JP3622471B2 - ギヤ製造方法及び製造装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、歯が軸に対し斜めになっているヘリカルギヤの製造方法及び製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、ステアリングに用いられるヘリカルピニオンギヤは、入力軸に連結される側は大径の軸部であり、ラックに噛合するヘリカルギヤ部は前記軸部よりも小径である。このようなヘリカルギヤは機械加工で製造されていたが、機械加工では工程数が多く加工に時間がかかり、高価な専用機を必要とするため、近年では押し出し製造が行われれている。この押し出し製造は、歯形を成形する多数の歯形溝が内周面にヘリカルに形成され、この歯形溝の上方に歯形溝に向かって傾斜したテーパ面を備えているダイスに、円柱状の歯車素材をパンチにより押し込んで前記歯車素材の外周面にヘリカルギヤを製造するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の製造は、ダイスに中実円柱状の歯車素材をパンチにより押し込んで歯車素材の外周面にヘリカルギヤを形成するため、ダイスにはヘリカルギヤを形成する度にパンチの押圧による応力負荷が大きく作用する。そのため、ダイスが変形してしまい製品精度が劣化したり、ダイスの使用寿命が短いという問題があった。
【0004】
本発明の目的は、ダイスに対する応力負荷を軽減し、製品精度の向上とダイスの耐久性を確保したギヤ製造方法及び製造装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため本発明の製造方法は、歯形を形成する多数の歯形溝が内周面にヘリカルに形成されているダイスに、歯形素材を押し込んで中空穴部を有する大径部と外周面にヘリカルギヤを形成した中実軸状の小径部とからなるギヤを製造する方法であって、前記歯車素材は前記ダイスによって絞り成形したときに中空穴が潰れて密着し前記中実軸状の小径部を形成する内径寸法に設定した貫通穴の中空円柱状とし、この歯車素材を前記中空穴部の内径寸法と同径でかつ所定長さの中空穴用軸部を備えたパンチにより所定位置まで前記ダイスに押し込むようにしたことを特徴とするものである。
【0006】
また、上記の目的を達成するため本発明の製造装置は、歯形を形成する多数の歯形溝が内周面にヘリカルに形成されているダイスに、歯形素材を押し込んで中空穴部を有する大径部と外周面にヘリカルギヤを形成した中実軸状の小径部とからなるギヤを製造する装置であって、前記歯形素材は中空穴が形成され前記ダイスによって絞り成形したときに中空穴が潰れて密着し前記中実軸状の小径部を形成する内径寸法に設定した貫通穴の中空円柱状とし、この歯車素材を前記ダイスに押し込みためのパンチは前記歯車素材の円周端面に当接する段部と前記中空穴に嵌合する前記中空穴部の内径寸法と同径でかつ所定長さの中空穴用軸部とを設けたことを特徴とするものである。
【0007】
さらに、前記パンチの中空穴用軸部に前記歯車素材の大径部となる部位の中空穴部の内周面に歯形を形成する歯形溝を設けたことを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明装置であり、左半分は成形前を示す断面で、右半分は成形後を示す断面である。この図1において、10は型本体である。この型本体10には環状の中空穴18cが形成された歯車素材18がセットされるコンテナダイス11と、このコンテナダイス11の下部に成形用ダイス12が装填されている。
【0009】
前記成形用ダイス12は、その内周面に歯車素材18に対して歯形を成形する多数の歯形溝13がヘリカルに形成されており、この歯形溝13の上方から歯形溝13に向かって歯車素材18を絞りながら歯形溝13に流動させるテーパ面14が形成されている。
【0010】
また、コンテナダイス11の上方にはアクチュエータによって昇降動するパンチ15が配置されており、成形用ダイス12の下方にはアクチュエータによって昇降動するノックアウト17が配置されている。前記パンチ15は下降動によって前記コンテナダイス11にセットされた歯車素材18を押圧して成形用ダイス12に押し込むものであり、ノックアウト17は上昇動によって成形後の歯車素材Wを成形用ダイス12から押し上げて型本体10より取り出すものである。
【0011】
そこで本発明は、図2にも示すように、前記歯車素材18は成形用ダイス12で絞り成形したときに中空穴18cが潰れて密着する内径寸法D2に設定した中空円柱状の素材である。この内径寸法D2は外径寸法D1と合わせて適宜設定されるものである。
【0012】
また、前記パンチ15は、前記歯車素材18の中空穴18cに嵌合する内径寸法D2と略同径の中空穴用軸部15aと、前記歯車素材18の円周端面に当接する段部15bとが設けられている。尚、前記中空穴用軸部15aの外周面に歯形溝16を必要に応じて設ける。
【0013】
上記の構成による本発明装置は図1の左半分の断面で示すように、コンテナダイス11に歯車素材18をセットした後、パンチ15を下降動して図4(a)で示すように歯車素材18を段部15bで押圧する。この押圧によって歯車素材18は図4(b)で示すように、成形用ダイス12のテーパ面14で絞られて歯形溝13に押し込まれ、図4(c)で示すように、成形を完了する。
【0014】
前記図4(b)から図4(c)の押圧過程において、成形用ダイス12のテーパ面14で絞られて歯形溝13に押し込まれた歯車素材18は中空穴18cが潰れて密着し中実軸状に塑性変形する。
【0015】
また、この押圧過程において、パンチ15の中空穴用軸部15aよって歯車素材18の上部は中空穴18cの内径寸法D2を維持して中空穴部20を成形する。そして、中空穴用軸部15aの外周面に歯形溝16を設けた場合は、この中空穴部20の内周面にスプライン等の歯形20aを成形する。
【0016】
上記本発明によって、例えば、ステアリングに用いられるヘリカルピニオンギヤを製造した場合は、図3で示すように、入力軸に連結される側の大径部18aには入力軸が嵌合する中空穴部20を形成し、この中空穴部20の内周面にはスプライン等の歯形20aが形成され、また、外周面にヘリカルギヤ19が形成される小径部18bは歯車素材18の中空穴18cが潰れて密着し中実軸状となった製品が得られる。
【0017】
そこで本発明では、歯車素材18は中空穴18cの中空円柱状の素材であり、この中空穴18cによって必要な中空穴部20が確保されているため、中実円柱状の歯車素材のようにパンチによって中空穴部20を成形する必要がなく、従って、パンチ15の押圧による応力負荷を低減することができ、製品精度の向上とダイス寿命の増大が得られる。
【0018】
上記本発明の実施形態では、成形用ダイス12のテーパ面14は1段であるが、急角度と緩角度の多段テーパ面にしてもよい。こうすることにより、歯車素材18を歯形溝13に押し込むときの流動を制御して、より一層精密な歯形を転写して成形することができる。また、ヘリカルギヤ19が形成される部分の歯車素材18の中空穴18cは小径の中空にしてもよい。こうすることにより、パンチ15の押圧による応力負荷をさらに低減することができる。
【0019】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によると、歯形溝を備えた成形用ダイスに歯車素材をパンチで押し込んで歯車素材にギヤを成形するにおいて、歯車素材は貫通した中空穴を有し前記ダイスによって絞り成形したときに前記中空穴が潰れて密着し小径部を形成する内径寸法に設定した中空円柱状とし、歯車素材の上部の大径部は前記中空穴の内径寸法に大きな変化を生じさせることなく中空穴部を成形し、前記歯車素材の下部の小径部は中空穴を潰して密着し中実軸状に塑性変形するものであるから、成形時のパンチによる応力負荷が低減され、製品品質の向上と成形用ダイスの耐久性を確保する利点があり、特に負荷が大きい冷間成形の成形用ダイスの寿命増大や工程削減が図られるとともに小径部を中実とし、かつ大径部を中空に成形することからこの種ヘリカルギヤとして必要な剛性を確保しながら軽量化を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の断面図
【図2】本発明に係わる歯車素材の断面図
【図3】本発明によって製造した一例を示すヘリカルピニオンギヤの断面図
【図4】本発明の製造過程を示す断面図
【図5】図4のA−A線断面図
【図6】図4のB−B線断面図
【図7】図4のC−C線断面図
【図8】図4のD−D線断面図
【図9】図4のE−E線断面図
【図10】図4のF−F線断面図
【符号の説明】
10 型本体
11 コンテナダイス
12 成形用ダイス
13 歯形溝
14 テーパ面
15 パンチ
15a 中空穴用軸部
15b 段部
16 歯形溝
17 ノックアウト
18 歯車素材
18a 大径部
18b 小径部
18c 中空穴
19 ヘリカルギヤ
20 中空穴部
20a 歯形
Claims (3)
- 歯形を形成する多数の歯形溝が内周面にヘリカルに形成されているダイスに、歯形素材を押し込んで中空穴部を有する大径部と外周面にヘリカルギヤを形成した中実軸状の小径部とからなるギヤを製造する方法であって、前記歯車素材は前記ダイスによって絞り成形したときに中空穴が潰れて密着し前記中実軸状の小径部を形成する内径寸法に設定した貫通穴の中空円柱状とし、この歯車素材を前記中空穴部の内径寸法と同径でかつ所定長さの中空穴用軸部を備えたパンチにより所定位置まで前記ダイスに押し込むようにしたことを特徴とするギヤ製造方法。
- 歯形を形成する多数の歯形溝が内周面にヘリカルに形成されているダイスに、歯形素材を押し込んで中空穴部を有する大径部と外周面にヘリカルギヤを形成した中実軸状の小径部とからなるギヤを製造する装置であって、前記歯形素材は中空穴が形成され前記ダイスによって絞り成形したときに中空穴が潰れて密着し前記中実軸状の小径部を形成する内径寸法に設定した貫通穴の中空円柱状とし、この歯車素材を前記ダイスに押し込みためのパンチは前記歯車素材の円周端面に当接する段部と前記中空穴に嵌合する前記中空穴部の内径寸法と同径でかつ所定長さの中空穴用軸部とを設けたことを特徴とするギヤ製造装置。
- 前記パンチの中空穴用軸部に前記歯車素材の大径部となる部位の中空穴部の内周面に歯形を形成する歯形溝を設けたことを特徴とする請求項2に記載のギヤ製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP02018198A JP3622471B2 (ja) | 1998-01-19 | 1998-01-19 | ギヤ製造方法及び製造装置 |
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Publications (2)
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JPH11197783A JPH11197783A (ja) | 1999-07-27 |
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Country | Link |
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Families Citing this family (1)
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JP7277706B2 (ja) * | 2019-01-17 | 2023-05-19 | 日本製鉄株式会社 | 差厚管の製造方法及び差厚管の製造装置 |
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- 1998-01-19 JP JP02018198A patent/JP3622471B2/ja not_active Expired - Fee Related
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