JP3622114B2 - マフラカバーの取付け構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
請求項に係る発明は、マフラボディ(サイレンサ)の全部もしくは一部またはその付近を覆うマフラカバーの取付け構造、とくに自動二輪車などに好適な取付け構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動二輪車等のマフラについては、エンジンにつながった排気管(ジョイントパイプなど)から筒形のマフラボディの前端部(排気の流れに関して上流側の端部)付近にかけて、マフラカバーが取り付けられることがある(図2(a)を参照)。排気管やマフラには自動二輪車の外観を印象づける効果があるため、マフラカバーを使用することにより、該当部分に滑らかなフォルムを与えたり温度上昇による変色部分を覆うのである。
【0003】
マフラカバーを使用する場合、マフラボディの前端部に対してマフラカバーの一部を図5のように取り付けることが多い。すなわち、まず、図5(b)のように、筒体61とともにマフラボディ60を形成する端板62の外側に2枚の板63・64を取り付けて、前向き(排気の上流寄り)に開いた挿入口65を形成する。その一方、図5(a)・(b)のとおり、マフラカバー70の後端部内面に後ろ向きの突起72を設けたうえ、これにゴム製のダンパー75を被せる。ダンパー75つきの突起72を上記の挿入口65に差し入れることにより、マフラカバー70をマフラボディ60に取り付けるのである。なお、マフラカバー70のうち前方(図5の左方)の部分は、内面に一体化した固定片(図示せず)を図5(a)のバンド73で排気管6に巻き付けること等によって固定するのが一般的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
マフラカバーの取り付けに関する図5のような構造には、下記の点で改善の余地がある。すなわち、
イ) 挿入口65の形成に手間がかかり、また必要部品の数も多い。2枚の板63・64を一体化してマフラボディ60の端板62に溶接等する必要があるからである。
ロ) マフラボディ60の筒体61の外周面とマフラカバー70の外面との間に不連続な部分(段差や隙間など)が不安定に生じやすい。外観上、双方の面は密に連なるか一定の隙間等を有することが好ましいが、ばらつきを生じることなく常にそのような状態になるためには、挿入口65の位置、すなわち筒体61の外周面に対する2枚の板63・64の取付け位置(マフラボディ60上での半径方向の位置)の精度を高めなければならないので、上記した挿入口65の形成に一層の手間がかかる。
【0005】
請求項の発明はこのような課題を解決するものであり、少ない部品によって、容易に、またはさらに外観上好ましい状態にマフラカバーをマフラボディに取り付けることのできる、マフラカバーの取付け構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載したマフラカバーの取付け構造は、筒体とその端部(上流側または下流側の端部)の端板(軸心と概ね直角に設けられる板。エンドプレート)とを含む筒形のマフラボディにマフラカバーを取り付けるための構造であって、下記a)・b)のように構成したものである。
a) 端板の外周縁部をマフラボディの筒体内周面に接するよう外側へ(つまりマフラボディの上流側または下流側へ、いずれかの端部から突出する向きに)曲げるとともに、その曲げ加工の前から端板のうちに形作っておいた突起を端板の外周縁部と同一面の延長上に突出させる。こうした曲げの部分および突起は、たとえば図1に示すように、端板12のうちに外周縁部(曲げの部分)12aおよび突起13を設けることにより形成する。
b) その突起を、マフラカバーの内面に沿って形成した挿入口に差し入れることとする。
【0007】
このような取付け構造には、下記のような作用的特徴がある。
・ マフラカバーの取付けのためにのみ使用する部品をマフラボディに組み付ける必要がない。すなわち、図5(b)の板63・64のような専用の部品をマフラボディに付けなくても、本来の基本的構成部品である端板をマフラボディに組み付けるだけで、マフラカバーの取付けに必要なマフラボディ側の部分(上記突起)が備わることになる。マフラカバーの取付けに使用する突起は、上記のとおり曲げ加工によって、端板のうちに形成しているからである。
【0008】
・ マフラカバーの内面に沿って突起用の挿入口を形成することも、たとえば図1のように当て板21を使用する(請求項2参照)等により、多数部品を用いることなく容易に行える。そのため、マフラカバーの取付けに必要な、マフラボディ側およびマフラカバー側の各部分(突起および挿入口)の形成が、全体として簡単に低コストで行える。
【0009】
・ マフラボディの筒体の外周面に対するマフラカバーの位置(高さ)を、ばらつきのない一定のものにすることができる。筒体外周面に対するマフラカバーの高さは、筒体の半径方向におけるいかなる箇所に上記の突起が設けられるかによって定まるが、この取付け構造によれば突起は、筒体内周面に接するよう曲げられた部分の先に形成されていて、筒体内周面に接する位置に必ず存在し、筒体の厚さや形状にばらつきがない限り取付け誤差の生じる余地はないからである。したがって、マフラボディの筒体の外周面とマフラカバーとは、個々にばらつくことなく密に、または一定の隙間等を介して連なることとなる。
【0010】
請求項2に記載したマフラカバーの取付け構造はとくに、上記の挿入口を、マフラカバーの内面との間に上記突起の挿入される隙間をとって当て板を固定することにより形成し、その挿入口と上記突起との間にダンパー(ゴムや樹脂等の弾性部材でできた緩衝部材)を装着することを特徴とする。つまり挿入口は、図1(a)に例示するような当て板21をマフラカバー20の内面に固定することによって形成し、形成した挿入口22とマフラボディ10側の突起13との間に、図示のようにダンパー25をはさむなどするとよい。
【0011】
こうした取付け構造によると、
・ マフラカバーの内面に当て板を固定するという簡単なやり方で挿入口を形成することができる。つまり、図5(b)の例のように2枚の板63・64を用いて挿入口を形成するのでなく、1枚の板を曲げるだけで構成できる当て板をマフラカバーそのものに固定することによりマフラカバーの内面に沿った挿入口を形成するので、必要なコストや手間が少なくてすむ。
【0012】
・ 挿入口に対して突起を直接に挿入するのでなく両者間にダンパーを装着するため、製作上必要な精度も低くて足りる。挿入口および突起について寸法や位置(周方向の位置など)の精度が高くなくとも、ダンパーの弾性に基づいて、挿入口内に円滑に突起を挿入することができ、しかも両者間にガタつきの生じることを防止できるのである。
【0013】
請求項3に記載したマフラカバーの取付け構造は、さらに、接近して配置した2本のマフラボディのそれぞれにおいて上流端部に上記の突起を設け、それら突起を、一つの(つまり共通する一つの)マフラカバーにおける挿入口にそれぞれ差し入れることを特徴とする。図2および図3に示す例は、この請求項の取付け構造にしたがってマフラカバー50を取り付けたものである。
【0014】
このような取付け構造によれば、
・ マフラボディに対するマフラカバーの取付け状態が安定したものとなる。2本のマフラボディのそれぞれに突起を設ける以上、突起の間に大きめに間隔をとることができるからである。突起間の間隔が大きければ、それら突起と各挿入口との結合によるマフラカバーの取付け状態は当然に安定する。
【0015】
請求項4に記載したマフラカバーの取付け構造は、排気管と複数のマフラボディとの間にそれらをつなぐ接続部が配置されている場合に、当該接続部を覆うとともに、排気管の一部または全部、およびマフラボディの一部または全部をも覆うようにマフラカバーを取り付けることを特徴とする。
【0016】
この取付け構造は、たとえば、自動二輪車において図2・3または図4の例のようにマフラカバー50または50’を取り付けることにより実施することができる。
【0017】
このような構造によると、上記した接続部を中心に排気管やマフラボディをマフラカバーによって覆うことにより、排気管からマフラボディへ到る部分(人目に触れやすい部分)の外観を向上させることができる。上記のマフラカバーが、形状が入り組んで複雑化しがちである接続部等を滑らかなフォルムで覆い、同時に、排気との接触等により変色する部分等が人の目に触れないようにするからである。こうして変色部分を覆うという点には、複雑な形状を有していて製造コストが高くなりやすい接続部等を、作りやすくてコストの低い材料によって製造することも可能になる、という意義もある。
【0018】
【発明の実施の形態】
発明の実施についての形態を、自動二輪車のマフラにおける場合を例にとり、図1〜図3にしたがって説明する。なお、以下に記載する「右」「左」「前」「後」は、特別に示さない限りいずれも自動二輪車の車体のうち進行方向に向かっていう右・左・前・後をさす。
【0019】
まず図1は、自動二輪車(図示省略)における排気管6およびそれに続くマフラボディ10とともに、それらを覆うマフラカバー20を示す図面である。図1(a)・(b)はマフラカバー20を取り付けるための構造および要領を示し、図1(c)は、取り付けた状態での取付け(連結)部分の詳細を示している。
【0020】
図示の例では、排気管6の下流側(後方)に円筒形の1本のマフラボディ10を接続しており、その排気管6からマフラボディ10の上流端部(前端部)にかけての部分を覆うようにマフラカバー20を取り付けることとしている。マフラカバー20は、凹凸の少ない滑らかな曲面をもつよう金属板で形成したうえ、外側表面にクロムメッキ等を施して光沢のある美観をもたせたものである。図1(a)に示すように、マフラカバー20には、幅がほぼ一定の部分20aと、後方ほど幅の拡大する部分20bとを一連に形成しており、前者の部分20aにて排気管6を覆い、後者の部分20bにてマフラボディ10の前端部付近を覆う。
【0021】
マフラボディ10は図1(a)・(b)に示すとおり、外側円筒11aと内側円筒11bとの間にグラスウール製の吸音材11cを充填してなる筒体11と、その筒体11の前後(排気流れの上流側および下流側)に一体化した端板12および15などとを含めて構成している。筒体11や端板12・15で囲んだ内部には、排気管6に続けて、排気音の低減効果が生じるよう複数の膨張室(図示省略)を形成し、マフラボディ10の後端部(下流側端部)において端板15の内側に排気の排出口14を設けている。排気管6とマフラボディ10の各円筒・端板等はステンレス鋼板を材料として形成している。なお、図1(a)中のボルト16は、マフラボディ10を自動二輪車の車体(図示省略)に取り付けるためのものである。
【0022】
マフラカバー20のうち前方の部分は、図1(a)に示す金属バンド23を利用して排気管6の周面上に取り付けるようにしてある。すなわち、図2(b)のマフラカバー50について示した固定片51・53と同様の固定片(図示省略)をマフラカバー20の内面に一体化しておき、それと排気管6とを締め合わせるようにバンド23を巻き付けるのである。
【0023】
しかし、マフラカバー20のうち後部をマフラボディ10の前端部付近に取り付けるに関しては、以下の構造を採用している。すなわち、
a) まずマフラボディ10における端板12を、図1(b)のように外側(前方すなわち排気の上流側)に向かって開いたU字形断面を周上の各部に有するように形成する。これは、プレス加工にて鋼板を曲げる(深絞りする)ことにより形成する。そうした端板12は、内周縁部12bを排気管6の外周面上にはめ付けるとともに、外周縁部12aを筒体11(内側円筒11b)の内周面に接するよう挿入し、それぞれの縁部12a・12bを排気管6および筒体11に対し全周溶接する。
【0024】
b) 端板12の外周縁部12aの先(前方)に、突起13を形成する。突起13は、図1(a)のように先端部を丸くした舌状のもので、端板12として加工される前の平板上に形作っておき、上記a)にいうプレス加工がされたとき外周縁部12aと同一面(延長)上で真っ直ぐ前方に突出するようにする。この突起13は等間隔で3つ形成し、マフラボディ10の左側の位置に来るようにする。
【0025】
c) 一方、マフラカバー20については、後端部付近の内面に当て板21を固着することにより、その内面に沿って挿入口22を形成する。当て板21は、マフラカバー20の内面に接する部分と、当該内面から数mmだけ離れて隙間を形成する部分とを交互に形成した波形・帯状の鋼板で、前者の部分をマフラカバー20に溶接することにより固着する。隙間をなす部分は3箇所形成し、上記b)で設けた突起13の数と間隔に合わせる。
【0026】
d) 各突起13にはめるゴム製のダンパー25を製造する。このダンパー25は、各突起13上に密に装着することができ、装着した状態で挿入口22内に挿入することの可能な、袋形の、耐熱度の高いゴム(シリコンゴムやフッ素ゴムなど)でできたものとする。
【0027】
e) マフラボディ10上の各突起13にダンパー25をはめ付けたうえ、そのダンパー25とともに突起13がマフラカバー20の挿入口22内に入るようにして、マフラカバー20の後部をマフラボディ10の前端部に取り付ける。マフラカバー20のうち前方の部分は、こうして後部の取り付けが完了したのちに、前記のとおりバンド23を利用して排気管6上に取り付けるとよい。
【0028】
f) 上記e)のようにマフラカバー20を取り付けた状態では、図1(c)のとおり、マフラカバー20の後端とマフラボディ10の筒体11(円筒11a)とが、わずかな(厚さ約1mm)隙間を介して連なっている。このことは、上記a)・b)によって突起13を常に筒体11の内周面と接する位置に設けること、および、ダンパー25の厚さ(とくに突起13とマフラカバー20との間にはさまった部分の厚さ)を円筒11a・11bの厚さの和よりもやや厚くしたことによって、簡単にかつ安定的に実現できる。マフラカバー20の後端とマフラボディ10の筒体11との間に上記のとおり隙間を設けたのは、運転中に両者が接触していわゆるビビリ音を発することがないようにしたものである。ビビリ音を防止するうえでは、各部の寸法や形状を適宜変更してマフラカバー20の後端が筒体11の表面上に押し付けられるようにするのもよい。
【0029】
つづく図2および図3には、自動二輪車Xにおける2本型マフラ1(マフラボディ30・40の並置型)等にマフラカバー50を取り付ける例を示している。図2(a)は自動二輪車Xの全体を示す側面図、同(b)はマフラカバー50等の詳細を示す側面図である。また、図3(a)はマフラ1上の突起33・43とマフラカバー50上の挿入口52等の詳細を示し、同(b)は、マフラカバー50を取り付けた状態での取付け(連結)部分の詳細を示している。なお、図3(c)は、同(b)等の場合とはやや異なる態様で突起33’を形成した場合の取付け状態を示す詳細図である。
【0030】
図2(a)のとおり、自動二輪車Xには、燃料タンクの下方位置にエンジン2を搭載し、その排気口2aにエキゾーストパイプ3やマニホールド4、さらにはジョイントパイプ5などの排気管をつなぎ、それらの末端部分に、マフラボディ30・40を含むマフラ1を接続している。マフラ1は、外形を円筒形状にした2本のマフラボディ、すなわち第1マフラボディ30と第2マフラボディ40とを一連に接続することにより構成している。
【0031】
マフラ1のうち第1マフラボディ30は、前方の端部(図3(b)の端板32の内側)にジョイントパイプ5と連結管38とを接続し、後方の端部を、開口のない(または開口を塞いだ)端板34(図2(b))によって閉じ合わせたものである。マフラボディ30の内部にはただ一つの膨張室があり、ジョイントパイプ5から入った排気の全量が内部で折り返して連結管38内へ進むとともに、排気音も、後部の端板34に到達したうえその壁面で反射して前方へ戻る。したがって第1マフラボディ30の内部では、排気音の進行波と反射波とが重なり、互いの位相差に基づいて音圧をうち消し合う作用が生じる。しかも、前方の端部から後方の端部までの距離が長い(約300mm以上。ただし、低減したい周波数域に合わせて変更する)ため十分な位相差をとることができるので、このマフラボディ30は、直径が小さいながらも低周波成分を中心に排気音を効果的に低減させる能力がある。
【0032】
一方、第2マフラボディ40は、前方の端部(端板)に上記連結管38の下流端を接続し、排気を、内部に設けた複数の膨張室や共鳴室等を経由させて後方端部の端板44中の排気排出口から送り出す一般的な形式のマフラボディである。各膨張室や共鳴室および吸音材等の作用によって、中・高周波成分を中心に排気音を低減することができる。内部に概ね直線的な排気流れができるようにしたので、この第2マフラボディ40での排気の圧力損失は比較的小さい。
【0033】
いずれのマフラボディ30・40も、内外二重のステンレス円筒で形成したうえ間に吸音材(グラスウール)を充填してなる筒体の前後に、やはりステンレス製の端板を一体化することにより形成している。たとえば図3(b)に示すマフラボディ30において、符号31は、円筒31a・31bの間に吸音材31cを充填した筒体であり、符号32は、その筒体31の前端部に一体化した端板である。
【0034】
図2のように自動二輪車Xに使用するマフラカバー50も、凹凸の少ない滑らかな曲面をもつよう金属板で形成したうえ、外側表面にクロムメッキ等を施して外観を高めたものである。前方から中ほどにかけての部分には幅がほぼ一定の部分50aを形成し、後部には、後方に向けて幅の拡大する部分50bを形成してそれらを一連のものとし、前者の部分50aによってマニホールド4とジョイントパイプ5を覆い、後者の部分50bによってマフラボディ30・40の前端部付近(とくに、ジョイントパイプ5や連結管38が上下非対称に接続された部分等)を覆うこととしている。
【0035】
このマフラカバー50についても、前方および中ほどの部分は、図2(b)に示す金属バンド53を利用してジョイントパイプ5の周面上に取り付けることとしている。すなわち、マフラカバー50の内側に一部を固着した固定片51・53の先端部を、バンド53によりジョイントパイプ5の外周面上に締め付ける。
【0036】
そしてマフラカバー50のうち部分50bの後端部付近をマフラボディ30・40に対し固定する手段として、この例ではつぎのような構造をとっている。
a) 図3(b)に示すように、図1(b)の場合と同様、マフラボディ30における端板32は、曲げ(深絞り)加工により、外側(前方)に向かって開いたU字形断面のものとする。そして端板32の内周縁部32bを連結管38の外周面上に被せるとともに、外周縁部32aを筒体31(円筒31a)の内周面に接するようはめ入れ、それぞれ全周溶接をする。マフラボディ40における前部の端板についても同様にする。
【0037】
b) 端板32の外周縁部32aの先(前方)であって自動二輪車Xの左方となる位置に、1箇所だけ突起33を形成する。図3(a)のように突起33は先端部の丸い舌状のものとし、端板32の曲げ加工の前に形作っておくなどして、外周縁部32aと同一面の延長上に突出させる。マフラボディ40の前部においても同じように、端板42における1箇所に突起43を形成する。
【0038】
c) マフラカバー50の後端部に近い箇所で、図3(a)・(b)に示すように内面に当て板51を固着することにより、当該内面に沿って挿入口52を形成する。当て板51は、マフラカバー50の内面に接する両側部分の間に当該内面から数mmだけ離れて隙間を作る部分を有する山形・帯状の鋼板で、前者の部分をマフラカバー50に溶接する。上記b)で設けた各突起33・43の位置に挿入口52の位置が合うようにして当て板51を2箇所に固着する。
【0039】
d) 上記の突起33・43に密にはめることができ、その状態で挿入口22内に挿入することの可能な、耐熱ゴム製・袋形のダンパー55を用意する。
【0040】
e) 各突起33・43にダンパー55をはめ付けたうえ、そのダンパー55とともに各突起33・43をマフラカバー50の各挿入口52内に入れるよう、マフラカバー50の後部をマフラボディ30・40の前端部に取り付ける。マフラカバー50の前方部分は、こうして後部の取り付けが完了したのちにバンド53(図2(b))を利用して排気管6上に取り付けるとよい。
【0041】
f) 上記e)のようにマフラカバー50を取り付けた状態では、図3(b)のとおり、マフラカバー50の後端とマフラボディ30の筒体31(円筒31a)とが、わずかな(厚さ約1mmの)隙間を介して連なっている。これは、上記のように突起33を常に筒体31(円筒31a)の内周面と接する位置に設けること、および、端板32の外周半径とダンパー55の厚さ(とくに突起33とマフラカバー50との間にはさまった部分の厚さ)を、カバー50の厚さと円筒31aの外周半径とに等しくしたことによって実現できる。上記のとおり隙間を設けたのは、両者の接触によって運転中にいわゆるビビリ音が生じるのを防止するためだが、同じ観点で、マフラカバー50の後端を筒体31の表面上に押し付けるようにするのもよい。
【0042】
g) マフラカバー50の後端とマフラボディ30の筒体31(円筒31a)とを上記f)とは異なる態様で密に連続させるには、突起33’等を図3(c)にしたがって形成するのもよい。すなわち、端板32の外周縁部32aの先に形成する突起33’は、基部に屈曲部分を設けることにより、外周縁部32aよりもダンパー55の厚さ(突起33’とマフラカバー50との間にはさまった部分の厚さ)に近い寸法だけ内側の位置に伸ばしておく。そうすれば、端板32の外周縁部32aの外面上において、マフラカバー50の後端部と筒体31(円筒31a)の先端部とが、図のように同一面において概ね突き合わされた状態になるからである。なお、円筒31aと端板32との溶接部に対しては、バフ仕上げなどによって溶接焼けを除去しておくのがよい。
【0043】
図4には、図2・図3のマフラ1とは異なるマフラ1’を有する自動二輪車X’に対するマフラカバー50’の取り付けを示している。マフラ1’は、それぞれに排気の排出口44・34を有する2本のマフラボディ30’・40’が、分岐管型の接続部7に対し並列に連結されてなるものである。接続部7は、上流側の一本の管路が下流側で二股に分岐した形のもので、上流側がジョイントパイプ(排気管)5に連結され、下流側の2口のそれぞれがマフラボディの排気導入口に連結されている。
【0044】
このような自動二輪車X’においても、図4のとおり、接続部7を中心にマフラボディ30’・40’の前部とジョイントパイプ5等をも覆うようにマフラカバー50’を取り付けることができる。マフラカバー50’は、図2・図3のマフラカバー50と同様に構成し、二つの部分50a・50bを滑らかに一体化した美観に富んだものである。このマフラカバー50’の取り付けに関しても、前方の部分は図示のようなバンドを利用してジョイントパイプ5の周面上に取り付け、後方の部分は、図2・図3の場合と同様にマフラボディ30’・40’の前端部に形成した突起(図示せず)を、やはりマフラカバー50’の内面において同様に形成した挿入口(図示せず)内に差し入れるのがよい。
【0045】
以上、発明の実施について二つの例を紹介したが、請求項に係る発明はこれらに限定されるものではない。なぜなら、発明の取付け構造は、たとえば、
1) 自動二輪車だけではなく、ATV(四輪バギー車)等の車両や船舶、発電機、各種の作業機・汎用機等のエンジンに接続されたマフラ用のマフラカバー取付け構造としても、有利な効果を発揮できる、
2) また、マフラボディの下流側端部(上流側端部でなく)に設ける端板に突起(より下流側つまりマフラボディの外側に向けて伸びたもの)を形成し、それを利用して、内面に挿入口をもちマフラボディの全体を覆い得るマフラカバーを取り付けることも可能である−からである。
【0046】
【発明の効果】
請求項1に記載したマフラカバーの取付け構造には、つぎの効果がある。すなわち、
・ マフラボディには、専らマフラカバーの取付けのためにのみ使用する部品を別途に組み付ける必要がない。
・ マフラボディ側およびマフラカバー側においてマフラカバーの取付けに必要な各部分を、全体として低コストで簡単に形成できる。
・ マフラボディの筒体の外周面に対するマフラカバーの外面の位置(高さ)を、ばらつきのない一定のものにすることができる。
【0047】
請求項2に記載したマフラカバーの取付け構造によれば、さらにつぎの効果もある。
・ 1枚の板を曲げるだけで構成できる当て板をマフラカバーに固定するという簡単な手段で挿入口を形成でき、必要なコストや手間が少なくてすむ。
・ 挿入口と突起との間にダンパーを装着するため、製作上必要な精度も低くて足りる。
【0048】
請求項3に記載したマフラカバーの取付け構造なら、
・ マフラボディに対するマフラカバーの取付け状態が安定したものとなる。
【0049】
請求項4の取付け構造なら、
・ 排気管からマフラボディへ到る人目に触れやすい部分について、外観を向上させることができる。接続部等を、低コストで作りやすいものにすることも可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態を示す図であって、図1(a)および(b)はマフラボディ10等にマフラカバー20を取り付けるための構造および要領を示し、同(c)は、取り付けた状態での取付け(連結)部分の断面詳細を示している。
【図2】やはり発明の実施の形態を示す図であって、図2(a)は自動二輪車Xの全体を示す側面図、同(b)はマフラカバー50等の詳細を示す側面図である。
【図3】図2の例に関する図であって、図3(a)はマフラ1上の突起33・43とマフラカバー50上の挿入口52等を示す詳細図、同(b)は、マフラカバー50を取り付けた状態での取付け(連結)部分を示す詳細図である。また図3(c)は、同(b)等の場合とは異なる態様で突起33’を形成した場合の取付け状態を示す詳細図である。
【図4】自動二輪車X’に対するマフラカバー50’の取り付けを示す要部の側面図である。
【図5】マフラカバーの取り付けに関する従来の構造および要領を示す図面である。
【符号の説明】
10・30・40・30’・40’ マフラボディ
11・31・41 筒体
12・32・42 端板
12a・32a・42a 外周縁部
13・33・33’・43 突起
20・50・50’ マフラカバー
21・51 当て板
22・52 挿入口
25・55 ダンパー
X 自動二輪車
Claims (4)
- 筒体とその端部の端板とを含む筒形のマフラボディにマフラカバーを取り付けるための取付け構造であって、
端板の外周縁部がマフラボディの筒体内周面に接するよう外側へ曲げられていて、その曲げ加工の前から端板のうちに形作られており端板の外周縁部と同一面の延長上に突出する突起が、マフラカバーの内面に沿って形成された挿入口に差し入れられることを特徴とするマフラカバーの取付け構造。 - 上記の挿入口が、マフラカバーの内面との間に上記突起の挿入される隙間をとって当て板を固定することにより形成されていて、その挿入口と上記突起との間にダンパーが装着されることを特徴とする請求項1に記載したマフラカバーの取付け構造。
- 接近して配置された2本のマフラボディのそれぞれが上流端部に上記突起を備えていて、それら突起が、一つのマフラカバーにおける挿入口にそれぞれ差し入れられることを特徴とする請求項1または2に記載したマフラカバーの取付け構造。
- 排気管と複数のマフラボディとの間にそれらをつなぐ接続部が配置されていて、当該接続部を覆うとともに、排気管の一部または全部、およびマフラボディの一部または全部をも覆うようにマフラカバーが取り付けられることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載したマフラカバーの取付け構造。
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