JP3625573B2 - 椅子型マッサージ機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被施療者が腰掛けてマッサージを受ける椅子型マッサージ機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
人の肩、腰等を押圧、刺激して凝りを解消する様々なマッサージ機器が知られている。これら機器を形式で分類すると、椅子型、ベッド型、ハンディ型が挙げられ、患部への作用形態では、指圧型、振動型、電気刺激型を挙げることができる。
これら機器の中でも、特に図7に示すような椅子型のマッサージ機(90)が普及している。このマッサージ機(90)は、マッサージを受ける人(以下「被施療者」という)の腰掛ける椅子(91)の背凭れ(92)から前方へ一対の施療指(95)(95)が突出している。施療指(95)は、施療指を駆動するモータ(図示せず)に連繋されたアーム(93)と、該アーム(93)の先端に配備され、被施療者の患部に接触する接触部(94)とから構成される。モータの駆動により、施療指(95)(95)が上下方向の叩き動作、横方向の揉み動作等を行なって、被施療者にマッサージを施す。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記マッサージ機(90)では、被施療者の患部、特に背中、腰をマッサージする際に、被施療者に当る接触部(94)の押圧面積を変えることができない。つまり、接触部(94)から局部的に加えられる押圧力を、所望強さの押圧力となるように、強めたり、弱めたりすることができなかった。
【0004】
本発明の目的は、接触部から被施療者に加えられる押圧力を、所望強さとなるように集中または分散させてマッサージを行なうことのできる椅子型マッサージ機を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、椅子(14)の背凭れ(17)から前方に向けて突出した上下一対のアーム(47)(47)の先端に、被施療者(15)の患部に当ってマッサージを行なう接触部(70)(70)を夫々具えた施療指(46)(46)と、アーム(47)(47)に連繋され上下の接触部(70)(70)を接近及び離間駆動させる施療指駆動部(45)を具えたマッサージ装置(10)(11)を、背凭れ(17)の左右に1基ずつ具えた椅子型マッサージ機であって、両マッサージ装置(10)(11)は、左右方向に互いに接近離間させる接近離間駆動部(39)に連繋され、上下の接触部(70)(70)を接触させた状態で、マッサージ装置 (10)(11) を左右方向に往復移動させることにより強めのマッサージを施し、且つ上下の接触部 (70)(70) を離間させた状態で、マッサージ装置 (10)(11) を左右方向に往復移動させることにより、弱めのマッサージを施すようにする。
また、マッサージ装置(10)は、背凭れ(17)に配備された昇降機構(22)に連繋されて、背凭れ(17)内部を上下動可能となっており、施療指駆動部(45)により、接触部(70)(70)を接触させた状態でマッサージ装置 (10) を上下動させることにより、強めのマッサージを施し、且つ、接触部 (70)(70) を離間させた状態でマッサージ装置 (10) を上下動させることにより、弱めのマッサージを施すようにする。
【0006】
【作用】
マッサージ装置(10)(11)の各接触部(70)(70)どうしを接触させた状態でマッサージを行なうと、接触部(70)(70)から被施療者(15)の患部に加えられる押圧力が、夫々1点に集中するため、強めのマッサージを受けることができる。
また、接触部(70)(70)どうしを離間させた状態でマッサージを行なうと、接触部(70)(70)から患部に加えられる押圧力が、各接触部(70)(70)に分散されるため、弱めのマッサージを受けることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例について説明する。以下では、図1の矢印F方向を前側とする。
マッサージ機(12)の椅子(14)は、図1に示す如く、被施療者(15)が腰掛ける座面(16)と、該座面(16)の後部から上方に向けて形成された背凭れ(17)とから構成され、背凭れ(17)に一対のマッサージ装置(10)(11)を上下動可能且つ左右に接近離間可能に配備している。
【0008】
まず、マッサージ装置(10)(11)を上下に移動させる昇降機構(22)について説明する。
椅子(14)の背凭れ(17)の内部には、図1及び図2に示す如く、被施療者(15)の背中(具体的には背骨)の形状に合せて屈曲した一対のガイドレール(20)(20)が、縦向きにして左右に平行に設けられている。該ガイドレール(20)(20)には、後述するマッサージ装置昇降案内用のガイドローラ(21)(21)が夫々嵌められ、マッサージ装置(10)(11)は、ガイドレール(20)(20)に沿って上下に移動可能となっている。
各ガイドレール(20)(20)の後方には、マッサージ装置(10)(11)を上下に移動させる無端状周回チェーン(23)(23)が左右に夫々配備されている。各チェーン(23)は、背凭れ内の上部と下部に回動可能に設けられたスプロケット(24)(25)に噛合しており、チェーン(23)の一部は、後述するマッサージ装置を保持する支持ブロック(26)に繋がれている。
下側のスプロケット(25)の軸(27)は、減速機構(28)を介して、チェーン駆動モータ(29)に連繋されており、チェーン駆動モータ(29)の正・逆回転により、マッサージ装置(10)(11)をガイドレール(20)(20)に沿って上下に移動させることができる。
【0009】
次にマッサージ装置(10)(11)について説明する。
マッサージ装置(10)(11)は、被施療者(15)の上体の右側、左側に夫々マッサージを施すことができるように、左右に1基ずつ設けられ、これらマッサージ装置(10)(11)は、所定距離離間した状態で配備された支持ブロック(26)(26)間で、以下の構成の接近離間駆動部(39)によって接近及び離間可能となっている。
各支持ブロック(26)の外側面には、夫々前記ガイドレール(20)に嵌まるガイドローラ(21)(21)が回転可能に設けられ、また、前記チェーン(23)の一部がチェーン固定具(30)に固定されている。
支持ブロック(26)(26)の下面は、支持ブロック同士を所定距離離間した状態で保持する保持板(31)に固定されており、支持ブロック(26)(26)には、図3に示す如く、平行に配備された2本のガイド軸(33)(34)と支持軸(35)の各端部を固定支持している。
ガイド軸(33)(34)は、同一水平面内に配備される。以下では、後側のガイド軸(33)を右用ガイド軸、前側のガイド軸(34)を左用ガイド軸と呼ぶ。支持軸(35)は、左用ガイド軸(34)よりも前方上側に配備される。
【0010】
右用及び左用ガイド軸(33)(34)には、対向する向きに歯の刻まれた右用ラック(37)及び左用ラック(38)がスライド可能に嵌められており、これらラック(37)(38)の歯には、保持板(31)に固定された接近離間用モータ(40)のピニオン(41)が同時に噛合している。
接近離間用モータ(40)を正転させると、ラック(37)(38)が中央に向けて移動し、該モータ(40)を逆転させると、右用ラック(37)が右向きに、左用ラック(38)が左向きに移動する。
【0011】
右用ラック(37)には、被施療者(15)の右上半身にマッサージを施すマッサージ装置(10)が配備され、左用ラック(38)には左上半身にマッサージを施すマッサージ装置(11)が配備される。以下では、右側のマッサージ装置(10)についてのみ説明を行なうが、左側のマッサージ装置(11)も同様の構成を具えている。
【0012】
右上半身をマッサージするマッサージ装置(10)は、図4に示す如く、右用ラック(37)に固定されたケーシング(43)に上下に一対の施療指(46)(46)を具えている。
ケーシング(43)は、その下面が右用ラック(37)上面に固定され、該ケーシング(43)の前部には、前述の支持軸(35)がスライド可能に貫通している。
施療指(46)は、図4に示す如く、被施療者(15)の患部に当ってマッサージを施す厚手の円板状接触部(70)と、該接触部(70)を先端に具えたアーム(47)とから構成される。マッサージ装置(10)のケーシング(43)には、一対の施療指(46)(46)のアーム(47)(47)が軸(44)(44)によって、同一垂直面内にて回動可能に所定の開き角度を存して上下に枢支され、アーム(47)(47)の先端はケーシング(43)の前面開口から突出し、アーム(47)(47)の基端には、枢支部分を中心に刻まれた部分歯車(51)(51)が形成されている。
ケーシング(43)の内部には、施療指(46)(46)を垂直面内で揺動させる施療指駆動部(45)が配備される。施療指駆動部(45)は、施療指駆動モータ(64)を具えており、施療指駆動モータ(64)の回転軸にはウォームギア(65)が嵌められ、該ギア(65)は、ケーシング(43)に軸支されたウォームホイール(67)に噛合している。ウォームホイール(67)には中間歯車Aが一体に設けられており、該中間歯車Aに、上側のアーム(47)の部分歯車(51)が噛合している。また、中間歯車Aには、ケーシング(43)に軸支された中間歯車Bが噛合しており、中間歯車Bに、下側のアーム(47)の部分歯車(51)が噛合している。
【0013】
施療指駆動モータ(64)を一定時間毎に正・逆を切換えて駆動すると、各歯車を介して施療指(46)(46)が、各枢支部分を中心に揺動し、接近及び離間動作を行なう。
【0014】
左側のマッサージ装置(11)は、右側のマッサージ装置(10)と同様の構成であって、ケーシング(43)の下面が左用ラック(38)の上面に固定されている。
【0015】
上記構成のマッサージ機(12)の動作について説明する。
強めのマッサージを行なう場合
各マッサージ装置(10)(11)から被施療者(15)に加えられる押圧力を、図5に示す如く、夫々1点に集中させると、強めのマッサージを行なうことができる。そこで、各マッサージ装置(10)(11)の施療指駆動モータ(64)(64)を駆動して、上下の接触部(70)(70)を接触させる。
上下の接触部(70)(70)が接触した状態で、接近離間用モータ(40)の正・逆回転を繰り返し、マッサージ装置(10)(11)を左右方向に接近/離間させると、強めの横揉みを行なうことができる。
また、上下の接触部(70)(70)が接触した状態で、チェーン駆動モータ(29)の正・逆回転を行なうと、マッサージ装置(10)(11)がガイドレール(20)(20)に沿って上下に移動し、強めの背筋伸ばしを行なうことができる。
【0016】
弱めのマッサージを行なう場合
各マッサージ装置(10)(11)から被施療者(15)に加えられる押圧力を、図6に示す如く、夫々2点に分散すると、弱めのマッサージを行なうことができる。そこで、各マッサージ装置(10)(11)の施療指駆動モータ(64)(64)を駆動して、上下の接触部(70)(70)を離間させる。接触部(70)(70)どうしの離間距離は、被施療者(15)によって決定される。
上下の接触部(70)(70)が離間した状態で、接近離間用モータ(40)またはチェーン駆動モータ(29)を正・逆回転することにより、弱めの横揉みまたは背筋伸ばしを行なうことができる。
【0018】
【発明の効果】
各マッサージ装置(10)(11)の上下の施療指(46)(46)の接触部(70)(70)を、接触させた状態で被施療者の患部に沿って移動させると、被施療者(15)の患部に集中した押圧力が加わり、強めのマッサージを行なうことができる。また、上下の接触部(70)(70)を離間させると、患部に加わる押圧力が分散されるため、弱めのマッサージを行なうことができる。接触部(70)(70)の接触及び離間は、被施療者(15)の好みに応じて制御することができるから、被施療者(15)は、好みの強さのマッサージを受けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】椅子型マッサージ機の断面図である。
【図2】図1の線X−Xに沿う矢視断面図である。
【図3】マッサージ装置を後から視た斜視図である。
【図4】図3のマッサージ装置の線Y−Yに沿う断面図である。
【図5】上下の接触部を接触させて、強めのマッサージを行なっているマッサージ装置を示す図である。
【図6】上下の接触部を離間させて、弱めのマッサージを行なっているマッサージ装置を示す図である。
【図7】従来の椅子型マッサージ機の斜視図である。
【符号の説明】
(10) マッサージ装置
(11) マッサージ装置
(12) マッサージ機
(15) 被施療者
(46) 施療指
(47) アーム
(70) 接触部

Claims (2)

  1. 椅子(14)の背凭れ(17)から前方に向けて突出した上下一対のアーム(47)(47)の先端に、被施療者(15)の患部に当ってマッサージを行なう接触部(70)(70)を夫々具えた施療指(46)(46)と、アーム(47)(47)に連繋され上下の接触部(70)(70)を接近及び離間駆動させる施療指駆動部(45)を具えたマッサージ装置(10)(11)を、背凭れ(17)の左右に1基ずつ具えた椅子型マッサージ機であって、
    両マッサージ装置(10)(11)は、左右方向に互いに接近離間させる接近離間駆動部(39)に連繋され、上下の接触部(70)(70)を接触させた状態で、マッサージ装置 (10)(11) を左右方向に往復移動させることにより強めのマッサージを施し、且つ上下の接触部 (70)(70) を離間させた状態で、マッサージ装置 (10)(11) を左右方向に往復移動させることにより、弱めのマッサージを施すようにしたことを特徴とする椅子型マッサージ機。
  2. 椅子(14)の背凭れ(17)から前方に向けて突出した上下一対のアーム(47)(47)の先端に、被施療者(15)の患部に当ってマッサージを行なう接触部(70)(70)を夫々具えた施療指(46)(46)と、アーム(47)(47)に連繋され上下の接触部(70)(70)を接近及び離間駆動させる施療指駆動部(45)を具えたマッサージ装置(10)を、背凭れ(17) の左右に1基ずつ具えた椅子型マッサージ機であって、
    マッサージ装置(10)は、背凭れ(17)に配備された昇降機構(22)に連繋されて、背凭れ(17)内部を上下動可能となっており、施療指駆動部(45)により、接触部(70)(70)を接触させた状態でマッサージ装置 (10) を上下動させることにより、強めのマッサージを施し、且つ、接触部 (70)(70) を離間させた状態でマッサージ装置 (10) を上下動させることにより、弱めのマッサージを施すようにしたことを特徴とする椅子型マッサージ機。
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