JP3626823B2 - 射出成形機の射出圧力制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、射出成形機の射出圧力制御方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
条件出し完了後の良品成形時の射出圧力波形を基準圧力波形として検出し、この基準圧力波形を他の射出成形機に圧力制御のための目標値として移植することによって、該他の射出成形機による成形作業を円滑に行わせるようにした射出圧力制御方法が特願平7−138906号等として既に多数提案されている。
【0003】
しかし、従来の射出圧力制御方法の多くは、動力伝達系上の圧力検出器、例えば、射出スクリューの後端部に設けたロードセル等によって検出された射出圧力波形を基準圧力波形とし、この基準圧力波形をそのまま他の射出成形機に移植して射出圧力のフィードバック制御を行っていたため、射出成形機に構造の差や固体差、例えば、動力伝達系における摺動や摩擦抵抗等の違いがあると、成形品の出来不出来に直接関わる金型キャビティ内における内圧の変化が条件出し完了時の内圧の変化と相違してしまうといった問題があった。
【0004】
このような問題を解消するためには、ノズル内圧力検出器や金型内圧力検出器で条件出し完了時におけるノズル内または金型キャビティ内の圧力変化を検出して基準圧力波形として記憶し、他の射出成形機で射出成形作業を行う場合にもこれと同じノズル内圧力検出器や金型内圧力検出器を利用して射出圧力のフィードバック制御を行えばよいことになるが、ノズル内圧力検出器を装着したノズルや金型内圧力検出器を装着した金型には樹脂洩れが生じやすいといった構造上の問題があり、長期間に亘って安定した射出成形作業を行うことは困難であり、量産には向いていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、前記従来技術の欠点を解消し、金型キャビティ内における内圧の変化を条件出し完了時の内圧の変化と一致させ、しかも、長期間に亘って樹脂洩れ等のない安定した射出成形作業を行うことのできる射出成形機の射出圧力制御方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ノズル内圧力検出器を備えた第1の射出成形機を用いて条件出しを行い、良品成形時における射出工程のノズル圧力の変化をノズル内圧力検出器で検出して基準圧力波形として記憶し、ノズル内圧力検出器と動力伝達系上の圧力検出器とを装着した第2の射出成形機により前記基準圧力波形が再現されるように射出圧力制御を行ったときに前記動力伝達系上の圧力検出器で検出される圧力変化を量産用基準圧力波形として前記第2の射出成形機に設定し、ノズル内圧力検出器を取り外した前記第2の射出成形機の圧力検出器によって射出圧力波形が量産用基準圧力波形と一致するように射出圧力のフィードバック制御を行うようにしたことを特徴とする構成により前記目的を達成した。
【0007】
この構成によれば、条件出しに用いた第1の射出成形機の構造や固体差に関わりなく、成形品の出来不出来に直接関わるノズル内の圧力の変化を正確に検出して基準圧力波形とすることができる。更に、量産に用いる第2の射出成形機においては、ノズル内における圧力の変化が基準圧力波形となるように射出圧力制御を行って、その時に動力伝達系上の圧力検出器に作用する圧力の変化を量産用基準圧力波形として設定するようにしているので、量産用基準圧力波形の設定後は動力伝達系上の圧力検出器を用いて量産用基準圧力波形を目標値とするフィードバック制御を行うことでノズル内における圧力の変化を良品成形時のそれ、つまり、基準圧力波形と正確に一致させることができる。この結果、第2の射出成形機を用いた量産成形作業時においてはノズル内圧力検出器が不要となり、通常のノズルを用いた射出成形作業が可能となる。ノズル内圧力検出器を取り外し、通常のノズルを用いて射出成形作業を行うため、長期間に亘って樹脂洩れ等のない安定した射出成形作業を行うことができる。
【0008】
また、ノズル内圧力検出器で検出した基準圧力波形に代え、金型の設計データに基いて金型の流動解析を行って最適の射出圧力波形を求める流動解析用プログラムで生成された射出圧力波形を基準圧力波形として使用することによっても同様の目的を達成することができる。
【0009】
流動解析用プログラムで生成された射出圧力波形はスプルー入り口、要するに、ノズル内における理想的な基準圧力波形を示すものであり、従来、この基準圧力波形を再現するためには、ノズル内圧力検出器によるフィードバック制御が要求されていた。本発明においては、前記と同様にして流動解析用プログラムで生成された射出圧力波形(基準圧力波形)と量産用基準圧力波形との置換を行うことにより、量産時におけるノズル内圧力検出器の使用を不要として樹脂洩れを防止し、同時に、流動解析用プログラムで生成された射出圧力波形(基準圧力波形)の再現を可能とする。
【0010】
また、ノズル内圧力検出器に代えて金型内圧力検出器を使用しても同様の目的を達成することができる。
【0011】
金型内圧力検出器で検出された射出圧力波形は、正に、金型キャビティ内における内圧の変化を示す基準圧力波形そのものであり、フィードバック制御における目標値として最適である。従来、この基準圧力波形を再現するためには金型内圧力検出器によるフィードバック制御が要求されており、樹脂洩れ等の問題があったが、本発明においては、金型内圧力検出器で検出された射出圧力波形(基準圧力波形)と量産用基準圧力波形との置換を行うことにより、量産時における金型内圧力検出器の使用を不要として樹脂洩れを防止し、同時に、金型内圧力検出器で検出された射出圧力波形(基準圧力波形)の再現を可能とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。図1は本発明の射出圧力制御方法を実施する一実施形態の射出成形機の制御装置10の要部を示すブロック図である。
【0013】
制御装置10は、数値制御用のマイクロプロセッサであるCNC用CPU25、プログラマブルマシンコントローラ用のマイクロプロセッサであるPMC用CPU18、サーボ制御用のマイクロプロセッサであるサーボCPU20、および、A/D変換器16a,16bを介して射出機構の動力伝達系上に設けられた圧力検出器(スクリュー基部のロードセル等)やノズル内圧力検出器または金型内圧力検出器から射出圧力を検出してサンプリング処理を行うための圧力モニタ用CPU17を有し、バス22を介して相互の入出力を選択することにより各マイクロプロセッサ間での情報伝達が行えるようになっている。
【0014】
A/D変換器16aは動力伝達系上の圧力検出器を接続するためのA/D変換器、また、A/D変換器16bは、ノズル内圧力検出器もしくは金型内圧力検出器のいずれか一方を選択的に接続するためのA/D変換器である。量産用に用いる第2の射出成形機においてはA/D変換器16a,16bの双方が必要となるが、条件出しに用いる第1の射出成形機に関してはA/D変換器16bのみでもよい。
【0015】
PMC用CPU18には射出成形機のシーケンス動作を制御するシーケンスプログラム等を記憶したROM13および演算データの一時記憶等に用いられるRAM14が接続され、CNC用CPU25には、射出成形機を全体的に制御するプログラムを記憶したROM27および演算データの一時記憶等に用いられるRAM28が接続されている。
【0016】
また、サーボCPU20および圧力モニタ用CPU17の各々には、サーボ制御専用の制御プログラムを格納したROM21やデータの一時記憶に用いられるRAM19、および、射出圧力のサンプリング処理等に関する制御プログラムを格納したROM11やデータの一時記憶に用いられるRAM12が接続されている。
【0017】
更に、サーボCPU20には、該CPU20からの指令に基いてクランプ用,射出用,スクリュー回転用,エジェクタ用等の各軸のサーボモータを駆動するサーボアンプが接続され、各軸のサーボモータに取付けられた位置速度検出器からの出力がサーボCPU20に帰還されるようになっている。各軸の現在位置は位置速度検出器からのフィードバックパルスに基いてサーボCPU20により算出され、各軸の現在位置記憶レジスタに更新記憶される。図1においては1軸分のサーボアンプ15とサーボモータMおよび位置速度検出器Pについてのみ示しているが、クランプ用,射出用,エジェクタ用等の各軸の構成は皆これと同様である。但し、スクリュー回転用のものに関しては現在位置を検出する必要はなく、速度のみを検出すればよい。
【0018】
インターフェイス23はホストコンピュータ等と接続するための入出力インターフェイスである。
【0019】
ディスプレイ付手動データ入力装置29はCRT表示回路26を介してバス22に接続され、グラフ表示画面や機能メニューの選択および各種データの入力操作等が行えるようになっており、数値データ入力用のテンキーおよび各種のファンクションキー等が設けられている。
【0020】
不揮発性メモリ24は射出成形作業に関する運転プログラム及び成形条件と各種設定値,パラメータ,マクロ変数等を記憶する成形データ保存用のメモリである。
【0021】
また、制御装置10は特開平6−170907号等で公知のデータサンプリング機能を有し、このデータサンプリング機能で1成形サクル毎に収集された射出シリンダの温度,射出圧力,射出速度,射出/保圧切替位置,スクリュー位置,クッション量等の成形データの他、成形サイクルタイムや計量所要時間および射出所要時間等の成形データを検出し、不揮発性メモリ24に記憶するようになっている。
【0022】
以上の構成により、PMC用CPU18が射出成形機全体のシーケンス動作を制御し、CNC用CPU25がROM27のシステムプログラムや不揮発性メモリ24の運転プログラムや成形条件等に基いて各軸のサーボモータに対して移動指令の分配を行い、サーボCPU20は各軸に対して分配された移動指令と位置速度検出器で検出された位置および速度のフィードバック信号に基いて、従来と同様に位置ループ制御,速度ループ制御さらには電流ループ制御等のサーボ制御を行い、いわゆるディジタルサーボ処理を実行し、各軸のサーボモータを駆動制御する。
【0023】
以下、前述の構成を適用して本発明の圧力制御方法を実施する場合の処理操作について説明する。
【0024】
図2は、第1の射出成形機を使用して基準圧力波形を取得するための処理の概略を示すフローチャートである。
【0025】
オペレータは、まず、金型を装着してノズル内圧力検出器を備えた第1の射出成形機、または、金型内圧力検出器を設けた金型を装着した第1の射出成形機により、成形条件を様々に変えながら、良成形品を得るための条件出し作業を行う。
【0026】
制御装置10は設定された成形条件に基いて射出成形作業を実施し、各射出工程(保圧を含む)においてノズル内圧力検出器または金型内圧力検出器により検出されたノズル内圧力もしくは金型内圧力の変化を、A/D変換器16bを介し、前述のサンプリング機能により各成形サイクル毎に時系列の関数として不揮発性メモリ24に更新記憶して行く(ステップa1)。
【0027】
オペレータは各成形サイクル毎の成形品の出来具合を確認し、安定した連続成形作業が達成されるまで待って、条件出しのための連続成形作業を終了させる(ステップa2)。
【0028】
この時点、つまり、安定した連続成形作業中の1成形サイクルにおいて不揮発性メモリ24に記憶されたノズル内圧力の変化もしくは金型内圧力の変化が、良品成形時の基準圧力波形となるデータである。
【0029】
この基準圧力波形は第2の射出成形機に射出圧力制御の目標値として移植するデータである。従って、インターフェイス23にフロッピーディスク等の記憶媒体およびそのドライブユニットを接続し、この記憶媒体に基準圧力波形のデータをダウンロードしておく(ステップa3)。無論、第1の射出成形機におけるインターフェイス23と量産用に用いる第2の射出成形機におけるインターフェイス23とをデータ伝送路で接続するなどして基準圧力波形のデータの受け渡しを直接的に行っても構わない。
【0030】
また、金型の設計データに基いて金型の流動解析を行って最適の射出圧力波形を求める流動解析用プログラムを用いて基準圧力波形となる射出圧力波形を生成する場合は、流動解析用プログラムで生成した基準圧力波形のデータをそのままフロッピーディスク等の記憶媒体に記憶させればよく、前述のように条件出し作業を行って基準圧力波形を求めるといった必要はない。この種の流動解析用プログラムは3次元CAD等のためのアプリケーションプログラムとして既に一般に市販されている公知のものである。
【0031】
条件出し作業によって求められた基準圧力波形は、(時間,圧力)=(サンプリングタイミング,射出圧力)によって示される点列データの集合体によって構成されるが、この点列データからベジェ曲線を生成したり、または、スムージングを施したりすることにより実質的な連続関数を生成することが可能であり、また、流動解析用プログラムで生成した基準圧力波形のデータを点列データに置き換えることも可能であるから、両者は、実質的に等しい。最終的にどのような種類の基準圧力波形が必要とされるかは、量産に用いられる第2の射出成形機の特性に依存し、例えば、第1の射出成形機におけるデータサンプリング周期と第2の射出成形機におけるデータサンプリング周期とが異なる場合では条件出し作業によって求められた基準圧力波形の点列データをそのまま第2の射出成形機で利用することはできないが、一旦ベジェ曲線に変換した基準圧力波形から第2の射出成形機のデータサンプリング周期に合わせて圧力データを再抽出するなどの手続きによって対処することが可能である。
【0032】
これらの処理を行う必要がある場合、その処理を実施するタイミングはいつでも構わない。例えば、条件出し作業によって求められた基準圧力波形をフロッピーディスク等の記憶媒体に格納する前に第1の射出成形機の制御装置10によってその処理を行わせてもよいし、また、条件出し作業によって求められた基準圧力波形をそのまま記憶媒体に収め、これを第2の射出成形機の制御装置10に実装した段階で該制御装置10によってその処理を行わせてもよい。無論、第1の射出成形機から第2の射出成形機への受け渡しの途中で他の演算装置によってこれを行っても構わない。
【0033】
図3は、求められた基準圧力波形に代えて用いる量産用基準圧力波形を取得するための処理の概略を示すフローチャートである。
【0034】
オペレータは、まず、金型を装着してノズル内圧力検出器と動力伝達系上の圧力検出器とを備えた第2の射出成形機、または、金型内圧力検出器を設けた金型を装着して動力伝達系上の圧力検出器を備えた第2の射出成形機のインターフェイス23に、前述したフロッピーディスク等の記憶媒体およびそのドライブユニットを接続し、この記憶媒体に記憶されている基準圧力波形のデータを読み込んで、不揮発性メモリ24に射出圧力のフィードバック制御のための目標値として記憶させる(ステップb1)。
【0035】
前述した通り、第2の射出成形機のインターフェイス23を第1の射出成形機のインターフェイス23にデータ伝送路で接続し、直接的に基準圧力波形のデータの受け渡しを行ってもよい。
【0036】
第2の射出成形機に取り付ける金型は、前述した第1の射出成形機に装着して条件出しを行った金型そのもの、または、それと同一規格の金型である。前述した通り、第1の射出成形機と第2の射出成形機との間での基準圧力波形データの互換性は確保され得るので、射出成形機自体の規格は必ずしも同じでなくてもよい。
【0037】
第2の射出成形機の制御装置10は、A/D変換器16bを介してノズル内圧力検出器もしくは金型内圧力検出器により検出される射出圧力が不揮発性メモリ24に記憶された目標値、つまり、基準圧力波形と一致するように射出用サーボモータを駆動制御して射出成形作業を実施すると共に、各射出工程(保圧を含む)において動力伝達系上の圧力検出器で検出される射出圧力の変化を、A/D変換器16aを介して前述のサンプリング機能により各成形サイクル毎に時系列の関数として不揮発性メモリ24のサンプリングデータ記憶領域に更新記憶して行く(ステップb2)。
【0038】
オペレータは各成形サイクル毎の成形品の出来具合を確認し、安定した連続成形作業が達成されていることを確認して、量産用基準圧力波形を得るための連続成形作業を終了させる(ステップb3)。
【0039】
この時点で不揮発性メモリ24のサンプリングデータ記憶領域に記憶されている1成形サイクル分の圧力変化のデータが量産用基準圧力波形である(ステップb4)。
【0040】
つまり、第1の射出成形機による条件出し作業によって良品の成形が確認されているノズル内の圧力変化または金型内の圧力変化が第2の射出成形機によって達成された時に、第2の射出成形機における動力伝達系上の圧力検出器に作用する力の変化が量産用基準圧力波形である。
【0041】
従って、第1の射出成形機と第2の射出成形機との間に構造の差や固体差、例えば、動力伝達系上における摺動や摩擦抵抗等の差がいかにあろうとも、第2の射出成形機における動力伝達系上の圧力検出器の装着位置を変えたり、または、第2の射出成形機自体に著しい性能の劣化が生じたりしない限り、第2の射出成形機における動力伝達系上の圧力検出器によって検出される圧力変化が量産用基準圧力波形と一致するような射出成形作業を再現することにより、射出工程におけるノズル内または金型内の圧力変化は、第1の射出成形機による条件出し作業が完了した時点の基準圧力波形と全く同じように再現できるということである。既に述べた通り、基準圧力波形によって成形された成形品が良品となることは条件出しの段階で確認されている。
【0042】
従って、以降の連続成形作業においてはノズル内圧力検出器や金型内圧力検出器を使用したフィードバック制御を行う必要はなく、当然、ノズル内圧力検出器や金型内圧力検出器自体も必要はない。
【0043】
そこで、オペレータは、ノズル内圧力検出器を備えたノズルを通常のノズルに取換え、また、型内圧力検出器を備えた金型を使用している場合では、型内圧力検出器を内装したコアブロックやキャビティブロック等の金型構成要素それ自体を通常のコアブロックやキャビティブロック等の金型構成要素に換装し、樹脂洩れ等の可能性のある部材を射出シリンダや金型から排除して、量産のための連続成形作業を開始する。
【0044】
図4は、量産のための連続成形作業に関する処理の概略を示すフローチャートである。
【0045】
オペレータは、まず、サンプリングデータ記憶領域に記憶されている量産用基準圧力波形を射出圧力制御の目標値として不揮発性メモリ24に更新記憶させ、同時に、動力伝達系上の圧力検出器の接続をA/D変換器16aから16bに切り替える(ステップc1)。
【0046】
実祭の手続きとしては、サンプリングデータ記憶領域に記憶されている量産用基準圧力波形を射出圧力制御の目標値として不揮発性メモリ24に更新記憶させ、かつ、それまでノズル内圧力検出器もしくは型内圧力検出器が接続されていたA/D変換器16bに動力伝達系上の圧力検出器を接続し直して、A/D変換器16bからのフィードバック圧力と射出圧力制御の目標値の記憶領域に移し換えられた量産用基準圧力波形とを比較して射出圧力のフィードバック制御を行う場合と(ステップc1の設定例)、
サンプリングデータ記憶領域に記憶されている量産用基準圧力波形をサンプリングデータ記憶領域にそのまま残し、かつ、それまでノズル内圧力検出器もしくは型内圧力検出器が接続されていたA/D変換器16bに動力伝達系上の圧力検出器を接続し直して、A/D変換器16bからのフィードバック圧力とサンプリングデータ記憶領域の量産用基準圧力波形とを比較して射出圧力のフィードバック制御を行う場合と、
サンプリングデータ記憶領域に記憶されている量産用基準圧力波形を射出圧力制御の目標値として不揮発性メモリ24に更新記憶させ、かつ、フィードバック圧力の読み込み先をA/D変換器16bの側からA/D変換器16aの側に切り替えて、A/D変換器16aからのフィードバック圧力と射出圧力制御の目標値の記憶領域に移し換えられた量産用基準圧力波形とを比較しながら射出圧力のフィードバック制御を行う場合と、
サンプリングデータ記憶領域に記憶されている量産用基準圧力波形をサンプリングデータ記憶領域にそのまま残し、かつ、フィードバック圧力の読み込み先をA/D変換器16bの側からA/D変換器16aの側に切り替えて、A/D変換器16aからのフィードバック圧力とサンプリングデータ記憶領域の量産用基準圧力波形とを比較しながら射出圧力のフィードバック制御を行う場合とが考えられるが、
要するに、フィードバック制御のためのシステムプログラムに対して、動力伝達系上の圧力検出器からのフィードバック圧力が検出データとして読み込まれ、同時に、量産用基準圧力波形が比較対象データとして読み込まれればよいというだけのことで、これらの手続きは全て実質的に同一である。
【0047】
以下、第2の射出成形機の制御装置10は、射出成形作業のショット数が設定値に達するまでの間(ステップc3)、動力伝達系上の圧力検出器から検出される射出圧力が、不揮発性メモリ24に記憶された目標値つまり量産用基準圧力波形と一致するように射出用サーボモータを駆動制御して、量産のための射出成形作業を繰り返し実行する(ステップc2)。
【0048】
ノズルにも金型にも密閉状態に悪影響を与えるような圧力検出器は内装されていないので、長期間の成形作業を行ってもノズルや金型から樹脂洩れが発生する心配はなく、また、量産用基準圧力波形と動力伝達系上の圧力検出器とによる圧力のフィードバック制御によって射出工程におけるノズル内の圧力変化や金型内の圧力変化、要するに、溶融樹脂の充填特性が条件出し完了時点のそれと同じように再現されるので、良成形品を安定して成形することができる。
【0049】
なお、通常は条件出し専用機としての第1の射出成形機と量産機としての第2の射出成形機(単数または複数)を利用するが、射出成形機が1台しかない場合であっても本発明の方法を適用することは可能である。その場合は、該1台の射出成形機をA/D変換器16a,16bの双方を備えたものとし、図2および図3に示す処理を射出成形機の制御装置10に行わせるか、または、流動解析用プログラムによって基準圧力波形を求めて図3の処理を行わせた後、射出成形機のノズルまたは金型のコアブロックやキャビティブロック等を前記と同様にして換装し、図4に示す処理によって量産のための連続成形作業を行わせる。
【0050】
また、第2の射出成形機が複数ある場合には、その各々に対して図3および図4に示す処理とノズルまたは金型のコアブロックやキャビティブロック等の換装作業を行う必要がある。
【0051】
【発明の効果】
本発明の射出圧力制御方法によれば、金型キャビティ内における内圧の変化を条件出し完了時の内圧の変化、または、流動解析用プログラムによって求められた理想的な内圧の変化と一致させ、長期間に亘ってノズルや金型からの樹脂洩れ等のない安定した射出成形作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の射出圧力制御方法を実施する一実施形態の射出成形機の制御装置の要部を示すブロック図である。
【図2】第1の射出成形機を使用して基準圧力波形を取得するための処理の概略を示すフローチャートである。
【図3】求められた基準圧力波形に代えて用いる量産用基準圧力波形を取得するための処理の概略を示すフローチャートである。
【図4】量産のための連続成形作業に関する処理の概略を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 射出成形機の制御装置
11 ROM
12 RAM
13 ROM
14 RAM
15 サーボアンプ
16a A/D変換器
16b A/D変換器
17 圧力モニタ用CPU
18 PMC用CPU
19 RAM
20 サーボCPU
21 ROM
22 バス
23 インターフェイス
24 不揮発性メモリ
25 CNC用CPU
26 CRT表示回路
27 ROM
28 RAM
29 ディスプレイ付手動データ入力装置
Claims (3)
- ノズル内圧力検出器を備えた第1の射出成形機を用いて条件出しを行い、良品成形時における射出工程のノズル圧力の変化をノズル内圧力検出器で検出して基準圧力波形として記憶し、
ノズル内圧力検出器と動力伝達系上の圧力検出器とを装着した第2の射出成形機により前記基準圧力波形が再現されるように射出圧力制御を行ったときに前記動力伝達系上の圧力検出器で検出される圧力変化を量産用基準圧力波形として前記第2の射出成形機に設定し、
ノズル内圧力検出器を取り外した前記第2の射出成形機の圧力検出器によって射出圧力波形が量産用基準圧力波形と一致するように射出圧力のフィードバック制御を行うようにしたことを特徴とする射出成形機の射出圧力制御方法。 - ノズル内圧力検出器で検出した基準圧力波形に代え、金型の設計データに基いて金型の流動解析を行って最適の射出圧力波形を求める流動解析用プログラムで生成された射出圧力波形を基準圧力波形として使用するようにした請求項1記載の射出成形機の射出圧力制御方法。
- 金型内圧力検出器を備えた第1の射出成形機を用いて条件出しを行い、良品成形時における射出工程の金型内圧力の変化を金型内圧力検出器で検出して基準圧力波形として記憶し、
金型内圧力検出器と動力伝達系上の圧力検出器とを装着した第2の射出成形機により前記基準圧力波形が再現されるように射出圧力制御を行ったときに前記動力伝達系上の圧力検出器で検出される圧力変化を量産用基準圧力波形として前記第2の射出成形機に設定し、
金型内圧力検出器を取り外した前記第2の射出成形機の圧力検出器によって射出圧力波形が量産用基準圧力波形と一致するように射出圧力のフィードバック制御を行うようにしたことを特徴とする射出成形機の射出圧力制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32332796A JP3626823B2 (ja) | 1996-11-20 | 1996-11-20 | 射出成形機の射出圧力制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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