JP3622436B2 - ソレノイドの制御装置 - Google Patents

ソレノイドの制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば車両用の自動変速機の油圧制御回路に配置されるソレノイドの制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両用の自動変速機は、歯車変速機構と摩擦係合装置とを備えており、摩擦係合装置の係合・解放により変速が達成されるように構成されている。ここで、自動変速機の変速特性を良好に維持するために、摩擦係合装置に作用する油圧を、リニアソレノイドによってフィードバック制御する構成になっている。
【0003】
具体的には、まず車両の走行状態が検出され、この検出結果に基づいて、目標電流値が設定される。この目標電流値はコントローラに入力され、コントローラからは、目標電流値に対応するデューティ信号(電気信号)が出力される。そして、リニアソレノイドの駆動により、リニアソレノイドバルブから出力される信号圧が制御され、この信号圧に基づいて、摩擦係合装置に作用する油圧が制御される。
【0004】
上記のような自動変速機の油圧制御装置に用いられるソレノイドの制御装置が、特開平7−103324号公報に記載されている。この公報に記載されたソレノイドの制御装置は、電源に接続されたリニアソレノイドと、電源とリニアソレノイドとの間の回路をオン・オフするトランジスタと、リニアソレノイドに供給される電流(電圧)値を検出する電流値検出回路と、目標電流値と検出された電流値が入力されるコントローラとを備えている。
【0005】
そして、目標電流値に基づいたデューティ信号が、コントローラから出力されてトランジスタがオン・オフされ、リニアソレノイドが制御される。また、電流値検出回路により、リニアソレノイドに振動が発生しているか否かが検出される。振動が発生している場合は、検出された電圧に振動抑制ゲインが乗じられる。その結果、リニアソレノイドの振動によって生じた電圧成分を、コントローラの出力から減ずることができ、振動の電圧成分が減算されたデューティ信号が出力されて、現に発生している振動が相殺される。したがって、リニアソレノイドの耐振動性が高められて、油圧調整機能が向上する利点があった。つまり、アキュームレータ背圧の振動などの外乱により、リニアソレノイドで逆起電力が生じることを抑制できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、自動変速機の摩擦係合装置に供給される油圧をリニアソレノイドにより制御する場合、フィードバック制御を良好に維持をするために、目標電流値の変化に対して速やかに追従する性能、つまり迅速な応答性が要求される。
【0007】
しかしながら、上記公報に記載されたソレノイドの制御装置においては、外乱による逆起電力の発生を抑制するために大きなフィードバックゲインが必要になり、その弊害としてリニアソレノイドの応答がオーバーシュート特性になる可能性があった。
【0008】
これとは逆に、リニアソレノイドの応答性を良好に維持するためにフィードバックゲインを小さく設定した場合は、逆起電力を抑制する機能が損なわれる可能性があった。つまり、公報に記載された制御技術では、リニアソレノイドの外乱を抑制する機能と、応答性を高める機能とを両立させることが困難であった。
【0009】
この発明は上記の事情を背景としてなされたものであり、ソレノイドにおける外乱を抑制する機能と、追従性(応答性)を高める機能とを両立することの可能なソレノイドの制御装置を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段およびその作用】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は図1に示すように、ソレノイドに流れた電流値と、前記ソレノイドの目標電流値との偏差に基づいて、前記ソレノイドを電気的にフィードバック制御するソレノイドの制御装置において、前記ソレノイドが、車両の挙動制御装置の油圧制御回路104に配置されているとともに、前記車両の状態に応じて前記目標電流値をなまし処理するなまし処理手段102と、なまし処理された目標電流値と、前記ソレノイドに流れた電流値との偏差に基づいて、前記ソレノイドを制御する電気信号を設定する電気信号設定手段103とを備えていることを特徴とする。ここで、車両の状態としては、自動変速機の変速段と、スロットルバルブの開度と、自動変速機の作動油の油温とが例示される。
【0011】
請求項1の発明によれば、目標電流値がなまし処理されるため、ソレノイドの応答性の急激な変化が抑制されて、応答性を安定的に維持することができ、かつ、ソレノイドのフィードバック制御ゲインの設定幅を広くすることが可能になり、フィードバック制御ゲインを高ゲイン化してソレノイドに生じる外乱を抑制することができる。
【0013】
また、請求項1の発明によれば、ソレノイドにより制御される挙動制御装置の油圧が、車両の状態に適合したものになり、車両の挙動を安定させることが可能になる。
【0014】
【発明の実施の形態】
つぎに、この発明のソレノイドの制御装置を、車両の挙動制御装置の油圧制御回路に適用した場合の実施例に基づいて具体的に説明する。図2は、原動機の一例としてのエンジン1および自動変速機2についての制御系統図を示しており、アクセルペダル3の踏み込み量に応じた信号がエンジン用電子制御装置4に入力されている。
【0015】
またエンジン1の吸気配管には、スロットルアクチュエータ5によって駆動される電子スロットルバルブ6が設けられている。そしてこの電子スロットルバルブ6は、アクセルペダル3の踏み込み量に応じてエンジン用電子制御装置4からスロットルアクチュエータ5に制御信号が出力され、その制御量に応じて開度が制御されるようになっている。
【0016】
エンジン1を制御するためのエンジン用電子制御装置4は、中央演算処理装置(CPU)および記憶装置(RAM,ROM)ならびに入出力インターフェースを主体とするものであって、このエンジン用電子制御装置4には、上記のアクセルペダル3の踏み込み量に応じた信号に加えて、エンジン回転速度Ne 、吸入空気量Q、吸入空気温度、電子スロットルバルブ6の開度、車速、エンジン水温、ブレーキスイッチの出力信号などが、制御データとして入力されている。
【0017】
また、エンジン用電子制御装置4は、上記のスロットルアクチュエータ5の制御に加えて、自動変速機2の変速時などにおいて、エンジン1のトルク制御のために燃料噴射装置7や点火時期を変更するイグナイタ8などに信号を出力するように構成されている。
【0018】
上記エンジン1に連結された自動変速機2は、油圧を電気的に制御して変速やロックアップクラッチの係合・解放の制御などを行ういわゆる電子制御式の自動変速機である。そして、自動変速機2の油圧を制御する油圧制御装置9は、主として変速を実行するための3つのシフトソレノイドバルブSOL1 ,SOL2 ,SOL3 と、主としてエンジンブレーキ状態を制御するソレノイドバルブSOL4 と、主としてロックアップクラッチを制御するリニアソレノイドバルブSLUと、スロットル開度に応じてライン圧を制御するリニアソレノイドバルブSLTと、主としてアキュームレータの背圧を制御するリニアソレノイドバルブSLNとを備えている。
【0019】
この油圧制御装置9における各ソレノイドバルブに制御信号を出力する自動変速機用電子制御装置10が設けられている。この自動変速機用電子制御装置10は、前述したエンジン用電子制御装置4と同様に、中央演算処理装置(CPU)および記憶装置(RAM,ROM)ならびに入出力インターフェースを主体とするものである。したがって、必要に応じてエンジン用電子制御装置4と、自動変速機用電子制御装置10とを統合・一体化することができる。
【0020】
この自動変速機用電子制御装置10には、自動変速機2の変速やロックアップクラッチを制御するために、予め変速マップや演算式が記憶されている。この変速マップは、スロットル開度および車速を基準とするものであり、変速マップには、低速段から高速段にアップシフトすることを許可するアップシフト線、高速段から低速段にダウンシフトすることを許可するダウンシフト線、ロックアップクラッチの係合・解放領域などが設定されている。
【0021】
そして、自動変速機用電子制御装置10に入力されるデータに基づく演算を行い、その演算結果に基づいた制御信号を前記各ソレノイドバルブに出力して変速やロックアップクラッチの係合・解放の制御ならびに変速時の過渡油圧の制御などを実行するように構成されている。
【0022】
そして自動変速機用電子制御装置10には、制御データとして、上記の電子スロットルバルブ6の開度、車速、エンジン水温、ブレーキスイッチの出力信号に加えて、自動変速機2のレンジを選択するシフト装置(図示せず)のマニュアルシフトスイッチの出力信号、パターンセレクトスイッチの出力信号、後述するクラッチC0 の回転数を検出するC0 センサからの出力信号、第2クラッチC2 の回転数を検出するC2 センサの出力信号、自動変速機2の作動油であるATF(オートマチック・トランスミッション・フルード)の油温センサ、オーバードライブスイッチの出力信号などが入力されている。
【0023】
上記各電子制御装置4,10は、相互にデータ通信可能に接続されており、特に自動変速機用電子制御装置10からエンジン用電子制御装置4には、各変速段を設定する信号が送信されており、またエンジン用電子制御装置4から自動変速機用電子制御装置10には、エンジン1の一回転当たりの吸入空気量(Q/Ne )が送信されている。
【0024】
上記の自動変速機2は、前進5段・後進1段の変速段を設定することができ、そのギヤトレーンの一例を図3に示してある。図3において、自動変速機2はトルクコンバータ13を介してエンジン1に連結されている。このトルクコンバータ13は、エンジン1のクランク軸14に連結されたポンプインペラ15と、自動変速機2の入力軸16に連結されたタービンランナー17と、これらポンプインペラ5とタービンランナー17との間を直結するロックアップクラッチ18と、一方向クラッチ19によって一方向の回転が阻止されているステータ20とを備えている。
【0025】
上記自動変速機2は、ハイおよびローの2段の切り換えを行う副変速部21と、後進段および前進4段の切り換えが可能な主変速部22とを備えている。副変速部21は、サンギヤS0 、リングギヤR0 、およびキャリヤK0 に回転可能に支持されてそれらサンギヤS0 およびリングギヤR0 に噛み合わされているピニオンP0 からなる遊星歯車装置23と、サンギヤS0 とキャリヤK0 との間に設けられたクラッチC0 および一方向クラッチF0 と、サンギヤS0 とハウジング29との間に設けられたブレーキB0 とを備えている。
【0026】
主変速部22は、サンギヤS1 、リングギヤR1 、およびキャリヤK1 に回転可能に支持されてそれらサンギヤS1 およびリングギヤR1 に噛み合わされているピニオンP1 からなる第1遊星歯車装置24と、サンギヤS2 、リングギヤR2 、およびキャリヤK2 に回転可能に支持されてそれらサンギヤS2 およびリングギヤR2 に噛み合わされているピニオンP2 からなる第2遊星歯車装置25と、サンギヤS3 、リングギヤR3 、およびキャリヤK3 に回転可能に支持されてそれらサンギヤS3 およびリングギヤR3 に噛み合わされているピニオンP3 からなる第3遊星歯車装置26とを備えている。
【0027】
上記サンギヤS1 とサンギヤS2 とは互いに一体的に連結され、リングギヤR1 とキャリヤK2 とキャリヤK3 とが一体的に連結され、そのキャリヤK3 は出力軸27に連結されている。また、リングギヤR2 がサンギヤS3 に一体的に連結されている。そして、リングギヤR2 およびサンギヤS3 と中間軸28との間に第1クラッチC1 が設けられ、サンギヤS1 およびサンギヤS2 と中間軸28との間に第2クラッチC2 が設けられている。
【0028】
またブレーキ手段として、サンギヤS1 およびサンギヤS2 の回転を止めるためのバンド形式の第1ブレーキB1 がハウジング29に設けられている。また、サンギヤS1 およびサンギヤS2 とハウジング29との間には、第1一方向クラッチF1 およびブレーキB2 が直列に設けられている。この第1一方向クラッチF1 は、サンギヤS1 およびサンギヤS2 が入力軸6と反対の方向へ逆回転しようとする際に係合させられるように構成されている。
【0029】
キャリヤK1 とハウジング29との間には第3ブレーキB3 が設けられており、リングギヤR3 とハウジング29との間には、第4ブレーキB4 と第2一方向クラッチF2 とが並列に設けられている。この第2一方向クラッチF2 は、リングギヤR3 が逆回転しようとする際に係合させられるように構成されている。上記クラッチC0 ,C1 ,C2 、ブレーキB0 ,B1 ,B2 ,B3 ,B4 は、油圧が作用することにより摩擦材が係合させられる油圧式摩擦係合装置である。
【0030】
そして副変速部23におけるクラッチC0 の回転数、すなわち入力回転数を検出するC0 センサ30と、主変速部22における第2クラッチC2 の回転数を検出するC2 センサ31が設けられている。なお、これらのセンサ30,31は、前述したように自動変速機用電子制御装置10に接続されている。
【0031】
上記の自動変速機2では、前進5段と後進段とを設定することができ、これらの変速段を設定するための各摩擦係合装置の係合・解放の状態を図4の係合作動図表に示してある。なお、図4において○印は係合状態、◎印は係合してもトルク伝達に関係しないことを、●印はエンジンブレーキを効かせるために係合することを、空欄は解放状態をそれぞれ示す。
【0032】
図5は、油圧制御装置9を構成する油圧制御回路104の部分的な概念図である。図5において、リニアソレノイドバルブSLU、およびリニアソレノイドバルブSLT、ならびにリニアソレノイドバルブSLNの元圧は、いずれもソレノイドモジュレータバルブ32に依存している。このソレノイドモジュレータバルブ32は、プライマリーレギュレータバルブ33により調圧されるライン圧PL を元圧としている。
【0033】
また、変速過渡期において、各摩擦係合装置の係合油圧を制御するアキュームレータ34,35,36が設けられている。アキュームレータ34,35,36の背圧は、アキュームレータコントロールバルブ37により制御される。このアキュームレータコントロールバルブ37には、リニアソレノイドバルブSLTから出力された信号圧と、リニアソレノイドバルブSLNから出力された信号圧とが入力される。
【0034】
図6は、リニアソレノイドバルブSLT(SLN)の具体的な構成を示す断面図である。リニアソレノイドバルブSLT(SLN)は、ソレノイド100と、ソレノイド100に対して組み付けられた調圧部37とを備えている。ソレノイド100は、円筒形状のコア38の周囲に巻き付けられたコイル39と、コア38およびコイル39が収納されたケース40と、ケース40の開口端を封鎖したカバー41とを有する。
【0035】
また、調圧部37は、ケース40に固定されたスリーブ42と、スリーブ42の内部に移動可能に配置されたスプール43と、スプール43をソレノイド100側に付勢するスプリング44とを備えている。さらに、スプール43におけるソレノイド100側の端部にはピン45が当接され、ピン45がコア38の内部に移動可能に配置されている。ピン45にはプランジャ45Aが固定されている。なお、スプール43には、入力ポート46と出力ポート47とドレーンポート48とが形成されている。
【0036】
上記構成のリニアソレノイドバルブSLT(SLN)は、コイル39に流される電流に応じてプランジャ45Aが軸線A1方向に移動する。そして、プランジャ45Aの移動によってスプール43が同方向に移動する。その結果、入力ポート46から入力されたライン圧PL がドレーンポート48からドレーンされ、ドレーンのされるオイルの量が増減され、出力ポート47から所定の信号圧PSLT(PSLN)が出力されるように構成されている。
【0037】
図7(A),(B),(C)は、ソレノイド100に供給される電流値、言い換えればデューティ信号(電気信号)の矩形波の一例を示す図である。具体的には300Hzの矩形波であり、その1Hz内のオン時間とオフ時間とを、例えば図7(A),(B),(C)に示されるように変えることにより、ソレノイド100に供給する電流が増減される。
【0038】
図8は、ソレノイド100の駆動状態を制御する制御アルゴリズムのブロック図である。図8において、49はトランジスタであり、このトランジスタ49はデューティ信号がオンされた時のみバッテリ電圧をコイル39に印加するスイッチングの機能を備えている。
【0039】
また、コイル39のアース側に抵抗50が配置され、抵抗50の両端に生じる電圧を電流検出回路51により検出するように構成されている。この電流検出回路51は、抵抗50の両端に生じる電圧を電流に換算する機能を備えている。つまり、電流検出回路51は、抵抗50の両端に生じる電圧、言い換えれば電流値を検出することで、ソレノイド100の実際の電流値を検出する機能を備えている。
【0040】
一方、摩擦係合装置の係合油圧に対応する目標電流値と、検出される車両状態とが、なまし処理回路52に入力される。また、なまし処理回路52は、目標電流値を、車両の状態に基づいてなまし処理する機能を備えている。そして、電流検出回路51により検出されたソレノイド100の実際の電流(電圧)値の信号と、なまし処理された目標電流(電圧)値の信号とが、合算点53において突き合わされ、それぞれの電圧の偏差が抽出される。ついで、この偏差を、公知のPIDコントローラ54を経てトランジスタ49へのデューティ信号として出力するフィードバック制御が行われる。
【0041】
ここで上記実施例の構成と、この発明の構成との対応関係を説明する。すなわち、エンジン1と自動変速機2とが挙動制御装置に含まれる。また、特に図示しないが、車両の制動力を制御する制動装置、および懸架装置が挙動制御装置に含まれる。なお、この実施例において、ソレノイド100に供給される電流値、または目標電流値の概念には、ソレノイド100に供給される電圧値、または目標電圧値が含まれる。
【0042】
上記のように構成されたソレノイドの制御装置においては、ソレノイド100の駆動状態、つまり、コイル39に供給されている駆動電流の平均電圧が、電流検出回路により検出される。この平均電圧には、アキュームレータ背圧の変化などによりリニアソレノイドバルブSLT(SLU)が振動して生じた逆起電力の影響が含まれている。
【0043】
一方、目標電流値及び車両状態がなまし処理回路に入力され、目標電流値のなまし処理が行なわれる。このなまし処理は、具体的には次の(1)式により行なわれる。
【0044】
FILT(k)=BETA×FILT(k−1)+(1−BETA)×(1−ALPH)×VR(k)・・・・・(1)
上記(1)式において、FILT(k)が今回のなまし処理後の目標電流値であり、FILT(k−1)が前回のなまし処理後の目標電流値であり、BETAおよびALPHがなまし係数であり、VR(k)が今回の目標電流値である。
【0045】
そして、合算点53においては、次の(2)式の処理が行われる。
【0046】
EV(k)=ALPH×VR(k)−VIO(k)+FILT(k)・・・・・・・(2)
上記(2)式において、EV(k)が今回の電圧偏差であり、VIO(k)が今回の検出電流(電圧)である。
【0047】
合算点53を通過したEV(k)の信号がPIDコントローラ54に入力され、つぎの(3)式の処理が行われる。
【0048】
DDO=KP×{EV(k)−EV(k−1)}+KI×EV(k)・・・・・・・(3)
上記(3)式において、DDOがデューティ比の補正量(%)であり、KPが比例ゲインであり、KIが積分ゲインである。
【0049】
以上のように、この実施例においては、なまし処理された目標電流値VRと、ソレノイド100の電流値VIOとの偏差EVに基づいて、フィードバック制御ゲインが設定され、この制御ゲインに基づいてデューティ比の補正量DDOが設定される。
【0050】
このため、ソレノイド100の応答性の急激な変化が抑制され、リニアソレノイドバルブSLT(SLU)の信号圧の応答性を安定的に維持することができる。その結果、フィードバック制御の制御ゲインの設定幅が広くなり、外乱を抑制する方向に比例ゲインKPまたは積分ゲインKIを高ゲイン化することが可能になる。したがって、リニアソレノイドバルブSLT(SLU)の振動による逆起電力の影響を抑制することができ、ソレノイド100の外乱(油圧振動)を抑制する機能が向上する。
【0051】
また、なお、上記なまし処理および電気信号の補正処理は、ロックアップクラッチ18の係合油圧を制御するリニアソレノイドバルブSLNの制御にも適用可能である。
【0052】
さらに、この実施例によれば、車両状態検出手段105を備え、なまし処理手段102が、車両検出手段105により検出された車両の状態に応じてなまし処理を行なうことが可能である。ここで、車両の状態としては、ATFの油温が例示される。
【0053】
つまり、ATFは、油温が低下するほど粘性が高まり、油圧応答性が低下する特性を備えている。また、油温が上昇するほど粘性が低下して油圧振動が生じやすくなる特性を備えている。そこで、この実施例では、油温が低下するに伴ってなまし処理のゲインを低ゲイン化し、リニアソレノイドバルブSLT(SLU)の信号圧の応答性を速める制御が行われる。一方、油温が上昇するに伴ってなまし処理のゲインを高ゲイン化し、リニアソレノイドバルブSLT(SLU)の油圧振動を抑制する制御が行われる。
【0054】
なお、車両の状態としては、自動変速機2の油温の他に、自動変速機2の変速段と、電子スロットルバルブ6の開度とが例示される。すなわち、自動変速機2の変速段または電子スロットルバルブ6の開度が変化した場合、摩擦係合装置により伝達するトルクが変動する。このため、自動変速機2の変速段の変化、または電子スロットルバルブ6の開度の変化に対応して、リニアソレノイドバルブSLT(SLU)の応答性を制御することで、変速ショックが可及的に抑制されて安定した変速特性が得られる。
【0055】
したがって、車両の挙動、具体的には、自動変速機2の出力トルクに基づいた車両の運動性能を可及的に向上させることが可能になる。また、電子スロットルバルブ6の開度に基づいて、リニアソレノイドバルブSLNの応答性を制御すれば、ロックアップクラッチ18の係合圧が適切な状態になり、振動やこもり音が抑制される。
【0056】
なお、車両の挙動制御装置としては、自動変速機2の他に、エンジン1のアイドルスピードコントロールバルブと、ブレーキ装置と、懸架装置のショックアブソーバとが例示される。そして、この発明は、アイドルスピードコントロールバルブの制御アクチュエータとなるリニアソレノイドバルブ、またはブレーキ油圧を制御するリニアソレノイドバルブ、あるいはショックアブソーバの減衰力を制御するリニアソレノイドバルブの制御に適用可能である。
【0057】
この発明がブレーキ油圧を制御するリニアソレノイドバルブに適用された場合は、車両の挙動、つまり操縦安定性を損なうことなく適当な制動力を生じさせることができる。この発明が、ショックアブソーバの減衰力を制御するリニアソレノイドバルブの制御に適用された場合は、車両の挙動、つまり操縦安定性や走行安定性が向上する。
【0058】
ここで、上記の具体例に基づいて開示したこの発明の特徴的な構成を記載すれば、以下のとおりである。
【0059】
すなわち、トルクの伝達経路に配置された摩擦係合装置と、摩擦係合装置に作用する油圧を制御するリニアソレノイドと、ソレノイドに流れた電流値と、前記ソレノイドの目標電流値との偏差に基づいて、前記ソレノイドを電気的にフィードバック制御する自動変速機の制御装置において、前記目標電流値をなまし処理するなまし処理手段と、なまし処理された目標電流値と、前記ソレノイドに流れた電流値との偏差に基づいて、前記ソレノイドを制御する電気信号を設定する電気信号設定手段とを備えていることを特徴とする自動変速機の制御装置。上記摩擦係合装置には、変速段を設定するブレーキおよびクラッチと、ロックアップクラッチとが含まれる。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の発明によれば、目標電流値がなまし処理されるため、ソレノイドの応答性の急激な変化が抑制されて、応答性を安定的に維持することができ、かつ、フィードバック制御ゲインの設定幅を広くすることが可能になり、フィードバック制御ゲインを高ゲイン化してソレノイドに生じる外乱を抑制することができる。
【0061】
また、請求項1の発明によれば、ソレノイドにより制御される挙動制御装置の油圧が、車両の状態に適合したものになり、車両の挙動を安定させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の特徴的な構成を示すブロック図である。
【図2】この発明で対象とするエンジンおよび自動変速機の全体的な制御系統を模式的に示す図である。
【図3】図2に示した自動変速機のギヤトレーンの一例を示すスケルトン図である。
【図4】図3に示した自動変速機の各変速段を設定するための摩擦係合装置の係合・解放状態を示す図表である。
【図5】図2および図3に示した自動変速機の油圧回路の一部を示す部分油圧回路図である。
【図6】この発明を適用したリニアソレノイドバルブの構成を示す断面図である。
【図7】(A)、(B)、(C)は、図6に示されたリニアソレノイドバルブに供給される電流のデューティ信号の一例を示す線図である。
【図8】この発明における制御ロジックを示すブロック図である。
【符号の説明】
6 電子スロットルバルブ
18 ロックアップクラッチ
100 ソレノイド
101 電流値検出手段
102 なまし処理手段
103 電気信号補正手段
104 油圧制御回路

Claims (1)

  1. ソレノイドに流れた電流値と、前記ソレノイドの目標電流値との偏差に基づいて、前記ソレノイドを電気的にフィードバック制御するソレノイドの制御装置において、
    前記ソレノイドが、車両の挙動制御装置の油圧制御回路に配置されているとともに、
    前記車両の状態に応じて前記目標電流値をなまし処理するなまし処理手段と、
    なまし処理された目標電流値と、前記ソレノイドに流れた電流値との偏差に基づいて、前記ソレノイドを制御する電気信号を設定する電気信号設定手段と
    を備えていることを特徴とするソレノイドの制御装置。
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