. 車両のステアリング系に補助トルクを付加する電動機と、ブリッジ回路を形成する複数のスイッチング素子からなり、電動機電流を出力して前記電動機を駆動する駆動回路と、この駆動回路を介して前記電動機の運転を制御するとともに、前記駆動回路の作動確認を行なうための作動確認信号を出力し前記複数のスイッチング素子のいずれかを導通させて前記電動機に作動確認のための前記電動機電流を供給する制御部とからなる車両のステアリング装置において、
    車両の速度を検出する車速検出部と備え、前記制御部は車速検出部で検出された車速が予め設定した値以上のときは作動確認信号を出力させず、前記電動機に作動確認のための前記電動機電流を供給しないように構成したことを特徴とする車両のステアリング装置。
  3. 車両のステアリング系に設けられる電動機と、ブリッジ回路を形成する複数のスイッチング素子からなり、電動機電流を出力して前記電動機を駆動する駆動回路と、この駆動回路の作動確認を行なうための作動確認信号を出力し前記複数のスイッチング素子のいずれかを導通させて前記電動機に作動確認のための前記電動機電流を供給する作動確認部とからなる車両のステアリング装置において、
    車両の速度を検出する車速検出部と、イグニッションスイッチ開閉状態検出回路とを備え、
    前記作動確認部はイグニッションスイッチが開閉される操作がなされた時に車速検出部で検出された車速が予め設定した値以上のときは作動確認信号を出力させず、前記電動機に作動確認のための前記電動機電流を供給しないように構成したことを特徴とする車両のステアリング装置。
  4. 車両のステアリング系に補助トルクを付加する電動機と、ブリッジ回路を形成する複数のスイッチング素子からなり、電動機電流を出力して前記電動機を駆動する駆動回路と、この駆動回路を介して前記電動機の運転を制御するとともに、前記駆動回路の作動確認を行なうための作動確認信号を出力し前記複数のスイッチング素子のいずれかを導通させて前記電動機に作動確認のための前記電動機電流を供給する制御部とからなる車両のステアリング装置において、
    車両の速度を検出する車速検出部と、イグニッションスイッチ開閉状態検出回路とを備え、
    前記制御部はイグニッションスイッチが開閉される操作がなされた時に車速検出部で検出された車速が予め設定した値以上のときは作動確認信号を出力させず、前記電動機に作動確認のための前記電動機電流を供給しないように構成したことを特徴とする車両のステアリング装置。
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