JP3623362B2 - 光ケーブル分岐部の構造、光ケーブル分岐部の組立方法 - Google Patents

光ケーブル分岐部の構造、光ケーブル分岐部の組立方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ケーブルを別の分岐光ケーブルと分岐接続する光ケーブル分岐部の構造及び光ケーブル分岐部の組立方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
建物内部等への光線路の布設では、いわゆるプレハブケーブルが多用されている。このプレハブケーブルは、予め分岐の予定された区間毎若しくは箇所に枝分岐用の分岐部が予め設けられた光ケーブル(あるいはメタル線が複合されたいわゆる光複合ケーブル)であり、布設後、予め形成した分岐部に、分岐ケーブルを分岐接続して構築される。このプレハブケーブルでは、光ファイバ(主として光ファイバ心線)やメタル線の引き出し作業等は、布設前に予めなされているので、分岐部では、布設後に接続作業のみを行えば良く、分岐接続の作業性の向上が図れるものとして、フロア間での接続を要する建物内部への光線路の布設等、複雑な光線路の布設に多用されている。
【0003】
図4(a)、(b)は従来例のプレハブケーブル1の分岐部1aの構造を示すものである。
図4(a)に示すように、この分岐部1aは、布設前のプレハブケーブル1に予め形成されるものであり、光ファイバ2(主として光ファイバ心線)やメタル線(図示せず)の引き出し、光ファイバ2先端への光コネクタ3の取り付け、メタル線先端への電気コネクタの取り付け等が予めなされている。電気コネクタは、電気端子を具備する光コネクタ3が兼ねることが一般的である。
分岐部1aは、プレハブケーブル1の布設作業によって目的位置に設置される。プレハブケーブル1の布設作業後、光ファイバ2には余長2aを確保し、この光ファイバ2先端の光コネクタ3、メタル線接続用の電気コネクタ、この光コネクタ3が接続される光コネクタアダプタ4を、建物の柱等の固定構造物に固定する。これら作業は、現場にて作業者が行う。光コネクタアダプタ4には、別途、引き込まれた分岐ケーブル5から引き出した光ファイバ6先端の光コネクタ7が着脱可能に接続され、これにより、プレハブケーブル1側の目的の光ファイバ2に、分岐ケーブル5側の光ファイバ6が光接続される。また、光複合ケーブルであるプレハブケーブル1から引き出されたメタル線には、その先端の電気コネクタを介して、分岐ケーブル5側のメタル線が接続される。
これら光ファイバ2、6の接続、メタル線同士の接続が完了したら、図4(b)に示すように、光コネクタ3、4、7や、電気コネクタは、外側から被せた保護カバー8によって収納される。保護カバー8は、ビニールテープ等で固定される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記のような分岐部1a構造では、光ケーブル1、5同士の接続現場にて、作業者が多数の部品を持ち込んで、コネクタ接続、光ファイバ2の余長処理、保護カバー8による光コネクタ3や光コネクタアダプタ4等の収納、保護カバー8の固定等の作業を行わねばならず、作業スペースが狭隘であると、作業性の向上が困難であるといった問題があった。
【0005】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、現場にて行う作業を削減でき、しかも、狭隘な作業スペースであっても、光ファイバの余長処理等の作業を効率良く行うことができる光ケーブル分岐部の構造及び光ケーブル分岐部の組立方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するため、以下の構成を採用した。
すなわち、請求項1記載の発明では、建物内部に布設される光ケーブルの長手方向1カ所または複数箇所に設けられ、前記光ケーブルを分岐光ケーブルと分岐接続する光ケーブル分岐部の構造であって、布設前の前記光ケーブル側部に予め設けられた分岐部保護体に、前記光ケーブルから引き出した光ファイバ先端を、前記分岐光ケーブル側の光ファイバに対してコネクタ接続可能に成端する光コネクタを固定するコネクタ固定部と、引き出された前記光ファイバを収納するファイバ収納部とを備え、前記光ケーブルから引き出した光ファイバの前記光コネクタに対する接続方向は前記光ケーブルの長手方向と平行であり、前記光ケーブルから引き出した光ファイバは前記光ケーブルとほぼ平行に前記光コネクタまで布線されていることを特徴とする光ケーブル分岐部の構造を前記課題の解決手段とした。
この光ケーブル分岐部の構造では、幹線となる光ケーブルから引き出された光ファイバを、ファイバ収納部にて予め湾曲処理しておくので、分岐光ケーブル側の光ファイバとのコネクタ接続時にあらためて湾曲処理する必要は無く、コネクタ接続時の作業を大幅に削減できる。接続現場での光ファイバの湾曲処理は、周囲に確保すべき作業スペースが他の作業と比べて大きく、光ファイバに確保した余長が長い場合は、その湾曲処理にさらに大きい作業スペースを要するが、この光ケーブル分岐部の構造では、この湾曲処理作業が不要であるので、光ケーブルに予め形成した分岐部を目的の分岐作業スペースに引き込めば、この作業スペースが狭隘であっても、光ファイバ同士のコネクタ接続等の作業を行うことができる。
また、コネクタ固定部では、光コネクタを定位置に固定しているので、分岐光ケーブル側の光ファイバ先端の光コネクタを、このコネクタ固定部に固定された光コネクタに接続するだけで、光ケーブル側、分岐光ケーブル側の両光ファイバを簡便に光接続することができる。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の光ケーブル分岐部の構造において、前記分岐部保護体が、前記光ケーブルの側部に充填、固化された樹脂からなり、この分岐部保護体の樹脂に、前記光ケーブルから引き出された光ファイバ先端の光コネクタを固定するコネクタ固定部と、引き出された前記光ファイバを埋設固定するファイバ収納部とを備えることを特徴とする。
また、本発明では、建物内部に布設される光ケーブルの長手方向1カ所または複数箇所に設けられ、前記光ケーブルを分岐光ケーブルと分岐接続する光ケーブル分岐部の組立方法であって、光ケーブルにおいて光ファイバが引き出される引出口の周囲に設置した型枠内に充填した樹脂を硬化させることによって、前記引出口付近の光ケーブルを含んで該光ケーブルの側部にまで設けられた樹脂中に、前記光ファイバと、その余長と、前記光ファイバ先端を前記分岐光ケーブル側の光ファイバに対してコネクタ接続可能に成端する光コネクタとを埋設固定した分岐保護体を形成することを特徴とする光ケーブル分岐部の組立方法を提供する。この光ケーブル分岐部の組立方法では、前記光ケーブルから引き出した光ファイバの前記光コネクタに対する接続方向は前記光ケーブルの長手方向と平行であり、前記光ケーブルから引き出した光ファイバは前記光ケーブルとほぼ平行に前記光コネクタまで布線されている構成も採用できる。
この光ケーブル分岐部の構造及び光ケーブル分岐部の組立方法によれば、樹脂によって分岐部保護体を極めて簡便に形成することができるので、施工時間の短縮、低コスト化が可能である。また、光コネクタ、光ファイバを分岐部保護体によって、安定に固定することができので、光ケーブルの布設作業によっても位置ずれを生じる心配が無く、布設作業性の向上を一層向上できる。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の光ケーブル分岐部の構造において、前記コネクタ固定部には、メタル線同士を電気的に接続する電気コネクタを備え、この電気コネクタを介して、前記光ケーブルから前記分岐部保護体内へ引き出されたメタル線が、前記分岐光ケーブル側のメタル線に対して電気的に接続されるようになっていることを特徴とする。この発明は、光ファイバおよびメタル線を収納してなるいわゆる光複合ケーブルに適用されるものである。電気コネクタは、光コネクタとは別のものであっても良いが、例えば光コネクタにメタル端子を組み込んで電気コネクタとしての機能を兼ねさせることも可能であり、この場合には、コネクタ固定部にて固定すべきコネクタ数を減少できるため、光ケーブル分岐部全体の小型化や低コスト化を実現できる。
また、本発明では、請求項1から3のいずれかに記載の光ケーブル分岐部の構造において、前記光ケーブル分岐部に、前記分岐部保護体の側面に露出された前記コネクタ固定部を外側から覆う着脱自在の保護カバーが取り付けられている構成も採用できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下本発明の光ケーブル分岐部の構造の第1実施形態を、図1および図2を参照して説明する。
図1は、光ケーブル分岐部10の構造を示す正面図、図2は、光ケーブル分岐部10の内部構造を示す正断面図である。
図1および図2に示すように、光ケーブル分岐部10は、光ケーブル11(プレハブケーブル)の長手方向途中に取り付けられた分岐部保護体としての分岐部ケース12の内部に、コネクタ固定部13と、ファイバ収納部14とを備え、さらに、前記分岐部ケース12側面に露出された前記コネクタ固定部13を外側から覆う着脱自在の保護カバー15が取り付けられて構成されている。
【0010】
光ケーブル11は、複数本の光ファイバ16(主として光ファイバ心線)および、図示しない複数本のメタル線とを収納してなる複数本のユニット17からなる、いわゆる光複合ケーブルである。ユニット17からは、その外被を切断して形成した引出口11aから、分岐する目的の光ファイバ16を分岐部ケース12内へ複数本引き出し、各光ファイバ16先端をコネクタ接続可能に成端する光コネクタ18を、それぞれコネクタ固定部13に固定している。分岐部ケース12内に引き出した光ファイバ16の余長16aは、分岐部ケース12内に確保した空間であるファイバ収納部14内に、光特性に影響与えない規定以上の湾曲半径(R30以上)を確保して湾曲収納される。
ユニット17の切断部には、端末処理を施し、浸水等を防止しておく。
また、ユニット17内に収納された複数の光ファイバ16の一部のみを、ユニット17から引き出して分岐させることも可能であり、この場合には、引出口11aに露出する光ファイバ16を補強チューブに収納するなどによって、保護する。
分岐部ケース12内へ引き出した光ファイバ16には、必ずしも、余長16aを確保する必要は無く、張力が作用しない程度の若干の余裕を以てコネクタ固定部13までの間に布線すれば良く、この場合には、引出口11aから引き出した光ファイバ16自体を余長無しに湾曲処理することとなる。
【0011】
前記光コネクタ18には、分岐光ケーブル19側の光ファイバ20先端の光コネクタ21が接続される。すると、光ケーブル11側の光ファイバ16と、分岐光ケーブル19側の光ファイバ20とが光接続される。
光ファイバ16としては、単心、多心のいずれも採用可能である。
また、引出口11aからは、メタル線をも引き出している。これらメタル線先端は、光コネクタ18に内蔵あるいは隣接されたメタル端子に接続され、光ファイバ16に、分岐光ケーブル19側のメタル線が接続された光コネクタ21が接続されることで、これら光コネクタ18、21のメタル端子同士の電気導通が確保され、分岐光ケーブル19側の図示しないメタル線と電気的に接続される。
なお、光ファイバ16、20は、メタル線と一体のもの、別体のもののいずれも採用可能であり、一体のものであれば、光ケーブル11、19からの取り出した光ファイバ16、20同士の対照がなされれば、両光ケーブル11、19間でメタル線同士の対照も決まり、接続作業が容易になる。電気コネクタとしては、光コネクタ18と一体のものに限定されず、別体のものも採用可能である。
【0012】
光コネクタ18としては、各種構成が採用可能である。
図2では、単心の光ファイバ16先端に取り付けられた光コネクタプラグ18aを、コネクタ固定部13に固定された光コネクタアダプタ18bに接続してなるものを示している。
単心の光ファイバ16に適用される光コネクタプラグ18aおよび光コネクタアダプタ18bとしては、JIS C 5973に制定されるSC形光コネクタ(Single fiber Coupling optical fiber connector)が採用される。
多心の光ファイバに適用される光コネクタプラグおよび光コネクタアダプタとしては、例えば、JIS C 5982に制定されるMPO形光コネクタ18c(Multifiber Push On)が適用される(図1参照)。多心の光コネクタとして採用したMPO形光コネクタ18cには、分岐光ケーブル19側の多心光ファイバ20aをコネクタ接続可能に成端するMPO形光コネクタ21aが接続される。なお、光コネクタプラグ18aと光コネクタアダプタ18bとからなる光コネクタ18では、コネクタ固定部13に固定された光コネクタアダプタ18bに対して、光コネクタプラグ18aを接続するようになっているため、ケーブル分岐部10を分解すれば、光コネクタアダプタ18bに対する光ファイバ16の接続を切り換えることも可能である。ケーブル分岐部10の組み立て時には、光コネクタアダプタ18bに対する光ファイバ16の対照が容易になり、組み立て作業性が向上する。
【0013】
光コネクタ18に対する光ファイバ16の接続方向(本実施形態において具体的には、光コネクタアダプタ18bに対する光コネクタプラグ18aの接続方向)は、光ケーブル11の長手方向と平行になっている。この場合、引出口11aから引き出した光ファイバ16は、光ケーブル11とほぼ平行に、光コネクタ18まで布線されるため、余長16aの発生が少なくて済み、ファイバ収納部14および分岐部ケース12を小型化できる。また、光ファイバ16の湾曲は微小で済むので、光ファイバ16の光特性の維持が容易になる利点もある。分岐部ケース12が小型化すれば、目的の設置への光ケーブル分岐部10の引き込み作業が容易になる
【0014】
光コネクタ18としては、前述の構成以外に、例えば、光コネクタレセプタクル等の、雌形ハウジングを備える各種光コネクタも採用可能である。この場合は、光ケーブル11側の光ファイバ16と、分岐光ケーブル19側の光ファイバ20との光接続を、光コネクタアダプタ18bの介在無しに行うことができ、部品点数を削減できる。
また、本出願人が既に出願している例えば特願平8年207478号等に記載の、メカニカルスプライスタイプの光ファイバ接続器も適用可能である。この種の光ファイバ接続器では、例えば、光ケーブル11側の光ファイバ16を予め光ファイバ接続器内に挿入固定しておき、別途光ファイバ接続器に分岐光ケーブル19側の光ファイバ20を挿入して、光ファイバ16、20同士を光ファイバ接続器内の調心機構によって突き合わせ接続する。この種の光ファイバ接続器では、突き合わせ接続される光ファイバ16、20を挟み込む二つ割り構造の素子が、楔等の開放部材により開閉可能になっているので、これにより、光ファイバ16、20間の切替接続が可能である。
なお、分岐光ケーブル19側の光ファイバ20の心数や、光ファイバ20先端の光コネクタ21としては、光ケーブル11側の光ファイバ16や、光コネクタ18の構成に対応して、適宜変更されることは言うまでもない。
【0015】
光コネクタプラグ18aと光コネクタアダプタ18bとからなる光コネクタ18は、分岐光ケーブル19側の光ファイバ20先端の光コネクタ21を光コネクタアダプタ18bに差し込むようにして接続することで、光ファイバ16、20同士を簡便に接続でき、良好な接続作業性が得られる。この点は、MPO形光コネクタ18c等の多心光コネクタについても、同様である。
また、図1に示すように、光コネクタ18は、コネクタ固定部13に複数配列状態に固定され、保護カバー15を開放すると、これら全ての光コネクタ18が露出されるため、分岐光ケーブル19側の光ファイバ20は、目的の光コネクタ18を選択して光コネクタ21を接続するだけで、光ケーブル11側の光ファイバ16と簡便に光接続することができ、接続作業性が向上する。しかも、光コネクタ18、21間は着脱可能であるので、これにより、切替接続をも容易に行うことができる。
【0016】
この光ケーブル分岐部の構造では、布設前の光ケーブル11の目的箇所に予め組み立てておくことで、光ケーブル11の布設によって目的の設置場所に設置される。そして、別途、布設された枝分岐用の分岐光ケーブル19から引き出された光ファイバ20先端の光コネクタ21を、コネクタ固定部13の目的の光コネクタ18に接続し、光ケーブル11側、分岐光ケーブル19側の光ファイバ16、20同士を接続することで、光ケーブル11が分岐光ケーブル19と分岐接続される。
この時、コネクタ固定部13の光コネクタ18は、コネクタ固定部13に固定されているため変位せず、ファイバ収納部14内の余長16aには変動が無いため、光コネクタ11側の光ファイバ16に係る余長処理は必要無い。したがって、光ケーブル分岐部10の周囲には、余長処理のための作業スペースを確保する必要が無く、狭隘な作業スペースであっても、光ファイバ16、20同士の接続作業を効率良く行うことができる。
【0017】
光ケーブル11の布設時には、保護カバー15を閉じてコネクタ固定部13を覆っておくことで、コネクタ固定部13の光コネクタ18、18cを保護することができ、これにより、光ケーブル11の布設を、光ケーブル分岐部10を設けていない光ケーブルと同様の作業により行うことができる。光ファイバ16、20同士のコネクタ接続時には、保護カバー15を開放(取り外し)し、接続作業の完了後には、保護カバー15は再度閉じ(取り付け)、光コネクタ18、21を保護する。したがって、この光ケーブル分岐部10では、従来行われていた、固定構造物等への保護カバーの取付、固定作業ではなく、コネクタ固定部13に保護カバー15を着脱するだけで、コネクタ固定部13を極めて簡便に保護、露出することができ、別途、コネクタを固定するための固定構造物や、作業スペースの確保が不要である。
なお、保護カバーとしては、ヒンジ等によって回転して開閉される構成等、簡便に着脱、開閉できる各種構成が採用可能である。
このように、この光ケーブル分岐部の構造によれば、両光ケーブル11、19の光ファイバ16、20同士の接続、余長処理、保護カバー15の着脱のいずれも、極めて簡便に行うことができ、しかも、接続現場に持ち込む部品や工具等も極めて少なくて済み、作業性を向上でき、接続の作業時間を短縮できる。
【0018】
図3は、本発明の第2実施形態の光ケーブル分岐部の構造を示す。
なお、図中、図1、図2と同一の構成部分には同一の符号を付し、その説明を簡略化する。
この光ケーブル分岐部30は、引出口11a近傍の光ケーブル11を含んでその側部にまで設けられた樹脂によって形成された分岐保護体31内に、光ファイバ16、その余長16a、光コネクタ18を埋設固定した構成になっている。
【0019】
前記分岐部保護体31は、全体が一体成形されたものであり、例えば、引出口11aの周囲に設置した型枠内への充填、硬化等によって設けられる。
光コネクタ18は、分岐部保護体31の一側部であるコネクタ固定部31aに半埋設状態に固定され、コネクタ固定部31aから露出する部分には、分岐光ケーブル19側の光ファイバ20先端の光コネクタ21が接続可能になっている。コネクタ固定部31aには、複数の光コネクタ18が配列状態に固定される。
また、コネクタ固定部31a近傍には、着脱自在の保護カバー15が取り付けられ、保護カバー15を着脱することで、光コネクタ18およびこの光コネクタ18に接続された光コネクタ21の保護収納、露出が簡便に切り換えられることは、前記第1実施形態と同様である。図示していないが、この光ケーブル分岐部の構造においても、ユニット17から多心の光ファイバを引き出し、その先端をコネクタ接続可能に成端する多心用の光コネクタをコネクタ固定部31aに固定しても良いことは言うまでも無い。
【0020】
光ファイバ16の余長16aは、コネクタ固定部31aと引出口11aとの間のファイバ収納部31bに埋設固定されるので、分岐部保護体31の変形や破壊が生じない限り、湾曲半径が安定に維持される。しかも、分岐部保護体31によって、ほぼ完全に止水性が確保されるため、光ファイバ15の光特性や、メタル線の電気特性を、長期に亘って安定に維持することができる。分岐部保護体31の樹脂中への埋設によって、メタル線の耐酸化性、耐薬品性等も得られる。止水性等によって得られる、光特性や電気特性の安定は、光ケーブル11についても同様である。
【0021】
本発明によれば、引出口11a周囲に配設した型枠等によって画成した一定の領域内に樹脂を充填するだけで、分岐部保護体31を簡便に形成することができ、しかも、これにより、光ファイバ16の余長16aや、光コネクタ18等を一挙に固定することができるので、組み立て作業性が大幅に向上し、短時間で組み立てることができる。また、部品点数を削減できるため、組み立て作業工程数の減少による組み立て時間の一層の短縮や、低コスト化が可能となる。両光ケーブル11、19の光ファイバ16、20同士の接続、余長処理、保護カバー15の着脱のいずれも、極めて簡便に行うことができ、しかも、接続現場に持ち込む部品や工具等も極めて少なくて済み、作業性を向上でき、接続の作業時間を短縮できる点は、第1実施形態と同様である。
【0022】
さらに、光ファイバ16の余長16aはファイバ収納部31b内に埋設固定されるため、例えば、光ケーブル11の目的の布設位置への引き込み作業の振動等によって、余長16aの湾曲半径が変動することが防止され、光特性を安定に維持することができる。なお、分岐部保護体31を複数の分割体から形成する場合には、余長16aを取り出し可能とする構成も採用可能である。
【0023】
また、引出口11a近傍では、光ファイバ16の引き出しに伴うユニット17の切断等によって、引出口11a近傍の光ケーブル11の強度が低くなっている場合があるが、分岐部保護体31によって引出口11a近傍の強度を確保することができるため、光ケーブル11の牽引布設時の牽引力によって捻れを生じる等の不都合を防止でき、布設作業を安定に行うことができるといった利点もある。
【0024】
なお、本発明の光ケーブル分岐部の構造は、前記実施形態に限定されず、各種変更が可能であることは言うまでも無い。
例えば、光ケーブル11は、光複合ケーブル以外、メタル線を内蔵複合していない光ケーブル等、各種構成が採用可能である。また、前記実施形態では、光ケーブル11として複数本のユニット17を集合してなる構成のものを示したが、光ケーブルとしては、これに限定されず、例えば、ユニットを備えず、一つのシース内に多数の光ファイバやメタル線を収納してなる構造のものも採用可能である。この場合には、ケーブル内に収納したスロットによって、多数本の光ファイバやメタル線を整理して収納する構成のいわゆるスロット形光ケーブル等が採用可能である。また、ユニットを具備する光ケーブルとしては、ユニット内への圧送エアあるいは陰圧によって、光ファイバやメタル線を送り込む、いわゆるエアバルーン形の光ケーブルも採用可能である。
分岐光ケーブルについても、各種構成が採用可能である。分岐光ケーブルとしては、単心あるいは多心の光コード等も含まれる。
また、前記実施形態にて、分岐部保護体として採用した、分岐部ケースや、成形樹脂の形状は、図示したものに限定されず、各種形状の採用が可能である。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の光ケーブル分岐部の構造によれば、光ケーブルに予め設けた分岐部保護体内のファイバ収納部に、光ケーブルから引き出した光ファイバを湾曲収納し、分岐光ケーブル側の光ファイバとの接続時には、光ケーブル側の光ファイバに分岐光ケーブル側の光ファイバをコネクタ接続するのみで、前記ファイバ収納部内の光ファイバを引き出さないので、光ファイバ同士の接続作業に伴う湾曲処理が不要になり、狭隘な作業スペースであっても、光ファイバ同士のコネクタ接続等の作業を行うことができる。また、コネクタ固定部では、光コネクタを定位置に固定しているので、分岐光ケーブル側の光ファイバ先端の光コネクタを、このコネクタ固定部に固定された光コネクタに接続するだけで、光ケーブル側、分岐光ケーブル側の両光ファイバを簡便に光接続することができ、接続作業性が向上するといった優れた効果を奏する。
また、引出口から引き出した光ファイバは、光ケーブルとほぼ平行に、光コネクタまで布線されるため、余長の発生が少なくて済み、ファイバ収納部および分岐部ケースを小型化できる。また、光ファイバの湾曲は微小で済むので、光ファイバの光特性の維持が容易になる利点もある。分岐部ケースが小型化すれば、目的の設置への光ケーブル分岐部の引き込み作業が容易になる。
【0026】
請求項2記載の光ケーブル分岐部の構造によれば、前記分岐部保護体が、前記光ケーブルの側部に充填、固化された樹脂からなり、この分岐部保護体の樹脂に、前記光ケーブルから引き出された光ファイバ先端の光コネクタを固定するコネクタ固定部と、引き出された前記光ファイバを埋設固定するファイバ収納部とを備えるので、樹脂によって分岐部保護体を極めて簡便に形成することができ、これにより、光コネクタ、光ファイバを安定に固定することができ、低コスト化、光ケーブルの布設作業性の向上が一層容易になるといった優れた効果を奏する。
また、この光ケーブル分岐部の構造及び本発明の光ケーブル分岐部の組立方法は、光ケーブルの目的の布設位置への引き込み作業の振動等によって、余長の湾曲半径が変動することが防止され、光特性を安定に維持することができるといった効果が得られる。
【0027】
請求項3記載の光ケーブル分岐部の構造によれば、前記分岐部ケースの前記コネクタ固定部には、メタル線同士を電気的に接続する電気コネクタを備え、この電気コネクタを介して、前記ケーブル本体に内蔵複合されたメタル線が、前記分岐光ケーブル側のメタル線に対して電気的に接続されるようになっているので、メタル線についても、光ファイバと同様にコネクタ接続により、短時間で接続作業を行うことができるといった優れた効果を奏する。
また、請求項4記載の光ケーブル分岐部の構造によれば、光ケーブルの布設時には、保護カバーを閉じてコネクタ固定部を覆っておくことで、コネクタ固定部の光コネクタを保護することができ、これにより、光ケーブルの布設を、光ケーブル分岐部を設けていない光ケーブルと同様の作業により行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ケーブル分岐部の構造の第1実施形態を示す正面図である。
【図2】図1の光ケーブル分岐部の構造を示す正断面図である。
【図3】本発明の光ケーブル分岐部の構造の第1実施形態を示す正断面図である。
【図4】従来例の光ケーブル分岐部の構造を示す図であって、(a)は光ケーブル分岐部を目的位置に引き込んで設置した状態を示す正面図、(b)は光ケーブルと分岐ケーブルとの分岐接続状態を示す正面図である。
【符号の説明】
10…光ケーブル分岐部、11…光ケーブル(光複合ケーブル、プレハブケーブル)、12…分岐部保護体(分岐部ケース)、13…コネクタ固定部、14…ファイバ収納部、16…光ファイバ、16a…光ファイバ(余長)、18…光コネクタ、18a…多心光コネクタ(MPO形光コネクタ)、19…分岐光ケーブル、20…光ファイバ、30…光ケーブル分岐部、31…分岐部保護体(樹脂)、31a…コネクタ固定部、31b…ファイバ収納部。

Claims (6)

  1. 建物内部に布設される光ケーブル(11)の長手方向1カ所または複数箇所に設けられ、前記光ケーブルを分岐光ケーブル(19)と分岐接続する光ケーブル分岐部の構造であって、
    布設前の前記光ケーブル側部に予め設けられた分岐部保護体(12、31)に、前記光ケーブルから引き出した光ファイバ(16)先端を、前記分岐光ケーブル側の光ファイバ(20)に対してコネクタ接続可能に成端する光コネクタ(18、18c)を固定するコネクタ固定部(13、31a)と、引き出された前記光ファイバを収納するファイバ収納部(14、31b)とを備え、
    前記光ケーブルから引き出した光ファイバの前記光コネクタに対する接続方向は前記光ケーブルの長手方向と平行であり、前記光ケーブルから引き出した光ファイバは前記光ケーブルとほぼ平行に前記光コネクタまで布線されていることを特徴とする光ケーブル分岐部(10、30)の構造。
  2. 前記分岐部保護体(31)が、前記光ケーブルの側部に充填、固化された樹脂からなり、この分岐部保護体の樹脂に、前記光ケーブルから引き出された光ファイバ先端の光コネクタを固定するコネクタ固定部(31a)と、引き出された前記光ファイバを埋設固定するファイバ収納部(31b)とを備えることを特徴とする請求項1記載の光ケーブル分岐部の構造。
  3. 前記コネクタ固定部には、メタル線同士を電気的に接続する電気コネクタを備え、この電気コネクタを介して、前記光ケーブルから前記分岐部保護体内へ引き出されたメタル線が、前記分岐光ケーブル側のメタル線に対して電気的に接続されるようになっていることを特徴とする請求項1または2記載の光ケーブル分岐部の構造。
  4. 前記光ケーブル分岐部に、前記分岐部保護体の側面に露出された前記コネクタ固定部を外側から覆う着脱自在の保護カバーが取り付けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光ケーブル分岐部の構造。
  5. 建物内部に布設される光ケーブル(11)の長手方向1カ所または複数箇所に設けられ、前記光ケーブルを分岐光ケーブル(19)と分岐接続する光ケーブル分岐部の組立方法であって、
    光ケーブル(11)において光ファイバ(16)が引き出される引出口(11a)の周囲に設置した型枠内に充填した樹脂を硬化させることによって、前記引出口付近の光ケーブルを含んで該光ケーブルの側部にまで設けられた樹脂中に、前記光ファイバと、その余長(16a)と、前記光ファイバ先端を前記分岐光ケーブル側の光ファイバに対してコネクタ接続可能に成端する光コネクタ(18)とを埋設固定した分岐保護体(31)を形成することを特徴とする光ケーブル分岐部の組立方法。
  6. 前記光ケーブルから引き出した光ファイバの前記光コネクタに対する接続方向は前記光ケーブルの長手方向と平行であり、前記光ケーブルから引き出した光ファイバは前記光ケーブルとほぼ平行に前記光コネクタまで布線されていることを特徴とする請求項5記載の光ケーブル分岐部の組立方法。
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