JP3623376B2 - 毛髪化粧料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、毛髪化粧料に関する技術分野に属する発明である。さらに詳細には、毛髪に対して、しっとりさ、しなやかさ、なめらかさ、ハリ、コシ及びつやを付与する効果に優れた毛髪化粧料、特に、パーマ施術前に傷んだ部分に塗布することにより、ウェーブを均一にかけることができ、また、パーマやヘアカラー施術後に塗布することにより、キューティクルを引き締めることができる、毛髪化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に毛髪は、洗髪,ブラッシング,ドライヤーの熱,パーマ,ヘアカラー,ブリーチ剤等の美容処理や、乾燥,紫外線等の環境ストレスにより、損傷を受けることが知られている。毛髪は、繰り返し損傷を受けることにより、しっとりさ、しなやかさ、なめらかさ、ハリ、コシ、つや等を失い、また、このような毛髪の損傷は毛先にいくほど大きい。
【0003】
そこで、損傷を受けた毛髪に対し、しっとりさ、しなやかさ、なめらかさ、ハリ、コシ、つや等の付与を目的として、毛髪化粧料が使用される。この毛髪化粧料には、シリコーン油,パラフィン系オイル等の油分、低分子の多価アルコール,グリセリン等の保湿剤、天然物から抽出した各種原料、例えば蛋白質,多糖,抽出エキス,天然高分子,又はこれらを構成している単体若しくはオリゴ体,例えばアミノ酸,ペプチド等が配合されている。
【0004】
しかしながら、従来の毛髪化粧料は、毛髪へのしっとりさ、しなやかさ、なめらかさ、ハリ、コシ及びつやの付与について、いずれも効果が不充分だったり、効果の持続性に欠ける等の理由で未だ満足できるものではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、損傷を受けた毛髪に対し、しっとりさ、しなやかさ、なめらかさ、ハリ、コシ及びつやを充分に付与することができる毛髪化粧料を提供することを課題とする。
【0006】
特に、損傷を受けている毛髪にパーマを施すと、損傷部分において、パーマ剤の浸透が過剰に促進されるため、均一なウェーブが得られない。そこで、本発明は、特にこのような損傷部分にパーマの施術前に使用することによって、損傷部分のさらなる損傷を防いで、毛髪になめらかさ等を付与することができだけでなく、均一なウェーブを得ることもできる毛髪化粧料を提供することを課題とする。
【0007】
また、パーマやヘアカラーの施術により毛髪内部の蛋白質の溶出が起こり、キューティクルが緩んで剥がれやすくなる。また、パーマやヘアカラーの施術により頭髪が膨潤しタンパク質等が溶出しやすくなる。そこで、本発明は、パーマ又はヘアカラーの施術後に使用することにより、損傷を受けた毛髪に、なめらかさ等を付与するだけでなく、キューティクルを引き締めることもできる毛髪化粧料を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決すべく本発明者が鋭意検討を行った結果、毛髪化粧料において、アニオン性水溶性高分子、両性水溶性高分子及び非イオン性水溶性高分子からなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子と、シリル化ペプチドとを併用し、さらに、そのpHを2〜4とすると、上記課題を解決することができることを見出し本発明を完成した。
【0009】
すなわち本発明は、アニオン性水溶性高分子、両性水溶性高分子及び非イオン性水溶性高分子からなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子と、シリル化ペプチドとを含有し、pHが2〜4である毛髪化粧料を提供する。
さらに、本発明は、この毛髪化粧料に、さらにポリエーテルシリコーンを配合することにより、毛髪に対するつやを付与する効果により優れた毛髪化粧料を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳述する。
本発明毛髪化粧料には、アニオン性水溶性高分子、両性水溶性高分子及び/又は非イオン性水溶性高分子が配合される。
【0011】
本発明毛髪化粧料に配合される水溶性高分子は、通常の化粧料や外用剤に配合されるものであれば特に限定されものではなく、アニオン性水溶性高分子としては、キサンタンガム,カラギーナン,アルギン酸ナトリウム,アラビアガム,ペクチン,カルボキシビニルポリマー等が挙げられる。さらに、ヒアルロン酸,コンドロイチン硫酸,デルマタン硫酸,ケラタン硫酸,ヘパラン硫酸及びそれらの塩も挙げられる。
【0012】
両性水溶性高分子としては、ジアルキルアミノエチルアクリレート,ジアルキルアミノエチルメタクリレートの他、ダイアセトンアクリルアミド等とアクリル酸,アクリル酸アルキルエステル,メタクリル酸,メタクリル酸アルキルエステル等とを共重合し、ハロゲン化酢酸等で両性化したもの(例えば、ユカフォーマー−AM−75という商品名で三菱化学(株)から販売されているもの)等が挙げられる。
【0013】
非イオン性水溶性高分子としては、ポリビニルピロリドン及びビニルピロリドンと酢酸ビニルの共重合体,ビニルピロリドン,酢酸ビニル及びアクリルアミノアクリレートの共重合体,ヒドロキシエチルセルロース,ヒドロキシプロピルセルロース,ヒドロキシプロピルメチルセルロース,メチルセルロース,デキストリン,ガラクタン,プルラン等が挙げられる。
【0014】
本発明毛髪化粧料において、水溶性高分子は、1種を単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。本発明毛髪化粧料における水溶性高分子の含有量は、毛髪化粧料全量に対して0.001 〜2.0 重量%であるのが好ましく、0.01〜1.0 重量%であるのが特に好ましい。この含有量が、毛髪化粧料全量に対して0.001 重量%未満であると、本発明の所期の効果が望めないため好ましくなく、同2.0 重量%を超えると、得られる毛髪化粧料の粘度が上がり過ぎて使用性を損なうと共に、安定性も悪くなり好ましくない。
【0015】
本発明毛髪化粧料には、上記水溶性高分子の他、シリル化ペプチドが配合される。
シリル化ペプチドは、シリル官能基部分R1 R2 R3 Si−とペプチド部分とを有するので、これを毛髪化粧料に配合すると、シリル官能基部分の有する伸展性,摩擦低減性,つやの付与作用等と、ペプチド部分の有する毛髪、特にその損傷部分への収着作用,ハリやコシの付与作用,造膜による保護作用等を同時に発揮させることができる。シリル化ペプチドは、シリコーン油が収着しにくい毛髪の損傷部分にペプチド部分を介してシリル官能基を収着させることができるので、特に、損傷を受けた毛髪になめらかさを付与することができる。
【0016】
本発明毛髪化粧料において、シリル化ペプチドとしては、好ましくは、一般式(I)で表されるもの(以下シリル化ペプチド(I)と略す)が用いられる。
【化4】
〔式中、Aは、水素原子又は式(V)
【化5】
(但し、R1 、R2 及びR3 は、互いに無関係に、炭素数1〜3のアルキル基又は水酸基を示し、aは1又は3である。)
で表される基(以下基(V)と略す)を示し、但し、1分子中に少なくとも1つの基(V)を含み、R4 はアミノ基を含むアミノ酸側鎖からアミノ基を除いた基を示し、R5 はアミノ基を含まないアミノ酸側鎖を示しR6 は水素原子を示すか、又は、R5 及びR6 は一緒になって、アミノ基を含まないアミノ酸側鎖を示し、mは0〜50、nは0〜50、そしてm+nは1〜50である(但し、m及びnはアミノ酸の数を示すのみで、アミノ酸配列の順序を示すものではない)。〕
【0017】
なお、「アミノ酸側鎖」とは、α−アミノ酸 RCH(NH2 )COOHのRの部分、又は、アミノ酸がプロリン又はオキシプロリンの場合、
【化6】
を除く部分を意味する。
【0018】
一般式(I)において、R1 、R2 及びR3 は、互いに無関係に、炭素数1〜3のアルキル基又は水酸基を示し、好ましくはメチル基又は水酸基を示す。シリル化ペプチド(I)は水溶性を有し、水溶性の毛髪化粧料中で良好な保存安定性を有する。
【0019】
R4 は、アミノ基を含むアミノ酸側鎖からアミノ基を除いた基を示す。アミノ基を含むアミノ酸側鎖を有するアミノ酸(ジアミノモノカルボン酸)としては、リシン,アルギニン,ヒドロキシリシン等が挙げられる。
【0020】
R5 は、アミノ基を含まないアミノ酸側鎖を示しR6 は水素原子を示すか、又は、R5 及びR6 は一緒になって、アミノ基を含まないアミノ酸側鎖を示す。アミノ基を含まないアミノ酸側鎖を有するアミノ酸としては、例えば、グリシン,アラニン,バリン,ロイシン,イソロイシン,プロリン,フェニルアラニン,チロシン,セリン,トレオニン,メチオニン,ヒスチジン,アスパラギン,アスパラギン酸,グルタミン,グルタミン酸,シスチン,システイン,システイン酸,トリプトファン,ヒドロキシプロリン,O−ホスホセリン,シトルリン等が挙げられる。
【0021】
また、aは1又は3である。aが2の場合は、下記一般式(II)で表わされるシリル化合物の状態での保存安定性が悪く好ましくなく、aが3より大きくなると、一分子中でシリル官能基部分の占める割合が小さくなり、シリル官能基部分の有する作用が充分に発揮されなくなり好ましくない。
【0022】
また、mは0〜50、好ましくは0〜10であり、nは0〜50、好ましくは2〜40であり、m+nは1〜50、好ましくは3〜40である。
mが50より大きくなると、一分子中のシリル官能基の数が増え、ペプチド部分の有する毛髪、特にその損傷部分への収着作用等が充分に発揮されなくなり好ましくない。nが50より大きくなると、一分子中でシリル官能基部分の占める割合が小さくなり、シリル官能基部分の有するつやの付与作用等が充分に発揮されなくなり好ましくない。m+nが50より大きくなると、保存中に凝集しやすくなり保存安定性が低下し好ましくない。
【0023】
なお、m、n及びm+nは、理論的には整数であるが、ペプチド部分が後述するような加水分解ペプチドに由来する場合、加水分解ペプチドは分子量の異なるペプチドの混合物として得られるため、平均値となり、整数であるとは限らない。
【0024】
シリル化ペプチド(I)において、アミノ基への基(V)の導入率は、50〜75%であることが好ましい。この導入率が50%より小さいと、シリル官能基部分の有する作用が充分に発揮されない恐れがあり好ましくなく、また、同75%より大きくなると、疎水性が増して、得られるシリル化ペプチドの親水性が減少する恐れがあり好ましくない。
【0025】
シリル化ペプチド(I)は、例えば、一般式(II)
【化7】
〔式中、R7 、R8 及びR9 は、互いに無関係に、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、水酸基またはハロゲン原子を示し、aは一般式(I)で定義した通りである。〕
で表されるシリル化合物(以下シリル化合物(II)と略す)と、一般式(III)
【化8】
〔式中、R4 、R5 、R6 、m、n及びm+nは一般式(I)で定義した通りである。〕
で表されるペプチド類(以下ペプチド類(III)と略す)とを反応させることによって得られる。
【0026】
シリル化合物(II)としては、シランカップリング剤として市販されているものを使用することができる。シランカップリング剤としては、例えば、東芝シリコーン(株) 製のTSL8390,TSL8219,TSL8395,TSL8326,TSL8325,TSL8320,TSL8355,TSL8350(いずれも商品名),日本ユニカー(株) 製のA−143(商品名),東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製のSH6040,SH6076(いずれも商品名),信越シリコーン(株) 製のKMB403,KMB402,KMB703(いずれも商品名)等が挙げられる。
【0027】
ペプチド類(III) としては、アミノ酸,ペプチド,それらのエステル等が挙げられる。アミノ酸としては、例えば、グリシン,アラニン,バリン,ロイシン,イソロイシン,プロリン,フェニルアラニン,チロシン,セリン,トレオニン,メチオニン,アルギニン,ヒスチジン,リシン,アスパラギン,アスパラギン酸,グルタミン,グルタミン酸,シスチン,システイン,システイン酸,トリプトファン,ヒドロキシプロリン,ヒドロキシリシン,O−ホスホセリン,シトルリン等が挙げられる。
【0028】
ペプチドとしては、天然ペプチド,合成ペプチド,タンパク質を酸,アルカリ又は酵素で部分的に加水分解して得られる加水分解ペプチド等が挙げられる。
天然ペプチドとしては、例えば、グルタチオン,バシトラシンA,インシュリン,グルカゴン,オキシトシン,バソプレシン等が挙げられ、合成ペプチドとしては、例えば、ポリグリシン,ポリリシン,ポリグルタミン酸,ポリセリン等が挙げられる。
【0029】
加水分解ペプチドとしては、例えば、コラーゲン(その変性物であるであるゼラチンを含む),ケラチン,絹フィブロイン,セリシン,カゼイン,コンキオリン,エラスチン,鶏,あひる等の卵の卵黄タンパク,卵白タンパク,大豆タンパク,小麦タンパク,トウモロコシタンパク,米(米糠)タンパク,ジャガイモタンパク等の動植物由来のタンパク,或いは、サッカロミセス属,カンディダ属,エンドミコプシス属の酵母菌や、いわゆるビール酵母,清酒酵母といわれる酵母菌より分離した酵母タンパク,キノコ類(担子菌)より抽出したタンパク,クロレラより分離したタンパク等の微生物由来のタンパクを、酸,アルカリ又は酵素で部分的に加水分解して得られるペプチド等が挙げられる。
【0030】
アミノ酸又はペプチドのエステルとしては、例えば、上記アミノ酸又はペプチドのカルボキシル基における炭素数1〜20の炭化水素アルコールとのエステル、例えばメチルエステル,エチルエステル,プロピルエステル,イソプロピルエステル,ラウリルエステル,セチルエステル,2−エチルヘキシルエステル,2−ヘキシルデシルエステル,ステアリルエステル等が挙げられる。
【0031】
シリル化合物(II)とペプチド類(III) との反応は、例えば、まずシリル化合物(II)を30〜50℃の水中で5〜20分間攪拌して、ケイ素原子に場合により結合しているアルコキシ基やハロゲン原子を水酸基に変換した後、ペプチド類(III) の溶液に滴下し、両者を接触させることによって行われる。
【0032】
上記反応に際して、ペプチド類(III) の溶液は30〜50重量%程度の濃度にするのが好ましい。また、シリル化合物(II)の、ペプチド類(III) の溶液への滴下は、30分間〜5時間程度で終了するのが好ましい。
また、シリル化合物(II)とペプチド類(III) との反応は、塩基性下に進行するので、ペプチド(III) の溶液のpHを、水酸化ナトリウム, 水酸化カリウム等のアルカリ溶液で、8〜11、特に9〜10にしておくことが好ましい。
【0033】
反応は常温でも進行するが、温度が高くなるほど反応速度は速くなる。しかし、pHが高い状態で温度が高くなると、シリル化合物(II)の加水分解が促進されるため、反応温度は高くても70℃以下であることが好ましく、特に40〜60℃であることが好ましい。
【0034】
シリル化合物(II)とペプチド類(III) との反応の進行と終了は、ファン・スレーク(Van Slyke)法により、反応中のペプチド類(III) のアミノ態窒素量を測定することによって確認することができる。
反応終了後、反応液を中和した後、適宜濃縮して、イオン交換樹脂,透析膜,電気透析,ゲル濾過,限外濾過等によって精製し、液体のまま、或いは、粉末化して、本発明毛髪化粧料の調製に供される。
【0035】
本発明化粧料において、シリル化ペプチドとしては市販のものを用いることもできる。シリル化ペプチドの市販品としては、例えばプロモイスW−52SIG(S)((株)成和化成製)〔3−グリシドキシプロピルメチルジヒドロキシシランと加水分解コラーゲンとの反応により得られる;mの平均値=約2、nの平均値=約18、m+nの平均値=約20〕等が挙げられる.
【0036】
本発明毛髪化粧料において、シリル化ペプチドは、1種を単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。本発明毛髪化粧料におけるシリル化ペプチドの含有量は、毛髪化粧料全量に対して0.001 〜5.0 重量%であることが好ましく、0.01〜2.0 重量%であることが特に好ましい。この含有量が、毛髪化粧料全量に対して0.001 重量%未満であると、得られる毛髪化粧料中でシリル化ペプチドの効果が発揮されにくく好ましくなく、同5.0 重量%を超えると、得られる毛髪化粧料の使用性が劣る上、安定性が悪くなり好ましくない。
【0037】
本発明毛髪化粧料のpHは2〜4である。本発明化粧料のpHが2未満であると、酸による皮膚の刺激があり好ましくなく、4より大きいと、キューティクルの引き締め効果が弱いだけでなく、パーマやヘアカラーによりアルカリに傾いた頭皮・毛髪のpHを等電点に戻せないため好ましくない。
本発明毛髪化粧料のpHの調整には、有機酸及び/又は酸性アミノ酸を使用することが好ましい。有機酸又は酸性アミノ酸としては、具体的には、クエン酸,酒石酸,乳酸,尿酸,アスコルビン酸,グルタミン酸,アスパラギン酸等が挙げらる。本発明毛髪化粧料において、有機酸及び酸性アミノ酸は、1種を単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。本発明毛髪化粧料における有機酸及び/又は酸性アミノ酸の含有量は、得られる毛髪化粧料のpHを2〜4に調整するために必要な量である。
【0038】
本発明毛髪化粧料には、好ましくは、さらに、ポリエーテルシリコーンが配合される。本発明毛髪化粧料にさらにポリエーテルシリコーンを配合すると、毛髪に対するつやを付加する効果により優れた毛髪化粧料が得られる。
本発明毛髪化粧料において、ポリエーテルシリコーンとしては、好ましくは一般式(IV) で表されるもの(以下ポリエーテルシリコーン(IV)と略す)が用いられる。
【0039】
【化9】
〔式中、R10は水素原子又はメチル基を示し、pは約5〜60、qは約1〜13、そしてbは約2〜35である。〕
ポリエーテルシリコーン(IV)の市販品としては、例えばトーレ・シリコーンSH377(東レ・シリコーン(株)製)〔R10=H,p≒約3〜10,q≒1〜5,n×b≒35〕,シリコーンKF6015(信越化学工業(株)製)〔R10=H,p≒20〜30,q≒2〜5,b≒2〜5〕,シリコーンSC9450N(信越化学工業(株)製)〔R10=H,p≒50〜60,q≒2〜5,b≒8〜10〕,シリコーンSC1014M(信越化学工業(株)製)〔R10=CH3 ,p≒5〜10,q≒9〜13,b≒4〜6〕等が挙げられる。
【0040】
本発明毛髪化粧料において、ポリエーテルシリコーンは、1種を単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。本発明毛髪化粧料におけるポリエーテルシリコーンの含有量は、毛髪化粧料全量に対して0.001 〜10.0重量%であることが好ましく、0.01〜5.0 重量%であることが特に好ましい。この含有量が、毛髪化粧料全量に対して0.001 重量%未満であると、得られる毛髪化粧料中でポリエーテルシリコーンの効果が発揮されず好ましくなく、同10.0重量%を超えると、得られる毛髪化粧料の使用性が劣る上、安定性が悪くなり好ましくない。
【0041】
尚、本発明毛髪化粧料においては、上記の成分に加えて、目的に応じて本発明の効果を損なわない量的・質的範囲で、多価アルコール,油分,アニオン性界面活性剤,カチオン性界面活性剤,両性界面活性剤,非イオン性界面活性剤,非水溶性高分子,紫外線吸収剤,防腐剤,薬剤,蛋白質及びその誘導体,多糖類,キレート剤,酸化防止剤,抽出エキス,香料等を使用することができる。本発明毛髪化粧料をパーマ又はヘアカラー施術前に使用する場合には、特に、本発明毛髪化粧料に、さらにカチオン性界面活性剤を配合することが好ましい。
【0042】
多価アルコールとしては、プロピレングリコール,1,3−ブタンジオール,ジプロピレングリコール,グリセリン,ジグリセリン,トリグリセリン等のポリグリセリン,トリメチロールメタン,トリメチロールエタン,トリメチロールプロパン,エリスリトール,ペンタエリスリトール,ソルビタン,グルコース,ソルビトール,マルチトール,シュクロース,ラフィノース,トレハロース,ポリオキシエチレンメチルグルコシド,ポリオキシプロピレンメチルグルコシド等が挙げられる。
【0043】
油分としては、オリーブ油,ヤシ油,サフラワー油,ヒマシ油,綿実油等の油脂類,ラノリン,ホホバ油,カルナバロウ等のロウ類,流動パラフィン,スクワラン,ワセリン,揮発性イソパラフィン等の炭化水素油,脂肪酸類,アルコール類,オクタン酸セチル,ミリスチン酸イソプロピル等のエステル油,ジメチルポリシロキサン,メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーン油,アルキル変性シリコーン,シリコーン樹脂等が挙げられる。
【0044】
カチオン性界面活性剤としては、例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム,塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等のアルキルトリメチルアンモニウム塩,塩化ジステアリルジメチルアンモニウムジアルキルジメチルアンモニウム塩,塩化ポリ(N,N’ −ジメチル−3,5−メチレンピペリジニウム),塩化セチルピリジニウム等のアルキルピリジニウム塩,アルキル四級アンモニウム塩,アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩,アルキルイソキノリニウム塩,ジアルキルモルホニウム塩,ポリオキシエチレン(以下、「 POE 」 と略す)アルキルアミン,アルキルアミン塩,ポリアミン脂肪酸誘導体,アミルアルコール脂肪酸誘導体,塩化ベンザルコニウム,塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
【0045】
アニオン性界面活性剤としては、セッケン用素地,ラウリン酸ナトリウム,パルミチン酸ナトリウム等の脂肪酸セッケン,ラウリル硫酸ナトリウム,ラウリル硫酸カリウム等の高級アルキル硫酸エステル塩,POE ラウリル硫酸トリエタノールアミン,POE ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキルエーテル硫酸エステル塩,ラウロイルサルコシンナトリウム等のN−アシルサルコシン酸,N−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム,ヤシ油脂肪酸メチルタウリッドナトリウム,ラウリルメチルタウリッドナトリウム等の高級脂肪酸アミドスルホン酸塩,POE メチルタウリッドナトリウム等の高級脂肪酸アミドスルホン酸塩,POE オレイルエーテルリン酸ナトリウム,POE ステアリルエーテルリン酸等のリン酸エステル塩,ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム,モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム,ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸塩,リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム,リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン,リニアドデシルベンゼンスルホン酸等のアルキルベンゼンスルホン酸塩,N−ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム,N−ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム,N−ミリストイル−L−グルタミン酸モノナトリウム等のN−アシルグルタミン酸塩,硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等の高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩,ロート油等の硫酸化油,POE アルキルエーテルカルボン酸,POE アルキルアリルエーテルカルボン酸塩,α−オレフィンスルホン酸塩,高級脂肪酸エステルスルホン酸塩,二級アルコール硫酸エステル塩,高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩,ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム,N−パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミン等が挙げられる。
【0046】
両性界面活性剤としては、2 −ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾイルナトリウム,2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等のイミダゾリン系両性界面活性剤,2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリミドベタイン,スルホベタイン等のベタイン系界面活性剤,N−ラウリルβ−アラニン,N−ステアリルβ−アラニン等のアミノ酸塩等が挙げられる。
【0047】
非イオン性界面活性剤としては、ソルビタンモノオレエート,ソルビタンモノイソステアレート,ソルビタンセスキオレエート,ソルビタントリオレエート,ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン,テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル類,モノ綿実油脂肪酸グリセリン,モノエルカ酸グリセリン,セスキオレイン酸グリセリン,モノステアリン酸グリセリン,α,α’ −オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン,モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等のグリセリンポリグリセリン脂肪酸類,モノステアリン酸プロピレングリコール等のプロピレングリコール脂肪酸エステル類,硬化ヒマシ油誘導体,グリセリンアルキルエーテル等の親油性非イオン性界面活性剤,POE ソルビタンモノオレート,POE ソルビタンモノステアレート,POE ソルビタンモノオレート,POE ソルビタンテトラオレート等のPOE ソルビタン脂肪酸エステル類,POE ソルビットモノラウレート,POE ソルビットモノオレート,POE ソルビットペンタオレート,POE ソルビットモノステアレート等のPOE ソルビット脂肪酸エステル類,POE グリセリンモノステアレート,POE グリセリンモノイソステアレート,POE グリセリントリイソステアレート等のPOE グリセリン脂肪酸エステル類,POE モノオレエート,POE ジステアレート,POE モノジオレエート,ジステアリン酸エチレングリコール等のPOE 脂肪酸エステル類,POE ラウリルエーテル,POE オレイルエーテル,POE ステアリルエーテル,POE ベヘニルエーテル,POE 2−オクチドデシルエーテル,POE コレスタノールエーテル等のPOE アルキルエーテル類,POE オクチルフェニルエーテル,POE ノニルフェニルエーテル,POE ジノニルフェニルエーテル等のPOE アルキルフェニルエーテル,プルロニック等のプルロニック型類,POE ・ポリオキシプロピレン(以下「POP 」と称する)セチルエーテル,POE ・POP 2−デシルテトラデシルエーテル,POE ・POP グリセリルエーテル等のPOE ・POP アルキルエーテル類,テトロニック等のテトラPOE ・テトラPOP エチレンジアミン縮合物類,POE ヒマシ油,POE 硬化ヒマシ油,POE 硬化ヒマシ油モノイソステアレート,POE 硬化ヒマシ油トリイソステアレート,POE 硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノステアリン酸ジエステル,POE 硬化ヒマシ油マレイン酸等のPOE ヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体,POE ソルビットミツロウ等のPOE ミツロウ・ラノリン誘導体,ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド,ラウリン酸モノエタノールアミド,脂肪酸イソプロパノールアミド等のアルカノールアミド,POE プロピレングリコール脂肪酸エステル,POE アルキルアミン,POE 脂肪酸アミド,ショ糖脂肪酸エステル,POE ノニルフェニルホルムアルデヒド縮合物,アルキルエトキシジメチルアミンオキシド,トリオレイルリン酸等が挙げられる。
【0048】
非水溶性高分子としては、ポリエチレン,ポリスチレン等の分散液が挙げられる。
紫外線吸収剤としては安息香酸系のものとして、パラアミノ安息香酸(以下PABAと略す),グリセルPABA,エチルヒドロキシプロピルPABA,桂皮酸系のものとして,オクチルメトキシシンナメート,2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート,ベンゾフェノン系のものとして,2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン,2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン,2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4−メチルベンゾフェノン,その他のものとして,ウロカニン酸エチルエステル,2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール,4−メトキシ−4−t−ブチル−ジベンゾイルメタン等が挙げられる。
【0049】
防腐剤としては、パラオキシ安息香酸アルキルエステル,安息香酸ナトリウム,ソルビン酸カリウム等の化粧品に汎用される防腐剤が挙げられる。
薬剤としては、ビタミンC類,ビタミンE類等のビタミン類,生薬,消炎剤等の化粧品に汎用される薬剤が挙げられる。
【0050】
本発明毛髪化粧料の剤型は、液剤,乳剤等の毛髪に適用できる性状のものであればいずれでもよく、ヘアクリーム,ヘアオイル,ヘアジェル,ヘアフォーム等の任意の形態を採ることができる。
本発明毛髪化粧料は、その剤型や形態に応じた方法で製造される。
【0051】
本発明毛髪化粧料の毛髪への塗布は、シャンプーの前又は後、パーマ施術前又は後、或いは、ヘアカラー施術前又は後等の任意の時点において行うことができるが、パーマ施術前、又は、パーマ若しくはヘアカラー施術後に本発明毛髪化粧料を毛髪へ塗布すると、特に所期の効果を有効に発揮し得る。
【0052】
【実施例】
以下、本発明を実施例等により、さらに具体的に説明するが、これらにより本発明の技術的範囲が限定解釈されるべきものではない。なお、これらの実施例等における配合量は、特に断らない限り、その成分が配合される系全体に対する重量%である。
【0053】
<製造方法>
イオン交換水にヒドロキシエチルセルロースを分散後加熱し溶解したら、メチルパラベン,L−グルタミン酸を加え撹拌溶解する。続いて、プロピレングリコール,濃グリセリンを添加する。さらに、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム,ジメチルポリシロキサンを加え撹拌する(主層)。ポリオキシエチレンオレイルエーテル(20EO)と香料,一部の水を合わせたものを、主層に加え、最後にプロモイスW−52SIG(S)を加え、水補正して処方A(pH=2〜4)を得た。
【0054】
<製造方法>
処方Aと同様にして処方B(pH=5〜7)を得た。
【0055】
<製造方法>
処方Aと同様にして処方C(pH=2〜4)を得た。
【0056】
<製造方法>
処方Aと同様にして処方D(pH=2〜4)を得た。
【0057】
<製造方法>
あらかじめプロピレングリコールにメチルパラベン,香料,ポリオキシエチレンオレイルエーテル(20EO)を加え撹拌したものを、イオン交換水に加える。ここに、濃グリセリン(一部),ジメチルポリシロキサン,プロモイスW−52SIG(S)を加え、さらに撹拌し、加熱したイオン交換水に溶解させたL−グルタミン酸を添加する。透明に溶けていることを確認したら、濃グリセリンに分散させたキサンタンガムを加え、よく撹拌し、水補正して処方E(pH=2〜4)を得た。
【0058】
<製造方法>
処方Eと同様にして処方F(pH=5〜7)を得た。
【0059】
<製造方法>
処方Eと同様にして処方G(pH=5〜7)を得た。
【0060】
<製造方法>
処方Eと同様にして処方H(pH=2〜4)を得た。
【0061】
<製造方法>
処方Eと同様にして処方I(pH=2〜4)を得た。
【0062】
<製造方法>
処方Iと同様にして処方J(pH=2〜4)を得た。
【0063】
<製造方法>
処方Iと同様にして処方K(pH=2〜4)を得た。
<製造方法>
処方Eと同様にして処方I(pH=2〜4)を得た。
【0064】
試験例
上記処方A〜Hについて、キューティクルの引き締め効果及びウェーブ抑制効果を評価した。
また、上記処方I〜Kについて、毛髪に対するつやの付与効果を測定した。
さらに、上記処方A〜Lについて、実使用テストを行った。
なお、これらの試験において、以下の組成のシャンプー及びパーマ液を用いた。
【0065】
【0066】
【0067】
1.キューティクルの引き締め効果
処方A〜Hの各毛髪化粧料について、毛髪のキューティクルの引き締め効果を評価するために、以下の方法でキューティクルの角度を測定した。
(キューティクルの角度の測定方法)
あらかじめパーマ等の処理をした毛髪11本を、測定用ホルダーに毛髪の方向を揃えて弛まないように載置し、自動変角度計(GONI0PHOTOMETER GP−200:株式会社村上色材技術研究所製)に装着する。
次いで試料台の角度を30°に設定し、測定を行う。
正反射の場合、入射角=反射角=30°となることから、毛髪を真円と仮定して得られたチャートより計算して、キューティクルの角度を求めた。
【0068】
(キューティクルの引き締め効果の検討)
シャンプー後、温水ですすいで乾燥させた毛髪(以下、未処理と表す)、未処理にパーマを施し、温水ですすいで乾燥させた毛髪(以下、パーマ処理と表す)、未処理に処方A〜Dのいずれかを塗布した後、パーマ処理を行った毛髪(以下、ぞれぞれ、A+パーマ、B+パーマ、C+パーマ、D+パーマと表す)、未処理にパーマ処理を行った後、処方E〜Hのいずれかを塗布し、温水ですすいで乾燥させた毛髪(以下、それぞれ、パーマ+E、パーマ+F、パーマ+G、パーマ+Hと表す)について、キューティクルの角度を求めた。
その結果を第1表に示す。
【0069】
【表1】
【0070】
第1表の結果から、水溶性高分子とシリル化ペプチドとを含有し、pHが2〜4である本発明毛髪化粧料は、パーマ施術前に塗布する場合であってもパーマ施術後に塗布する場合であっても、優れたキューティクルの引き締め効果を有することがわかる。
【0071】
2.ウェーブ抑制効果
幅5cm×長さ15cmの毛髪ストランドを調製し、その下半分に、ブリーチ液での20分処理を3回施した後、シャンプーをし、温水ですすいで乾燥させたものを実験室的損傷毛とした。この下半分に、上記の処方A〜Hを塗布した後、パーマ処理を行い、ウェーブの均一さを、下記の評価方法で評価した(処理した毛束数n=10)。
【0072】
なお、この試験において、以下の組成のブリーチ液を用いた。
【0073】
<評価方法>
次の5段階の評価基準に従って、目視により評価した。
【0074】
【表2】
【0075】
その結果を第2表に示す。
【0076】
【表3】
【0077】
第2表の結果から、水溶性高分子とシリル化ペプチドを含有し、pHが2〜4である本発明毛髪化粧料は、優れたウェーブ抑制効果を有し、パーマ施術前にそれを塗布することによって、損傷を受けている毛髪であっても、ウェーブを均一にかけることができることがわかる。
【0078】
3.毛髪に対するつやの付与効果
処方I〜Kについて、毛髪に対するつやの付与効果を評価するために、以下の方法でつやを測定した。
(つやの測定方法)
あらかじめパーマ等の処理をした毛髪11本を、測定用ホルダーに毛髪の方向を揃えて弛まないように載置し、自動変角度計(GONI0PHOTOMETER GP−200:(株)村上色材技術研究所製)に装着する。
次いで試料台の角度を30°に設定し、つやの測定を行う。
(つやの付与効果の検討)
シャンプー後、温水ですすいで乾燥させた毛髪(以下、未処理と表す)、未処理にパーマを施し、温水ですすいで乾燥させた毛髪(以下、パーマ処理と表す)、未処理にパーマ処理を行った後、処方I〜Kのいずれかを塗布し、温水ですすいで乾燥させた毛髪(以下、それぞれ、パーマ+I、パーマ+J、パーマ+Kと表す)について、つやを求めた。
【0079】
その結果を第1図に示す。
未処理(曲線▲1▼)にパーマを施すとつやが失われる(曲線▲2▼)。パーマ処理後、処方I〜Kを塗布した場合、処方K(曲線▲5▼)では、つやは、パーマ処理のみの場合と変わらないが、処方KにプロモイスW−52SIG(S)を添加した処方J(曲線▲4▼)では、つやが上がり、プロモイスW−52SIG(S)及びトーレシリコーンSH3771を添加した処方I(曲線▲3▼)では、さらにつやが上がった。
この結果から、水溶性高分子とシリル化ペプチドとを含有し、pHが2〜4である本発明毛髪化粧料に、さらにポリエーテルシリコーンを配合すると、毛髪に対するつやの付与効果がさらに向上することがわかる。
【0080】
4.実使用テスト
処方A〜Lについて、以下の方法で実使用テストを行った。
パネル(セミロング〜ロングで、毛髪損傷の激しい女性20人)に対し、Harf Head 法(右頭部のみに各毛髪化粧料を塗布)で、塗布直後、すすぎ時、タオルドライ後、ドライ後に、下記の各評価項目について、その評価基準に従って、美容技術者が評価した。
【0081】
尚、処方A〜Dについては、シャンプー及びリンス後、処方A〜Dを右頭部の毛髪損傷部分に塗布し、その後パーマを施し、温水ですすぎ、タオルドライし、乾燥(ドライ)させた。
処方E〜Lについては、シャンプー及びリンス後、パーマを施し、その後処方E〜Lを右頭部全体の毛髪に塗布し、温水ですすぎ、タオルドライし、乾燥(ドライ)させた。
【0082】
【0083】
【0084】
この実使用テストの結果を第3表、第4表及び第5表に示す。
【0085】
【表4】
【0086】
【表5】
【0087】
【表6】
【0088】
第3表の結果から、水溶性高分子とシリル化ペプチドとを含有し、pHが2〜4である本発明毛髪化粧料をパーマ処理前に、毛髪損傷部分に塗布することにより、毛髪になめらさ等を付与することができるばかりでなく、ウェーブを均一にかけることができることがわかる。
また、第4表の結果から、水溶性高分子とシリル化ペプチドとを含有し、pHが2〜4である本発明毛髪化粧料をパーマ処理後に塗布する場合、毛髪に損傷部分があっても、毛髪にしっとりさ、しなやかさ、なめらかさ及びつやを充分に付与することができることがわかる。
さらに、第5表の結果から、水溶性高分子及びシリル化ペプチドに加え、ポリエーテルシリコーンを含有する本発明毛髪化粧料は、特につやを付与する効果に優れていることがわかる。
【0089】
【発明の効果】
本発明によれば、毛髪になめらかさ等を充分に付与することができるばかりでなく、パーマ施術前に特に傷んだ部分に使用することにより、ウェーブを均一にかけることができ、また、パーマやヘアカラー施術後に使用することにより、キューティクルを引き締めることができる毛髪化粧料が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】処方I〜Kの毛髪に対するつやの付与効果の結果を表すグラフである。
Claims (2)
- 下記(1)〜(4)の成分を含有し、かつ、pHが2〜4である毛髪化粧料。
(1)アニオン性水溶性高分子、両性水溶性高分子及び非イオン性水溶性高分子からなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子。
(2)一般式(I)で表されるシリル化ペプチド。
(3)有機酸及び酸性アミノ酸の、双方又はいずれか一方
(4)ポリエーテルシリコーン - 前記ポリエーテルシリコーンが、一般式(IV)
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