JP3622129B2 - ランバーサポート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、椅子の背もたれにおける座者の腰部が当接する部分に装着され、座者の腰部背面を適切に支持するランバーサポートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のランバーサポートとしては、例えば、実公平1−8214号公報や実開昭57−172536号公報等に開示されているようなものがある。
【0003】
これらの従来のランバーサポートは、いずれも硬質の心材の少なくとも前面にクッション材を設け、さらにそのまわりを表皮材により覆う等の複雑な構成なっており、製造が面倒で高くつくという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の技術が有する上記のような問題点に鑑み、簡単な構造で、座者の腰部の形状になじみ、かつ理想的な弾性撓曲性が得られるとともに、座者に快適な当接感を与えることができるようにした、製造が容易なランバーサポートを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によると、上記課題は次のようにして解決される。
(1)椅子の背もたれにおける座者の腰部が当接する部分に装着されるランバーサポートであって、弾性変形可能な材料により形成され、かつ平面視において左右の側部が中央部より前方となるように、また、側面視において上下部が上下方向の中央部より後方となるように湾曲させてあり、かつ上下幅を、中央部においては大とし、両側部へ向かうに従って小とする。
【0006】
(2)上記(1)項において、左右方向の適所に小断面積部分を設けることにより、局部的に易撓曲部分を形成する。
【0007】
(3)上記(2)項において、上縁または下縁に上下方向を向く切込みを設けることにより、小断面積部分を形成する。
【0008】
(4)上記(2)または(3)項において、上下方向の中間部に孔または凹所を設けることにより、小断面積部分を形成する。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1および図2に示すように、椅子の背当て本体(1)は、クッション体(2)を表皮材(3)で包囲してなり、その前面には、上下方向の寸法をやや大とした間隙(4)を設けて、外皮材(5)を張設してある。
【0010】
外皮材(5)の左右側縁下部には、上下方向に長く、かつ内側縁をほぼ垂直とした凹入切欠部(6)(6)を設けてある。この凹入切欠部(6)の内側縁には、図7に示すように、外皮材(5)の左右側縁に続く玉縁(7)が位置するようにしてある。
【0011】
前記間隙(4)内には、上下方向の寸法を、間隙(4)の上下方向の寸法よりも小とし、かつ適度の可撓性を有する合成樹脂からなる横長板状のランバーサポート(8)が挿入されている。
【0012】
ランバーサポート(8)は、座者の腰部背面が適切に当接しうるように、平面視においては後向きに、かつ側面視においては前向きに緩く凹曲しており、かつ好ましい可撓性を付与するために、上下縁の適所に、複数の切込み(9)を付してある(図3〜図5参照)。
【0013】
すなわち、ランバーサポート(8)は、弾性変形可能な材料により形成され、かつ平面視において左右の側部が中央部より前方となるように、また、側面視において上下部が中央部より後方となるように湾曲させられている。
また、ランバーサポート(8)の上下縁の適所に、複数の切込み(9)を設けることにより、この部分を小断面積部分とし、ランバーサポート(8)の左右方向の適所に局部的な易撓曲部分を形成してある。
【0014】
なお図3に明示するように、ランバーサポート ( 8 ) の中央部における上下幅は大きく、両側部へ行くに従って、上下幅は漸次小さくなっている。
【0015】
ランバーサポート(8)の中央部には、方形の孔(24)を穿設し、この孔(24)を設けた部分をも小断面積部分としてある。特に、この孔(24)は、座者の背骨や衣服の縫い合わせ部分等の突起部を逃がすための逃がし孔としての作用をも有している。なお、この孔(24)に代えて、ランバーサポート(8)の前面より後方に向けて凹入する凹所としてもよい。
【0016】
ランバーサポート(8)は、その側端部が凹入切欠部(6)内へ露出するような長さを有し、図6に示すように、その本体(10)の側端縁には、前方を向き、かつ上下縁が僅かに内方、すなわち中央部方向を向く周壁(11)が設けられ、周壁(11)の内方において、本体 (10)には、外向V字状の狭幅の溝孔(12)が設けられている。
【0017】
溝孔(12)により囲まれた部分は内向舌片(13)となっており、かつ溝孔(12)の上下の外向孔(14)(14)の外側端よりやや内方には、ランバーサポート(8)の本体(10)側、および内向舌片(13)側へ食い込むほぼ垂直の係合孔(15)(16)が設けられている。
【0018】
これら係合孔(15)(16)の位置は、ランバーサポート(8)を間隙(4)内へ挿入した際に、外皮材(5)の切欠部(6)の内側縁における玉縁(7)と重合するように定めてあり、またその幅は、玉縁(7)の幅とほぼ等しくしてある。
【0019】
周壁(11)の内側縁に隣接して、ランバーサポート(8)の本体(10)には、上下に並ぶ取付孔(17)(17)を設けてある。
【0020】
(18)は、後方を向く偏平箱状のカバーで、前記周壁(11)の外側面に適正に嵌合しうる外側辺部(19)と、前記溝孔(12)を覆いうる内向V字状の内側辺部(20)とを、ほぼ水平の上下辺部(21)(21)で連設するとともに、これら各辺部にまたがって覆片(22)を設けてなり、上下辺部(21)(21)の付近において、覆片(22)に、前記取付孔(17)へ挿入係止しうる後向きの係止爪(23)(23)を設けたものである。
【0021】
ランバーサポート(8)を間隙(4)内へ挿入し、図7に示すように、溝孔(12)の上下のほぼ垂直の係合孔(15)(15)を玉縁(7)の後面に位置させ、内向舌片(13)を弾性撓曲させて、外皮材(5)の前面へ重合させる。
これにより、前記係合孔(15)(16)の中、内向舌片(13)側のもの(16)は玉縁(7)の前面に、同じく本体(10)側のもの(15)は玉縁(7)の後面に嵌合係止し、ランバーサポート(8)の上下および左右方向の不本意な移動は防止される。
【0022】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によると、単一の部材により簡単に製造できるとともに、座者の腰部の立体形状になじむ三次元のカーブを描くことができ、かつ常に曲面部分が座者の腰部に当接し、上下縁等の角部が座者の腰部に当接することがなく、座者に快適な当接感を与えることができる。
【0023】
請求項2に係る発明によると、ランバーサポートは、小断面積部分において弾性変形が助長され、理想的な弾性撓曲性が得られる。特に、ランバーサポートを側面視において上下部が中央部より後方となるように湾曲させると、ランバーサポートの中央部は前後方向に撓みにくくなるが、このような小断面積部分をランバーサポートの左右方向の適所に設けてあることにより、上記の撓みにくさは解消され、理想的な弾性撓曲性を得ることができる。
【0024】
請求項3に係る発明によると、切込みを設けてあるため、上縁または下縁の左右方向の繋がりは断たれ、ランバーサポートの中央部は、前後方向に撓み易くなっている。
【0025】
請求項4に係る発明によると、上縁または下縁を左右方向に連続させたまま、ランバーサポートの適所に易撓曲部分を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のランバーサポートを備える椅子の正面図である。
【図2】図1におけるII−II線縦断側面図である。
【図3】ランバーサポート本体の正面図である。
【図4】図3におけるIV−IV線横断平面図である。
【図5】ランバーサポート本体の側面図である。
【図6】ランバーサポートの側端部とカバーの拡大斜視図である。
【図7】取付けた状態におけるランバーサポートの側端部とカバーを示す拡大斜視図である。
【符号の説明】
(1)背当て本体
(2)クッション体
(3)表皮材
(4)間隙
(5)外皮材
(6)凹入切欠部
(7)玉縁
(8)ランバーサポート
(9)切込み
(10)本体
(11)周壁
(12)溝孔
(13)内向舌片
(14)外向孔
(15)(16)係合孔
(17)取付孔
(18)カバー
(19)外側辺部
(20)内側辺部
(21)上下辺部
(22)覆片
(23)係止爪
(24)孔
Claims (4)
- 椅子の背もたれにおける座者の腰部が当接する部分に装着されるランバーサポートであって、弾性変形可能な材料により形成され、かつ平面視において左右の側部が中央部より前方となるように、また、側面視において上下部が上下方向の中央部より後方となるように湾曲させてあり、かつ上下幅を、中央部においては大とし、両側部へ向かうに従って小としたことを特徴とするランバーサポート。
- 左右方向の適所に小断面積部分を設けることにより、局部的に易撓曲部分を形成した請求項1記載のランバーサポート。
- 上縁または下縁に上下方向を向く切込みを設けることにより、小断面積部分を形成した請求項2記載のランバーサポート。
- 上下方向の中間部に孔または凹所を設けることにより、小断面積部分を形成した請求項2または3記載のランバーサポート。
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