JP3627338B2 - 自動変速機の油圧制御装置における圧力調整弁 - Google Patents

自動変速機の油圧制御装置における圧力調整弁 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動変速機の油圧制御装置における圧力調整弁に関するものであって、スプリング手段のスプリング力と、出力圧によるフィードバック力と、電磁部に入力される電気的信号により発生する電磁吸引力とのバランスによってスプールを制御して出力圧を制御する自動変速機の油圧制御装置における圧力調整弁において、漏れにより出力圧が低下した時、該出力圧を高めるように前記スプールを制御するスプール制御機構を備え、出力圧の低下に伴う変速ショックその他の問題を防止する自動変速機の油圧制御装置における圧力調整弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の自動変速機の油圧制御装置における圧力調整弁は、図20に示すように自動変速機の油圧制御装置において、スプリング手段Bのスプリング力と、出力圧によるフィードバック力と、電磁部Rに入力される電気的信号により発生する電磁吸引力とのバランスによってスプールSを制御することにより制御された出力圧を、切換バルブおよび調圧バルブに供給して、クラッチまたはブレーキの係合および解除を制御するものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の圧力調整弁および自動変速機の油圧制御装置において、作動に伴う熱による圧力媒体(油)の粘性変化、および熱膨張によって例えば切換バルブおよび調圧バルブにおいてスプールと弁本体との間の隙間の大きさの変化に起因して、該隙間からの油の漏れ量が増大するため、結果としてリニアソレノイドの出力圧が低下して、前記クラッチまたはブレーキの係合および解除時のショックが大きくなるという問題があった。
【0004】
そこで、上記圧力調整弁の出力圧を高める方法として、バルブ径を大きくして大容量化することが考えらことも出来るが、圧力調整弁の搭載スペースの拡大が必要になるという問題がある。
【0005】
また別の案としては、圧力調整弁からの出力圧が供給される供給先の各バルブを小型化、または廃止するか、または前記クラッチまたはブレーキなどが必要とする制御圧力を下げることなどが考えられるが、いずれの場合も技術的または実用的に実施困難なものであった。
【0006】
本発明者らは、スプリング手段のスプリング力と、出力圧によるフィードバック力と、電磁部に入力される電気的信号により発生する電磁吸引力とのバランスによってスプールを制御して出力圧を制御する自動変速機の油圧制御装置における圧力調整弁において、漏れにより出力圧が低下した時、スプール制御機構によって前記スプールを制御して出力圧を高めるという本発明の技術的思想に着眼し、さらに研究開発を重ねた結果、出力圧の低下に伴う変速ショックその他の問題を防止するとともに、圧力調整弁の大型化およびその他の機器の改良を不要にするという目的を達成する本発明に到達した。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明(請求項1に記載の第1発明)の自動変速機の油圧制御装置における圧力調整弁は、
弁スリーブ内に介挿されたスプリング手段のスプリング力と、出力ポートから出力される出力圧による前記スプリング手段のスプリング力と同方向のフィードバック力と、固定子および可動子を有する電磁部に入力される電気的信号により発生する前記スプリング手段のスプリング力に抗する方向の電磁吸引力とのバランスによってスプールを制御して出力圧を制御する自動変速機の油圧制御装置における圧力調整弁において、
バルブにおける弁スリーブとスプールとの間およびその他の管路系における隙間からの油の漏れにより出力圧が低下した時、該出力圧を高めるように前記出力圧によるフィードバック力以外の力によって前記スプールを制御するスプール制御機構を備え、
前記スプール制御機構が、漏れにより出力圧が低下した時、入力ポートから前記出力ポートへの流れを増やす方向に前記スプールを移動させるスプール移動機構によって構成され、
前記スプール移動機構が、前記固定子と可動子とからなる吸引手段によって構成され、さらに該吸引手段が、漏れにより出力圧が低下した時、入力ポートから前記出力ポートへの流れを増やす方向に前記スプールを移動させるべく前記スプールの移動に伴う前記電磁吸引力の変化率を前記スプールの移動に伴う前記スプリング手段の変化率と等しくなるように構成されている
ものである。
【0008】
本発明(請求項2に記載の第2発明)の自動変速機の油圧制御装置における圧力調整弁は、
弁スリーブ内に介挿されたスプリング手段のスプリング力と、出力ポートから出力される出力圧による前記スプリング手段のスプリング力と同方向のフィードバック力と、固定子および可動子を有する電磁部に入力される電気的信号により発生する前記スプリング手段のスプリング力に抗する方向の電磁吸引力とのバランスによってスプールを制御して出力圧を制御する自動変速機の油圧制御装置における圧力調整弁において、
バルブにおける弁スリーブとスプールとの間およびその他の管路系における隙間からの油の漏れにより出力圧が低下した時、該出力圧を高めるように前記出力圧によるフィードバック力以外の力によって前記スプールを制御するスプール制御機構を備え、
前記スプール制御機構が、漏れにより出力圧が低下した時、入力ポートから前記出力ポートへの流れを増やす方向に前記スプールを移動させるスプール移動機構によって構成さ れ、
前記電磁部のストロークが小さくなるに従って、電磁吸引力が増大するように設定されている
ものである。
【0009】
本発明(請求項3に記載の第3発明)の自動変速機の油圧制御装置における圧力調整弁は、
弁スリーブ内に介挿されたスプリング手段のスプリング力と、出力ポートから出力される出力圧による前記スプリング手段のスプリング力と同方向のフィードバック力と、固定子および可動子を有する電磁部に入力される電気的信号により発生する前記スプリング手段のスプリング力に抗する方向の電磁吸引力とのバランスによってスプールを制御して出力圧を制御する自動変速機の油圧制御装置における圧力調整弁において、
バルブにおける弁スリーブとスプールとの間およびその他の管路系における隙間からの油の漏れにより出力圧が低下した時、該出力圧を高めるように前記出力圧によるフィードバック力以外の力によって前記スプールを制御するスプール制御機構を備え、
前記非線形特性を備えたスプリング手段は、該スプリング手段の前記スプールの一端に当接する一端の変位量が一定値以下においてはスプリング定数が大きく設定されており、前記変位量が前記一定値以上においてはスプリング定数が小さく設定されている
ものである。
【0010】
本発明(請求項4に記載の第4発明)の自動変速機の油圧制御装置における圧力調整弁は、
弁スリーブ内に介挿されたスプリング手段のスプリング力と、出力ポートから出力される出力圧による前記スプリング手段のスプリング力と同方向のフィードバック力と、固定子および可動子を有する電磁部に入力される電気的信号により発生する前記スプリング手段のスプリング力に抗する方向の電磁吸引力とのバランスによってスプールを制御して出力圧を制御する自動変速機の油圧制御装置における圧力調整弁において、
バルブにおける弁スリーブとスプールとの間およびその他の管路系における隙間からの油の漏れにより出力圧が低下した時、該出力圧を高めるように前記出力圧によるフィードバック力以外の力によって前記スプールを制御するスプール制御機構を備え、
前記スプール移動機構が、前記弁スリーブに形成される入力圧フィードバックポートと、該入力圧フィードバックポートに対応する位置に前記入力ポートに入力される入力圧を作用させるべく前記スプールに形成される小径の段付き部とからなり、該入力圧による入力圧フィードバック力を利用してスプールを移動させる入力圧移動手段によって構成され、
前記スプリング力と、前記入力圧フィードバック力と、前記出力圧フィードバック力と、前記電磁吸引力とのバランスによってスプールを制御して出力圧を制御する
ものである。
【0011】
本発明(請求項に記載の第発明)の自動変速機の油圧制御装置における圧力調整弁は、
上記第発明において、
前記スプール制御機構が、漏れにより出力圧が低下した時、入力ポートから前記出力ポートへの流れを増やす方向に前記スプールを移動させるスプール移動機構によって構成される
ものである。
【0012】
本発明(請求項に記載の第発明)の自動変速機の油圧制御装置における圧力調整弁は、
上記第発明において、
前記スプール移動機構が、非線形特性を備えた前記スプリング手段によって構成されている
ものである。
【0013】
(作用)
上記構成より成る第1発明の自動変速機の油圧制御装置における圧力調整弁は、前記油の漏れにより出力圧が低下した時、前記スプール制御機構によって前記出力圧によるフィードバック力以外の力により前記スプールを制御して、弁スリーブ内に介挿されたスプリング手段のスプリング力と、出力ポートから出力される出力圧によるフィードバック力と、電磁部に入力される電気的信号により発生する電磁吸引力とのバランスを変更し、出力圧を高めるものである。
【0014】
上記構成より成る第発明の自動変速機の油圧制御装置における圧力調整弁は、漏れにより出力圧が低下した時、前記スプール制御機構を構成する前記スプール移動機構が、入力ポートから前記出力ポートへの流れを増やす方向に前記スプールを移動させることにより、弁スリーブ内に介挿されたスプリング手段のスプリング力と、出力ポートから出力される出力圧によるフィードバック力と、電磁部に入力される電気的信号により発生する電磁吸引力とのバランスを変更し、出力圧を高めるものである。
【0015】
上記構成より成る第発明の自動変速機の油圧制御装置における圧力調整弁は、漏れにより出力圧が低下した時、前記スプール移動機構を構成する前記固定子と前記可動子が、前記スプールの移動に伴う前記電磁吸引力の変化率を前記スプールの移動に伴う前記スプリング力の変化率と等しくなるように吸引手段を構成して、入力ポートから前記出力ポートへの流れを増やす方向に前記スプールを移動させるべく前記固定子が前記可動子を吸引することにより、弁スリーブ内に介挿されたスプリング手段のスプリング力と、出力ポートから出力される出力圧によるフィードバック力と、電磁部に入力される電気的信号により発生する電磁吸引力とのバランスを変更し、出力圧を高めるものである。
【0016】
上記構成より成る第2発明の自動変速機の油圧制御装置における圧力調整弁は、前記スプール制御機構を構成する前記スプール移動機構が、漏れにより出力圧が低下した時、入力ポートから前記出力ポートへの流れを増やす方向に前記スプールを移動させるとともに、前記電磁部のストロークが小さくなるに従って、電磁吸引力が増大するものである。
【0017】
上記構成より成る第発明の自動変速機の油圧制御装置における圧力調整弁は、 漏れにより出力圧が低下した時、前記スプール移動機構を構成する非線形特性を備えた前記スプリング手段が、該スプリング手段の前記スプールの一端に当接する一端の変位量が前記一定値を越えるとスプリング定数が小さく設定されているので、入力ポートから前記出力ポートへの流れを増やす方向の前記スプールの移動を許容することにより、弁スリーブ内に介挿されたスプリング手段のスプリング力と、出力ポートから出力される出力圧によるフィードバック力と、電磁部によりプッシュロッドを吸引する電磁吸引力とのバランスを変更し、出力圧を高めるものである。
【0018】
上記構成より成る第発明の自動変速機の油圧制御装置における圧力調整弁は、漏れにより出力圧が低下した時、前記スプール移動機構を構成する前記入力圧移動手段が、前記弁スリーブに形成される入力圧フィードバックポートと、該入力圧フィードバックポートに対応する位置に前記スプールに形成される小径の段付き部とからなり、該入力圧による入力圧フィードバック力を利用してスプールを移動させるので、弁スリーブに介挿されたスプリング手段のスプリング力と、前記入力圧フィードバック力と、出力ポートから出力される出力圧による出力圧フィードバック力と、電磁部に入力される電気的信号により発生する電磁吸引力とのバランスが変更され、前記入力ポートから前記出力ポートへの流れが増えるため、出力圧を高めるものである。
【0019】
上記構成より成る第発明の自動変速機の油圧制御装置における圧力調整弁は、前記第4発明において、漏れにより出力圧が低下した時、前記スプール制御機構を構成する前記スプール移動機構が、入力ポートから前記出力ポートへの流れを増やす方向に前記スプールを移動させることにより、弁スリーブ内に介挿されたスプリング手段のスプリング力と、出力ポートから出力される出力圧によるフィードバック力と、電磁部に入力される電気的信号により発生する電磁吸引力とのバランスを変更し、出力圧を高めるものである。
【0020】
上記構成より成る第発明の自動変速機の油圧制御装置における圧力調整弁は、前記第5発明において、漏れにより出力圧が低下した時、前記スプール移動機構を構成する前記固定子と前記可動子が、前記スプールの移動に伴う前記電磁吸引力の変化率を前記スプールの移動に伴う前記スプリング力の変化率と等しくなるように吸引手段を構成して、入力ポートから前記出力ポートへの流れを増やす方向に前記スプールを移動させるべく前記固定子が前記可動子を吸引することにより、弁スリーブ内に介挿されたスプリング手段のスプリング力と、出力ポートから出力される出力圧によるフィードバック力と、電磁部に入力される電気的信号により発生する電磁吸引力とのバランスを変更し、出力圧を高めるものである。
【0021】
【発明の効果】
上記作用を奏する第1発明の自動変速機の油圧制御装置における圧力調整弁は、前記油の漏れにより出力圧が低下した時、前記スプール制御機構によって前記出力圧によるフィードバック力以外の力により前記スプールを制御して、出力圧を高めるので、出力圧の低下に伴う変速ショックその他の問題を防止するとともに、圧力調整弁の大型化およびその他の機器の改良を不要にするという効果を奏する。
【0022】
上記作用を奏する第発明の自動変速機の油圧制御装置における圧力調整弁は、漏れにより出力圧が低下した時、前記スプール移動機構が、入力ポートから前記出力ポートへの流れを増やす方向に前記スプールを移動させることにより、出力圧を高めるので、出力圧の低下に伴う変速ショックその他の問題を防止するとともに、圧力調整弁の大型化およびその他の機器の改良を不要にするという効果を奏する。
【0023】
上記作用を奏する第発明の自動変速機の油圧制御装置における圧力調整弁は、漏れにより出力圧が低下した時、前記吸引手段を構成する前記固定子が、前記スプールの移動に伴う前記電磁吸引力の変化率を前記スプールの移動に伴う前記スプリング力の変化率と等しくなるように、前記可動子を吸引することにより、入力ポートから前記出力ポートへの流れを増やす方向に前記スプールを自動的に移動させて出力圧を高めるので、出力圧の低下に伴う変速ショックその他の問題を防止するとともに、圧力調整弁の大型化およびその他の機器の改良を不要にするという効果を奏する。
【0024】
上記作用を奏する第2発明の自動変速機の油圧制御装置における圧力調整弁は、前記スプール制御機構を構成する前記スプール移動機構が、漏れにより出力圧が低下した時、入力ポートから前記出力ポートへの流れを増やす方向に前記スプールを移動させるとともに、前記電磁部のストロークが小さくなるに従って、電磁吸引力が増大するものであるので、油漏れにより出力圧が低下した場合に入力ポートから前記出力ポートへの流れを増やすことが出来るという効果を奏する。
【0025】
上記作用を奏する第発明の自動変速機の油圧制御装置における圧力調整弁は、漏れにより出力圧が低下した時、前記スプリング手段が、該スプリング手段の前記スプールの一端に当接する一端の変位量が前記一定値を越えるとスプリング定数が小さく設定されているので、前記スプールの移動を許容することにより、簡単な設定により外的制御を要することなく、出力圧の低下に伴う変速ショックの防止を実現するという効果を奏する。
【0026】
上記作用を奏する第発明の自動変速機の油圧制御装置における圧力調整弁は、漏れにより出力圧が低下した時、前記入力圧移動手段が、弁スリーブに形成される入力圧フィードバックポートと、該入力圧フィードバックポートに対応する位置に前記スプールに形成される小径の段付き部とからなり、前記入力圧フィードバック力を利用してスプールを移動させるので、外的制御および付加的構成を要することなく、出力圧の低下に伴う変速ショックの防止を実現するという効果を奏する。
【0027】
上記作用を奏する第発明の自動変速機の油圧制御装置における圧力調整弁は、前記第4発明の効果に加え、漏れにより出力圧が低下した時、前記スプール移動機構が、入力ポートから前記出力ポートへの流れを増やす方向に前記スプールを移動させることにより、出力圧を高めるので、出力圧の低下に伴う変速ショックその他の問題を防止するとともに、圧力調整弁の大型化およびその他の機器の改良を不要にするという効果を奏する。
【0028】
上記作用を奏する第発明の自動変速機の油圧制御装置における圧力調整弁は、前記第5発明の効果に加え、漏れにより出力圧が低下した時、前記吸引手段を構成する前記固定子が、前記スプールの移動に伴う前記電磁吸引力の変化率を前記スプールの移動に伴う前記スプリング力の変化率と等しくなるように、前記可動子を吸引することにより、入力ポートから前記出力ポートへの流れを増やす方向に前記スプールを自動的に移動させて出力圧を高めるので、出力圧の低下に伴う変速ショックその他の問題を防止するとともに、圧力調整弁の大型化およびその他の機器の改良を不要にするという効果を奏する。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態につき、図面を用いて説明する。
【0030】
(第1実施形態)
本第1実施形態の自動変速機の油圧制御装置における圧力調整弁は、図1ないし図8に示すように弁スリーブ10内に介挿されたスプリング手段のスプリング力と、出力ポートから出力される出力圧によるフィードバック力と、中空コア(固定子)24およびプランジャ(可動子)22を有する電磁部2に入力される電気的信号により発生する電磁吸引力とのバランスによってスプールを制御して出力圧を制御する自動変速機の油圧制御装置における圧力調整弁において、弁スリーブ10内を摺動するスプール11を備えた調圧部1と、該スプール11に連絡するプッシュロッド21に配設されたプランジャ22を中空コア24が吸引する電磁部2と、洩れにより出力圧が低下した時、入力ポートから前記出力ポートへの流れを増やし出力圧を高める方向に前記スプールを移動させるスプール移動機構3とを備えているものである。
【0031】
本第1実施形態の圧力調整弁は、図2に示されるように自動変速機の油圧制御装置において、調圧バルブ104、105および切換バルブ106に出力圧を供給して、クラッチまたはブレーキの係合および解除を制御するものである。
【0032】
前記調圧部1は、図1に示されるように入力圧が入力される入力ポート101と調整された出力圧を供給する出力ポート102と圧油を排出する排出ポート103を備えた弁スリーブ10と、該弁スリーブ10内に摺動自在に介挿されたスプール11と、前記弁スリーブ10に装着される受け栓13と前記スプール11との間に介挿され該スプール11を図中右方に付勢するスプリング12とから成り、前記電気的信号による荷重とスプリング12による荷重と出力圧フィードバック荷重とのバランスを図ることにより供給圧を前記コイル23への入力電気信号に対応して出力圧を調整して供給し得るように構成されている。
【0033】
前記電磁部2は、図1に示されるように一端の開口部に円形カバーが係止された円筒状のケース内に装着された前記中空コア24と、該中空コア24内に同軸的に挿置された前記コイル23と、図8に示されるように該コイル23に入力された電気的入力(電流)が大きくなるに応じて出力圧を高めるように前記中空コア24を介する磁気的吸引力によって軸方向に移動し得るプランジャ22およびプッシュロッド21とから成る。
【0034】
前記中空コア24は、図1に示されるように略T字状の縦断面を有する中空部材によって構成され、大径の一端241を、略T字状の縦断面を有する中空部材によって構成される前記弁スリーブ10の大径の端部141に同軸的に当接された状態で中空円筒体のケース20の軸方向一端に一体的にかしめられている。
【0035】
前記略T字状の縦断面を有する前記中空コア24内にボールベアリングに支持され同軸的に介挿された前記プッシュロッド21の図1中右端に縦断面略コの字状のプランジャ22が前記中空コア24に対向して固着されている。
【0036】
前記スプール移動機構3が、図1に示されるように洩れにより出力圧が低下した時、前記入力ポート101から前記出力ポート102への流れを増やす方向に前記スプール11を移動させるべく前記中空コア(固定子)24と前記プランジャ(可動子)22とからなる吸引手段31によって構成されているものである。
【0037】
前記吸引手段31は、図3に示されるように前記スプール11に当接するプッシュロッド21のストローク(移動)が増加すると前記プランジャ22および中空コア24による電磁吸引力が直線的に低下するようなストローク−吸引特性を実現するように、図4に示されるように前記プランジャ22のフランジ状部分内周壁221の内径の変化を決定するテーパ角度を調整して得るものであり、前記電磁吸引力の前記スプール11のストロークに対する変化率が前記スプールのストロークに伴う前記スプリング力の変化率と等しくなるように構成されるものである。
【0038】
上記構成より成る第1実施形態の自動変速機の油圧制御装置における圧力調整弁は、前記コイル23に入力された電気的入力による磁気的吸引力による荷重と前記スプリング12によるスプリング荷重と前記出力ポート102から出力される出力圧が前記スプール11に作用するフィードバック荷重とのバランスにより決定されるスプール11の位置によって、前記入力ポート101の開き量が決定され、供給された供給圧を該決定された開き量によって定まる圧力の出力圧に調整される。
【0039】
該調整された出力圧が、前記出力ポート102から前記調圧バルブ104、105および切換バルブ106に供給され、前記クラッチまたはブレーキの係合および解除が制御されるものである。
【0040】
作動に伴う熱による圧力媒体(油)の粘性変化、および熱膨張によって前記調圧バルブ104、105および切換バルブ106における弁スリーブとスプールとの間およびその他の管路系における隙間の大きさの変化に起因して、該隙間からの油の漏れ量が増大する。
【0041】
図7に示されるように上述の洩れ流量が増加すると出力圧が低下するので、前記スプール移動機構3を構成する前記吸引手段31が、図3に示されるように前記スプール11に当接するプッシュロッド21のストロークが増加すると前記プランジャ22および前記中空コア24による磁気的吸引力が直線的に低下するようなストローク−吸引力特性を実現するように、前記プランジャ22のフランジ状部分内径221のテーパ角度を調整する。
【0042】
すなわち、前記電磁部2の前記電磁吸引力のストロークに対する変化率を前記スプールの移動に伴う前記スプリング力の変化率と等しくなるように調整し、前記入力ポート101から前記出力ポート102への流れを増やす方向に前記中空コア(固定子)24が前記プランジャ(可動子)22を吸引して、図5に示される位置から図6に示される位置まで前記スプール11を移動させることにより、前記弁スリーブ10内に介挿された前記スプリング12のスプリング力と、前記出力ポート102から出力される出力圧が前記スプール11に作用することによるフィードバック力と、前記電磁部2に入力される電気的信号により発生する電磁吸引力とのバランスを変更し、出力圧を高めるものである。
【0043】
上記作用を奏する第1実施形態の自動変速機の油圧制御装置における圧力調整弁は、洩れにより出力圧が低下した時、前記スプール移動機構3が、前記入力ポート101から前記出力ポート102への流れを増やす方向に前記スプール11を移動させることにより、出力圧を高めるので、出力圧の低下に伴う変速ショックその他の問題を防止するという効果を奏する。
【0044】
また第1実施形態の自動変速機の油圧制御装置における圧力調整弁は、洩れにより出力圧が低下した時、直ちに出力圧を高めて出力圧の変化を防止して、各バルブ手段に所定の圧力の圧油を供給することが出来るという効果を奏する。
【0045】
また第1実施形態の自動変速機の油圧制御装置における圧力調整弁は、前記吸引手段31を構成する前記中空コア(固定子)24が、洩れにより出力圧が低下した時、フランジ状部分内径221に所定のテーパ角度をもった前記プランジャ(可動子)22を吸引することにより、前記入力ポート101から前記出力ポート102への流れを増やす方向に前記スプール11を自動的に移動させて出力圧を高めるので、出力圧の低下に伴う変速ショックその他の問題を防止するもので、圧力調整弁の大型化およびその他の機器の機械的改良を不要にするとともに、部品点数およびコストを増やすことなく実現するという効果を奏する。
【0046】
さらに第1実施形態の自動変速機の油圧制御装置における圧力調整弁は、洩れにより出力圧が低下した時、前記吸引手段31が、ストロークが増加するとテーパー状の前記内周壁221を備えた前記プランジャ22および前記中空コア24による磁気的吸引力が直線的に低下するようなストローク−吸引力特性に従い、前記プランジャ22のフランジ状部分内周壁221のテーパ角度を調整して、前記スプールの移動に伴う前記電磁吸引力の変化率を前記スプールの移動に伴う前記スプリング力の変化率と等しくなるように構成されるという簡単な構造によって、出力圧の低下に伴う変速ショックの防止を実現するという効果を奏する。
【0047】
(第2実施形態)
本第2実施形態の自動変速機の油圧制御装置における圧力調整弁は、前記第1実施形態における、前記吸引手段31により前記電磁部2の磁気的吸引力の特性を変更するのに対して、図9および図10に示すように前記スプール移動機構3が、非線形特性を備え前記スプールを付勢するスプリング手段32によって構成される点が相違点である。以下相違点を中心に説明し同一部分の説明を省略する。
【0048】
前記スプリング手段32は、図9に示されるように前記弁スリーブ10の一端に装着される受け栓13と前記スプール11との間に介挿され、該スプール11を図9中右方に付勢するもので、前記スプール11の一端と前記受け栓13に係止されたストッパー15に係止される中間部材14との間に介挿された第1のスプリング321と、前記受け栓13と前記中間部材14との間に介挿された第2のスプリング322とから成るものである。
【0049】
直列に配設された前記第1のスプリング321と第2のスプリング322のバネ定数が異なり、一定のスプリング荷重までは前記中間部材14が前記ストッパーに係止された状態であり前記第1のスプリング321のみ撓むため、図10に示されるように洩れがない使用領域に対応する一定のたわみ量までは大きなバネ定数に設定され、前記一定のスプリング荷重を越えると前記中間部材14の前記ストッパーとの係止状態が解除され前記第1および第2のスプリング321、322の両者が撓むため、洩れがある使用領域に対応する該一定のたわみ量以上においては小さなバネ定数に設定されるものである。
【0050】
上記構成より成る第2実施形態の自動変速機の油圧制御装置における圧力調整弁は、前記スプール11が磁気的吸引力によって図9中左方に移動して一定のスプリング荷重までは前記中間部材14が前記ストッパーに係止された状態であり前記第1のスプリング321のみ収縮方向に撓み、洩れが生ずる前記一定のスプリング荷重を越える領域においては、前記中間部材14の前記ストッパーとの係止状態が解除され前記第1および第2のスプリング321、322の両者が小さなバネ定数で撓むので、前記入力ポート101から前記出力ポート102への流れを増やす方向に前記スプール11を移動させることにより、出力圧を高めるものである。
【0051】
上記作用を奏する第2実施形態の自動変速機の油圧制御装置における圧力調整弁は、洩れにより出力圧が低下した時、前記スプリング手段32の非線形特性によって前記スプール11の移動を許容するので、簡単な構成により外的制御を要することなく、出力圧を高めて出力圧の変化を防止して、各バルブ手段に所定の圧力の圧油を供給するとともに、出力圧の低下に伴う変速ショックの防止を実現するという効果を奏する。
【0052】
また第2実施形態の自動変速機の油圧制御装置における圧力調整弁は、洩れにより出力圧が低下した時、前記スプリング手段32が、変位量が前記一定値を越えるとスプリング定数が小さく設定されているので、前記スプールの移動を容易にすることにより、簡単な設定により外的制御を要することなく、出力圧の低下に伴う変速ショックの防止を実現するという効果を奏する。
【0053】
(第3実施形態)
本第3実施形態の自動変速機の油圧制御装置における圧力調整弁は、前記第1実施形態における、前記吸引手段31による前記電磁部2の磁気的吸引力の特性を変更するのに対して、図11および図12に示すようにスプール移動機構3が、前記弁スリーブ10に形成される入力圧フィードバックポート107と、該入力圧フィードバックポート107に対応する位置に前記入力ポート101に入力される入力圧を作用させるべく前記スプール11に形成される小径の段付き部111とからなり、該入力圧による入力圧フィードバック力を利用してスプール11を移動させる入力圧移動手段33によって構成され、前記スプリング12のスプリング荷重と、該入力フィードバック荷重と、前記出力圧フィードバック荷重と、前記電気的信号による荷重とのバランスによってスプールを制御して出力圧を制御する点が相違点である。以下相違点を中心に説明し同一部分の説明を省略する。
【0054】
前記スプール11が介挿される弁スリーブ10に、図11に示されるように前記入力ポート101に連通する入力圧フィードバックポート107および前記出力ポート102に連通する出力圧フィードバックポート108が形成されるとともに、前記スプール11に、該入力圧および出力圧のフィードバックポート107および108に対応する位置に入力圧および出力圧を作用させる小径の第1および第2の段付き部111、112が形成される。
【0055】
上記構成より成る第3実施形態の自動変速機の油圧制御装置における圧力調整弁は、図12に示されるように洩れにより出力圧が低下すると、前記出力圧フィードバックポート108を介して前記第2の段付き部に作用する出力圧が低下すると共に、前記入力圧フィードバックポート107を介して前記第1の段付き部111に作用する入力圧も低下するため、前記スプール11に入力圧フィードバック力を作用させることにより、前記スプール11を図11中左方に移動させ、前記入力ポート101から前記出力ポート102への流れを増やして出力圧を高めるものである。
【0056】
上記作用を奏する第3実施形態の自動変速機の油圧制御装置における圧力調整弁は、漏れにより出力圧が低下した時、前記入力圧移動手段33が、前記入力圧フィードバックポート107と、該入力圧フィードバックポート107に対応する位置に前記スプール11に形成される小径の段付き部111とからなり、入力圧フィードバック力を利用して前記スプール11を移動させるので、スプール11および弁スリーブ10の設計変更のみにより、外的制御および新たな部品等の付加的構成要素を要することなく、出力圧を高めて出力圧の変化を防止して、各バルブ手段に所定の圧力の圧油を供給するとともに、出力圧の低下に伴う変速ショックの防止を実現するという効果を奏する。
【0057】
上述の実施形態は、説明のために例示したもので、本発明としてはそれらに限定されるものでは無く、特許請求の範囲、発明の詳細な説明および図面の記載から当業者が認識することができる本発明の技術的思想に反しない限り、変更および付加が可能である。
【0058】
前記第1実施形態においては、一例として前記スプール11の移動に伴う前記電磁吸引力の変化率を前記スプール11の移動に伴う前記スプリング力の変化率と等しくなるように、前記プランジャ22のフランジ状部分内径221のテーパ角度を調整して、ストローク(移動)が増加すると磁気的吸引力が直線的に低下するようなストローク−吸引力特性を実現する例について説明したが、本発明としてはそれらに限定されるものでは無く、必要に応じて図13に示すような前記中空コア24の右端外周壁241に外径が異なるテーパ角度をもたせることによりストローク−吸引力特性を実現する吸引手段を採用することが出来るものである。
【0059】
前記第2実施形態においては、一例として2個のスプリングを直列に配設して折れ線状の非線形特性を実現する例について説明したが、本発明としてはそれらに限定されるものでは無く、必要に応じて図14(A)および(B)に示すような3個の直線L1ないしL3によって構成される折れ線状の特性および放物線状の特性を実現する複合スプリング手段を採用することが出来るものである。
【0060】
また、前記第1、第2および第3実施形態においては、一例として前記コイル23に入力された電気的信号(電流)が大きくなるに応じて出力圧が高まっていく図8に示されるような右上がりの電流−出力圧特性を有する自動変速機の油圧制御装置における圧力調整弁について説明したが、本発明としてはそれらに限定されるものでは無く、図16に示されるように該電気的信号(電流)が大きくなるに応じて出力圧が低下していく右下がりの電流−出力圧特性を有する圧力調整弁(図15、図17、図19)を採用することが出来るものである。
【0061】
以下、前記第2実施形態に前記右下がりの電流−出力圧特性を有する圧力調整弁を採用する場合のその他の実施形態について、相違点を中心に説明し同一部分の説明を省略する。 前記スプリング手段32は図17に示されるように前記弁スリーブ10の一端に装着される受け栓13と前記スプール11との間に介挿され、該スプール11を図17中右方に付勢するもので、前記スプール11の一端外側と前記受け栓13との間に介挿された第1のスプリング321と、前記スプール11の一端内側と前記受け栓13との間に介挿された第2のスプール322とから成るものである。
【0062】
並列に配設された前記第1のスプリング321と第2のスプリング322のばね定数が異なり、一定のスプリング荷重までは前記第1のスプリング321のみ撓むため、図18に示されるように洩れがある使用領域に対応する一定のたわみ量までは小さなバネ定数に設定され、前記一定のスプリング荷重を越えると前記第1および第2のスプリング321、322の両者が撓むため、洩れがない使用領域に対応する該一定のたわみ量以上においては小さなバネ定数に設定されるものである。
【0063】
上記構成より成る第2実施形態のその他の実施形態の前記右下がりの電流−出力圧特性を有する自動変速機の油圧制御装置における圧力調整弁は、前記スプール11が磁気的吸引力と出力圧によるフィードバック力によって図17中左方に移動して一定のスプリング荷重までは前記第1のスプリング321のみ収縮方向に撓み、洩れが生じない前記一定のスプリング荷重を越える領域においては、前記第1および第2のスプリング321、322の両者が大きなバネ定数で撓むので、前記入力ポート101から前記出力ポートへの流れを増やす方向に前記スプール11を移動させることにより、出力圧を高めるものである。
【0064】
前記第3実施形態に前記右下がりの電流−出力圧特性を有するその他の実施形態の圧力調整弁(図19に示す)を採用する場合においては、前記スプール11に入力圧フィードバック力を作用させることにより、前記スプール11を図19中右方に移動させ、前記入力ポート101から前記出力ポート102への流れを増やして出力圧を高めるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の圧力調整弁を示す断面図である。
【図2】本第1実施形態の圧力調整弁が適用される自動変速機の油圧制御装置を示すブロック図である。
【図3】本第1実施形態の電磁部のストローク−磁気吸引力特性を示す線図である。
【図4】本第1実施形態の圧力調整弁における吸引手段を示す拡大図である。
【図5】本第1実施形態の圧力調整弁におけるある作動状態を示す断面図である。
【図6】本第1実施形態の圧力調整弁における出力圧を高める状態を示す断面図である。
【図7】本第1実施形態の圧力調整弁における洩れ流量と出力圧との関係を示す線図である。
【図8】本第1実施形態の圧力調整弁における電磁部に入力される電流と出力圧との関係を示す線図である。
【図9】本発明の第2実施形態の圧力調整弁を示す断面図である。
【図10】本第2実施形態の圧力調整弁におけるスプリングのたわみ量とスプリング力との関係を示す線図である。
【図11】本発明の第3実施形態の圧力調整弁を示す断面図である。
【図12】本第3実施形態の圧力調整弁における洩れ流量と入力圧および出力圧との関係を示す線図である。
【図13】本第1実施形態の圧力調整弁におけるその他の吸引手段を示す拡大図である。
【図14】本発明における非線形スプリングのその他の2態様の折れ線および放物線を呈する非線形特性を示す線図である。
【図15】本発明の第1実施形態のその他の圧力調整弁を示す断面図である。
【図16】本第1実施形態のその他の圧力調整弁における電磁部に入力される電流と出力圧との関係を示す線図である。
【図17】本発明の第2実施形態のその他の圧力調整弁を示す断面図である。
【図18】本第2実施形態のその他の圧力調整弁におけるスプリングのたわみ量とスプリング力との関係を示す線図である。
【図19】本発明の第3実施形態のその他の圧力調整弁を示す断面図である。
【図20】従来の圧力調整弁を示す断面図である。
【符号の説明】
1 調圧部
2 電磁部
10 弁スリーブ
11 スプール
21 プッシュロッド
22 プランジャ(可動子)
23 コイル
24 中空コア(固定子)
3 スプール移動機構

Claims (6)

  1. 弁スリーブ内に介挿されたスプリング手段のスプリング力と、出力ポートから出力される出力圧による前記スプリング手段のスプリング力と同方向のフィードバック力と、固定子および可動子を有する電磁部に入力される電気的信号により発生する前記スプリング手段のスプリング力に抗する方向の電磁吸引力とのバランスによってスプールを制御して出力圧を制御する自動変速機の油圧制御装置における圧力調整弁において、
    バルブにおける弁スリーブとスプールとの間およびその他の管路系における隙間からの油の漏れにより出力圧が低下した時、該出力圧を高めるように前記出力圧によるフィードバック力以外の力によって前記スプールを制御するスプール制御機構を備え、
    前記スプール制御機構が、漏れにより出力圧が低下した時、入力ポートから前記出力ポートへの流れを増やす方向に前記スプールを移動させるスプール移動機構によって構成され、
    前記スプール移動機構が、前記固定子と可動子とからなる吸引手段によって構成され、さらに該吸引手段が、漏れにより出力圧が低下した時、入力ポートから前記出力ポートへの流れを増やす方向に前記スプールを移動させるべく前記スプールの移動に伴う前記電磁吸引力の変化率を前記スプールの移動に伴う前記スプリング手段の変化率と等しくなるように構成されている
    ことを特徴とする自動変速機の油圧制御装置における圧力調整弁。
  2. 弁スリーブ内に介挿されたスプリング手段のスプリング力と、出力ポートから出力される出力圧による前記スプリング手段のスプリング力と同方向のフィードバック力と、固定子および可動子を有する電磁部に入力される電気的信号により発生する前記スプリング手段のスプリング力に抗する方向の電磁吸引力とのバランスによってスプールを制御して出力圧を制御する自動変速機の油圧制御装置における圧力調整弁において、
    バルブにおける弁スリーブとスプールとの間およびその他の管路系における隙間からの油の漏れにより出力圧が低下した時、該出力圧を高めるように前記出力圧によるフィードバック力以外の力によって前記スプールを制御するスプール制御機構を備え、
    前記スプール制御機構が、漏れにより出力圧が低下した時、入力ポートから前記出力ポートへの流れを増やす方向に前記スプールを移動させるスプール移動機構によって構成され、
    前記電磁部のストロークが小さくなるに従って、電磁吸引力が増大するように設定されている
    ことを特徴とする自動変速機の油圧制御装置における圧力調整弁。
  3. 弁スリーブ内に介挿されたスプリング手段のスプリング力と、出力ポートから出力される出力圧による前記スプリング手段のスプリング力と同方向のフィードバック力と、固定子および可動子を有する電磁部に入力される電気的信号により発生する前記スプリング手段のスプリング力に抗する方向の電磁吸引力とのバランスによってスプールを制御して出力圧を制御する自動変速機の油圧制御装置における圧力調整弁において、
    バルブにおける弁スリーブとスプールとの間およびその他の管路系における隙間からの油の漏れにより出力圧が低下した時、該出力圧を高めるように前記出力圧によるフィードバック力以外の力によって前記スプールを制御するスプール制御機構を備え、
    前記非線形特性を備えたスプリング手段は、該スプリング手段の前記スプールの一端に当接する一端の変位量が一定値以下においてはスプリング定数が大きく設定されており、前記変位量が前記一定値以上においてはスプリング定数が小さく設定されている
    ことを特徴とする自動変速機の油圧制御装置における圧力調整弁。
  4. 弁スリーブ内に介挿されたスプリング手段のスプリング力と、出力ポートから出力される出力圧による前記スプリング手段のスプリング力と同方向のフィードバック力と、固定子および可動子を有する電磁部に入力される電気的信号により発生する前記スプリング手段のスプリング力に抗する方向の電磁吸引力とのバランスによってスプールを制御して出力圧を制御する自動変速機の油圧制御装置における圧力調整弁において、
    バルブにおける弁スリーブとスプールとの間およびその他の管路系における隙間からの油の漏れにより出力圧が低下した時、該出力圧を高めるように前記出力圧によるフィードバック力以外の力によって前記スプールを制御するスプール制御機構を備え、
    前記スプール移動機構が、前記弁スリーブに形成される入力圧フィードバックポートと、該入力圧フィードバックポートに対応する位置に前記入力ポートに入力される入力圧を作用させるべく前記スプールに形成される小径の段付き部とからなり、該入力圧による入力圧フィードバック力を利用してスプールを移動させる入力圧移動手段によって構成され、
    前記スプリング力と、前記入力圧フィードバック力と、前記出力圧フィードバック力と、前記電磁吸引力とのバランスによってスプールを制御して出力圧を制御する
    ことを特徴とする自動変速機の油圧制御装置における圧力調整弁。
  5. 請求項において、
    前記スプール制御機構が、漏れにより出力圧が低下した時、入力ポートから前記出力ポートへの流れを増やす方向に前記スプールを移動させるスプール移動機構によって構成される
    ことを特徴とする自動変速機の油圧制御装置における圧力調整弁。
  6. 請求項において、
    前記スプール移動機構が、非線形特性を備えた前記スプリング手段によって構成されている
    ことを特徴とする自動変速機の油圧制御装置における圧力調整弁。
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