JP3623370B2 - ドア枠 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、戸当りを有するドア枠に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在の住宅を含む多くの建物は、省エネルギー・防音等のため、壁等に断熱材が使用され、気密性の高いサッシやパッキン等で厳重にシールされたドア等の開口部材が使用されることによって、高断熱・高気密に構成されている。
【0003】
しかしながら、建物が高気密になされることによって、開放燃焼型暖房器具・調理用ガスレンジ等の各種燃焼器具の使用や居住者の呼吸や喫煙その他生活によって生じる一酸化炭素・二酸化炭素・窒素酸化物・その他の有害・有毒ガスが室内に滞留し、それらによって不快感を覚えたり、健康が損われたりする恐れがあるという問題点がある。また、最近は室内造作に使用された建材から生じるホルムアルデヒド等の有害ガスの室内充満によるシックハウス症候群等健康への悪影響も大きな社会問題となっている。
【0004】
もちろん、例えば有害な有機溶剤を使用しない接着剤への変更等、建材自体の発生源対策等も必要であるが、一般的には、換気によって有害・有毒ガスを室外へいち早く排出し、且つ新鮮な空気を室内へ導入する換気が、より重要なことである。
換気に関しては、一般には、(ア)窓やドアの手動開閉、(イ)換気扇等の使用(一般には換気孔が必要である)、(ウ)ダクトによる全体換気(部屋全体に設置されたダクトと換気装置とによる全体換気)等が行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、窓や戸の開放による換気は次の問題点がある。すなわち、粉塵・悪臭・花粉・騒音等が室内に侵入し、かえって室内空気が汚染されたり、アレルギー症状や騒音被害が発生したりする等の恐れがある。なお、外気導入口付近は壁面に汚れが付着しやすく、壁紙等が黒ずんでしまう事が多い。また、窓や戸の手動による開閉は煩雑であり、閉め忘れ等よる防犯上の問題もある。
また、換気扇の設置に当たっては、一般に換気孔(吸気孔)が必要であり、それが外観を損なうという問題点がある。換気孔(吸気孔)のルーバー等による隠蔽によって外観改善は可能であるが、それにもデザイン上限界がある(例えば、和風の襖には馴染まない)。
さらに、ダクトによる全体換気は、計画的な換気が可能という点では優れているが、室内にダクトを張り巡らせる必要があり、新築以外には採用は困難である。なお、一般にダクトの吹き出し口は露出し、見苦しい。
【0006】
上記従来のドア枠の欠点を解消した、構造が簡単であり、且つ換気性、さらに脱臭性、防塵性、芳香性等にも優れたドア枠を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達するために、請求項1に記載のドア枠は、ドア枠本体(1)の周縁の少なくとも一部に対して、閉じられたドア(2)の表面と接する戸当たり(3)が固定されたものであって、戸当たり(3)を通気性を有する多孔質体(4)で形成し、多孔質体(4)の一部を化粧シート(5)で覆い、前記多孔質体(4)を通過し、花粉を含む粉塵が濾過された清浄な空気を室内に導入させることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に記載のドア枠は、ドア枠本体(1)の周縁の少なくとも一部に対して、閉じられたドア(2)の表面と接する戸当たり(3)が固定されたものであって、戸当たり(3)を通気性を有する多孔質体(4)で形成し、多孔質体(4)の一部を化粧シート(5)で覆ったことを特徴とする。
【0013】
なお、上記の課題を解決するための手段に記載された括弧内の記号は図面及び後述する発明の実施の形態に記載された記号に対応するものである。
【0014】
本発明によれば、戸当たりが通気性を有する多孔質体で形成されているため、換気のための煩雑なドアの開閉が不要であり、それぞれ戸当たりの多孔質体を通過し、花粉を含む粉塵が濾過された清浄な空気が、室内の有害ガスで汚染された空気とが交換され、常に室内の空気が清浄に保たれ、花粉アレルギー症状の発生が防止される。また、外部の騒音の侵入も少ない。
しかも、戸当たりは換気扇やダクトの設置に比較して極めて僅かな費用の負担で製作可能であるだけでなく、必要に応じて随時、且つ容易に設置可能である。
また、多孔質体の一部が化粧シートで覆われているため、任意の色・光沢等を付与可能であり、外観が向上する。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態例について図面を参考にして説明する。図1は本発明の第1の実施の形態例に係わるドア枠の一部を断面図、及び図2は図1の要部斜視図である。
【0020】
すなわち、ドア枠は、ドア枠本体1の周縁の少なくとも一部に対して、閉じられたドア2の表面と接する戸当たり3が固定されたものであって、その戸当たり3の主要部分は、ウレタンフォーム等の通気性を有する連続気泡を有する多孔質体4より形成されている。なお、多孔質体4としては、ウレタンフォーム等のプラスチック発泡体だけでなく、通気性を有するものであれば、発泡アルミニウムやフェルト等からなる繊維マットでもよい。
【0021】
多孔質体4のドア枠本体1への固定は、ドア2の閉鎖時の衝撃に耐え得る強度があれば、ネジ留め、接着、両面テープ固定、嵌合等、特に限定されない。また、同様にドア枠本体1も幅調整や幅固定のタイプも、特に限定されるものではない(図示省略)。
【0022】
さらに、この多孔質体4の一部(本実施形態例では上部)には、外観の向上のために、化粧シート5が貼られている。なお、化粧シート5の貼り付けに当たっては、通気が妨げられることがないよう、内外側面を除く表面に限定されるよう注意が必要である。また、美観が特に重視される場合には、通気面にも一部貼り付けられることも可能であるが、その場合には、内外側面に多数のピンホールがあけられるか、あるいは、通気性のある不織布等が貼られるかによって、通気性が確保される必要がある(いずれも図示省略)。
【0023】
そのうえ、戸当たり3の通気性向上、開閉時の衝撃緩和のために、図1に示すように、ドア2に面する部分に、ゴム又は軟質塩化ビニール製のパッキン6が突設されることは好ましいことである。その他、多孔質体4は、活性炭等の脱臭剤(吸着材)及び各種芳香剤等のいずれか、あるいは両方を含浸、又は混合の加工が施されることが好ましい。
【0024】
このようなドア枠によると、戸当たり3に連続気泡を有する多孔質発泡体よりなる多孔質体4が使用されているため、換気のための煩雑なドア2の開閉が不要で、常に、戸当たり3の多孔質体4を通過し、花粉を含む粉塵が濾過された、清浄な空気が室内に導入されると共に、室内の有害ガスで汚染された空気が室外に排出される。
従って常に室内の空気が清浄に保たれ、花粉アレルギー症状の発生が防止されるだけでなく、室内の壁の汚れも少なくなり、多孔質材料が吸音材としても役立ち、外部の騒音の侵入が少なく、健康的な環境が保持される。その他常にドア2が閉鎖された状態で換気が行われるため、ドア2の閉め忘れが少なくなり、防犯上も好ましい。
【0025】
多孔質体4は安価で容易に調達可能であり、極めて簡単な構造であり、しかも外面に適当な化粧シート5に貼り付けられており、換気口等が不要となり、和風・洋風いずれにも合い、外観にも優れている。従って換気扇やダクトの設置に比較して極めて僅かな費用の負担で製作可能であるだけでなく、必要に応じて随時、且つ容易に設置可能である。
【0026】
さらに多孔質体4に、活性炭等の脱臭剤(吸着材)・各種芳香剤等の含浸、又は混合の加工が施されることによって、悪臭が除去され、芳香を発し、単なる換気や空気の清浄化のみならず、臭いの問題までも解決される。
【0027】
第2の実施の形態例について説明すると、図3及び図4に示すように、戸当たり3に外部に通じる貫通穴7aを有する中空部分7が形成されている。その中空部分7に通気性を有する多孔質体4を脱着自在に収納したものである。中空部分7は長方形断面で硬質プラスチック等の成形体よりなる。空気が通過可能な貫通穴7aは多数の小孔でも、スリットでもよく、あるいは網目でもよい。
【0028】
これによれば、多孔質体4が、第1の実施の形態例の化粧シート5の代わりに中空部7で覆われているため、外観に優れている。しかも多孔質体4は脱着可能であるため、通気性の低下や脱臭剤・芳香剤の劣化が生じた場合、その都度多孔質体4を交換することによって、元通りの性能を発揮させることができる。
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、戸当たりが通気性を有する多孔質体で形成されているため、換気のための煩雑なドアの開閉が不要であり、それぞれ戸当たりの多孔質体を通過し、花粉を含む粉塵が濾過された清浄な空気が、室内の有害ガスで汚染された空気とが交換され、常に室内の空気が清浄に保たれ、花粉アレルギー症状の発生が防止される。また、外部の騒音の侵入も少ない。
しかも、戸当たりは換気扇やダクトの設置に比較して極めて僅かな費用の負担で製作可能であるだけでなく、必要に応じて随時、且つ容易に設置可能である。
また、多孔質体の一部が化粧シートで覆われているため、任意の色・光沢等を付与可能であり、外観が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態例のドア枠を示す断面図である。
【図2】図1の要部斜視図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態例のドア枠を示す断面図である。
【図4】図3の要部斜視図である。
【符号の説明】
1 ドア枠本体
2 ドア
3 戸当たり
4 多孔質体
5 化粧シート
6 パッキン
7 中空部
7a 貫通穴
Claims (2)
- ドア枠本体の周縁の少なくとも一部に対して、閉じられたドアの表面と接する戸当たりが固定されたドア枠であって、該戸当たりを通気性を有する多孔質体で形成し、前記多孔質体の一部を化粧シートで覆い、前記多孔質体を通過し、花粉を含む粉塵が濾過された清浄な空気を室内に導入させることを特徴とするドア枠。
- ドア枠本体の周縁の少なくとも一部に対して、閉じられたドアの表面と接する戸当たりが固定されたドア枠であって、該戸当たりを通気性を有する多孔質体で形成し、前記多孔質体の一部を化粧シートで覆ったことを特徴とするドア枠。
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JP23015198A JP3623370B2 (ja) | 1998-07-30 | 1998-07-30 | ドア枠 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP23015198A JP3623370B2 (ja) | 1998-07-30 | 1998-07-30 | ドア枠 |
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JP2000045652A JP2000045652A (ja) | 2000-02-15 |
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ID=16903403
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP23015198A Expired - Fee Related JP3623370B2 (ja) | 1998-07-30 | 1998-07-30 | ドア枠 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3623370B2 (ja) |
-
1998
- 1998-07-30 JP JP23015198A patent/JP3623370B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2000045652A (ja) | 2000-02-15 |
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