JP3622729B2 - 画像入力装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮像部が被写体と非接触であるスタンド型画像入力装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
スタンド型画像入力装置では、読取対象となる用紙を設置台に設置して画像を取得するが、その際、光学レンズと用紙が非接触のため、用紙の折れやカールを平坦な状態に矯正する必要が生じる。矯正できない場合は、読取画像に歪みやピンボケが発生し、読取画像に対し文字認識等を行う場合には、認識率の低下を招く。
【０００３】
このような誤認識を防止するために、２つ以上の異なる条件で読取った画像を合成し、平面に展開する方法もある。このような技術としては、特開２０００−１１５５１０号公報がある。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記技術では、読取時間が増加するという問題が生じるだけでなく、合成処理などに必要なメモリ容量の増加から来るコスト高等の問題が生じる。
【０００５】
本発明の目的は、スタンド型画像入力装置において、読取対象となる紙、フィルム等の媒体に折れ、カール等がある場合でも、媒体自身を設置台上で平坦な状態に保持し、歪みやピンボケのない良好な画像を取得し、媒体の折れ、カール等に起因する文字認識率の低下を抑制することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明は、設置台に、読取対象となる用紙を挟持し、折れやカールを伸ばす機構を設ける。このような機構により、用紙を設置台上で平坦な状態に保持することを可能にする。また、設置台に粘着性を持たせる、或いは画像入力装置の解像度よりも細い糸状の物で用紙を押さえることによっても、課題の解決が可能である。
【０００７】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【０００８】
図１は、本発明における画像入力装置の概略構成図である。
【０００９】
画像入力装置は、主に、撮像部１と、撮像部１を固定する支柱３、また支柱３の土台となり撮像対象となる被写体６を置く設置台２から構成される。
【００１０】
撮像部１は、設置台２の上方に支柱３により固定されている。撮像部１は、光学系（レンズ）４、光学系で集めた画像を画像データとして取り込む撮像素子５、撮像素子５からのデータを受け取る出力処理部７、また撮像したデータを処理する画像処理部８、さらに、外部端末へ認識した画像を送信する出力部９から構成される。
【００１１】
設置台２に置かれた被写体６は、光学系（レンズ）４を通して撮像素子５上に結像される。撮像素子５は、結像した被写体像を空間的にサンプリングし、光電変換後、出力処理部７へ送る。出力処理部７は、送られてきたアナログの画像データに対し、増幅、相関２重サンプリング、Ａ／Ｄ変換等を行い、デジタルデータを出力する。画像処理部８は、送られてきた画像データに対し必要に応じてシェーディング補正、γ補正、ＭＴＦ補正等を行う。出力部９は、画像データを支柱内部を通る外部Ｉ／Ｆ１０のプロトコルに基づいた制御により出力する。この出力データは、ここでは図示しない外部端末が受信し、外部端末において認識処理が行なわれる。
【００１２】
ここで、被写体６は撮像部１と非接触であるため、被写体６に折れやカールがある場合、被写体６は設置台２から浮き上り、その結果、読取画像に歪みやピンボケが発生する。図２に被写体６が平坦な状態（ａ）、折れがある状態（ｂ）、カールがある状態（ｃ）を示す。スタンド型画像入力装置では、被写体６を撮像素子５から射影的に見るため、設置台２から浮き上っていれば歪んで見える（図３参照）。また、その浮き上りが光学系４の許容する被写界深度を越えた場合には、ピンボケが発生する。その結果、外部端末における認識処理で誤認識が生じる。
【００１３】
このような現象を鑑み、本実施の形態では、被写体６を平坦な状態に保持するために、設置台２の上端及び下端に被写体６を挟持する機構１１を設ける。挟持力としては、重り、バネ、磁力等が考えられる。
【００１４】
磁力を使用する場合は、予め設置台２に鉄板を入れておく必要がある（図４（ａ）参照）。図５に磁力を使用した挟持機構１１の例を示す。Ｌ字形とし、角をカットすることにより、操作性を向上している。被写体６を挟み込む際、挟持機構１１を一旦取り外すのではなく、挟持機構１１の上側を押し、前側を持ち上げ（図９（ａ））、被写体６を挿入し（図９（ｂ））、前側を下ろす（図９（ｃ））だけでよい。挟持機構は上端及び下端に限らず、例えば左端及び右端（図４（ｂ）参照）等、使用条件に応じ最適な部分に設置する。また、被写体６の上端を挟持機構１１で固定した後、矢印の方向に手で伸ばして被写体６を平坦な状態にし、手で被写体６の下端を押さえて画像読取を行うことも可能である（図５（ａ）参照）。更に、手ではなく、文鎮のような部品１２を設け、同様に行うこともできる。この場合、被写体６の下端を文鎮１２の重みで押さえることも、文鎮１２を磁石とし磁力で押さえることも可能である（図５（ｂ）参照）。
【００１５】
上端に挟持機構１１を設け、手で被写体６の下端を押さえる方法を、四つ折りにしたＡ４サイズの帳票４５枚（認識対象１２６０フィールド、１フィールドは７〜１０桁の数字）に対し適用する実験を行った。この時、挟持機構１１は反射を防止するため、艶消しの黒色とした。本発明を適用しない場合のフィールド認識正解率１３．５％に対し、適用した場合の正解率は９８．０％と改善している。このように、スタンド型画像入力装置を使用し、文字認識を行うシステムにおいて、非常に有効であることが判明した。
【００１６】
また、設置台２に粘着性を持たせ、被写体６を貼りつけることにより、平坦な状態を保持することもできる。この場合、何度も貼ったりはがしたりを行う必要があるため、弱粘性を持ったシリコン系やウレタン系等の材料が好適である。これらは、汚れた場合も、水拭きにより、粘着性が復元する。図６では、設置台２の４隅に粘着エリア１３を設けている。全面に粘着性を持たせる等、使用条件により最適な位置に粘着エリアを設けることが可能である。
【００１７】
また、設置台２の中に吸引機構を設け、吸引孔１４を通し被写体６を吸引することにより、平坦な状態を保持することもできる。吸引孔１４は、使用条件により最適な位置に配置することが可能である（図７参照）。
【００１８】
更に、画像入力装置の解像度より細い糸状の物１６で被写体６を押さえることにより、平坦な状態を保持することもできる。この場合、糸状の物１６をある程度重みのあるフレーム１５に、例えばテニスのラケットのように張り、貼った面で被写体６を押さえればよい（図８参照）。
【００１９】
【発明の効果】
本発明により、スタンド型画像入力装置において、読取対象となる用紙に折れやカールがある場合でも、平坦な状態に矯正し、読取ることができる。その結果、読取画像に文字認識等を実行する場合、認識正解率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】一実施の形態における画像入力装置の一例を示す概略構成図である。
【図２】一実施の形態における設置台上の被写体の状態を示す図である。
【図３】設置台上の被写体に折れがある場合の読取画像を示す図である。
【図４】挟持機構の一例と押さえ方を示す図である。
【図５】挟持機構の使用例を示す図である。
【図６】挟持機構の他の実施の形態を示す図である。
【図７】挟持機構の他の実施の形態を示す図である。
【図８】挟持機構の他の実施の形態を示す図である。
【図９】挟持機構の詳細を示す図である。
【符号の説明】
１…撮像部、
２…設置台、
３…支柱、
４…光学系（レンズ）、
５…撮像素子、
６…被写体、
７…出力処理部、
８…画像処理部、
９…出力部、
１０…外部Ｉ／Ｆ、
１１…挟持機構、
１２…文鎮
１３…粘着エリア、
１４…吸引孔、
１５…フレーム、
１６…糸状の物

Claims (2)

1. 被写体を結像する光学系と、
   前記光学系により結像した前記被写体像をサンプリングして画像情報を出力する撮像素子と、
   前記被写体を載せる設置台と、
   前記撮像部を前記設置台の上方に固定する固定機構と、
   前記被写体が前記設置台上で平坦な状態となるように、該被写体の端部を保持する保持機構と、
   から構成される画像入力装置であって、
   前記保持機構はＬ字形構造、かつ、その L 字の折れ曲がり部の外側をカットすることにより当該カットした部分を中心に傾けることで前記設置台と当該保持機構との間に生じる隙間に前記被写体を挿入可能な構造とし、該隙間を狭める方向に作用する磁力によって前記被写体を保持すること
   を特徴とする画像入力装置。
2. 被写体を結像する光学系と、
   前記光学系により結像した前記被写体像をサンプリングして画像情報を出力する撮像素子と、
   前記被写体を載せる設置台と、
   前記撮像部を前記設置台の上方に固定する固定機構と、
   前記撮像素子の解像能力よりも細い糸状の物で前記被写体を押さえることによって、前記被写体を前記設置台上で平坦な状態に保持する機構と、
   から構成される画像入力装置。

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