JP3626236B2 - モータ用油圧回路 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、油圧ポンプから吐出された油によって油圧モータを作動させるモータ用油圧回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
油圧ポンプや油圧モータが作動すると、これらの吸込・吐出機構の回転部や摺動部等の機械的摩擦により熱が発生する。そして、発生した熱によって油圧ポンプや油圧モータが過熱状態になると、その油圧ポンプ等の性能や耐久性が悪化するおそれがある。
ただし、例えば、油圧ポンプ等が低速で回転して発熱量が小さい場合には、吸込・吐出機構により吸い込まれ吐き出される(即ち、吸込・吐出機構内を流通する)油が油圧ポンプ等において発生した熱の多くを吸収して外部に運ぶことができるため、油圧ポンプ等が過熱状態になることがある程度抑えられる。
なお、熱を吸収して温度が上昇した油は、オイルタンクに戻ったとき等において放熱し、適温に維持される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、油圧ポンプや油圧モータの作動が停止した後は、吸込・吐出機構内を油が流通しなくなるので、発熱したポンプ等の冷却がなかなか進まないという問題がある。また、例えば、油圧ポンプや油圧モータが高速で回転して発熱量が大きくなると、吸込・吐出機構内を流通する油による熱の吸収だけでは油圧ポンプ等が過熱状態となるのを防止することが困難になるという問題もある。この場合、油圧ポンプから吐出された油の一部を油圧モータには供給せず、油圧ポンプや油圧モータの冷却専用に使用することも考えられるが、これでは、油圧モータの駆動効率が悪くなってしまう。
一方、ポンプとモータとの間で油が循環する油圧閉回路の場合は、オイルタンクに戻されて放熱する開回路に比べて放熱量が小さくなり易いため、吸込・吐出機構内を流通する油による冷却効果も多くは望めない。したがって、特に、ポンプやモータが高速回転する場合は、特別の冷却回路が必要となる。但し、そのような冷却回路はできるだけ構成を簡単にすることが望ましい。
【0004】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、作動停止後や高速作動中においても油圧ポンプや油圧モータを迅速且つ十分に冷却できるとともにモータの作動に影響が出ないようにすることができ、しかもできるだけ冷却用の回路構成が簡単なモータ用油圧回路を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段および作用】
上記の目的を達成するために、本発明では、油圧ポンプおよび油圧モータに、これらの吸込・吐出機構を冷却する冷却用油路を形成し、制御バルブによって油圧モータに対する油の供給が停止されているときは、油圧ポンプから吐出された油を制御バルブを通じて冷却油供給路に供給し、制御バルブによって油圧モータに対する油の供給が行われているときは、油圧モータから吐出された油を制御バルブを通じて冷却油供給路に供給するようにしている。
【0006】
このようなモータ用油圧回路によれば、制御バルブによりモータへの油の供給が停止したときには、ポンプから吐出された油がそのまま冷却油としてポンプおよびモータに供給される。このため、吸込・吐出機構内に油が流通しているポンプはもちろん、吸込・吐出機構内に油が流通してしていないモータも、上記冷却油によって迅速に冷却される。また、制御バルブによりモータへの油の供給が行われているときは、ポンプから吐出された油が冷却用の油としてポンプおよびモータの冷却用油路に供給される。このため、モータの作動に影響を与えることなくポンプ等を冷却することができるとともに、吸込・吐出機構内を流通する油の冷却効果と相まって効率良くポンプ等を冷却することができる。
【0009】
【実施例】
以下、本発明の好ましい実施例について図面を参照しながら説明する。
(実施例1)
図2〜図4には、本発明に係るモータ用回路に用いられる油圧ポンプ1を示している。なお、以下の説明における上下左右は、それぞれの説明に用いている図面での上下左右をいうものとする。この油圧ポンプ1は、ケーシング2を有しており、このケーシング2の開口端(図3および図4における右端)には、ここを塞ぐようにポートブロック3が取り付けられている。ポートブロック3には、図4に示すように、このポートブロック3の外周および左端面において開口する吸入ポート3aおよび吐出ポート3bが形成されている。
【0010】
また、図3に示すように、入力軸4がケーシング2およびポートブロック3のほぼ中央を貫通するよう配設されており、且つ回転自在に支持されている。入力軸4の軸方向中間部(ケーシング2の内部)には、シリンダブロック5が入力軸4と一体回転可能に結合されている。このシリンダブロック5には、回転軸回り等間隔に複数のシリンダ孔5aが形成されており、各シリンダ孔5a内には、その左端開口からプランジャ6が軸方向に移動自在に挿入されている。また、各シリンダ孔5aの底部には、シリンダブロック3の右端面において開口する連結ポート5bが形成されている。
さらに、ケーシング2およびポートブロック3により囲まれた空間内におけるシリンダブロック5の軸方向一端側(図3および図4では右側)には弁板7が配設されており、軸方向他端(図3および図4では左側)には斜板8が配設されている。
【0011】
弁板7はポートブロック3に固定されており、この弁板7には、図4に示すように、吸入ポート3aに連通する流入ポート7aおよび吐出ポート3bに連通する流出ポート(図示しないが、「7b」とする)とが形成されている。そして、この弁板7の左端面には、シリンダブロック5の右端面が摺接し、流入および流出ポート7a、7bは、それぞれ対向する位置に位置した連結ポート5bに連通する。
【0012】
斜板8は、入力軸2を囲むよう円環状に形成配置され、図3から分かるように、ケーシング2に傾動可能に支持されている。斜板8におけるシリンダブロック5に面する面には、ここを周方向に滑動自在なシュー11が複数取り付けられており、各シュー11には各プランジャ6が連結されている。このため、入力軸2とともにシリンダブロック5が回転すると、シュー11も斜板8に案内されながら回転駆動される。そして、斜板8の傾斜に応じてプランジャ6が往復動され、シリンダ孔5aに油を流入させる工程と排出させる工程とが繰り返される。こうして、吸入ポート3aおよび流入ポート7aからの油の吸入および流出ポート7bおよび吐出ポート3bへの油の吐出がなされる。
なお、シリンダブロック5、プランジャ6および弁板7は、請求の範囲にいう「吸込・吐出機構」に相当し、以下の説明においてもこれらをまとめて吸込・吐出機構と称する。
【0013】
なお、図3に示すように、斜板8の一端は、斜板8の回転軸に対する傾斜角度が大きくなる方向にバネ18によって付勢され、一方、斜板8の他端には、外部から斜板8の傾動角度を制御するためのロッド12が連結されている。このロッド12を介して斜板8の傾動角度を変化させることにより、プランジャ6のシリンダ孔5a内でのストロークを変化させて、油の吐出量を変化させることができる。
【0014】
ところで、図2および図4から分かるように、ケーシング2における軸方向中間部の下部には、このケーシング2と吸込・吐出機構との間の空間(請求の範囲にいう「冷却用油路」に相当する:以下、ケース内空間という)2cに連通するポート(以下、冷却油供給ポートという)2dが形成されている。また、図2に示すように、ケーシング2の向かって左側の側面の一部は、外方に膨らんで且つ回転軸と平行に延びるように(以下、ここを膨らみ部分2aという)形成されており(この膨らみ部分2aの内部には上記バネ18が収容されている)、この膨らみ部分2aにおける軸方向中間部の上部には、ケース内空間2cに連通するポート(以下、冷却油排出ポートという)2eが形成されている。
【0015】
また、図2および図4に示すように、ケーシング2の上部には、このポンプを駆動する動力源(図示せず)の出力に応じてポンプの出力を制御するためのソレノイドバルブ20が取り付けられており、このソレノイドバルブ20のハウジングはケース内空間2cと繋がっている。そして、ソレノイドバルブ20のハウジングの上部には、このハウジング内の空間およびケース内空間2cに繋がるポート(冷却油排出ポート)20aが形成されている。
【0016】
次に、このように形成された油圧ポンプ1を用いた油圧回路について図1を用いて説明する。この油圧回路は、上記油圧ポンプ1と、これと同様に(但し、斜板8を傾動させる機構のない定吐出量タイプとして)構成された油圧モータ1′と、この油圧モータ1′への油の供給を制御する制御バルブ30とを有している。なお、油圧モータ1′も、油圧ポンプ1と同様に吸入および吐出ポート、ケース内空間および冷却油供給・排出ポートを有しており、以下の油圧モータ1′の説明においては、油圧ポンプ1と同様の構成部分については図面上該当する番号に「′」を付けて表すものとする。
【0017】
上記油圧ポンプ1の吸入ポート3aにはオイルタンク35に繋がる吸入油路31が接続され、同吐出ポート3bにはメイン供給油路32が接続されている。また、吐出油路32からはオイルタンク35に繋がるタンク油路33が分岐している。このタンク油路33の中間には冷却油リリーフバルブ45が設けられている。この冷却油リリーフバルブ45は、タンク油路33においてこのバルブ45よりも上流の部分33aの油圧が所定のリリーフ圧を超えたときに限りタンク油路33を開通させる。
【0018】
また、上記上流部分33a(但し、後述する制御バルブ30よりも下流)からは、油圧ポンプ1の冷却油供給ポート2dに繋がる第1冷却油供給油路41と、油圧モータ1′のケーシングの下部に設けられた冷却油供給ポート2d′に繋がる第2冷却油供給油路42とが分岐している。なお、第1冷却油供給油路41には、モータ1′から吐出された油を流入させるためのメイン排出油路36が接続されており、また、第1冷却油供給油路41とメイン供給油路32との間には、リリーフ油路37が接続されており、このリリーフ油路37には、メイン供給油路32の油圧が所定のリリーフ圧(但し、冷却油リリーフバルブ45のリリーフ圧よりも高圧)に達したときにこのリリーフ油路37を開通させるメインリリーフバルブ38が設けられている。さらに、油圧ポンプ1の冷却油排出ポート2e、20aおよび油圧モータ1′のケーシングの上部に設けられた冷却油排出ポート2e′にはオイルタンク35に繋がる冷却油排出油路43が接続されている。
【0019】
一方、油圧モータ1′の吸入および吐出ポート3a′,3b′(モータの回転方向によっていずれのポートが吸入側・吐出側になるか異なる)には、それぞれモータ油路34が接続されている。
【0020】
制御バルブ30は、3位置切換弁であり、スプールが中立位置に位置するときは、メイン供給油路32、メイン排出油路36および両モータ油路34を閉止する。これにより、油圧ポンプ1から吐出された油は、油圧モータ1′の吸込・吐出機構内には供給されず、油圧モータ1′は回転しない。また、スプールが上動位置に位置するときは、メイン供給油路32をポート3b′に繋がるモータ油路34に接続し、メイン排出油路36をポート3a′に繋がるモータ油路34に接続する。これにより、油圧ポンプ1から吐出された油は、油圧モータ1′の吸込・吐出機構内をポート3b′からポート3a′に向かって流れ、油圧モータ1′は正転方向に回転する。さらに、スプールが下動位置に位置するときは、メイン供給油路32をポート3a′に繋がるモータ油路34に接続し、メイン排出油路36をポート3b′に繋がるモータ油路34に接続する。これにより、油圧ポンプ1から吐出された油は、油圧モータ1′の吸込・吐出機構内をポート3a′からポート3b′に向かって流れ、油圧モータ1′は逆転方向に回転する。
【0021】
また、制御バルブ30は、タンク油路33の開閉手段としても用いられている。即ち、スプールが中立位置に位置するときにタンク油路33を開通させて、油圧ポンプ1から吐出された油を上流部分33aに流し、スプールが上動位置および下動位置に位置するときは、タンク油路33を閉止する。
【0022】
このように構成されたモータ用油圧回路においては、切換バルブ30のスプールが中立位置にあるときは、上述したように油圧ポンプ1から吐出された油は制御バルブ30を通ってタンク油路33の上流部分33aに供給される。但し、ここには、冷却油リリーフバルブ45が設けられているため、この上流部分33a内の油圧が冷却油リリーフバルブ45のリリーフ圧を超えない限り、上流部分33aに供給された油は第1および第2冷却油供給油路41、42と、ポンプ1およびモータ1′のケース内空間2c、2c′とを通って冷却油排出油路43に流れる。
【0023】
一方、スプールが上動位置又は下動位置に位置するときは、上述のように油圧ポンプ1から吐出された油は油圧モータ1′の吸込・吐出機構内に供給され、油圧モータ1′を駆動する。さらに、油圧モータ1′の吸込・吐出機構から吐出(排出)された油は、制御バルブ30およびメイン排出油路36を通じて第1冷却油供給油路41に流入する。そして、上記冷却油リリーフバルブ45の存在により、この第1冷却油供給油路41に流入した油の一部(例えば、半分)は、油圧ポンプ1のケース内空間2cに供給され、残りはタンク油路33および第2冷却油供給油路42を通って油圧モータ1′のケース内空間2c′に供給される。
【0024】
こうして、冷却油供給ポート2d、2d′からケース内空間2c、2c′に流入した油は、冷却油排出ポート2e、20a、2e′に向かって流れながら吸込・吐出機構の外周から熱を吸収してこれを冷却し、冷却油排出油路43を通じてオイルタンク35に戻される。このため、制御バルブ30が中立位置にあるときには、吸込・吐出機構内を油が流通している油圧ポンプ1はもちろん、吸込・吐出機構内を油が流通していない油圧ポンプ1′も、各ケース内空間2c,2c′に供給された油によって迅速に冷却される。一方、制御バルブ30が上動又は下動位置にあるときには、吸込・吐出機構内を流通する油の冷却効果とケース内空間2c,2c′に供給された油の冷却効果とによって油圧ポンプ1および油圧モータ1′が効率良く冷却される。しかも、ケース内空間2c,2c′に供給される油は、一旦油圧モータ1′を駆動するために用いられたものである。このため、ケース内空間2c,2c′への油の供給がモータ1′の駆動効率が低下することがない。
【0025】
なお、第1冷却油供給油路41におけるメイン排出油路36およびリリーフ油路37の接続位置よりもポンプ1に近い位置と、第2冷却油供給油路42とには、流量を制限する絞り41a、42aがそれぞれ設けられている。このため、ケース内空間2c、2c′に流入する油の流量はほぼ一定に維持され、ケース内空間2c、2c′の圧力変動が抑えられる。また、各ケース内空間2c、2c′内には、吸込・吐出機構の内部から油が漏れ出すが、この漏れ油は各冷却油供給油路41、42から各ケース内空間2c、2c′に流入した油と一緒に、冷却油排出油路43を通ってタンク35に戻る。即ち、冷却油排出油路43は、吸込・吐出機構の内部から漏れ出た油のドレン用油路を兼ねる。逆に言えば、従来設けられているドレン用油路を冷却油排出油路43として利用している。したがって、従来に比べて油路構成を複雑化させずに済む。
【0026】
また、冷却油供給ポート2d、2d′はケース内空間2c、2c′の下部に形成され、しかも冷却油排出ポート2e、20a、2e′はケース内空間2c、2c′の上部に形成されているため、これらが上下逆に設けられている場合に比べてケース内空間2c、2c′の大きい部分を油で満たすことができる。したがって、吸込・吐出機構の冷却も効率良く行われる。また、油中に混入しているエアもケース内空間2c、2c′から排出させ易いという利点もある。
【0027】
(実施例2)
図5には、本発明に係るものではないが、モータ用油圧回路の第2の実施例を示している。このモータ用油圧回路では、油圧ポンプ51と、油圧モータ51′とを用いて油圧閉回路52を構成している。なお、油圧ポンプ51および油圧モータ51′は、実施例1で説明した油圧ポンプおよび油圧モータと同様のプランジャポンプおよびモータであり、ケーシング内にはケース内空間(冷却油供給路)を有する。
【0028】
この油圧閉回路52は、油圧ポンプ51の2つの吸入・吐出ポートのうち一方と、油圧モータ51′の2つの吸入・吐出ポートのうち一方とを繋ぐ第1メイン油路53と、他方の吸入・吐出ポート同士を繋ぐ第2メイン油路54とを有する。第1メイン油路53と第2メイン油路54との間には、これらのうち一方の油圧が所定のリリーフ圧よりも高くなったときに、この一方の油路の油を他方に逃がすメインリリーフバルブ55を有したリリーフ油路56が2本並列に接続されている。
【0029】
このように構成された油圧閉回路52においては、油圧ポンプ51を図示しない動力源によって駆動すると、油圧ポンプ51の吸込・吐出機構から吐出された油が一方のメイン油路を通って油圧モータ51′の吸込・吐出機構に供給される。これにより、油圧モータ51′が回転駆動される。そして、油圧モータ51′の吸込・吐出機構から吐出された油は、他方のメイン油路を通って油圧ポンプ51の吸込・吐出機構に戻される。こうして、油圧ポンプ51と油圧モータ51′との間で油が循環するようになっているため、油圧ポンプ51の回転方向を切り換える(油圧ポンプ51の斜板の回転軸に対する傾斜方向を変える)ことにより、油圧モータ51′の回転方向の正逆切換えを行うことができる。したがって、上記実施例1に示した油圧回路のように制御バルブを設ける必要がない。また、油圧ポンプ51の斜板の傾動角度を制御することにより、油圧ポンプ51′の回転数を制御することができる。
【0030】
また、油圧閉回路52の外部には、チャージポンプ61が設けられており、このチャージポンプ61の吐出ポートにはチャージ油路62が接続されている。チャージ油路62は2つに分岐しており、一方の分岐油路62aは第1メイン油路53に繋がり、他方の分岐油路62bは第2メイン油路54に繋がっている。各分岐油路62a、62bには、チェックバルブ63、64が設けられている。これらチェックバルブ63、64は、それぞれが繋がるメイン油路内に流入する方向にのみ油の流れを許容する。
【0031】
さらに、チャージ油路62からはオイルタンク65に繋がるタンク油路66が分岐している。このタンク油路66には、チャージリリーフバルブ67と冷却油リリーフバルブ75とが直列に配設されている。チャージリリーフバルブ67は、チャージ油路62内の油圧が所定のチャージリリーフ圧を超えたときにタンク油路66を開通させる。また、冷却油リリーフバルブ75は、タンク油路66におけるこのバルブ75よりも上流の部分66aの油圧が所定のリリーフ圧(チャージリリーフ圧よりも低い圧)を超えたときに、タンク油路66を開通させる。
【0032】
そして、タンク油路66におけるチャージリリーフバルブ67と冷却油リリーフバルブ75との間からは冷却油供給油路71が分岐している。この冷却油供給油路71はさらに2つに分岐しており、そのうち一方の分岐油路71aは、油圧ポンプ51のケース内空間に繋がっており、他方の分岐油路71bは油圧モータ51′のケース内空間に繋がっている。また、各ケース内空間には、オイルタンク65に繋がる冷却油排出油路73が繋がっている。
【0033】
このように構成されたモータ用油圧回路においては、チャージポンプ61が駆動されると、チャージポンプ61から吐出された油が、閉回路52における2つのメイン油路53、54のうち低圧側(即ち、油圧ポンプ51の吸入側のポートに繋がる側)のメイン油路に補給される。これにより、低圧側のメイン油路内の油圧がある程度高く維持され、これが負圧になるのが防止される。また、同時に、作動中の油圧ポンプ51や油圧モータ51′の吸込・吐出機構から漏れた分の油も補給される。
【0034】
さらに、チャージポンプ61から吐出された油のうち上記閉回路53への補給用として使用された余りの油が、冷却用の油としてタンク油路66の上流部分66aに供給される。但し、この上流部分66aには、冷却油リリーフバルブ75が設けられているため、この上流部分66a内の油圧が冷却油リリーフバルブ75のリリーフ圧を超えない限り、上流部分66aに供給された油は、冷却油供給油路71と油圧ポンプ51および油圧モータ51′のケース内空間とを通って冷却油排出油路73に流れる。
【0035】
こうして、ケース内空間に流入した油は、吸込・吐出機構の外周から熱を吸収してこれを冷却する。このため、吸込・吐出機構内を流通する油の冷却効果とケース内空間に供給された油の冷却効果と相まって油圧ポンプ51および油圧モータ51′が効率良く冷却される。しかも、ケース内空間に流入させる油専用のポンプを設けていないため、構成が簡単である。
【0036】
なお、冷却油供給油路71には、流量を制限する絞り71cが設けられている。このため、各ケース内空間に流入する油の流量はほぼ一定に維持され、各ケース内空間の圧力変動が抑えられる。また、各ケース内空間内には、吸込・吐出機構の内部から油が漏れ出すが、この漏れ油は冷却油供給油路71から各ケース内空間に流入した油と一緒に、冷却油排出油路73を通ってタンク35に戻る。即ち、冷却油排出油路63は、吸込・吐出機構の内部から漏れ出た油のドレン用油路を兼ねている。逆に言えば、従来設けられているドレン用油路を冷却油排出油路63として利用している。したがって、従来に比べて油路構成を複雑化させずに済む。
【0037】
なお、上記2つの実施例においては油圧ポンプおよび油圧モータとしてプランジャポンプおよびモータを用いた場合について説明したが、本発明のモータ用油圧回路に使用するポンプ等はこれに限られるものではない。また、上記各実施例において説明した冷却油リリーフバルブ45、75は、同じ機能を有するチェックバルブに変更してもよい。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る第1のモータ用油圧回路では、制御バルブによって油圧モータに対する油の供給が停止されているときは、油圧ポンプから吐出された油をこの制御バルブを通じて冷却油供給路に供給するようにしている。このため、このモータ用油圧回路を用いれば、吸込・吐出機構内に油が流通している油圧ポンプはもとより、制御バルブの切換えによって吸込・吐出機構内の油の流通がストップしたモータについても、各冷却用油路に供給した油によって迅速に冷却することができる。また、本モータ用油圧回路では、制御バルブによって油圧モータに対する油の供給が行われているときは、油圧モータから吐出された油をこの制御バルブを通じて冷却油供給路に供給するようにしている。このため、このモータ用油圧回路を用いれば、ポンプおよびモータの作動中にこのモータの作動に影響を与えることなく、ポンプおよびモータを冷却することができ、しかも、吸込・吐出機構内を流通する油の冷却効果と相まってポンプ等を効率良く冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るモータ用油圧回路の回路図である。
【図2】上記モータ用油圧回路に用いる油圧ポンプの正面図である。
【図3】図2においてIII−III線で切断した場合の断面図である。
【図4】図2においてIV−IV線で切断した場合の断面図である。
【図5】本発明に係るモータ用油圧回路の第2実施例の回路図である。
【符号の説明】
1,51 油圧モータ
1′,51′ 油圧ポンプ
2c ケース内空間(冷却用油路)
30 制御バルブ
52 油圧閉回路
61 チャージポンプ
Claims (1)
- 油圧ポンプおよび油圧モータと、前記油圧ポンプから吐出された油の前記油圧モータに対する供給を制御する制御バルブとを有したモータ用油圧回路であって、
前記油圧ポンプおよび前記油圧モータに、これらの吸込・吐出機構を冷却するための冷却用油路を形成し、
前記制御バルブによって前記油圧モータに対する油の供給が停止されているときは、前記油圧ポンプから吐出された油を前記制御バルブを通じて前記冷却用油路に供給し、
前記制御バルブによって前記油圧モータに対する油の供給が行われているときは、前記油圧モータから吐出された油を前記制御バルブを通じて前記冷却用油路に供給するようにしたことを特徴とするモータ用油圧回路。
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