JP3628021B2 - B型肝炎ウイルス感染症の治療のための1,5−ジデオキシ−1,5−イミノ−d−グルシトールのn−アルキル誘導体の使用 - Google Patents
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Description
本願は、1994年1月13日出願の同時係属出願第08/181,519号の一部継続出願である。
発明の背景
本発明は、B型肝炎ウイルスを阻害する新規な方法、より詳しくは、B型肝炎ウイルスに感染した細胞中のB型肝炎ウイルスの複製と分泌を阻害するための1,5−ジデオキシ−1,5−イミノ−D−グルシトールのN−アルキル誘導体の使用に関する。
B型肝炎ウイルス(HBV)は、急性および慢性肝疾患の原因物質である[アヨーラ(Ayoola)ら,Bull.World Health Organ.66,443−455(1988)]。B型肝炎の有効な予防接種が利用可能であるが[現在利用可能な2つのHBVワクチンは、メルク(Merck)のリコンビバックスHB(Recombivax HB)とスミスクライン・ビーチャム(SmithKline Beecham)のエンゲリックス−B(Engerix−B)である]、世界中にはこのウイルスに慢性感染した人がなお300万人以上存在する[エダー(Eder)ら、「肝臓疾患の進展(Progress in Liver Diseases)」、ポッパーとシャフナー(Popper and Schaffner)編(グルンとストラットン(Grune & Stratton)、オーランド、フロリダ州)、第8巻、367〜394(1986)]。彼らにとって、ワクチンは全く治療的価値はない。感染性疾患のための国家財団(National Foundation for Infectious Diseases)の専務理事であるリチャード・デュマ博士(Dr.Richard Duma)によれば、米国単独でも年間推定300,000例のHBV感染が発生している[Med.World Ne ws 34(8),20−21(1993)]。HBVに慢性に感染している人の25〜40%は重篤な肝臓疾患を発症する。従って有効な抗HBV治療法を見い出すことは重要である。
アルファインターフェロンはHBV感染の治療に使用されており、少数の患者で有望な結果をあげている[フーフナグルとジョーンズ(Hoofnagle and Jones),Semin ars in Liver Disease 9,231−233(1989);およびペリロ(Perrillo),Seminars in Liver Disease 9,240−248(1989)]。現在米国FDAにより承認されている慢性HBV感染症に対する唯一の治療法は、組換えインターフェロンアルファ−2b(イントロンA(Intron A)、シェーリング・プラウ(Schering−Plough))である。慢性B型肝炎の治療のための、ヌクレオシド類似体であるファイアルウリジン(fialuridine)の使用に関する臨床試験は、20名中6名の患者で薬剤に関連した肝機能不全が発現したため、現在中断している。従って、B型肝炎の安全な薬剤治療が極めて必要とされている。
最近の報告は、逆転写酵素として機能するこのウイルスがコードするDNAポリメラーゼが魅力ある標的であることを示唆している[ドゥーング(Doong)ら,Proc.Na tl.Acad.Sci.USA 88,8495−8499(1991);リー(Lee)ら,Antimicrob.Agent Chem.33,336−339(1989);プライス(Price)ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86,8541−8544(1989);およびベンカテスワラン(Venkateswaran)ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84,274−278(1987)]。
他のウイルスが介在する過程は、ウイルス介入の標的にはなっていない。HBVに対する有効な抗ウイルス治療は、宿主の免疫系に影響する薬剤や、ウイルスの生活環の異なる段階を妨害する薬剤を含む多数の戦略を必要とする。従って、ウイルスの生活環におけるポリメラーゼが介在しない他の段階が治療的介入の影響を受けやすいという可能性を探究することは興味深い。
1,5−ジデオキシ−1,5−イミノ−D−グルシトール(1−デオキシノジリマイシンまたはDNJとしても知られている)およびそのN−アルキル誘導体は、N結合オリゴ糖処理酵素であるα−グルコシダーゼIおよびIIの公知の阻害剤である。サウニアー(Saunier)ら,J.Bio l.Chem.257,14155−14161(1982);エルベイン(Elbein),Ann.Rev.Biochem.56,497−534(1987)。グルコース類似体として、これらもグルコシルトランスフェラーゼを阻害する能力を有する。ニューブラン(Newbrun)ら,Arch.Oral Biol.28,516−536(1983);ワング(Wang)ら,Tetrahedron Lett.34,403−406(1993)。これらのグルコシダーゼに対する阻害活性により、これらの化合物は抗高血糖剤および抗ウイルス剤として。例えば、PCT国際出願WO87/03909および米国特許:第4,065,562号;第4,182,767号;第4,533,668号;第4,639,436号;第4,849,430号;第4,957,926号;第5,011,829号;および第5,030,638号を参照。
B型肝炎ウイルス(HBV)に及ぼす阻害剤の影響に関する検討は、アッセイ目的のための許容細胞培養系がなかったため、現在まであまりされていない。すなわち、組織培養物をこのウイルスで充分に感染させて繁殖させることができなかったことが、有用な抗HBV剤の発見にとって重大な制限になっていた。
1つの検討で、N−メチルデオキシノジリマイシンが、マウス肝炎ウイルス(MHV)の形成を阻害し、従って細胞表面上のE2の出現を遅延させることが報告されている。レップ(Repp)ら,J.Biol.Chem.280,15873−15879(1985);ダテマ(Datema)ら,Pharmac.Ther.33,221−286,260で(1987)を参照。しかし、MHVはB型肝炎ウイルス(HBV)とは関連がない。一方で、HBVはヘパドナウイルス(Hepadnavirus)族の一員であって人の小さなウイルス病原体である。HBVの大きさは約42nMであり、3.5kbの大きさのDNAゲノムを含んでいる。
他方で、MHVはコロナウイルス族の一員であり、(上気道感染を引き起こすヒトコロナウイルス病原体は普通に見られるものであるが)ヒトに対して病原性のない大きなRNA含有ウイルスである。MHVの大きさは、約100〜150nM(どちらかというと多面発現性である)であり、約30kbの大きさのRNAゲノムを含んでいる。HBVとMHVの間にはほとんど類似性がない。コロナウイルス(MHVを含む)のさらなる背景情報と完全な説明は、ケー・ホルムズ(K.Holmes)、「ウイルス学(Virology)」、第2版、ビー・フィールズ(B.Fields)編、841−856、ラベン出版(Raven Press)、ニューヨーク、ニューヨーク州、1990を参照されたい。
1つのウイルスから別のウイルスによる結果を予測できないことは、D型肝炎ウイルス(HDV)分泌はHBV sAgグリコシル化に依存しなかったという2つの異なる研究グループによる最近の報告から明らかである。「B型肝炎ウイルスの分子生物学(Molecular Biology of Hepatitis B Viruses)」、1994年10月3〜6日、パスツール研究所(Institut Pasteur)、パリ、フランスの1994年ミーティングで発表された論文の抄録集中のダブリュー・フイ−リン(W.Hui−Lin)らの抄録115およびシー・グルー(C.Gureau)らの抄録117。
HDVはそれ自体のエンベロープ蛋白を指定しない。これは、HBVと同じ細胞に感染し、HBV S抗原(HBVエンベロープ蛋白)を使用して感染性の成熟したHDV粒子を作る。区別のため、HBV分泌はグリコシル化とグリカントリミングに依存する。すなわち、HBVとHDVは同じエンベロープ蛋白を含むが、HDV分泌はグリコシル化非依存性であり、一方HBVはグルコシル化に対して非常に感受性である。
B型肝炎ウイルス細胞培養系に及ぼすグリコシル化阻害剤であるツニカマイシン(tunicamycin)の影響がパイザー(Pizer)ら,J.virol.34,134−153(1980);ダテマ(Datema)らの上記文献(270で)により記載されている。しかし、ツニカマイシンは、残念なことに新規に合成されたポリペプチドへのN結合オリゴ糖の付加を完全に防止する。すなわち、ツニカマイシンで処理すると、蛋白のN結合グリコシル化の完全な阻害が起こり、細胞に対して非常に毒性である。さらに、HBV感染細胞のツニカマイシン処理は、HBV分泌の有意な低下を引き起こさなかった。
発明の簡単な説明
本発明により、B型肝炎ウイルス(HBV)に感染した細胞においてこのウイルスを阻害するための方法が提供される。本方法は、HBVビリオンの複製と分泌を阻害するのに有効な量の、1,5−ジデオキシ−1,5−イミノ−D−グルシトールのN−アルキル誘導体(ここで、該アルキル基は、3〜6個の炭素原子を含有する)による該細胞の処理を含む。好ましくはN−アルキル基はブチルである。
本発明の好ましい例示的実施例において、N−ブチル−1,5−ジデオキシ−1,5−イミノ−D−グルシトール(NB−DNJ)はHBV粒子の分泌を抑制し、安定にトランスフェクションしたHepG2.2.15細胞およびHBV感染HepG2細胞の両方でHBV DNAの細胞内保持を引き起こすことが示される。
HepG2細胞は、周知の広範に分布している容易に入手可能なヒト肝癌細胞である。HepG2細胞株の樹立と性状解析は、米国特許第4,393,133号に記載されている。この細胞株の試料も、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type Culture Collection)、ロックビル(Rockville)、メリーランド州から寄託番号ATCC HB 8065で、およびヨーロッパ動物細胞培養物寄託機関(European Collection of Animal Cell Cultures)、ポートンダウン(Porton Down)、英国からも入手可能である。これらの細胞は、種々の蛋白(例えば、ブローズとミレティッヒ(Broze and Miletich),Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84,1886−1890(1987)、および米国特許第4,996,852号、第5,106,833号および第5,212,091号による、リポ蛋白関連凝固インヒビター(lipoprotein associated coagulation inhibitor)(LACI)としても知られる、組織因子インヒビター(TFI))の供給源として使用されている。
HepG2.2.15細胞は、HepG2細胞の誘導体であり、セルズ(Sells)ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84,1005−1009(1987)により記載されるように調製される。
HBV産生細胞のツニカマイシン処理が、正常なHBV粒子分泌をもたらしたことが以前に報告されていたため、本発明の方法によるHBV粒子の分泌の抑制は最も予期できないものであった。グリッポン(Grippon)ら,Mol.Biol.HBV,サンジエゴ、カリフォルニア州、抄録67ページ(1992)を参照。ウイルスの一部の構成体でなくHBVビリオンの分泌が、ツニカマイシンにより阻害されることは、本発明者らにより見い出された。
本発明の方法による処理から起こる細胞内HBV DNAの増加も予期できないことであった。
HBVエンベロープ蛋白は、分子当り1つか2つのN結合グリカンしか含有しないため、DNJのN−アルキル誘導体による、このような適度に(重量で)グリコシル化された蛋白とこれらのビリオン生成物の分泌を阻害する能力は、重度にグリコシル化されたエンベロープ蛋白を含有するHIVの分泌に及ぼすこれらの影響が少ないことに対照させると、驚くべきことであった。また予期せず、大きなコカルボキシ末端蛋白のLHBs、および中間のMHBsを含有するHBVビリオンおよび粒子が、小さいSHBsの豊富な粒子よりもN−ブチルDNJに対してより感受性であることを見い出した。
定義されたDNJのN−アルキル誘導体の使用における別の利点は、これらが比較的毒性がないことである。例えば、N−ブチル誘導体はHIV複製の阻害に有効な濃度(EC50=43μM)で非毒性(TD50>5mM)であることが知られている。例えば、ブリアント(Bryant)ら、第10回国際AIDS会議の抄録(Abstracts of 10th International Conference on AIDS)、ベルリン、1993年6月7〜11日を参照。また本発明では、HBVに感染し、1000μg/mlのDNJのN−ブチル誘導体で処理したHepG2.2.15細胞の90%が、未処理対照と同様に生存活性を有することが証明される。
本発明で証明された結果により、HBVビリオンの輸送またはグリコシル化トリミング経路における段階を阻害する他の化合物も、組織培養物および哺乳動物宿主におけるHBVの形態形成を阻害するのに有用であろうと考えられる。
発明の詳細な説明
本明細書は、本発明を形成するものと認識される主題を詳しく指摘して明確に請求する請求の範囲により完結するのであるが、本発明は、下記の内容の添付図面と関連させた以降の例示的な詳細な説明からさらに良く理解されるものと考えられる。
図1は、HBVエンベロープ蛋白の遺伝子地図を示す。一番上の線は、図示されたpreS1、preS2およびSドメインを有するHBs遺伝子の線状地図を示す。この地図の下の数字は、ドメインの境界をアミノ酸数として示す。この数は異なるHBV株により変化する。右のカラムの百分率は、各HBsのノン−、モノ−、およびジ−グリコシル化蛋白の画分を示す。値は、ガーリッチとブラス(Gerlich and Bruss)、「B型肝炎ウイルスの分子生物学(M olecular Biology of Hepatitis B Virus)」、エー・マクラクラン(A.McLachlan)編、CRC出版(CRC Press)、109〜144ページ(1992)、および「臨床実践にお けるB型肝炎ワクチン(Hepatitis B Vaccines in Clin ical Practice)」、アール・ダブリュー・エリス(R.W.Ellis)編、マーセルデッカー社(Marcel Dekker,Inc.)、41〜82ページ(1992)からのものである。
図2は、図2Aおよび2Bの2部からなり、N−ブチルデオキシノジリマイシン(NBDNJ)で処理した培地および培養細胞中のHBV DNAのオートラジオグラムを示す。HepG2.2.15細胞を、指示された濃度のNBDNJの存在下で培地を1回交換して6日間増殖させた。6日目の後(培養7日目)、細胞と培地を回収した。HBVプローブへの膜のハイブリダイゼーションにより検出したウイルスDNAのオートラジオグラムを示す。
図2A:NBDNJなしの培地(レーン1および2);および下記のNBDNJ濃度:200μg/ml(レーン3);500μg/ml(レーン4);および1000μg/ml(レーン5)の培地中で維持された2.2.15細胞の培地から回収したDNAのサザンブロットのオートラジオグラム。
図2B:NBDNJの非存在下(レーン1)および下記のNBDNJ濃度の存在下で維持した細胞からのEcoR Iで完全に消化した全細胞内DNAのサザンブロットのオートラジオグラム:
レーン2:200μg/ml;
レーン3:500μg/ml;
レーン4:1000μg/ml。
レーン5:未処理2.2.15細胞から調製されたビリオンから単離されたEcoR I消化DNA。
レーン6:ハイブリダイゼーション対照としてのプラスミドDNA。矢印:解けた(relaxed)環状HBVゲノム(A)と線状化された3.2kbゲノム(B)の予測移動度を示す。
図3は、図3A、3B、3Cおよび3Dの4部からなり、HBVに感染してNBDNJで処理したHepG2細胞の細胞および培地中のHBV DNAのゲル電気泳動とヒストグラムを示す。
図3Aおよび図3C:MHBsに対するモノクローナル抗体で免疫沈降したビリオンからのDNAを、ポリメラーゼチェーン反応(PCR)で増幅してアガロースゲル電気泳動により解像した。
レーン1:分子量マーカー;
レーン2:ブランク;
レーン3:NBDNJを添加していない細胞からの培地;
レーン4および5:200μg/mlのNBDNJを添加した細胞からの培地;
レーン6および7:500μg/mlのNBDNJ;
レーン8および9:700μg/mlのNBDNJ;
レーン10および11:1000μg/mlのNBDNJ。
これらのバンドは、デンシトメトリーにより画像化した。ピーク下の面積を図3Cに示す。ここに各NBDNJ濃度の2つの試料の平均をプロットした。
図3Bおよび図3D:図3AでHBVにより感染してNBDNJで処理した培養物の細胞内区画からのDNAをPCRにより増幅した。各レーンは、下記の試料からの増幅されたDNAを含有する:
レーン1および2:NBDNJなし;
レーン3および4:200μg/mlのNBDNJ;
レーン5および6:500μg/mlのNBDNJ;
レーン7および8:700μg/mlのNBDNJ;
レーン9および10:1000μg/mlのNBDNJ。
図3D:図3Bのゲルのデンシトメトリーによりトレースした平均させたピークの下の面積のヒストグラム。
図4は、図4A、4B、4C、4D、4Eおよび4Fの6部からなり、分画していない培地および部分的に精製したビリオン調製物中に存在するHBV抗原を示す。酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)を使用して、示された試料の等容量をHBVエンベロープ抗原について試験した。3日間の培養物からの分画していない培地(図4A、4Bおよび4C)、または部分的に精製したウイルス(図4D、4Eおよび4F)の試料を、HBV SHBs(「S」)(図4Aおよび4D)、LHBs:「PreS1」(図4Bおよび4E)またはMHBs「PresS2」(図4Cおよび4F)エピトープについて試験した。培養物を、ミリモル濃度単位で表したX軸に示されるNBDNJの示された濃度中で維持した。
比較のため、2.28mMはほぼ500μg/mlのNBDNJに等しい。Y軸は、プレートリーダーで読んだ任意のOD単位のELISA反応の比色法のシグナルを示す。
図5は、図5A、5Bおよび5Cの3部からなり、NBDNJ処理および未処理培養物の培地中のLHBsおよびMHBsのウェスタンブロット解析を示す。培地のポリエチレングリコール(PEG)沈降物(図5A)またはNBDNJで処理していない(図5B)およびNBDNJ処理した(図5C)培養物からの部分的に精製したビリオン、HBsの糸状体と球体を、SDS−PAGE(13.5%アクリルアミド)により解像して、イモビリン(immobilin)ペーパーに移してPreS1およびPreS2特異的モノクローナル抗体と共にインキュベートした。
− レーンは図5の各部の一番上に示されるとおりである。ヒト血清から精製した1.0μgのHBV遺伝子型Dが対照として使用される。
− キロダルトン(kd)で表した分子量マーカー(mw)が、図5の各部の右側に示される。
− 左の矢印は、LHBs(S1)およびMHBs(S2)ポリペプチドを示す。
HBVエンベロープは、大(LHBs)、中(MHBs)および小(SHBs)蛋白と呼ばれる3つのコカルボキシ末端蛋白(HBs)を含有する(図1参照)。これらの蛋白は、単一の読み取り枠(ORF)を交互に翻訳開始させることにより得られる[ガネム(Ganem)、「ヘパドナウイルス (Hepadnaviruses)」、メイソンとシーガー(Mason and Seeger)編(シュプリンガー・フェアラーク(Springer−Verlag))、61〜84ページ(1991)]。3つ全てのHBs蛋白は、Sドメインのアミノ酸146で複合型N結合オリゴ糖化物として存在する[図1と、ガーリッチとブラス(Gerlich and Bruss)、「B型肝炎ウイルスの分子 生物学(Molecular Biology of Hepatitis B Viru s)」、エー・マクラクラン(A.McLachlan)編、CRC出版(CRC Press)、109〜144ページ(1992)、および「臨床実践におけるB型肝炎ワクチン(Hepatitis B Va ccines in Clinical Practice)」、アール・ダブリュー・エリス(R.W.Ellis)編、マーセルデッカー社(Marcel Dekker,Inc.)、41〜82ページ(1992)を参照]。
MHBsも(LHBsでは異なる)preS2ドメイン内でハイブリッド型オリゴ糖化物として存在する。HBVによる自然感染では、肝臓は大過剰のHBs蛋白を産生し、これらは直径20nMの糸状体または球体のウイルス構成粒子として分泌される[ガネム(Ganem)、「ヘパドナウイルス(H epadnaviruses)」、メイソンとシーガー(Mason and Seeger)編(シュプリンガー・フェアラーク(Springer−Verlag))、61〜84ページ(1991);および「臨床実 践におけるB型肝炎ワクチン(Hepatitis B Vaccines i n Clinical Practice)」、上記文献]。HBs球体は、最も豊富に存在し、HBs糸状体やHBV粒子よりも、5〜10倍LHBsの含有量が少ない。MHBsは、3つ全ての型の粒子の中で少ない成分である[ガーリッチとブラス(Gerlich and Bruss)、「B型肝炎ウイルスの分子生物学(Molec ular Biology of Hepatitis B Virus)」、および「臨 床実践におけるB型肝炎ワクチン(Hepatitis B Vaccin es in Clinical Practice)」、上記文献]。
HBVの形態形成は複雑である。前もって構成されたウイルスコア粒子は、小胞体(ER)膜中に挿入されているウイルスエンベロープ(表面)蛋白の細胞質ゾル側に付着すると考えられる[ガーリッチとブラス(Gerlich and Bruss)、「B型肝炎ウイルスの分子生物学(Molecul ar Biology of Hepatitis B Virus)」、および「臨床 実践におけるB型肝炎ワクチン(Hepatitis B Vaccines in Clinical Practice)」、上記文献]。
エンベロープ獲得後、ビリオンはERの内腔に出芽して、ここからゴルジ装置を通って細胞外液に輸送される。未成熟な糖蛋白は、3つの末端グルコース残基をN結合オリゴ糖上に含有する。
末端グルコース残基の脱離は、ERからゴルジへの未成熟糖蛋白の移動に重要な役割を果たすと考えられる[ダテマとロメロ(Datema and Romero),Pharmacol.Therr a.33,221−286(1987)]。イミノ糖であるNBDNJは、発生したオリゴ糖から末端グルコース残基を脱離する細胞内酵素であるα−グルコシダーゼIの強力な阻害剤であり、細胞毒性のヒト免疫不全ウイルス(HIV)のインビ トロの形成を抑制することが見い出された[カーパス(Karpas)ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85,9229−9233(1988);米国特許第4,849,430号;およびウォーカー(Walker)ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84,8120−8124(1987)]。HBV分泌には、両方ともN結合オリゴ糖を有するLHBsとSHBsを要するため、NBDNJのウイルス合成に及ぼす影響を試験した。
さらに本発明を例示するために、下記の詳細な実施例を行ったが、これらの具体的な実施例またはそこに記載される詳細に本発明が限定されると理解してはならない。
実施例
方法:
細胞と培地:
HepG2細胞をヨーロッパ動物細胞培養物寄託機関(European Collection of Animal Cell Cultures)(ポートンダウン(Porton Down)、英国)から購入した。HepG2.2.15細胞[2.2.15、セルズとチェン(Sells and Chen),Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84,1005−1009(1987)]はジョージ・アクス(George Acs)博士(マウント・サイナイ医科大学(Mt.Sinai Medical College)、ニューヨーク、米国)から得た。
全ての組織培養物は、5%CO2で、10%熱不活化ウシ胎児血清(テクジェン(Techgen)、ロンドン、英国)、50単位/mlのペニシリンとストレプトマイシン、1mMグルタミン(ギブコ(GIBCO))を補足したRPMI1640(ギブコ(GIBCO))培地中で維持した。2.2.15細胞については、セルズとチェン(Sells and Chen),Proc.N atl.Acad.Sci.USA 84,1005−1009(1987)のように、200μg/mlの抗生物質G418(ゲンチシン(Genticin)、ギブコ(GIBCO))を培地に添加した。
細胞生存率は、プラットとジェーコブ(Platt and Jacob),Eur.J.Biochem.208,187−193(1992)のように、ヨウ化プロピジウムと共にインキュベーション後、ファックスキャン・サイトメーター(FACscan cytometer)(ベクトン・ディッキンソン(Becton Dickinson)、サニーベール(Sunnyvale)、カリフォルニア州、米国)を使用してフローサイトメトリーにより測定した。
HepG2細胞の感染:
ヒト血清または培養細胞の培地から、超遠心分離後ショ糖40%と46%(w/w)の間の沈降によりHBVを精製した[サイファー(Seifer)ら,Virol.179,300−311(1990)]。0.02Mリン酸カリウム緩衝液、pH7.4でビリオンを透析し、濃縮し、37℃で一晩V8プロテアーゼ(黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)由来、シグマ化学(Sigma Chemical Co.))で処理して、20%ショ糖/0.01Mトリス、pH7.4、0.14M NaCl、0.005M EDTA(TNE)緩衝剤で8時間遠心分離した。ペレットを増殖培地に再懸濁して、次いでHepG2細胞を接種するために使用した。
イミノ糖化合物
NBDNJの合成は、周知であり、フリート(Fleet)ら,FEBS Letters 237,128−132(1988)に記載されている。NBDNJは、化合物SC−48334としてジー・ディー・サール(G.D.Searle)/モンサント社(Monsanto Co.)より提供された。
ウイルスDNAの検出
セルズとチェン(Sells and Chen),Proc.Natl.Aca d.Sci.USA 84,1005−1009(1987)のように、約5×106細胞からの培地を、清澄化後、ポリエチレングリコール(PEG)8000(シグマ(Sigma))と共に沈殿させて、0.5mlのリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)に再懸濁して、PBS中の20%ショ糖の緩衝剤によりベックマン(Beckman)T100.3ローター中で50,000rpm(約75,000×g)で5時間沈降させた。
セルズとチェン(Sells and Chen),Proc.Natl.Aca d.Sci.USA 84,1005−1009(1987)のように、このペレットからDNAを調製した。サザンブロット[マニアティス(Maniatis)ら、「分子クローニング、実験室マニュ アル(Molecular cloning,a laboratory manual)」、コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー(Cold Spring Harbor Laboratory)、コールド・スプリング・ハーバー、ニューヨーク(1982)]については、1.2%アガロースで電気泳動してDNAを分離し、H+ボンド(アマーシャム(Amersham))濾紙に移し、放射活性32P(アマーシャム(Amersham))HBVプローブ[pHBVを鋳型として使用してキット製造業者(アマーシャム(Amersham))により記載されたランダムプライミング方法により製造]とハイブリダイズさせた[フォスター(Foster)ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88,2888−2892(1991)]。
血清から得られるHBVで感染したHepG2細胞の培地中の子孫ウイルスは、PreS2エピトープに対するモノクローナル抗体と共に培地を沈殿させることにより検出した。免疫沈降したビリオンからのDNAを、ウイルスゲノムに関するヌクレオチド2815および190からのプライマーを使用(EcoR I部位をヌクレオチド1として使用)して、ポリメラーゼチェーン反応(PCR)により増幅した。DNAは、[マニアティス(Maniatis)ら、「分子クローニン グ、実験室マニュアル(Molecular cloning,a laborato ry manual)」、コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー(Cold Spring Harbor Laboratory)、コールド・スプリング・ハーバー、ニューヨーク(1982)]により記載された標準方法により、細胞溶解物から調製した。
酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)によるHBV蛋白の検出
本発明に使用したモノクローナル抗体は、周知のものであり、以下の文献に記載されている:ヒアマン(Heerman)ら,J.Virol.52,396−402(1984)(PreS1に対する抗体(MA18/7));ヒアマン(Heerman)ら,Intervi rology 28:14−21(1987)(PreS2に対する抗体(Q19/10))、また、ガーリッチとブラス(Gerlich and Bruss)、「B型肝炎ウイルスの分子生物学(Molecular Bio logy of Hepatitis B Virus)」、エー・マクラクラン(A.McLachlan)編、CRC出版(CRC Press)、109〜144ページ(1992)、および「臨床実践におけるB型肝炎ワ クチン(Hepatitis B Vaccines in Clinical Practic e)」、アール・ダブリュー・エリス(R.W.Ellis)編、マーセルデッカー社(Marcel Dekker,Inc.)、41〜82ページ(1992)も参照;およびヒアマン(Heerman)ら、「ウイルス性肝炎および肝臓疾患(Viral Hepatitis an d Liver Disease)」、ズッカーマン(Zuckermann)編、エー・アール・リス(A.R.Liss)、697〜701(1988)(Sに対する抗体(C20−2))。
LHBs、MHBsまたはSHBsエピトープに特異的なモノクローナル抗体でコーティング(4℃で一晩)したマイクロタイターウェル中で試料をインキュベートして、PBS中の1%BSAでブロッキングした。ウイルス試料と共に1時間(37℃)インキュベーション後、プレートをPBS/0.1%ツイン20非イオン性界面活性剤で4回洗浄した。
ペルオキシダーゼ結合ヤギ抗HBs抗体(ベーリング(Behring))と共にインキュベーションし、次にオルトフェニレンジアミン(0.33mg/mlのPBS−過酸化物溶液)中で発色させることにより、結合した抗原を検出した。ベーリング(Behring)プレートリーダーで吸光度を読んだ。精製したウイルスと全培地の試験は、正確な定量を保証するために、連続試料稀釈で行った。
ウェスタンブロット:
グルテキンとヒアマン(Gultekin and Heerman),An alytical Biochem.172,320−329(1989)に記載のように、試料を展開緩衝液に溶解して、13.5%SDS−ポリアクリルアミドゲル(SDS−PAGE)の電気泳動により分離し、PVDF(ミリポア(Millipore))膜に移して5%粉末ミルクでブロッキングした。製造業者の説明書に記載されているように、一次抗体と共にTNE中の1%ウシ血清アルブミン(BSA)中で室温で一晩、および二次抗体(ペルオキシダーゼ結合ヤギ抗マウスIgG血清)とTNE中で室温で1時間インキュベーション後、膜を過酸化物−ジアミノベンジジン(シグマ(Sigma))PBS中で発色させた。
結果
NBDNJは2.2.15細胞により培地中に放出されるHBV DNA関連ビリオンの量を低下させる:
2.2.15細胞はHepG2株から得られ、培地中にウイルス構成粒子と共に感染性HBV(HBs粒子と球体)を慢性的に分泌する[ヒアマン(Heerman)ら,J.Virol.52,396−402(1984);およびセルズ(Sells)ら,Proc.Natl.Aca d.Sci.USA 84,1005−1009(1987)]。
HBVの産生と分泌に及ぼすNBDNJの影響を測定するために、ある範囲のNBDNJ濃度を含有する培地中で、3日目に1回培地交換をして6日間2.2.15細胞を維持した。混合物中6日後、DNAをウイルスから単離した(上記「方法」に記載される通り)。図2Aに示すように、放射性標識HBV DNAプローブへのサザンブロットハイブリダイゼーションによりウイルスDNAを検出した。
ゆるんだ(relaxed)環および線状ゲノム長DNAの予期される移動度で遊走するウイルス特異的DNA[セルズ(Sells)ら,J.Virol.62,2836−2844(1988)]は、未処理培地から得られた試料(レーン1および2)で検出された。NBDNJで処理した細胞の培地から得られたウイルス特異的DNAには明らかな用量依存的低下が見られる(レーン3、4および5)。図2Aに示されるオートラジオグラフは、デンシトメトリーにより定量した。デンシトメトリーにより、500μg/ml(2.28mM)および1000μg/mlのNBDNJが各各90および99%の低下を引き起こしたことが明らかになった。
ヨウ化プロピジウム染色した細胞のファックス(FACs)解析および蛋白への[35]−Sメチオニン取り込みにより測定されるように、1000μgs/mlのNBDNJ中で6日間維持した細胞の90%が未処理対照と同じくらい生存していたため、この低下はNBDNJの毒性のためではなかった。
NBDNJで処理した2.2.15細胞は細胞内HBV DNAのレベルが上昇する。
培地中のHBV DNA関連ビリオンのNBDNJが媒介する低下は、ウイルスDNA合成の低下によるものかも知れない。あるいは、ビリオン組み立て、輸送または細胞から外へ出るなどの合成後の現象のためかも知れない。これらの可能性を区別するため、未処理およびNBDNJ処理2.2.15細胞における細胞内HBV特異的DNAの量を比較した。
全細胞内DNAは処理細胞および未処理細胞から調製して、EcoR Iで完全に消化してウイルスゲノムを線状にした。ほぼ等しいマイクログラム量の消化生成物(臭化アチジウム染色と細胞特異的プローブへのハイブリダイゼーションにより測定した)を、電気泳動により分離し、サザンブロットを行い、HBV特異的プローブとハイブリダイズさせた(図2B)。3.2kbバンドとして遊走する単位長HBVゲノムは、未処理2.2.15細胞から得られたDNA(レーン1)および対照培地から単離したビリオン(レーン5)中に検出される。
レーン2、3および4は、各々200、500および1000μg/mlのNBDNJで処理した細胞から得られたDNAを含有する。未処理細胞に比較して、NBDNJ処理細胞に存在するHBV DNAの量には明らかな用量依存的増加が見られる。このオートラジオグラムのデンシトメトリーは、細胞MHCクラスIII遺伝子であるG1へのハイブリダイゼーションをローディング(loading)対照として使用してローディング変動を調整した時、200、500および1000μgs/mlのNBDNJで処理した細胞では、HBVコピー発生量が各々1.7、3.0、5.1倍の上昇を示すことを示唆する。
HBVに感染してNBDNJで処理したHepG2細胞は子孫ウイルスの放出が少ない。
2.2.15細胞は、安定にトランスフェクションした環境におけるHBV産生を検討するのに有用な系である。しかし、これらの細胞中のHBVプレゲノム合成は、自然感染で起こると考えられるように、組み込まれたウイルスDNA鋳型から起こりうるのであって、共有結合で閉じた環状ウイルスDNA鋳型からではない[セルズ(Sells)ら,J.Virol.62,2836−2844(1988)]。さらに、これらの細胞は、培地中に放出される種々のゲノム構成ウイルスDNA生成物と共に、裸のコア粒子を産生する[セルズ(Sells)ら,上記文献]。
従って、HepG2細胞はプロテアーゼ修飾HBVで感染させた。翌日、培地を対照培地または種々の濃度のNBDNJを含有する培地と置換した。感染の5日後、PreS2ドメインの中心部分に特異的なモノクローナル抗体で子孫ビリオンを免疫沈降させた。HBV特異的DNA配列をHBV特異的プライマーを使用してPCRにより増幅した。この反応生成物をアガロースゲル電気泳動により分離して、臭化エチジウム染色により画像化した(図3A)。この519塩基対生成物(矢印、図3A)をデンシトメトリー解析により定量して、プロットを図3Cに示す。PCRは開始時の試料中のDNA濃度の差を実際より小さく見積るかもしれないが、プロテアーゼで処理されたウイルスに感染した後で700μg/ml(3.2mM)のNBDNJで処理した細胞からの培地が、未処理の試料よりも一桁少ないウイルスDNAを含有することは明らかである。これらの結果は、培地中に放出されるHBVのNBDNJ介在性の低下が2.2.15トランスフェクションされた細胞系に特有のものではないことを示している。
HBVで感染してNBDNJで処理したHepG2細胞に含まれる細胞内HBV DNAの量は増加している。
ビリオン関連DNAの量が低下している点で、NBDNJで処理したHBV感染HepG2細胞の培地は2.2.15細胞と類似していたため、処理した細胞内のウイルスDNAが同時に増加したかどうか知ることは興味あることであった。図3AおよびCに示した試料に対応する試料から、全細胞DNAを調製した。細胞内HBV特異的DNAをPCRを用いて増幅した。この反応の生成物をアガロースゲル電気泳動により分離して、臭化エチジウム染色したゲル(図3B)をデンシトメトリーにより解析した(図3D)。明らかに、HBVで感染した後でNBDNJで処理したHepG2細胞は、未処理細胞よりも大量のウイルスDNAを蓄積している。
NBDNJ処理および未処理の2.2.15細胞の培地は同等量のHBVエンベロープ抗原を含有する。
2.2.15細胞はウイルス構成粒子と同様にビリオンを分泌する[セルズ(Sells)ら,J.Virol.62,2836−2844(1988)]。培地中のビリオン関連DNAのNBDNJ介在性の低下は、全てのHBs含有粒子の分泌の一般的な低下の反映かも知れない。あるいは、大過剰にある他の型に比べて相対的に乏しい稀なビリオン粒子の選択的減少があったのかもしれない。
これらの可能性を区別するため、培地中のエンベロープ抗原の量と性質をELISAとウェスタン解析の両方により決定した。清澄化した培地中に存在するSHBs、MHBsおよびLHBs抗原のELISA分析は、図4A、BおよびCに示される。この結果は、培地中のSHBs(S)およびLHBs(PreS1)抗原の全量には有意な影響がないことを示している。培地中のMHBs(PreS2)抗原の全量にはわずかの用量依存的低下がある。この低下は最大NBDNJ濃度(4.5mMすなわち約1000μg/ml)で約2.5倍である。これらの結果は、ウェスタンブロット解析により確認した。図5Aは、対照培養物および1000μg/mlで処理した培養物からの培地のウェスタンブロットを示す。ここで、NBDNJ処理(図5A、レーン3)および未処理培養物(図5A、レーン2)からの培地は、同等量のMHBs(S2)およびLHBs(S1)抗原を含有することが示される。
従って、NBDNJは培地中のSHBsおよびLHBs抗原の量に全体的な低下を引き起こさない。しかし、ELISAでの測定によれば、1000μg/mlのNBDNJで処理した2.2.15細胞の培地中のMHBs抗原の量には2倍の低下が見られる。
NBDNJ処理した2.2.15細胞の培地に含まれる、完全なビリオンとして沈降するHBVエンベロープ抗原の量は低下する。
完全なビリオン中に存在するHBsの量を測定するために、記載した培養物からの培地を超遠心分離によりショ糖勾配で分画した。処理および未処理培養物から得られ40〜46%ショ糖で沈降する分泌されたビリオンを濃縮して、ELISAによりHBs蛋白について試験した。図4D、4Eおよび4Fに結果を示す。未処理2.2.15細胞の培地から調製したビリオンを含有する試料中のHBsの全ての型は容易に検出可能であった。
一方、2.25および4.5mM(各々約500および1000μg/ml、比較のため)のNBDNJで処理した細胞の培地から調製した試料中のHBs蛋白は、実際上検出不可能であった。これは、これらの試料中の培地における完全なウイルスの量の低下を示唆している。
このELISAの結果は、完全なウイルス、糸状体または球体のいずれかを含有するショ糖勾配からの画分のウェスタンブロット解析により確認した(未処理培養物からの図5B、およびNBDNJ処理した培養物からの図5C)。ショ糖勾配の画分からの等しい容量をSDSゲル電気泳動により分離し、膜に移し、LHBs(PreS1)に特異的な抗体と共にインキュベートして、画像化して、次にMHBs(PreS2)エピトープに特異的な抗体と共にさらにインキュベートした。ヒト血清から得られた部分精製したHBVを対照としてレーン5に示す(図5Bおよび5C)。
ビリオン含有画分(勾配の底近く)に遠い画分はレーン1で分離すると抗体に対する特異性を示した。レーン2、3および4(図5Bおよび図5C)は、ショ糖中の沈降およびウイルスDNAの存在(ビリオンに関して)と非存在(ウイルス構成粒子に関して)により定義されるように、(それぞれ)完全なウイルス、HBs糸状体および球体含有画分を含有する。NBDNJ処理培養物の培地から調製したビリオン、糸状体および球体中に存在する全てのHBs蛋白の量は低下している(図5Bおよび5Cのレーン2、3および4を比較)。MHBs(PreS2エピトープ)の低下が特に大きい。図5Bおよび5Cに示される画像をデンシトメトリーにより定量した。
デンシトメトリー解析により、未処理試料に比較してNBDNJ処理ビリオン試料のLHBsの低下は、約4倍であることが判った。MHBsの低下は同じレーン(図5B、レーン2に比較した図5C、レーン2)で12倍であった。種々の型のHBs蛋白を分離するのに使用した勾配は、異なる型が「濃縮された」画分を与えることに注意されたい。すなわち、ビリオン含有画分はまた、糸状体と球体を含有している可能性がある。これにより、免疫測定法により判定すると、球体や糸状体に対してビリオンの放出に及ぼすNBDNJの影響を小さく見積ってしまうかもしれない。
それにもかかわらず、ウェスタンブロット解析の結果は、NBDNJ処理培養物からの培地が同等量の全HBs抗原を含有するが、ビリオン画分における抗原性物質は大きく低下しているという点で、ELISAの結果と一致する。
本発明に記載された阻害化合物はまた、従来法により、好ましくは薬剤学的に許容しうる希釈剤および担体との製剤として、HBVに感染した患者への投与に使用することができる。これらの化合物は、遊離アミン型または塩の型で使用することができる。薬剤学的に許容しうる塩誘導体は、例えばHCl塩により例示される。
これらの阻害化合物はまた、米国特許第5,043,273号および第5,103,008号に記載される6−リン酸化誘導体、および例えば米国特許第5,003,072号;第5,144,037号;および第5,221,746号に記載されるようなO−アシル化誘導体のような、プロドラッグの型で使用することができる。好ましいこのような誘導体は、四酪酸1,5−(ブチルイミノ)−1,5−ジデオキシ−D−グルシトールである。
投与される活性化合物の量は、有効量、すなわち、医学的に有益であるが、その使用に伴う利点を超える毒性効果を表さない量である必要がある。成人の1日用量は、一般に活性化合物約1〜1000ミリグラムの範囲であろうと予測される。好ましい投与経路は、カプセル剤、錠剤、シロップ剤、エリキシル剤などの形で経口投与であるが、非経口投与も使用することができる。治療用剤型中の薬剤学的に許容しうる希釈剤および担体中の活性化合物の適切な製剤は、例えば、「レミントンの製剤科学(Remington's Pharmaceutical Sciences)」、アーサー・オソル(Arthur Osol)編、第16版、1980、マック出版(Mack Publishing Co.)、イーストン、ペンシルバニア州、米国のような当該分野で一般的な教科書を参照して調製することができる。
本開示を読んだ後では、本発明の精神と範囲から逸脱することなく、種々の他の実施例が当業者には明らかになろう。このような他の全ての実施例が添付した請求の範囲内に含まれることが意図される。
Claims (3)
- 感染したヒト宿主におけるB型肝炎ウイルス感染症を治療するための医薬組成物であって、1,5−ジデオキシ−1,5−イミノ−D−グルシトールのN−アルキル誘導体(ここで、該アルキル基は、炭素原子3〜 6個のアルキル基である)を、B型肝炎ウイルスビリオンの複製と分泌を阻害するのに有効な量で含む医薬組成 物。
- アルキル基はブチルである、請求の範囲第1項記載の医薬組成物。
- 有効な阻害量は、1〜1000mgである、請求の範囲第1項記載の医薬組成物。
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