JP3623875B2 - チップ型抵抗器の製造工程中における研磨・洗浄方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、チップ型抵抗器の製造に際して、その製造工程途中でレーザトリミングを行った後において、このレーザトリミングのときに発生して付着する滓成分を除去するための研磨・洗浄方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、チップ型抵抗器の製造に際しては、例えば、特開昭56−148804号公報及び特開平4−102302号公報等に記載されているように、
(1).一つのチップ型抵抗器を構成するチップ型絶縁基板の多数個を連ねて一体化した素材基板を用意し、
(2).この素材基板の上面のうち各絶縁基板の部分に、抵抗膜とこの抵抗膜の両端に対する上面電極とを形成する。
(3).前記素材基板の上面のうち各絶縁基板の部分に、前記抵抗膜を覆うガラスのアンダーコートを形成する。
(4).このアンダーコートの上から前記抵抗膜に、レーザ光線の照射にてトリミング溝を刻設することにより、前記抵抗膜の抵抗値が所定の許容範囲内に入るようにレーザトリミングする。
(5).前記アンダーコートの上に、ガラスによるミドルコートを形成したのちガラス又は合成樹脂によるオーバーコートを形成するか、或いは、ガラス又は合成樹脂によるオーバーコートを形成する。
(6).前記素材基板を各絶縁基板ごとにブレイクする。
(7).前記各絶縁基板の左右両端面に側面電極を、前記上面電極に導通するように形成する。
(8).前記絶縁基板の全体に対してニッケルのメッキ処理を施したのち半田のメッキ処理を施すことにより、前記各電極の表面に、ニッケルメッキ層及び半田メッキ層から成る金属メッキ層を形成する。
と言う方法を採用をしている。
【0003】
ところで、この製造工程中におけるレーザトリミングに際しては、トリミング溝の内部及びその付近に、レーザ光線の照射にてアンダーコート及び抵抗膜から発生する滓成分が付着することにより、その後においてこのアンダーコートの表面に形成されるミドルコート又はオーバーコートの絶縁基板及びアンダーコートに対する密着性が、滓成分ための著しく阻害されて、ミドルコート又はオーバーコートのピンホールが発生し、ひいては、その後における金属メッキ処理に際して、前記ピンホール内にメッキ液が侵入にして、ミドルコート又はオーバーコートの割れ及び/又は剥離が発生したり、抵抗膜における抵抗値が所定の許容範囲から外れたりすることが多発するから、不良品の発生率が高いものである。
【0004】
そこで、従来は、前記レーザトリミングを完了すると、その素材基板における表面の全体を、これに希硫酸水液等の洗浄液を散布しながらブラシにてブラッシングすると言う研磨・洗浄を行うことにより、トリミング溝の内部及びアンダーコートの表面に付着している滓成分を除去するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来におけるブラッシングによる研磨・洗浄は、素材基板における表面の全体に対して行うものであって、各絶縁基板におけるトリミング溝の内部に付着する滓成分を除去するまでには、素材基板の表面の全体を長い時間にわたってブラッシングしなければならないから、この研磨・洗浄の作業能率が低くて、コストの大幅なアップを招来すると言う問題があった。
【0006】
このブラッシングによる研磨・洗浄に、アルミナ粉末及びガラス粉末等の研磨粒子を洗浄液に混ぜて使用すれば、研磨・洗浄の作業能率は向上できるが、その反面、上面電極の部分も研磨粒子にて研磨され、この上面電極に磨耗、剥離及び欠け等の損傷が発生することにより、不良品の発生率が高くなるばかりか、アルミナ粉末及びガラス粉末等の研磨粒子を多量に使用しなければならないから、これまたコストの大幅なアップを招来するのである。
【0007】
しかも、従来におけるブラッシングによる研磨・洗浄は、素材基板における表面の全体に対して行うものであることにより、研磨・洗浄の進行状況を容易に確認することができないことにより、研磨・洗浄を時間によって管理するようにしなければならないから、素材基板によっては、研磨・洗浄が過度になったり、研磨・洗浄が不足になったりと言うように、研磨・洗浄のバラ付きが大きいと言う問題もあった。
【0008】
本発明は、これらの問題を解消した研磨・洗浄方法を提供することを技術的課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この技術的課題を達成するため本発明は、
「チップ型絶縁基板の多数個を連ねて一体化して成る素材基板の表面のうち各絶縁基板の部分に形成した抵抗膜とこの抵抗膜を覆うアンダーコートに、レーザ光線の照射にて抵抗値調節用のトリミング溝を刻設し、次いで、前記各絶縁基板のうち前記トリミング溝内の部分とその付近の部分のみに、研磨粒子を含み、且つ、前記絶縁基板及びアンダーコートとは異なった色に着色して成る研磨材層を形成し、次いで、前記素材基板の表面を、これに洗浄液を散布しながらブラッシングすることを特徴とする。」
ものである。
【0010】
【発明の作用・効果】
このように、素材基板の表面を、レーザトリミングを行った後において洗浄液を散布しながらブラッシングするに先立って、前記レーザトリミングによるトリミング溝内の部分とその付近の部分のみに研磨粒子を含む研磨材層を形成しておくことにより、前記素材基板の表面のうち各絶縁基板におけるトリミング溝内の部分及びその付近の部分を、当該部分に予め形成しておいた研磨材層における研磨粒子によって、これら以外の部分よりも強く研磨することができる。
【0011】
この場合において、前記研磨材層を、絶縁基板及びアンダーコートとは異なった色に着色したことにより、前記研磨・洗浄の進行状況を、前記研磨材層の色が順次薄くなることで容易に確認することができる。
【0012】
従って、本発明によると、レーザトリミング後において滓成分を除去するための研磨・洗浄に際して、素材基板によって、研磨・洗浄が過度になったり、研磨・洗浄が不足になったりすると言う研磨・洗浄のバラ付きを確実に低減できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図1〜図7の図面について説明する。
【0014】
これらの図において符号Aは、チップ型絶縁基板1の多数個をマトリックス状に並べて一体化して成る素材基板を示し、この素材基板Aの表面のうち各絶縁基板1の箇所には、図1に示すように、左右一対の上面電極2,3と、その間を接続する抵抗膜4とが形成されると共に、前記抵抗膜4を覆うガラスによるアンダーコート(図示せず)が形成されている。
【0015】
次いで、前記各絶縁基板1における両上面電極2,3に通電用プローブを接触して抵抗膜4における抵抗値を測定しながら、前記抵抗膜4に、アンダーコートの上からのレーザ光線の照射にて、図2に示すように、トリミング溝5を刻設することにより、前記各抵抗膜4の抵抗値が所定の許容範囲内に入るようにレーザトリミングする。
【0016】
このレーザトリミングが完了すると、各絶縁基板1のうち抵抗膜4に対するトリミング溝5内の部分及びその付近の部分、つまり、前記レーザトリミングに際して発生する滓成分が付着する部分に対してのみ、例えば、以下のように、
粒径1〜10ミクロンのアルミナ粉末・・・・・・・・・・・50wt%
粒径1〜10ミクロンのガラス粉末・・・・・・・・・・・・20wt%
ターピネオール(溶剤)・・・・・・・・・・・・・・・・・25wt%
エチルセルローズ(粘度調整剤)・・・・・・・・・・・・・ 3wt%
有機顔料(絶縁基板1及びアンダーコートと異なった色)・・ 2wt%
を混合した研磨剤ペーストを、スクリーン印刷にて塗着したのち乾燥することにより、研磨粒子を含む着色の研磨材層6を形成する。
【0017】
そして、前記素材基板Aを、その上面に希硫酸水液等の洗浄液を散布しながら、図4に示すように、回転するブラシローラBに対して、 当該素材基板Aの各絶縁基板1における抵抗膜4がブラシローラBの軸線と平行に延びる方向に定めて送り込むことにより、この素材基板Aの表面を、前記ブラシローラBにてブラッシングするのである。
【0018】
このブラッシングに際して、各絶縁基板1におけるトリミング溝5内の部分とその付近の部分には、研磨粒子を含む研磨材層6が形成されていることにより、前記素材基板Aの表面のうち各絶縁基板1におけるトリミング溝5内の部分及びその付近の部分を、当該部分に予め形成しておいた研磨材層6における研磨粒子によって、これら以外の部分よりも強く研磨することができる。
【0019】
しかも、この研磨・洗浄が進行するにつれて、前記研磨材層6の色が次第に薄くなるから、この研磨材層6の色が極く薄くなるか、研磨材層6の色が無くなったときにおいて、ブラッシングを終わることにより、素材基板Aによっては、研磨・洗浄が過度になったり、研磨・洗浄が不足になったりすると言うバラ付きを確実に低減できるのである。
【0020】
なお、前記トリミング溝5は、抵抗膜4を横断する方向に伸びることにより、前記したように、素材基板AをブラシローラBに対して、当該素材基板Aにおける抵抗膜4がブラシローラBの軸線と平行に伸びる方向に定めて送り込むことにより、そのブラシローラBによるブラッシングの方向を、前記トリミング溝5の方向とすることで、研磨・洗浄をより向上できる。
【0021】
前記した研磨・洗浄を完了すると、素材基板Aの全体を純水で洗浄し、乾燥したのち、各絶縁基板1の箇所に、図5に示すように、ガラス等によるミドルコートを下地としてガラス又は合成樹脂によるオーバーコート7を形成し、次いで、素材基板Aを、図6に示すように、棒状基板A1にブレイクし、この棒状基板A1における両側面A1′,A1″に、側面電極を各上面電極2,3に導通するように形成し、更に、この棒状基板A1を、図7に示すように、各絶縁基板1ごとにブレイクしたのち、その全体に対して、ニッケルメッキ処理に次いで半田メッキ処理を施し、各絶縁基板1における両上面電極2,3及び側面電極の表面にニッケルメッキ層を下地として半田メッキ層を形成することにより、チップ型抵抗器8の完成品にするのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における素材基板の斜視図である。
【図2】前記素材基板における各抵抗膜に対してレーザトリミングを行った状態を示す斜視図である。
【図3】前記素材基板における各抵抗膜に対して研磨材層を形成した状態を示す斜視図である。
【図4】前記素材基板をブラッシングしている状態を示す斜視図である。
【図5】前記素材基板における各抵抗膜に対してオーバーコートを形成した状態を示す斜視図である。
【図6】前記素材基板を棒状基板にブレイクした状態を示す斜視図である。
【図7】前記棒状基板を各絶縁基板ごとにブレイクしている状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 絶縁基板
2,3 上面電極
4 抵抗膜
5 トリミング溝
6 研磨材層
7 オーバーコート
8 チップ型抵抗器
A 素材基板
A1 棒状基板
B ブラシローラ
Claims (1)
- チップ型絶縁基板の多数個を連ねて一体化して成る素材基板の表面のうち各絶縁基板の部分に形成した抵抗膜とこの抵抗膜を覆うアンダーコートに、レーザ光線の照射にて抵抗値調節用のトリミング溝を刻設し、次いで、前記各絶縁基板のうち前記トリミング溝内の部分とその付近の部分のみに、研磨粒子を含み、且つ、前記絶縁基板及びアンダーコートとは異なった色に着色して成る研磨材層を形成し、次いで、前記素材基板の表面を、これに洗浄液を散布しながらブラッシングすることを特徴とするチップ型抵抗器の製造工程中における研磨・洗浄方法。
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JP33533197A JP3623875B2 (ja) | 1997-12-05 | 1997-12-05 | チップ型抵抗器の製造工程中における研磨・洗浄方法 |
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JP33533197A JP3623875B2 (ja) | 1997-12-05 | 1997-12-05 | チップ型抵抗器の製造工程中における研磨・洗浄方法 |
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JPH11168006A JPH11168006A (ja) | 1999-06-22 |
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- 1997-12-05 JP JP33533197A patent/JP3623875B2/ja not_active Expired - Fee Related
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