JP3626744B2 - 摩耗粒子捕捉装置、潤滑対象部診断方法及び潤滑対象部診断システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、摩耗粒子捕捉装置、その装置を用いる潤滑対象部診断方法及び潤滑対象部診断システムに関し、更に詳しく言えば、潤滑油中の摩耗粒子を短時間でかつ安定して捕捉することができる摩耗粒子捕捉装置、潤滑対象部を正確かつ迅速に診断することができる潤滑対象部診断方法及び診断システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から摩耗粒子捕捉装置として、磁場を発生させる永久磁石と、この永久磁石の上方で傾斜状態に設置される透明プレート(フェログラムスライドとも言う。)とを備え、この透明プレート上の高位側に潤滑油を供給して低位側に向かって流し、永久磁石の磁力によって、潤滑油中の摩耗粒子を透明プレート上で粒子径毎に配列して捕捉するものが知られている(例えば、特開平8−303690号公報)。このような摩耗粒子捕捉装置によると、上記透明プレート上に捕捉された摩耗粒子の分布状態を撮影手段で撮影して、その撮影画像をモニタ上に表示して定量分析や定性分析を行って、その潤滑油を使用していた潤滑対象部の潤滑状態や摩耗状態を診断できる等の利点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の摩耗粒子捕捉装置では、透明プレートが水平面から僅かな角度でもって傾斜設置され、この透明プレート上に供給される潤滑油は自重のみの作用で高位側から低位側に向かってゆっくり流れるので、潤滑油中の摩耗粒子の捕捉に時間がかかることとなる。特に、発電所等における大型の設備機械では、軸受部等の潤滑対象部が多数あり、通常、人手によりサンプリングされた潤滑油中の摩耗粒子の捕捉作業を繰返し行う必要があり、この捕捉作業が極めて時間のかかる煩雑な作業となっていた。
また、透明プレート上を自重のみの作用でゆっくり流れる潤滑油は周囲雰囲気の影響を受け易く、摩耗粒子の捕捉状態(沈殿分布状態)が不安定となり、ひいては摩耗粒子の分析及び潤滑対象部の診断が適正に行われない恐れがある。
さらに、摩耗粒子を捕捉した透明プレートを洗浄・乾燥して再使用する場合があるが、その洗浄・乾燥作業が煩雑であり、しかもその洗浄が適正に行われていないと摩耗粒子の分析精度が低下してしまう。
【0004】
以上より本発明は、上記問題を解決するものであり、潤滑油中の摩耗粒子を短時間でかつ安定して捕捉することができる摩耗粒子捕捉装置を提供することを目的とする。また、本発明は、上記摩耗粒子捕捉装置を用いて、潤滑対象部の状態を正確かつ迅速に診断することができる潤滑対象部診断方法及び潤滑対象部診断システムを提供することを他の目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の摩耗粒子捕捉装置は、磁場を発生させる磁場発生手段と、該磁場内でプレートを保持して回転させるプレート保持回転手段とを備え、前記プレート上に供給される潤滑油中の摩耗粒子を、前記プレートの回転による遠心力及び前記磁場発生手段による磁力によって、該プレート上に円環状に配列して捕捉することを特徴とする。
また、前記磁場発生手段を円筒状の永久磁石から構成することができる。
【0006】
上記「磁場発生手段」としては、例えば、磁石や電気的エネルギーの供給により磁場を発生する電磁石等を挙げることができる。また、上記「プレート」は、光学的な分析を行い得るように透明プレートであることが好ましい。また、上記「潤滑油」としては、石油系潤滑油であるスピンドル油、マシン油、ダイナモ油、タービン油等を挙げることができる。また、上記潤滑油は、例えば、半固体状のグリースであることができる。また、上記潤滑油は、通常、後述する潤滑対象部から採取されるものである。さらに、上記「潤滑油中の摩耗粒子」は、例えば、図4に示すように、プレート20上に、少なくとも一対の同心円となる第1捕捉部30aと第2捕捉部30bとに円環状に配列して捕捉することができる。これにより、粒径に応じて摩耗粒子を捕捉することができ、摩耗粒子の分析をより高精度に行うことができる。
【0007】
また、上記「プレート保持回転手段」は、例えば、プレートを、摩耗粒子の捕捉の際に所定の捕捉回転数で回転させ、プレート洗浄の際に所定の洗浄回転数で回転させ、プレート乾燥の際に所定の乾燥回転数で回転させることができる。これにより、一連の摩耗粒子の捕捉、プレート洗浄及びプレート乾燥を効率良く行うことができる。上記捕捉回転数としては、75〜250rpmであり、好ましくは150〜200rpmである。上記洗浄回転数としては、75〜250rpmであり、好ましくは150〜200rpmである。上記乾燥回転数としては、150〜300rpmであり、好ましくは200〜250rpmである。さらに、上記プレート保持回転手段は、例えば、図2,3に示すように、軸心を垂直として回転自在に支持される中空回転部材17と、この中空回転部材17を回転させる駆動源18と、この中空回転部材17に設けられる磁場発生手段12と、この中空回転部材17の上端部に固定されプレート20を吸着保持する可撓性の吸着部材19とを備えて構成することができる。これにより、プレート保持回転手段に対してプレートを容易に着脱でき、簡易な構成で安価な摩耗粒子捕捉装置を提供できる。
【0008】
本発明の潤滑対象部診断方法は、前記摩耗粒子捕捉装置を用いる潤滑対象部診断方法であって、前記プレート上に配列・捕捉される摩耗粒子の単位面積あたりの占積率に基づいて潤滑対象部の状態を診断することを特徴とする。
また、前記占積率の時間経過に伴う変化の比率に基づいて潤滑対象部の状態を診断することができる。
【0009】
本発明の潤滑対象部診断システムは、前記摩耗粒子捕捉装置を用いる潤滑対象部診断システムであって、前記プレート上に配列・捕捉される摩耗粒子を撮影する撮影手段と、該撮影手段による撮影結果より摩耗粒子の単位面積あたりの占積率を算出する占積率算出手段と、該占積率算出手段による算出結果より潤滑対象部の状態を判定する判定手段と、該判定手段による判定結果を表示する表示手段とを備えることを特徴とする。
また、前記占積率算出手段による算出結果を記憶する記憶手段と、該記憶手段による記憶結果より前記占積率の時間経過に伴う変化の比率を算出する比率算出手段と、該比率算出手段による算出結果より潤滑対象部の状態を判定する判定手段とを備えることができる。
【0010】
上記「潤滑対象部」としては、例えば、すべり軸受部、転がり軸受部、ギヤ部、摺動部等を挙げることができる。また、上記「潤滑対象部の状態」とは、潤滑対象部の潤滑状態及び/又は摩耗状態を意味する。また、上記「占積率」としては、例えば、図5,図6に示すように、撮影手段による撮影画像Sにおいて、(摩耗粒子の面積/全体の面積)で示すことができる。さらに、上記占積率を利用して、{(第1捕捉部の大径摩耗粒子の面積/全体の面積)2−(第2捕捉部の小径摩耗粒子の面積/全体の面積)2}で示される異常摩耗指数を求めることができる。これにより、潤滑対象部の状態を正確に診断することができる。
尚、上記「潤滑対象部診断方法」は、例えば、プレート上に配列・捕捉される摩耗粒子の形状、大きさ、色のうち1つ又は2以上の組合わせに基づいて潤滑対象部の状態を診断したり、潤滑対象部に係わる駆動機構の駆動回数に基づいて潤滑対象部の状態を診断したりできる。これにより、潤滑対象部の状態をより正確に診断することができる。
【0011】
【発明の効果】
本発明の摩耗粒子捕捉装置によると、プレート保持回転手段によってプレートが回転され、このプレートの回転による遠心力によってプレート上に供給される潤滑油が遠心方向へ流され、その潤滑油中の摩耗粒子が、磁場発生手段による磁力によってプレート上に円環状に配列して捕捉される。このように、遠心力及び磁力の作用によって潤滑油中の摩耗粒子を配列捕捉するようにしたので、摩耗粒子を迅速にかつ安定して捕捉することができる。その結果、摩耗粒子の分析及び潤滑対象部の状態の診断を迅速かつ正確に行うことができる。また、プレートの洗浄・乾燥の際に、プレート保持回転手段によってプレートを回転させれば、その洗浄・乾燥を迅速かつ簡易に行うことができる。
また、磁場発生手段を円筒状の永久磁石から構成すれば、簡易な構成で安価な装置を提供できる。
【0012】
本発明の潤滑対象部診断方法によると、プレート上に配列・捕捉される摩耗粒子の単位面積あたりの占積率に基づいて潤滑対象部の状態を正確かつ迅速に診断することができる。
また、占積率の時間経過に伴う変化の比率に基づいて潤滑対象部の状態を診断するようにすれば、より正確に診断することができる。
【0013】
本発明の潤滑対象部診断システムによると、撮影手段によってプレート上に配列・捕捉される摩耗粒子の分布状態が撮影され、その撮影結果より摩耗粒子の単位面積あたりの占積率が算出され、その算出結果より潤滑対象部の状態が判定され、その判定結果が表示される。従って、潤滑対象部の状態を自動的に正確かつ迅速に診断することができる。
また、占積率の時間経過に伴う変化の比率を算出するようにすれば、潤滑対象部の状態をより正確に診断することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて実施例により本発明を具体的に説明する。
(1)潤滑対象部診断システムの全体構成
本実施例に係る潤滑対象部診断システム1は、図1に示すように、潤滑油中の摩耗粒子を捕捉する摩耗粒子捕捉装置A(以下、捕捉装置Aとも略記する。)と、その捕捉された摩耗粒子を撮影可能な光学顕微鏡Bと、この光学顕微鏡Bに接続されるコンピュータCとを基本的に備えて構成されている。上記捕捉装置Aに近接して垂設された支持部材2に、潤滑油を貯留する貯留容器3が着脱自在に支持されている。この貯留容器3には、透明ビニール製のチューブ4の基端部が接続されている。このチューブ4の先端部は、上記捕捉装置Aのハウジング5上面に設けられた支持器6によって支持され、所定の部位を指向するようになっている。また、チューブ4の途中部位は周知のポンプ7に通され、このポンプ7の作用によってチューブ4の先端部より所定の流量で潤滑油が供給されるようになっている。
【0015】
上記コンピュータCには、上記光学顕微鏡Bで撮影された撮影画像S等を表示可能な表示モニタ8及びマウス等の適宜入力手段(図示せず)が接続されている。また、このコンピュータCは、光学顕微鏡Bによる撮影画像Sを2値化したデータに基づいて後述する各摩耗粒子の単位面積あたりの被覆率(占積率)Pl,Ps及び異常摩耗指数Is(Is=Pl2−Ps2)を演算する演算部9を有している。さらに、コンピュータCは、後述の作用で説明するように、基準異常摩耗指数Is0(例えば、1×100)を予め記憶する記憶部10を備えている。尚、上記潤滑対象部診断システム1は、例えば、発電所等における管理室などに設置されるものとする。
【0016】
(2)摩耗粒子捕捉装置の構成
上記捕捉装置Aは、図2及び図3に示すように、磁場を発生させる磁場発生手段12と、その磁場内で透明プレート20を保持して回転させるプレート保持回転手段13とを基本的に備えて構成されている。この磁場発生手段12は、円柱状の第1永久磁石14、円筒状の第2永久磁石15及び各ヨーク16a,16bを組み合わせて構成されている。また、上記プレート保持回転手段13は、捕捉装置Aのハウジング5(図1参照)内に垂直軸心回りに回転自在に支持される中空回転部材17と、この中空回転部材17を回転駆動させる変速可能な駆動モータ18とを備えている。また、中空回転部材17は上方を開放した円錐台状部17aを有し、この円錐台状部17aの上端側には、透明プレート20を吸着保持する可撓性の吸着部材19が固定されている。この吸着部材19は、リング状基部19aと、このリング状基部19aの上端内縁側から上方に向かって拡がる拡径吸着部19bとを有している。また、中空回転部材17には上記磁場発生手段12が一体的に固定され、この磁場発生手段12の上端部が吸着部材19のリング状基部19aの内周側に臨んでいる。そして、この磁場発生手段12の作用によって、吸着部材19に吸着保持される透明プレート20の上方側には所定の磁場が生じるようになっている。
尚、本実施例では、中空回転部材17と磁場発生手段12とを一体的に固定して、両部材17,12が共に回転する構造を例示したが、これに限定されず、例えば、磁場発生手段12をハウジング5側に固定設置して中空回転部材17のみが回転する構造としてもよい。
【0017】
(3)潤滑対象部診断システムの各種処理作用
次に、上述のように構成された潤滑対象部診断システム1の各種処理作用について説明する。先ず、発電所における大型設備機械の各種潤滑対象部から使用中の潤滑油をサンプリングして貯留容器3に貯留すると共に、捕捉装置Aにおいて吸着部材19に透明プレート20を吸着保持させておく。この状態より、捕捉装置A及びポンプ7を駆動させると、駆動モータ18の駆動によって、透明プレート20、吸着部材19、中空回転部材17及び磁場発生手段12が垂直軸回りに所定の回転数(例えば、150rpm)で回転される。また、ポンプ7の作用によって、貯留容器3内の潤滑油がチューブ4の先端部から透明プレート20の中央部に滴下される。そして、その滴下された潤滑油は、遠心力によって遠心方向へ流され、その流動する潤滑油中の摩耗粒子が、磁場発生手段12で生じる磁場によって透明プレート20上に捕捉される。即ち、潤滑油中の摩耗粒子は、図4に示すように、透明プレート20上に、一対の同心円となる第1捕捉部30aと第2捕捉部30bとに円環状に配列して捕捉されることとなる。この第1捕捉部30aには、比較的大径(例えば、5μm以上)な大径摩耗粒子PLが捕捉され、第2捕捉部30bには、比較的小径(例えば、5μm未満)な小径摩耗粒子PSが捕捉される。
【0018】
次いで、所定量(例えば、2ml)の潤滑油が滴下された後、捕捉装置A及びポンプ7の駆動を停止して吸着部材19から透明プレート20を取外し、その透明プレート20を光学顕微鏡Bのステージ上に配置セットする。そして、この光学顕微鏡Bによって、第1,第2捕捉部30a,30bにおける各4箇所の撮影ポイント(図4中仮想線で示す)を撮影する。その後、撮影画像Sは、コンピュータCへ出力され表示モニタ8で表示される(図5及び図6参照)。そして、コンピュータCは、それら撮影画像Sを2値化して得られるデータより各摩耗粒子PL,PSの被覆率Pl,Ps及び異常摩耗指数Isを演算する。次いで、コンピュータCは、演算した各演算値Pl,Ps,Isと、予め記憶された各基準値Pl0,Ps0,Is0とを比較して、潤滑対象部の潤滑状態及び摩耗状態の正常・異常を判定し、その判定結果を表示モニタ8やプリンタ等の出力手段に出力表示する。
【0019】
ここで、図5に示す撮影画像Sに基づいて演算される被覆率Pl(6.78×10−1),Ps(8.02×10−2)より求まる異常摩耗指数Is(4.53×10−1)は、基準値Is0(1×100)より小さな値であるので、潤滑対象部の状態は正常であると診断される。これに対して、図6に示す撮影画像Sに基づいて演算される被覆率Pl(1.17×101),Ps(2.91×100)より求まる異常摩耗指数Is(1,28×102)は、基準値Is0(1×100)を超えた値であるので、潤滑対象部の状態は異常であると診断される。
【0020】
その後、別の潤滑対象部の状態を診断する際、前回使用した透明プレート20を再利用する場合には、その透明プレート20を吸着部材19に吸着保持させて所定の回転数(例えば、150rpm)で回転させ、その透明プレート20上に洗浄剤を供給して透明プレート20の洗浄を行い、次に、透明プレート20を所定の回転数(例えば、200rpm)で回転させて透明プレート20の乾燥を行う。次いで、上述の作用と略同様にして別の潤滑対象部の状態が診断されることとなる。
【0021】
(4)実施例の効果
以上のように本実施例の潤滑対象部診断システム1では、コンピュータCによって、光学顕微鏡Bの撮影画像Sを2値化して得られるデータより大径摩耗粒子PL及び小径摩耗粒子PSの各被覆率Pl,Ps及び異常摩耗指数Isが演算され、これら各演算値Pl,Ps,Isと各基準値Pl0,Ps0,Is0とが比較されて潤滑対象部の状態が診断され、その診断結果が表示モニタ8に表示されるように構成したので、従来のように、熟練作業者が潤滑対象部の状態を診断する方法に比べ、潤滑対象部の状態を正確かつ迅速に診断することができる。
さらに、本実施例の摩耗粒子捕捉装置Aでは、そのハウジング5内に、上方を開口した中空回転部材17を回転自在に支持し、この中空回転部材17に、透明プレート20を吸着可能な可撓性の吸着部材19を設け、さらに、ハウジング5内に、中空回転部材17の開口に臨むように磁場発生手段12を設けると共に、中空回転部材17を回転駆動させる駆動モータ18を設け、回転する透明プレート20上に所定の磁場を発生し得るように構成したので、回転する透明プレート20上に滴下される潤滑油を遠心力によって瞬間的に遠心方向に流すことができ、その潤滑油中の摩耗粒子を磁場によって透明プレート20上に配列・捕捉できる。従って、従来のように、傾斜した透明プレート上に滴下した潤滑油が自重のみの作用でゆっくり流れるものに比べ、極めて短時間でかつ安定して潤滑油中の摩耗粒子を補足することができる。また、使用済みの透明プレート20を再利用する際、透明プレート20の回転を利用して、その洗浄・乾燥を迅速かつ容易に行うことができる。
【0022】
尚、本発明においては、前記実施例に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。即ち、本実施例では、各摩耗粒子PL,PSの被覆率Pl,Ps及び異常摩耗指数Isに基づいて潤滑対象部の状態を判定・診断するように構成したが、これに限定されず、例えば、コンピュータCの記憶部10によって、演算部9で演算される各演算値Pl,Ps,Isを記憶し、各演算値Pl,Ps,Isの時間経過に伴う変化の比率から潤滑対象部の状態を判定・診断するようにしてもよい。また、本実施例では、発電所の大型設備機械における各種潤滑対象部を診断するシステムを例示したが、これに限定されず、例えば、工作機械、建設機械、航空機械等における各種潤滑対象部を診断するシステムとしてもよい。また、本実施例では、バッチ式で潤滑油をサンプリングするものを例示したが、これに限定されず、例えば、オンライン式で潤滑油をサンプリングするようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】潤滑対象部診断システムの全体構成を説明するための説明図である。
【図2】摩耗粒子捕捉装置の構成を説明するための要部拡大断面図である。
【図3】同じく、要部拡大断面図である。
【図4】図3のIV矢視図である。
【図5】潤滑対象部の状態が正常である場合の摩耗粒子の撮影画像を説明するための説明図であり、(a)は大径摩耗粒子の分布状態を示し、(b)は小径摩耗粒子の分布状態を示す。
【図6】潤滑対象部の状態が異常である場合の摩耗粒子の撮影画像を説明するための説明図であり、(a)は大径摩耗粒子の分布状態を示し、(b)は小径摩耗粒子の分布状態を示す。
【符号の説明】
1;潤滑対象部診断システム、9;演算部、10;記憶部、12;磁場発生手段、13;プレート保持回転手段、14;第1永久磁石、15;第2永久磁石、20;透明プレート、A;摩耗粒子捕捉装置、B;光学顕微鏡、C;コンピュータ、PL;大径摩耗粒子、Pl;大径摩耗粒子の被覆率、PS;小径摩耗粒子、Ps;小径摩耗粒子の被覆率、S;撮影画像。
Claims (6)
- 磁場を発生させる磁場発生手段と、該磁場内でプレートを保持して回転させるプレート保持回転手段とを備え、
前記プレート上に供給される潤滑油中の摩耗粒子を、前記プレートの回転による遠心力及び前記磁場発生手段による磁力によって、該プレート上に円環状に配列して捕捉することを特徴とする摩耗粒子捕捉装置。 - 前記磁場発生手段が円筒状の永久磁石から構成される請求項1記載の摩耗粒子捕捉装置。
- 請求項1又は2記載の摩耗粒子捕捉装置を用いる潤滑対象部診断方法であって、
前記プレート上に配列・捕捉される摩耗粒子の単位面積あたりの占積率に基づいて潤滑対象部の状態を診断することを特徴とする潤滑対象部診断方法。 - 前記占積率の時間経過に伴う変化の比率に基づいて潤滑対象部の状態を診断する請求項3記載の潤滑対象部診断方法。
- 請求項1又は2記載の摩耗粒子捕捉装置を用いる潤滑対象部診断システムであって、
前記プレート上に配列・捕捉される摩耗粒子を撮影する撮影手段と、該撮影手段による撮影結果より摩耗粒子の単位面積あたりの占積率を算出する占積率算出手段と、該占積率算出手段による算出結果より潤滑対象部の状態を判定する判定手段と、該判定手段による判定結果を表示する表示手段とを備えることを特徴とする潤滑対象部診断システム。 - 前記占積率算出手段による算出結果を記憶する記憶手段と、該記憶手段による記憶結果より前記占積率の時間経過に伴う変化の比率を算出する比率算出手段と、該比率算出手段による算出結果より潤滑対象部の状態を判定する判定手段とを備える請求項5記載の潤滑対象部診断システム。
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