JP3628293B2 - 光ヘッドにおける対物レンズの支持機構 - Google Patents

光ヘッドにおける対物レンズの支持機構 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスク、光磁気ディスクなどの光学式記録媒体に信号を記録し、または同光学式記録媒体に記録された信号を再生若しくは消去する光ヘッドにおける対物レンズの支持機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の機構としては、例えば特開平7−14185号公報および特開平7−93776号公報に示されているように、対物レンズを組付けた可動部材を平行かつ水平に延設した上下一対の板ばねの各先端にて挟み込むとともに同各先端にそれぞれ固着し、同一対の板ばねの各基端部を固定部材に固定して、可動部材と共に対物レンズをその光軸方向に固定部材に対して変位可能に支持するようにしたものが知られている。また、例えば特開昭60−157732号公報に示されているように、外輪と内輪とをスパイラル状の複数の連結部により連結するように一体成形した板ばねを用意し、この板ばねの外輪を固定部材に固着するとともに、同板ばねの内輪に可動部材を固着するようにした機構も知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前者の従来技術においては、板ばねの各先端は各基端を中心に回動するように変位するので、対物レンズをその光軸に沿って正確に変位させることができない。すなわち、対物レンズをフォーカス制御によりその光軸方向に変位させようとしても、対物レンズはその光軸と直交する方向にもわずかに変位するので、フォーカス制御が高精度で行なわれない。また、後者の従来技術においては、可動部材が対物レンズの光軸に沿って一方向に変位する場合には左右方向のうちのいずれか一方に回転しながら変位するとともに、同光軸に沿って他方向に変位する場合には前記反対方向に回転しながら変位する。このような対物レンズの光軸方向への変位は、同対物レンズの回転方向の逆転位置(可動部材の中立位置)にて回転力によって可動部材に共振をもたらす場合がある。
【0004】
【発明の概要】
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、その目的は、対物レンズをその光軸方向に正確に変位させて、フォーカス制御を高精度で行なうとともに可動部材の共振の問題を回避した光ヘッドにおける対物レンズの支持機構を提供することにある。
【0005】
この目的を達成するために、本発明の構成上の特徴は、筒状に形成された固定部材と、固定部材内にその軸線方向に変位可能に組み込まれるとともに対物レンズをその光軸が固定部材の軸線方向と一致するように組み付けてなる可動部材と、可動部材の上端部および下端部のそれぞれにおいて固定部材の中心軸に対して対称位置に配置されて可動部材を固定部材に対して弾性的に支持する複数の板ばねとを備え、対物レンズをその光軸方向に変位可能に支持する光ヘッドにおける対物レンズの支持機構において、可動部材の上端部および下端部のそれぞれにおいて固定部材の中心軸に対して対称位置に径方向外側に突出した複数の突起部を設け、各板ばねを2つのU字状またはV字状部分を有する形状に形成して、2つのU字状またはV字状部分の各一端を可動部材の1つの突起部に固着するとともに、突起部を中央位置として両側に位置する固定部材の内側端部の2箇所に2つのU字状またはV字状部分の各他端をそれぞれ固着したことにある。
【0006】
この場合、前記板ばねをE字状に形成し、各板ばねの3本の突出辺の中で中央の1本の突出辺の先端を可動部材の1つの突起部に固着するとともに、3本の突出辺の中で両側の2本の突出辺を、突起部を中央位置として両側に位置する固定部材の内側端部の2箇所にそれぞれ固着するようにするとよい。また、板ばねをU字状またはV字状に形成した第1および第2の板ばねでそれぞれ構成し、第1および第2の板ばねの各一端を可動部材の1つの突起部に固着するとともに、第1および第2の板ばねの各他端を、突起部を中央位置として両側に位置する固定部材の内側端部の2箇所にそれぞれ固着するようにしてもよい。
【0007】
これらの構成によれば、複数の板ばねは、可動部材の上端部および下端部のそれぞれにおいて固定部材の中心軸に対して対称位置に配置されているので、可動部材を固定部材に対して対物レンズの光軸方向(固定部材の軸線方向)に変位させたときには、可動部材に対して対称位置に位置する一対の板ばねを結ぶ方向の内側および外側方向に均等の力が作用するとともに、各板ばねの中間点が固定部材の中心軸を中心とする円の径方向に変位する。したがって、可動部材をその軸線方向に沿って正確に変位させることができるとともに、可動部材が軸線回りに回転することもない。その結果、本発明によれば、対物レンズのフォーカス制御を正確に行なうことができるとともに、同対物レンズの回転に伴う共振の問題もなくなる。
【0008】
【実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について図面を用いて説明すると、図1は同実施形態に係る光ヘッドにおける対物レンズの支持機構の外観斜視図である。図2は同支持機構の縦断面図であり、図3は同支持機構の分解斜視図である。この支持機構は、固定部材10、可動部材20、対物レンズ30、弾性支持部材40,50および基台60を備えている。
【0009】
固定部材10は、透磁率の低い軽金属(例えば、アルミニウム)で円筒状に形成されて、その中央に軸線方向に沿った水平断面正方形状の貫通孔11aを設けた円筒部11を有する。この貫通孔11aの4角には、水平断面略L字型かつ柱状に円筒部11と一体形成した4個の柱状部12が、貫通孔11aの内側に突出して設けられている。4個の柱状部12は、円筒部11の上面および下面から共に同一長さだけ突出している。
【0010】
円筒部11の側面には、外周面および貫通孔11aに開口した断面正方形状の4つの貫通孔11bが周方向に90度間隔で設けられている。この4つの貫通孔11bには、方形状の永久磁石13が貫通孔11aに突出するように組み込まれて固定されている。これらの磁石13は、図5に示すように、貫通孔11a側の上部がN極となるとともに貫通孔11a側の下部がS極となるようにそれぞれ磁化されている。また、各貫通孔11bには、高透磁率の金属材料で構成したヨーク14が各磁石13の外側位置に組み込まれるとともに固定されている。
【0011】
可動部材20は、透磁率の低い軽金属(例えば、アルミニウム)で円筒状に形成された円筒部21を有し、同円筒部21の中心軸を固定部材10の中心軸と同一にして固定部材10の貫通孔11a内に組み込まれている。円筒部21の上端部には、径方向外側に突出した方形状の4つ突起22が周方向に90度間隔で円筒部21と一体的に形成されている。円筒部21の下端部にも、径方向外側に突出した方形状の4つ突起23が前記突起22と同一周方向位置に一体的に形成されている。これらの各4つずつの突起22,23は、可動部材20を固定部材10内に組み込んだ状態で、固定部材10の隣合う一対の柱状部12の中央位置に配置されるようになっている。
【0012】
また、円筒部21の軸線方向中間部の外周面上には、一対のコイル24,25が互いに反対向きに巻き回されている。これらのコイル24,25の各一端は互いに接続され、各他端が通電線24a,25aに接続されている。
【0013】
対物レンズ30は、レンズ本体31と、レンズ本体31を固定してなるレンズホルダ32とからなる。レンズホルダ32は、レンズ本体31の光軸が可動部材20の中心軸と一致するように、可動部材20の上部に組み込まれて固定されている。
【0014】
弾性支持部材40は、4個のE字型の板ばね41で構成されており、固定部材10および可動部材20の上面部に組み付けられて、可動部材20を固定部材10に対して軸線方向に変位可能かつ弾性的に支持する。各板ばね41は、一直線状に延びた基部辺41aと、同基部辺41aの両端から一方向に突出した一対の突出辺41b、41bと、同基部辺41aの中央位置から突出辺41b、41bと同一方向に突出した突出辺41cとを備えている。
【0015】
そして、各板ばね41の一対の突出辺41b,41bは、それらの各下面にて固定部材10の隣合う一対の柱状部12,12の上面にそれぞれ接着固定されている。各板ばね41の中央の突出辺41cは、その下面にて可動部材20の突起22の上面に接着固定されている。なお、これらのE字状の板ばね41は、基部辺41aの各端部の一方の突出辺41bと基部辺41aの中央部の突出辺41cとをそれぞれ組み合わせて取り出してみれば、2つのU字状部分を有する板ばねとみなすことができる。
【0016】
弾性支持部材50も、前記板ばね41と同一構成を有する4個のE字型の板ばね51で構成されており、固定部材10および可動部材20の下面部に組み付けられて、可動部材20を固定部材10に対して軸線方向に変位可能かつ弾性的に支持する。各板ばね51の一対の突出辺51b,51bは、それらの各上面にて固定部材10の隣合う一対の柱状部12,12の下面にそれぞれ接着固定されている。各板ばね41の中央の突出辺41cは、その上面にて可動部材20の突起23の下面に接着固定されている。
【0017】
基台60は、透磁率の低い軽金属(例えば、アルミニウム)で環状に形成された環状部61を有し、固定部材10の下面に固着されている。この環状部61の上面には、4個の板ばね51の各間の位置にて、上方に突出した4個の突起62が一体的に形成されている。これらの4個の突起62は、固定部材10を基台60に組付けた状態で、板ばね51が固定部材10および基台60に接触しないようにするための隙間を形成している。各突起62には、環状部61を貫通するねじ孔が形成されており、同ねじ孔は固定部材10の対応するねじ孔(図示しない)に連通している。そして、4個のねじ63により、固定部材10が基台60に固定されている。
【0018】
次に、前記のように構成した実施形態の動作を説明する。コイル24,25に通電されていない状態では、可動部材20は、各4個ずつの板ばね41,51からなる弾性支持部材40,50の付勢力により、固定部材10に対して図1,2に示す位置(中立位置)にある。
【0019】
一方、コイル24,25に図5に示す方向に電流を流すと、可動部材20には図5に矢印で示す上方に力Fが作用する。したがって、可動部材20および対物レンズ30は、板ばね41,51の付勢力に抗して固定部材10に対して中立位置から上方に変位する(図4,5参照)。また、逆に、コイル24,25に図5に示す方向と反対方向の電流を流すと、可動部材20には下方向の力が作用する。したがって、この場合には、可動部材20および対物レンズ30は、板ばね41,51の付勢力に抗して固定部材10に対して中立位置から下方に変位する。
【0020】
そして、前記可動部材20に作用する力すなわち対物レンズ30の中立位置から上方および下方への変位量は、コイル24,25に流れる電流の大きさに比例する。したがって、コイル24,25に流す電流の向きおよび大きさを制御することにより、対物レンズ30をその光軸方向に任意の量だけ中立位置から上下に変位させることができる。その結果、これによれば、対物レンズ30のフォーカス制御が実現される。
【0021】
前記のように構成されるとともに作動する対物レンズ30の支持機構によれば、各4個ずつの板ばね41,51は固定部材10の中心軸に対してそれぞれ対称位置に配置されているので、可動部材20を固定部材10に対して対物レンズ30の光軸方向(固定部材10の軸線方向)に変位させたときには、可動部材20に対して径方向内側および外側方向に均等の力が作用するとともに、各板ばね41,51の基部辺41a,51aが固定部材10の中心軸を中心とする円の径方向に変位する。したがって、可動部材20をその軸線方向に沿って正確に変位させることができるとともに、可動部材20が軸線回りに回転することもない。その結果、上記実施形態によれば、対物レンズ30のフォーカス制御を正確に行なうことができるとともに、同対物レンズ30の回転に伴う共振の問題もなくなる。
【0022】
また、板ばね41,51は、圧延した金属板をE字型にエッチングまたはプレスすることにより成型される。このような板ばね41,51においては、その幅をb、その厚みをdとすれば、板ばね41,51の断面2次モーメントは一般的に(b×d)/12で表される。本実施形態においては、板ばね41,51の厚みdはばね作用を利用する小さな範囲ではほぼ均質とみることができる。また、エッチングまたはプレスによる幅方向のばらつきも数μm以下に抑えることができるので、各板ばね41,51はほぼ均一に撓むと考えられる。この点からしても、対物レンズ30のフォーカス制御を少ないばらつきで正確に行なうことができる。
【0023】
なお、上記実施形態においては、E字型の板ばね41,51の各突出辺41b、51bを固定部材10側にそれぞれ固着するとともに、各突出辺41c、51cを可動部材20側にそれぞれ固着するようにした。しかし、これに代えて、E字型の板ばね41,51の各突出辺41c、51cを固定部材10側にそれぞれ固着するとともに、各突出辺41b、51bを可動部材20側にそれぞれ固着するようにしてもよい。
【0024】
また、上記実施形態においては、弾性支持部材40,50を構成する板ばね41,51をE字型の板ばねで構成するようにした。しかし、図6に示すように、各8個ずつのU字型の板ばね42,52を用いて弾性支持部材40,50を構成するようにしてもよい。この場合、各板ばね42の基部辺42aから平行に延びた各一対の突出辺42b,42bのうちの一方を固定部材10の柱状部12の上面にそれぞれ固着するとともに、他方を可動部材20の突起22の上面にそれぞれ固着するようにすればよい。また、各板ばね52についても、同様にすればよい。
【0025】
また、図7に示すように、各8個ずつのV字型の板ばね43,53を用いて弾性支持部材40,50を構成するようにしてもよい。この場合、各板ばね43のV字型に延びた各一対の突出辺43a,43bのうちの一方を固定部材10の柱状部12の上面にそれぞれ固着するとともに、他方を可動部材20の突起22の上面にそれぞれ固着するようにすればよい。また、各板ばね53についても、同様にすればよい。
【0026】
これらの図6および図7の変形例においても、板ばね42,52及び板ばね43,53は上記実施形態と同様に作用する。その結果、これらの変形例においても、上記実施形態と同様な効果が期待される。
【0027】
さらに、上記実施形態および変形例においては、板ばね41,51(一対の板ばね42,43,52,53)を90度間隔で4箇所に配置するようにしたが、これらの板ばねは、固定部材10の中心軸に対して対称に位置する少なくとも2箇所に配置すればよい、すなわち180度間隔で2箇所に配置すればよい。また、逆に、板ばねの数を増やして、60度、45度・・間隔で、6個、8個・・の板ばねを配置するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す光ヘッドにおける対物レンズの支持機構の外観斜視図である。
【図2】前記支持機構の縦断面図である。
【図3】前記支持機構の分解斜視図である。
【図4】対物レンズが上方に変位した状態を示す前記支持機構の外観斜視図である。
【図5】対物レンズが上方に変位した状態を示す前記支持機構の縦断面図である。
【図6】前記支持機構の変形例を示す外観斜視図である。
【図7】前記支持機構の他の変形例を示す外観斜視図である。
【符号の説明】
10…固定部材、11…円筒部、12…柱状部、13…永久磁石、14…ヨーク、20…可動部材、21…円筒部、22,23…突起、24,25…コイル、30…対物レンズ、40,50…弾性支持部材、41〜43,51〜53…板ばね、60…基台。

Claims (3)

  1. 筒状に形成された固定部材と、前記固定部材内にその軸線方向に変位可能に組み込まれるとともに対物レンズをその光軸が前記固定部材の軸線方向と一致するように組み付けてなる可動部材と、前記可動部材の上端部および下端部のそれぞれにおいて前記固定部材の中心軸に対して対称位置に配置されて前記可動部材を前記固定部材に対して弾性的に支持する複数の板ばねとを備え、前記対物レンズをその光軸方向に変位可能に支持する光ヘッドにおける対物レンズの支持機構において、
    前記可動部材の上端部および下端部のそれぞれにおいて前記固定部材の中心軸に対して対称位置に径方向外側に突出した複数の突起部を設け、
    前記各板ばねを2つのU字状またはV字状部分を有する形状に形成して、前記2つのU字状またはV字状部分の各一端を前記可動部材の1つの突起部に固着するとともに、前記突起部を中央位置として両側に位置する前記固定部材の内側端部の2箇所に前記2つのU字状またはV字状部分の各他端をそれぞれ固着したことを特徴とする光ヘッドにおける対物レンズの支持機構。
  2. 前記板ばねをE字状に形成し、同各板ばねの3本の突出辺の中で中央の1本の突出辺の先端を前記可動部材の1つの突起部に固着するとともに、3本の突出辺の中で両側の2本の突出辺を、前記突起部を中央位置として両側に位置する前記固定部材の内側端部の2箇所にそれぞれ固着するようにした前記請求項1に記載した光ヘッドにおける対物レンズの支持機構。
  3. 前記板ばねをU字状またはV字状に形成した第1および第2の板ばねでそれぞれ構成し、前記第1および第2の板ばねの各一端を前記可動部材の1つの突起部に固着するとともに、前記第1および第2の板ばねの各他端を、前記突起部を中央位置として両側に位置する前記固定部材の内側端部の2箇所にそれぞれ固着するようにした前記請求項1に記載した光ヘッドにおける対物レンズの支持機構。
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