JP3621688B2 - 移動通信端末および通話チャネル制御方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は自動車電話,携帯電話等の移動通信システムに用いられる移動通信端末および通話チャネル制御方法に係り、特に、移動通信システムが複数の周波数帯を使用する場合に、1つの端末で当該複数の周波数帯に対応可能な移動通信端末および通話チャネル制御方法(通話チャネル指定方法、チャネル切り替え制御方法)に関する。
【0002】
近年、所望の相手と時・場所を選ばず連絡の取れる自動車電話や携帯電話の普及が目覚ましいが、これら以外にも、家庭、オフィス、工事現場、スキー場等で、手軽に相互通信したいという要望も高く、移動通信に対する需要が大幅に高まってきている。
ところで、移動通信では、アナログ変復調方式はもとより、TDMA等のディジタル変復調方式であっても、1つの周波数帯で設定可能な無線チャネルに限りがあるため、移動通信システムでの移動通信端末の利用可能台数が限られている。
そこで、自動車電話や携帯電話等、移動通信システムの使用する周波数帯を複数にして、需要増に的確に対応できるようにする場合がある。
ところが、1つの移動通信端末は、1つの周波数帯でだけ利用できるようになっているところから、ユーザが複数の周波数帯のいずれでも通信できるようにしたい場合、複数の移動通信端末を用意しなければならず、コストや設置スペースが嵩み、又、1つの移動通信端末で我慢する場合、特定の1つの周波数帯でしか利用できず、該周波数帯が他人の使用で塞がっているときは、空きが生じるまで待たなければならないという不便があった。
本発明はこのような状況に鑑み、1つの移動通信端末で、システムの提供する複数の周波数帯を利用できるようにするものである。
【0003】
【従来の技術】
近年、移動途中でも手軽に所望の相手と連絡の取れる自動車電話、携帯電話など、移動通信が急速に普及しつつある。
移動通信システムは、1つの通話チャネルを多数の移動通信端末が時間的に分けて利用するマルチチャネルアクセス方式を採用しているが、現行のシステムでは、変復調をアナログ変復調方式(但し、音声のみ。データはFSK変復調方式)で行っているので、或る移動通信端末が通話中になると、特定の通話チャネル周波数が該端末1台に占有されてしまい、その間、他の移動通信端末は同一チャネル周波数を利用することができず、利用可能な端末台数に限りがあった。
そこで、周波数資源の有効利用を図るためTDMA方式を用いたディジタル変調方式(音声、データとも)の実用化が進められている。
【0004】
図13に、従来提案されているディジタル自動車電話端末(ディジタル移動機)の全体構成を示す。
10は電話機で、送話器,受話器,プッシュダイヤル等を備えたハンドセット12と、フックスイッチ,電源スイッチ,マイコン構成の制御回路等を備えた電話機本体14を有している。
【0005】
16は移動機で、電話機本体の制御回路と通信を行ったり、チャネル切り換え制御を含む端末側の発着呼接続制御、位置登録制御等を行うマイコン構成の制御回路18、トーン発生回路20、送信アナログ音声信号のPCM符号化とPCM音声データのアナログ信号化を行う符号化/復号化回路22、PCM音声データや制御回路18からの送信制御データをTDMA方式で時間分割多重し、制御回路18で指定された所望の送信タイムスロットで送信ベースバンド出力を行ったり、受信ベースバンドデータから所望の受信タイムスロットに係るPCM音声データや受信制御データを分離したりする時間分割多重・分離回路(TDMA回路)24、送信ベースバンドデータに対し、直・並列変換,π/4シフト等を行う送信信号処理回路26、該送信信号処理回路で処理後のデータに対しπ/4シフトQPSKバースト変調を行う直交変調器(MOD)28、制御回路18のチャネル切り換え制御にともなう周波数可変制御に従い、周波数の可変した送信用及び受信用第1ローカル発振信号(fL1)を出力するPLLシンセサイザ回路30、QPSKバースト変調信号を送信用第1ローカル発振信号により所定の送信周波数の送信RF信号に変換する周波数変換器(UP−CON)32、送信RF信号を電力増幅する電力増幅器34、電力増幅後の送信RF信号を外部のアンテナ36へ導いたり、アンテナ36で受波した受信RF信号を受信系へ導いたりする送受分波器38、受信RF信号の増幅を行う低雑音RF増幅器40、増幅後の受信RF信号の所定のRF帯域だけ通す帯域フィルタ(BPF)42、受信RF信号を受信用第1ローカル発振信号により所定周波数の第1IF信号に変換する第1周波数変換器(第1MIX)44、第1周波数変換器44の出力から第1IF信号を取り出す第1IFフィルタ46、所定の固定周波数の第2ローカル発振信号(fL2)を出力するローカル発振器48、第1IF信号を第2ローカル発振信号により所定周波数の第2IF信号に変換する第2周波数変換器(第2MIX)50、第2周波数変換器50の出力から第2IF信号を取り出す第2IFフィルタ52、第2IF信号の増幅を行うIF増幅器54、増幅後の第2IF信号の帯域制限を行う第2IFフィルタ56、第2IF信号の振幅制限を行うリミッタ増幅器58、該リミッタ増幅器からのバースト出力に対し、π/4シフトQPSKバースト復調を行う直交復調器(DMOD)60、復調信号に対し並・直列変換等を行い受信ベースバンド出力を行う受信信号処理回路62、IF増幅器54から取り出した第2IF信号に基づき、受信電界強度の検出を行い検出信号を制御回路18へ出力する電界強度検出回路64などを有している。
【0006】
PLLシンセサイザ回路30は、図14に示す如く、所定周波数の基準信号を発振出力する基準発振器66、プリスケーラ,プログラマブルデバイダ,位相・周波数比較型の位相比較器を含むPLL−IC回路68、LPF70、VCO72、分配器74、増幅器76,78、ローカルフィルタ80,82とから成り、VCO72から出力された第1発振信号(fL1)をPLL−IC回路68のプリスケーラとプログラマブルデバイダで分周後、位相比較器で基準信号との位相・周波数比較を行い、比較信号をLPF70に通して制御電圧に変換し、該制御電圧に基づきVCO72の発振制御を行うことで、プログラマブルデバイダに設定される分周比データに応じた周波数の第1発振信号(fL1)を出力させ、分配器74で送信側と受信側の2系統に振り分けたのち、各々、増幅器76と78で増幅後、ローカルフィルタ80と82で、送信用第1ローカル発振信号(fL1)と受信用第1ローカル発振信号(fL1)を取り出し、周波数変換器32と50へ出力するようになっている。
【0007】
制御回路18は、チャネル切り換えの際、送信周波数と受信周波数の変更が必要な場合、PLL−IC回路68に分周比データを出力し、プログラマブルデバイダに設定させることで、送信周波数と受信周波数を同時に可変させる。但し、ディジタル自動車電話システムでは、TDMA方式により、1つの周波数に対し3つのチャネル(制御チャネルや通話チャネル)が割当られているので、チャネル切り換えが必ずしも送受信周波数の変更を要するものでない。
また、制御回路18はチャネル切り換えの際、時分割多重・分離回路24に対し、チャネルに対応する送信及び受信タイムスロットの指定を行い、所望チャネルでのバースト送受信を行わせる。
【0008】
移動機16の制御回路18によってなされる通信制御処理には大別して、▲1▼位置登録を含む待ち受け、▲2▼発呼接続、▲3▼着呼接続、▲4▼通話中チャネル切り換え、▲5▼終話・切断があり、ディジタル自動車電話システム全体の動作と関連付けながら説明する。
なお、ディジタル自動車電話システムは、セルラ・マルチチャネルアクセス方式を採用しているものとする。また、複信方式により、端末は同一チャネルにつき、基地局側への送信と基地局側からの受信を異なる周波数で行い、送話と受話を同時に行えるようになっているものとし、更に、制御チャネルは着信制御チャネルと発信制御チャネルに分けられているものとする。また、基地局側としてあるのには、各無線ゾーン毎の無線基地局、複数の無線ゾーンを一括して制御する無線回線制御局、無線回線制御局と接続された自動車電話交換局、固定網が含まれものとする。
【0009】
また、簡単のため、ゾーン構成は図15に示す如くなっており、車両の現在地は無線ゾーンWZ1 内にあり、また、無線ゾーンWZ1 乃至WZ7 が1つの制御ゾーンCZ1 (破線範囲)を成しているものとする。そして、制御ゾーンCZ1内では、どの無線ゾーンも着信制御信号上り回線周波数としてのf1 と着信制御信号下り回線周波数としてf1′対で割り当てられており、また、発信制御信号上り回線周波数としてのf2 とf3 、発信制御信号下り回線周波数としてのf2′とf3′(各々f2 , f3 と対をなす)が割り当てられているものとする。更に、制御ゾーンCZ1 の各無線ゾーン毎に、異なる通話信号上り回線周波数としてのf4 乃至f10、通信信号下り回線周波数としてのf4′乃至f10′(各々f4 乃至f10と対をなす)が割り当てられているものとする。そして、各信号回線には、図16に示す如く、第1乃至第3タイムスロットにより、3つのチャネルが割り当てられているものとする。
【0010】
待ち受け
(1) 内蔵メモリに予め登録してある着信制御チャネル番号群を用いて、受信周波数の切り換え(送信周波数も変わる)と時分割多重・分離回路24に対するタイムスロット指定を行い、各着信制御チャネルをサーチし、電界強度検出回路64での検出強度の一番強いものを探して在圏ゾーン(制御ゾーンの1つ)に合わせ、地域識別コードと発信制御チャネル番号を受け取り、発信制御チャネル番号を内蔵メモリに登録する。ここでは、受信電界強度の最も強い着信制御チャネル番号が「1」となり、在圏ゾーンはCZ1 と判明し、登録される発信制御チャネル番号は「4」乃至「9」となる。 ・・端末側
(2) 地域識別コードに変化があるとき、今回登録した発信制御チャネル番号に基づき、送信周波数f2 ,受信周波数f2′に切り換えるとともに、時分割多重・分離回路24に対する第1乃至第3タイムスロットの指定を行い、また、送信周波数f3 ,受信周波数f3′に切り換えるとともに、時分割多重・分離回路24に対する第1乃至第3タイムスロットの指定を行うことで、各登録発信制御チャネル「4」乃至「9」に順に切り換え、その内、空きのチャネルで位置登録信号(位置情報と端末番号を含む)を送信させる。ここでは、発信制御チャネル「4」でなしたものとする。 ・・端末側
(3) ホームメモリ局で端末番号に対応させて登録してある位置情報を書き換え、発信制御チャネル「4」で位置登録確認信号を送信する。 ・・基地局側
(4) 発信制御チャネル「4」を通しての位置登録確認信号の受信で内蔵メモリの地域識別コードを書き換え、今回の着信制御チャネル「1」に切り換えて、待ち受ける。 ・・端末側
(5) 待ち受け中、定期的に、受信電界強度をチェックし、一定値以下に下がったときは、(1) に戻り、この際、地域識別コードに変化がなければ、(3) に進む。・・端末側
【0011】
発呼接続
(1) 待ち受け中に、ハンドセット12の持上げと所望の電話番号のダイヤルで、電話機本体14の制御回路からオフフック信号とダイヤル数字が入力されると、ダイヤル数字を内蔵メモリに一時記憶し、該内蔵メモリに登録済みの発信制御チャネル「4」乃至「9」に順に切り換え、その内、空きチャネルで発呼信号(端末番号を含む)を送信させる。 ・・端末側
(2) 発呼信号の受信レベルを検出し、受信レベルの最も高い無線基地局を端末の在圏無線ゾーンとし(ここではWZ1 とする)、該ゾーンに割り当てられた通話チャネル「10」乃至「11」の内、空きのもの1つを選択し、指定通話チャネル番号を、発呼信号を受信した発信制御チャネルで端末側に送信する。ここでは、通話チャネル「10」を指定したとする。 ・・基地局側
(3) 指定通話チャネル番号に基づき、送信周波数f4 ,受信周波数f4′に切り換え、時分割多重・分離回路24に対し、第1タイムスロットを指定して、指定された通話チャネル「10」に切り換える。 ・・端末側
(4) 端末番号と指定通話チャネル番号に基づき、ホームメモリ局の加入者データにアクセスして、接続可能かチェックし、可能であれば、無線基地局から先に指定した通話チャネルでダイヤル信号送出指令を送信する。 ・・基地局側
(5) ダイヤル信号送出指令に基づき、先に一時記憶したダイヤル数字を指定通話チャネル「10」にて送信させる。
(6) ダイヤル数字に基づき、固定網等へ通話接続する。 ・・基地局側
【0012】
着呼接続
(1) 或る固定加入者が自動車電話番号をダイヤルすると、ダイヤル数字から端末のホームメモリ局を割り出し、その加入者データにアクセスして、位置情報から、在圏ゾーンを見出し、該ゾーンに対し着信制御チャネルで着呼信号を送信して、一斉呼び出しを行う。 ・・基地局側
(2) 着信制御チャネル「1」を通して受信した着呼信号が自機宛のものかチェックし、自機宛であれば、該着信制御チャネル「1」で着呼応答信号を送信させる。 ・・端末側
(3) 着呼応答信号の受信レベルを検出し、該レベルの最も高い無線基地局を端末の在圏無線ゾーンと判断し(ここではWZ1 とする)、この在圏無線ゾーンに割り当てられた通話チャネル「10」乃至「12」の内、空きのチャネル番号1つを指定通話チャネル番号として(ここでは、「11」とする)、在圏ゾーンに係る無線基地局から着信制御チャネル「1」で端末側に送信する。 ・・基地局側
(4) 着信制御チャネル「1」を通して受信した指定通話チャネル番号に基づき指定通話チャネル「11」に切り換える。 ・・端末側
(5) 指定通話チャネルで端末側に呼び出し信号送出指令を送信し、発側加入者に対し、着側加入者を呼び出し中であることを示す呼び出し音を送出させる。・・基地局側
(6) 指定通話チャネル「11」で呼び出し信号送出指令を受信すると、トーン発生回路20から呼び出し信号を発生させ、電話機本体14へ送出せしめて呼び出し音を発生させる。 ・・端末側
(7) ハンドセット12の持上げでオフフックし電話機本体14の制御回路からオフフック信号が入力されると、通話チャネル「11」より応答信号を送信させる。 ・・端末側
(8) 応答信号に基づき通話接続する。 ・・基地局側
【0013】
通話中チャネル切り換え
(1) 例えば、通話チャネル「11」で通話中、無線基地局で検出している当該通話チャネルでの受信レベルが一定値以下になると、無線ゾーンの移行が発生したとして周辺の無線ゾーンに関し、各無線基地局のS/N監視用受信機で当該通話チャネル「11」の受信レベルを測定し、最も受信レベルの高い無線ゾーンを移行先の無線ゾーンとする。該移行先と判断した無線ゾーンが元の無線ゾーンと異なるとき、移行先の無線ゾーン(ここではWZ2 とする)に割当られた内、空きの通話チャネルを選択し(ここでは、「13」とする)、元の無線ゾーンに係る無線基地局から通話チャネル「11」を通して通話中チャネル切り換え信号(指定通話チャネル番号「13」を含む)を送信する。 ・・基地局側
(2) 通話中チャネル切り換え信号に基づき、該信号で指定された通話チャネル「13」への切り換えを行う。 ・・端末側
(3) 通話路を元の無線ゾーンの旧チャネル「11」から移行先の無線ゾーンの新チャネル「13」へ切り換えて通話を継続させ、(1) に戻る。 ・・基地局側
【0014】
終話・切断(端末側から)
(1) 例えば、通話チャネル「13」で通話中、ハンドセット10を電話機本体12に置きフックスイッチが閉じ、電話機本体14の制御回路からオンフック信号が入力されると、通話チャネル「13」で終話信号を送信させる。 ・・端末側
(2) 終話信号に基づき、無線基地局から通話チャネル「13」を通して端末側に切断信号を送信し、固定網までの接続を解除する。 ・・基地局側
(3) 通話チャネル「13」を通して切断信号を入力すると、該通話チャネルで切断確認信号を返送して送信断とし、待ち受け状態に戻る。 ・・端末側
(4) 切断確認信号に基づき、通話チャネルの復旧を行う。 ・・基地局側
【0015】
終話・切断(固定網側から)
(1) 例えば、通話チャネル「13」で通話中、固定網側がオンフックしたとき、通話チャネル「13」を通して端末側に切断信号を送信し、固定網側から自動車電話交換局側へと順次接続を解除していく。・・基地局側
(2) 通話チャネル「13」を通して切断信号を入力すると、該通話チャネルで切断確認信号を返送して送信断とし、待ち受け状態に戻る。 ・・端末側
(3) 切断確認信号に基づき、通話チャネルの復旧を行う。 ・・基地局側
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
このようにして、ディジタル自動車電話システムでは、自動車電話端末側又は固定網側のいずれからも、車両の位置に関わらず、通話が可能となっている。但し、TDMA方式であっても、1つの周波数帯で設定可能な無線チャネルに限りがあるため、ディジタル移動通信システムで利用可能な端末数が限られている。そこで、自動車電話や携帯電話等の移動通信システムでは、システムの使用する周波数帯を複数にして、需要増に的確に対応できるようにする場合がある。
【0017】
ところが、移動通信端末の回路構成の内、特に、PLLシンセサイザ回路(30)のVCO(72)、周波数変換器(32,44)、RF増幅器(34)、送受分波器(38)、低雑音RF増幅器(40)、帯域フィルタ(42)等のRF部分は動作周波数帯域や通過帯域に制約があるため、特定の1つの周波数帯でしか動作し得ず、自動車電話端末等、1つの移動通信端末は、1つの周波数帯でだけ利用でき、ユーザが複数の周波数帯のいずれでも通話したい場合、複数の移動通信端末を用意しなければならず、コストや設置スペースが嵩み、又、1つの移動通信端末で我慢する場合、特定の1つの周波数帯でしか利用できないので、該周波数帯が他人の使用で塞がっているときは、空きが生じるまで待たなければならないという不便があった。
以上から本発明の目的は、1つの端末で、システムの提供する複数の周波数帯を利用できる移動通信端末及び通話チャネル制御方法(通話チャネル指定方法、チャネル切り替え制御方法)を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記課題は本発明によれば、それぞれ制御チャネル及び通話チャネルを備えた第1の周波数帯、第2の周波数帯の双方の周波数帯の信号を受信可能であって、地域情報の変化により位置登録を行なう移動通信端末において、該第1周波数帯の制御チャネルと該第2周波数帯の制御チャネルが同じ地域で送信されている場合に、待ち受ける制御チャネルを異なる周波数帯に変更しても、地域識別情報が変化しない場合には、位置登録を送信しないように制御する制御手段を備えた移動通信端末により達成される。
又、上記課題は本発明によれば、地域情報の変化により位置登録を行なうが、待ち受ける周波数帯を変更しても、地域情報の変化がなければ位置登録を行なわない移動通信端末に対して呼出を行なう無線基地局において、それぞれ制御チャネル及び通話チャネルを備えた第1の周波数帯、第2の周波数帯の双方の周波数帯が自局において利用可能な場合に、前記位置登録を行なった前記移動端末に対して、該第 1 の周波数帯、該第2の周波数帯の双方で呼出を行なう制御手段を備えた無線基地局により達成される。
【0019】
又、上記課題は本発明によれば、それぞれ制御チャネル及び通話チャネルを備えた第1の周波数帯、第2の周波数帯の双方の周波数帯の信号を受信可能な移動通信端末において、第1周波数帯の制御チャネルを介した発呼要求の送信、及び該発呼要求に応答して送信される第2周波数帯に属する通話チャネルの指定情報の受信をした場合に、該第2周波数帯により基地局と通信を行うように制御する制御手段を備えた、移動通信端末により達成される。
【0020】
又、上記課題は本発明によれば、それぞれ制御チャネル及び通話チャネルを備えた第1の周波数帯、第2の周波数帯の双方の周波数帯の信号を受信可能な移動通信端末からの発呼要求に応じて該移動通信端末に対して通話チャネルを指定する基地局における通話チャネル指定方法において、第1周波数帯の制御チャネルを介して移動通信端末からの発呼要求を受信し、該発呼要求に応じて第2周波数帯の通話チャネルを指定する情報を、該第1周波数帯の制御チャネルを介して移動通信端末に送信する通話チャネル指定方法により達成される。この場合、前記送信は、前記第1周波数帯に空き通話チャネルがなく、前記第2周波数帯に空きチャネルがあることを条件とする。
【0021】
又、上記課題は本発明によれば、それぞれ制御チャネル及び通話チャネルを備えた第1の周波数帯、第2の周波数帯の双方の周波数帯の信号を受信可能な移動通信端末において、第1周波数帯の制御チャネルを介した自端末宛ての着呼信号の受信、該着呼信号に応じた応答信号の送信、及び該応答信号に応じて送信された第2周波数帯に属する通話チャネルの指定情報の受信をした場合に、該第2周波数帯により基地局と通信を行うように制御する手段を備えた、移動通信端末により達成される。
【0022】
又、上記課題は本発明によれば、第1の周波数帯域の制御チャネルを介して送信した着呼信号に対して、該第1の周波数帯域の制御チャネルを介して移動通信端末から送信された応答信号を受信し、第2の周波数帯域の空き通話チャネルを指定する情報を、該第1の周波数帯域用の制御チャネルを介して移動通信端末に送信する、基地局における通話チャネル指定方法により達成される。
【0023】
又、上記課題は本発明によれば、それぞれ制御チャネル及び通話チャネルを備えた第1の周波数帯、第2の周波数帯の双方の周波数帯の信号を受信可能な移動通信端末において、第1の基地局との第2周波数帯の通話チャネルを介した通信から、第2の基地局との通信に切り替える際に、前記第1の基地局から、前記第2周波数帯の通話チャネルを介して前記第1周波数帯の通話チャネルの指定情報を受信すると、前記第1周波数帯の該指定された通話チャネルを介した通信に切り替える制御手段を備えた移動通信端末により達成される。
【0024】
又、上記課題は本発明によれば、第2周波数帯の通話チャネルを介した通信を行っている移動通信端末に関する通話チャネルの切り替えの際に、他基地局の第1周波数帯における通話チャネルの指定情報を該第2周波数帯の通話チャネルを介して送信する、基地局におけるチャネル切り替え制御方法により達成される。
【0025】
【作用】
本発明によれば、移動端末は第1周波数帯域用の送受信部及び第2周波数帯域用の送受信部により、該第1周波数帯域、該第2周波数帯域の双方の制御チャネルを受信し、受信した制御チャネルのうち最大受信レベルの制御チャネルで待ち受けるように制御することができ、良好な待ち受けが可能になる。
また、基地局は、第1周波数帯域の制御チャネルを介して移動通信端末からの発呼要求を受信したとき、第1周波数帯域に空き通話チャネルがなく、第2周波数帯域に空きチャネルがあれば、前記発呼要求を受付け、第2周波数帯域の通話チャネルを指定する情報を、該第1周波数帯域の制御チャネルを介して移動通信端末に送信して通話を確立することができる。これにより、移動端末からの発呼要求を拒否する事態を少なくすることができる。
【0026】
また、基地局は、第1周波数帯域の制御チャネルを介して移動通信端末に送信した着呼信号に対して、該第1周波数帯域の制御チャネルを介して移動通信端末から応答信号を受信したとき、第1周波数帯域に空き通話チャネルがなく、第2周波数帯域に空きチャネルがあれば、第2周波数帯域の空き通話チャネルを指定する情報を、該第1周波数帯域用の制御チャネルを介して移動通信端末に送信し、着呼時の通話を確立する。これにより、着呼時に空き通話チャネルがなくて着呼要求を拒否する事態を少なくすることができる。
【0027】
また、移動通信端末は、第1基地局との第2周波数帯域の通話チャネルを介した通信から、第2基地局との通信に切り替える際、前記第1基地局から、前記第2周波数帯域の通話チャネルを介して前記第1周波数帯域の通話チャネルの指定情報を受信すれば、該指定された通話チャネルを介した通信に切り替える。このようにすれば、無線ゾーン移行時において、第1の周波数帯と第2の周波数帯の中から空きチャネルを選択できるので、一方の周波数帯で空きがなくても、他方の周波数帯で空きがあれば、自動的に、当該空きチャネルに切り換えさせて、通話を継続させることができ、通話が途切れる恐れが少なくできる。
【0028】
【実施例】
図1は本発明の原理説明図である。
1は移動通信端末の一例としてのディジタル自動車電話端末であり、第1の周波数帯での送受兼用のアンテナ36Aと第2の周波数帯での送受兼用のアンテナ36Bが接続されている。25は送信ベースバンド信号を所定の変調方式で変調し送信IF信号を作成する変調部、31は切り換えスイッチ、33Aは第1の周波数帯で動作する第1送信部で、送信IF信号を第1の周波数帯の送信RF信号に周波数変換するとともに電力増幅を行う。33Bは第2の周波数帯で動作する第2送信部で、送信IF信号を第2の周波数帯での送信RF信号に周波数変換するとともに電力増幅を行う。
39Aは第1の周波数帯で動作する第1受信部で、第1の周波数帯でのRF信号を受信して所定の受信IF信号に変換する。39Bは第2の周波数帯で動作する第2受信部で、第2の周波数帯でのRF信号を受信して所定のIF信号に変換する。57は切り換えスイッチ、59は受信IF信号から受信ベースバンド信号を復調する復調部である。
第1送信部33Aと第1受信部39Aはアンテナ36A、第2送信部33Bと第2受信部39Bはアンテナ36Bと接続されている。
【0029】
端末を第1の周波数帯で使用するとき、切り換えスイッチ31を第1送信部33Aの側に切り換え、切り換えスイッチ57を第1受信部39Aの側に切り換える。この結果、送信ベースバンド信号は、変調部25で変調後、第1送信部33Aで第1の周波数帯での送信RF信号に変換され、電力増幅されたあと、アンテナ36Aから送信される。また、アンテナ36Aでキャッチされた第1の周波数帯のRF信号は第1受信部39Aで所定の受信IF信号に変換されたのち、復調部59で受信ベースバンド信号に復調されるので、第1の周波数帯で運用することができる。
逆に、端末を第2の周波数帯で使用するとき、切り換えスイッチ31を第2送信部33Bの側に切り換え、切り換えスイッチ57を第2受信部39Bの側に切り換える。この結果、送信ベースバンド信号は、変調部25で変調後、第2送信部33Bで第2の周波数帯での送信RF信号に変換され、電力増幅されたあと、アンテナ36Bから送信される。また、アンテナ36Bでキャッチされた第2の周波数帯のRF信号は第2受信部39Bで所定の受信IF信号に変換されたのち、復調部59で受信ベースバンド信号に復調されるので、第2の周波数帯で運用することができる。
【0030】
これにより、1つの端末を、第1の周波数帯と第2の周波数帯の両方で使用することができ、周波数帯毎に複数の端末を用意しなくても、少ない待ち時間での通信が可能となる。更に、変調部25やその前段の回路、復調部59やその後段の回路は、1系統ずつで済むので、回路構成上の負担も少ない。
【0031】
受信系がダブルスーパヘテロダイン方式になっている場合、複数の周波数帯毎に複数系統設ける受信部は、それぞれ、受信RF信号を第1IF信号に周波数変換する部分とし、これら複数系統の受信部の出力を切り換えスイッチを介して共通のIF部に通し、第2IF信号に変換するようにする。これにより、IF部を含めて複数系統設けるよりも遙かに回路構成の負担を軽減することができる。
【0032】
複数の受信部の各々に、受信RF信号を増幅するRF増幅器を設けることで、受信電界強度がそれほど強くない場所でも、確実に、通信を行えるようになる。
【0033】
送信系の切り換えスイッチの切り換えに連動して、不使用状態となる系統の送信部の少なくとも電力増幅器の電源をオフし、使用状態となる系統側をオンする。これにより、複数系統の送信部を設けたことによる端末内での電力消費の増大を抑えることができる。
【0034】
また、送信系と受信系の切り換えスイッチの切り換えに連動して、不使用状態となる系統の送信部及び受信部の電源をオフし、使用状態となる系統側をオンする。これにより、複数系統の送信部及び受信部を設けたことによる端末内での電力消費の増大をより一層抑えることができる。
【0035】
移動通信端末の対象とする移動通信システムが、複数の周波数帯が、各々、マルチチャネルアクセス方式での制御チャネルと通話チャネルを有しているとき、端末内に、切り換えスイッチの切り換え制御及び送信周波数,受信周波数の可変制御を含む複数の周波数帯にわたるチャネル切り換え制御、を含む端末側発着呼接続制御を行う制御部を設け、発呼時、複数の周波数帯域の中から空きの制御チャネルを探し、該制御チャネルを通して基地局側に発呼接続の要求を行うようにする。これにより、端末側が発呼する場合に、ユーザが切り換えスイッチに対する切り換え操作をしなくても、自動的に、複数の周波数帯の中の空きチャネルを通して発呼接続の要求を行えるから、操作の手間が減ると同時に、通信可能となるまでの待ち時間が短くなる。
【0036】
移動通信端末の対象とする移動通信システムが、複数の周波数帯を1元的に管理して発着呼の接続を行い、複数の周波数帯の内、いずれかの制御チャネルで発呼接続要求があると、基地局側が該制御チャネルを通して複数の周波数帯の中の任意の空きの通話チャネルを端末側に指定するとき、制御部が、発呼接続の要求後、制御チャネルで指定された通話チャネルへの切り換えを行うようにする。
これにより、端末側が発呼する場合に、発呼接続要求したチャネルに係る周波数帯に通話チャネルの空きがなくても他の周波数帯に空きがあれば、即座に通話可能となるので、周波数資源を効率良く利用して、通信可能となるまでの待ち時間を最小限に抑えることができる。
【0037】
移動通信端末の対象とする移動通信システムが、複数の周波数帯が、各々、マルチチャネルアクセス方式での制御チャネルと通話チャネルを有し、かつ、複数の周波数帯を1元的に管理して発着呼の接続を行い、着呼移動通信端末に対しては、基地局側が各周波数帯の制御チャネルを通して呼び出し、複数の周波数帯の内、いずれかの制御チャネルで着呼応答があると、該制御チャネルを通して複数の周波数帯の中の任意の空きの通話チャネルを端末側に指定するとき、端末内に、切り換えスイッチの切り換え制御及び送信周波数,受信周波数の可変制御を含む複数の周波数帯にわたるチャネル切り換え制御、を含む端末側発着呼接続制御を行う制御部を設け、端末の待ち受け時、複数の周波数帯の内、任意の1つに係る所定の制御チャネルに切り換えて待ち受け、該制御チャネルで呼び出しがあると、着呼応答後、制御チャネルで指定された通話チャネルへ切り換えるようにする。
これにより、端末側が着呼する場合に、呼び出しを受けたチャネルに係る周波数帯に通話チャネルの空きがなくても他の周波数帯に空きがあれば、即座に通話可能となるので、周波数資源を効率良く利用して、通信可能となるまでの待ち時間を最小限に抑えることができる。
図2は本発明の実施例構成図であり、図1と同一部分には同一符号を付している。図2は第1の周波数帯(例えば800MHz帯)と第2の周波数帯(例えば1.5GHz帯)の2つの周波数帯で使用できるようにしたディジタル自動車電話端末であり、該端末の対象とするディジタル移動通信システムは、2つの周波数帯が、各々、セルラ・マルチチャネルアクセス方式での複信方式による制御チャネルと通話チャネルを有し、かつ、2つの周波数帯を1元的に管理して発着呼の接続、通話中チャネル切り換え等を行い、また、制御チャネルは着信制御チャネルと発信制御チャネルに別れている場合を示す。
なお、2つの周波数帯の1元的管理により、端末がいずれの周波数帯で発呼接続要求をしても、基地局側は、2つの周波数帯の中から空きとなっている任意の1つの通話チャネルを指定し、また、端末に着呼する場合も、2つの周波数帯の両方で呼び出しを行い、該呼び出しに応じて2つの周波数帯のいずれで着呼応答があっても、2つの周波数帯の中から空きとなっている任意の1つの通話チャネルを指定するようになっているものとする。
【0038】
図2において、10は電話機で、送話器,受話器,プッシュダイヤル等を備えたハンドセット12と、フックスイッチ,電源スイッチ,マイコン構成の制御回路等を備えた電話機本体14を有している。
160は移動機で、180は電話機本体の制御回路と通信を行ったり、チャネル切り換え制御を含む端末側の発着呼接続制御、位置登録制御等を行うマイコン構成の制御回路であり、チャネル切り換え制御には、後述する切り換えスイッチに対する切り換え制御、時分割多重・分離回路に対するタイムスロットの指定、PLLシンセサイザ回路に対する分周比設定等による送信周波数と受信周波数の可変制御、電源オン・オフ回路に対するオン・オフ制御が含まれる。なお、制御回路180の内蔵メモリには、予め、2つの周波数帯での全着信制御チャネルデータが登録されており、待ち受けの際に利用する。
【0039】
20は電話機本体に呼び出し音を出力させる際にトーン信号を発生するトーン発生回路、22は電話機本体から入力した送信アナログ音声信号をPCM符号化したり、PCM音声データのアナログ信号化をして電話機本体へ出力したりする符号化/復号化回路、24はPCM音声データや制御回路180からの送信制御データをTDMA方式で時間分割多重し、制御回路180で指定された所望の送信タイムスロットで送信ベースバンド出力を行ったり、受信ベースバンドデータから所望の受信タイムスロットに係るPCM音声データや受信制御データを分離したりする時間分割多重・分離回路(TDMA回路)である。
【0040】
25は送信ベースバンドの変調を行う変調部で、この内、26は送信ベースバンドデータに対し、直・並列変換,π/4シフト等を行う送信信号処理回路、28は該送信信号処理回路で処理後のデータに対しπ/4シフトQPSKバースト変調を行う直交変調器(MOD)、300は制御回路180のチャネル切り換え制御にともなう第1の周波数帯での周波数可変制御に従い、周波数の可変した第1の周波数帯用の送信用及び受信用第1ローカル発振信号(faL1)を出力したり、制御回路180のチャネル切り換え制御にともなう第2の周波数帯での周波数可変制御に従い、周波数の可変した第2の周波数帯用の第1ローカル発振信号(fbL1)を出力するPLLシンセサイザ回路である。
【0041】
31は切り換えスイッチであり、制御回路180によって周波数帯を変更する際に切り換えられる。33Aは第1の周波数帯で動作する第1送信部、33Bは第2の周波数帯で動作する第2送信部であり、32Aは切り換えスイッチを介して入力したQPSKバースト変調信号を送信用第1ローカル発振信号(faL1)により第1の周波数帯での所定の送信周波数の送信RF信号に変換する周波数変換器(UP−CON)、34Aは該周波数変換器から出力された送信RF信号を電力増幅する電力増幅器である。32Bは切り換えスイッチを介して入力したQPSKバースト変調信号を送信用第1ローカル発振信号(fbL1)により第2の周波数帯での所定の送信周波数の送信RF信号に変換する周波数変換器(UP−CON)、34Bは該周波数変換器から出力された送信RF信号を電力増幅する電力増幅器である。
【0042】
36Aは移動機の外部に設けられた第1の周波数帯用の送受兼用のアンテナ、36Bは移動機の外部に設けられた第2の周波数帯用の送受兼用のアンテナ、38Aは第1送信部から出力された電力増幅後の送信RF信号を外部のアンテナ36Aへ導いたり、アンテナ36Aで受波した受信RF信号を後述する第1受信部へ導いたりする送受分波器、38Bは第2送信部から出力された電力増幅後の送信RF信号を外部のアンテナ36Bへ導いたり、アンテナ36Bで受波した受信RF信号を後述する第2受信部へ導いたりする送受分波器である。送受分波器38Aと38Bは、各々、送信帯域フィルタ,結合器,受信帯域フィルタから構成されている。
【0043】
39Aは第1の周波数帯で動作する第1受信部、39Bは第2の周波数帯で動作する第2受信部であり、図4に示す如く構成されている。40Aは第1の周波数帯での受信RF信号の増幅を行う低雑音RF増幅器、42Aは増幅後の受信RF信号の所定のRF帯域だけ通す帯域フィルタ(BPF)、44Aは受信RF信号を受信用第1ローカル発振信号(faL1)により所定周波数の第1IF信号に変換する第1周波数変換器(第1MIX)、46Aは第1周波数変換器44Aの出力から第1IF信号を取り出す第1IFフィルタ、48Aは所定の固定周波数の第2ローカル発振信号(fL2)を出力するローカル発振器、50Aは第1IF信号を第2ローカル発振信号により所定周波数の第2IF信号に変換する第2周波数変換器(第2MIX)、52Aは第2周波数変換器50Aの出力から第2IF信号を取り出す第2IFフィルタ、54Aは第2IF信号の増幅を行うIF増幅器、56Aは増幅後の第2IF信号の帯域制限を行う第2IFフィルタである。
【0044】
40Bは第2の周波数帯での受信RF信号の増幅を行う低雑音RF増幅器、42Bは増幅後の受信RF信号の所定のRF帯域だけ通す帯域フィルタ(BPF)、44Bは受信RF信号を受信用第1ローカル発振信号(fbL1)により所定周波数の第1IF信号に変換する第1周波数変換器(第1MIX)、46Bは第1周波数変換器44Bの出力から第1IF信号を取り出す第1IFフィルタ、48Bは所定の固定周波数の第2ローカル発振信号(fL2)を出力するローカル発振器、50Bは第1IF信号を第2ローカル発振信号(fL2)により所定周波数の第2IF信号に変換する第2周波数変換器(第2MIX)、52Bは第2周波数変換器50Bの出力から第2IF信号を取り出す第2IFフィルタ、54Bは第2IF信号の増幅を行うIF増幅器、56Bは増幅後の第2IF信号の帯域制限を行う第2IFフィルタである。
【0045】
図2に戻って、57は切り換えスイッチであり、制御回路180によって周波数帯を変更する際に切り換えスイッチ31と連動して切り換えられる。59は復調部であり、58は切り換えスイッチ57を介して入力される第2IF信号の振幅制限を行うリミッタ増幅器、60は該リミッタ増幅器からのバースト出力に対し、π/4シフトQPSKバースト復調を行う直交復調器(DMOD)、62は復調信号に対し並・直列変換等を行い受信ベースバンド出力を行う受信信号処理回路である。
64AはIF増幅器54Aから取り出した第2IF信号に基づき、第1周波数帯での受信電界強度の検出を行う第1電界強度検出回路、64BはIF増幅器54Bから取り出した第2IF信号に基づき、第2周波数帯での受信電界強度の検出を行う第2電界強度検出回路、65は切り換えスイッチであり、制御回路180によって周波数帯を変更する際に切り換えスイッチ31、57と連動して切り換えられて、受信電界強度検出信号を制御回路180へ出力する。
【0046】
PLLシンセサイザ回路300は、図4に示す如く、所定周波数の基準信号を発振出力する基準発振器66、切り換えスイッチ84,プリスケーラ86,プログラマブルデバイダ88,位相・周波数比較型の位相比較器90を含むPLL−IC回路680、LPF70Aと70B、VCO72Aと72B、分配器74Aと74B、増幅器76Aと76B,78Aと78B、ローカルフィルタ80Aと80B,82Aと82Bとから成り、VCO72Aから出力された第1発振信号(faL1)をPLL−IC回路680の切り換えスイッチ84を介して、プリスケーラ86に入力し、該プリスケーラ86とプログラマブルデバイダ88で分周後、位相比較器90で基準信号との位相・周波数比較を行い、比較信号をLPF70Aに通して制御電圧に変換し、該制御電圧に基づきVCO72Aの発振制御を行うことで、プログラマブルデバイダ88に設定される分周比データに応じた第1の周波数帯での第1発振信号(faL1)を出力させ、分配器74Aで送信側と受信側の2系統に振り分けたのち、各々、増幅器76Aと78Aで増幅後、ローカルフィルタ80Aと82Aで、送信用第1ローカル発振信号(faL1)と受信用第1ローカル発振信号(faL1)を取り出し、第1送信部33Aの周波数変換器32Aと第1受信部39Aの第1周波数変換器44Aへ出力するようになってる。
【0047】
また、VCO72Bから出力された第1発振信号(faL1)をPLL−IC回路68Bの切り換えスイッチ84を介して、プリスケーラ86に入力し、該プリスケーラ86とプログラマブルデバイダ88で分周後、位相比較器90で基準信号との位相・周波数比較を行い、比較信号をLPF70Bに通して制御電圧に変換し、該制御電圧に基づきVCO72Bの発振制御を行うことで、プログラマブルデバイダ88に設定される分周比データに応じた第2の周波数帯での第1発振信号(fbL1)を出力させ、分配器74Bで送信側と受信側の2系統に振り分けたのち、各々、増幅器76Bと78Bで増幅後、ローカルフィルタ80Bと82Bで、送信用第1ローカル発振信号(fbL1)と受信用第1ローカル発振信号(fbL1)を取り出し、第1送信部33Bの周波数変換器32Bと第1受信部39Bの第1周波数変換器44Aへ出力するようになっている。
【0048】
図2に戻って、92は第1送信部33Aと第2送信部33B、第1受信部53Aと第2受信部53Bに対する電源のオン・オフを行う電源オン・オフ回路であり、切り換えスイッチ31,57,84の切り換えに連動して、不使用状態となる系統の電源をオフし、使用状態となる電源をオンする。制御回路180は、チャネル切り換えの際、送信周波数と受信周波数の変更が必要な場合、PLL−IC回路680に分周比データを出力し、プログラマブルデバイダ88に設定させることで、送信周波数と受信周波数を同時に可変させる。この際、周波数帯の変更を行う場合は、切り換えスイッチ84の切り換えも行う。第1の周波数帯とする場合は切り換えスイッチ84をVCO72A側に切り換えさせ、第2の周波数帯とする場合はVCO72B側に切り換えさせる。但し、ディジタル自動車電話システムでは、TDMA方式により、1つの周波数に対し3つのチャネル(制御チャネルや通話チャネル)が割当られているので、チャネル切り換えが必ずしも送受信周波数の変更を要するものでない。また、制御回路180はチャネル切り換えの際、時分割多重・分離回路24に対し、チャネルに対応するタイムスロットの指定を行い、所望チャネルでのバースト送受信を行わせる。
【0049】
移動機160の制御回路180の通信制御処理には大別して、▲1▼位置登録を含む待ち受け、▲2▼発呼接続、▲3▼着呼接続、▲4▼通話中チャネル切り換え、▲5▼終話・切断があり、図5乃至図8の流れ図を参照し、ディジタル自動車電話システム全体の動作と関連付けながら説明する。なお、ディジタル自動車電話システムは、セルラ・マルチチャネルアクセス方式を採用しているものとする。また、複信方式により、端末は同一チャネルにつき、無線基地局への送信と無線基地局からの受信を異なる周波数で行い、送話と受話を同時に行えるようになっているものとし、更に、制御チャネルは着信制御チャネルと発信制御チャネルに分けられているものとする。
【0050】
また、簡単のため、ゾーン構成は図9に示す如くなっており、車両の現在地は無線ゾーンWZ1 内にあり、また、無線ゾーンWZ1 乃至WZ7 が1つの制御ゾーンCZ1 (破線範囲)を成しているものとする。そして、制御ゾーンCZ1 内では、どの無線ゾーンも第1の周波数帯で着信制御信号上り回線周波数としてのfa1 と着信制御信号下り回線周波数としてfa1 ′が対で割り当てられており、第2の周波数帯で着信制御信号上り回線周波数としてのfb1 と着信制御信号下り回線周波数としてfb1 ′が対で割り当てられており、また、第1の周波数帯で発信制御信号上り回線周波数としてのfa2 とfa3 、発信制御信号下り回線周波数としてのfa2 ′とfa3′(各々fa2 , fa3 と対をなす)が割り当てられており、第2の周波数帯で発信制御信号上り回線周波数としてのfb2とfb3 、発信制御信号下り回線周波数としてのfb2′とfb3′(各々fb2 , fb3 と対をなす)が割り当てられているものとする。更に、制御ゾーンCZ1 の各無線ゾーン毎に、第1の周波数帯で互いに異なる通話信号上り回線周波数としてのfa4 乃至fa10、通信信号下り回線周波数としてのfa4 ′乃至fa10′(各々fa4 乃至fa10と対をなす)が割り当てられており、第2の周波数帯で互いに異なる通話信号上り回線周波数としてのfb4 乃至fb10、通信信号下り回線周波数としてのfb4 ′乃至fb10′(各々fb4 乃至fb10と対をなす)が割り当てられているものとする。そして、各信号回線には、図10と図11に示す如く、第1乃至第3タイムスロットにより、3つのチャネルが割り当てられているものとする。更に、制御回路180の内蔵メモリには、予め、全国の制御ゾーンに割り当てられた、各着信制御チャネル番号群が第1の周波数帯と第2の周波数帯の別に記憶されているものとする。
【0051】
待ち受け
電源がオンされると、移動機160の制御回路180は、まず、内蔵したメモリに予め登録されている各着信制御チャネル番号群を用いて、2つの周波数帯の各着信制御チャネルへの切り換え制御を行いながら、電界強度検出回路64Aまたは64Bで検出された受信電界強度を比較し、一番電界強度の強い周波数の着信制御チャネルを探し、該着信制御チャネルに切り換える(図5のステップ101)。
着信制御チャネルをサーチする際、着信制御チャネル番号が第1の周波数帯に係るものであるとき、切り換えスイッチ31を第1送信部33A側(a側)、切り換えスイッチ57を第1受信部39A側(a側)、切り換えスイッチ65を第1電界強度検出回路64A側(a側)に切り換え、電源オン・オフ回路92を制御して第1送信部33Aと第1受信部39Aの電源をオンさせると同時に、第2送信部33Bと第2受信部39Bの電源をオフさせ、かつ、PLLシンセサイザ回路300の切り換えスイッチ84をVCO72A側(a側)に切り換えさせたあと、第1の周波数帯での各着信制御チャネルに応じた分周比データをPLL−IC回路680のプログラマブルデバイダ88に設定して受信周波数を第1の周波数帯の中で順に切り換えるとともに、各着信制御チャネルに応じたタイムスロットを時分割多重・分離回路24に指定する。
【0052】
また、着信制御チャネル番号が第2の周波数帯に係るものであるとき、切り換えスイッチ31を第2送信部33B側(b側)、切り換えスイッチ57を第2受信部39B側(b側)、切り換えスイッチ65を第2電界強度検出回路64B側(b側)に切り換え、電源オン・オフ回路92を制御して第1送信部33Aと第1受信部39Aの電源をオフさせると同時に、第2送信部33Bと第2受信部39Bの電源をオンさせ、かつ、PLLシンセサイザ回路300の切り換えスイッチ84をVCO72B側(b側)に切り換え、かつ、第2の周波数帯での各着信制御チャネルに応じた分周比データをPLL−IC回路680のプログラマブルデバイダ88に設定して受信周波数を第2の周波数帯の中で順に切り換えるとともに、各着信制御チャネルに応じたタイムスロットを時分割多重・分離回路24に指定する。
【0053】
電界強度の一番強い周波数の着信制御チャネルに切り換えることで、端末が現在存在する在圏ゾーン(制御ゾーンの1つ)で使用されている着信制御チャネルに切り替わる。なお、着信制御チャネルのサーチは1つの周波数帯だけを対象に行ってもよい。
続いて、時分割多重・分離回路24をして受信ベースバンドから当該着信制御チャネルに係る受信タイムスロットのデータを抜き取らせ、その中に含まれる地域識別コードと全ての発信制御チャネル番号を受け取り(発信制御チャネル番号は、第1の周波数帯と第2の周波数帯の両者のものが含まれているものとする)、発信制御チャネル番号を内蔵メモリに登録する(ステップ102)。ここでは、受信電界強度の最も強い着信制御チャネル番号が第1の周波数帯に係る「1a」となったものとすると(送信周波数fa1 ,受信周波数fa1′)、在圏ゾーンはCZ1 と判明し、登録される発信制御チャネル番号は第1の周波数帯の「4a」乃至「9a」、第2の周波数帯の「4b」乃至「9b」となる。
【0054】
次に、制御回路180は今回受信した地域識別コードが前回受信したときの地域識別コードと異なっているかチェックし(ステップ103)、異なっているときは、内蔵メモリに今回登録した発信制御チャネル番号に基づき、まず、発信制御チャネル番号「4a」乃至「6a」に応じた所定の分周比データをプログラマブルデバイダ88に設定して、送信周波数fa2 ,受信周波数fa2′に切り換えるとともに、時分割多重・分離回路24に対し第1乃至第3タイムスロットの指定を行い、また、発信制御チャネル番号「7a」乃至「9a」に応じた所定の分周比データをプログラマブルデバイダ88に設定して、送信周波数fa3 ,受信周波数fa3′に切り換えるとともに、時分割多重・分離回路24に対し第1乃至第3タイムスロットの指定を行うことで、第1の周波数帯での登録発信制御チャネルに順に切り換え、その中に、空きのチャネルが有るか探す。
【0055】
第1の周波数帯で空きのチャネルが無ければ、切り換えスイッチ31,57,65,84をb側に切り換え、電源オン・オフ回路92を制御して第1送信部33Aと第1受信部39Aの電源をオフすると同時に第2送信部33Bと第2受信部39Bの電源をオンし、発信制御チャネル番号「4b」乃至「6b」に応じた所定の分周比データをプログラマブルデバイダ88に設定して、送信周波数fb2 ,受信周波数fb2′に切り換えるとともに、時分割多重・分離回路24に対し第1乃至第3タイムスロットの指定を行い、また、発信制御チャネル番号「7b」乃至「9b」に応じた所定の分周比データをプログラマブルデバイダ88に設定して、送信周波数fb3 ,受信周波数fb3′に切り換えるとともに、時分割多重・分離回路24に対し第1乃至第3タイムスロットの指定を行うことで、第2の周波数帯での登録発信制御チャネルに順に切り換え、その中に、空きのチャネルが有るか探す(以上、ステップ104)。
【0056】
空きの発信制御チャネルを見出したならば、制御回路180は位置登録信号(位置情報と端末番号を含む)を時分割多重・分離回路24へ出力し、当該発信制御チャネルに応じた送信タイムスロットで無線基地局へ送信させる(ステップ105)。ここでは、第2の周波数帯に係る発信制御チャネル「4b」でなしたものとる。
【0057】
位置登録信号は最寄りの無線基地局BS1で受信され、該無線基地局BS1は、無線回線制御局CS1をへて自動車電話交換局まで中継し、該自動車電話交換局が端末番号からディジタル自動車端末のホームメモリ局を割り出して位置登録信号を転送するとともに、位置登録確認信号を無線回線制御局CS1へ送出し、ホームメモリ局は、端末番号に対応させて登録してある位置情報を書き換え、無線回線制御局CS1は、無線基地局BS1をして端末側が送信してきた着信制御チャネルを通して端末側に位置登録確認信号を送信させる。
【0058】
端末側の制御回路180は、ステップ105のあと、発信制御チャネルを通して時分割多重・分離回路24から位置登録確認信号を受け取ると、内蔵メモリの地域識別コードを書き換えたのち(ステップ106、107)、今回の着信制御チャネル「1a」に切り換えて、待ち受けする(ステップ108)。このように、第1の周波数帯に空きの発信制御チャネルがなくても、第2の周波数帯に空きがあれば、直ちに、位置登録動作を行えるので、速やかに、待ち受け状態に復帰することができる。
待ち受け中、制御回路180は定期的に、電界強度検出回路64Aで検出された受信電界強度が一定値以下に下がったかチェックし(ステップ109)、下がったときは、在圏ゾーンを移行した可能性が有るので、ステップ101に戻って、前述と同様の処理をし、この際、ステップ103で地域識別コードに変化がなければ、ステップ109へ進む。
【0059】
発呼接続
待ち受け状態からの発呼接続は次のようになされる。まず、端末のユーザが電話を掛けるためハンドセット12を持ち上げ、所望の電話番号をダイヤルすると、電話機本体14のフックスイッチがオフし、該電話機本体の制御回路からオフフック信号とダイヤル数字が移動機160の制御回路180に出力される。制御回路180は、待ち受け中、オフフック信号の入力があるかチェックしており(ステップ110)、オフフック信号が入力されると、続いて入力されるダイヤル数字を内蔵メモリに一時記憶するとともに(図6のステップ201)、前述と同様にして、内蔵メモリに登録されている第1の周波数帯と第2の周波数帯での発信制御チャネルに順に切り換え、その内、空き信号を受信できたチャネルで発呼信号(端末番号を含む)を、時分割多重・分離回路24をして、当該発信制御チャネルに応じた送信周波数及び送信タイムスロットで送信せしめる(ステップ202、203)。ここでは、第2の周波数帯に係る発信制御チャネル「5b」が空きとなっており、該チャネル「5b」で送信したものとする。
【0060】
各無線基地局BS1等では、発呼信号を受信するとその受信レベルを検出しながら、発呼信号と受信レベルを無線回線制御局CS1に中継し、該無線回線制御局CS1は受信レベルの最も高い無線基地局(ここではBS1)を発呼端末の在圏無線ゾーンと判断し、この在圏無線ゾーンに割り当てられている第1の周波数帯と第2の周波数での通話チャネル「10a」乃至「12a」,「10b」乃至「12b」の内、使用中でない1つのチャネル番号を選択し、指定通話チャネル番号として、無線基地局BS1から該無線基地局が発呼信号を受信した発信制御チャネル「5b」で端末側に送信させる。
ここでは、第1の周波数帯の通話チャネル「12a」が指定されたものとする。
【0061】
端末側は、時分割多重・分離回路24から指定通話チャネル番号「12a」を受け取った制御回路180がチャネル切り換え制御を行い、指定された通話チャネル「12a」に切り換える(ステップ204、205)。具体的には、切り換えスイッチ31,57,65,84をa側に切り換え、電源オン・オフ回路92を制御して第1送信部33Aと第1受信部39Aの電源をオンすると同時に第2送信部33Bと第2受信部39Bの電源をオフし、通話チャネル番号「12a」に応じた所定の分周比データをプログラマブルデバイダ88に設定して、送信周波数fa4 ,受信周波数fa4′に切り換えるとともに、時分割多重・分離回路24に対し第3タイムスロットの指定を行う。
【0062】
無線回線制御局CS1は、自動車電話交換局に対して発呼信号(端末番号と指定通話チャネル番号を含む)送出し、自動車電話交換局は、端末番号からホームメモリ局を割り出し、その加入者データにアクセスして、接続可能かチェックし、可能であれば、無線回線制御局CS1にダイヤル数字を要求し、無線回線制御局CS1は、無線基地局BS1をして、先に指定した通話チャネル「12a」でダイヤル信号送出指令を送信させる。端末側は、時分割多重・分離回路24からダイヤル信号送出指令を受け取った制御回路180が先に一時記憶したダイヤル数字を指定通話チャネル「12a」にて送信せしめる(ステップ206、207)。このダイヤル数字は、無線基地局BS1、無線回線制御局CS1を経て自動車電話交換局に送られ、固定網等への接続がなされる。これにより、ユーザは所望の相手と通話が可能となる(ステップ208)。
【0063】
このように、発呼する際、一方の周波数帯に空きの発信制御チャネルがなくても、他方の周波数帯に空きがあれば、直ちに、発呼信号の送信を行うことができ、かつ、発呼信号を受けた基地局側は、一方の周波数帯に空きの通話チャネルがなくても他方の周波数帯に空きの通話チャネルがあれば、直ちに、通話チャネルの指定を行い、端末側にチャネル切り換えをさせられるので、端末のユーザは速やかに所望の通話を行うことができる。
【0064】
着呼接続
一方、待ち受け状態にある端末への着呼接続は次のようになされる。或る固定加入者が自動車電話番号をダイヤルすると、固定網交換局は自動車電話交換局まで接続する。自動車電話交換局は、ダイヤル数字から端末のホームメモリ局を割り出し、その加入者データにアクセスして、端末番号に対応して登録された位置情報から、必要により他の自動車電話交換局を中継しながら在圏ゾーンを制御している無線回線制御局CS1に着呼信号(端末番号を含む)を送出し、該無線回線制御局配下の全無線基地局BS1等から着信制御チャネルで着呼信号を送信させ、一斉呼び出しを行わせる。
【0065】
端末側は、着信制御チャネル(ここでは「1a」とする)を通して時分割多重・分離回路24から着呼信号を受け取った制御回路180が自機宛のものかチェックし(図7のステップ301)、自機宛であれば、着信制御チャネル「1a」で着呼応答信号を送信する(ステップ302)。各無線基地局BS1等は、着呼応答信号を受信すると、発呼時と同様に、受信レベルの検出を行い、着呼応答信号と受信レベルを無線回線制御局CS1に中継し、該無線回線制御局CS1は受信レベルの最も高い無線基地局(ここではBS1とする)を端末の在圏無線ゾーンと判断し、この在圏無線ゾーンに割り当てられている第1の周波数帯と第2の周波数帯の通話チャネル「10a」乃至「12a」,「10b」乃至「12b」の内、使用中でないもの1つのチャネル番号を自動車電話交換局に通知する。そして、無線回線制御局CS1は在圏無線ゾーンに係る無線基地局から、該無線基地局BS1が発呼応答信号を受信した着信制御チャネル「1a」で指定通話チャネルを端末側に送信させる。ここでは、通話チャネル「11b」が指定されたものとする。
【0066】
端末側は、時分割多重・分離回路24から指定通話チャネル番号を受け取った制御回路180がチャネル切り換え制御を行い、指定された通話チャネル「11b」に切り換える(ステップ303、304)。具体的には、切り換えスイッチ31,57,65,84をb側に切り換え、電源オン・オフ回路92を制御して第1送信部33Aと第1受信部39Aの電源をオフすると同時に、第2送信部33Bと第2受信部39Bの電源をオンし、通話チャネル番号「11b」に応じた所定の分周比データをプログラマブルデバイダ88に設定して、送信周波数fb4 ,受信周波数fb4 ′に切り換えるとともに、時分割多重・分離回路24に対し第2タイムスロットの指定を行う。
【0067】
無線回線制御局CS1は、在圏無線ゾーンに係る無線基地局BS1から先に指定した通話チャネル「11b」で呼び出し信号送出指令を送信させるとともに、自動車電話交換局をして、発側加入者に対し、着側加入者を呼び出し中であることを示す呼び出し音を送出させる。端末側は、指定通話チャネル「11b」を通して時分割多重・分離回路24から呼び出し信号送出指令を入力した制御回路180がトーン発生回路20を制御して呼び出し信号を発生させ、電話機本体14へ送出せしめて呼び出し音を発生させる(ステップ305、306)。
ハンドセット12が持ち上げられてオフフックすると、電話機本体14の制御回路からオフフック信号が移動機16の制御回路180へ出力され、該制御回路180は通話チャネル「11b」により応答信号を送信せしめる(ステップ307、308)。
該応答信号が、無線基地局BS1で受信されたのち、無線回線制御局CS1、自動車電話交換局等を中継されることで通話接続される。これにより、ユーザは相手方との通話が可能となる(ステップ309)。
【0068】
通話中チャネル切り換え
なお、通話中に自動車が移動すると、無線ゾーン(1つの無線基地局が管理するゾーン)を移行する場合があり、互いに隣接する無線ゾーンでは異なる通話チャネルが割り当てられていることから、通話中のチャネル切り換えが必要となる。
ここでは、通話チャネル「11b」で通話していたものとして、通話中、無線基地局BS1は通話チャネル「11b」での受信レベルを検出しており、一定値以下になると、無線ゾーンの移行が発生したとして直属の無線回線制御局CS1に通知し、無線回線制御局CS1は、必要により他の無線回線制御局と連携しながら、周辺の無線ゾーンに関し、各無線基地局に、S/N監視用受信機で当該通話チャネル「11b」の受信レベルを測定させ、最も受信レベルの高い無線ゾーンを移行先の無線ゾーンと判断する。移行先と判断した無線ゾーンが元の無線ゾーンと同一であれば、通話中チャネル切り換えはしないが、異なるときは、移行先の無線ゾーンに割り当てられた第1の周波数帯と第2の周波数帯の中で、空きの通話チャネルを選択し、自動車電話交換局000にチャネル切り換えを依頼する。ここでは、車両が無線基地局BS4に係る無線ゾーンに移行し、第1の周波数帯の通話チャネル「19a」が選択されたものとする。
【0069】
依頼を受けた自動車電話交換局は、無線回線制御局CS1をして、元の無線ゾーンに係る無線基地局BS1から通話チャネル「11b」を通して通話中チャネル切り換え信号(指定通話チャネル番号「19a」を含む)を送信させる。
端末側の制御回路180は、通話チャネル「11b」を通して時分割多重・分離回路24から送られた通話中チャネル切り換え信号を入力すると、該信号で指定された通話チャネル「19a」への切り換えを行い(図8のステップ401、402)、一方、自動車電話交換局は、通話路を元の無線ゾーンの旧チャネル「11b」から移行先の無線ゾーンの新チャネル「19a」へ切り換えて通話を継続させる。
【0070】
このように、車両が無線ゾーンを移行したため、移行先の無線ゾーンでそれまで空きとなっている通話チャネルに切り換える必要がある場合、第1の周波数帯と第2の周波数帯の中から空きチャネルを選択できるので、一方の周波数帯で空きがなくても、他方の周波数帯で空きがあれば、自動的に、当該空きチャネルに切り換えさせて、通話を継続させることができ、通話が途切れる恐れが少なくなる。
【0071】
終話・切断
ディジタル自動車電話端末のユーザがハンドセット12を電話機本体14に置くと、フックスイッチが閉じ、電話機本体14の制御回路から移動機160の制御回路180にオンフック信号を出力する。
オンフック信号を入力した制御回路180はそれまで通話していた通話チャネル(ここでは、チャネル「19a」とする)で終話信号を送信させる(ステップ403、404)。終話信号は、無線基地局BS4、無線回線制御局CS1を中継されて自動車電話交換局に送られ、自動車電話交換局は直ちに終話してもよい通話か判断し、良ければ、無線回線制御局CS1に通話の切断を指示するとともに、固定網交換機までの接続を解除する。無線回線制御局CS1は、無線基地局BS4から端末側に通話チャネル「19a」を通して切断信号を送信させる。
端末側は、通話チャネル「19a」を通して、時分割多重・分離回路24から切断信号を入力した制御回路180が該通話チャネル「19a」で切断確認信号を返送させて送信断とし(ステップ405〜407)、待ち受け状態に戻る(図5のステップ101)。
切断確認信号を無線基地局BS4から受けた無線回線制御局CS1は、通話チャネルの復旧を行う。
【0072】
これと反対に、固定網側がオンフックしたとき、自動車電話交換局が無線回線制御局CS1に通話チャネルの切断を指示して、端末側にそれまで通話していた通話チャネル「19a」を通して切断信号を送信させて待ち受け状態に移行させるとともに(ステップ408、406、407、図5のステップ101)、固定網側から自動車電話交換局側へと順次接続を解除していく。
【0073】
この実施例によれば、ディジタル移動通信システムが、800 MHZ 帯と1.5 GHZ帯の2つの周波数帯を1元的に管理して、発着呼の接続、通話中チャネル切り換え等を行う場合、1つの端末を用意するだけで以下の動作が可能となる。
(1)2つの周波数帯の任意の一方で待ち受けし、位置登録が必要な場合は、2つの周波数帯の中の空きの発信制御チャネルに切り換えて、位置登録を速やかに行える。
(2)端末側から発呼する場合、2つの周波数帯の中の空きの発信制御チャネルに切り換えて速やかに発呼要求を行い、かつ、2つの周波数帯の中から選択された空きの通話チャネルの指定に従い、該指定通話チャネルに切り換えて所望の通話を行えるので、一方の周波数帯の中からだけ空きチャネルを探す場合よりも遙かに待ち状態となる恐れが少なくなる。
(3)端末側に着呼する場合も、2つの周波数帯の中から選択された空きの通話チャネルの指定に従い、該指定通話チャネルに切り換えて通話を行えるので、発呼側が待ち状態となる恐れが少なくなる。
(4)一方の周波数帯の或る通話チャネルで通話中、在圏無線ゾーンを移行したとき、移行先の無線ゾーンについて、2つの周波数帯の中から選択された空きの通話チャネルの指定に従い、該指定通話チャネルに切り換えて、通話を続行できるので、移行先の無線ゾーンについて、1つの周波数帯の中からだけ空きチャネルを探す場合よりも、通話が途切れる恐れが少なくなる。
【0074】
また、上記した実施例によれば、送信部(33A,33B)と受信部(39A,39B)、送受分波器(38A,38B)、PLLシンセサイザ回路(300)の一部、受信電界強度検出回路(64A,64B)についてだけ2つの周波数帯に対応して2系統設ければ済み、他の変調部25、復調部59、時分割多重・分離回路24等は1系統で済み、回路構成の負担が少なくて済む。更に、各々、2系統の送信部と受信部の内、使用する側だけ電源をオンし、不使用となる側の電源をオフするようにしたので、2系統とも常時、電源オンとする場合に較べて、遙かに、2系統設けたことによる消費電力の増大を抑えることができる。
【0075】
なお、不使用時に電源をオフするのは、不使用側の送信部だけとしてもよく、更に、不使用側の送信部の電力増幅器だけとしてもよい。
また、受信系を図12に示す如く構成し、第1受信部390Aと第2受信部390Bは、低雑音RF増幅器40A,40B、帯域フィルタ(BPF)42A,42B、第1周波数変換器(第1MIX)44A,44Bだけとし、以降は、切り換えスイッチ570を介して、第1IFフィルタ46,ローカル発振器48,第2周波数変換器(第2MIX)50,第2IFフィルタ52,IF増幅器54,、第2IFフィルタ56から成るIF部94と、復調部59、電界強度検出回路64を1系統分だけ設けるようにしてもよい。このようにすれば、受信系の回路構成を一層簡単化できる。
更に、受信電界強度が比較的強い場合、低雑音RF増幅器40A,40Bを省略するようにしてもよい。
【0076】
また、上記した実施例ではディジタル移動通信システムが、2つの周波数帯を利用する場合について説明したが、3つ以上の周波数帯を利用する場合には、送信部と受信部を、各々、3系統以上設けて、1つの端末でいずれの周波数帯にも対応可能とすることができる。
また、ディジタル移動通信システムが2つの周波数帯を1元的に管理するのでなく、別個に管理する場合(発着呼接続や通話中チャネル切り換え等が周波数帯毎に独立してなされる。但し、いずれの周波数帯の着信制御チャネルからも、2つの周波数帯にわたる発信制御チャネル番号を受け取れる場合)であっても、1つの端末で、2つの周波数帯の任意の空きの発信制御チャネルを通して発呼要求し、該発呼要求した側の周波数帯で指定された通話チャネルで通話を行うことができ、発呼時に待ち状態となる恐れを少なくできる。更に、上記した実施例では、制御回路の制御で自動的に、2つの周波数帯の切り換えがなされるようにしたが、ユーザのマニュアル選択操作に従い、切り換わるようにしてもよい。
以上、本発明を実施例、変形例により説明したが、本発明は請求の範囲に記載した本発明の主旨に従い種々の変形が可能であり、本発明はこれらを排除するものではない。
【0077】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、移動端末は第1周波数帯域用の送受信部及び第2周波数帯域用の送受信部により、該第1の周波数帯域、該第2の周波数帯域の双方の制御チャネルを受信し、受信した制御チャネルのうち最大受信レベルの制御チャネルで待ち受けるように制御するから、良好な待ち受けが可能になる。
また、本発明によれば、基地局は、第1の周波数帯域の制御チャネルを介して移動通信端末からの発呼要求を受信したとき、第1の周波数帯域に空き通話チャネルがなく、第2の周波数帯域に空きチャネルがあれば、前記発呼要求を受付け、第2の周波数帯域の通話チャネルを指定する情報を、該第1の周波数帯域の制御チャネルを介して移動通信端末に送信して通話を確立するようにしたから、移動端末からの発呼要求を拒否する事態を少なくすることができる。
【0078】
また、本発明によれば、基地局は、第1の周波数帯域の制御チャネルを介して移動通信端末に送信した着呼信号に対して、該第1の周波数帯域の制御チャネルを介して移動通信端末から応答信号を受信したとき、第1の周波数帯域に空き通話チャネルがなく、第2の周波数帯域に空きチャネルがあれば、第2の周波数帯域の空き通話チャネルを指定する情報を、該第1の周波数帯域用の制御チャネルを介して移動通信端末に送信し、着呼時の通話を確立する。ようにしたから、着呼時に空き通話チャネルがなくて着呼要求を拒否する事態を少なくすることができる。
【0079】
また、、移動通信端末は、第1基地局との第2周波数帯域の通話チャネルを介した通信から、第2基地局との通信に切り替える際、前記第1基地局から、前記第2周波数帯域の通話チャネルを介して前記第1周波数帯域の通話チャネルの指定情報を受信すれば、該指定された通話チャネルを介した通信に切り替える。以上のように構成したから、本発明によれば、無線ゾーン移行時において、第1の周波数帯と第2の周波数帯の中から空きチャネルを選択できるので、一方の周波数帯で空きがなくても、他方の周波数帯で空きがあれば、自動的に、当該空きチャネルに切り換えさせて、通話を継続させることができ、通話が途切れる恐れが少なくできる。
【0080】
また、移動通信端末の対象とする移動通信システムが、複数の周波数帯が、各々、マルチチャネルアクセス方式での制御チャネルと通話チャネルを有しているとき、端末内に、切り換えスイッチの切り換え制御及び送信周波数,受信周波数の可変制御を含む複数の周波数帯にわたるチャネル切り換え制御、を含む端末側発着呼接続制御を行う制御部を設け、発呼時、複数の周波数帯域の中から空きの制御チャネルを探し、該制御チャネルを通して基地局側に発呼接続の要求を行うように構成したから、端末側が発呼する場合に、ユーザが切り換えスイッチに対する切り換え操作をしなくても、自動的に、複数の周波数帯の中の空きチャネルを通して発呼接続の要求を行うことができ、操作の手間が減ると同時に、通信可能となるまでの待ち時間が短くなる。
【0081】
また、移動通信端末の対象とする移動通信システムが、複数の周波数帯を1元的に管理して発着呼の接続を行い、複数の周波数帯の内、いずれかの制御チャネルで発呼接続要求があると、基地局側が該制御チャネルを通して複数の周波数帯の中の任意の空きの通話チャネルを端末側に指定するとき、制御部が、発呼接続の要求後、制御チャネルで指定された通話チャネルへの切り換えを行うように構成したから、端末側が発呼する場合に、発呼接続要求したチャネルに係る周波数帯に通話チャネルの空きがなくても他の周波数帯に空きがあれば、即座に通話可能となるので、周波数資源を効率良く利用して、通信可能となるまでの待ち時間を最小限に抑えることができる。
【0082】
また、移動通信端末の対象とする移動通信システムが、複数の周波数帯が、各々、マルチチャネルアクセス方式での制御チャネルと通話チャネルを有し、かつ、複数の周波数帯を1元的に管理して発着呼の接続を行い、着呼移動通信端末に対しては、基地局側が各周波数帯の制御チャネルを通して呼び出し、複数の周波数帯の内、いずれかの制御チャネルで着呼応答があると、該制御チャネルを通して複数の周波数帯の中の任意の空きの通話チャネルを端末側に指定するとき、端末内に、切り換えスイッチの切り換え制御及び送信周波数,受信周波数の可変制御を含む複数の周波数帯にわたるチャネル切り換え制御、を含む端末側発着呼接続制御を行う制御部を設け、端末の待ち受け時、複数の周波数帯の内、任意の1つに係る所定の制御チャネルに切り換えて待ち受け、該制御チャネルで呼び出しがあると、着呼応答後、制御チャネルで指定された通話チャネルへ切り換えるように構成したから、端末側が着呼する場合に、呼び出しを受けたチャネルに係る周波数帯に通話チャネルの空きがなくても他の周波数帯に空きがあれば、即座に通話可能となるので、周波数資源を効率良く利用して、通信可能となるまでの待ち時間を最小限に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理説明図である。
【図2】本発明の実施例構成図である。
【図3】受信部の構成図である。
【図4】PLLシンセサイザ回路の具体的構成図である。
【図5】移動機の制御回路による待ち受け処理を示す流れ図である。
【図6】移動機の制御回路による発呼接続処理を示す流れ図である。
【図7】移動機の制御回路による着呼接続処理を示す流れ図である。
【図8】移動機の制御回路による通話中チャネル切り換えと終話・切断処理を示す流れ図である。
【図9】ゾーン構成の説明図である。
【図10】第1の周波数帯における信号回線のチャネル割り当ての説明図である。
【図11】第2の周波数帯における信号回線のチャネル割り当ての説明図である。
【図12】移動機の受信系の変形例を示す構成図である。
【図13】従来のディジタル自動車電話端末の全体構成図である。
【図14】図13中のPLLシンセサイザ回路の具体的構成図である。
【図15】ゾーン構成の説明図である。
【図16】信号回線のチャネル割り当ての説明図である。
【符号の説明】
10 電話機
25 変調部
31、57 切り換えスイッチ
33A 第1送信部
33B 第2送信部
39A、390A 第1受信部
39B、390B 第2受信部
40A、40B 電力増幅器
59 復調部
92 電源オン・オフ回路
94 IF部
160 移動機
180 制御回路
Claims (9)
- それぞれ制御チャネル及び通話チャネルを備えた第1の周波数帯、第2の周波数帯の双方の周波数帯の信号を受信可能であって、地域情報の変化により位置登録を行なう移動通信端末において、
該第1周波数帯の制御チャネルと該第2周波数帯の制御チャネルが同じ地域で送信されている場合に、待ち受ける制御チャネルを異なる周波数帯に変更しても、地域識別情報が変化しない場合には、位置登録を送信しないように制御する制御手段を備えた、
ことを特徴とする移動通信端末。 - 地域情報の変化により位置登録を行なうが、待ち受ける周波数帯を変更しても、地域情報の変化がなければ位置登録を行なわない移動通信端末に対して呼出を行なう無線基地局において、
それぞれ制御チャネル及び通話チャネルを備えた第1の周波数帯、第2の周波数帯の双方の周波数帯が自局において利用可能な場合に、前記位置登録を行なった前記移動端末に対して、該第 1 の周波数帯、該第2の周波数帯の双方で呼出を行なう制御手段を備えた、
ことを特徴とする無線基地局。 - それぞれ制御チャネル及び通話チャネルを備えた第1の周波数帯、第2の周波数帯の双方の周波数帯の信号を受信可能な移動通信端末において、
第1周波数帯の制御チャネルを介した発呼要求の送信、及び該発呼要求に応答して送信される第2周波数帯に属する通話チャネルの指定情報の受信をした場合に、該第2周波数帯により基地局と通信を行うように制御する制御手段を備えた、
ことを特徴とする移動通信端末。 - それぞれ制御チャネル及び通話チャネルを備えた第1の周波数帯、第2の周波数帯の双方の周波数帯の信号を受信可能な移動通信端末からの発呼要求に応じて該移動通信端末に対して通話チャネルを指定する基地局における通話チャネル指定方法において、
第1周波数帯の制御チャネルを介して移動通信端末からの発呼要求を受信し、
該発呼要求に応じて第2周波数帯に属する通話チャネルを指定する情報を、該第1周波数帯の制御チャネルを介して移動通信端末に送信する、
ことを特徴とする通話チャネル指定方法。 - 請求項4記載の通話チャネル指定方法において、
前記送信は、前記第1周波数帯に空き通話チャネルがなく、前記第2周波数帯に空きチャネルがあることを条件とする、
ことを特徴とする通話チャネル指定方法。 - それぞれ制御チャネル及び通話チャネルを備えた第1の周波数帯、第2の周波数帯の双方の周波数帯の信号を受信可能な移動通信端末において、
第1周波数帯の制御チャネルを介した自端末宛ての着呼信号の受信、該着呼信号に応じた応答信号の送信、及び該応答信号に応じて送信された第2周波数帯に属する通話チャネルの指定情報の受信をした場合に、該第2周波数帯により基地局と通信を行うように制御する手段を備えた、
ことを特徴とする移動通信端末。 - 第1の周波数帯の制御チャネルを介して送信した着呼信号に対して、該第1の周波数帯の制御チャネルを介して移動通信端末から送信された応答信号を受信し、
第2の周波数帯の空き通話チャネルを指定する情報を、該第1の周波数帯用の制御チャネルを介して移動通信端末に送信する、
ことを特徴とする基地局における通話チャネル指定方法。 - それぞれ制御チャネル及び通話チャネルを備えた第1の周波数帯、第2の周波数帯の双方の周波数帯の信号を受信可能な移動通信端末において、
第1の基地局との第2周波数帯の通話チャネルを介した通信から、第2の基地局との通信に切り替える際に、前記第1の基地局から、前記第2周波数帯の通話チャネルを介して 前記第1周波数帯の通話チャネルの指定情報を受信すると、前記第1周波数帯の該指定された通話チャネルを介した通信に切り替える制御手段、
を備えたことを特徴とする移動通信端末。 - 第2周波数帯の通話チャネルを介した通信を行っている移動通信端末に関する通話チャネルの切り替えの際に、他基地局の第1周波数帯における通話チャネルの指定情報を該第2周波数帯の通話チャネルを介して送信する、
ことを特徴とする基地局におけるチャネル切り替え制御方法。
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