JP3623576B2 - 上げ落とし錠 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、特にガレージなどの門扉として使用される扉類を、昇降動するロック棒によって施錠する上げ落とし錠に関し、詳しくは、外部からロック棒を上昇させて解錠されないようにした上げ落とし錠に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ガレージなどの門扉として使用される扉類は、上げ落とし錠によって施錠される。上げ落とし錠は扉類の内側に取り付けられ、昇降動するロック棒を備えた錠本体と、下降したロック棒を係入する受け部材とから構成される。受け部材は閉扉した位置の地面などに埋設され、ロック棒が下降して受け部材内に係入すると施錠され、ロック棒が上昇して受け部材から抜脱すると解錠される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ガレージなどで使用される扉類は、地面上の小石などと擦れることがないようにするため、一般的に扉類の底面と地面との間に手が入る程度の間隔が開けられている。しかし、この扉類の底面と地面との間に間隔が開けられていると、この間隔から、施錠するために下降しているロック棒が手又は工具などによって把持されてしまう。すると、扉類の外部からロック棒が上昇させることができ、ロック棒が受け部材から抜脱され、解錠されてしまうといった不具合があった。
またロック棒を、外部から上昇させることができない様に、ロック棒の出しろを固定する構成も考えられるが、受け部材の深さや扉類と地面との間隔は、個々の扉類によってまちまちであり、ロック棒が受け部材の底に突き当たったり、ロック棒の挿入深さが不十分であるといった不具合がある。
【0004】
そこで、本発明はロック棒を外部から抜脱できないようにした上げ落とし錠を提供することを目的とする。また併せて本発明は、ロック棒の出しろを任意の長さに設定して固定することができる上げ落とし錠を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための第1の手段は、昇降動して、下降した位置で受け部材に係入するロック棒を、扉類に取り付ける錠本体に具備した上げ落とし錠において、扉類に固定する基板と、ロック棒を保持して基板に対して摺動するブロックとの両接合面に咬合部を形成し、ブロックを基板に仮固定するロック機構を錠本体に具備しており、前記ロック機構には三角形状のレバーが設けてあり、前記レバーは軸周りに回動可能となっており、 前記レバーを回動させて、レバーの底辺の一角が基板を押圧すると前記ブロックと基板とがロックされ、レバーの底辺が基板に対向すると前記ブロックと基板とのロックが解除されるようにしたことを特徴とする上げ落とし錠である。
【0006】
上記の第1の手段によれば、ロック機構によってブロックを仮固定することにより、下降して受け部材内に係入しているロック棒が受け部材内から抜脱できないようにすることができる。レバーを回動すると言う操作によって、ブロックと基板との噛み合いを係脱させることができる。仮固定されたブロックと、扉類に固定された基板とは、咬合部によって噛合しているため、ロック棒を上昇させて、受け部材内から抜脱することができなくなる。尚、上記した扉類とは、ウイング形式の扉の他、引戸形式の扉も含む概念である。
【0007】
上記の課題を解決するための第2の手段は、上記の第1の手段に記載の咬合部を鋸歯形状としたことを特徴とする上げ落とし錠である。
【0008】
上記の第2の手段によれば、咬合部を鋸歯形状としたことにより、錠本体を扉類に取り付ける位置の高さ方向や、ロック棒が係入する受け部材の深さがどのようなものであっても、ブロックと基板と両咬合部を噛合させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図1から図4を参照して説明する。図1は、本発明に係る上げ落とし錠を含む表面側の一部断面斜視図である。図2は、本発明に係る上げ落とし錠の裏面側の斜視図である。図3は、施錠前の本発明に係る上げ落とし錠の断面図である。図4は、施錠後の本発明に係る上げ落とし錠の断面図である。
【0010】
本発明に係る上げ落とし錠は、扉類Dに取り付ける錠本体を、扉類Dに固定する基板10と、昇降動して施錠位置に取り付けた受け部材1に係入するロック棒20と、ロック棒20を保持して基板10に対して摺動するブロック30と、ブロックを仮固定するロック機構40から構成する。
【0011】
基板10は平面形状がC字形の枠状の扉類Dに取り付け、扉類Dの開口部分に基板10を内側から固着する。すなわち、扉類Dの裏面と基板10の表面とが接合するようにする。基板10は底辺で扉類Dの内側へ折曲した側面形状がL字形とし、底辺の折曲部11にはロック棒20が貫通する貫通穴を穿設する。さらに、扉類Dの開口部で露出している基板10の中心軸には、貫通溝12を形成する。扉類Dの内側に露出している基板10の裏面側であって、前記貫通溝12の両側には図2に示すように鋸歯形状の咬合部13を形成する。基板10の表面側には、貫通溝12の幅よりも拾いガイド穴14を形成し、そのガイド穴14内にロック機構40のレバー41を収納する。
【0012】
ロック機構40は基板10を挟んでブロック30と連結し、ロック機構40をロックすることによってブロック30が基板10と圧着し、ロック機構40のロックを解除することにより、ブロック30が基板から離隔するようにする。ブロック30が基板10と接離するようにするため、ブロック30には貫通溝12からガイド穴14内に突出する突片32を突設し、ロック機構40はこの突片32をレバー41が挟むようにする。レバー41はほぼ三角形状の底辺を基端部43とし、基端部43が二股に分かれてブロック30の突片32を挟む。この基端部43と突片32とは軸44によって連結し、レバー41の遊端部45が揺動できるようにする。図3の様にレバー41の底面を構成する角の内、下側に位置する角46と軸44との距離は、軸44とレバー41の底面との距離よりも長い。
【0013】
レバー41の遊端部45が図3に示すように起立すると、レバー41の基端部43が図3に示すように基板10の裏面と離隔する。その一方、レバー41の遊端部45が図4に示すように傾倒すると、前述の様に、角46と軸44との距離は、軸44とレバー41の底面との距離よりも長いので、角46は、基板10の表面と当接し、軸44は基板10から離れる方向に移動してブロック30を基板10の裏面に向かって引きつける。そのためブロック30が基板10の裏面を押圧する状態となる。またレバー45の操作部48は、角46と軸44との距離に比べて十分に長いので、角46が支点、操作部48が力点、軸44が作用点として作用し、レバー41がてことして機能し、強い力でブロック30は基板10の裏面に押圧され、ブロック30が基板10と圧着する。
レバー41を傾倒した状態では、軸44と角46を結ぶ直線は、水平を僅かに越えて軸44が少し下向きに傾斜する。すなわち、レバー41は、最も緊張した状態(軸44と角46を結ぶ直線が水平となる状態)を越えて傾倒されるので、当該位置で安定する。
【0014】
本実施形態では、圧着したブロック30が基板10上を摺動しないようにするため、ブロック30が基板10と接合する面にも、基板10の咬合部13と噛合する鋸歯形状の咬合部31を形成している。
【0015】
ブロック30が保持するロック棒20は、先端側21の外径が基端側22の外径よりも大きくなるような段差を有するものとする。この段差が基板10の折曲部11の下面に当接することにより、ロック棒20が完全に引き抜かれることを防止することができる。
【0016】
本発明に係る上げ落とし錠は以上のように構成し、次に錠本体を扉類Dに取り付け、施錠する位置の地面に受け部材1を埋め込んだときの使用方法について、図3及び図4を参照して説明する。
【0017】
ロック棒20が上昇した位置で開扉していた扉類Dを閉扉すると、ロック棒20と受け部材1とが対向する。このとき、ロック棒20を保持しているブロック30は、ロック機構40によって基板10と噛合し、上昇した位置に仮固定されている。施錠するために、ロック棒20を下降するには図4に示すように、ロック機構40のレバー41を起立させてブロック30を基板10から離隔する。するとブロック30の咬合部31と基板10の、咬合部31との嵌合が解け、ブロック30の突片32が貫通溝12にガイドされ、ロック棒20は自由に昇降動することができる。そしてロック棒20を下降してロック棒20の先端部を受け部材1内に係入する。さらに図4に示すように、ロック機構40のレバー41を傾倒し、ブロック30の咬合部31と基板10の咬合部13とを噛合させ、ブロック30を基板10に仮固定することにより施錠する。本実施形態では、任意の位置でロック機構40を操作してブロック30の咬合部31と基板10の咬合部13とを噛合させることができるので、受け穴の深さ等に併せて、ロック棒20の出しろを任意の長さに設定して固定することができる。
【0018】
扉類Dの下面に比較的大きな空間があって、手や工具などによって、ロック棒20を受け部材1から抜脱させるために上昇させようとしても、ロック棒20を保持しているブロック30と基板10とが噛合して、仮固定されているため、ロック棒20は上昇することができない。したがって、扉類Dの下面に比較的大きな空間があって、ロック棒20を外部から把持できても解錠することができない。
【0019】
扉類Dを開扉するために解錠するときは、ロック機構40のレバー41を起立させ、ブロック30と基板10との仮固定の状態を解き、ブロック30を上昇させることにより、ロック棒20の先端部を受け部材1から抜脱する。
【0020】
なお、本発明は上記の実施の形態に限定することなく、本発明の要旨内において設計変更することができる。たとえば、咬合部は鋸歯形状に限定するものではなく、多数の小さな疣(いぼ)状の突起と、その突起と係合する多数の小さな窪みとから構成することもできる。また、ロック機構も、一般的なものを使用することも可能である。さらに上記の上げ落とし錠は、平面形状がC字形の枠内に収納するタイプであるが、ロック棒が露出するタイプなどにも適用することができる。
【0021】
【発明の効果】
本発明に係る上げ落とし錠によれば、ロック棒を保持するブロックとブロックが接合する基板とが、咬合部によって噛合するため、施錠した際にロック棒が上昇することがないようにすることができる。したがって、特にガレージなどのように扉類の下面に空間が開けられていても、その空間部から手や工具などによって、ロック棒を把持して上昇させることができなくなる。すなわち、施錠された状態を確保できるため、セキュリティが向上する。また本発明によると、受け穴の深さ等に併せて、ロック棒に出しろを任意に設定し、且つ位置でロック棒を固定することができる。
【0022】
また請求項2に記載の上げ落とし錠によれば、咬合部を鋸歯形状としたことにより、ロック棒を任意の位置に仮固定することができる。したがって、錠本体の取付位置や受け部材の深さなどの制約を受けることなく、本発明の上記の効果を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る上げ落とし錠を含む表面側の一部断面斜視図である。
【図2】本発明に係る上げ落とし錠の裏面側の斜視図である。
【図3】施錠前の本発明に係る上げ落とし錠の断面図である。
【図4】施錠後の本発明に係る上げ落とし錠の断面図である。
【符号の説明】
1 受け部材
10 基板
13 咬合部
20 ロック棒
30 ブロック
31 咬合部
40 ロック機構
Claims (2)
- 昇降動して、下降した位置で受け部材に係入するロック棒を、扉類に取り付ける錠本体に具備した上げ落とし錠において、扉類に固定する基板と、ロック棒を保持して基板に対して摺動するブロックとの両接合面に咬合部を形成し、
ブロックを基板に仮固定するロック機構を錠本体に具備しており、
前記ロック機構には三角形状のレバーが設けてあり、前記レバーは軸周りに回動可能となっており、前記レバーを回動させて、レバーの底辺の一角が基板を押圧すると前記ブロックと基板とがロックされ、レバーの底辺が基板に対向すると前記ブロックと基板とのロックが解除されるようにしたことを特徴とする上げ落とし錠。 - 請求項1に記載の咬合部を鋸歯形状としたことを特徴とする上げ落とし錠。
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JP34457495A Expired - Fee Related JP3623576B2 (ja) | 1995-12-04 | 1995-12-04 | 上げ落とし錠 |
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- 1995-12-04 JP JP34457495A patent/JP3623576B2/ja not_active Expired - Fee Related
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