JP2001013365A - コネクタ用キャップおよび光ケーブル牽引具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 例えば、コネクタ付きケーブルの牽引布設用
の光ケーブル牽引具の保護ホース等のように、狭隘な空
間内に光コネクタを収納する場合、光コネクタを収納保
護するとともに高密度収納を実現できるコネクタ用キャ
ップ並びに高密度収納を実現できる光ケーブル牽引具の
開発が求められていた。 【解決手段】 キャップ本体２１の一側部に延在するコ
ネクタ収納領域２２に、複数開口されたコネクタ収納穴
２３が、それぞれ前記コネクタ収納領域２２の延在方向
に垂直の深さ方向に対して傾斜されているコネクタ用キ
ャップ２０および該キャップ２０を保護ホース内に収納
した光ケーブル牽引具を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、光コネクタ先端を
収納保護するコネクタ用キャップ、および、光ケーブル
端末から引き出された光ファイバをその先端の光コネク
タとともに収納する保護ホースを備える光ケーブル牽引
具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】例えば、図４に示すように、端末から引
き出された光ファイバ１先端が光コネクタ２によりコネ
クタ接続可能に成端されてなる、いわゆるコネクタ付き
ケーブル３（以下、「光ケーブル３」）を牽引布設する
光ケーブル牽引具４にあっては、前記光ケーブル３端末
を把持固定するケーブル固定部５と光ケーブル牽引具先
端部６との間を連結するようにして設けられる柔軟な保
護ホース７内に、前記光ファイバ１の余長と光コネクタ
２とを収納するようにしている。前記光ファイバ１の余
長は、保護ホース７内で、折り返すようにして湾曲して
収納される。前記光コネクタ３は、先端の接合端面近傍
をキャップ８に収納し、埃の付着や衝撃力による損傷等
から保護して、保護ホース７内に収納される。図４にお
いては、光ケーブル３端末から引き出された光ファイバ
１を、まず、保護ホース７の軸方向中央部の第１折返部
９にてケーブル固定部５方向へ折り返し、次いで、ケー
ブル固定部５近傍の第２折返部１０にて光ケーブル牽引
具先端部６方向へ折り返し、この折り返された光ファイ
バ１を分岐部１１にて分岐（例えば８心から４心へ分
岐）した光ファイバ１ａ先端の光コネクタ２をキャップ
８に挿入して収納保護した上、光ケーブル牽引具先端部
６近傍に引き込んで収納している。光ケーブル３端末か
ら第１折返部９に至る光ファイバ１は、第１折返部９を
含んで、補強チューブ１１に収納して補強しているが、
光ケーブル３端末から引き出された光ファイバ１のそれ
以外の部分は、第１折返部９近傍にて補強チューブ１１
から口出しされている。光ファイバ１、１ａとしては例
えば多心の光ファイバテープ心線、光コネクタ２として
は例えばＪＩＳ Ｃ ５９８１等に制定されるいわゆる
ＭＴ形光コネクタ（Mecanically Transferable）用の多
心光コネクタフェルールが採用される。

【０００３】図５は、キャップ８を示す。キャップ８
は、底壁部８ａと、この底壁部８ａの周囲に形成された
側壁部８ｂとによって一側部に開口部８ｃを有するケー
ス状に形成され、さらに、その内部に複数形成された隔
壁８ｄによって、光コネクタ２先端を収納可能なコネク
タ収納穴８ｅが多段に形成されている。これにより、キ
ャップ８は、複数の光コネクタ２先端を収納保護でき
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、光ケーブル
３端末（図４参照）から引き出される光ファイバ１は多
数本であることが普通であり、特に光ケーブル３の多心
化に対応するには、保護ホース７内の容積をより有効に
活用して、これら光ファイバ１や光コネクタ２の収納量
を増大する必要がある。しかしながら、図５に示したキ
ャップ８を複数重ね合わせて、多数の光コネクタ２を高
密度に収納しようとすると、重ね合わせたキャップ８の
数だけ寸法ａが増大して（各キャップ８の開口部８ｃ
は、ケーブル固定部５方向へ向けられる）、保護ホース
７内を塞ぐようになる。これにより、キャップ８近傍で
は光ファイバ１、１ａの挿通が困難になるため、光コネ
クタ２を収納保護したキャップ８は、２つの折返部９、
１０にて湾曲させて収納領域１３に収納される光ファイ
バ１、１ａと干渉しない別の収納領域１４に収納される
こととなり、保護ホース７は二つの収納領域１３、１４
を確保するために大型化が余儀無くされるといった問題
がある。前記問題に鑑みて、例えば、複数のキャップ８
を保護ホース７軸方向にずらして分散配置すれば、保護
ホース７内への突出寸法を抑えることが可能である。し
かし、これでは、各キャップ８の光コネクタ２から引き
出されている多数本の光ファイバ１ａが保護ホース７内
に複雑に配線されることとなり、互いに絡まったり、取
り出し時に光ファイバ１、１ａの識別や接続が困難にな
るといった不都合が生じる。また、これら光ファイバ
１、１ａの固定部品を設けて絡まり合いを防止するとな
ると、多数の固定部品を必要とし、牽引具４の組み立て
工数の増大や、コストの上昇を招いてしまう。なお、多
数の光コネクタ２の高密度収納に係る問題は、前記光ケ
ーブル牽引具４に限定されず、光配線盤やクロージャ等
についても、狭隘な領域に多数の光コネクタ２を収納す
る場合に同様に発生する。

【０００５】本発明は、前述の課題に鑑みてなされたも
ので、光ファイバ先端に組み立てられた光コネクタをコ
ンパクトに高密度収納できるコネクタ用キャップ、並び
に、光ケーブル端末から引き出された光ファイバ先端の
光コネクタを効率良く高密度収納することで光ファイバ
や光コネクタの収納量を増大できる光ケーブル牽引具を
提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明で
は、キャップ本体の一側部に延在するコネクタ収納領域
に、光コネクタ先端を取り出し可能に収納するコネクタ
収納穴が複数開口され、しかも、これら前記コネクタ収
納穴の中心軸線が、それぞれ前記コネクタ収納領域の延
在方向に垂直の深さ方向に対して傾斜されていることを
特徴とするコネクタ用キャップを前記課題の解決手段と
した。請求項２記載の発明では、請求項１記載のコネク
タ用キャップにおいて、複数本並行された光ファイバに
対して、これら光ファイバ先端の光コネクタ先端を収納
する前記コネクタ収納穴が、前記光ファイバの長手方向
に位置をずらして複数形成されていることを特徴とす
る。この発明によれば、同一のコネクタ収納領域に複数
開口されたコネクタ収納穴が、それぞれ同一の傾斜角度
を以って傾斜されているので、コネクタ収納穴の形成に
必要な深さ寸法を極力抑えることができ、結局、光コネ
クタの収納に必要な深さ寸法が小さくて済む。また、こ
れらコネクタ収納穴に先端を収納保護した光コネクタ
も、コネクタ収納穴の傾斜によって傾斜されるため、狭
い領域に多数を高密度に収納可能である。請求項２記載
のように、複数のコネクタ収納穴を光ファイバの長手方
向に位置をずらして形成すると、光ファイバ長手方向に
垂直の横方向にもコネクタ用キャップの寸法を縮小で
き、一層の高密度化が可能である。

【０００７】請求項３記載の発明は、光ケーブル端末に
組み立てられる光ケーブル牽引具であって、光ケーブル
端末を固定するケーブル固定部と、該ケーブル固定部に
対して離間して設けられた光ケーブル牽引具先端部と、
これらケーブル固定部と光ケーブル牽引具先端部との間
を連結するようにして配設され、前記光ケーブル端末か
ら引き出された光ファイバが湾曲収納される保護ホース
とを備えてなり、前記保護ホース内には、前記請求項１
または２記載のコネクタ用キャップが前記コネクタ収納
領域の延在方向を当該保護ホースの軸線方向に沿わせて
収納され、このコネクタ用キャップのコネクタ収納穴内
に、前記光ファイバ先端に組み立てられた光コネクタ先
端が取り出し可能に収納されるようになっていることを
特徴とする。この発明によれば、保護ホース内に収納さ
れたコネクタ用キャップのコネクタ収納領域の延在方向
を保護ホース軸線方向に沿わせることで、保護ホース内
部へのコネクタ用キャップの突出寸法を抑えることが可
能であり、保護ホース内の空間を塞ぐことを防止でき
る。これにより、コネクタ用キャップの周囲に確保され
た空間を利用して、保護ホース内での光ファイバの引き
回し等が自由になり、保護ホース内での光ファイバや光
コネクタの収納を効率良く行える。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下本発明の１実施の形態を、図
１から図３を参照して説明する。なお、図中、図４およ
び図５と同一の構成部分には同一の符号を付し、その説
明を簡略化する。

【０００９】図１は、本実施の形態のコネクタ用キャッ
プ２０を示す斜視図、図２は、側断面図である。図１お
よび図２において、コネクタ用キャップ２０は、プレー
ト状のキャップ本体２１の一側部に延在するコネクタ収
納領域２２に、光ファイバ１先端に組み立てられた光コ
ネクタ２先端を取り出し可能に収納するコネクタ収納穴
２３が複数開口された構造になっている。各コネクタ収
納穴２３の中心軸線は、前記コネクタ収納領域２２の延
在方向に垂直の深さ方向に対して、それぞれ同一の傾斜
角度θを以って傾斜されている。

【００１０】具体的には、キャップ本体２１は、プラス
チック等の樹脂から細長プレート状に形成され、前記コ
ネクタ収納穴２３は、このキャップ本体２１の一側部
（ここでは、キャップ本体２１上面側）にて、当該キャ
ップ本体２１長手方向へ５個縦列するとともに、これ
を、前記長手方向に垂直の幅方向へ２列並列させて、合
計１０個形成されている。各コネクタ収納穴２３は、キ
ャップ本体２１の長手方向複数箇所から一定ピッチで配
列して突出された突壁２４間に形成されている。これら
突壁２４のキャップ本体２１からの突出寸法ｔは一定に
なっている。一対の突壁２４間では、キャップ本体２１
長手方向に沿って形成された仕切壁２５と、キャップ本
体２１幅方向両側に突設された側壁２６とによって、キ
ャップ本体２１幅方向に隣接する二つのコネクタ収納穴
２３が画成されている。したがって、キャップ本体２１
長手方向へ複数縦列されたコネクタ収納穴２３の各列間
で、コネクタ収納穴２３の配列ピッチは一定である。

【００１１】各コネクタ収納穴２３は、突壁２４の突出
寸法ｔを含む、深さ寸法ｓのコネクタ収納領域２２内に
形成されている。このコネクタ収納領域２２の深さ寸法
ｓは、各コネクタ収納穴２３が同一の傾斜角度θを以っ
て傾斜されていることから、コネクタ収納穴を傾斜させ
ずに形成した場合に比べて縮小される。

【００１２】光ファイバ１としては、例えば４心や８心
等の多心の光ファイバテープ心線、光コネクタ２として
は、例えばＪＩＳ Ｃ ５９８１等に制定されるＭＴ形
光コネクタが採用される。コネクタ収納穴２３には、光
コネクタ２の接合端面２ａ近傍の先端部を含むコネクタ
本体部２ｃのほぼ全体が収納される。コネクタ収納穴２
３内面は、コネクタ本体部２ｃ外面にほぼ密接するた
め、コネクタ収納穴２３内では、光コネクタ２がガタつ
くこと無く安定収納される。しかも、コネクタ収納穴２
３は、光コネクタ２が収納されることで密閉されるた
め、侵入した埃等が接合端面２ａに付着するといった心
配が無い。さらに、特に突き合わせ接続した時の光学的
特性に影響する光コネクタ２先端近傍が、キャップ本体
２１、突壁２４、仕切壁２５、側壁２６に覆われて、キ
ャップ２０外側に露出しないから、外部の部品の接触等
に対して保護されて傷める心配が無く、目的の光特性を
安定に維持できる。光コネクタ２の前記接合端面２ａに
対向する後端側を外側へ拡張した形状の鍔部２ｄは、コ
ネクタ収納穴２３の開口部２７近傍にて、両側の突壁２
４間に形成された凹所２８内に収納される。また、この
コネクタ用キャップ２０では、突壁２４側部を切り欠い
て形成した段部２９によって拡張された凹所２８内に鍔
部２ｄを収納するため、これにより、キャップ本体２１
長手方向に隣接するコネクタ収納穴２３に収納した光コ
ネクタ２間の配列ピッチを縮小できる。

【００１３】このコネクタ用キャップ２０によれば、複
数のコネクタ収納穴２３により、複数の光コネクタ２先
端を保護収納できる。コネクタ収納穴２３に先端が収納
された光コネクタ２は、コネクタ収納穴２３の傾斜によ
って一定の傾斜角度θを以て傾斜されるため、光コネク
タ２後端のブーツ２ｅや、このブーツ２ｅから引き出さ
れている光ファイバ１の湾曲スペース等を含む、このコ
ネクタ用キャップ２０の高さ寸法ｈは、光コネクタ２が
傾斜されず、深さ方向と一致する向き（プレート状のキ
ャップ本体２１に対して垂直）で収納される場合に比べ
て縮小できる。

【００１４】キャップ本体２１に対して傾斜角度θを以
て傾斜して挿入された光コネクタ２は、深さ方向と一致
する向きで挿入された場合に比べて、コネクタ収納領域
２２上での露出面積が大きくなるから、光コネクタ２の
識別が容易になるとともに、キャップ２０から目的の光
コネクタ２を取り出す際の把持可能部分が増大すること
から、取り出し作業性が向上する等の利点がある。な
お、コネクタ収納穴２３に挿入された光コネクタ２の鍔
部２ｄが凹所２８内に収納されることで、この鍔部２ｄ
の露出は特に大きく確保され、しかも、鍔部２ｄとコネ
クタ収納穴開口部２７との間には若干の隙間２８ａが確
保されることから、この隙間２８ａを利用することで、
鍔部２ｄを容易に摘み上げることができる。

【００１５】次に、前記コネクタ用キャップ２０の適用
例として、光ケーブル牽引具３０の保護ホース７内に収
納した例を図３に示す。なお、図３中、図４の光ケーブ
ル牽引具４と同一の構成部分には同一の符号を付し、そ
の説明を簡略化する。但し、以下の保護ホース７として
は、例えば、ケブラ等の抗張力体が埋設固定されて、引
張耐力が向上されている樹脂製ホース等が採用される。
図３において、ケーブル固定部５は、光ケーブル３端末
周囲に設けられたリング状のスペーサ５ａと、このスペ
ーサ５ａの複数箇所から該スペーサ５ａ内側に収納され
た光ケーブル３へ向けて押圧されて光ケーブル３を把持
固定する鬼目部材５ｂと、スペーサ５ａから牽引具先端
部６へ向けて突出され、光ケーブル３端末に露出された
テンションメンバ３ａと連結される連結部５ｃとを備え
ている。牽引具先端部６は、樹脂発泡体等の柔軟性を有
する素材から形成される先端キャップ６ａと、この先端
キャップ６ａに引き抜き不可能に設けられたアイナット
６ｂとを備えている。保護ホース７は、ケーブル固定部
５のスペーサ５ａ外側に固定された内リング５ｄと、前
記先端キャップ６ａとに対して図示しない固定手段によ
り固定されており、牽引具先端部６と光ケーブル３との
間に作用する引張力を負担して、ケーブル固定部５と牽
引具先端部６との間を離間しないように連結する。な
お、ケーブル固定部５や牽引具先端部６の周囲は、シー
ル材５ｅ等によって防水性を確保しており、しかも、保
護ホース７自体も防水性であることから、保護ホース７
内には、防水された空間が形成される。

【００１６】保護ホース７の長手方向中央部には、複数
のコネクタ用キャップ２０を、当該保護ホース７長手方
向にずらして複数収納している。各コネクタ用キャップ
２０は、コネクタ収納領域２２の延在方向を保護ホース
７軸方向と平行させ、保護ホース７軸方向に沿って複数
配列させたコネクタ収納穴２３がその傾斜によってケー
ブル固定部５側へ傾斜して開口するようにして、保護ホ
ース７内に固定される。

【００１７】光ケーブル３端末から引き出された光ファ
イバ１は、まず、光ケーブル牽引具先端部６近傍の第１
折返部３１にてケーブル固定部５へ向けて折り返され、
次いで、分岐部３３によって光ファイバ１から分岐した
光ファイバ１ａ（例えば８心の光ファイバ１から４心の
光ファイバ１ａを２本分岐）が、ケーブル固定部５近傍
の第２折返部３２にて光ケーブル牽引具先端部６へ向け
て折り返されることで、保護ホース７内に湾曲収納され
ている。光ファイバ１ａ先端に組み立てられた光コネク
タ２は、その先端を前記コネクタ用キャップ２０に収納
保護して、第１、第２折返部３１、３２間に形成された
収納空間３４内に収納される。

【００１８】光ファイバ１は、光ケーブル３端末から第
１折返部３１手前までの部分が、例えばスパイラルチュ
ーブ等の補強チューブ１１によって収納補強されてお
り、第１折返部３１では、補強チューブ１１から口出し
された光ファイバ１が湾曲されている。第２折返部３２
は、数本の光ファイバ１ａを結束した光ファイバ束毎に
形成され、しかも、光ファイバ束毎に、保護ホース７軸
方向へ収納位置がずらされている。これにより、光コネ
クタ２を保護収納するコネクタ用キャップ２０の保護ホ
ース７軸方向での位置の違い、各コネクタ用キャップ２
０におけるコネクタ収納穴２３の保護ホース７軸方向の
位置の違いが、第２折返部３２の位置の違いによって吸
収され、第２折返部３２から光コネクタ２までの光ファ
イバ１ａには過剰な弛み等が生じない。

【００１９】つまり、コネクタ用キャップ２０は、複数
本並行された光ファイバ１ａに対して、これら光ファイ
バ１ａ先端の光コネクタ２先端を収納する前記コネクタ
収納穴２３が、前記光ファイバ１ａの長手方向（保護ホ
ース７軸方向）に位置をずらして複数形成されている構
成であるから、第２折返部３２を保護ホース７軸方向ず
らして、第２折返部３２から光コネクタ２までの光ファ
イバ１ａの長さを調整することで、光ファイバ１ａの余
長が吸収処理される。第２折返部３２の保護ホース７軸
方向への移動による光ファイバ１ａの余長吸収は、例え
ば、第１、第２折返部３２間の離間距離を増大すると、
この離間距離増大分の２倍の長さの光ファイバ１ａを吸
収できるので、保護ホース７内の容積を有効利用して、
効率的に光ファイバ１ａを収納できる。なお、第２折返
部３２を構成する光ファイバ１ａは、光ファイバ１から
分岐されたものであるため心数が少なく、曲げやすいこ
とから、第２折返部３２の移動は容易であり、しかも、
第２折返部３２近傍での光ファイバ１ａの湾曲処理も容
易である。

【００２０】コネクタ用キャップ２０は、高さ寸法ｈ
（図２参照）を抑えることができる構造であるから、第
１、第２折返部３１、３２間に形成される収納空間３４
内に収納しても、その周囲に十分な空間を確保でき、保
護ホース７内での光ファイバ１、１ａの引き回し等を自
由に行える。このため、保護ホース７内には、光ファイ
バ１、１ａ用の収納領域と光コネクタ２用の収納領域と
を別々に確保する必要は無く、内部の容積を有効利用す
ることができ、その結果、保護ホース７内への光ファイ
バ１、１ａや光コネクタ２等の収納量の増大が可能とな
る。

【００２１】コネクタ用キャップ２０のコネクタ収納穴
２３は、保護ホース７軸方向（キャップ本体２１長手方
向）への配列数を多くし、保護ホース７軸方向に垂直の
横方向（キャップ本体２３幅方向）への配列数を極力抑
えることが好ましく、これにより、コネクタ用キャップ
２０周囲の空間の確保が容易になる。また、コネクタ用
キャップ２０の前記横方向の寸法が大きいと、このコネ
クタ用キャップ２０に収納される複数の光コネクタ２に
係る複数本の光ファイバ１ａも横方向に分散して配列さ
れるが、コネクタ用キャップ２０の前記横方向寸法が小
さければ、例えばキャップ２０単位での結束等が容易に
なって、整理して収納できるため、互いに絡まり合った
り、取り出しの際の識別が困難になる等の不都合を防止
できる利点がある。

【００２２】この光ケーブル牽引具３０によれば、保護
ホース７内での光ファイバ１、１ａや光コネクタ２の高
密度収納を実現できるため、光ファイバ１、１ａ本数や
光コネクタ２の収納量を増大できる。ところで、光ケー
ブル牽引具３０は、牽引布設される光ケーブル３の牽引
方向前端あるいは後端に取り付けられるものであり、牽
引方向前端である場合は、保護ホース７が適宜湾曲する
ことで管路屈曲部の通過等が円滑になされる必要があ
る。この光ケーブル牽引具３０では、光コネクタ２を収
納保護したキャップ２０を、第１、第２折返部３１、３
２間の収納空間３４内に収納するため、保護ホース７を
長大化しないので、保護ホース７を管路屈曲部等の通過
に適した寸法、形状に形成でき、光ケーブル３の牽引布
設作業性を確保できる。

【００２３】なお、本発明は、前記実施の形態に限定さ
れず、各種変更が可能であることは言うまでも無い。例
えば、前記実施の形態では、プレート状のキャップ本体
２１を備えたコネクタ用キャップ２０を示したが、キャ
ップ本体の形状としては、プレート状以外、例えば、ブ
ロック状、シャフト状等、各種構成が採用可能である。
但し、光ケーブル牽引具の保護ホース内への収納等のよ
うに、狭隘な領域内に収納するものとしては、出来るだ
け高さ寸法ｈを抑えるために、プレート状等に形成され
たキャップ本体を採用することが好ましい。前記実施の
形態では、プレート状のキャップ本体の一側の面にのみ
複数のコネクタ収納穴を配列形成した構成を例示した
が、本発明はこれに限定されず、プレート状のキャップ
本体の両面に複数のコネクタ収納穴を形成した構成も採
用可能である。この場合には、少ないスペースにて、多
数の光コネクタを高密度に収納できる。また、前記実施
の形態では、２列×５個、合計１０個のコネクタ収納穴
を有する構成を例示したが、一列に配列されるコネクタ
収納穴の数や、複数のコネクタ収納穴を配列してなる列
の数は適宜変更可能であることは言うまでも無い。各コ
ネクタ収納穴の傾斜角度は、一定では無く、互いに異な
っていても良い。また、傾斜方向も揃っている必要は無
い。前記実施の形態では、光ケーブル３の牽引布設に伴
う引張力を保護ホース７によって負担する構成の光ケー
ブル牽引具３０への適用例を示したが、本発明はこれに
限定されず、例えば、光ケーブル端末に引き出したテン
ションメンバあるいはこのテンションメンバに連結した
連結ワイヤを保護ホース内に挿通して光ケーブル牽引具
先端部に連結することで引張力を負担する構成の光ケー
ブル牽引具に適用することも可能である。また、本発明
のコネクタ用キャップの適用対象は、光ケーブル牽引具
に限定されず、例えば、光配線盤やクロージャ等の各種
光機器に適用可能である。

【００２４】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１記載のコ
ネクタ用キャップによれば、同一のコネクタ収納領域に
複数開口されたコネクタ収納穴が、それぞれ傾斜されて
いるので、コネクタ収納領域の延在方向に垂直の深さ寸
法を極力抑えることができ、しかも、コネクタ収納穴に
収納した光コネクタもコネクタ収納穴の傾斜によって傾
斜されて、コネクタ収納領域の延在方向に沿った狭隘な
領域内に、複数の光コネクタをコンパクトに高密度収納
できるといった優れた効果を奏する。請求項２記載の発
明によれば、コネクタ収納穴が、前記光ファイバの長手
方向に位置をずらして複数形成されていることで、光フ
ァイバ長手方向に垂直の横方向へのコネクタ用キャップ
の寸法を抑えることができる。しかも、各光コネクタ収
納穴に収納された光コネクタに係る複数本の光ファイバ
も、コネクタ用キャップ近傍にて横方向に広がることな
く配線できるため、特に、細長い空間内での光コネクタ
の高密度収納を容易に実現できるといった優れた効果を
奏する。

【００２５】請求項３記載の発明によれば、保護ホース
内部への突出寸法を抑えることができる構造のコネクタ
用キャップを保護ホース内に収納したことにより、保護
ホース内にて、コネクタ用キャップの周囲に光ファイバ
挿通用の空間を確保することが容易であり、これによ
り、保護ホース内での光ファイバの引き回し等が自由に
なり、保護ホース内の容積を有効に利用して、光ファイ
バや光コネクタを効率良く収納できるから、光ファイバ
や光コネクタの収納量の増大が可能になるといった優れ
た効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明のコネクタ用キャップの１実施の形態
を示す全体斜視図である。

【図２】 図１のコネクタ用キャップを示す正断面図で
ある。

【図３】 本発明の光ケーブル牽引具のコネクタ用キャ
ップの１実施の形態を示す断面図である。

【図４】 従来例の光ケーブル牽引具を示す断面図であ
る。

【図５】 従来例のコネクタ用キャップを示す斜視図で
ある。

【符号の説明】

１，１ａ…光ファイバ、２…光コネクタ、３…光ケーブ
ル、５…ケーブル固定部、６…牽引具先端部、７…保護
ホース、２０…コネクタ用キャップ、２１…キャップ本
体、２２…コネクタ収納領域、２３…コネクタ収納穴、
３０…光ケーブル牽引具、θ…傾斜角度。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 玉木 康博 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉事業所内 (72)発明者 飯塚 祐一 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉事業所内 (72)発明者 山本 素 東京都新宿区西新宿三丁目19番２号 日本 電信電話株式会社内 (72)発明者 平塚 秀樹 東京都新宿区西新宿三丁目19番２号 日本 電信電話株式会社内 Ｆターム(参考） 2H036 JA02 QA34 RA11 2H038 CA38 CA73

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 キャップ本体（２１）の一側部に延在す
   るコネクタ収納領域（２２）に、光コネクタ（２）先端
   を取り出し可能に収納するコネクタ収納穴（２３）が複
   数開口され、しかも、これら前記コネクタ収納穴の中心
   軸線が、それぞれ前記コネクタ収納領域の延在方向に垂
   直の深さ方向に対して傾斜されていることを特徴とする
   コネクタ用キャップ（２０）。
2. 【請求項２】 複数本並行された光ファイバ（１ａ）に
   対して、これら光ファイバ先端の光コネクタ先端を収納
   する前記コネクタ収納穴が、前記光ファイバの長手方向
   に位置をずらして複数形成されていることを特徴とする
   請求項１記載のコネクタ用キャップ。
3. 【請求項３】 光ケーブル（３）端末に組み立てられる
   光ケーブル牽引具であって、 光ケーブル端末を固定するケーブル固定部（５）と、該
   ケーブル固定部に対して離間して設けられた光ケーブル
   牽引具先端部（６）と、これらケーブル固定部と光ケー
   ブル牽引具先端部との間を連結するようにして配設さ
   れ、前記光ケーブル端末から引き出された光ファイバ
   （１、１ａ）が湾曲収納される保護ホース（７）とを備
   えてなり、 前記保護ホース内には、前記請求項１または２記載のコ
   ネクタ用キャップ（２０）が前記コネクタ収納領域（２
   ２）の延在方向を当該保護ホースの軸線方向に沿わせて
   収納され、このコネクタ用キャップのコネクタ収納穴
   （２３）内に、前記光ファイバ先端に組み立てられた光
   コネクタ先端が取り出し可能に収納されるようになって
   いることを特徴とする光ケーブル牽引具（３０）。