JP3627440B2 - 放電加工機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、加工液中に設けられた電極と被加工物間に加工エネルギーを供給する放電加工機の放電エネルギーの制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の技術として、特開昭57−138530号公報に開示された放電加工機を図5に示す。図5において、電極3と被加工物2に印加される電圧可変な電圧値V2を有する直流電源24と、一定な電圧値V1を有する直流電源26とを備え、直流電源24の出力は副スイッチング素子28により、また直流電源26の出力は主スイッチング素子30によってそれぞれ開閉制御されるようになっている。なお、各電源24,26には、それぞれ逆流阻止ダイオード46,48が直列に挿入されている。
【0003】
周期的にパルス信号を発生する発振器32の出力に接続された遅延・微分回路34と、アンド回路36の論理積出力の立上がりで動作するワンショットマルチバイブレータ38と、副スイッチング素子28又は主スイッチング素子30によって放電が生じることにより流れる電流をシャント抵抗器40の両端に生じる電圧から検出して増幅する増幅器42と、この増幅器42の出力が所定の範囲内にある場合、ハイの出力を、この範囲外はローを出力を発生する判別装置44とを有している。
【0004】
上記のように構成された放電加工機の動作を図5および図6によって説明する。まず、電源が投入されると、発振器32から方形波のパルス信号S1が発生し(図6(b)参照)、副トランジスタ28がオンして電極3と被加工物2とに電圧V2を印加し(図6(a)参照)、発振器32のパルス信号S1を遅延・微分回路34を介して時間Td遅れて出力信号S2を発生する(図6(c)参照)。
【0005】
一方、電極3と被加工物2とに放電が発生して電流が流れ、シャント抵抗40の両端電圧を増幅器42で増幅し、所定の電圧値以上に達すると、判別装置44がハイの信号S3を出力する(図6(d)参照)。この信号S3と微分回路34の出力信号S2との論理積をアンド回路36により求めて出力に信号S4を発生し(図6(e)参照)、この出力信号S4でバイブレータ38をトリガー駆動し、バイブレータ38の出力信号S5で主スイッチング素子30を駆動して電極3と被加工物2との放電を継続する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の放電加工機は上記のように構成されており、電極3と被加工物2との間の電圧がV2に達せずに、すぐにVgになる即放電と、電極3と被加工物2との間の電圧がV2
に達した後、すぐにVgになる準即放電と(図2(a)参照)のような放電加工の状態が悪化しても、放電の発生を、抵抗器40の両端電圧を増幅器42により増幅した電圧が所定の値の範囲内にあることを判別装置44により判断しているので、即放電および準即放電が生じても、正常な放電と同様な動作を放電加工機がしているという問題点があった。
【0007】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、準即放電、即放電とを、正常な放電と区別でき、準即放電又は即放電が発生して放電加工の状態が悪化しても容易に対応できる放電加工機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係る放電加工機は、電極と被加工物間に電圧を印加する補助放電回路及び主放電回路とを備え、補助放電回路が動作した後に、主放電回路を動作させて停止させる周期を、繰り返すことにより被加工物を加工する放電加工機において、開始信号により補助放電回路を動作させ、補助放電回路に流れる補助電流が所定値以上流れたことを検出する補助放電電流検出手段と、開始信号から補助放電回路に充電電流が流れ終わるまでの時間よりも長い第1の設定時間を有する第1のタイマ手段と、第1のタイマ手段の第1の設定時間経過後で、補助電流が所定値以上流れたことを検出した後、放電が安定するまでの第2の設定時間を有する第2のタイマ手段と、第2の設定時間経過後に、補助放電回路を停止させると共に、主放電回路を所定時間動作させる動作手段と、この動作手段で主放電回路を所定時間動作してから、主放電回路の電流が所定値以下になる時間よりも長い第3の設定時間を有すると共に、この第3の設定時間経過後に終了信号を発生させる第3のタイマ手段と、この第3のタイマ手段の終了信号で、周期の終了とみなす終了手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0009】
第2の発明に係る放電加工機は、第1のタイマ手段により第1の時間経過後で、補助放電回路の電流値がほぼ一定になったことを検出する一定値検出手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0010】
第3の発明に係る放電加工機は、動作手段で主放電回路を所定時間動作してから、主放電回路の電流が減衰したことを検出する主放電電流検出手段を備えたことを特徴とすものである。
【0011】
【0012】
第4の発明に係る放電加工機は、第1のタイマ手段により第1の設定時間経過後に、補助放電電流検出手段が検出するまでの時間を求める補助放電準備時間検出手段と、補助放電準備時間検出手段の時間値が予め定めた時間値よりも短い場合、異常と判断する判断手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0013】
【0014】
第5の発明に係る放電加工機は、判断手段が異常と判断した場合、開始信号を一時停止することを特徴とするものである。
【0015】
第6の発明に係る放電加工機は、主放電回路の複数のスイッチング素子と、スイッチング素子に直列接続すると共に、各抵抗値の比率の逆数を2進数の桁の重みの関係とした複数の抵抗と、スイッチング素子の動作を選択するスイッチング素子選択手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
この発明の一実施の形態を図1及び図2によって説明する。図1において、この放電加工機の放電回路は、補助放電回路200と主放電回路300とを制御する放電制御部400と、放電制御部400に指令を与えたり、受けたりする統括制御部700とから成っている。
【0017】
補助放電回路200は、直流電源V2と、スイッチング素子203と、抵抗205と、ダイオード207とが直列に接続されている。
【0018】
主放電回路300は、直流電源V1と、スイッチング素子303、抵抗305とが直列接続されており、スイッチング素子303と抵抗305の接続点と、直流電源V1の陽極との間に、ダイオード313とツェナーダイオード315とが直列に接続されている。補助放電回路200と主放電回路300は出力端子E,Wにおいて並列に接続される。
【0019】
放電制御部400は、放電の開始信号により補助放電回路200を動作させ、補助放電回路200に流れる補助電流が所定値以上流れたことを抵抗205の両端電圧で検出する補助放電電流検出手段としての電流検出器410と、放電の開始信号から補助放電回路200に電極3と被加工物2との間の静電容量C1を充電する電流が流れ終わるまでの時間よりも長い第1の設定時間を有する第1のタイマ401と、第1のタイマ401の第1の設定時間経過後で、補助電流が所定値以上流れたことを検出した後、放電が安定するまでの第2の設定時間を有する第2のタイマ405と、第2の設定時間経過後に、補助放電回路200を停止させると共に、主放電回路300を所定時間動作させるタイマ430を備えた動作手段470と、この動作手段470で主放電回路300を所定時間動作してから、主放電回路300の電流が所定値以下になる時間よりも長い第3のタイマ440と、この第3のタイマ440の出力(終了)信号で、周期の終了とみなす終了手段490とを備えている。なお、タイマ405の設定時間は、放電が直後に安定する場合はゼロでも良い。
【0020】
第1のタイマ401は、入力が放電指令信号線DSに接続され、出力がアンド回路403の一方の入力に接続されており、アンド回路403の他方の入力が電流検出器410の出力である電流検出線IAに接続され、アンド回路403の出力が第2のタイマ405の入力に接続されている。
【0021】
動作手段470は、タイマ405の出力がフリップフロップ407のS端子に接続され、放電指令信号線DSはノット回路402を介してフリップフロップ407のR端子に接続され、フリップフロップ407の出力のQ端子がノット回路409を介してアンド回路411の入力の一方に、放電指令信号線DSがアンド回路411の他方の入力に接続されており、フリップフロップ407のQ端子の出力が直接、アンド回路434の一方の入力に接続され、他方の入力にタイマ430を介してノット回路432の出力が接続されており、アンド回路434の出力がスイッチング素子303のゲートに接続されている。
【0022】
終了手段490は、タイマ430の出力にタイマ440の入力が接続され、タイマ440の出力がノット回路442を介してアンド回路444の入力の一方に接続され、アンド回路444の他方の入力が放電指令信号線DSに接続されている。
【0023】
また、補助放電準備時間検出手段は、放電開始信号が発生(放電指令信号線DSがハイ)していて、タイマ401の設定時間後から、抵抗205に電流が流れて抵抗205の両端が所定の電圧以上になったことを電流検出器410が検出してその出力にハイ信号を発生させ、アンド回路422の出力にタイマ401の設定時間経過してから、電流検出器410の出力がハイになるまでの時間のみパルス信号(図2(k)参照)を発生するように構成されており、具体的には、電流検出器410の出力をノット回路420を介してアンド回路422の入力に接続され、タイマ401の出力がアンド回路422の入力に接続され、アンド回路411の出力がアンド回路422の入力に接続され、アンド回路422の出力が補助放電準備時間線DTで統括制御部700に接続されている。
【0024】
また、タイマ430の設定時間はスイッチング素子303がオンしているオン時間となり、タイマ440の設定時間はスイッチング素子303がオンして主放電回路300に流れている電流を遮断した後、この電流が減衰して所定値以下になる時間よりも長い時間に設定されている。
【0025】
上記のように構成された放電加工機を図1および図2のタイムチャートと波形図とに基づいて動作を説明する。放電加工機が休止している場合、統括制御部700からの放電指令信号線DSはローとなっていて、ノット回路402を介してフリップフロップ407のR端子にハイを入力するので、フリップフロップ407の出力Qはローとなりノット回路409を介してハイをアンド回路411に入力する。しかし、アンド回路411のもう一方の入力端子がローのため、アンド回路411の出力もローとなりスィッチング素子203がオフしている。なお、フリップフロップ407のS端子は、タイマ405の出力であるローが入力されている。
【0026】
次に、時間T1で、統括制御部700から放電指令信号線DSをローからハイにし(図2(a)参照)、ノット回路402を介してフリップフロップ407のR端子にローを入力し、出力Qはローになっているので、ノット回路409を介してアンド回路411の一方にハイを入力し、他方の入力である放電指令信号線DSもハイであるから、アンド回路411の出力はハイになり、スイッチング素子203のゲートにオン信号を入力し(図2(b)参照)、スイッチング素子203がオン動作して電極3と被加工物2との間には、直流電源V2の電圧が、抵抗205とダイオード207とを介して印加し(図2(j)参照)、電極3と被加工物2間の静電容量C1により放電が発生していなくても電流IDが流れ始める(図2(i)参照)。
【0027】
同時に、すなわち時間T1で、放電指令信号線DSがハイとなり、ノット回路442の出力がハイであるので、アンド回路444の出力である動作中信号線M1がローからハイになる(図2(h)参照)。
【0028】
時間T2で、電流検出器410は抵抗205に流れた電流による電圧降下が所定の値以上になって、電流検出信号線IAがローからハイになり(図2(c)参照)、上記電圧降下が所定の値以下になる時間T3まで、ハイ信号を出力し続けパルス波形PDとなる。
【0029】
時間T4で、時間T1において放電指令信号線DSがローからハイになることにより第1の設定時間だけ遅れてタイマ401の出力がローからハイとなる。タイマ401出力信号のハイと、電流検出信号線IAのハイとの論理積をアンド回路403より得ているので、タイマ401の出力がハイになるまで、電極3と被加工物2との間の静電容量C1に流れる充電電流による誤った放電検出を防いでいる。また、アンド回路422には、タイマ401の出力信号のハイと、電流検出信号線IAの出力をノット回路420を介してハイと、アンド回路411の出力であるハイとが入力し、アンド回路422の出力の補助放電準備時間線DTに時間teのパルス信号を発生して(図2(k)参照)、統括制御部700へ入力し、統括制御部700は、即放電又は準即放電が生じていないことを判断する。
【0030】
電極3と被加工物3とに電圧V2が印加され続けているので、時間T5で、放電が発生して電流ISが流れ、時間T6で、抵抗205に流れた電流による電圧降下が所定の値以上になり、電流検出器410の出力である電流検出信号線IAがローからハイになり(図2(c)参照)、同時に、ノット回路420を介してアンド回路422にローが入力し、補助放電準備時間線DTをハイからローにする(図2(k)参照)。
【0031】
同時に、アンド回路403の出力をローからハイにし、タイマ405が設定時間経過後、即ち時間T7で、タイマ405の出力をローからハイにし(図2(d)参照)、フリップフロップ407のS端子がハイとなり、出力端子Qがハイになり、ノット回路409を介してアンド回路411の入力がローになるので、スイッチング素子203はオフし、抵抗205の電流はゼロになり電流検出信号線IAはすぐにローになる。
【0032】
一方、フリップフロップ407の出力端子Qがハイとなり、タイマ430とノット回路432とを介してアンド回路434の出力をローからハイにしてスイッチング素子303をオンにして電極3と被加工物2に電圧V1を印加する(図2(j)参照)。補助放電回路200により流れていた加工電流が主放電回路300により流れる電流に変わり抵抗305で決まる電流に達した後(図2(i)参照)、時間T8で、タイマ430は設定時間経過後にローからハイとなり(図2(f)参照)、ノット回路432を介してアンド回路434の出力をローにしてタイマ430の設定時間だけスイッチング素子303をオンするので、その後、加工電流IM2が減衰し、時間T9で、加工電流IM2がゼロになる(図2(i)参照)。
【0033】
なお、図2(i)の加工電流は抵抗305がゼロの場合、実線IM1で示し、抵抗305が所定の値の場合、点線IM2で示している。また、時間T9で、加工電流IM2がゼロになる場合を上記で説明したが、実際には微弱な電流が流れ続けることもある。
【0034】
一方、タイマ430がローからハイになった後、時間T10で、タイマ440が設定時間経過し、タイマ440の出力がローからハイになり、ノット回路442を介してアンド回路444の出力である動作中信号線M1の信号をハイからローにする(図2(h)参照)。なお、タイマ440の設定時間は、加工電流が減衰して所定値以下になる時間よりも長い時間に設定されている。
【0035】
統括制御部700はこの動作中信号線M1の信号がローになったことで、一回の放電が終了したと判断し、時間T11で放電指令信号線DSの信号をローにし、フリップフロップ407のR端子をハイにしてフリップフロップ407をリセットし、最初の状態に戻る。すなわち、一周期が終了する。
【0036】
この一周期は1〜2μsecで終了させることができるので、放電加工の繰り返し周波数は500KHz以上が可能となり、高速の仕上げ加工に適する。
【0037】
以上の動作は正常な放電について説明したが、即放電又は準放電と称する異常な放電又は異常な放電に近づきつつある動作を図1及び図3に基づいて説明する。図3はタイムチャートと波形図で、図2と同一符号は同一又は相当部分を示し、説明を省略する。
【0038】
いま、放電指令信号線DSの信号がハイになり放電指令が発生すると、上記のようにスイッチング素子203がオンし、電極3と被加工物2との間に電圧V2を印加し、電流Iが流れ、すぐに放電が発生する(図3(i),(j)参照)。この時、タイマ401の設定時間以内で放電が発生しているので、タイマ401の出力がローからハイになる時間T4でも、補助放電準備時間線DTの信号はローのままとなる(図3(k)参照)。この状態を即放電状態と判断する。
【0039】
この即放電状態が連続する場合、或は即放電状態が予め定められた頻度以上で生じる場合、統括制御部700が異常と判断して放電指令信号線DSの信号を一定の時間ローのままにしても良い。なお、補助放電準備時間線DTの信号がタイマ401の設定時間を経過してもハイにならない場合、直ちに、放電指令信号線DSの信号をローにし、主放電回路300のスイッチング素子303がオンしないようにしても良い。
【0040】
また、上記は即放電状態、すなわち、補助放電準備時間線DTの信号がローのままの例について説明したが、準即放電の場合について説明する。すなわち、タイマ401の設定時間経過後、時間T4の少しの時間を経過して(時間T5の手前)、放電が発生して抵抗205に電流が流れ、電流検出器410がローからハイになり、アンド回路422の出力である補助放電準備時間線DTにパルス信号(図2(k)の一点鎖線)を発生する。このパルス信号の時間teが予め定められた時間よりも短い場合、または所定の動作回数で、この時間teの平均が予め定められた時間よりも短い場合、統括制御部700が異常と判断して放電指令信号線DSの信号を一定の時間ローのままにしても良い。放電を一定時間停止すれば、正常に復帰する可能性が高いからである。
【0041】
このように補助放電準備時間線DTの信号を利用すれば、従来では検出できなかった即放電又は準即放電を検出でき、安定な加工ができる放電加工機が得られる。
【0042】
また、タイマ405の代わりに、タイマ401の設定時間を経過後に、補助放電回路200の電流がほぼ一定になったことを一定値検出手段としての電流検出器410で、検出しても良い。
【0043】
また、タイマ430とタイマ440とからなる第3のタイマの代わりに、動作手段470により主放電回路300に電流を流し、この電流が減衰したことを電流検出器で検出しても良い。
【0044】
実施の形態2.
この発明の他の実施の形態を図4によって説明する。図4において、スイッチング素子303a,303b,303cを3個設け、それぞれに抵抗305a、305b、305cが直列に接続されており、各スイッチング素子303a,303b,303cと抵抗305a、305b、305cとの接続点と、直流電源V1の陽極との間には、ダイオード313a,313b,313cの各アノードツェナダイオード315カソードが接続されている。
【0045】
各スイッチング素子303a,303b,303cのゲートには、それぞれアンド回路434a,434b,434cの出力が接続されており、このアンド回路は一方の入力が共通にされ、他方の入力が出力電流切換器900の各スイッチ900a,900b,900cを介して陽極電源に接続されることにより、スイッチング素子303a,303b,303cのスイッチング可否を選択するように構成されている。なお、スイッチング素子選択手段は、出力電流切換器900とアンド回路434a,434b,434cとからなる。
【0046】
例えば、第1の直流電源V1を125Vとし、放電電圧は一般的に25V程度で あるから、抵抗305aを25Ω、抵抗305bを50Ω,抵抗305cを100Ωに設定する。各抵抗の抵抗値の比率の逆数は4:2:1となり、2進数の桁の重みの関係となっている。
【0047】
上記のように構成された放電加工機の動作を図4を参照して説明する。出力電流の切換器900のスイッチ900a,900b,900cのオン、オフを選択することにより、主放電回路1300の出力電流(端子Eと端子Wを短絡した場合の電流)は0,1,2,3,4,5,6,7アンペアと、8段階に1アンペア毎にステップで変化できる。これは、3つの少ない抵抗で、多くのステップの加工電流を制御できることであり、回路が簡単になり、安価にもなる。
【0048】
また、スイッチ900a,900b,900cをバイナリカウンタの出力とし、クロック入力でアップ、ダウンカウントすれば階段状の波形を出力でき、任意のスロープ状の電流波形を出力することができる。
【0049】
【発明の効果】
第1の発明によれば、第1のタイマ手段の第1の設定時間後に、補助放電回路に流れる電流を検出したので、電極と被加工物間の静電容量に流れる電流により放電の誤検出を防止し、第2のタイマ手段の第2の設定時間まで、補助放電回路を動作させるので、放電柱が形成されたのに後、主放電回路に移行し、第3のタイマ手段の第3の設定時間後に、繰り返し放電周期の終了としたので、放電休止時間を調整でき、安定な放電を継続できるという効果がある。
【0050】
第2の発明によれば、第1の発明の効果に加え、第1のタイマ手段により第1の時間経過後で、補助放電回路の電流値がほぼ一定になったことを検出する一定値電流検出を設けたので、補助放電回路により放電柱が安定に形成された後、主放電に移行できるという効果がある。
【0051】
第3の発明によれば、第1の発明の効果に加え、動作手段で主放電回路を所定時間動作してから、主放電回路の電流が減衰したことを検出する主放電電流検出手段を設けたので、より正確に主放電回路の動作電流が減衰したことを検出でき、休止時間を把握できるという効果がある。
【0052】
【0053】
第4の発明によれば、準放電と、正常な放電とを区別して検出できるので、準即放電により放電加工の状態が悪化していても、容易に対応ができるという効果がある。
【0054】
【0055】
第5の発明によれば、即放電又は準即放電が生じた場合、放電指令信号を一時停止したので、放電加工の状態がより悪化することを防止できるという効果がある。
【0056】
第6の発明によれば、抵抗の比率の逆数を2進数の桁の重みの関係としたので、少ない抵抗で多くのステップの加工電流を制御でき、回路が簡単な放電加工機を得るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態を示す放電加工機の回路図である。
【図2】図1のタイムチャートと波形図である。
【図3】図1のタイムチャートと波形図である。
【図4】この発明の他の放電加工機の動作を説明するための実施の形態を示す放電加工機の回路図である。
【図5】従来の放電加工機の回路図である。
【図6】図5のタイムチャートと波形図である。
【符号の説明】
2 被加工物、3 電極、200 補助放電回路、300 主放電回路、410 電流検出器(補助放電電流検出手段)、303a,303b,303c スイッチング素子、305a,305b,305c 抵抗、401 第1のタイマ(第1のタイマ手段)、403 第2のタイマ(第2のタイマ手段)、440 第3のタイマ(第3のタイマ手段)、470 動作手段、490 終了手段。

Claims (6)

  1. 電極と被加工物間に電圧を印加する補助放電回路及び主放電回路とを備え、上記補助放電回路が動作した後に、上記主放電回路を動作させて停止させる周期を、繰り返すことにより上記被加工物を加工する放電加工機において、
    開始信号により補助放電回路を動作させ、上記補助放電回路に流れる補助電流が所定値以上流れたことを検出する補助放電電流検出手段と、
    上記開始信号から上記補助電源回路に充電電流が流れ終わるまでの時間よりも長い第1の設定時間を有する第1のタイマ手段と、
    上記第1のタイマ手段の第1の設定時間経過後で、上記補助電流が所定値以上流れたことを検出した後、上記放電が安定するまでの第2の設定時間を有する第2のタイマ手段と、
    上記第2の設定時間経過後に、上記補助放電回路を停止させると共に、上記主放電回路を所定時間動作させる動作手段と、
    この動作手段で上記主放電回路を上記所定時間動作してから、上記主放電回路の電流が所定値以下になる時間よりも長い第3の設定時間を有すると共に、この第3の設定時間経過後に終了信号を発生させる第3のタイマ手段と、
    この第3のタイマ手段の終了信号で、上記周期の終了とみなす終了手段と、
    を備えたことを特徴とする放電加工機。
  2. 請求項1における上記第1のタイマ手段により第1の時間経過後で、上記補助電流が所定値以上流れたことを検出した後、上記放電が安定するまでの第2の設定時間を有する第2のタイマ手段の代わりに、上記第1のタイマ手段により第1の時間経過後で、上記補助放電回路の電流値がほぼ一定になったことを検出する一定値検出手段とを備えたことを特徴とする放電加工機。
  3. 請求項1における動作手段で上記主放電回路を上記所定時間動作してから、上記主放電回路の電流が所定値以下になる時間よりも長い第3の設定時間を有すると共に、この第3の設定時間時間経過後に終了信号を発生させる第3のタイマ手段の代わりに、上記動作手段で上記主放電回路を上記所定時間動作してから、上記主放電回路の電流が減衰したことを検出する主放電電流検出手段を、備えたことを特徴とする放電加工機。
  4. 上記第1のタイマ手段により上記第1の設定時間経過後に、上記補助放電電流検出手段が検出するまでの時間を求める補助放電準備時間検出手段と、上記補助放電準備時間検出手段の時間値が予め定めた時間値よりも短い場合、異常と判断する判断手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の放電加工機。
  5. 上記判断手段が異常と判断した場合、上記開始信号を一時停止することを特徴とする請求項4に記載の放電加工機。
  6. 上記主放電回路の複数のスイッチング素子と、上記スイッチング素子に直列接続すると共に、各抵抗値の比率の逆数を2進数の桁の重みの関係とした複数の抵抗と、上記スイッチング素子の動作を選択するスイッチング素子選択手段とを備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の放電加工機。
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