JP3626636B2 - 除雪機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は,前部に除雪部を後部に操向ハンドルを,中間部にパワーユニットをそれぞれ設けた機体と,前記パワーユニットの車輪駆動軸に駆動される駆動輪を有すると共に,前記車輪駆動軸周りに前記機体と相対回動し得る走行部と,前記機体及び走行部間に介裝されて,該走行部に対する前記除雪部の高さを調整し得る伸縮機構とを備え,その伸縮機構を,前記機体及び走行部の一方に連結されるシリンダと,このシリンダ内に摺動可能に嵌装されて,その内部を第1室及び第2室に区画するピストンと,このピストンに結合され,前記第2室を貫通して前記機体及び走行部の他方に連結されるピストンロッドと,前記第1室及び第2室間を連通する連通路と,この連通路を任意に開閉し得る開閉弁とで構成した除雪機の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
かゝる除雪機は,例えば実公昭61−23059号公報に開示されているように,既に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来,かゝる除雪機では,その伸縮機構の第1及び第2室に連通路を流通し得るオイルを充填し,除雪部の高さの調整時には,開閉弁を開いて第1及び第2室間でオイルを流通させて該伸縮機構を伸縮させ,調整後は,開閉弁を閉じてオイルの流通を阻止して該伸縮機構を油圧ロックさせるようになっている。
【0004】
ところが,上記にように伸縮機構を油圧ロックさせると,機体及び走行部間がリジッド連結状態となって,除雪作業中,走行部に加わる上下方向の振動が作業者の把持する操向ハンドルに直接的に伝達し,これが作業者の疲労を早める一因となっている。
【0005】
本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたもので,除雪作業中,走行部に加わる振動を,除雪部の高さを調整する伸縮機構を利用して吸収し得るようにして,作業者の疲労軽減を簡単に図ることができる,前記除雪機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために,本発明は,前部に除雪部を,前部に除雪部を,後部に操向ハンドルを,中間部にパワーユニットをそれぞれ設けた機体と,前記パワーユニットの車輪駆動軸に駆動される駆動輪を有すると共に,前記車輪駆動軸周りに前記機体と相対回動し得る走行部と,前記機体及び走行部間に介裝されて,該走行部に対する前記除雪部の高さを調整し得る伸縮機構とを備え,その伸縮機構を,前記機体及び走行部の一方に連結されるシリンダと,このシリンダ内に摺動可能に嵌装されて,その内部を第1室及び第2室に区画するピストンと,このピストンに結合され,前記第2室を貫通して前記機体及び走行部の他方に連結されるピストンロッドと,前記第1室及び第2室間を連通する連通路と,この連通路を任意に開閉し得る開閉弁とで構成した除雪機において,前記ピストンの第1室の臨む第1端面を,該ピストンの第2室に臨む第2端面より広く設定すると共に,これら第1及び第2室に高圧気体を充填し,前記開閉弁の開弁時には,前記シリンダ及びピストンロッド相互の伸縮を可能とすべく前記高圧気体の前記連通路での流通を許容し,該開閉弁の閉弁時には,前記連通路での高圧気体の流通を阻止して,第1及び第2室での高圧気体の膨縮を許容するようにしたことを第1の特徴とする。
【0007】
この第1の特徴によれば,開閉弁の開弁時には,第1及び第2室間での高圧気体の流通が可能となるので,シリンダ及びピストンロッド相互を伸縮させながら機体を車輪駆動軸周りに回動して,除雪部の高さを調整することができる。その調整後は,開閉弁を閉弁すると,第1及び第2室間での高圧気体の流通が阻止されるので,除雪部が一定に保持される。しかも,相互に遮断された第1及び第2室の高圧気体は伸縮が可能であるから,除雪作業中,走行部に上下方向の振動が加わると,第1及び第2室の高圧気体が膨縮してシリンダ及びピストンロッド相互が適度に伸縮し,即ちダンパ機能を発揮して上記振動を吸収し,操向ハンドルへの振動伝達を少なくして,作業者の疲労軽減を図ることができる。
【0008】
また本発明は,第1の特徴に加えて,前記機体の重心を前記車輪駆動軸の後方に配置すると共に,前記伸縮機構を前記車輪駆動軸の後方で前記機体及び走行部間に介裝し,前記機体の自重による前記車輪駆動軸周りのモーメントと,前記高圧気体の前記第1及び第2端面に及ぼすスラストの差による前記機体の前記車輪駆動軸周りのモーメントとを略釣り合わせたことを第2の特徴とする。
【0009】
この第2の特徴によれば,開閉弁の開弁時には,機体に作用する上記2つのモーメントが略釣り合うことにより,操向ハンドルに加える比較的小さな昇降力をもって機体を車輪駆動軸周りに回動して,除雪部の高さを容易に調整することができる。
【0010】
さらに本発明は,第1又は第2の特徴に加えて,前記第2室が第1室の下方にくるように伸縮機構を配置して,前記シリンダの下端部に,前記ピストンロッドが摺動自在に貫通する摺動軸受け及びオイルシールを設け,前記第2室の底部に,油面が前記高圧気体に接するオイルを貯留したことを第3の特徴とする。
【0011】
この第3の特徴によれば,第2室の底部に貯留したオイルによって摺動軸受けびオイルシールを潤滑して,ピストンロッドの作動を円滑にすると共に,摺動軸受けびオイルシールからの高圧気体のリークを効果的に阻止することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を,添付図面に示す本発明の一実施例に基づいて以下に説明する。
【0013】
図1は本発明の第1実施例に係るオーガ式除雪機の側面図,図2は同除雪機の平面図,図3は同除雪機の背面図,図4は図1の4−4線断面図,図5は図1の5−5線断面図,図6は図5の6−6線断面図,図7は図1の7−7線断面図,図8は図7の8−8線断面図,図9は図3の9−9線断面図,図10は本発明の第2実施例に係るドーザ式除雪機の側面図である。
【0014】
先ず,本発明の第1実施例の説明より始める。図1〜図4において,オーガ式除雪機1の機体2は,箱型の機体フレーム3と,この機体フレーム3の中央部に取付けられるパワーユニット4と,機体フレーム3の前壁に取付けられる除雪部5と,機体フレーム3の後部に取付けられて後方に延出する操向ハンドル6とからなっている。また上記パワーユニット4は,機体フレーム3の上壁にクランクケース7aを固着したエンジン7と,機体フレーム3の前壁にミッションケース8aを固着した変速機8と,機体フレーム3の一側壁にリダクションケース9aを固着した減速機9とからなっている。
【0015】
エンジン7は,クランク軸10をクランクケース7aから前方へ突出させており,これに第1及び第2駆動プーリ14,15が固着され,その第1駆動プーリ11と,変速機8の入力軸13aに固着された第1被動プーリ14とに第1ベルト16が巻掛けられる。また変速機8の出力軸13bは,減速機9の図示しない入力ギヤに連結され,同減速機9の出力ギヤ18は,ミッションケース8a及び機体フレーム3にベアリング19,20を介して支承される車輪駆動軸21に連結される。したがって,エンジン7の動力は,第1ベルト16,変速機8及び減速機9を介して車輪駆動軸21に伝達して,これを駆動する。
【0016】
前記除雪部5は,オーガ24と,放擲ダクト25と,オーガ24により掻き集め集められた雪を放擲ダクト25へ放擲する羽根車26とを備える公知のもので,オーガ24及び羽根車26に連結した駆動軸27の後端に第2被動プーリ15が固着され,この第2被動プーリ15と前記第2駆動プーリ12とに第2ベルト17が巻掛けられる。したがって,エンジン7の動力は,第2ベルト17及び駆動軸27を介して羽根車26及びオーガ24に伝達して,これらをも駆動する。
【0017】
図4〜図6に示すように,前記車輪駆動軸21には,これに駆動される走行部30が連結される。この走行部30は,車輪駆動軸21の両端にそれぞれ連結ピン32,32を介して連結される左右一対の駆動輪31,31と,機体フレーム3の後方に配置される後車軸33と,この後車軸33の両端部に回転自在に支持される左右一対の従動輪34,34と,左右両側の駆動輪31,31及び従動輪34,34にそれぞれ巻掛けられる左右一対のクローラ35,35と,左右両側の駆動輪31,31及び従動輪31,31の各内側に隣接して車輪駆動軸21及び後車軸33にわたり配設される左右一対の走行部フレーム36,36とからなり,各走行部フレーム36の前部には,車輪駆動軸21を回転自在に支承するベアリング37が装着され,同後部には,後車軸33に貫通される前後方向の長孔38が設けられる。
【0018】
後車軸33には,左右の走行部フレーム36,36の内側に隣接して一対のクローラ調節ボルト39,39の各頭部が溶接されており,そのねじ軸39aに貫通される切欠き40aを持つ支持板40,40が各走行部フレーム36の後端に溶接されている。各調節ボルト40のねじ軸40aには,支持板40,40を前後から挟む一対のナット41,41が螺合されており,両ナット41,41の螺進又は螺退により後車軸33を走行部フレーム36,36に対して進退させることによって,クローラ35,35の張り具合を調節することができる。
【0019】
左右の支持板40,40には,左右のクローラ調節ボルト39,39及びナット41,41;41,41を利用してチャンネル形のクロスメンバ42が連結される。即ち,クロスメンバ42は,その左右両端部をクローラ調節ボルト39,39のねじ軸39aに貫通されると共に,前後のナット41,41;41,41により支持板40,40に共締めされる。而して,左右の走行部フレーム36,36及びクロスメンバ42には,左右何れか一方のクローラ35が路面から突き上げ力を受けたとき,それと同側の走行部フレーム36が他方の走行部フレーム36から独立して車輪駆動軸21周りに上方へ揺動し得るように,適度の曲げ及び捩じり弾性が付与される。
【0020】
前記機体2の重心G(図1参照)は,車輪駆動軸21の後方に位置しており,したがって機体2は,その自重により車輪駆動軸21周りにオーガ24を浮上させようとするモーメントMaを発生させるものであり,このモーメントMaに抗してオーガ24の高さを調整した後,機体2の車輪駆動軸21周りの回動を阻止する伸縮機構45が操向ハンドル6及びクロスメンバ42間に設けられる。
【0021】
次に,上記伸縮機構45について図7〜図9を参照しながら説明する。
【0022】
図7に示すように,伸縮機構45は,一端を閉塞すると共に,他端に摺動軸受け46,オイルシール47及び固定ストッパ53aを固着したシリンダ48と,このシリンダ48内に摺動可能の嵌装されて,その内部を第1室49と第2室50とに仕切る中空のピストン51と,このピストン51に結合されて第2室50を貫通すると共に前記摺動軸受け46に支承される中空のピストンロッド52とを備え,そのピストンロッド52には,固定ストッパ53aに当接して伸縮機構45の伸長限界を規定する可動ストッパ53bが固着される。
【0023】
ピストン51の中空部の上端開口端に弁座54が設けられ,これに傘形の開閉弁55が着座可能に対置される。この開閉弁55には,これを弁座54との着座方向へ付勢する弁ばね56が装着される。またピストンロッド52の中空部には,開閉弁55を開閉すべく,その下端に当接するプッシュロッド52が摺動可能に配設される。
【0024】
ピストン51には,その中空部をピストン51の外周面に連通する横孔58とこの横孔58を第2室50に連通する縦溝59とが設けられ,これらによって第1及び第2室49,50間を連通する連通路60が構成され,この連通路60は,開閉弁55を弁座54に離座・着座することにより開・閉されるようになっている。
【0025】
伸縮機構45は,第1室49が第2室50の上方にくるように配置され,そして第1及び第2室49,50に空気,ヘリュームガス等を加圧した高圧気体61が充填され,また第2室50の底部には,油面を高圧気体61に接するオイル62が貯留され,これによってオイルシール47及び摺動軸受け46が潤滑されると共に,軸受け46からの高圧気体61のリークが阻止されるようになっている。
【0026】
シリンダ48の上端には,ゴムブッシュ64を嵌着した取付け片63が溶接されており,そのゴムブッシュ64に嵌挿した上部枢軸65の両端部が,操向ハンドル6に連設したヨーク66に固定される。こうして,シリンダ48は,操向ハンドル6に首振り自在に連結される。
【0027】
一方,ピストンロッド52の下端部は,前記クロスメンバ42の中央部に次のように連結される。即ち,クロスメンバ42の中央部には,軸線を前後方向へ向けたボス70が形成され,これに第1ブラケット71に固着した筒状の第1下部枢軸73が回動自在に嵌装され,この第1下部枢軸73には,その抜け止め用のボルト75が螺着される。そして,第1ブラケット71には,左右方向に延びる第2下部枢軸74を介して第2ブラケット72が揺動可能に連結される。第2ブラケット72は,略水平方向の取付け壁72aを有しており,この取付け壁72aの中心部を前記ピストンロッド52の下端部が貫通する。その下端部には雄ねじが形成されており,これに螺合する上下一対のナット76a,76bで取付け壁72aを挟持することにより,ピストンロッド52は第2ブラケット72に固着される。上部のナット76aとシリンダ48の下端部との間に,ピストンロッド52の露出部を覆うベローズ形のブーツ77が張設される。こうして,ピストンロッド52は,クロスメンバ42に首振り自在に連結される。
【0028】
第2ブラケット72には,また,ピストンロッド52から突出した前記プッシュロッド52の下端に当接する作動レバー78が枢軸79を介して上下方向回動可能に連結され,この作動レバー78は,捩じりコイルばねからなる戻しばね80により下方へ付勢される。
【0029】
再び図1〜図3において,操向ハンドル6には,右側グリップ6aの下側に隣接して操作レバー81が軸支82され,この操作レバー81がボーデンワイヤからなる操作ワイヤ83を介して上記作動レバー78に連結される。而して,操作レバー81を右グリップ6a側へ引き上げて操作ワイヤ83を牽引すると,戻しばね80の付勢力に抗して作動レバー78を上方へ回動し,プッシュロッド52を押し上げて開閉弁55を開くことができる。
【0030】
図7において,ピストン51の第2室50に臨む下端面51b(第2端面)は,それに結合したピストンロッド52の横断面積分だけ,第1室49に臨む上端面51a(第1端面)より受圧面積が狭くなっていて,これら端面51a,51bに及ぼす高圧気体61の圧力によるスラストに差が生ずるようになっており,そしてこのスラストの差によれば,シリンダ48及びピストンロッド52相互に伸長力が発生し,これに伴い機体2がオーガ24を下降させる方向の車輪駆動軸21周りのモーメントMb(図1参照)を受け,このモーメントMbは,機体2の自重による前記モーメントMaと略釣り合うようになっている。
【0031】
次に,この第1実施例の作用について説明する。
【0032】
除雪部5のオーガ24の高さを調整するには,先ず,操作レバー81を引き上げて開閉弁55を開いて,シリンダ48内の高圧気体61が連通路60を通して第1及び第2室49,50間を行き来できるようにする。ところで,前述のように,高圧気体61の圧力がピストン51の上下両端面51a,51bに及ぼすスラストの差に起因して,機体2が受ける車輪駆動軸21周りのモーメントMbは,機体2の自重による車輪駆動軸21周りのモーメントMaと略釣り合うようになっているから,作業者が操向ハンドル6に小さな昇降力を加えるだけで,第1及び第2室49,50間で高圧気体61を連通路60を通して流通させて,シリンダ48及びピストンロッド52相互を伸長又は収縮させながら機体2を車輪駆動軸21周りに回動し,オーガ24の高さを自由に調整することができる。
【0033】
こうして調整されたオーガ24の高さを保持するには,操作レバー81から操作力を解除して,戻しばね80の付勢力でプッシュロッド52を下降させ,弁ばね56の付勢力で開閉弁55を閉弁させて連通路60を遮断させる。その結果,高圧気体61が連通路60を流通することによるシリンダ48及びピストンロッド52相互の伸縮が阻止され,オーガ24の高さが一定に保持される。
【0034】
このように,第1及び第2室49,50が相互に遮断されたとは言え,各室49,50の高圧気体61は膨縮が可能であるから,除雪作業中,左右のクローラ35,35に上下方向の振動が加わると,第1及び第2室49,50の高圧気体61が交互に膨張及び収縮を繰り返すことにより,シリンダ48及びピストンロッド52相互が適度に伸縮し,即ちダンパ機能を発揮して上記振動を吸収するので,操向ハンドル6への振動伝達を少なくして,作業者の疲労軽減を図ることができる。
【0035】
また,左右の走行部フレーム36,36及びクロスメンバ42の弾性変形により,左右の走行部フレーム36,36は車輪駆動軸21周りにそれぞれ独立して上下揺動が可能であるから,一方のクローラ35が路面上の凸部から突き上げ力を受けると,そのクローラ35と同側の走行部フレーム36のみが車輪駆動軸21周りに上方へ揺動すると共に,その揺動衝撃が伸縮調節機構45の上記ダンパ機能により吸収されるので,一方のクローラ35に加わる突き上げ力が他方のクローラ35やオーガ24へ影響することはなく,クローラ35の駆動性能及び除雪部の除雪部性能の安定化を図ることができる。
【0036】
その際,伸縮調節機構45のシリンダ48及びピストンロッド52は,操向ハンドル6及びクロスメンバ42にそれぞれ首振り自在に連結してあるので,一方の走行部フレーム36の揺動に伴うクロスメンバ42の揺動時には,シリンダ48及びピストンロッド52の首振り作用により伸縮調節機構45にサイドスラストが加わることを防いで,ピストン51及びピストンロッド52を常にスムーズに作動させ,良好なダンパ機能と耐久性を確保することができる。
【0037】
しかも,伸縮調節機構45にダンパ機能を付与したことから,特別なダンパ装置は不要であり,構成の簡素化にも寄与し得る。
【0038】
また,第2室50の底部には,油面を高圧気体61に接するオイル62が貯留してあるので,このオイルによりオイルシール47及び摺動軸受け46を潤滑して,ピストンロッド52の作動を円滑にすることができるのみならず,軸受け46からの高圧気体61のリークを効果的に阻止することができ,したがって伸縮機構45の伸長機能及びダンパ機能を長期にわたり維持することができる。
【0039】
最後に,図10により本発明の第2実施例について説明する。この第2実施例は,除雪部5をドーザ型に構成したものであり,その他の構成は前実施例と同様であるので,図中,前実施例と対応する部分には,同一の参照符号を付して,その説明を省略する。
【0040】
本発明は上記実施例に限定されるものではなく,その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば,左右の走行部フレーム36,36の円滑な独立揺動のために,クロスメンバ42を各走行部フレーム36,36に枢軸で回動可能に連結することもできる。
【0041】
【発明の効果】
以上のように本発明の第1の特徴によれば,前部に除雪部を,前部に除雪部を,後部に操向ハンドルを,中間部にパワーユニットをそれぞれ設けた機体と,前記パワーユニットの車輪駆動軸に駆動される駆動輪を有すると共に,前記車輪駆動軸周りに前記機体と相対回動し得る走行部と,前記機体及び走行部間に介裝されて,該走行部に対する前記除雪部の高さを調整し得る伸縮機構とを備え,その伸縮機構を,前記機体及び走行部の一方に連結されるシリンダと,このシリンダ内に摺動可能に嵌装されて,その内部を第1室及び第2室に区画するピストンと,このピストンに結合され,前記第2室を貫通して前記機体及び走行部の他方に連結されるピストンロッドと,前記第1室及び第2室間を連通する連通路と,この連通路を任意に開閉し得る開閉弁とで構成した除雪機において,前記ピストンの第1室の臨む第1端面を,該ピストンの第2室に臨む第2端面より広く設定すると共に,これら第1及び第2室に高圧気体を充填し,前記開閉弁の開弁時には,前記シリンダ及びピストンロッド相互の伸縮を可能とすべく前記高圧気体の前記連通路での流通を許容し,該開閉弁の閉弁時には,前記連通路での高圧気体の流通を阻止して,第1及び第2室での高圧気体の膨縮を許容するようにしたので,開閉弁の開弁により,第1及び第2室間での高圧気体の流通が可能にして,シリンダ及びピストンロッド相互を伸縮させながら除雪部の高さを調整することができ,また開閉弁の閉弁により,第1及び第2室間での高圧気体の流通を阻止して,除雪部の高さを一定に保持することができる。しかも,開閉弁の閉弁時には,第1及び第2室に封じ込められた高圧気体の膨縮に伴うシリンダ及びピストンロッド相互の適度な伸縮作用,即ちダンパ機能により,除雪作業中,走行部に加わる上下方向の振動を効果的に吸収し,操向ハンドルを把持する作業者の疲労軽減を図ることができ,したがって振動吸収のための専用のダンパは不要であり,構造の簡素化に寄与し得る。
【0042】
また本発明の第2の特徴によれば,前記機体の重心を前記車輪駆動軸の後方に配置すると共に,前記伸縮機構を前記車輪駆動軸の後方で前記機体及び走行部間に介裝し,前記機体の自重による前記車輪駆動軸周りのモーメントと,前記高圧気体の前記第1及び第2端面に及ぼすスラストの差による前記機体の前記車輪駆動軸周りのモーメントとを略釣り合わせたので,開閉弁の開弁時には,機体に作用する上記2つのモーメントが略釣り合うことにより,操向ハンドルに加える比較的小さな昇降力をもって機体を車輪駆動軸周りに回動して,除雪部の高さを容易に調整することができる。
【0043】
さらに本発明の第3の特徴によれば,前記第2室が第1室の下方にくるように伸縮機構を配置して,前記シリンダの下端部に,前記ピストンロッドが摺動自在に貫通する摺動軸受けびオイルシールを設け,前記第2室の底部に,油面が前記高圧気体に接するオイルを貯留したので,そのオイルによって摺動軸受けびオイルシールを潤滑して,ピストンロッドの作動を円滑にすると共に,摺動軸受けびオイルシールからの高圧気体のリークを効果的に阻止することができ,したがって伸縮機構の伸長機能及びダンパ機能を長期にわたり維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るオーガ式除雪機の側面図。
【図2】同除雪機の平面図。
【図3】同除雪機の背面図。
【図4】図1の4−4線断面図。
【図5】図1の5−5線断面図。
【図6】図5の6−6線断面図。
【図7】図1の7−7線断面図。
【図8】図7の8−8線断面図。
【図9】図3の9−9線断面図。
【図10】本発明の第2実施例に係るドーザ式除雪機の側面図。
【符号の説明】
1・・・・除雪機
2・・・・機体
4・・・・パワーユニット
5・・・・除雪部
6・・・・操向ハンドル
21・・・車輪駆動軸
30・・・走行部
31・・・駆動輪
45・・・伸縮機構
46・・・摺動軸受け
47・・・オイルシール
48・・・シリンダ
49・・・第1室
50・・・第2室
51・・・ピストン
51a・・ピストンの第1端面(上端面)
51b・・ピストンの第2端面(下端面)
52・・・ピストンロッド
55・・・開閉弁
60・・・連通路
61・・・高圧気体
62・・・オイル
G・・・・機体の重心
Ma,Mb・・・モーメント
Claims (3)
- 前部に除雪部(5)を,後部に操向ハンドル(6)を,中間部にパワーユニット(4)をそれぞれ設けた機体(2)と,前記パワーユニット(4)の車輪駆動軸(21)により駆動される駆動輪(31)を有すると共に,前記車輪駆動軸(21)周りに前記機体(2)と相対回動し得る走行部(30)と,前記機体(2)及び走行部(30)間に介裝されて,該走行部(30)に対する前記除雪部(5)の高さを調整し得る伸縮機構(45)とを備え,その伸縮機構(45)を,前記機体(2)及び走行部(30)の一方に連結されるシリンダ(48)と,このシリンダ(48)内に摺動可能に嵌装されて,その内部を第1室(49)及び第2室(50)に区画するピストン(51)と,このピストン(51)に結合され,前記第2室(50)を貫通して前記機体(2)及び走行部(30)の他方に連結されるピストンロッド(52)と,前記第1室(49)及び第2室(50)間を連通する連通路(60)と,この連通路(60)を任意に開閉し得る開閉弁(55)とで構成した除雪機において,
前記ピストン(51)の第1室(49)の臨む第1端面(51a)を,該ピストン(51)の第2室(50)に臨む第2端面(51b)より広く設定すると共に,これら第1及び第2室(49,50)に高圧気体(61)を充填し,前記開閉弁(55)の開弁時には,前記シリンダ(48)及びピストンロッド(52)相互の伸縮を可能とすべく前記高圧気体(61)の前記連通路(60)での流通を許容し,該開閉弁(55)の閉弁時には,前記連通路(60)での高圧気体(61)の流通を阻止して,第1及び第2室(49,50)での高圧気体(61)の膨縮を許容するようにしたことを特徴とする,除雪機。 - 請求項1記載の除雪機において,
前記機体(2)の重心(G)を前記車輪駆動軸(21)の後方に配置すると共に,前記伸縮機構(45)を前記車輪駆動軸(21)の後方で前記機体(2)及び走行部(30)間に介裝し,前記機体(2)の自重による前記車輪駆動軸(21)周りのモーメント(Ma)と,前記高圧気体(61)の前記第1及び第2端面(51a,51b)に及ぼすスラストの差による前記機体(2)の前記車輪駆動軸(21)周りのモーメント(Mb)とを略釣り合わせたことを特徴とする,除雪機の除雪部高さ調整装置。 - 請求項1又は2記載の除雪機において,
前記第2室(50)が第1室(49)の下方にくるように伸縮機構(45)を配置して,前記シリンダ(48)の下端部に,前記ピストンロッド(52)が摺動自在に貫通する摺動軸受け(46)及びオイルシール(47)を設け,前記第2室(50)の底部に,油面が前記高圧気体(61)に接するオイル(62)を貯留したことを特徴とする,除雪機。
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Family Applications (1)
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-
1999
- 1999-07-08 JP JP19440199A patent/JP3626636B2/ja not_active Expired - Lifetime
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