JP3628076B2 - 焼成色鉛筆芯とその製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は主としてシャープペンシル用色鉛筆芯、木軸色鉛筆芯に関する。
更に詳しくは、充分な発色性、描線濃度を持ちながら、機械的強度、即ち曲げ強度、引張強度、衝撃強度等に優れた焼成色鉛筆芯とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の焼成色鉛筆芯は、結合材として一種又は二種以上の粘土等無機物が用いられ、これに窒化ホウ素、タルク、マイカ等の体質材、更に必要に応じて耐熱性の顔料、反応促進剤を添加、配合した配合組成物を混練し、この混練物を押出成形した後、熱処理を経て、多孔質焼成芯体とし、この芯体の気孔中に染料からなるインク等着色剤を充填させて製造している。このとき、色鉛筆芯の重要特性としては、機械的強度が強く、発色性が良く、描線濃度が濃いものが要求されている。
【0003】
ところが、従来の焼成色鉛筆芯は、機械的強度が充分でなく、濃度及び発色性においても充分なものが得られていない。そこで、上記の要求を達成するためには、充分な機械的強度を保持しつつ、気孔率を増加させることにより芯体に充填される着色剤量を多くする必要がある。
【0004】
焼成色鉛筆芯の気孔率を増加させる方法としては、例えば、体質材及び結合材に賦形材である樹脂を添加し、焼成中に、この樹脂を昇華又は酸化雰囲気により燃焼させて多孔質化する方法(特公昭64−4555号公報、特公昭51−41376号公報参照)、又は気孔形成材として炭素粒状物質を使用し、これを酸化雰囲気により燃焼させて多孔質化する方法(特開昭61−275370号公報参照)、並びに気孔形成材として繊維状物質を使用し、これを酸化雰囲気により燃焼、もしくは温度により昇華、溶融させて多孔質化する方法(特開平5−302054号公報参照)等が提案されている。
【0005】
しかしながら、従来結合材として用いられている粘土等による焼成芯体は、粘土等自身の強度が低いため、得られる焼成色鉛筆芯は実用強度に達していないのが現状である。また天然の粘土は不純物を含んでいるため、焼成芯体は一般に地色が有色となり、描線の発色性に悪影響を与える点に課題があり、特に、淡色系の描線のくすんだ色の原因となっている。
【0006】
そこで、粘土に代る結合材としてのケイ素、アルミニウムの粉末を窒化させながら焼結する方法(特開昭59−117569号公報、特開平5−117570号公報参照)、アルミナゲルを焼結する方法(特開昭55−139472号公報参照)、シリカ微粒子を焼結させる方法(特開昭55−127475号公報参照)等が提案されている。
【0007】
しかしながら、前記の粉末を焼結させる方法は、結合材に最適な2μm以下、更に好ましくは1μm以下の微粉末は得られにくく、粒径が大きいと書き味に支障をきたす点に課題がある。
【0008】
その他に、シリコーンゴムとシリコーンオイルを用いて、加熱焼結させてシリカを結合材とする方法(特開昭55−127476号公報参照)、シリコーンワニスとシリコーンオイルを加熱焼結させてシリカを結合材とする方法(特開昭55−127473号公報参照)等も提案されている。
しかしながら、これらの方法もシリカ自身の強度が弱いため、得られる芯体は実用強度に達しない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、前記従来の焼成色鉛筆芯の課題を解決することであり、更に詳しくは、格段に優れた機械的強度、優れた発色性、並びに滑らかな書き味を有する焼成色鉛筆芯及びその製造方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、ジルコニウムの有機化合物及び/又はアルミニウムの有機化合物を加熱することによりゲル化して、ポリジルコノキサン、ポリアルミノキサン等を経て、ジルコニア、アルミナ及びジルコニア−アルミナ固溶体中の一種又は二種以上となり、これを結合材として用いることによって解決し得ることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち本発明は、ジルコニウムの有機化合物及びアルミニウムの有機化合物よりなる群より選んだ少なくとも一種、該金属有機化合物と相溶する有機溶剤、体質材及び有機補助バインダーからなる配合組成物を混練、押出成形、溶剤乾燥、非酸化焼成し、更に酸化雰囲気中で加熱して、該補助バインダーを除去して得られたジルコニア、アルミナ及びジルコニア−アルミナ固溶体よりなる群より選んだ少なくとも一種と体質材とからなる芯体の気孔内に着色剤を充填させてなる焼成色鉛筆芯である。
【0012】
【発明の実施の形態】
前記ジルコニウムの有機化合物は、ジルコニウムキレート、ジルコニウムカルボキシレート、ジルコニウムアルコキシドである。
前記アルミニウムの有機化合物は、アルミニウムキレート、アルミニウムカルボキシレート、アルミニウムアルコキシドである。
【0013】
また本発明の焼成色鉛筆芯の製造方法は、ジルコニウムの有機化合物及びアルミニウムの有機化合物よりなる群より選んだ少なくとも一種、及び該金属有機化合物と相溶する有機溶剤と、体質材、及び有機補助バインダーからなる配合組成物を混練し、押出成形し、溶剤を乾燥し、更に非酸化状態で焼成し、更に酸化雰囲気中で加熱して該補助バインダーを除去することにより得られたジルコニア、アルミナ及びジルコニア−アルミナ固溶体よりなる群より選んだ少なくとも一種と体質材とからなる芯体の気孔内に着色剤を充填させることを特徴とする。
【0014】
本発明の焼成色鉛筆芯及びその製造方法によれば、下記のような作用を奏する。
ジルコニウムの有機化合物及び/又はアルミニウムの有機化合物を加熱することにより得られたジルコニア、アルミナ、及びジルコニア−アルミナ固溶体よりなる群より選んだ少なくとも一種を結合材として用いることにより、従来の粘土等を結合材とした焼成色鉛筆芯と比較すると、格段に優れた曲げ強度等の機械的強度が得られる。
【0015】
ジルコニウムの有機化合物及び/又はアルミニウムの有機化合物を出発材料として得られたジルコニア、アルミナ、及びジルコニア−アルミナ固溶体よりなる群より選んだ少なくとも一種を結合材として用いる訳であるが、加熱前に前記有機金属化合物と体質材を均一に混練して押出成形するため、微細かつ均一に分散され、体質材は高度に配向する。
従って得られる芯は筆記時に均一に崩れ、また結合剤量はジルコニア、アルミナ粉末を焼結させた場合と比較すると、少量で高い機械的強度が得られる。その結果、書き味は従来の結合材に粘土等を用いた従来の焼成色鉛筆芯と比較しても同等以上となる。
【0016】
押出成形時の焼成前の生(グリーン)状態での強度確保のため、有機補助バインダーとして有機高分子が必要とされるが、このバインダーはまず非酸化雰囲気中で焼成することにより炭素化された後、酸化雰囲気中で加熱して除去され、その結果、開気孔が残る。
この補助バインダーは前記有機金属化合物と微細かつ均一に混練されるため、補助バインダー量を調整することにより、微細かつ均一な開気孔も任意に制御でき、濃い微細濃度を得るのに必要な着色剤を充填する開気孔を保持したまま芯体の高強度化を可能にする。
【0017】
白色のジルコニア、アルミナ及びジルコニア−アルミナ固溶体よりなる群より選んだ少なくとも一種をバインダーとしているため、得られる芯体は白色の体質材を選択することにより、白色となり、開気孔に充填される着色剤の色は芯の筆記描線に忠実に再現される。
【0018】
結合材として、ジルコニア、ジルコニア−アルミナ固溶体を選択した場合には、これらの物質は強酸、強アルカリに対して、驚異的耐性を示すため、体質材も耐酸、耐アルカリ性に優れた物質を選択すれば、酸、アルカリ等に顔料を溶解して、芯体の開気孔に含浸させ、更に開気孔内で再固化させる方法(特願平6−283058号)や、顔料前駆体を含む液(アルカリ性)を芯体に含浸させ、開気孔内で顔料化反応させる方法(特願平6−283059号)等でも全く芯体を劣化させず、気孔内に顔料を充填させて着色することが可能となり、得られる焼成色鉛筆芯は、染料で着色した芯と比較すると、優れた耐光性、耐候性、鮮やかな発色性を示す。
【0019】
本発明においては、先づジルコニウムの有機化合物、及びアルミニウムの有機化合物よりなる群より選んだ少なくとも一種と、該金属有機化合物と相溶する有機溶剤と、体質材と、有機補助バインダーを含む配合組成物を原料とする。
【0020】
ジルコニウムの有機化合物としては、ジルコニウムビスアセチルアセトネート、ジルコニウムアセチルアセトネート・エチルアセトアセテート等のジルコニウムキレート、酢酸ジルコニウム等のジルコニウムカルボキシレート、ジルコニウムn−プロポキシド、ジルコニウムn−ブトキシド等のジルコニウムアルコキシド等、特に限定されずに使用可能であるが、中でも反応性や官能性が制御されたジルコニウムキレートが焼成色鉛筆芯の製造には好ましい。
【0021】
アルミニウムの有機化合物はアルミニウムジイソプロピレート・エチルアセトアセテート等のアルミニウムキレート、酢酸アルミニウム等のアルミニウムカルボキシレート、アルミニウムイソプロピレート、アルミニウムsec−ブチレート等のアルミニウムアルコキシド等、特に限定されずに使用可能であるが、中でも反応性や官能性が制御されたアルミニウムキレートが焼成色鉛筆芯の製造には好ましい。
【0022】
体質材としては、従来焼成色鉛筆芯に使用されているものであれば、特に限定されるものではなく、いずれも使用可能である。
例えば、窒化ホウ素、タルク、マイカ、炭酸カルシウム等の白色系体質材や、色鉛筆の色相によっては、二硫化モリブデン等の有色系の体質材も使用することができ、当然これら数種類の混合物も使用できる。
また、必要に応じて耐熱性顔料を配合しても良い。
【0023】
ジルコニウムの有機化合物及び/又はアルミニウムの有機化合物と相溶する有機溶剤としては、通常のゾル−ゲル法に使用されているものであれば特に限定されるものではなく、いずれも使用可能である。
例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、エチレンオキシド、エチレングリコール、テトラエチレングリコール、トルエン、キシレン、ヘキサン等いずれも使用可能で、当然これら数種類の混合物も使用できる。
【0024】
押出成形はジルコニウムの有機化合物及び/又はアルミニウムの有機化合物のゲル化により可能ではあるが、焼成前の生(グリーン)状態での強度確保のためと、開気孔が適当な大きさで、分散して得られるように制御するため、補助バインダーとして有機高分子が必要である。
有機補助バインダーとしては、塩化ビニル樹脂のように加熱時に塩酸等の酸あるいはアルカリを発生するものは酸、アルカリが本製法の触媒作用をするため、大量に使用すると反応制御が不可能となり使用不可能である。
また、トラガカントガム、ポリビニルアルコール等の水溶性樹脂は、水がジルコニウムの有機化合物及び/又はアルミニウムの有機化合物の加水分解促進剤であるので、大量に使用すると反応制御が不可能となるため、使用不可能である。
成形用補助バインダーとしては、上記以外のものであれば特に限定されるものではなく、いずれも使用可能である。例えば、ポリビニルブチラール等のポリアセタール樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、スチレン樹脂、またエチルセルロース等のセルロース誘導体等が好ましく使用可能で、当然、これら数種類の混合物も使用できる。
【0025】
また、得られる結合材であるジルコニア、アルミナ、ジルコニア−アルミナ固溶体の物性向上、改良のため、特に限定することなく、その他の金属の有機化合物を添加することができる。例えばジルコニアの安定性向上のためのカルシウムカルボキシレート等のカルシウムの有機化合物、ジルコニアの高強度化、高靭性化のためのイットリウムカルボキシレート、イットリウムアルコキシド等のイットリウムの有機化合物、アルミナの緻密化のためのマグネシウムカルボキシレート、マグネシウムアルコキシド等のマグネシウムの有機化合物、その他チタンの有機化合物、ケイ素の有機化合物等が使用可能で、当然これら数種類の混合物も使用できる。
【0026】
また、ジルコニウムの有機化合物、アルミニウムの有機化合物の加水分解促進のためには、小量の水の添加が必要であるが、アルコキシドのように反応性が高い場合は空気中で混練して、空気中の水分を利用することも可能である。その他、反応中間物であるポリジルコノキサン、ポリアルミノキサンの重合促進のために、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、フッ酸等の酸、アンモニア等のアルカリの添加も必要である。
また、成形体の亀裂防止等の目的でジメチルフォルムアミド、アセチルアセトンを添加することも当然可能である。
【0027】
さらに高せん断力を加えて行う混練時の特性向上及び押出成形の特性向上の目的で、上記のジルコニウムの有機化合物及び/又はアルミニウムの有機化合物と相溶する有機溶剤の他に、ケトン類、エステル類等の有機溶剤、ジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ポリエチレングリコール等の可塑剤を一種又は二種以上、必要に応じて配合してもよい。
【0028】
最後に得られた焼成芯体に着色剤を充填させて焼成色鉛筆芯は完成となるが、着色剤としては、公知の染料を水や有機溶剤等に溶解させインク化して含浸させることは勿論可能であるが、その他に、体質材を耐酸、耐アルカリ性に優れた物質を選択した場合、顔料を酸、アルカリ等に溶解し、芯体に含浸させ、更に開気孔内で再固化させることや、顔料前駆体を含む液を芯体に含浸させ、開気孔内で顔料化反応させることにより、顔料を充填させて着色することも可能である。 また、これらの含浸を加熱、減圧、加圧等の条件下で行うことも可能である。更にこれらの工程を繰り返し、着色濃度を増加したり、複数の着色方法にて着色することも可能である。
また、さらに余分の開気孔にオイル等を含浸させて筆記時の潤滑性を向上させることも可能である。
【0029】
【実施例】
以下に実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこの実施例により何等限定されるものではない。
(実施例1)
上記配合組成物Aを35℃にて1時間還流した。
上記配合組成物Bに還流が終了した配合組成物Aを加え、これらをミキサーで混合、分散させた後に2本ロールで混練しながら溶剤量を調整し、この混練物をスクリュー型押出機にて細線状に押出成形し、残留する溶剤、可塑剤を除去すべく空気中で200℃で10時間乾燥し、アルゴンガス雰囲気中で1700℃まで昇温して1700℃で1時間焼成した。さらに、空気中で700℃まで昇温して700℃で5時間焼成し、焼成白色多孔質鉛筆芯を得た。次に、C.I.Solvent Red8によるボールペンインクを含浸させて直径0.568mmの焼成赤色鉛筆芯を得た。
【0030】
(実施例2)
上記配合組成物Aを35℃にて1時間還流した。
上記配合組成物Bに還流が終了した配合組成物Aを加え、これらをミキサーで混合、分散させた後に2本ロールで混練しながら溶剤量を調整し、この混練物をスクリュー型押出機にて細線状に押出成形し、残留する溶剤、可塑剤を除去すべく空気中で200℃で10時間乾燥し、アルゴンガス雰囲気中で1700℃まで昇温して1700℃で1時間焼成した。さらに、空気中で700℃まで昇温して700℃で5時間焼成し、焼成白色多孔質鉛筆芯を得た。次に、C.I.Solvent Red8によるボールペンインクを含浸させて直径0.570mmの焼成赤色鉛筆芯を得た。
【0031】
(実施例3)
上記配合組成物Aを35℃にて1時間還流した。
上記配合組成物Bに還流が終了した配合組成物Aを加え、これらをミキサーで混合、分散させた後に2本ロールで混練しながら溶剤量を調整し、この混練物をスクリュー型押出機にて細線状に押出成形し、残留する溶剤、可塑剤を除去すべく空気中で200℃で10時間乾燥し、アルゴンガス雰囲気中で1700℃まで昇温して1700℃で1時間焼成した。さらに、空気中で700℃まで昇温して700℃で5時間焼成し、焼成白色多孔質鉛筆芯を得た。次に、C.I.Solvent Red8によるボールペンインクを含浸させて直径0.570mmの焼成赤色鉛筆芯を得た。
【0032】
(比較例1)
上記配合組成物をミキサーで混合、分散させた後に2本ロールで混練しながら水分量を調整し、この混練物をプランジャー型押出機にて細線状に押出成形した後、空気中で120℃で10時間乾燥し、アルゴンガス雰囲気中で1100℃まで昇温して1100℃で1時間焼成した。さらに、空気中で700℃まで昇温して700℃で5時間焼成し、焼成淡色多孔質鉛筆芯を得た。次に、C.I.Solvent Red 8によるボールペンインクを含浸させて直径0.571mmの焼成赤色鉛筆芯を得た。
【0033】
上記実施例1〜3及び比較例1の赤色鉛筆芯を使用して、JIS−S−6005−1989に準拠して曲げ強度(MPa)を測定すると共に書き味及び描線発色性について評価した。これらの結果を下記表1に示す。なお、書き味及び描線発色性は、熟練者による官能試験により行った。
【0034】
【表1】
【0035】
表1より明らかな通り、本発明である実施例1〜3の焼成色鉛筆芯は、従来例である比較例1の焼成色鉛筆芯に較べて曲げ強度に優れ、かつ、同等以上の書き味を示し、しかも、描線発色性が鮮明であることが判った。
特に実施例1のジルコニア−アルミナ固溶体を結合材とした芯、及び、実施例2のジルコニアを結合材とした芯は著しく機械的強度に優れ、極めて優れた発色が得られると同時に、良好な書き味を有している事が判った。
【0036】
【発明の効果】
本発明の焼成色鉛筆芯は、粘土等を結合材とした従来の焼成色鉛筆芯にくらべ、極めて優れた曲げ強度を示し、書き味も同等以上であり、しかも描線の発色性が極めて鮮明である。
【発明の属する技術分野】
本発明は主としてシャープペンシル用色鉛筆芯、木軸色鉛筆芯に関する。
更に詳しくは、充分な発色性、描線濃度を持ちながら、機械的強度、即ち曲げ強度、引張強度、衝撃強度等に優れた焼成色鉛筆芯とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の焼成色鉛筆芯は、結合材として一種又は二種以上の粘土等無機物が用いられ、これに窒化ホウ素、タルク、マイカ等の体質材、更に必要に応じて耐熱性の顔料、反応促進剤を添加、配合した配合組成物を混練し、この混練物を押出成形した後、熱処理を経て、多孔質焼成芯体とし、この芯体の気孔中に染料からなるインク等着色剤を充填させて製造している。このとき、色鉛筆芯の重要特性としては、機械的強度が強く、発色性が良く、描線濃度が濃いものが要求されている。
【0003】
ところが、従来の焼成色鉛筆芯は、機械的強度が充分でなく、濃度及び発色性においても充分なものが得られていない。そこで、上記の要求を達成するためには、充分な機械的強度を保持しつつ、気孔率を増加させることにより芯体に充填される着色剤量を多くする必要がある。
【0004】
焼成色鉛筆芯の気孔率を増加させる方法としては、例えば、体質材及び結合材に賦形材である樹脂を添加し、焼成中に、この樹脂を昇華又は酸化雰囲気により燃焼させて多孔質化する方法(特公昭64−4555号公報、特公昭51−41376号公報参照)、又は気孔形成材として炭素粒状物質を使用し、これを酸化雰囲気により燃焼させて多孔質化する方法(特開昭61−275370号公報参照)、並びに気孔形成材として繊維状物質を使用し、これを酸化雰囲気により燃焼、もしくは温度により昇華、溶融させて多孔質化する方法(特開平5−302054号公報参照)等が提案されている。
【0005】
しかしながら、従来結合材として用いられている粘土等による焼成芯体は、粘土等自身の強度が低いため、得られる焼成色鉛筆芯は実用強度に達していないのが現状である。また天然の粘土は不純物を含んでいるため、焼成芯体は一般に地色が有色となり、描線の発色性に悪影響を与える点に課題があり、特に、淡色系の描線のくすんだ色の原因となっている。
【0006】
そこで、粘土に代る結合材としてのケイ素、アルミニウムの粉末を窒化させながら焼結する方法(特開昭59−117569号公報、特開平5−117570号公報参照)、アルミナゲルを焼結する方法(特開昭55−139472号公報参照)、シリカ微粒子を焼結させる方法(特開昭55−127475号公報参照)等が提案されている。
【0007】
しかしながら、前記の粉末を焼結させる方法は、結合材に最適な2μm以下、更に好ましくは1μm以下の微粉末は得られにくく、粒径が大きいと書き味に支障をきたす点に課題がある。
【0008】
その他に、シリコーンゴムとシリコーンオイルを用いて、加熱焼結させてシリカを結合材とする方法(特開昭55−127476号公報参照)、シリコーンワニスとシリコーンオイルを加熱焼結させてシリカを結合材とする方法(特開昭55−127473号公報参照)等も提案されている。
しかしながら、これらの方法もシリカ自身の強度が弱いため、得られる芯体は実用強度に達しない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、前記従来の焼成色鉛筆芯の課題を解決することであり、更に詳しくは、格段に優れた機械的強度、優れた発色性、並びに滑らかな書き味を有する焼成色鉛筆芯及びその製造方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、ジルコニウムの有機化合物及び/又はアルミニウムの有機化合物を加熱することによりゲル化して、ポリジルコノキサン、ポリアルミノキサン等を経て、ジルコニア、アルミナ及びジルコニア−アルミナ固溶体中の一種又は二種以上となり、これを結合材として用いることによって解決し得ることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち本発明は、ジルコニウムの有機化合物及びアルミニウムの有機化合物よりなる群より選んだ少なくとも一種、該金属有機化合物と相溶する有機溶剤、体質材及び有機補助バインダーからなる配合組成物を混練、押出成形、溶剤乾燥、非酸化焼成し、更に酸化雰囲気中で加熱して、該補助バインダーを除去して得られたジルコニア、アルミナ及びジルコニア−アルミナ固溶体よりなる群より選んだ少なくとも一種と体質材とからなる芯体の気孔内に着色剤を充填させてなる焼成色鉛筆芯である。
【0012】
【発明の実施の形態】
前記ジルコニウムの有機化合物は、ジルコニウムキレート、ジルコニウムカルボキシレート、ジルコニウムアルコキシドである。
前記アルミニウムの有機化合物は、アルミニウムキレート、アルミニウムカルボキシレート、アルミニウムアルコキシドである。
【0013】
また本発明の焼成色鉛筆芯の製造方法は、ジルコニウムの有機化合物及びアルミニウムの有機化合物よりなる群より選んだ少なくとも一種、及び該金属有機化合物と相溶する有機溶剤と、体質材、及び有機補助バインダーからなる配合組成物を混練し、押出成形し、溶剤を乾燥し、更に非酸化状態で焼成し、更に酸化雰囲気中で加熱して該補助バインダーを除去することにより得られたジルコニア、アルミナ及びジルコニア−アルミナ固溶体よりなる群より選んだ少なくとも一種と体質材とからなる芯体の気孔内に着色剤を充填させることを特徴とする。
【0014】
本発明の焼成色鉛筆芯及びその製造方法によれば、下記のような作用を奏する。
ジルコニウムの有機化合物及び/又はアルミニウムの有機化合物を加熱することにより得られたジルコニア、アルミナ、及びジルコニア−アルミナ固溶体よりなる群より選んだ少なくとも一種を結合材として用いることにより、従来の粘土等を結合材とした焼成色鉛筆芯と比較すると、格段に優れた曲げ強度等の機械的強度が得られる。
【0015】
ジルコニウムの有機化合物及び/又はアルミニウムの有機化合物を出発材料として得られたジルコニア、アルミナ、及びジルコニア−アルミナ固溶体よりなる群より選んだ少なくとも一種を結合材として用いる訳であるが、加熱前に前記有機金属化合物と体質材を均一に混練して押出成形するため、微細かつ均一に分散され、体質材は高度に配向する。
従って得られる芯は筆記時に均一に崩れ、また結合剤量はジルコニア、アルミナ粉末を焼結させた場合と比較すると、少量で高い機械的強度が得られる。その結果、書き味は従来の結合材に粘土等を用いた従来の焼成色鉛筆芯と比較しても同等以上となる。
【0016】
押出成形時の焼成前の生(グリーン)状態での強度確保のため、有機補助バインダーとして有機高分子が必要とされるが、このバインダーはまず非酸化雰囲気中で焼成することにより炭素化された後、酸化雰囲気中で加熱して除去され、その結果、開気孔が残る。
この補助バインダーは前記有機金属化合物と微細かつ均一に混練されるため、補助バインダー量を調整することにより、微細かつ均一な開気孔も任意に制御でき、濃い微細濃度を得るのに必要な着色剤を充填する開気孔を保持したまま芯体の高強度化を可能にする。
【0017】
白色のジルコニア、アルミナ及びジルコニア−アルミナ固溶体よりなる群より選んだ少なくとも一種をバインダーとしているため、得られる芯体は白色の体質材を選択することにより、白色となり、開気孔に充填される着色剤の色は芯の筆記描線に忠実に再現される。
【0018】
結合材として、ジルコニア、ジルコニア−アルミナ固溶体を選択した場合には、これらの物質は強酸、強アルカリに対して、驚異的耐性を示すため、体質材も耐酸、耐アルカリ性に優れた物質を選択すれば、酸、アルカリ等に顔料を溶解して、芯体の開気孔に含浸させ、更に開気孔内で再固化させる方法(特願平6−283058号)や、顔料前駆体を含む液(アルカリ性)を芯体に含浸させ、開気孔内で顔料化反応させる方法(特願平6−283059号)等でも全く芯体を劣化させず、気孔内に顔料を充填させて着色することが可能となり、得られる焼成色鉛筆芯は、染料で着色した芯と比較すると、優れた耐光性、耐候性、鮮やかな発色性を示す。
【0019】
本発明においては、先づジルコニウムの有機化合物、及びアルミニウムの有機化合物よりなる群より選んだ少なくとも一種と、該金属有機化合物と相溶する有機溶剤と、体質材と、有機補助バインダーを含む配合組成物を原料とする。
【0020】
ジルコニウムの有機化合物としては、ジルコニウムビスアセチルアセトネート、ジルコニウムアセチルアセトネート・エチルアセトアセテート等のジルコニウムキレート、酢酸ジルコニウム等のジルコニウムカルボキシレート、ジルコニウムn−プロポキシド、ジルコニウムn−ブトキシド等のジルコニウムアルコキシド等、特に限定されずに使用可能であるが、中でも反応性や官能性が制御されたジルコニウムキレートが焼成色鉛筆芯の製造には好ましい。
【0021】
アルミニウムの有機化合物はアルミニウムジイソプロピレート・エチルアセトアセテート等のアルミニウムキレート、酢酸アルミニウム等のアルミニウムカルボキシレート、アルミニウムイソプロピレート、アルミニウムsec−ブチレート等のアルミニウムアルコキシド等、特に限定されずに使用可能であるが、中でも反応性や官能性が制御されたアルミニウムキレートが焼成色鉛筆芯の製造には好ましい。
【0022】
体質材としては、従来焼成色鉛筆芯に使用されているものであれば、特に限定されるものではなく、いずれも使用可能である。
例えば、窒化ホウ素、タルク、マイカ、炭酸カルシウム等の白色系体質材や、色鉛筆の色相によっては、二硫化モリブデン等の有色系の体質材も使用することができ、当然これら数種類の混合物も使用できる。
また、必要に応じて耐熱性顔料を配合しても良い。
【0023】
ジルコニウムの有機化合物及び/又はアルミニウムの有機化合物と相溶する有機溶剤としては、通常のゾル−ゲル法に使用されているものであれば特に限定されるものではなく、いずれも使用可能である。
例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、エチレンオキシド、エチレングリコール、テトラエチレングリコール、トルエン、キシレン、ヘキサン等いずれも使用可能で、当然これら数種類の混合物も使用できる。
【0024】
押出成形はジルコニウムの有機化合物及び/又はアルミニウムの有機化合物のゲル化により可能ではあるが、焼成前の生(グリーン)状態での強度確保のためと、開気孔が適当な大きさで、分散して得られるように制御するため、補助バインダーとして有機高分子が必要である。
有機補助バインダーとしては、塩化ビニル樹脂のように加熱時に塩酸等の酸あるいはアルカリを発生するものは酸、アルカリが本製法の触媒作用をするため、大量に使用すると反応制御が不可能となり使用不可能である。
また、トラガカントガム、ポリビニルアルコール等の水溶性樹脂は、水がジルコニウムの有機化合物及び/又はアルミニウムの有機化合物の加水分解促進剤であるので、大量に使用すると反応制御が不可能となるため、使用不可能である。
成形用補助バインダーとしては、上記以外のものであれば特に限定されるものではなく、いずれも使用可能である。例えば、ポリビニルブチラール等のポリアセタール樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、スチレン樹脂、またエチルセルロース等のセルロース誘導体等が好ましく使用可能で、当然、これら数種類の混合物も使用できる。
【0025】
また、得られる結合材であるジルコニア、アルミナ、ジルコニア−アルミナ固溶体の物性向上、改良のため、特に限定することなく、その他の金属の有機化合物を添加することができる。例えばジルコニアの安定性向上のためのカルシウムカルボキシレート等のカルシウムの有機化合物、ジルコニアの高強度化、高靭性化のためのイットリウムカルボキシレート、イットリウムアルコキシド等のイットリウムの有機化合物、アルミナの緻密化のためのマグネシウムカルボキシレート、マグネシウムアルコキシド等のマグネシウムの有機化合物、その他チタンの有機化合物、ケイ素の有機化合物等が使用可能で、当然これら数種類の混合物も使用できる。
【0026】
また、ジルコニウムの有機化合物、アルミニウムの有機化合物の加水分解促進のためには、小量の水の添加が必要であるが、アルコキシドのように反応性が高い場合は空気中で混練して、空気中の水分を利用することも可能である。その他、反応中間物であるポリジルコノキサン、ポリアルミノキサンの重合促進のために、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、フッ酸等の酸、アンモニア等のアルカリの添加も必要である。
また、成形体の亀裂防止等の目的でジメチルフォルムアミド、アセチルアセトンを添加することも当然可能である。
【0027】
さらに高せん断力を加えて行う混練時の特性向上及び押出成形の特性向上の目的で、上記のジルコニウムの有機化合物及び/又はアルミニウムの有機化合物と相溶する有機溶剤の他に、ケトン類、エステル類等の有機溶剤、ジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ポリエチレングリコール等の可塑剤を一種又は二種以上、必要に応じて配合してもよい。
【0028】
最後に得られた焼成芯体に着色剤を充填させて焼成色鉛筆芯は完成となるが、着色剤としては、公知の染料を水や有機溶剤等に溶解させインク化して含浸させることは勿論可能であるが、その他に、体質材を耐酸、耐アルカリ性に優れた物質を選択した場合、顔料を酸、アルカリ等に溶解し、芯体に含浸させ、更に開気孔内で再固化させることや、顔料前駆体を含む液を芯体に含浸させ、開気孔内で顔料化反応させることにより、顔料を充填させて着色することも可能である。 また、これらの含浸を加熱、減圧、加圧等の条件下で行うことも可能である。更にこれらの工程を繰り返し、着色濃度を増加したり、複数の着色方法にて着色することも可能である。
また、さらに余分の開気孔にオイル等を含浸させて筆記時の潤滑性を向上させることも可能である。
【0029】
【実施例】
以下に実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこの実施例により何等限定されるものではない。
(実施例1)
上記配合組成物Aを35℃にて1時間還流した。
上記配合組成物Bに還流が終了した配合組成物Aを加え、これらをミキサーで混合、分散させた後に2本ロールで混練しながら溶剤量を調整し、この混練物をスクリュー型押出機にて細線状に押出成形し、残留する溶剤、可塑剤を除去すべく空気中で200℃で10時間乾燥し、アルゴンガス雰囲気中で1700℃まで昇温して1700℃で1時間焼成した。さらに、空気中で700℃まで昇温して700℃で5時間焼成し、焼成白色多孔質鉛筆芯を得た。次に、C.I.Solvent Red8によるボールペンインクを含浸させて直径0.568mmの焼成赤色鉛筆芯を得た。
【0030】
(実施例2)
上記配合組成物Aを35℃にて1時間還流した。
上記配合組成物Bに還流が終了した配合組成物Aを加え、これらをミキサーで混合、分散させた後に2本ロールで混練しながら溶剤量を調整し、この混練物をスクリュー型押出機にて細線状に押出成形し、残留する溶剤、可塑剤を除去すべく空気中で200℃で10時間乾燥し、アルゴンガス雰囲気中で1700℃まで昇温して1700℃で1時間焼成した。さらに、空気中で700℃まで昇温して700℃で5時間焼成し、焼成白色多孔質鉛筆芯を得た。次に、C.I.Solvent Red8によるボールペンインクを含浸させて直径0.570mmの焼成赤色鉛筆芯を得た。
【0031】
(実施例3)
上記配合組成物Aを35℃にて1時間還流した。
上記配合組成物Bに還流が終了した配合組成物Aを加え、これらをミキサーで混合、分散させた後に2本ロールで混練しながら溶剤量を調整し、この混練物をスクリュー型押出機にて細線状に押出成形し、残留する溶剤、可塑剤を除去すべく空気中で200℃で10時間乾燥し、アルゴンガス雰囲気中で1700℃まで昇温して1700℃で1時間焼成した。さらに、空気中で700℃まで昇温して700℃で5時間焼成し、焼成白色多孔質鉛筆芯を得た。次に、C.I.Solvent Red8によるボールペンインクを含浸させて直径0.570mmの焼成赤色鉛筆芯を得た。
【0032】
(比較例1)
上記配合組成物をミキサーで混合、分散させた後に2本ロールで混練しながら水分量を調整し、この混練物をプランジャー型押出機にて細線状に押出成形した後、空気中で120℃で10時間乾燥し、アルゴンガス雰囲気中で1100℃まで昇温して1100℃で1時間焼成した。さらに、空気中で700℃まで昇温して700℃で5時間焼成し、焼成淡色多孔質鉛筆芯を得た。次に、C.I.Solvent Red 8によるボールペンインクを含浸させて直径0.571mmの焼成赤色鉛筆芯を得た。
【0033】
上記実施例1〜3及び比較例1の赤色鉛筆芯を使用して、JIS−S−6005−1989に準拠して曲げ強度(MPa)を測定すると共に書き味及び描線発色性について評価した。これらの結果を下記表1に示す。なお、書き味及び描線発色性は、熟練者による官能試験により行った。
【0034】
【表1】
【0035】
表1より明らかな通り、本発明である実施例1〜3の焼成色鉛筆芯は、従来例である比較例1の焼成色鉛筆芯に較べて曲げ強度に優れ、かつ、同等以上の書き味を示し、しかも、描線発色性が鮮明であることが判った。
特に実施例1のジルコニア−アルミナ固溶体を結合材とした芯、及び、実施例2のジルコニアを結合材とした芯は著しく機械的強度に優れ、極めて優れた発色が得られると同時に、良好な書き味を有している事が判った。
【0036】
【発明の効果】
本発明の焼成色鉛筆芯は、粘土等を結合材とした従来の焼成色鉛筆芯にくらべ、極めて優れた曲げ強度を示し、書き味も同等以上であり、しかも描線の発色性が極めて鮮明である。
Claims (4)
- ジルコニウムの有機化合物及びアルミニウムの有機化合物よりなる群より選んだ少なくとも一種、該金属有機化合物と相溶する有機溶剤、体質材及び有機補助バインダーからなる配合組成物を混練、押出成形、溶剤乾燥、非酸化焼成し、更に酸化雰囲気中で加熱して該補助バインダーを除去して得られたジルコニア、アルミナ及びジルコニア−アルミナ固溶体よりなる群より選んだ少なくとも一種と体質材とからなる芯体の気孔内に着色剤を充填させてなる焼成色鉛筆芯。
- ジルコニウムの有機化合物がジルコニウムキレート、ジルコニウムカルボキシレート、及びジルコニウムアルコキシドよりなる群より選んだ少なくとも一種である請求項1記載の焼成色鉛筆芯。
- アルミニウムの有機化合物がアルミニウムキレート、アルミニウムカルボキシレート、及びアルミニウムアルコキシドよりなる群より選んだ少なくとも一種である請求項1記載の焼成色鉛筆芯。
- ジルコニウムの有機化合物及びアルミニウムの有機化合物よりなる群より選んだ少なくとも一種、該有機化合物と相溶する有機溶剤、体質材及び有機補助バインダーからなる配合組成物を混練し、押出成形し、溶剤を乾燥させ、成形物を非酸化焼成し、更に酸化雰囲気中で加熱して、該補助バインダーを除去することにより得られたジルコニア、アルミナ及びジルコニア−アルミナ固溶体よりなる群より選んだ少なくとも一種と体質材とからなる芯体の気孔中に着色剤を充填させることを特徴とする焼成色鉛筆芯の製造方法。
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